JP5011946B2 - シームレス管状物の製造方法 - Google Patents
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Description
即ち、本発明のシームレス管状物は、
ベルトと、
前記ベルトの少なくとも片端部に、前記ベルトの内周面側に突出するように形成された蛇行防止リブと、
前記ベルトの少なくとも片端部に、前記ベルトと一体成形された管状補強部材と、
を有することを特徴としている。
管状補強部材を円筒金型外周面の少なくとも片端部に配置する工程と、
前記管状補強部材を配置した円筒金型外周面に熱硬化性樹脂を含有する溶液を塗布する工程と、
前記熱硬化性樹脂を含有する溶液を乾燥・焼成処理してベルトを形成し、前記管状補強部材と前記ベルトとを一体成形する工程と、
前記ベルトと一体成形された前記管状補強部材の内周面に蛇行防止リブを設ける工程と、
を有し、
前記円筒金型の外周面の算術平均表面粗さRa2が0.1μm以上であり、前記管状補強部材の内周面の算術平均表面粗さRa1と前記円筒金型の外周面の算術平均表面粗さRa2とが、Ra1≧Ra2の関係を満たす、
ことを特徴としている。
管状補強部材を円筒金型内周面の少なくとも片端部に配置する工程と、
前記管状補強部材を配置した円筒金型内周面に熱硬化性樹脂を含有する溶液を塗布する工程と、
前記熱硬化性樹脂を含有する溶液を乾燥・焼成処理してベルトを形成し、前記管状補強部材とベルトとを一体成形する工程と、
前記管状補強部材が一体成形された前記ベルトの片端部の内周面に蛇行防止リブを設ける工程と、
を有し、
前記円筒金型の内周面の算術平均表面粗さRa2が0.1μm以上であり、前記管状補強部材の外周面の算術平均表面粗さRa1と前記円筒金型の内周面の算術平均表面粗さRa2とが、Ra1≧Ra2の関係を満たす、
ことを特徴としている。
本発明のシームレス管状物は、ベルトと、ベルトの内周面の少なくとも片端部に形成された蛇行防止リブと、ベルトの内周面又は外周面の少なくとも片端部にベルトと一体成形された管状補強部材と、で構成されている。管状補強部材は、ベルトの内周面又は外周面のいずれに設けられていてもよく、内周面に設けられる場合、管状補強部材を介して蛇行防止リブがベルト内周面に設けられ(即ち、管状補強部材の内周面上に蛇行防止リブが設けれ)、外周面に設けられる場合、蛇行防止リブはベルト内周面に直接設けられる。
図1(a)に示すように、幅W1の管状補強部材3と同じ幅にベルト2を切断し、幅W1、長さ50mmの試験片30を得た。図1(b−1)は、試験片30を矢印Aの方向から見た図であり、図1(b−2)は、試験片30を矢印Bの方向から見た図である。
22±2℃、55±5%RHの環境下で、得られた試験片30の一端を、図1(c)に示すようにベルト2と管状補強部材3の接着界面で剥離させ、ベルト2を固定し、管状補強部材3を矢印Cの方向に50mm/minの速度で引っ張りT字型に引き裂いたときの引張力P1(N)を測定する。測定されたP1及びW1を用いてT型剥離強度(P1/W1)(N/mm)を算出する。
図2は、第1実施形態に係るシームレス管状物を示す斜視図である。図3は、図2のA−A断面図である。図4は、第1実施形態に係るシームレス管状物を製造する工程と示す工程図である。
シームレスベルト12の材質としては、ヤング率2000MPa以上の樹脂材料が好ましく用いられる。ヤング率2000MPa以上の樹脂材料を用いることで、ベルト走行時に、蛇行防止リブに加わる応力によるベルト変形を抑制することができる。シームレスベルト12の材質としては、熱硬化性樹脂が好ましく、具体的にはポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
シームレスベルト12がベルト支持ローラの軸方向へ移動しようとする寄り力が発生すると、その寄り力に抗して発生する同じ強度の反力(応力)が蛇行防止リブ16に直接かかることとなる。この応力を蛇行防止リブ16自身である程度分散吸収することができるという観点から、蛇行防止リブ16は、JIS A硬度60°〜90°の弾性部材であることが好ましく、特に好ましくは、JIS A硬度が60°〜80°の範囲である。JIS A硬度が60°よりも小さい場合は、蛇行防止リブ16の変形が大きいので、エンドレスベルトが乗り上げてしまう場合があり、JIS A硬度が90°よりも大きい場合は、シームレス管状物10がベルト支持ローラに追従しなくなってしまう場合がある。ここで、JIS A硬度とは、JIS K6253(1997年)に規定されるゴム硬度である。
管状補強部材14は、シームレスベルト12の破断、折れ、クラック防止するためにシームレスベルト12の両端部に設けられるものである。管状補強部材14の材質は、シームレスベルト12形成温度以上の耐熱性が有ればよく、耐熱樹脂であれば特に制限はない。管状補強部材14の材質として具体的には、シームレスベルト12と同様なポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられ、その他、繊維状の金属も挙げられる。
管状補強部材14の弾性率は、ベルトの弾性率以上であることが好ましい。管状補強部材14の弾性率がベルトの弾性率未満の場合、管状補強部材が変形してしまい、ベルトの平面度が保てなくなることがある。
ここで、弾性率は次のように求めたものである。JISK7113に準拠し、四号型試験片を用いて、引張速度は10mm/minとして、引張弾性率を求めた。
式:ω=2tan-1(h/r)
本実施形態に係るシームレス管状物10の作製は、例えば、図4に示すようにして作製することができる。まず、円筒金型18を準備し、その外周面全面に渡って均一に、離型剤18Aを塗布して離型処理を施す(図4(A)参照)。離型剤18Aとしては、シリコーン系やフッ素系のオイルを変性して耐熱性を持たせたものが有効である。また、シリコーン樹脂の超微粒子を水に分散させた水系離型剤も用いることができる。離型処理は、離型剤を塗布し、溶剤を乾燥させてそのまま、或いは焼き付けて行われる。
ここで、円筒金型18の表面粗さRa2が0.1μm以上であることが好ましい。Ra2が0.1μm未満の場合、円筒金型18表面の塗液固着を防止できなくなることがある。
加えて、管状補強部材14が金型に接触する面の算術平均表面粗さRa1と円筒金型18表面の算術平均表面粗さRa2が、Ra1≧Ra2の関係を満たすことが好ましい。Ra1をRa2以上にすることで、ベルト乾燥・焼成時に発生するガスの抜け道となる凹凸の間隙が形成でき、かつ、管状補強部材14の表面粗さが大きくなることで塗液が凹凸の大きい管状補強部材14の側に選択的に追従し、円筒金型18表面は塗液の固着汚染による脱型性能の低下を防ぐことができる。また、得られるシームレス管状物はベルトの膨れ等の欠陥も無く、平面度に優れるものとなる。
図5は、第2実施形態に係るシームレス管状物を示す斜視図である。図6は、図5のB−B断面図である。図7は、第2実施形態に係るシームレス管状物を製造する工程と示す工程図である。
本実施形態に係るシームレス管状物10の作製は、例えば、図7に示すようにして作製することができる。まず、円筒金型18を準備し、その内周面全面に渡って均一に、離型剤18Aを塗布して離型処理を施す(図7(A)参照)。離型剤18Aとしては、シリコーン系やフッ素系のオイルを変性して耐熱性を持たせたものが有効である。また、シリコーン樹脂の超微粒子を水に分散させた水系離型剤も用いることができる。離型処理は、離型剤を塗布し、溶剤を乾燥させてそのまま、或いは焼き付けて行われる。
ここで、円筒金型18の内周面粗さRa2が0.1μm以上であることが好ましい。Ra2が0.1μm未満の場合、円筒金型18表面の塗液固着を防止できなくなることがある。
加えて、管状補強部材14が金型に接触する面の算術平均表面粗さRa1と円筒金型18内周面の算術平均表面粗さRa2が、Ra1≧Ra2の関係を満たすことが好ましい。Ra1をRa2以上にすることで、ベルト乾燥・焼成時に発生するガスの抜け道となる凹凸の間隙が形成でき、かつ、管状補強部材14の表面粗さが大きくなることで塗液が凹凸の大きい管状補強部材14の側に選択的に追従し、円筒金型18表面は塗液の固着汚染による脱型性能の低下を防ぐことができる。また、得られるシームレス管状物はベルトの膨れ等の欠陥も無く、平面度に優れるものとなる。
本発明の画像形成装置は、本発明のシームレス管状物10を用いた中間転写体方式の画像形成装置及び本発明のシームレス管状物10を用いた用紙搬送ベルト方式の画像形成装置であれば特に限定されるものではない。例えば、現像装置内に単色のトナーのみを収容する通常のモノカラー画像形成装置や、感光体ドラム等の像担持体上に担持されたトナー像を中間転写体に順次一次転写を繰り返すカラー画像形成装置、各色毎の現像装置を備えた複数の像担持体を中間転写体上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置があげられる。
図8に示す画像形成装置は、像担持体としての感光体ドラム101、中間転写体としての中間転写ベルト102、転写電極であるバイアスローラ103、被転写体である用紙を供給するトレー104、BK(ブラック)トナーによる現像装置105、Y(イエロー)トナーによる現像装置106、M(マゼンタ)トナーによる現像装置107、C(シアン)トナーによる現像装置108、ベルトクリーナー109、剥離爪113、ベルト支持ローラ121、123及び124、バックアップローラ122、導電性ローラ125、電極ローラ126、クリーニングブレード131、用紙141、ピックアップローラ142、並びにフィードローラ143を備えてなり、中間転写ベルト102として本発明のエンドレスベルトが用いられる。
以上のようにして、画像を形成することができる。
図9に示す画像形成装置は、中間転写ベルト86を用いたタンデム式の画像形成装置である。具体的には、図9において感光体79表面を均一に帯電する帯電ローラ83(帯電装置)、感光体79表面を露光し静電潜像を形成するレーザー発生装置78(露光装置)、感光体79表面に形成された潜像を、現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する現像器85(現像装置)、現像したトナー像を中間転写ベルト86に転写する転写ローラ80、感光体に付着したトナーやゴミ等を除去する感光体クリーナー84 (クリーニング装置)、被転写材上のトナー像を定着する定着する定着ローラ72等必要に応じて公知の方法で任意に備えることができる。感光体79と転写ローラ80は、図9のように感光体直下からずれた位置に配置していても、感光体直下に配置(図示せず)していてもよい。そして、この中間転写ベルト86として本発明のエンドレスベルトを備えることで、上述の構成のようなタンデム式の画像形成装置においても、高品質の転写画質を安定して得ることができる。
以下のようにして第1実施形態と同様なシームレス管状物を作製し、評価した。
−管状補強部材作製−
3,3’,4、4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)とp−フェニレンジアミン(PDA)とからなるポリアミド酸のN−メチル−2ピロリドン(NMP)溶液(宇部興産製ユーワニスS)を塗布液とした。直径168mm、厚さ3mm、長さ450mmのアルミ円筒形金型(外周面にシリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学(株)製)を塗布し、380℃で1時間、焼き付け処理を施してある金型)を100rpmで回転させながら、この円筒形金型の外周面にディスペンサーとスクレイパーを速度150min/minで移動させながら、厚み0.5mmで塗布した後、5rpmで回転させながら、120℃で30分間加熱し、常温に冷却後、300℃まで2時間加熱することにより、溶媒除去とともにイミド転化を行い、最後に常温まで冷却してから、シームレス管状物を金型から分離し、50mm幅の短冊状に裁断することで内周長528mm、厚さ80μmの管状補強部材を得た。管状補強部材の内周面の表面粗さRaは2.2μmであった。なお、管状補強部材内周面の水接触角は80°であった。さらに、この管状補強部材内周面に紫外線を20分照射させて、水接触角を80°から30°に低下させた。
3,3’,4、4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)とp−フェニレンジアミン(PDA)とからなるポリアミド酸のN−メチル−2ピロリドン(NMP)溶液(宇部興産製ユーワニスSに乾燥した酸化処理カーボンブラック(SPEDIAL BLACK4)Degussa社製)をポリイミド系樹脂固形分100重量部に対して、23重量部になるように添加して、衝突型分散機(ジーナス製GeanusPY)を用い、圧力200MPaで最小面積が1.4mm2で2分割後衝突させ、再度2分割する経路を5回通過させて、混合して粘度150ポイズのカーボンブラック分散ポリアミド酸溶液を得た。
直径168mm、厚さ3mm、長さ450mm、ブラスト処理により表面粗さをRa0.8μmとしたアルミ円筒形金型(外周面にシリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学(株)製)を塗布し、380℃で1時間、焼き付け処理を施してある金型)外側の両端部に管状補強部材を配置し、金型を100rpmで回転させながら、管状補強部材の端面から25mmを含む金型外周面にディスペンサーとスクレイパーを速度150min/minで移動させながら、厚み0.5mmで熱硬化樹脂原液塗布した後、5rpmで回転させながら、120℃で30分間加熱し、常温に冷却後、300℃まで2時間加熱することにより、溶媒除去とともにイミド転化を行い、最後に常温まで冷却してから、金型から管状補強部材と一体成形となったポリイミドシームレスベルトを分離した。
蛇行防止リブとして幅5mm、厚さ1mm、硬度70°のウレタン(タイガースポリマー社製)に両面粘着テープ(日東電工5000NS)を圧着させた。そして、蛇行防止リブの両面粘着テープ貼り付け面を、シームレスベルト内周面両端部に配設された管状補強部材内周面に接触させ、蛇行防止リブと管状補強部材(シームレスベルト)と接着させ、リブ付シームレスベルト(シームレス管状物)を得た。
得られたリブ付シームレスベルトでベルト走行耐久試験を実施したところ、650kcycle走行までベルトに折れ、クラック、破断なくかつリブに変化なく、色ずれのない良好な画質が得られた。
得られたリブ付シームレスベルトを富士ゼロックス社製DC1250にてベルトを走行させ、ベルト1周を1cycleとして算出し、500kcycle走行後、ベルトに折れ、クラック、破断なく、かつリブの剥がれ、ずれなく、画質検査にて色ずれのない良好な画質を得られたものを○、ベルトに折れ、クラック、破断発生、リブの剥がれ、ずれ、画質検査にて色ずれ発生の内、少なくとも一つ以上発生したものは×とした。
外周面の表面粗さRa3.5μmとした円筒形金型を用いて成形することで、内周面粗さRa2.8μm、厚さ80μm、内周長528mmの管状補強部材を得た以外は実施例A0と同様にしてリブ付シームレスベルトを得た。
外周面の表面粗さRa0.8μmとした円筒形金型を用いて成形することで、内周面粗さRa0.6μm、厚さ80μm、内周長528mmの管状補強部材を得た以外は実施例A0と同様にしてリブ付シームレスベルトを得た。
管状補強部材への紫外線照射時間を1分間に変更し、水接触角を80°から60°に低下させて管状補強部材を得た以外は実施例A0と同様にしてリブ付シームレスベルトを得た。
外周面の表面粗さRa0.5μmとした円筒形金型を用いて成形することで、内周面粗さをRa0.3μmの管状補強部材を得た以外は実施例A0と同様にしてリブ付シームレスベルトを得た。
外周面の表面粗さRaを5.2μmとした円筒形金型を用いて成形することで、内周面粗さをRa4.0μmの管状補強部材を得た以外は実施例A0と同様にしてリブ付シームレスベルトを得た。
管状補強部材への紫外線照射をしない以外は実施例A0と同様にしてリブ付シームレスベルトを得た。
管状補強部材を配置せずにシームレスベルトを成形した以外は実施例A0と同様にして、得られたリブ付シームレスベルトでベルト走行耐久試験を実施したところ、40kcycle走行でベルトの破断が発生し、ベルトが走行不能となった。
管状補強部材を配置せずにシームレスベルトを成形し、得られたシームレスベルトの内周面両縁に補強材として粘着テープ(日東電工製、ポリエステル粘着テープ、No.31B 総厚80μm、幅20mm)を貼り付けた。この粘着テープ表面に実施例A0同様に蛇行防止リブを接着し、リブ付シームレスベルトを得た。得られたリブ付シームレスベルトでベルト走行耐久試験を実施したところ、粘着テープ該当部分の画像において、濃度むらが発生した。さらに走行耐久試験では85cycle走行時点で、粘着テープ継ぎ目の段差部分において、リブずれが発生した。
以下のようにして第2実施形態と同様なシームレス管状物を作製し、評価した。
−シームレスベルトの作製−
直径168mm、厚さ3mm、長さ450mm、ブラスト処理により表面粗さをRa0.8μmとしたアルミ円筒形金型(内周面にシリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学(株)製)を塗布し、380℃で1時間、焼き付け処理を施してある金型)内側の両端部に管状補強部材(実施例A0と同様な管状補強部材)を配置し、金型を100rpmで回転させながら、管状補強部材を含む金型内周面に厚み0.5mmで熱硬化樹脂原液塗布(実施例A0と同様なポリイミド前駆体溶液)した後、5rpmで回転させながら、120℃で30分間加熱し、常温に冷却後、300℃まで2時間加熱することにより、溶媒除去とともにイミド転化を行い、最後に常温まで冷却してから、金型から管状補強部材と一体成形となったポリイミドシームレスベルトを分離した。さらに、得られたシームレスベルト内周面は、蛇行防止リブを接着するために、その両端部に紫外線を20分間照射させて、水接触角を80°から30°に低下させた。
蛇行防止リブとして幅5mm、厚さ1mm、硬度70°のウレタン(タイガースポリマー社製)に両面粘着テープ(日東電工5000NS)を圧着させた。そして、蛇行防止リブの両面粘着テープ貼り付け面を、シームレスベルト内周面両端部に接触させ、蛇行防止リブと管状補強部材(シームレスベルト)と接着させ、リブ付シームレスベルト(シームレス管状物)を得た。
−管状補強部材作製−
3,3’,4、4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)とp−フェニレンジアミン(PDA)とからなるポリアミド酸のN−メチル−2ピロリドン(NMP)溶液(宇部興産製ユーワニスS)を塗布液とした。直径168mm、厚さ3mm、長さ450mmのアルミ円筒形金型(外周面にシリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学(株)製)を塗布し、380℃で1時間、焼き付け処理を施してある金型)を100rpmで回転させながら、この円筒形金型の外周面にディスペンサーとスクレイパーを速度150min/minで移動させながら、厚み0.5mmで塗布した後、5rpmで回転させながら、120℃で30分間加熱し、常温に冷却後、300℃まで2時間加熱することにより、溶媒除去とともにイミド転化を行い、最後に常温まで冷却してから、シームレス管状物を金型から分離し、50mm幅の短冊状に裁断することで内周長528mm、厚さ80μmの管状補強部材を得た。その後、内周面にブラスト処理を施し、管状補強部材の内周面を表面粗さRaを0.4μmとした。なお、管状補強部材内周面の水接触角は80°であった。さらに、この管状補強部材内周面に紫外線を20分照射させて、水接触角を80°から30°に低下させた。また、管状補強部材の弾性率は3100Mpaであった。
3,3’,4、4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)とp−フェニレンジアミン(PDA)とからなるポリアミド酸のN−メチル−2ピロリドン(NMP)溶液(宇部興産製ユーワニスSに乾燥した酸化処理カーボンブラック(SPEDIAL BLACK4)Degussa社製)をポリイミド系樹脂固形分100重量部に対して、23重量部になるように添加して、衝突型分散機(ジーナス製GeanusPY)を用い、圧力200MPaで最小面積が1.4mm2で2分割後衝突させ、再度2分割する経路を5回通過させて、混合して粘度150ポイズのカーボンブラック分散ポリアミド酸溶液を得た。
直径168mm、厚さ3mm、長さ450mm、ブラスト処理により表面粗さをRa0.3μmとしたアルミ円筒形金型(外周面にシリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学(株)製)を塗布し、380℃で1時間、焼き付け処理を施してある金型)外側の両端部に管状補強部材を配置し、金型を100rpmで回転させながら、管状補強部材の端面から25mmを含む金型外周面にディスペンサーとスクレイパーを速度150min/minで移動させながら、厚み0.5mmで熱硬化樹脂原液塗布した後、5rpmで回転させながら、120℃で30分間加熱し、常温に冷却後、300℃まで2時間加熱することにより、溶媒除去とともにイミド転化を行い、最後に常温まで冷却してから、金型から管状補強部材と一体成形となったポリイミドシームレスベルトを分離した。また、管状補強部材を除くベルト自体の弾性率は3000MPaであった。
蛇行防止リブとして幅5mm、厚さ1mm、硬度70°のウレタン(タイガースポリマー社製)に両面粘着テープ(日東電工5000NS)を圧着させた。そして、蛇行防止リブの両面粘着テープ貼り付け面を、シームレスベルト内周面両端部に配設された管状補強部材内周面に接触させ、蛇行防止リブと管状補強部材(シームレスベルト)と接着させ、リブ付シームレスベルト(シームレス管状物)を得た。
得られたシームレスベルトと共に、製造過程のシームレスベルトを外観観察して、ベルト膨れ、管状補強部材及びベルト一体成形時の金型貼りつき、管状補強部材及びベルト一体成形時の金型汚れ、管状補強部材の変形について評価を行った。加えて、得られたシームレスベルト表面の平面度についても評価した。
ブラスト処理により内周面の表面粗さを1.2μmとした以外は実施例C1と同様にして管状補強部材を得た。続いて、この管状補強部材と、ブラスト処理により表面粗さRaを1μmとしたアルミ円筒形金型と、を用いた以外は、実施例C1と同様にしてシームレスベルトを作製し、その後リブ付きシームレスベルトを作製して評価を行った。
ブラスト処理により内周面の表面粗さを1.8μmとした以外は実施例C1と同様にして管状補強部材を得た。続いて、この管状補強部材と、ブラスト処理により表面粗さRaを1.5μmとしたアルミ円筒形金型と、を用いた以外は、実施例C1と同様にしてシームレスベルトを作製し、その後リブ付きシームレスベルトを作製して評価を行った。
ブラスト処理により内周面の表面粗さを0.1μmとした以外は実施例C1と同様にして管状補強部材を得た。続いて、この管状補強部材と、ブラスト処理により表面粗さRaを0.3μmとしたアルミ円筒形金型と、を用いた以外は、実施例C1と同様にしてシームレスベルトを作製し、その後リブ付きシームレスベルトを作製して評価を行った。
次のようにして、弾性率が1800MPaの管状補強部材を得た以外は、実施例C1と同様にして、リブ付きシームレスベルトを作製して評価を行った。
BPDAとODA(オキシジアミン)からなるポリアミド酸のN−メチル−2ピロリドン(NMP)溶液(宇部興産製UワニスRN)を塗布液とし、最後の加熱温度を280℃とした以外は、実施例C1と同様にして管状補強部材を得た。
次のようにして、弾性率が3500MPaの管状補強部材を得た以外は、実施例C1と同様にして、リブ付きシームレスベルトを作製して評価を行った。
最後の加熱温度を400℃とした以外は、実施例C1と同様にして管状補強部材を得た。
3 管状補強部材
10 シームレス管状物
12 シームレスベルト
12A 段差部
14 管状補強部材
16 蛇行防止リブ
18 円筒金型
18A 離型剤
20 熱硬化性樹脂溶液
22 塗布槽
24 環状体(フロート)
24A 円孔
30 試験片
71 トナーカートリッジ
72 定着ローラ
73 バックアップローラ
74 テンションローラ
75 2次転写ローラ
76 用紙経路
77 用紙トレイ
78 レーザー発生装置 (露光装置)
79 感光体
80 転写ローラ
81 駆動ローラ
82 転写クリーナー
83 帯電ローラ(帯電装置)
84 感光体クリーナー(クリーニング装置)
85 現像器 (現像装置)
86 中間転写ベルト
101 感光体ドラム
102 中間転写ベルト
103 バイアスローラ
104 トレー
105 BK(ブラック)トナーによる現像装置
106 Y(イエロー)トナーによる現像装置
107 M(マゼンタ)トナーによる現像装置
108 C(シアン)トナーによる現像装置
109 ベルトクリーナー
113 剥離爪
121、123及び124 ベルト支持ローラ
122 バックアップローラ
125 導電性ローラ
126 電極ローラ
131 クリーニングブレード
141 用紙
142 ピックアップローラ
143 フィードローラ
Claims (2)
- 管状補強部材を円筒金型外周面の少なくとも片端部に配置する工程と、
前記管状補強部材を配置した円筒金型外周面に熱硬化性樹脂を含有する溶液を塗布する工程と、
前記熱硬化性樹脂を含有する溶液を乾燥・焼成処理してベルトを形成し、前記管状補強部材と前記ベルトとを一体成形する工程と、
前記ベルトと一体成形された前記管状補強部材の内周面に蛇行防止リブを設ける工程と、
を有し、
前記円筒金型の外周面の算術平均表面粗さRa2が0.1μm以上であり、前記管状補強部材の内周面の算術平均表面粗さRa1と前記円筒金型の外周面の算術平均表面粗さRa2とが、Ra1≧Ra2の関係を満たす、
ことを特徴とするシームレス管状物の製造方法。 - 管状補強部材を円筒金型内周面の少なくとも片端部に配置する工程と、
前記管状補強部材を配置した円筒金型内周面に熱硬化性樹脂を含有する溶液を塗布する工程と、
前記熱硬化性樹脂を含有する溶液を乾燥・焼成処理してベルトを形成し、前記管状補強部材とベルトとを一体成形する工程と、
前記管状補強部材が一体成形された前記ベルトの片端部の内周面に蛇行防止リブを設ける工程と、
を有し、
前記円筒金型の内周面の算術平均表面粗さRa2が0.1μm以上であり、前記管状補強部材の外周面の算術平均表面粗さRa1と前記円筒金型の内周面の算術平均表面粗さRa2とが、Ra1≧Ra2の関係を満たす、
ことを特徴とするシームレス管状物の製造方法。
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