JP2004191714A - 転写用ベルトおよびそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

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英明 鹿郷
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Abstract

【課題】ベルトの片寄り走行や蛇行を、ベルトの寿命低下を招くことなく、長期にわたって簡単、確実に防止することができ、かつ容易に製作可能な転写ベルトを得ること。
【解決手段】複数のベルト支持ロールにより回転可能に支持され、且つ、一の面にトナー像が転写されるシートを担持するシート担持面またはトナー像が形成されるトナー像担持面を有するベルト本体と、前記ベルト本体の他の面の幅方向の少なくとも片側の側縁に沿って、弾性を有するシート状接着剤により接着されたリブと、を備えた転写用ベルトであって、接着された前記ベルト本体とリブとのT型剥離強度が、1.2N/mm以上であることを特徴とする転写用ベルト。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やプリンタ等の電子写真方式を用いた画像形成装置の転写用ベルトに関し、特に、複数のロール間に張架されて回転し、ベルト外周面にトナー像や用紙等を保持して搬送する無端状の転写用ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式を用いた画像形成装置としては、例えば、中間転写ベルトを使用した中間転写方式のカラー画像形成装置がある。
これは、電子写真プロセス等によりトナー像が形成される像担持体(例えば感光体ドラム)の転写部で接触して回転するような中間転写ベルトを複数のロール間に張架して配設したものであり、その像担持体上に形成される複数のトナー像を一旦中間転写ベルトの同じ位置に重ねあわせるように一次転写した後、その中間転写ベルト上に転写されたトナー像を用紙に一括して転写するものである。そして、用紙上に転写された多重のトナー像は、その後定着装置により定着されてカラー画像となる。
【0003】
そのほかに、転写用ベルトを備えた画像形成装置としては、用紙を担持して複数の画像形成ユニットの転写部を通過させるように搬送する用紙搬送ベルトを使用した、いわゆるタンデムタイプのカラー画像形成装置もある。
これは、各色成分のトナー像を個々に形成するため画像形成ユニットを複数並べて配置し、その各画像形成ユニットの転写部で接触して回転するように用紙搬送ベルトを複数のロール間に張架して配設したものであり、その用紙搬送ベルトに吸着して担持した用紙を各画像形成ユニットの転写部を通過させるように搬送することにより、各画像形成ユニットで形成される各トナー像を同じ用紙に順次重ねあわせるように転写し、最後に定着させてカラー画像とするものである。
【0004】
ところで、このような中間転写ベルトや用紙搬送ベルト等の転写用ベルトを使用したカラー画像形成装置では、その転写用ベルトを張架支持する複数のロールの回転軸の平行度やロール外径がばらつくことや、その転写用ベルト自体の周長変化により張力が不均一となること等が原因となって、転写用ベルトが直進走行せず、ロールの軸方向に変位した状態で走行する、いわゆる片寄り走行や蛇行が発生することがある。このため、その転写用ベルトに直接又は転写用ベルトに担持された用紙に順次転写される各トナー像の位置がずれてしまうことがあり、この場合には、最終的には用紙上に形成されるカラー画像に色ずれや色相変化等がおこる画像欠陥が発生するという不具合がある。
【0005】
そこで、従来、このような転写用ベルトの片寄り走行や蛇行を防止する対策して、例えば次の方法が提案されている。
(1)駆動ロールにフランジを配設する方法(例えば、特許文献1参照。)。
(2)転写用ベルトの端部にゴム部材のガイドを設ける方法(例えば、特許文献2参照。)。
(3)接着剤として粘着剤でガイドをベルト端部に接着する方法(例えば、特許文献3〜5参照。)。
(4)接着剤として一液性の常温硬化型の変性エポキシ樹脂でガイドをベルト端部に接着する方法(例えば、特許文献6参照。)。
【0006】
図6は、従来の画像形成装置の転写用ベルトおよびリブの説明図である(例えば、特許文献7参照。)。図6Aは、ベルトの駆動ロールに支持されている部分を示す図であり、図6Bは前記図6Aの要部拡大図である。図6において、タンデムタイプのカラー画像形成装置におけるベルト300を支持する複数のロールのうち駆動ロール302に案内溝303を形成するとともに、そのベルト300の内周面であって前記案内溝303に対応する位置に誘導リブ304を形成し、しかも、そのリブ304をベルト300の摩擦係数より小さい材質にて形成している。
【0007】
図7は、その他の従来の画像形成装置の転写用ベルトおよびリブの説明図である(例えば、特許文献8参照。)。図7Aは駆動ロールに支持されているベルト部分を示す図であり、図7Bは前記図7Aの要部拡大図である。図7において、ベルト400の一側端に寄りガイド具402を配設し、この寄りガイド具402をロール403の一側端との間で挟み込み圧接して挟持する寄りガイド規制部材404を設けた画像形成装置が提案されている。図中の405はスプリングである。
【0008】
【特許文献1】
特開昭58−100145号公報
【特許文献2】
特開平5−333707号公報
【特許文献3】
特開平4−333457号公報
【特許文献4】
特開平7−187435号公報
【特許文献5】
特開2001−206522号公報
【特許文献6】
特開平2000−122439号公報
【特許文献7】
特開平2−27383号公報
【特許文献8】
特開平5−333707号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の画像形成装置においては次のような問題がある。
(1)駆動ロールにフランジを配設する方法は、フランジ部に転写用ベルトが乗り上げて転写用ベルトが破損する。
(2)転写用ベルトの端部にゴム部材のガイドを設ける方法は、駆動時にゴム部材が駆動ロールに乗り上げてしまうなどの問題がある。
(3)接着剤として粘着剤を用いると、ガイドと粘着層にずれが発生する。
(4)一液性の常温硬化型の変性エポキシ樹脂接着剤でガイドをベルト端部に接着する方法では、液性接着剤を用いている為に接着時にはみだした接着剤を処理する工程が必要となり、コストが割高となる。また接着剤が硬化するまでに時間を費やし、生産効率を低下させる等の問題がある
(5)前記図6、図7に示す駆動ロールに案内溝を設ける方法では、各ベルト300、400は、そのリブ304やガイド具402がロールの案内溝303やロール403の側面と規制部材404の間にはめ込まれて係合されることにより、ロール軸方向への移動が規制されて片寄り走行や蛇行の発生が防止されるものである。そのため、ベルト300、400がロールの軸方向へ移動しようとする寄り力が発生すると、その寄り力に抗して発生する同じ強度の反力(応力)がリブ304やガイド具402に直接かかることとなる。
【0010】
このような状態が長期間続くことになると、図6Bや図7Bに示すように、そのリブ304やガイド具402とベルト300、400との境界部(接着面を含む)αに負荷が集中的にかかり、この応力が集中した部分αにクラック等が発生して、リブやガイド具がベルトから剥がれたり、あるいは、ベルト自体が歪んだり破断してしまう。最終的には、その各ベルト300、400そのものが使用できなくなるという問題がある
このような問題は、前記した中間転写ベルトや用紙搬送ベルトが一般的に0.3mm以下というきわめて薄いものであることにも起因して発生し易くなるという傾向がある。
【0011】
この他にも、各ベルト300、400は、そのリブ304やガイド具402そのものの歪みやベルトへの固着の歪みがあると、その歪みによる微小な蛇行が発生し易くなるという問題がある。また、そのリブ304やガイド402の寸法精度が悪かったり摩耗により変形があること、または、ベルトのロール間への張架により生じる周方向(搬送方向)の張力によってベルト端部側がリブ304やガイド具402との境界線αにおいて下方側にわずかに折れ曲がった状態になること等により、リブ304やガイド具402が案内溝303等から外れてロール302、403に乗り上げてしまうという問題もある。
【0012】
更に、案内溝303の溝深さが深く、その案内溝303の底面とリブ304の下面部との間にすき間がある場合などにも、ベルト300がリブ304の重みにより案内溝303の内部側に撓む状態に折れ曲がり、この場合にも、前記したようなリブのロール上への乗り上げが発生することがある。
【0013】
従って、従来の対策手段では、転写用ベルトの片寄り走行や蛇行を長期にわたって確実に防止し、かつ容易に製作可能とする観点からすると未だ不十分なものであり、改善の余地を残すものであった。
【0014】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、複数のロールに張架されて回転し、ベルトの一の面に少なくともトナー像又はシートを保持して搬送する転写用ベルトにおいて、その転写用ベルトの片寄り走行や蛇行を、転写用ベルトの寿命低下を招くことなく、長期にわたって簡単、確実に防止することができ、かつ容易に製作可能な転写ベルトを得ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、
<1>複数のベルト支持ロールにより回転可能に支持され、且つ、一の面にトナー像が転写されるシートを担持するシート担持面またはトナー像が形成されるトナー像担持面を有するベルト本体と、前記ベルト本体の他の面の幅方向の少なくとも片側の側縁に沿って、弾性を有するシート状接着剤により接着されたリブと、を備えた転写用ベルトであって、接着された前記ベルト本体とリブとのT型剥離強度が、1.2N/mm以上であることを特徴とする転写用ベルトである。
【0016】
<2>前記T型剥離強度が、2.0N/mm以上であることを特徴とする<1>に記載の転写用ベルトである。
【0017】
<3>接着された前記ベルト本体とリブとのスラスト剥離強度が、8N/mm以上であることを特徴とする<1>又は<2>に記載の転写用ベルトである。
【0018】
<4>前記スラスト剥離強度が、20N/mm以上であることを特徴とする<3>に記載の転写用ベルトである。
【0019】
<5>前記リブが、JIS硬度60°から90°の弾性部材から構成されることを特徴とする<1>乃至<4>のいずれか1つに記載の転写用ベルトである。
【0020】
<6>前記接着剤が、弾性を有するシート状ゴム変性エポキシ樹脂から構成されることを特徴とする<1>乃至<5>のいずれか1つに記載の転写用ベルトである。
【0021】
<7>前記ベルト本体が、ヤング率3000N/mm2以上の樹脂材料により構成されることを特徴とする<1>乃至<6>のいずれか1つに記載の転写用ベルトである。
【0022】
<8>前記ベルト本体が、導電剤の分散されたポリイミド樹脂ベルトから構成されることを特徴とする<1>乃至<7>のいずれか1つに記載の転写用ベルトである。
【0023】
<9><1>乃至<8>のいずれか1つに記載の転写用ベルトを備えた画像形成装置である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
<転写用ベルト>
本発明の転写用ベルトは、複数のベルト支持ロールにより回転可能に支持され、且つ、一の面にトナー像が転写されるシートを担持するシート担持面またはトナー像が形成されるトナー像担持面を有するベルト本体と、前記ベルト本体の他の面の幅方向の少なくとも片側の側縁に沿って、弾性を有するシート状接着剤により接着されたリブと、を備えた転写用ベルトであって、接着された前記ベルト本体とリブとのT型剥離強度が、1.2N/mm以上であることを特徴とする。
【0025】
本発明において、前記「トナー像担持面を有するベルト本体」とは次の意味を含む。
(1) 一様に帯電された感光体ベルト表面に形成された静電潜像がトナー像に現像される前記感光体ベルトのベルト本体。
(2) 感光体表面からトナー像が一次転写される中間転写ベルトのベルト本体。
【0026】
本発明の転写用ベルトでは、複数のベルト支持ロールにより回転可能に支持されたベルト本体は、その一の面にシート担持面またはトナー像担持面を有する。前記ベルト本体は、シート担持面を有する場合はトナー像が転写されるシートを担持して搬送し、一方、トナー像担持面を有する場合は前記トナー像担持面に形成されたトナー像を搬送する。
前記ベルト本体の他の面の幅方向の少なくとも片側の側縁に沿って、リブが、弾性を有するシート状接着剤により接着される。前記接着剤としては弾性を有するシート状ゴム変性エポキシ樹脂から構成される接着剤が好適に使用される。
【0027】
前記ベルト本体にベルト支持ロールの軸方向へ移動しようとする寄り力が発生すると、その寄り力に抗して発生する同じ強度の反力(応力)がリブに直接かかることとなる。この応力をリブ内である程度分散吸収することができるという観点から、リブは、JIS硬度60°から90°の弾性部材であることが好ましく、特に好ましくは、JIS硬度60°から80°である。
ここで、JIS硬度とは、JIS Aで規定される硬度をいう。
【0028】
JIS硬度60°から90°の弾性部材としては、シリコンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、EPDM、NBR、CR、塩素化ポリイソプレン、水素添加ポリブタジエン、ブチルゴムなどのゴム材料を1種類又は、2種類以上をブレンドしてなる材料を用いることができる。
【0029】
さらに、前記応力は、リブとベルト本体との境界部(接着面を含む)α(図6B、図7B参照)に負荷が集中的にかかる。この負荷が集中的にかかる接着面に弾性を有するシート状接着剤を用いることによって、この応力を接着部材内である程度分散吸収することが可能となる。それにより、リブのベルト本体からのはがれの問題が起こりにくくなる。
【0030】
前記弾性を有するシート状接着剤として、剥離強度の観点から、変性エポキシ樹脂が優れる。作業性の観点からは、シート状接着剤は優れた性質を有する。本発明ではシート状ゴム変性エポキシ樹脂接着剤を使用することが好ましい。
【0031】
ゴム変性エポキシ樹脂接着剤は熱硬化型の接着剤であるため、粘着性の接着剤のようにリブが接着剤からずれることがない。また、耐アルコール性に優れ、エタノールの清拭きによる軟化、膨潤がない。さらに、弾性に乏しいエポキシ樹脂接着剤と異なり、変性処理により弾性を有し、且つ高接着強度が得られる。弾性を有する高接着強度のゴム変性エポキシ樹脂接着剤を用いることで、ベルトの高速駆動時にもリブの剥がれが生じなくなる。
シート状の接着剤を使用することで、液性接着剤で発生する接着剤のはみ出しによる貼りつけ不良を防止することが可能となり、また、硬化時間の短縮が可能で、生産効率を向上させることができる。
【0032】
前記シート状ゴム変性エポキシ樹脂接着剤の具体例としては、(株)スリーボンド製TB−1650等が挙げられる。
上記接着剤を用いることにより、後述するベルト本体とリブとのT型剥離強度及びスラスト剥離強度を満足させることができる。
【0033】
本発明の転写ベルトにおいて、弾性を有するシート状接着剤により接着されたベルト本体とリブとのT型剥離強度は1.2N/mm以上であり、好ましくは2.0N/mm以上である。
T型剥離強度を上記範囲にすることによって、リブに直接かかる応力に対して、リブがベルト本体から剥がれたりする問題を解消することができる。
【0034】
図1は、T型剥離強度試験の説明図である。図1(a)はT型剥離強度試験の試験片30を作成する部分を示す。図1(b)は試験片30の側面図を示す。図1(c)はT型剥離強度試験の試験方法の説明図である。
図1(a)に示すように、幅W1のリブ3と同じ幅にベルト本体2を切断し、幅W1、長さ50mmの試験片30を得た。図1(b−1)は、試験片30を矢印Aの方向から見た図であり、図1(b−2)は、試験片30を矢印Bの方向から見た図である。
得られた試験片30の一端を、図1(c)に示すようにベルト本体2とリブ3の界面で剥離させ、ベルト本体2を固定し、リブ3を矢印Cの方向に50mm/minの速度で引っ張りT字型に引き裂いたときの引張力P1(N)を測定する。測定されたP1及びW1を用いてT型剥離強度(P1/W1)(N/mm)を算出する。
【0035】
本発明の転写ベルトにおいて、弾性を有するシート状接着剤により接着されたベルト本体とリブとのスラスト剥離強度は、8N/mm以上であることが好ましく、20N/mm以上であることが特に好ましい。
前記スラスト剥離強度を8N/mm以上とすることによって、リブに直接かかる応力に対して、リブがベルト本体から剥がれたりする問題を解消することができる。
【0036】
図2は、スラスト剥離強度試験の説明図であり、図2(a)は試験片40を示す平面図、図2(b)は試験片40を図2(a)の矢印Dの方向から見た側面図、図2(c)は試験方法の説明図であり、試験片40をベルト固定部材42に挿入する前の状態を示す図、図2(d)は試験片40をベルト固定部材42に挿入した状態を示す図、図2(e)は図2(d)の縦断面拡大図である。
図2(a)に示すように、転写用ベルトを切断して、図面上Y方向に30mm、X方向に50mmの試験片40を作成する。また、図2(c)〜図2(e)に示すように、スラスト剥離強度試験に使用するベルト固定部材42の幅W2は10mmであり、側面にはベルト本体貫通溝44およびリブ貫通溝46が形成されている。前記試験片40のベルト本体2部分およびリブ3部分をそれぞれ前記ベルト固定部材42側面に設けられたベルト本体貫通溝44およびリブ貫通溝46に、図2(d)に示すように挿入する。試験片40をベルト固定部材42に挿入した後、ベルト固定部材42を固定した状態で試験片40を図2(e)に示す矢印Eの方向に10mm/minの速度で引っ張る。その際、前記ベルト本体2とリブ3との接着部分にはスラスト力(せん断力)が作用する。
前記ベルト本体2と前記リブ3とが剥離した時の力P2(N)を測定し、測定したP2(N)と前記固定部材40の幅W2(10mm)とからスラスト剥離強度(P2/W2)(N/mm)を算出する。
【0037】
本発明において、前記ベルト本体は、ヤング率が3000N/mm2以上の樹脂材料により構成されることが好ましい。
ヤング率が3000N/mm2以上の樹脂材料を用いることにより、従来のヤング率が、2400N/mm2ポリカーボネイト,1800N/mm2のETFE(エチレンテトラフロロエチレン共重合体)熱可塑性樹脂材料を用いた場合に発生した転写用ベルトのロール間への張架により生じる周方向の張力によってベルト端部側がリブとの境界線α(図6B、図7B参照)において下方側にわずかに折れ曲がった状態になることを防止して、リブがロールに乗り上げてしまうという問題が少なくなる。
【0038】
本発明において、前記ベルト本体は、導電剤分散のポリイミド樹脂ベルトにより構成されることが好ましい。
ヤング率3000N/mm2以上の樹脂材料として、ポリイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などをあげることができるが、特に高ヤング率の樹脂材料であるポリイミド樹脂材料がベルト材料としては好ましい。ポリイミド樹脂材料としては、DuPont(株)のカプトンHAなどのポリピロメリット酸イミド系のイミド樹脂材料、宇部興産(株)のユーピレックスSなどのポリビフェニルテトラカルボン酸イミド系樹脂材料、宇部興産(株)のユーピレックスR、三井東圧化学工業(株)のLARC−TPI(熱可塑性ポリイミド樹脂)などのポリベンゾフェノンテトラカルボン酸イミド酸系樹脂材料などををあげることができ、いずれも、ヤング率3500N/mm2以上である。
例えば、宇部興産(株)のユーピレックスSなどのポリビフェニルテトラカルボン酸イミド系樹脂材料にカーボンブラックを分散した場合のヤング率は、6200N/mm2であり、ベルト基材の厚み70μmから100μmでベルト基材としての機械特性を満足することができる。
【0039】
また、転写用ベルトとしては、体積抵抗率を1×108から1×1013Ωcmの範囲に、表面抵抗率を1×1010から1×1014Ω/□の範囲に制御するために必要に応じて、導電剤として、カーボンブラック、グラファイト、アルミニュウム、銅合金などの金属または合金、酸化錫、酸化亜鉛、チタン酸カリウム、酸化錫−酸化インジウムまたは酸化錫−酸化アンチモン複合酸化物などの金属酸化物などの1種または2種以上の微粉末が用いられる。中でも、導電剤としては、コストの点でカーボンブラックが好適である。
【0040】
本発明の転写用ベルトは、体積抵抗率が1×108から1×1013Ωcmであることが好ましく、1×109から1×1012Ωcmであることがより好ましい。この体積抵抗率が1×108Ωcm未満である場合には、像担持体から中間転写体に転写された未定着トナー像の電荷を保持する静電的な力が働きにくくなるため、トナー同士の静電的反発力や画像エッジ付近のフリンジ電界の力によって、画像の周囲にトナーが飛散してしまい(ブラー)、ノイズの大きい画像が形成されることがある。一方、前記体積抵抗率が1×1013Ωcmより高い場合には、電荷の保持力が大きいために、1次転写での転写電界で中間転写体表面が帯電するために除電機構が必要となることがある。従って、前記体積抵抗率を、上記範囲とすることで、トナーが飛散したり、除電機構を必要とする問題を解消することができる。
【0041】
本発明の転写用ベルトは、転写面の表面抵抗率が1×1010から1×1014Ω/□であることが好ましく、1×1011から1×1013Ω/□であることがより好ましい。この表面抵抗率が1×1014Ω/□より高い場合には、一次転写部の像担持体と中間転写体とが剥離するポストニップ部で剥離放電が発生し易くなり、放電が発性した部分は、白抜けする画質欠陥が発生することがある。一方、該表面抵抗率が1×1010Ω/□未満の場合には、プレニップ部での電界強度が強くなり、プレニップ部でのギャップ放電が発生し易くなるために画質の粒状性が悪化することがある。従って、前記表面抵抗率を、上記範囲とすることで、表面抵抗率が高い場合に発生する放電による白抜け、表面抵抗率が低い場合に発生する画質の悪化を防止することができる。
【0042】
<画像形成装置>
本発明の画像形成装置は、本発明の転写用ベルトを用いた用紙搬送ベルト方式の画像形成装置および本発明の転写用ベルトを用いた中間転写体方式の画像形成装置等、その構成は特に限定されるものではない。例えば、現像装置内に単色のトナーのみを収容する通常のモノカラー画像形成装置や、感光体ドラム等の像担持体上に担持されたトナー像を中間転写体に順次一次転写を繰り返すカラー画像形成装置、各色毎の現像装置を備えた複数の像担持体を転写ベルト上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置があげられる。
【0043】
以下に、本発明の画像形成装置の1例として、一次転写を繰り返すカラー画像形成装置を示す。図3は、本発明の画像形成装置の1例を示す概略構成図である。
図3に示す画像形成装置は、像担持体としての感光体ドラム101、中間転写体としての中間転写ベルト102、転写電極であるバイアスローラ103、被転写体である用紙を供給するトレー104、BK(ブラック)トナーによる現像装置105、Y(イエロー)トナーによる現像装置106、M(マゼンタ)トナーによる現像装置107、C(シアン)トナーによる現像装置108、ベルトクリーナー109、剥離爪113、ベルト支持ロール121、123及び124、バックアップローラ122、導電性ローラ125、電極ローラ126、クリーニングブレード131、用紙束141、ピックアップローラ142、並びにフィードローラ143を備えてなり、中間転写ベルト102として本発明の転写用ベルトが用いられる。
中間転写ベルト102の内側に備えられたリブは、ベルト支持ロール121、123及び124の側縁部に当接するように配置され、ベルト走行時、中間転写ベルト102はリブに案内される。そのため、中間転写ベルト102は、ベルト走行時、蛇行等の問題を起こさない。
【0044】
図3に示す画像形成装置において、感光体ドラム101は矢印F方向に回転し、図示しない帯電装置でその表面が一様に帯電される。帯電された感光体ドラム101にレーザー書込み装置などの画像書き込み手段により第一色(例えば、BK)の静電潜像が形成される。この静電潜像は現像装置105によってトナー現像されて可視化されたトナー像Tが形成される。トナー像Tは感光体ドラム101の回転で導電性ローラ125が配置された一次転写部に到り、導電性ローラ125からトナー像Tに逆極性の電界を作用させることにより上記トナー像Tを静電的に中間転写ベルト102に吸着されつつ中間転写ベルト102の矢印G方向の回転で一次転写される。
【0045】
以下、同様にして第2色のトナー像、第3色のトナー像、第4色のトナー像が順次形成され中間転写ベルト102において重合されて、多重トナー像が形成される。
【0046】
中間転写ベルト102に転写された多重トナー像は、中間転写ベルト102の回転でバイアスローラ103が設置された二次転写部に到る。二次転写部は、中間転写ベルト102のトナー像が担持された表面側に設置されたバイアスローラ103と該中間転写ベルト102の裏側からバイアスローラに対向するごとく配置されたバックアップローラ122およびこのバックアップローラ122に圧接して回転する電極ローラ126から構成される。
【0047】
用紙141は、用紙トレー104に収容された用紙束からピックアップローラ142で一枚ずつ取り出され、フィードローラ143で二次転写部の中間転写ベルト102とバイアスローラ103との間に所定のタイミングで給送される。給送された用紙141には、バイアスローラ103及びバックアップローラ122による圧接搬送と中間転写ベルト102の回転により、該中間転写ベルト102に担持されたトナー像が転写される。
【0048】
トナー像が転写された用紙141は、最終トナー像の一次転写終了まで退避位置にある剥離爪113を作動せることにより中間転写ベルト102から剥離され、図示しない定着装置に搬送され、加圧/加熱処理でトナー像を固定して永久画像とされる。なお、多重トナー像の用紙141への転写の終了した中間転写ベルト102は、二次転写部の下流に設けたベルトクリーナー109で残留トナーの除去が行われて次の転写に備える。また、バイアスローラ103は、ポリウレタン等からなるクリーニングブレード131が常時当接するごとくとりつけられており、転写で付着したトナー粒子や紙紛等の異物が除去される。
【0049】
単色画像の転写の場合、一次転写されたトナー像Tを直ちに二次転写して定着装置に搬送するが、複数色の重ね合わせによる多色画像の転写の場合、各色のトナー像が一次転写部で正確に一致するように中間転写ベルト102と感光体ドラム101との回転を同期させて各色のトナー像がずれないようにする。上記二次転写部では、バイアスローラ103と中間転写ベルト102を介して対向配置したバックアップローラ122に圧接した電極ローラ126にトナー像の極性と同極性の出圧(転写電圧)を印加することで該トナー像を用紙141に静電反発で転写する。
以上のようにして、画像を形成することができる。
【0050】
次に、本発明の画像形成装置の他の一例を示す。
図4に示す画像形成装置は、ユニットY、M、C、BKと、用紙搬送ベルト206と、転写ロール207Y、207M、207C、207BKと、用紙搬送ロール208と、定着器209とを備えている。用紙搬送ベルト206として、本発明の転写用ベルトが用いられる。
用紙搬送ベルト206の内側に備えられたリブは、ベルト支持ロール210、211、212及び213の側縁部に当接するように配置され、ベルト走行時、用紙搬送ベルト206はリブに案内される。そのため、用紙搬送ベルト206は、ベルト走行時、蛇行等の問題を起こさない。
【0051】
ユニットY、M、C、BKは、矢印の時計方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転可能にそれぞれ感光体ドラム201Y、201M、201C、201BKが備えらる。感光体ドラム201Y、201M、201C、201BKの周囲には、コロトロン帯電器202Y、202M、202C、202BKと、露光器203Y、203M、203C、203BKと、各色現像装置(イエロー現像装置204Y、マゼンタ現像装置204M、シアン現像装置204C、ブラック現像装置204BK)と、感光体ドラムクリーナー205Y、205M、205C、205BKとがそれぞれ配置されている。
【0052】
ユニットY、M、C、BKは、用紙搬送ベルト206に対して4つ並列に、ユニットY、M、C、BKの順に配置されているが、ユニットBK、Y、C、Mの順等、画像形成方法に合わせて適当な順序を設定することができる。
【0053】
用紙搬送ベルト206は、ベルト支持ロール210、211、212、213によって、矢印の反時計方向に感光体ドラム201Y、201M、201C、201BKと同じ周速度をもって回転可能になっており、ベルト支持ロール212、213の中間に位置するその一部が感光体ドラム201Y、201M、201C、201BKとそれぞれ接するように配置されている。用紙搬送ベルト206は、ベルト用クリーニング装置214が備えられている。
【0054】
転写ロール207Y、207M、207C、207BKは、用紙搬送ベルト206の内側であって、用紙搬送ベルト206と感光体ドラム201Y、201M、201C、201BKとが接している部分に対向する位置にそれぞれ配置され、感光体ドラム201Y、201M、201C、201BKと、用紙搬送ベルト206を介してトナー画像を用紙(被転写体)216に転写する転写領域(ニップ部)を形成している。
【0055】
定着装置209は、用紙搬送ベルト206と感光体ドラム201Y、201M、201C、201BKとのそれぞれの転写領域(ニップ部)を通過した後に搬送できるように配置されている。
【0056】
用紙搬送ロール208により、用紙216は用紙搬送ベルト206に搬送される。
【0057】
図4に示す画像形成装置において、ユニットBKにおいては、感光体ドラム201BKを回転駆動させる。これと連動してコロトロン帯電器202BKが駆動し、感光体ドラム201BKの表面を所定の極性・電位に一様に帯電させる。表面が一様に帯電された感光体ドラム201BKは、次に、露光器203BKによって像様に露光され、その表面に静電潜像が形成される。
【0058】
続いて該静電潜像は、ブラック現像装置204BKによって現像される。すると、感光体ドラム201BKの表面にトナー画像が形成される。なお、このときのトナーは一成分系のものでもよいし二成分系のものでもよい。
【0059】
このトナー画像は、感光体ドラム201BKと用紙搬送ベルト206との転写領域(ニップ部)を通過すると同時に、用紙216が静電的に用紙搬送ベルト206に吸着して転写領域(ニップ部)まで搬送され、転写ロール207BKから印加される転写バイアスにより形成される電界により、用紙216の外周面に順次、転写される。
【0060】
この後、感光体ドラム201BK上に残存するトナーは、感光体ドラムクリーナ205BKによって清掃・除去される。そして、感光体ドラム201BKは、次の転写サイクルに供される。
【0061】
以上の転写サイクルは、ユニットC、M及びYでも同様に行われる。
【0062】
転写ロール207BK、207C、207M及び207Yによってトナー画像を転写された用紙216は、さらに定着装置209に搬送され、定着が行われる。
以上により記録紙上に所望の画像が形成される。
【0063】
【実施例】
以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例によって限定されるものではない。
【0064】
<中間転写ベルトの作製>
図5は、本発明に係る転写用ベルトの一例である中間転写ベルトの構成概略図である。図5において、中間転写ベルトは、ベルト本体2および前記ベルト本体2の端縁に沿って接着されたリブ3を有しており、ベルト支持ロールRf及びRdによって回転可能に支持された状態にある。
【0065】
中間転写ベルトは次のようにして製造される。ベルト本体として使用するカーボンブラック分散した熱硬化性シームレスベルトはカーボンブラックを宇部興産(株)耐熱皮膜用ポリイミドUワニス−Sにミキサーなどにより混合する。この原液を円筒型に注入して加熱しつつ遠心成形する。半硬化した状態で脱型し、その後、脱型したベルトを鉄心に被せて450℃に加熱して、本硬化(イミド化反応)して、表面抵抗率1012Ω/□の厚さ80μm、弾性率(ヤング率)5500N/mm2のシームレスベルトを得る。次に幅5mm、高さ1mmのJIS A硬度70°のウレタン樹脂の上に接着剤、ついでシームレスベルトを配置し、片持ち式熱プレスによって加熱押し圧し、接着剤を硬化させて中間転写ベルトを得た。
【0066】
得られた中間転写ベルトを用いて、下記評価を行った。
−T型剥離強度試験−
T型剥離強度試験は、前述の方法で行った。また、本試験においては前記W1を5mmとした。T型剥離強度の評価基準は以下の通りである。
○ :1.2N/mm以上
× :1.2N/mm未満
【0067】
−スラスト剥離強度試験−
スラスト剥離強度試験は、前述の方法で行った。スラスト剥離強度の評価基準は以下の通りである。
○ :8N/mm以上
× :8N/mm未満
【0068】
−ベルトライフ−
ベルトライフは、富士ゼロックス社製DC1250にてベルトをランニングさせ、ベルト1周を1cycleとして算出した。ベルトライフの評価基準は以下の通りである。
○ : 2000kcycle以上。
△ : 1500kcycle以上2000kcycle未満。
× : 1500kcycle未満。
【0069】
−耐アルコール性−
耐アルコール性は、接着剤をエタノールで清拭きした後、接着剤に軟化、膨潤等発生するか確認した。耐アルコール性の評価基準は以下の通りである。
○ : エタノールによる清拭きで変化なし。
× : エタノールによる清拭きで軟化、膨潤又は剥離など発生。
【0070】
−硬化性−
接着剤の硬化性は、接着剤の硬化時間により評価した。硬化性の評価基準は以下の通りである。
○ : 30分以内で硬化。
× : 31分以上で硬化。
【0071】
−貼り付け不良発生率−
リブの貼り付け不良発生率を、N=200本のリブの貼り付けを実施して、不良発生頻度より求めた。貼り付け不良発生率の評価基準は以下の通りである。
○ : 2%未満
× : 2%以上
【0072】
−総合評価−
総合評価は、以下の基準により判断した。
○ : 上記評価項目にて、全てが○のもの。
△ : 上記評価項目にて、△が一つ以上あるもの。
▲ : 上記評価項目にて、△が一つ以上あって画像ずれが発生したもの。
× : 上記評価項目にて、×が一つ以上あるもの。
【0073】
[実施例1]
上述した中間転写ベルトの作製において、接着剤として下記接着剤を用いて実施例1の中間転写ベルトを作製した。
接着剤の形態:シート型
硬化条件:150℃ 8分
主成分:ゴム変性エポキシ樹脂(スリーボンド TB−1650)
厚さ:200μm
組成(質量百分率)
反応性エラストマー:45〜55
臭素化エポキシ樹脂:15〜25
三酸化アンチモン:8未満
変性フェノール樹脂:15〜25
【0074】
[実施例2]
上述した中間転写ベルトの作製において、接着剤として下記接着剤を用いて実施例2の中間転写ベルトを作製した。
接着剤の形態:シート型
硬化条件:150℃ 8分
主成分:ゴム変性エポキシ樹脂(スリーボンドTB−1650)
厚さ:100μm
組成:実施例と1同様
【0075】
[実施例3]
上述した中間転写ベルトの作製において、接着剤として下記接着剤を用いて実施例3の中間転写ベルトを作製した。
接着剤の形態:シート型
硬化条件:150℃ 8分
主成分:ゴム変性エポキシ樹脂(スリーボンドTB−1650)
厚さ:60μm
組成:実施例1と同様
【0076】
[実施例4]
上述した中間転写ベルトの作製において、接着剤として下記接着剤を用いて実施例4の中間転写ベルトを作製した。
接着剤の形態:シート型
硬化条件:150℃ 8分
主成分:ゴム変性エポキシ樹脂(スリーボンドTB−1650)
厚さ:20μm
組成:実施例1と同様
【0077】
[実施例5]
上述した中間転写ベルトの作製において、接着剤及びリブ材料として下記材料を用いて実施例5の中間転写ベルトを作製した。
接着剤の形態:シート型
硬化条件:150℃ 8分
主成分:ゴム変性エポキシ樹脂(スリーボンドTB−1650)
厚さ:20μm
組成:実施例1と同様
リブ材料:JIS A硬度が50°
【0078】
[比較例1]
上述した中間転写ベルトの作製において、接着剤として下記接着剤を用いて比較例1の中間転写ベルトを作製した。
接着剤の形態:液状
硬化条件:常温 2時間
主成分:特殊変性シリル基含有エポキシ樹脂(セメダイン社製のスーパーX No.8008)
厚さ:20μm
【0079】
[比較例2]
上述した中間転写ベルトの作製において、接着剤として下記接着剤を用いて比較例2の中間転写ベルトを作製した。
接着剤の形態:液状
硬化条件:常温 1時間
主成分:エポキシ樹脂(セメダイン社製のEP−001)
厚さ:20μm
【0080】
[比較例3]
上述した中間転写ベルトの作製において、接着剤として下記接着剤を用いて比較例3の中間転写ベルトを作製した。
接着剤の形式:シート状
硬化条件:140℃ 1分
主成分:ポリウレタン樹脂(ダイセル社製のサーモライト6501)
厚さ:20μm
【0081】
[比較例4]
上述した中間転写ベルトの作製において、接着剤として下記接着剤を用いて比較例4の中間転写ベルトを作製した。
接着剤の形式:シート状
硬化条件:常温 3秒
主成分:アクリル系(ニチバン社製の両面テープ)
厚さ:50μm
【0082】
[比較例5]
上述した中間転写ベルトの作製において、接着剤として下記接着剤を用いて比較例5の中間転写ベルトを作製した。
接着剤の形式:シート状
硬化条件:200℃ 1分
主成分:ポリアミド(ダイセル社製のダイアミドフィルム)
厚さ:50μm
【0083】
[比較例6]
上述した中間転写ベルトの作製において、接着剤として下記接着剤を用いて比較例6の中間転写ベルトを作製した。
接着剤の形式:シート状
硬化条件:常温 3秒
主成分:シリコーン(日東電工社製の両面テープ 5302A)
厚さ:60μm
【0084】
[比較例7]
上述した中間転写ベルトの作製において、接着剤として下記接着剤を用いて比較例7の中間転写ベルトを作製した。
接着剤の形式:シート状
硬化条件:180℃ 1時間
主成分:シリコーン(DuPont社のFR0100)
厚さ:50μm
【0085】
評価結果を表1及び表2に示す。
【0086】
【表1】
Figure 2004191714
【0087】
【表2】
Figure 2004191714
【0088】
表1及び表2から分かるように、実施例1〜5の弾性を有するシート状ゴム変性エポキシ樹脂接着剤を使用して、ベルト本体2とリブ3とを接着した場合の中間転写ベルトのベルトライフは1600kcycle以上であるが、比較例1〜7のゴム変性エポキシ樹脂以外の接着剤では1200kcycle以下でリブが剥離し、ベルトライフが短寿命である。また耐アルコール性、接着時間にも問題がある。
【0089】
更に実施例1〜5のシート状接着剤の貼り付け不良発生率は0.5%であるが比較例1の液性接着剤は4.5%であり、実施例1〜4は生産性に優れている。
【0090】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更実施例を下記に例示する。
本発明は前記中間転写ベルトの実施例1〜5で例示した以外の接着剤であっても、課題を解決するための手段に記載された範囲の特性を得ることのできる接着剤を使用可能である。
【0091】
【発明の効果】
本発明の転写用ベルトは、複数のロール間に張架されて回転し、ベルトの一の面に少なくともトナー像またはシートを保持して搬送する転写用ベルトにおける片寄り走行や蛇行を、その転写用ベルトの寿命低下を招くことなく、長期にわたって簡単にかつ確実に防止することができる。その結果として、本発明の転写用ベルトを使用した画像形成装置は安定的に高品質な画質が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】T型剥離強度試験の説明図である。
【図2】スラスト剥離強度試験の説明図である。
【図3】本発明の転写用ベルトを中間転写ベルトとして備えた画像形成装置の概略図である。
【図4】本発明の転写用ベルトを用紙搬送ベルトとして備えた画像形成装置の概略図である
【図5】本発明の転写用ベルトがベルト支持ロールに支持された状態を表す図である。
【図6】従来の画像形成装置の転写用ベルト及びリブの説明図である。
【図7】その他の従来の画像形成装置の転写用ベルト及びリブの説明図である。
【符号の説明】
2 ベルト本体
3 リブ
30 (T型剥離試験用)試験片
40 (スラスト剥離試験用)試験片
42 ベルト固定部材
44 ベルト本体貫通溝
46 リブ貫通溝
102 中間転写ベルト
206 用紙搬送ベルト

Claims (9)

  1. 複数のベルト支持ロールにより回転可能に支持され、且つ、一の面にトナー像が転写されるシートを担持するシート担持面またはトナー像が形成されるトナー像担持面を有するベルト本体と、
    前記ベルト本体の他の面の幅方向の少なくとも片側の側縁に沿って、弾性を有するシート状接着剤により接着されたリブと、を備えた転写用ベルトであって、
    接着された前記ベルト本体とリブとのT型剥離強度が、1.2N/mm以上であることを特徴とする転写用ベルト。
  2. 前記T型剥離強度が、2.0N/mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の転写用ベルト。
  3. 接着された前記ベルト本体とリブとのスラスト剥離強度が、8N/mm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の転写用ベルト。
  4. 前記スラスト剥離強度が、20N/mm以上であることを特徴とする請求項3に記載の転写用ベルト。
  5. 前記リブが、JIS硬度60°から90°の弾性部材から構成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の転写用ベルト。
  6. 前記接着剤が、弾性を有するシート状ゴム変性エポキシ樹脂から構成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の転写用ベルト。
  7. 前記ベルト本体が、ヤング率3000N/mm2以上の樹脂材料により構成されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の転写用ベルト。
  8. 前記ベルト本体が、導電剤の分散されたポリイミド樹脂ベルトから構成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の転写用ベルト。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の転写用ベルトを備えた画像形成装置。
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