JP5120095B2 - 画像形成装置用ベルト、ベルト張架装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
特許文献1には、無端ベルトの端部の補強を確実にし、無端ベルトが変形をして破壊するということがない画像形成装置を提供することを目的として、トナー像を保持して搬送するトナー像担持体としての無端ベルト及び該無端ベルトを張架搬送するための複数のロールからなるベルト張架手段を有する画像形成装置において、前記無端ベルトの外周面両端部に沿って設けられ、端部での重ね合わせ部を含むベルト補強テープを具備し、前記重ね合わせ部が、該ベルト補強テープに対する摺接体に対して順方向に構成されていることを特徴とする無端ベルトを用いた画像形成装置が開示されている。
<1> ベルト本体と、前記ベルト本体の外周面側の側縁に沿って設けられ、端部での重ね合わせ部を有する補強部材と、前記ベルト本体の内周面側の側縁に沿って該ベルト本体に接着されたリブ部材と、を備え、前記リブ部材の周方向端部隙間部に、前記補強部材の最外層の周方向先端が位置していることを特徴とする画像形成装置用ベルト、
<2> 前記リブ部材の周方向端部のうち、ベルト回転方向における下流側となるリブ部材の端部の幅がテーパー状に細くなる、上記<1>に記載の画像形成装置用ベルト、
<3> 前記重ね合わせ部にさらに溶着部が形成され、前記溶着部がリブ部材の周方向端部隙間部に形成されている、上記<1>又は上記<2>に記載の画像形成装置用ベルト、
<4> 上記<1>〜上記<3>いずれか1つに記載の画像形成装置用ベルトと、該画像形成装置用ベルトを内側から張架する複数のロールとを備えることを特徴とするベルト張架装置、
<5> 上記<1>〜上記<3>いずれか1つに記載の画像形成装置用ベルトを備えることを特徴とする画像形成装置。
上記<2>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、より耐久性に優れた画像形成装置用ベルトを提供することができた。
上記<3>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、より耐久性に優れた画像形成装置用ベルトを提供することができた。
上記<4>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、長期の使用に耐えるベルト張架装置を提供することができた。
上記<5>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、長期の使用に耐える画像形成装置を提供することができた。
また、本実施形態のベルト張架装置は、上記本実施形態のベルトと、該ベルトを内側から張架する複数のロールとを供えることを特徴とする。
さらに、本実施形態の画像形成装置は、上記本実施形態のベルトを備えることを特徴とする。
以下、図面を参照しつつ説明する。なお、実質的に同一の機能・作用を有する部材には同一の符号を付与し、重複する説明は省略する場合がある。
図1は本実施形態の画像形成装置用ベルトの軸方向端部(側端部)の斜視図である。同図に示すように、画像形成装置用ベルト4の側端部の内周面側には該側端部に沿ってベルト本体40にリブ部材41が接着されている。リブ部材41の周方向端部は、隙間部BUTTを有している。
また、画像形成装置用ベルト4の側端部の外周面側には該側端部に沿ってベルト本体40にベルト補強部としての補強部材42が設けられている。補強部材42はベルト本体40を一周して、その先端同士が重なり合う、重ね合わせ部LAPを形成している。
本実施形態の画像形成装置用ベルト4において、補強部材42の最外層の周方向先端18は、リブ部材41の周方向端部隙間部BUTTに位置している。すなわち、補強部材42の最外層の周方向先端18は、ベルト本体40を介して、リブ部材41の周方向端部隙間部BUTTと対向している。
図2は、画像形成装置用ベルト4を、該画像形成装置用ベルト4を内側から張架するロール(以下、駆動ロールを例にとって説明する。)11と接した状態で、ロール11の径方向から見た断面図であり、図3は、図2に記載のロール11と接した状態での画像形成装置用ベルト4をロール11の軸方向から見た側面図である。両図において、画像形成装置用ベルト4の内周面側のベルト軸方向端部には、ロール11の軸方向端面に接触して該画像形成装置用ベルト4の軸方向の動き(以下、「ウォーク」と表現する。)を防止するための凸状部材である、リブ部材41がベルト本体40の内周面に設けられている。
この補強部材を剥離させようとする力は、補強部材がロールに沿って周方向に屈曲することにより生じる力と、ベルトの盛り上がり部分(屈曲部分)RUによって軸方向に屈曲することにより生じる力よりなるが、曲率の大きい、軸方向に屈曲することにより生じる力に起因する剥離力の方が、より大きいと考えられる。
特に補強部材の軸方向幅が小さく、盛り上がり部分(屈曲部分)RUから補強部材のベルト中心側軸方向端部の距離が小さい場合には、より補強部材の重ね合わせ部が剥離しやすくなる。
上述の通り、補強部材42の周方向端部剥離の主たる要因となる力は、ベルトの盛り上がり部分(屈曲部分)RUによってベルトが軸方向に屈曲することにより生じる力であると考えられる。画像形成装置用ベルトの軸方向への屈曲は、ベルトの蛇行防止用のリブ部材が、ロールに乗り上げることによって発生する。
本実施形態の画像形成装置用ベルトでは、補強部材の剥離の開始点となる周方向端部を、リブ部材の乗り上げが発生しないリブ部材の周方向端部隙間部に位置させることによって、画像形成装置用ベルトの補強部材の端部の剥離が防止される。
画像形成装置用ベルト4の外周面側軸方向端部にはベルトクリーナのクリーニングブレード両側に配置されるサイドシールを有する場合がある。該サイドシールは、前記摺接体に相当し、前記補強部材42の先端18がベルト4の周回方向Rに対して下流側に配置されていると、該サイドシールが前記先端18に接触して補強部材42の重ね合わせ部LAPで剥離が生じるおそれがあるので、重ね合わせ部LAPは上述のように順方向に構成されていることが好ましい。
以下、本実施形態の画像形成装置用ベルトを構成する各部材について詳述する。
ベルト本体の材質としては、ヤング率2,000MPa以上8,000MPa以下の樹脂材料が好適に用いられる。ベルト本体の材質としては、熱硬化性樹脂が望ましく、具体的にはポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
ベルト本体の材質として特に好適には、例えばポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂を用いることができる。
また、ベルト本体のヤング率は大きいほど好ましいが、実用上は8,000MPaあれば十分である。ヤング率は、使用する樹脂材料の化学構造を選択することで上記範囲に制御することができ、芳香環構造を含むものほどヤング率を高くすることができる。
なお、ヤング率は、JIS K7127(1999)に準じて引張試験を行い、得られた応力・歪曲線の初期ひずみ領域の曲線に接線を引き、その傾きにより求めることができる。測定条件としては、短冊状試験片(幅6mm、長さ130mm)、ダンベル1号、試験速度500mm/分、厚さはベルト本体の厚さの各設定で測定するものとする。
リブ部材41は、図1に示すように、ベルト本体40の軸方向における少なくとも片側縁部の内周面(ベルトの幅方向における少なくとも片側縁部の内周面)に、当該ベルト本体40の周方向に沿って帯状に連続して、かつ、ベルト本体40の内周面から突出するように配設されている。なお、上述の通り、リブ部材41は、周方向端部に隙間部BUTTを有している。
リブ部材の厚みは、0.2mm〜2.0mmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜1.5mmであり、さらに好ましくは0.8〜1.2mmである。リブ部材の厚みが上記範囲内であると、ウォークが抑制されるとともに、ロールに乗り上げて屈曲部分が生じた場合のベルトの破断が抑制されるので好ましい。
(1)弾性接着剤
接着剤としては、硬化後の接着剤のデュロメータ硬さがA30以上A50以下の範囲内の弾性を有することが好ましく、例えば、セメダイン(株)製のアクリル変性シリコンポリマーを主成分とするスーパ−XNo8008、コニシ(株)製の特殊変性シリコンポリマーを主成分とするサイレックス100などを挙げることができる。ベルト本体との接着強度よりセメダイン(株)製のアクリル変性シリコンポリマーを主成分とするスーパ−XNo8008がより好ましく用いられる。
感熱性接着剤シートとしては、ベルト本体40とリブ部材41との接着性に優れたものであれば特に限定されず、例えば、アクリル系、シリコン系、天然又は合成のゴム系、ウレタン系、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体等の合成樹脂系などの樹脂系材料を主材料とする接着剤シートを用いることができる。
ベルト回転方向における下流側は、ベルトの周回によってロールが引っ掛かるおそれがあるため、下流側となるリブ部材の端部の幅を、テーパー状に細くすることが好ましい。これにより、ロールがスムーズにリブ部材の端部間隙部を通過することができる。
すなわち、リブ部材の端部をテーパー状とすることによって、ロールへの急な乗り上がりが抑制でき、これにより、補強部材の最外層の周方向先端にかかる軸方向の剥離力を少なくすることができる。その結果、補強部材の剥離をより効果的に抑制することができるので好ましい。
ここで、テーパー状に細くなるとは、勾配をもって徐々に細くなることを意味する。したがって、階段状に細くなる場合には、「テーパー状に細くなる」に該当するものではない。
図8において、画像形成装置用ベルト4の周回方向は符号Rの方向であり、符号Sfは、ロールの摺動面を示す。
ベルト回転方向における下流側となるリブ部材の、ロールへの急な乗り上がりを抑制する観点から、少なくともベルト回転方向の下流側となるリブ部材のリブガイド摺動面がテーパー状(勾配を有する)ことが好ましい。
リブ部材の上流側となるリブ部材の端部の幅は特に限定されず、図8(a)に示すように、リブ部材の下流側となるリブ部材の端部の幅のみがテーパー状に細くなっていてもよく、図8(b)に示すように、リブ部材の上流側となるリブ部材の端部の幅もテーパー状に細くすることもできる。
該勾配は、図8(a)に示すように一定の勾配を有するものに限定されず、図8(c)に示すように円弧に形成されていてもよい。
また、図8(d)では、ベルト周方向の下流側となるリブ部材の端部が、斜めに形成されている。
次に補強部材について説明する。
補強部材42は、図1に示すように、ベルト本体40の少なくとも片端部(ベルト軸方向の片端部)の外周面に、ベルト本体40の周方向に沿って巻き付けられて配設されている。補強部材42は、例えば、その端面がベルト本体40の一端面(ベルト本体40軸方向外側の一端面)と面一となるように配設されている。補強部材42は一本のテープで巻き付けてもよいし、複数本重ねて巻き付けてもよい。
好ましくは、補強部材の最外層42Aの周方向先端及びその前後1mm以上がリブ部材の周方向端部隙間部BUTTに位置していることが好ましく、補強部材42の最外層の周方向先端18及びその前後2mm以上がリブ部材の周方向端部隙間部BUTTに位置していることがより好ましい。
前記補強部材42は、画像形成装置用ベルト4の軸方向端部における微小な傷から、ベルト本体40の軸方向全域に破損が進展しないように、その側端面が少なくともベルト本体40の側端面(軸方向端面)と合致するように画像形成装置用ベルト4に沿って貼付けられていることが好ましい。また、補強部材42の内側端面(画像形成装置用ベルト4の軸方向中央側面)は、リブ部材41の内側端面よりも画像形成装置用ベルト4の軸方向中央寄りに位置していることが好ましい。補強部材42に画像形成装置用ベルト4の側端部を保護する機能をもたせるとともに、前述の盛り上がり部分(屈曲部分)RUを発生しにくくする機能をもたせるためである。
また、補強部材42の重ね合わせ部LAPは、補強部材42とベルト本体40との接着と同様に、接着剤等により貼り合わされている。
補強部材42の溶着部43は、剥離強度は高くなるが、脆くなるため引っ張り強度が低くなる傾向がある。溶着部43をリブ部材41の周方向端部隙間部BUTTに設けることにより、ベルトがロールへ乗り上げることによる溶着部43の変形を生じることがなく、より効果的に補強部材42の剥離を抑制することができるので好ましい。
なお、補強部材とベルト本体との接着、及び、重なり部における補強部材同士の接着については、リブ部材とベルト本体との接着と同様の方法を使用することができる。
本実施形態において、ベルト張架装置は、本実施形態の画像形成装置用ベルトと、該ベルトを内側から張架する複数のロールとを備えることを特徴とする。
画像形成装置用ベルトを内側から張架して支持するロールは、特に限定されるものではなく、公知のロールから適宜選択して用いることができる。複数のロールは、同一種類のロールでもよく、複数種のロールを併用することもできる。
図12は、本実施形態の画像形成装置用ベルト4をロール11に張架した状態でのロールの径方向から見た部分断面図である。図12(a)に示すように、ロール11の軸方向外側面をリブ部材41との摺接面とすることもできるし、図12(b)に示すように、ロール11にリブ部材41のガイド溝15を形成してもよく、特に限定されない。
本実施態様の画像形成装置は、本実施態様の画像形成装置用ベルトを備えることを特徴とする。
図13は、ベルト状中間転写体として、本実施形態のベルトを用いた画像形成装置の一例としてのカラープリンタの要部構成を示す模式図である。同図において、感光体ドラム等の潜像保持体(以下、「感光体ドラム」で代表して説明する)1の表面は帯電器2により所定の電荷で帯電され、レーザー光Lの書き込み走査で第1色の画像信号に応じた静電潜像が形成される。この静電潜像は感光体ドラム1の、A方向への回転で現像装置ユニット3の第1色の現像器との対向位置に到り、第1色の現像器でトナー現像される。感光体ドラム1はトナー像Tを保持してさらに回転する。
また、画像形成装置は、感光体ベルト、転写ベルト、搬送ベルト、帯電ベルト、定着ベルト等を備えた画像形成装置であってもよく、これらのベルトとして本実施多様の画像形成装置用ベルトを適用することもできる。
−補強部の形成−
幅334mm、外径φ168mmのポリイミド製無端ベルト(ベルト本体)を、2分割された半円状割型に入れ、テンションをかけた。その後、ベルト本体の外周面側の軸方向両端に幅10mmの粘着剤付き補強部材(日東電工製、ポリエステルテープNo.31C)をベルト軸端部面に沿って貼り付けた。そのとき、補強部材の重ね合わせ部として周方向10mmの重ね合わせ部ができるようにして、補強部材をベルト端部と垂直に切断した。そして、補強部材の重ね部に気泡などが入らないように注意しながら、上面を十分押し付けた。次いで、ベルト本体の軸方向幅が330mm、補強部材幅が8mmとなるように、ベルトをカットした。
補強部材重ね合わせ部に、最外周テープの周方向先端から1mmの位置に、周方向3mm×テープ幅全体の溶着による溶着部を、超音波溶着ホーン(超音波工業社製、商品名:超音波プラスチックウエルダ)で形成した。
ベルト本体の内周面側にウレタンゴム製の蛇行防止用リブ(リブ部材)を接着剤により貼り付けた。リブ部材はベルト径方向522mm、高さ1mm、ベルト軸方向幅5mmの矩形であり、リブ部材の貼り付け位置は、ベルト軸方向端面より0.5mm中央側に沿って貼り付けた。このとき、リブ部材の周方向隙間部(BUTT)は、周方向に約5.5mmであった。そして、周方向の貼り付け位置は、図11(a)に示すように、補強部材端部及び溶着部全域が、リブ部材の周方向端部隙間に位置するようにした。
上記ベルトを転写システムに装着したまま回転を続け、24時間の搬送毎にベルトを停止し、ベルトの状態を観察したが、1,000時間まで観察しても補強部材には剥離の発生がなく、ベルトには問題が生じなかった。
補強部材に溶着をおこなわず、補強部材の重なり部最外層先端を、リブ隙間の中央に位置させた以外は、実施例1と同様にベルトを作製した。
このベルトを転写システムに装着したまま回転を続け、24時間の搬送毎にベルトを停止しベルトの状態を観察したが、480時間まで観察しても補強部材には剥離の発生がなく、ベルトには問題が生じなかった。
ベルト回転方向の上流側であって、駆動ロールに侵入していく側のリブ先端に、長さ15mm、幅4.5mmのテーパーをつけた以外は、実施例1と同様にベルトを作製した。リブ形状の簡略図を図8(a)に示す。なお、本実施例では、ベルト回転方向の上流側であるリブ先端の幅が4.5mmとなるように、リブの先端から、0.25mm×15mmの直角三角形を切り出した。
このベルトを転写システムに装着したまま回転を続け、24時間の搬送毎にベルトを停止しベルトの状態を観察したが、1,200時間まで観察しても補強部材には剥離の発生がなく、ベルトには問題がなかった。
リブ部材の周方向貼り付け位置において、図11(b)に示すように、補強部材の最外層42Aの周方向先端をリブ部材の周方向隙間部(BUTT)に位置するようにし、補強部材の重ね合わせ部(LAP)の一部及び補強部材の溶着部全域は、ベルト内面直下にリブが存在する位置にした以外は、実施例1と同様にベルトを作製した。
このベルトを転写システムに装着したまま回転を続け、24時間の搬送毎にベルトを停止しベルトの状態を観察したところ、1,000時間まで観察してもベルトには問題が生じなかったが、1,000時間を越えたところで、補強部材の溶着部のごく一部にわずかな「浮き」が観察された。
リブの先端隙間位置を、補強部材の重ね合わせ部から周方向に100mmほどずらした以外は、実施例1と同様にベルトを作製した。補強部材の周方向先端及び溶着部のベルト内面直下にリブが存在する。
このベルトを転写システムに装着したまま回転を続け、24時間の搬送毎にベルトを停止しベルトの状態を観察したところ、144時間後の観察で溶着部にひびが入っている様子が観察され、その後も継続して回転を続けたところ、264時間に達する前にベルトが破断した。
実施例1で作製したベルトを図13に記載の転写システムに装着し、ベルトを200mm/secの速度で搬送させたところ、ベルトは軸方向片側にウォークしながら回転し、しばらく回転を続けると、ウォークを規制するためにベルトの片側リブ(ウォークによって進んだ方向とは逆方向のリブ)がベルト駆動ロールと接触したまま安定して回転を続けた。そのベルト駆動ロールと接触したリブ部材のベルト周方向外側は、凸状に変形した。この変形による凸部の形状及び高さをレーザー変位計(キーエンス社製LK−030)で、ベルトの周方向における各位置においてベルトを停止させた状態で測定したところ、ベルトの周方向位置によって凸部の形状と高さが異なっていた。
この凸高さはベルトの周方向位置と相関があることが分かった。すなわち、リブ部材の真直度によって、リブ部材がベルトの幅方向内側に入り込んだときには凸が高く、リブ部材がベルトの幅方向外側にあるときには凸が小さかった。また、リブの周方向隙間部(BUTT)がベルト駆動ロールにかかったときには、ほとんど凸が発生していなかった。リブの真直度は、ベルトを切り開いて展開し、リブ部材のベルト内周面の長手方向両端部を直線で結び、その直線からリブの最内側面と最外側面に垂線を引き、その距離の合計で定義する。
図14は、ベルトを切り開いて展開し、ベルト内周面を観察した部分平面図である。図14において、リブ部材のベルトの長手方向両端部を結んだ線を点線で示している。リブ部材の最内側面に引いた垂線の長さがAで表されており、最外側面に引いた垂線の長さがBで表されている。図14において、真直度は、A+Bで定義される。また、リブ部材がベルトの幅方向の外側にあるとき(図14におけるBの測定位置)は凸が小さく、また、リブ部材がベルト幅方向の内側に入り込んだとき(図14におけるAの測定位置)は、凸が大きかった。
上記ベルトの真直度は、0.42mmであった。
次に、実施例1及び比較例1にて作製したベルトを上記と同様な方法にて搬送し、補強部材の重ね合わせ部における凸部について測定を行った。
図15(a)は、比較例1のベルトの測定結果であり、図15(b)は、実施例1のベルトの測定結果である。
図15(a)の測定結果によれば、走行中のベルトは、図15(A)のようになっていると想定される。すなわち、補強テープ幅を約8mmとしているので、軸方向端部から約8mmの位置で表面高さが補強部材の厚み分(重ね合わせ部のため、補強テープ厚みの約2倍)増加している。また、ベルトは屈曲部分RUを生じているため、凸を有していると考えられる。上記のベルトはリブ部材が軸方向端部から約1mm乃至約4mmに形成されており、リブ部材が形成されている位置よりも軸方向中央側で凸が生じていることが分かる。
図15(a)における凸高さは、180μmであった。
このベルトを転写システムに装着し、実施例1と同様に補強部材表面の軸方向プロファイルを測定したところ、補強部材の重ね合わせ部の図8における凸高さは、180μmであった。
すなわち、図15(b)の測定結果によれば、走行中のベルトは、図15(B)のようになっていると想定される。リブ部材の周方向端部隙間部は、ベルト内面にリブ部材を有していないため、ロールへの乗り上がりを生じることがない。なお、図15(b)において、ベルトの軸方向端部は内周側に向かって撓んでいるために、ベルト表面の凸高さが、なだらかに低下していると考えられる。
2 帯電器
3 現像装置ユニット
3−1 イエロー現像器
3−2 マゼンタ現像器
3−3 シアン現像器
3−4 ブラック現像器
4 画像形成装置用ベルト(中間転写ベルト)
5 1次転写ロール
6 2次転写ロール
7 感光体クリーナ
8 給紙手段
9 定着器
10 クリーナ
11 ロール
12 アイドルロール
13 2次転写バックアップロール
14 テンションロール
15 ガイド溝
18 補強部材の最外層の周方向先端
40 ベルト本体
41 リブ部材
42 補強部材
43 溶着部
L レーザー光
T トナー像
P 記録紙
R 周回方向(回転方向)
R1 中間転写ベルトが駆動ロールにかかり始める位置
R2 中間転写ベルトが駆動ロールから外れる位置
RU 盛り上がり部分
CR 局部的な亀裂
N ノッチ
LAP 重ね合わせ部
BUTT 隙間部
Sf ロールの摺動面
Claims (5)
- ベルト本体と、
前記ベルト本体の外周面側の側縁に沿って設けられ、端部での重ね合わせ部を有する補強部材と、
前記ベルト本体の内周面側の側縁に沿って該ベルト本体に接着されたリブ部材と、を備え、
前記リブ部材の周方向端部隙間部に、前記補強部材の最外層の周方向先端が位置していることを特徴とする
画像形成装置用ベルト。 - 前記リブ部材の周方向端部のうち、ベルト回転方向における下流側となるリブ部材の端部の幅がテーパー状に細くなる、請求項1に記載の画像形成装置用ベルト。
- 前記重ね合わせ部にさらに溶着部が形成され、前記溶着部がリブ部材の周方向端部隙間部に形成されている、請求項1又は2に記載の画像形成装置用ベルト。
- 請求項1〜3いずれか1つに記載の画像形成装置用ベルトと、該画像形成装置用ベルトを内側から張架する複数のロールとを備えることを特徴とするベルト張架装置。
- 請求項1〜3いずれか1つに記載の画像形成装置用ベルトを備えることを特徴とする画像形成装置。
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