しかしながら、上記従来の画像形成装置のように、指定された記録紙の用紙切れ時に、代替用紙のサイズや向きに合わせて画像を回転させる場合、代替用紙となって記録紙サイズや向きが変更される度に、ユーザが綴じ代位置を設定する作業を行わなければ、各記録紙の綴じ代位置を揃えることができない。また、上記特許文献1に示される印刷制御装置の場合であっても、ユーザが綴じ代位置を指定する操作が必要となる。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、指定された記録紙が印刷中に用紙切れになり、代替用紙のサイズや向きに合わせて画像を回転させて印刷を続行する場合でも、印刷後の各記録紙における綴じ代位置が同一とされた印刷物が得られる画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の発明は、画像データを取得する画像データ取得手段と、ユーザからの指示が示す位置に綴じ代を設定する綴じ代設定手段と、記録紙のサイズ及び向きを設定する記録紙設定手段と、前記記録紙設定手段によって設定された前記記録紙のサイズ及び向きに合わせて、前記画像データ取得手段によって取得された画像データを回転させる画像回転処理手段と、前記画像回転処理手段によって回転された画像データを、前記綴じ代設定手段によって設定された位置に綴じ代を生成した上で、前記記録紙設定手段によって設定された記録紙のサイズ及び向きの記録紙に印刷する印刷手段とを備え、印刷ジョブの実行中に、前記記録紙設定手段によって、前記設定された記録紙のサイズより大きい新たな記録紙のサイズ及び向きが設定された場合、前記画像回転処理手段が、当該新たに設定されたサイズ及び向きの記録紙における印刷可能領域内に、前記画像データを回転させなくても前記画像データに基づく画像全体をサイズを変更することなく印刷が可能か否かを判断し、前記判断の結果が可能である場合には前記画像データを回転させず、前記判断の結果が可能ではない場合に、当該新たに設定されたサイズ及び向きに合わせて前記画像データを回転させ、前記綴じ代設定手段は、前記設定されている綴じ代位置を、当該画像データと同じ回転角度で回転させる画像形成装置である。
この構成によれば、印刷ジョブの実行中に、記録紙設定手段によって新たな記録紙のサイズ及び向きが設定されると、画像回転処理手段が、当該新たな記録紙のサイズ及び向きに合わせて画像データを回転させると共に、更に、綴じ代設定手段が、既に設定されている綴じ代位置を、当該画像データと同じ回転角度で回転させるので、印刷手段によって印刷される印刷物は、排出時の各記録紙のサイズや向きに拘わらず、各記録紙における綴じ代の位置が同一となり、ユーザが各記録紙の向きを揃えると、全記録紙の綴じ代の位置が揃うことになる。
また、この発明によれば、画像回転処理手段は、当該新たな記録紙の印刷可能領域内に、画像データに基づく画像全体の印刷が可能である場合には画像データを回転させず、これにより、綴じ代設定手段も、既に設定されている綴じ代位置を回転させないことになるので、画像を回転させなくても代替用紙に画像を印刷可能な場合は、ユーザは、形成される画像の向きが回転されていない印刷結果を得ることができ、各記録紙の向きを揃える手間を削減することができる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置であって、前記画像回転処理手段は、当該新たに設定されたサイズ及び向きの記録紙に、前記綴じ代設定手段によって設定されている綴じ代の形成領域を確保した上での前記印刷可能領域に基づき前記判断を行うものである。
この発明によれば、画像回転処理手段は、綴じ代領域を確保した上で、当該新たな記録紙の印刷可能領域内に画像データに基づく画像全体の印刷が可能である場合には、画像データを回転させないようにし、綴じ代設定手段も、既に設定されている綴じ代位置を回転させないので、画像を回転させずに代替用紙に印刷を行う場合に、この代替用紙における画像形成領域内に綴じ代及び画像を正確に収めて形成することができる。
また、請求項3に記載の発明は、画像データを取得する画像データ取得手段と、
ユーザからの指示が示す位置に綴じ代を設定する綴じ代設定手段と、
記録紙のサイズ及び向きを設定する記録紙設定手段と、
前記記録紙設定手段によって設定された前記記録紙のサイズ及び向きに合わせて、前記画像データ取得手段によって取得された画像データを回転させる画像回転処理手段と、
前記画像回転処理手段によって回転された画像データを、前記綴じ代設定手段によって設定された位置に綴じ代を生成した上で、前記記録紙設定手段によって設定された記録紙のサイズ及び向きの記録紙に印刷する印刷手段とを備え、
印刷ジョブの実行中に、前記記録紙設定手段によって新たな記録紙のサイズ及び向きが設定された場合、前記画像回転処理手段が、当該新たに設定された記録紙のサイズ及び向きに合わせて前記画像データを回転させ、前記綴じ代設定手段は、前記設定されている綴じ代位置を、当該画像データと同じ回転角度で回転させることにより新たに綴じ代の位置を設定し、
印刷ジョブの実行中に、前記記録紙設定手段によって前記設定された記録紙のサイズより大きい記録紙サイズが設定された場合、前記画像回転処理手段は、前記回転処理後の画像データの端部を、前記綴じ代設定手段によって新たに設定された位置の綴じ代に繋げるものである。
この構成によれば、印刷物の各記録紙の綴じ代位置に合わせて、画像回転処理手段が画像データを移動させるので、ユーザが実際に各記録紙を綴じたときに、綴じ部分に近い位置に画像が形成されることになり、ユーザにとって見やすい印刷物が得られる。また、例えば、上記変更後の記録紙サイズが、当初のサイズよりも大きい場合には、記録紙における余白部分は綴じ代とは反対側に形成されるので、ユーザは、この余白部分を切り取ることによって、形成されている画像に影響を与えることなく、各記録紙の端部を揃えることも可能になる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置であって、ユーザからの操作指示が入力される操作指示入力手段を更に備え、
前記記録紙設定手段は、印刷ジョブの実行中に、前記操作指示入力手段に新たな記録紙のサイズ及び向きが前記操作指示としてユーザから入力された場合、当該入力されたサイズ及び向きを、前記新たな記録紙のサイズ及び向きとして設定するものである。
この構成によれば、印刷手段による印刷に用いられる記録紙のサイズ及び向きを、記録紙設定手段が、印刷ジョブの実行中に操作指示入力手段にユーザから新たに入力された記録紙のサイズ及び向きに設定するので、印刷ジョブの実行中にユーザが変更した新たな記録紙サイズ及び向きに対応して、印刷物の各記録紙における綴じ代の位置が同一になる。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置であって、前記記録紙設定手段は、印刷ジョブの実行中に、前記記録紙設定手段によって設定されたサイズ及び向きの記録紙への前記印刷手段による印刷が不可能となった場合に、前記画像回転処理手段によって回転された画像データの印刷が可能な別の記録紙サイズ及び向きを、前記新たな記録紙のサイズ及び向きとして設定するものである。
この構成によれば、印刷ジョブの実行中に、その時点で設定されているサイズ及び向きの記録紙への印刷が不可能となった場合、記録紙設定手段が、印刷手段による印刷に用いられる記録紙のサイズ及び向きを、上記画像データの印刷が可能な別の記録紙サイズ及び向きを新たな記録紙サイズ及び向きとして設定するので、当該新たな記録紙サイズ及び向きに合わせて、印刷物の各記録紙における綴じ代の位置が同一になる。
請求項1に記載の発明によれば、当初から指定されていた記録紙が用紙切れになり、サイズや向きの異なる代替用紙を用いて印刷を続行する場合であっても、排出時の各記録紙のサイズや向きに拘わらず、各記録紙における綴じ代の位置が同一となる。このため、ユーザが各記録紙の向きを揃えると全記録紙の綴じ代の位置が揃う、ユーザにとって扱いやすい印刷物を得ることができる。
また、画像を回転させなくても代替用紙に画像を印刷可能な場合は、ユーザは、形成される画像の向きが回転されていない印刷結果を得ることができ、各記録紙の向きを揃える手間を削減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、画像を回転させずに代替用紙に印刷を行う場合に、この代替用紙における画像形成領域内にも綴じ代及び画像を正確に収めて形成することができる。
請求項3に記載の発明によれば、印刷物の各記録紙の綴じ代位置に合わせて、画像回転処理手段が画像データを移動させるので、ユーザが実際に各記録紙を綴じたときに、綴じ部分に近い位置に画像が形成されることになり、ユーザにとって見やすい印刷物が得られる。また、例えば、上記変更後の記録紙サイズが、当初のサイズよりも大きい場合には、記録紙における余白部分は綴じ代とは反対側に形成されるので、ユーザは、この余白部分を切り取ることによって、形成されている画像に影響を与えることなく、各記録紙の端部を揃えることも可能になる。
請求項4に記載の発明によれば、印刷ジョブの実行中にユーザが変更した新たな記録紙サイズ及び向きに対応して、印刷物の各記録紙における綴じ代の位置を同一にすることができる。
請求項5に記載の発明によれば、記録紙設定手段が設定した新たな記録紙サイズ及び向きに合わせて、印刷物の各記録紙における綴じ代の位置を同一にすることができる。
以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について図面を参照して説明する。図1は複合機1の内部構成を概略的に示す側面図である。複合機1は、装置本体2と、装置本体2の左方に配設されたスタックトレイ3と、装置本体2の上部に配設された原稿読取部5と、原稿読取部5の上方に配設された原稿給送部6とを有している。
複合機1のフロント部には、操作部(操作手段)47が設けられている。この操作部47には、ユーザが印刷(出力)実行指示を入力するためのスタートキー471と、印刷部数等を入力するためのテンキー472と、各種複写動作の操作ガイド情報等を表示し、これら各種設定入力用にタッチパネル機能を有する液晶ディスプレイ等からなる表示部473と、表示部473で設定された設定内容等をリセットするリセットキー474と、実行中の印刷動作を停止させるためのストップキー475と、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能及びファクシミリ機能を切り換えるための機能切換キー477が備えられている。
原稿読取部(画像データ取得手段の一例)5は、CCD(Charge Coupled Device)センサ及び露光ランプ等からなるスキャナ部51と、ガラス等の透明部材により構成された原稿台52及び原稿読取スリット53とを備える。スキャナ部51は、図略の駆動部によって移動可能に構成され、原稿台52に載置された原稿を読み取るときは、原稿台52に対向する位置で原稿面に沿って移動され、原稿画像を走査しつつ取得した画像データを制御部100(図2)へ出力する。また、スキャナ部51は、原稿給送部6により給送された原稿を読み取るときは、原稿読取スリット53と対向する位置に移動され、原稿読取スリット53を介して原稿給送部6による原稿の搬送動作と同期して原稿の画像を取得し、その画像データを制御部100へ出力する。スキャナ部51は、出力又は保存用の画像を高精度に読み取る。
原稿給送部6は、原稿を載置するための原稿載置部61と、画像読み取り済みの原稿を排出するための原稿排出部62と、原稿載置部61に載置された原稿を1枚ずつ繰り出して原稿読取スリット53に対向する位置へ搬送し、原稿排出部62へ排出するための給紙ローラ(図略)、搬送ローラ(図略)等からなる原稿搬送機構63を備える。原稿搬送機構63は、さらに原稿を表裏反転させて原稿読取スリット53と対向する位置へ再搬送する用紙反転機構(図略)を備え、原稿読取スリット53を介してスキャナ部51から原稿の両面の画像を読取可能にしている。
また、原稿給送部6は、その前面側が上方に移動可能となるように装置本体2に対して回動自在に設けられている。原稿給送部6の前面側を上方に移動させて原稿台52上面を開放することにより、原稿台52上面の原稿載置位置に読み取り原稿、例えば見開き状態にされた書籍等を操作者がセットできるようになっている。
装置本体2は、複数の給紙カセット461と、給紙カセット461から記録紙を1枚ずつ繰り出して記録部40へ搬送する給紙ローラ462と、給紙カセット461から搬送されてきた記録紙に画像を形成する記録部40とを備える。
記録部(印刷手段)40は、スキャナ部51で取得された画像データに基づくレーザ光等を生成して感光体ドラム43を露光する光学ユニット42と、感光体ドラム43上にトナー像を形成する現像部44と、感光体ドラム43上のトナー像を記録紙に転写する転写部41と、トナー像が転写された記録紙を加熱してトナー像を記録紙に定着させる定着部45と、記録部40内の用紙搬送路中に設けられ、記録紙をスタックトレイ3又は排出トレイ48まで搬送する搬送ローラ463,464等とを備える。
記録紙の両面に画像を形成する場合は、記録部40で記録紙の一方の面に画像を形成した後、この記録紙を排出トレイ48側の搬送ローラ463にニップされた状態とする。この状態で搬送ローラ463を反転させて記録紙をスイッチバックさせ、記録紙を用紙搬送路Lに送って記録部40の上流域に再度搬送し、記録部40により他方の面に画像を形成した後、記録紙をスタックトレイ3又は排出トレイ48に排出する。
図2は複合機1の概略構成を示す機能ブロック図である。複合機1には、装置全体の動作制御を司る制御部100が備えられている。この制御部100には、スキャナ部51と、用紙搬送部131と、記録部40とが接続されている。なお、スキャナ部51は、露光ランプ511及びCCD512等を有する。また、制御部100には、スキャナ部51で読み取られた文書データ等が一時的に保存される画像メモリ140と、大量の文書データを保存可能な記憶容量を有する大容量のHDD(記憶装置)150とが接続されている。
画像処理部160は、スキャナ部51による原稿読み取り時には、スキャナ部51から出力されるアナログ画像信号をデジタル画像に変換し、画質を向上させる画像処理を施す。画像処理部160は、当該画像データが印刷される場合は、出力状態に応じた画像処理を施し、例えばレーザ露光の場合には、レーザ信号にアナログ変調する。このアナログ変調された信号に基づいて記録部40でプリントアウトされる。また、スキャナ部51によって読み取った画像データを、HDD150に格納する場合には、画像処理部160は、画質向上のための画像処理後のデータを更に圧縮画像に変換し、画像メモリ140に書き込む。制御部100は、画像メモリ140に書き込まれた圧縮画像を、文書管理の対象となるファイルデータとしてHDD150に格納する。また、登録文書のプリントアウト時には、HDD150又はネットワーク上の各コンピュータから、プリントアウト対象のファイルデータ(圧縮画像)が画像メモリ140に書き出され、画像処理部160は、当該圧縮されたファイルデータを伸張処理し、上記出力状態に応じた画像処理を施した後、上記のように露光用のレーザ信号とする。
さらに、画像処理部160は、画像回転処理部161及び綴じ代設定部162として機能する。画像回転処理部(画像回転処理手段)161は、記録紙設定部106によって設定された記録紙のサイズ及び向きに合わせて、すなわち、当該サイズ及び向きの記録紙における印刷可能領域内に、スキャナ部51によって読み取られた各原稿毎の画像データがそれぞれ収まるように、当該スキャナ部51によって読み取られた原稿画像のデータ(I/F部210及びプリンタコントローラ103によって取得されたネットワーク上の外部コンピュータから送信されてきた画像データであってもよい。(この場合、I/F部210及びプリンタコントローラ103が画像データ取得手段の一例となる)以下、同じ)を回転させる。
綴じ代設定部(綴じ代設定手段)162は、ユーザによって操作部47に入力された指示(綴じ代位置を指定する指示)に従って、綴じ代を設定するものである。また、綴じ代設定部162は、画像回転処理部161によって原稿画像データが回転処理された場合には、既に設定されているそれまでの綴じ代位置を、当該原稿画像データと同じ回転角度で回転させる。
制御部100は、記録紙設定部(記録紙設定手段)106として機能する。記録紙設定部106は、記録紙のサイズ及び向きを設定する。記録紙設定部106は、操作部47に新たな記録紙のサイズ及び向きが操作指示としてユーザから入力されると、記録部40による印刷に用いられる記録紙を、当該入力されたサイズ及び向きの記録紙に設定する。また、記録紙設定部106は、印刷ジョブの実行中に用紙切れが生じた場合には、その時点で印刷対象となっている画像データを印刷可能な別の記録紙サイズ及び向きを選択して、これを以後の印刷に用いる記録紙サイズ及び向きとして新たに設定する(すなわち、記録紙設定部106は、記録部40の印刷に用いられる記録紙を、この新たに設定されたサイズ及び向きを有する記録紙に変更する)。
さらに、制御部100は、複合機1が実行可能な各機能を制御するスキャナコントローラ101,ファクシミリコントローラ102,プリンタコントローラ103,コピーコントローラ104及びネットワークコントローラ105として機能する。
スキャナコントローラ101は、スキャナ部動作に必要な各部の動作制御を行うものである。ファクシミリコントローラ102は、ファクシミリ動作に必要な各部の動作制御を行うものであり、ファクシミリ通信に必要なデータの調整を行うファクシミリ通信部170を制御する。ファクシミリ通信部170には、データ送受信相手である相手先ファクシミリとの電話回線の接続を制御するNCU(Network Control Unit)が備えられている。コピーコントローラ104は、コピー動作に必要な各部の動作制御を行うものである。
プリンタコントローラ103は、プリンタ動作に必要な各部の動作制御を行うものである。ネットワークコントローラ105は、本複合機1とネットワーク上のコンピュータ、更には、インターネット上のサイトとの間で行われるデータ送受信を制御するものである。ネットワークコントローラ105は、上記I/F部210を介して外部とデータを送受信させる。
操作部47は、複合機1の操作に必要な各種の指示がユーザから入力されるものである。操作部47は、表示部473と、操作キー部470(スタートキー471、テンキー472、リセットキー474、ストップキー475、機能切換キー477等からなる)とを有している。
次に、複合機1による印刷処理について説明する。図3は複合機1によるコピー動作時の処理を示すフローチャート、図4乃至図7は表示部473の表示画面の例を示す図、図8は原稿を示す図、図9乃至図12は印刷結果である各記録紙面を示す図である。
ユーザによる操作部47のスタートキー471の押下でコピー開始指示が入力されると(S1でYES)、制御部100は、スキャナ部51を含む原稿読取部5に、原稿載置部61又は原稿台52に載置されている原稿の読み取りを行わせる(S2)。
そして、制御部100は、上記コピー開始指示の入力前に、ユーザによって、コピーの印刷に用いる記録紙のサイズ及び向き(記録紙情報)が操作部47から入力されていたか否かを判断する(S3)。
なお、上記コピー開始指示の入力に先だって、ユーザは、操作部47から、印刷に用いる記録紙と綴じ代の設定が可能とされている。例えば、制御部100は、コピー動作時のスタート画面として、図4に示すような、給紙カセット、拡大率、濃度等の設定を促す表示画面Aを表示部473に表示させる。この表示画面Aにおける給紙カセット選択ボタンA1がユーザによって押下されると、タッチパネル機能により、制御部100に、印刷に用いる記録紙の選択を促す表示画面を表示させる指示が入力される。この指示に従って、制御部100は、表示部473に、図5に示すような、印刷に用いる記録紙の選択を促す表示画面Bを表示させる。
上記の表示画面Bが表示部473に表示されている状態で、ユーザにより給紙カセットa(サイズ:A4、向き:縦の記録紙を収納)の表示ボタンB1が押下され、更にOKボタンB2が押下されると、タッチパネル機能により、制御部100に、印刷時に給紙カセットaに収納されている記録紙(サイズ:A4、向き:縦の記録紙)を給紙させる旨の指示が入力される。制御部100は、OKボタンB2が押下された後は、表示画面Aを表示部473に表示させる。
また、綴じ代の設定は、スタート画面である表示画面Aにおいて、綴じ代設定ボタンA2がユーザによって押下されると、タッチパネル機能により、制御部100に、綴じ代の設定を促す表示画面を表示させる指示が入力される。この指示に従って、制御部100は、表示部473に、図6に示すような、綴じ代の設定を促す表示画面Cを表示させる。
上記の表示画面Cが表示部473に表示されている状態で、ユーザにより、例えば、上綴じ代量の設定ボタンC1,C2が押下されて綴じ代量(18mmが入力されたものとする)が設定された上で、OKボタンC3が押下されると、タッチパネル機能により、制御部100に、記録紙の紙面上の上部に18mmの綴じ代を形成させる旨の指示が入力される。
ユーザによる上記のような操作により、記録紙情報が入力されている場合には(S3でYES)、記録紙設定部106は、当該指示によりユーザから指定されたサイズ及び向きの記録紙を記録部40の印刷に用いる記録紙として設定する(S4)。例えば、上記のように記録紙サイズA4及び縦向きが指定されている場合は、当該サイズ及び向きの記録紙が収納されている給紙カセット461を、印刷時に記録紙を配送するカセットとして選択する。
また、記録紙情報が入力されていない場合には(S3でNO)、記録紙設定部106は、デフォルトのサイズ及び向きからなる記録紙を、記録部40の印刷に用いる記録紙として設定する(S16)。例えば、記録紙設定部106は、スキャナ部51によって読み取られた原稿画像のデータを回転させることなく(向きを変更することなく)、当該画像データに基づく画像の全体を印刷することができるサイズ及び向きの記録紙を判別して設定する。
続いて、制御部100は、上記コピー開始指示の入力前に、ユーザによって綴じ代のサイズ及び位置(綴じ代情報)が操作部47から入力されているか否かを判断する(S5)。
綴じ代情報が入力されている場合は(S5でYES)、綴じ代設定部162は、上記スキャナ部51によって読み取られた原稿画像のデータに対して、当該指示によりユーザから指定された綴じ代を設定する(S6)。例えば、図8に示すような画像がそれぞれ片面側に印刷された各原稿をスキャナ部51が読み取り、これを片面コピーにより原稿と同様の印刷物を得る場合であって、ユーザによる指定又はデフォルト設定で記録紙サイズA4及び縦向きが指定され、綴じ代は、ユーザにより、上綴じで綴じ代量18mmに指定されているとする。この場合、綴じ代設定部162が、図9に示すように、画像印刷後の各記録紙の紙面において、上端縁部に、当該上端縁部から下方に向かう18mm幅の綴じ代が形成されるように、綴じ代を設定する。なお、綴じ代情報が入力されていない場合は(S5でNO)、綴じ代設定部162は、綴じ代を設定しない。
上記のように、記録紙及び綴じ代が記録紙設定部106及び綴じ代設定部162によって設定された後、制御部100は、用紙搬送部131に上記設定されたサイズ及び向きの記録紙を給紙カセット461から記録部40に向けて給紙させ、当該記録紙に対して、記録部40に、スキャナ部51によって読み取られた原稿画像のデータに基づく画像を印刷させる(S7)。
この印刷開始後、印刷対象となる画像データが残っているにも拘わらず、制御部100によって、上記S4又はS16で設定された記録紙の用紙切れが生じたと判定された場合は(S8でYES)、制御部100は、ユーザに対して代替用紙の選択(用紙切れのエラーメッセージ)を促す表示画面、例えば、図7に示すような表示画面Dを表示部473に表示させる(S9)。この表示画面Dが表示部473に表示されているときに、ユーザにより、表示画面Dにおける他の給紙カセット(サイズ:A4,向き:横の記録紙が収納されているものとする)を表示するボタンD1が押下され、さらに継続ボタンD2が押下されると、タッチパネル機能により、記録紙設定部106に代替用紙の設定指示(ここでは、上記操作によりサイズ:A4,向き:横の記録紙を設定する指示があったものとする)が入力される(S10でYES)。そして、記録紙設定部106は、当該指示が示す給紙カセット461を、以後の印刷に用いる給紙カセットとして設定する(S11)。すなわち、記録紙設定部106は、当該指示が示す給紙カセットに収納されている記録紙を、以後の印刷に用いる代替用紙として設定する。
続いて、画像回転処理部161は、当該代替用紙のサイズ及び向きの情報を制御部100から取得し、印刷対象となっている画像データ(未印刷のもの)に基づく画像が、当該サイズ及び向きからなる代替用紙が有する画像印刷可能領域内(上記代替用紙のサイズ及び向きの情報から画像回転処理部161が算出)に収まるか否かを判断する(S12)。そして、代替用紙の印刷可能領域に、印刷対象となっている画像データに基づく画像が収まらない場合(S12でNO)、画像回転処理部161は、上記印刷対象の画像データに基づく画像全体が当該代替用紙の画像印刷領域内に収まるように、この印刷対象の画像データを回転させる(S13)。このとき、綴じ代設定部162は、S6で既に設定されている綴じ代位置を、当該画像回転処理部161による画像データの回転角度と同じ回転角度で回転させる(S14)。
例えば、上記S4又はS16での設定内容が記録紙サイズA4及び縦向きであり、代替用紙のサイズがA4及び横向きであった場合において、第1枚目を印刷終了した時点で用紙切れとなり、第2枚目の記録紙から代替用紙が給送されるとすると、図10に示すように(諸条件は図8に示した例と同じとする)、画像回転処理部161は、印刷対象となる画像データに基づく画像をA4及び横向きの記録紙における印刷可能領域に印刷できないときは、上記画像データを例えば反時計回り方向に90度回転させる。このとき、綴じ代設定部162も、S6で設定された綴じ代(綴じ代位置)を、上記画像データと同様に反時計回り方向に90度回転させ、図10に示す位置に移動させる。
さらに、画像回転処理部161は、印刷対象となる画像データを、S14で移動した綴じ代の位置側に移動させ、綴じ代の記録紙中央側の幅方向端縁部に、当該画像データ(画像データの端部)を繋げる(S15)。なお、当該S15の処理は、代替用紙がそれまでの記録紙とサイズが同一で向きのみ異なる場合には不要である。
例えば、第1枚目は原稿と同じくサイズA4で向きが縦の記録紙に印刷がされ、第2枚目からは代替用紙としてサイズB4で向きが横の記録紙に印刷がされるといった場合のように、第2枚目から従前の記録紙よりもサイズの大きな代替用紙に変更されるとき、図11に示すように、綴じ代に繋がって画像が位置することになり、ユーザにとって見やすい印刷物が得られる。また、この場合、記録紙における余白部分は綴じ部分とは反対側に形成されるので、ユーザは、この余白部分を切り取ることによって、形成されている画像に影響を与えることなく、各記録紙の端部を揃えることも可能になる。
また、上記S12において、代替用紙の印刷可能領域に、印刷対象となっている画像データに基づく画像が収まる場合は(S12でYES)、上記S13の画像回転処理部161による画像データの回転処理と、上記S14の綴じ代設定部162による綴じ代の回転処理は行わず、画像回転処理部161は、既に設定されている綴じ代位置を維持し、S15の綴じ代位置側への画像データの移動処理のみを行う。この場合、第1枚目は原稿と同じくサイズA4で向きが縦の記録紙に印刷がされ、第2枚目からは代替用紙としてサイズA3で向きが横の記録紙に印刷がされるといった場合等は、上記画像データ及び綴じ代を回転させなくても代替用紙の印刷可能領域に当該画像データに基づく画像全体を印刷可能なので、例えば図12に示すように、上記画像データ及び綴じ代を回転させていない画像が代替用紙上に形成される。また、この場合、当該代替用紙に印刷される画像は、画像回転処理部161により、当該代替用紙の左右方向(記録紙搬送方向)における端部に寄せられ、記録部40により形成される。
上記S7乃至S15の処理は、印刷対象とされている画像データがなくなるまで続けられる(S8でNO,S17)。
これにより、当初から指定されていた記録紙が用紙切れになり、サイズや向きの異なる代替用紙を用いて印刷を続行する場合であっても、排出時の各記録紙のサイズや向きに拘わらず、各記録紙における綴じ代の位置が同一となる。このため、ユーザが各記録紙の向きを揃えると全記録紙の綴じ代の位置が揃う、ユーザにとって扱いやすい印刷物を得ることができる。
また、画像を回転させなくても代替用紙に画像を印刷可能な場合は、ユーザは、形成される画像の向きが回転されていない印刷結果を得ることができ、各記録紙の向きを揃える手間を削減することができる。
なお、上記S12の処理では、画像回転処理部161は、印刷対象となっている画像データに基づく画像が、当該サイズ及び向きからなる代替用紙が有する画像印刷領域内に収まるか否かを判断しているが、このS12の処理で、画像回転処理部161が、代替用紙に、綴じ代設定部162によって設定されている綴じ代の形成領域を確保した上で、代替用紙上における印刷可能領域内に、画像データに基づく画像全体の印刷が可能か否かを判断するものとしてもよい。この場合、画像回転処理部161は、当該代替用紙における印刷可能領域に綴じ代の形成領域を確保した後の残りの領域に、当該画像全体の印刷が可能である場合に画像データを回転させず、当該残りの領域に当該画像全体の印刷が可能ではない場合に、当該代替用紙のサイズ及び向きに合わせて画像データを回転させる。
なお、S6で綴じ代が設定されていない場合は、綴じ代設定部162は、上記S14及びS15の処理を行わない。
本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、複合機1がコピー動作を行う場合を例にして説明したが、プリンタ動作を行う場合であっても、本発明の適用が可能である。図13は、複合機1によるプリンタ動作時の処理を示すフローチャートである。図3に示したコピー動作時と同様の処理は同符号を付して説明を省略する。
複合機1がプリンタ動作を行う場合、ネットワーク接続されたコンピュータ等から、I/F部210を介してプリンタコントローラ103が画像データを受信すると(S21でYES)、この画像データに付随して送信されてきた記録紙情報に基づいて、記録紙設定部106が、当該指示によりユーザから指定されたサイズ及び向きの記録紙を、記録部40の印刷に用いる記録紙として設定し(S4)、受信した画像データに付随する綴じ代情報により綴じ代のサイズ及び位置が指定されている場合には(S5でYES)、綴じ代設定部162が、指定されたサイズの綴じ代を指定された位置に設定する(S6)。以降の処理は、図3に示したコピー動作時と同様である。
また、上記各実施形態では、印刷ジョブの実行中に用紙切れが生じた場合に(図3及び図13のS8)、代替用紙を給紙するとして説明したが、ユーザによる操作部47の操作により、印刷ジョブの実行中に当該印刷ジョブが一次停止され、印刷に用いる記録紙がユーザにより別の記録紙に変更された場合であっても、本発明の適用が可能である。
また、上記各実施形態では、制御部100によって、上記S4又はS16で設定された記録紙の用紙切れが生じたと判定された場合に(S8でYES)、ユーザによって選択されたサイズ及び向きからなる記録紙を代替用紙として設定するとしているが、これに代えて、用紙切れ発生時に、記録紙設定部106が、給紙カセット461の中から、当該印刷対象となる画像データの印刷が可能となる代替用紙が収納されている給紙カセットを検出し、この代替用紙を印刷に用いる記録紙として設定するようにしてもよい。