JP2007193059A - 定着用ローラ、定着装置および画像形成装置 - Google Patents

定着用ローラ、定着装置および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】弾性層から発生した低分子量成分が放出されるのを確実に防止または抑制し得る定着用ローラ、定着装置、および画像形成装置を提供すること。
【解決手段】本発明の定着用ローラは、記録媒体に担持された未定着像を該記録媒体に定着させる定着処理に用いるものであって、円筒状または円柱状をなす基部91Aと、基部91Aの外周面上に設けられた弾性層91Bと、弾性層91Bの外周面上に設けられ、ガスバリア性を有する離型層(表層)91Cと、弾性層91Bの両側に、それぞれ端面を覆うように設けられ、ガスバリア性を有する封止板91D、この封止板91Dを弾性層91Bに密着させるよう固定する固定板91Eとを有する。この固定板91Eは、ネジ91Fにより基部91Aの段差部913Aに設けられたネジ穴914Aに固定されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、定着用ローラ、定着装置および画像形成装置に関するものである。
電子写真方式を採用するプリンタ、コピー、ファクシミリなどの画像形成装置は、露光、現像、転写、定着のプロセスにより、紙などの記録媒体上に、トナーからなる画像を形成する。
このような画像形成装置には、トナーにより形成されたトナー像を未定着状態で担持する紙等の記録媒体に加熱および加圧することにより、前記トナー像を前記記録媒体に定着させる定着装置が備えられている(例えば、特許文献1参照)。
かかる定着装置は、一般に、互いに圧接回転する定着ローラおよび加圧ローラと、この定着ローラを加熱するハロゲンヒータとを有している。
前記定着ローラおよび前記加圧ローラの前記圧接により形成されたニップに、記録媒体を通紙することにより、前記記録媒体を加熱および加圧して、前記記録媒体上に形成されたトナー像を前記記録媒体に定着させる。
特許文献1において、加圧ローラは、芯金と、この芯金の周囲を覆うゴム製の弾性層と、この弾性層の周囲を覆う離型層(表層)とを有している。
このような加圧ローラに設けられた弾性層は、その弾性により、ニップ幅を大きいものとして定着性を向上させる。
また、特許文献1の加圧ローラでは、その軸方向において弾性層と離型層とが同等の長さとなっており、弾性層の端面が外部に露出している。
そのため、トナー像を定着させる際の加熱等により、弾性層内に含まれる低分子量成分が外部へ漏れ出し、画像形成装置内で画像形成プロセスに悪影響を与える場合がある。
例えば、弾性層がシリコーンゴムで構成されている場合、低分子量成分として、低分子量シロキサンが画像形成装置内へ漏れ出し、前述のような悪影響を生じさせるおそれがある。
このような問題に対し、低分子量成分をオゾンにより分解・除去する手段を設けた画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、かかる手段は、低分子量成分の種類等によっては、十分な除去性能が得られないばかりか、画像形成装置に、新たに排気装置や反応装置等を備える必要があり、画像形成装置の大型化、高コスト化を招くという問題がある。
特開平6−214481号公報 特開2004−294460号公報
本発明の目的は、弾性層から発生した低分子量成分が放出されるのを確実に防止または抑制し得る定着用ローラ、定着装置、および画像形成装置を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の定着用ローラは、記録媒体に担持された未定着像を該記録媒体に定着させる定着処理に用いる定着用ローラであって、
円筒状または円柱状をなす基部と、
前記基部の外周面側に設けられ、弾性材料で構成された弾性層と、
該弾性層の外周面側に設けられ、前記弾性材料から発生するガスを実質的に遮断するガスバリア性を有する表層と、
前記弾性層の両端面を覆うように設けられ、前記弾性材料から発生するガスを実質的に遮断するガスバリア性を有する封止板と、
該封止板を前記弾性層に対して密着するよう固定する固定手段とを備えることを特徴とする。
これにより、弾性層から発生した低分子量成分が放出されるのを確実に防止または抑制し得る定着用ローラが得られる。
本発明の定着用ローラでは、前記固定手段は、前記封止板の前記基部と反対側の面に圧接される固定板と、該固定板を前記基部に対して固定する固定部材とを有することが好ましい。
これにより、封止板は、弾性層の両端面の凹凸に沿うように密着することができ、弾性層から発生したガスが定着用ローラの外部に放出されるのを確実に防止し得る気密性を発揮する。
本発明の定着用ローラでは、前記固定部材は、前記封止板を貫通し、前記基部に固定される複数のネジまたはピンで構成されていることが好ましい。
これにより、封止板の固定を容易に行うことができるとともに、封止板の着脱も容易に行うことができる。したがって、例えば、封止板を交換する作業や、封止板の位置を調整する作業を容易に行うことができる。
本発明の定着用ローラでは、前記複数のネジまたはピンは、前記基部の周方向に沿って間欠的に設けられていることが好ましい。
これにより、固定板を封止板全体に対して、より均一な荷重で圧接させることができる。その結果、封止板は、弾性層の両端面に均一に密着することができ、弾性層を確実に封止することができる。
本発明の定着用ローラでは、前記固定部材は、前記固定板の縁部に沿って設けられ、前記表層の端部に嵌合する嵌合部材で構成されていることが好ましい。
これにより、固定板を封止板に対して圧接することができる。その結果、封止板は、弾性層の両端面に密着することができ、弾性層を確実に封止することができる。
本発明の定着用ローラでは、前記嵌合部材と前記固定板とは、一体的に形成されていることが好ましい。
これにより、嵌合部材と固定板との接続部におけるガスバリア性をより高めることができ、定着用ローラ全体のガスバリア性を高めることができる。
本発明の定着用ローラでは、少なくとも前記嵌合部材は、弾性材料で構成されていることが好ましい。
弾性材料で構成された嵌合部材には、外径が小さくなる方向、すなわち表層側に縮むような収縮力が働いている。したがって、嵌合部材は、表層の外周面に沿って密着するため、固定板を確実に固定することができる。
本発明の定着用ローラでは、前記封止板と、前記固定板の前記封止板に対する密着性を向上させる密着性向上手段を有することが好ましい。
これにより、封止板を弾性層の両端面に対して、より確実に密着させることができる。その結果、封止板は、弾性層から発生したガスが定着用ローラの外部に放出されるのを確実に防止し得る気密性を発揮する。
本発明の定着用ローラでは、前記密着性向上手段は、少なくとも前記固定板の前記封止板に当接する面に形成された微小な凹凸で構成されていることが好ましい。
この凹凸は、例えば、定着ローラが加圧ローラに圧接した際に、定着ローラに加わる負荷に伴って、封止板と固定板との間に生じる滑りを、防止することができる。すなわち、この滑りに伴う封止板の気密性の低下を防止することができる。
本発明の定着用ローラでは、自然状態において、前記封止板の平均外径と前記表層の平均外径とがほぼ等しいことが好ましい。
これにより、弾性層の両端部を確実に覆いつつ、封止板の縁部が、表層の外周面から突出するのを防止することができる。その結果、突出部が記録媒体やその他の部材等に干渉して、封止板による封止状態が損なわれるのを防止することができる。
本発明の定着用ローラでは、前記封止板の平均厚さは、100〜1000μmであることが好ましい。
これにより、封止板は、弾性層から発生した低分子量成分を含むガスの放出を確実に防止しつつ、弾性層の変形に十分追従し得るものとなる。
本発明の定着用ローラでは、前記封止板は、フッ素系樹脂を主材料として構成されていることが好ましい。
フッ素系樹脂は、比較的高いガスバリア性を有するため、封止板の構成材料として好適に用いることができる。
本発明の定着用ローラでは、前記表層は、フッ素系樹脂を主材料として構成されていることが好ましい。
フッ素系樹脂は、フッ素原子に起因する特有の滑り性を有するため、記録媒体の剥離性に優れ、表層を離型層として、より優れた機能を発揮させることができる。さらに、フッ素系樹脂は、比較的高いガスバリア性を有することから、表層の構成材料として好適に用いることができる。
本発明の定着用ローラでは、前記封止板と前記表層は、いずれも同種の材料で構成されていることが好ましい。
これにより、表層と封止板の弾性率(ヤング率)や熱膨張率等の機械的特性が等しくなるため、これらを密着させた状態で変形させた場合、高い密着性を維持しつつ変形に追従し得る表層および封止板が得られる。
本発明の定着用ローラでは、前記固定板の平均外径は、前記表層の平均外径とほぼ等しいか、または前記表層の平均外径より小さいことが好ましい。
これにより、固定板の縁部が、表層の外周面から突出するのを防止することができる。その結果、突出部が記録媒体に干渉して、画像形成装置に紙詰まりが発生するのを防止することができる。
本発明の定着装置は、互いに圧接回転する第1のローラおよび第2のローラと、前記第1のローラを加熱するヒータとを有し、未定着像を担持する記録媒体を前記第1のローラと第2のローラとの間に通過させながら加圧・加熱することにより、前記未定着像を前記記録媒体に定着させる定着装置であって、
前記第1のローラおよび前記第2のローラのうちの少なくとも一方を、本発明の定着用ローラで構成したことを特徴とする。
これにより、低分子量成分が放出されるのを確実に防止または抑制し得る定着装置が得られる。
本発明の画像形成装置は、本発明の定着装置を備えることを特徴とする。
これにより、低分子量成分が放出されるのを確実に防止または抑制し得る画像形成装置が得られる。
以下、本発明の定着用ローラ、定着装置およびこれを備える画像形成装置の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
≪画像形成装置≫
<第1実施形態>
図1は、本発明にかかる画像形成装置の一実施形態を示す全体構成の模式的断面図、図2は、図1に示す画像形成装置に備えられた定着装置の第1実施形態を示す模式的断面図、図3は、図2におけるA−A線断面図、図4は、図3の定着装置の定着ローラおよび加圧ローラの端部の構成を説明するための部分拡大図である。
本発明の定着装置に先立ち、本発明の定着装置を備える画像形成装置の第1実施形態について説明する。
図1に示す本実施形態の画像形成装置10は、露光・現像・転写・定着を含む一連の画像形成プロセスによって、紙やOHPシート等の記録媒体に画像を形成するものである。このような画像形成装置10は、図1に示すように、静電的な潜像を担持し図示矢印方向に回転する感光体20を有し、その回転方向に沿って順次、帯電ユニット30、露光ユニット40、現像ユニット50、一次転写ローラ60、クリーニングユニット75が配設されている。また、画像形成装置10は、図1にて下部に、紙などの記録媒体Pを収容する給紙トレイ82が設けられ、その給紙トレイ82に対して記録媒体Pの搬送方向下流に、二次転写ローラ80、定着装置90が記録媒体Pの搬送方向に沿って順次配設されている。また、画像形成装置10には、記録媒体の両面に画像を形成する場合に、定着装置90によって一方の面に定着処理された記録媒体Pを表裏反転させて二次転写ローラ80へ帰還させるための搬送部88が設けられている。
感光体20は、円筒状の導電性基材(図示せず)と、その外周面に形成された感光層(図示せず)とを有し、その軸線まわりに図1中矢印方向に回転可能となっている。
帯電ユニット30は、コロナ帯電などにより感光体20の表面を一様に帯電するための装置である。
露光ユニット40は、図示しないパーソナルコンピュータなどのホストコンピュータから画像情報を受け、これに応じて、一様に帯電された感光体20上に、レーザを照射することによって、静電的な潜像を形成する装置である。
現像ユニット50は、ブラック現像装置51と、マゼンタ現像装置52と、シアン現像装置53と、イエロー現像装置54との4つの現像装置を有し、これらの現像装置を感光体20上の潜像に対応して選択的に用いて、前記潜像をトナー像として可視化する装置である。ブラック現像装置51はブラック(K)トナー、マゼンタ現像装置52はマゼンタ(M)トナー、シアン現像装置53はシアン(C)トナー、イエロー現像装置54はイエロー(Y)トナーを用いて現像を行う。
本実施形態におけるYMCK現像ユニット50は、前述の4つの現像装置51、52、53、54を選択的に感光体20に対向するように、回転可能となっている。具体的には、このYMCK現像ユニット50は、軸50aを中心として回転可能な保持体55の4つの保持部55a、55b、55c、55dにそれぞれ4つの現像装置51、52、53、54が保持されており、保持体55の回転により、4つの現像装置51、52、53、54が相対位置関係を維持したまま、感光体20に選択的に対向するようになっている。
中間転写体61は、エンドレスベルト状の中間転写ベルト70を有し、この中間転写ベルト70は、駆動ローラ71、従動ローラ72および一時転写ローラ60で張架されており、駆動ローラ71の回転により、図1に示す矢印方向に、感光体20とほぼ同じ周速度にて回転駆動される。
一次転写ローラ60は、感光体20に形成された単色のトナー像を中間転写ベルト70に転写するための装置である。
中間転写ベルト70上には、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローのうちの少なくとも1色のトナー像が担持され、例えばフルカラー画像の形成時に、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローの4色のトナー像が順次重ねて転写されて、フルカラーのトナー像が形成される。本実施形態では、駆動ローラ71が、後述する二次転写ローラ80のバックアップローラとしても機能する。また、一次転写ローラ60、駆動ローラ71、従動ローラ72は、基体73によって支持されている。
二次転写ローラ80は、中間転写ベルト70上に形成された単色やフルカラーなどのトナー像を、紙、フィルム、布等の記録媒体Pに転写するための装置である。
定着装置90は、前記トナー像の転写を受けた記録媒体Pを加熱および加圧することにより、前記トナー像を記録媒体Pに融着させて永久像として定着させるための装置である。この定着装置90は、本発明のローラユニットを備えるものである。なお、定着装置90については、後に詳述する。
クリーニングユニット75は、一次転写ローラ60と帯電ユニット30との間で感光体20の表面に当接するゴム製のクリーニングブレード76を有し、一次転写ローラ60によって中間転写ベルト70上にトナー像が転写された後に、感光体20上に残存するトナーをクリーニングブレード76により掻き落として除去するための装置である。
搬送部88は、定着装置90によって一方の面に定着処理された記録媒体Pを挟持搬送する搬送ローラ対88A、88Bと、搬送ローラ対88A、88Bによって搬送される記録媒体Pを表裏反転しつつレジローラ86へ向け案内する搬送路88Cとを備えている。これにより、記録媒体の両面に画像形成する場合に、定着装置90によって一方の面に定着処理された記録媒体Pを表裏反転して二次転写ローラ80へ帰還させる。
次に、このように構成された画像形成装置10の動作を説明する。
まず、図示しないホストコンピュータからの指令により、感光体20、現像ユニット50に設けられた現像ローラ(図示せず)、および中間転写ベルト70が回転を開始する。そして、感光体20は、回転しながら、帯電ユニット30により順次帯電される。
感光体20の帯電された領域は、感光体20の回転に伴って露光位置に至り、露光ユニット40によって、第1色目、例えばイエローYの画像情報に応じた潜像が前記領域に形成される。
感光体20上に形成された潜像は、感光体20の回転に伴って現像位置に至り、イエロー現像装置54によってイエロートナーで現像される。これにより、感光体20上にイエロートナー像が形成される。このとき、YMCK現像ユニット50は、イエロー現像装置54が、前記現像位置にて感光体20と対向している。
感光体20上に形成されたイエロートナー像は、感光体20の回転に伴って一次転写位置(すなわち、感光体20と一次転写ローラ60との対向部)に至り、一次転写ローラ60によって、中間転写ベルト70に転写(一次転写)される。このとき、一次転写ローラ60には、トナーの帯電極性とは逆の極性の一次転写電圧(一次転写バイアス)が印加される。なお、この間、二次転写ローラ80は、中間転写ベルト70から離間している。
前述の処理と同様の処理が、第2色目、第3色目および第4色目について繰り返して実行されることにより、各画像信号に対応した各色のトナー像が、中間転写ベルト70に重なり合って転写される。これにより、中間転写ベルト70上にはフルカラートナー像が形成される。
一方、記録媒体Pは、給紙トレイ82から、給紙ローラ84、レジローラ86によって二次転写ローラ80へ搬送される。
中間転写ベルト70上に形成されたフルカラートナー像は、中間転写ベルト70の回転に伴って二次転写位置(すなわち、二次転写ローラ80と駆動ローラ71との対向部)に至り、二次転写ローラ80によって記録媒体Pに転写(二次転写)される。このとき、二次転写ローラ80は中間転写ベルト70に押圧されるとともに二次転写電圧(二次転写バイアス)が印加される。
記録媒体Pに転写されたフルカラートナー像は、定着装置90によって加熱および加圧されて記録媒体Pに融着される。その後、記録媒体Pは、排紙ローラ対87によって画像形成装置10の外部へ排出される。
一方、感光体20は一次転写位置を経過した後に、クリーニングユニット75のクリーニングブレード76によって、その表面に付着しているトナーが掻き落とされ、次の潜像を形成するための帯電に備える。掻き落とされたトナーは、クリーニングユニット75内の残存トナー回収部に回収される。
記録媒体の両面に画像形成する場合には、定着装置90によって一方の面に定着処理された記録媒体Pを一旦排紙ローラ対87により挟持した後に、排紙ローラ対87を反転駆動するとともに、搬送ローラ対88A、88Bを駆動して、当該記録媒体Pを搬送路88Cを通じて表裏反転して二次転写ローラ80へ帰還させ、前述と同様の動作により、記録媒体Pの他方の面に画像を形成する。
≪定着装置≫
ここで、定着装置90を図2ないし図4に基づいて詳細に説明する。
定着装置90は、図2に示すように、互いに圧接回転する1対の定着ローラ(第1のローラ)91および加圧ローラ(第2のローラ)92と、定着ローラ91を加熱するためのヒータ93と、定着ローラ91の温度を検知するための温度検知体94と、定着ローラ91から定着後の記録媒体を分離するための分離部材95と、定着ローラ91および加圧ローラ92のそれぞれの周面の一部を覆うカバー96とを有している。
この定着装置90は、定着ローラ91および加圧ローラ92の圧接により形成されるニップ部Nに対し、図2にて下方から、未定着像を担持する記録媒体がニップ部Nへ搬送され、前記記録媒体を加熱および加圧することにより、前記未定着像を前記記録媒体に定着させる。本実施形態では、ニップ部Nに搬送される記録媒体は定着ローラ91側に未定着像を担持している。
定着ローラ91は、円筒状をなし、その軸線まわりに回転可能となっている。
また、定着ローラ91は、図2および図3に示すように、円筒状または円柱状をなす金属製の基部(芯金)91Aと、基部91Aの外周面を覆う弾性層91Bと、弾性層91Bの外周面を覆い、ガスバリア性を有する離型層(表層)91Cとを有している。
特に、定着ローラ(本発明の定着用ローラ)91は、図3および図4に示すように、弾性層91Bの端面上に設けられた封止板91Dと固定板(固定手段)91Eとを有する。このような封止板91Dと、それを固定する固定手段とが弾性層91Bの端面上に設けられていると、弾性層91Bを構成する材料に含まれる低分子量成分が弾性層91Bの端面から漏出するのを防止することができる。なお、基部91A、弾性層91B、離型層91C、封止板91D、固定板91Eについては、後に詳述する。
このような定着ローラ91を用いると、弾性層91Bの弾性により、ニップNの幅を大きいものとし、優れた定着性を発揮しつつ、弾性層91Bから発生する低分子量成分(ガス)が画像形成装置10内で画像形成プロセスに悪影響を与えるのを防止して、高品位な画像を得ることができる。例えば、弾性層91Bがシリコーンゴムで構成されている場合、低分子量シロキサンが弾性層91Bの端部から漏れ出し、低分子量シロキサンが帯電ユニット30に付着して帯電性能を低下させるのを防止することができる。また、低分子量シロキサンが画像形成装置10の外部に漏れ出ることによる悪影響(例えば、臭気等)の発生も確実に防止することができる。かかる観点から、このような定着ローラ91を備えた定着装置90および画像形成装置10は、放出されるガスによる環境汚染等を防止することができ、環境負荷を低減し得るものとなる。
このような定着ローラ91の内部空間には、ハロゲンヒータ等のヒータ93が配設されている。
また、このような定着ローラ91の外周面に対し、例えばサーミスタのような温度検知体94が接触または近接して設けられている。このような温度検知体94によって検知された温度に基づき、図示しない制御手段により、定着ローラ91の外表面が目標温度となるように、前述したヒータ93の駆動が制御される。
加圧ローラ92は、円筒状または円柱状をなし、その軸線まわりに回転可能となっているとともに、定着ローラ91に圧接している。
以下、定着ローラ91の基部91A、弾性層91B、離型層91C、封止板91D、固定板91Eを順次詳細に説明する。
図3および図4に示す基部91Aは、円筒状(パイプ状)をなし、例えば、鉄、ステンレス鋼、炭素鋼のような鉄鋼材料、アルミニウム、銅、ニッケル、チタンのような非鉄鋼材料、またはこれらの各種合金材料等で構成されている。このような基部91Aの外周面上をその全周に亘って覆うように弾性層91Bが形成されている。
また、基部91Aは、図3に示すように、両端部に、外径が縮径した縮径部911Aを有し、両端の縮径部911Aの間に、弾性層91Bおよび離型層91Cの中心軸となる拡径部912Aを有している。
さらに、基部91Aは、両端部の縮径部911Aから拡径部912Aに向かって、それぞれ、その外径が段差部913Aにおいて階段状に変化している。
弾性層91Bを構成する弾性材料としては、特に限定されないが、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、ヒドリンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムのような各種ゴム材料(特に加硫処理したもの)や、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマーが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。これらの中でも、弾性層91Bの構成材料としては、例えば、シリコーンゴム、EPDM、フッ素ゴムなどを好適に用いることができ、シリコーンゴムが特に好ましい。
また、弾性層91Bの厚さは、加圧ローラ92の弾性層の厚さより小さいのが好ましい。より具体的には、弾性層91Bの厚さとしては、特に限定されないが、例えば、0.1〜3mmであるのが好ましく、0.5〜1.5mmであるのがより好ましい。これにより、図2に示すように、加圧ローラ92側が凹湾曲面をなすようなニップ部Nを確実に形成することができる。
このような弾性層91Bの外周面をその全周に亘って覆うように離型層91Cが形成されている。また、定着ローラ91の軸線方向において、離型層91Cの長さは、弾性層91Bの長さとほぼ同じになっていて、これらの両端面同士の位置がほぼ一致するようになっている。
離型層91Cは、記録媒体Pの定着ローラ91への付着を防止する機能を有する層である。これにより、未定着像を記録媒体Pに定着させる際に、定着ローラ91に記録媒体Pが密着するのを防止して、画像形成装置10の紙詰まり等を防止することができる。
また、離型層91Cは、弾性層91Bの構成材料(弾性材料)から発生するガスを実質的に遮断するガスバリア性を有する層である。この離型層91Cの厚さは、10〜80μmであるのが好ましく、30〜40μmであるのがより好ましい。これにより、離型層91Cに必要な強度とガスバリア性を保ちつつ、弾性層91Bの弾性を十分に発揮させることができる。
また、離型層91Cの構成材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)のようなフッ素系樹脂、シリコン系樹脂、オレフィン系樹脂等を用いることができるが、フッ素系樹脂を主材料として構成されるのが好ましい。フッ素系樹脂は、フッ素原子に起因する特有の滑り性を有するため、記録媒体の剥離性に優れ、離型層91Cとして、より優れた機能を発揮させることができる。さらに、フッ素系樹脂は、比較的高いガスバリア性を有することから、離型層91Cの構成材料として好適に用いることができる。
また、離型層91Cは、弾性層91Bの外周面に接合してなるチューブ状部材であるのが好ましい。これにより、離型層91Cの耐久性を優れたものとし、長期使用により離型層91Cが損傷して定着ローラ91の外表面から低分子量成分が漏れ出すのを防止することができる。
このような離型層91Cの両端面付近と基部91Aとの間をシールするように、前述した弾性層91Bの両端面上に、それぞれ、ガスバリア性を有する封止板91Dが設けられている。
この封止板91Dは、弾性層91Bを構成する弾性材料から発生する低分子量成分(ガス)を実質的に遮断するガスバリア性を有するものである。これにより、定着ローラ91は、弾性層91Bから発生したガスが、弾性層91Bの端面から外部に放出されるのを、防止し得るものとなる。
封止板91Dの平均厚さは、100〜1000μm程度であるのが好ましく、300〜700μm程度であるのがより好ましい。これにより、封止板91Dは、弾性層91Bから発生した低分子量成分を含むガスの放出を確実に防止しつつ、弾性層91Bの変形に十分追従し得るものとなる。
このような封止板91Dを構成する構成材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)のようなフッ素系樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブテン、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−αオレフィン共重合体のようなポリオレフィン系樹脂等の各種樹脂材料、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー等の各種熱可塑性エラストマー、その他、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリエステルあるいはこれらを任意に組み合わせたもの(ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等)が挙げられる。
この中でも、封止板91Dを構成する構成材料は、フッ素系樹脂であるのが好ましい。フッ素系樹脂は、比較的高いガスバリア性を有するため、封止板91Dの構成材料として好適に用いることができる。
また、このような定着ローラ(第1のローラ)91はヒータ93により加熱されるため加圧ローラ(第2のローラ)92に比べて高温となりやすい。フッ素系樹脂は、耐候性や耐熱性に優れることから、定着ローラ91を本発明の定着用ローラとすると、定着ローラ91は、長期にわたって安定した性能を発揮することができる。
また、封止板91Dは、このような材料よりなる単層構造のもの(単層体)であってもよいが、複数の層(特に異種材料の層)を重ねた多層積層体であってもよい。
なお、封止板91Dは、離型層91Cの端面に接触して、弾性層91Bを覆うことができるサイズであればよいが、特に、自然状態において、その平均外径が、離型層91Cの平均外径とほぼ等しいのが好ましい。これにより、弾性層91Bの両端部を確実に覆いつつ、封止板91Dの縁部が、離型層91Cの外周面から突出するのを防止することができる。その結果、突出部が記録媒体Pやその他の部材等に干渉して、封止板91Dによる封止状態が損なわれるのを防止することができる。
また、離型層91Cと封止板91Dは、異なる材料で構成されていてもよいが、同種の材料で構成されているのが好ましい。これにより、離型層91Cと封止板91Dの弾性率(ヤング率)や熱膨張率等の機械的特性が等しくなるため、これらを密着させた状態で変形させた場合、高い密着性を維持しつつ変形に追従し得る離型層91Cおよび封止板91Dが得られる。
このような封止板91Dの弾性層91Bと反対側に、封止板91Dを、弾性層91Bの両端面に対してそれぞれ密着させるよう固定する固定板91Eが設けられている。また、この固定板91Eは、図4に示すように、封止板91Dを貫通し、基部91Aの段差部913Aに固定されるよう設けられた複数のネジ(固定部材)91Fで固定されている。これにより、固定板91Eは、封止板91Dが定着ローラ91から脱落しないよう固定するとともに、封止板91Dを弾性層91Bの両端面に対して、確実に密着させる。その結果、封止板91Dは、弾性層91Bの両端面の凹凸に沿うように密着することができ、弾性層91Bから発生したガスが定着ローラ91の外部に放出されるのを確実に防止し得る気密性を発揮する。
特に、本実施形態では、複数のネジ91Fを用いて封止板91Dを固定しているので、封止板91Dの固定を容易に行うことができるとともに、封止板91Dの着脱も容易に行うことができる。したがって、例えば、封止板91Dを交換する作業や、封止板91Dの位置を調整する作業を容易に行うことができる。
また、基部91Aの段差部913Aには、複数のネジ91Fが挿入されるネジ穴914Aが設けられている。このネジ穴914Aの配置は、ランダムであってもよいが、基部91Aの周方向に沿って、間欠的に設けられているのが好ましく、ほぼ等間隔で設けられているのがより好ましい。これにより、固定板91Eを封止板91D全体に対して、より均一な荷重で圧接させることができる。その結果、封止板91Dは、弾性層91Bの両端面に均一に密着することができ、弾性層91Bを確実に封止することができる。
さらに、ネジ穴914Aは、縮径部911Aの側面に設けられていてもよい。この場合、固定板91Eの縁部側から固定板91Eに平行にネジ91Fを貫通させ、ネジ91Fをネジ穴914Aに挿入することにより、固定板91Eを基部91Aに固定することができる。
なお、本実施形態では、封止板91Dを固定板91Eと複数のネジ91Fとによる固定手段を用いて固定しているが、これら以外の固定手段で固定するようにしてもよい。
かかる他の固定手段としては、例えば、固定板91Eを省略し、封止板91Dを弾性層91Bに対して接着剤や粘着テープ等で固定する方法等が挙げられる。
また、固定板91Eを基部91Aに固定する複数のネジ91Fのような固定部材も、例えば、リベットのようなピン、接着剤、粘着テープ等で代替してもよく、固定板91Eと基部91Aとを溶接により固定するようにしてもよい。
また、ネジ91Fやピンのような固定部材は、その表面が、封止板91Dおよび固定板91Eとの間隙を埋めるようなシール材で覆われていてもよい。これにより、固定部材は、封止板91Dおよび固定板91Eを固定しつつ、これらの各板と固定部材との気密性(シール性)を高めることができる。
シール材の構成材料としては、例えば、前述の封止板91Dの構成材料を用いることができる。
また、ネジ穴914Aは、ネジ91Fの頭部が埋没するように、拡径した部分を有していてもよい。これにより、ネジ91Fの頭部をネジ穴914Aに埋没させることができ、固定板91Eにネジ91Fの頭部が突出するのを防止することができる
さらに、固定板91Eの平均外径は、離型層91Cの平均外径とほぼ等しいか、または離型層91Cの平均外径より小さいのが好ましい。これにより、固定板91Eの縁部が、離型層91Cの外周面から突出するのを防止することができる。その結果、突出部が記録媒体Pに干渉して、画像形成装置10に紙詰まりが発生するのを防止することができる。
また、例えば、図3および図4に示す加圧ローラ92に本発明の定着用ローラを適用した場合、突出部が定着ローラ91の離型層91Cに食い込んでしまうことで生じる離型層91Cの損傷を、より確実に防止することができる。
固定板91Eを構成する構成材料としては、封止板91Dを確実に押圧し得る機械的強度を有する材料であればよく、例えば、金属材料、ガラス材料、セラミックス材料、樹脂材料、弾性材料等が挙げられるが、特に金属材料が好ましい。金属材料は、耐熱性および耐候性が非常に高く、剛性および靭性も非常に高いものである。したがって、ネジ91Fにより大きな荷重が加えられた場合でも、変形、破損等を生じることなく、封止板91Dを均一かつ確実に押圧することができる。
なお、定着ローラ91は、固定板91Eの封止板91Dに対する密着性を向上させる密着性向上手段を有しているのが好ましい。これにより、封止板91Dを弾性層91Bの両端面に対して、より確実に密着させることができる。その結果、封止板91Dは、弾性層91Bから発生したガスが定着ローラ91の外部に放出されるのを確実に防止し得る気密性を発揮する。
この密着性向上手段としては、例えば、固定板91Eと封止板91Dとの間に設けられた接着剤、粘着テープ、グリース等、固定板91Eの封止板91Dに当接する面に形成された微小な凹凸、溝等が挙げられる。
これらの密着性向上手段のうちでも、特に、固定板91Eの封止板91Dに当接する面に設けられた微小な凹凸が好ましい。この凹凸は、例えば、定着ローラ91が加圧ローラ92に圧接した際に、定着ローラ91に加わる負荷に伴って、封止板91Dと固定板91Eとの間に生じる滑りを、防止することができる。すなわち、この滑りに伴う封止板91Dの気密性の低下を防止することができる。
以上のような定着ローラ91は、例えば、次のようにして製造することができる。
図5ないし図7は、図4に示す定着ローラの製造方法を説明するための図である。なお、以下の説明では、図5ないし図7の上側を「上」、下側を「下」と言う。
以下、製造工程を順次説明する。なお、以下の説明では、弾性層91Bが液状型シリコーンゴムで構成されている場合を代表に説明する。
[1]まず、図5(a)に示すように、チューブ状の離型層91Cの内側に基部91Aを挿通し、離型層91Cの下端部を底板97で封止する。この底板97の構成材料としては、例えば、鉄、ステンレス鋼、炭素鋼のような鉄鋼材料、アルミニウム、銅、ニッケル、チタンのような非鉄鋼材料、またはこれらの各種合金材料等が挙げられる。
このとき、離型層91Cを、その下端面が、基部91Aの段差部913Aの下面と同一面上に位置するよう配置するのが好ましい。
[2]次に、弾性層の未硬化物91B’に硬化剤を添加した後、これを、図5(b)に示すように、基部91Aと離型層91Cとの間の空間91b内に供給し、充填する。このとき、充填した弾性層の未硬化物91B’の上面が離型層91Cの上端面および段差部913Aの上面と同一面上に位置するのが好ましい。
[3]次に、未硬化物91B’を加熱して硬化させる。これにより、弾性層91Bを得る。
加熱の方法としては、特に限定されないが、例えば、炉等による加熱、電磁波の照射等が挙げられる。
また、加熱温度は、弾性層91Bの構成材料(本実施形態では液状型シリコーンゴム)の硬化温度以上、分解温度未満であればよく、具体的には、150〜250℃程度であるのが好ましく、170〜230℃程度であるのがより好ましい。
また、加熱時間は、加熱温度に応じて若干異なるが、1〜10時間程度であるのが好ましく、3〜5時間程度であるのがより好ましい。
[4]次に、図6(c)に示すように、段差部913Aの上面、弾性層91Bの上端面および離型層91Cの上端面を、それぞれ覆うように、封止板91Dを配設する。
[5]次に、図6(d)に示すように、封止板91Dの上面に固定板91Eを配設する。そして、封止板91Dおよび固定板91Eを、それぞれ貫通するようにネジ91Fを、基部91Aに設けられたネジ穴914Aに挿入し、ネジ91Fを固定する。これにより、封止板91Dを弾性層91Bに対して密着させるよう固定することができる。
[6]次に、製造途中の定着ローラの上下を反転する。そして、底板97を取り除く。
[7]以下、前記工程[4]および[5]と同様にして、基部91Aに対して、封止板91D、固定板91Eおよびネジ91Fを固定する。
以上のようにして、図7(e)に示すような定着ローラ91が得られる。
<第2実施形態>
次に、本発明の定着用ローラ、定着装置およびこれを備える画像形成装置の第2実施形態について説明する。
図8は、本発明の定着用ローラの第2実施形態を示す図である。
以下、第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態の定着ローラ91は、固定板91Eを固定する固定部材の構成が異なる以外は、前記第1実施形態と同様である。
すなわち、本実施形態では、図8に示すように、離型層91Cの端部に嵌合する嵌合部材91Gが、固定板91Eの縁部に沿って設けられている。このような嵌合部材91Gにより、固定板91Eを封止板91Dに対して圧接することができる。その結果、封止板91Dは、弾性層91Bの両端面に密着することができ、弾性層91Bを確実に封止することができる。そして、かかる構成の定着ローラ91は、弾性層91Bから発生したガスが、弾性層91Bの端面から外部に放出されるのを、より確実に防止し得るものとなる。
嵌合部材91Gは、いかなる材料で構成されていてもよく、例えば、前述の固定板91Eの構成材料により構成することができる。
また、嵌合部材91Gと固定板91Eとは、一体的に形成されているのが好ましい。これにより、嵌合部材91Gと固定板91Eとの接続部におけるガスバリア性をより高めることができ、定着ローラ91全体のガスバリア性を高めることができる。
この場合、少なくとも嵌合部材91Gは、弾性材料で構成されているのが好ましい。弾性材料で構成された嵌合部材91Gには、外径が小さくなる方向、すなわち離型層91C側に縮むような収縮力が働いている。したがって、嵌合部材91Gは、離型層91Cの外周面に沿って密着するため、固定板91Eを確実に固定することができる。これにより、封止板91Dを弾性層91Bの両端面に対して、より確実に固定し、弾性層91Bをより確実に封止することができる。
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、本発明の定着用ローラ、定着装置および画像形成装置を構成する各部は、同様の機能を発揮する任意のものと置換、または、その他の構成を追加することもできる。
また、本発明の定着用ローラを定着装置に設ける場合、前述した実施形態では互いに圧接回転する定着ローラ(第1のローラ)および加圧ローラ(第2のローラ)のうち、定着ローラに本発明を適用したものについて説明したが、加圧ローラに適用してもよい。
さらに、定着ローラおよび加圧ローラの双方に適用してもよい。これにより、本発明の効果をより顕著に発揮することができる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.定着用ローラおよび画像形成装置の製造
(実施例)
<1>長さ300mmのステンレス鋼パイプ(基部)と、平均厚さ35μmのPFAチューブ(離型層)と、底板とを用意した。次いで、PFAチューブの内側にステンレス鋼パイプを挿通し、PFAチューブの一端を底板で封止した。
なお、ステンレス鋼パイプは、両端部に、外径が縮径した縮径部を有しており、両端部の縮径部の間には、縮径部より外径の大きな拡径部を有しているものである。また、縮径部と拡径部の間には、段差部が設けられており、段差部には、ネジ穴が周方向に沿ってほぼ等間隔で設けられている。
<2>封止した側を下にしてステンレス鋼パイプおよびPFAチューブを支持し、これらの間隙に、液状型シリコーンゴムの未硬化物と硬化剤の混合物を供給し、充填した。このとき、混合物の上面が段差部の上面およびPFAチューブの上端面と同一面上に位置するよう充填した。
<3>次に、シリコーンゴムを200℃×4時間で加熱して硬化させた。これにより、弾性層を得た。
<4>次に、段差部の上面およびPFAチューブの上端面をそれぞれ覆うように、円環状の封止板(PFA製)を配設した。
なお、封止板には、その外径が、PFAチューブの外径とほぼ等しいものを用いた。
<5>次に、封止板の上面に、円環状の固定板(ステンレス鋼製、平均厚さ500μm)を重ねた。そして、固定板および封止板を貫通するようにネジを挿入し、段差部に設けたネジ穴に固定した。
なお、固定板には、その外径が、封止板とほぼ等しいものを用いた。
<6>次に、製造中の定着ローラの上下を反転させ、底板を取り除くとともに、前記工程<4>および<5>と同様にして、封止板および固定板を段差部に対してネジで固定した。
<7>次に、前記工程<1>〜<6>と同様にして、加圧ローラを製造した。
<8>次に、得られた定着ローラと加圧ローラとを用いて定着装置を製作し、さらにこの定着装置を用いて画像形成装置を製造した。
(比較例)
定着ローラおよび加圧ローラの封止板および固定板を省略した以外は、前記実施例1と同様にして画像形成装置を製造した。
2.評価
実施例および比較例で製造した画像形成装置から排出される排気を採取し、ガスクロマトグラフ質量分析計により、低分子量シロキサンの濃度を比較した。
なお、実施例の場合の濃度は、比較例の場合の濃度を1としたときの相対値である。
比較の結果、実施例で製造した画像形成装置では、低分子量シロキサンの濃度が比較例から7割以上減少していることが認められた。
本発明にかかる画像形成装置の一実施形態を示す全体構成の模式的断面図である。 図1に示す画像形成装置に備えられた定着装置の好適な実施形態を示す模式的断面図である。 図2におけるA−A線断面図である。 図3に示す定着装置に備えられた定着ローラおよび加圧ローラの端部の構成を説明するための部分拡大図である。 図4に示す定着ローラの製造方法を説明するための図である。 図4に示す定着ローラの製造方法を説明するための図である。 図4に示す定着ローラの製造方法を説明するための図である。 本発明の定着用ローラの第2実施形態を示す図である。
符号の説明
10‥‥‥画像形成装置 20‥‥‥感光体 30‥‥‥帯電ユニット 40‥‥‥露光ユニット 50‥‥‥現像ユニット 50a‥‥‥軸 51‥‥‥ブラック現像装置 52‥‥‥マゼンタ現像装置 53‥‥‥シアン現像装置 54‥‥‥イエロー現像装置 55‥‥‥保持体 55a〜55d‥‥‥保持部 60‥‥‥一次転写ローラ 61‥‥‥中間転写体 70‥‥‥中間転写ベルト 71‥‥‥駆動ローラ 72‥‥‥従動ローラ 73‥‥‥基体 75‥‥‥クリーニングユニット 76‥‥‥クリーニングブレード 80‥‥‥二次転写ローラ 82‥‥‥給紙トレイ 84‥‥‥給紙ローラ 86‥‥‥レジローラ 87‥‥‥排紙ローラ対 88‥‥‥搬送部 88A、88B‥‥‥搬送ローラ対 88C‥‥‥搬送路 90‥‥‥定着装置 91‥‥‥定着ローラ 91A‥‥‥基部 911A‥‥‥縮径部 912A‥‥‥拡径部 913A‥‥‥段差部 914A‥‥‥ネジ穴 91b‥‥‥空間 91B‥‥‥弾性層 91B’‥‥‥未硬化物 91C‥‥‥離型層 91D‥‥‥封止板 91E‥‥‥固定板 91F‥‥‥ネジ 91G‥‥‥嵌合部材 92‥‥‥加圧ローラ 93‥‥‥ヒータ 94‥‥‥温度検知体 95‥‥‥分離部材 96‥‥‥カバー 97‥‥‥底板 N‥‥‥ニップ P‥‥‥記録媒体

Claims (17)

  1. 記録媒体に担持された未定着像を該記録媒体に定着させる定着処理に用いる定着用ローラであって、
    円筒状または円柱状をなす基部と、
    前記基部の外周面側に設けられ、弾性材料で構成された弾性層と、
    該弾性層の外周面側に設けられ、前記弾性材料から発生するガスを実質的に遮断するガスバリア性を有する表層と、
    前記弾性層の両端面を覆うように設けられ、前記弾性材料から発生するガスを実質的に遮断するガスバリア性を有する封止板と、
    該封止板を前記弾性層に対して密着するよう固定する固定手段とを備えることを特徴とする定着用ローラ。
  2. 前記固定手段は、前記封止板の前記基部と反対側の面に圧接される固定板と、該固定板を前記基部に対して固定する固定部材とを有する請求項1に記載の定着用ローラ。
  3. 前記固定部材は、前記封止板を貫通し、前記基部に固定される複数のネジまたはピンで構成されている請求項2に記載の定着用ローラ。
  4. 前記複数のネジまたはピンは、前記基部の周方向に沿って間欠的に設けられている請求項3に記載の定着用ローラ。
  5. 前記固定部材は、前記固定板の縁部に沿って設けられ、前記表層の端部に嵌合する嵌合部材で構成されている請求項2に記載の定着用ローラ。
  6. 前記嵌合部材と前記固定板とは、一体的に形成されている請求項5に記載の定着用ローラ。
  7. 少なくとも前記嵌合部材は、弾性材料で構成されている請求項5または6に記載の定着用ローラ。
  8. 前記封止板と、前記固定板の前記封止板に対する密着性を向上させる密着性向上手段を有する請求項2ないし7のいずれかに記載の定着用ローラ。
  9. 前記密着性向上手段は、少なくとも前記固定板の前記封止板に当接する面に形成された微小な凹凸で構成されている請求項8に記載の定着用ローラ。
  10. 自然状態において、前記封止板の平均外径と前記表層の平均外径とがほぼ等しい請求項1ないし9のいずれかに記載の定着用ローラ。
  11. 前記封止板の平均厚さは、100〜1000μmである請求項1ないし10のいずれかに記載の定着用ローラ。
  12. 前記封止板は、フッ素系樹脂を主材料として構成されている請求項1ないし11のいずれかに記載の定着用ローラ。
  13. 前記表層は、フッ素系樹脂を主材料として構成されている請求項1ないし12のいずれかに記載の定着用ローラ。
  14. 前記封止板と前記表層は、いずれも同種の材料で構成されている請求項1ないし13のいずれかに記載の定着用ローラ。
  15. 前記固定板の平均外径は、前記表層の平均外径とほぼ等しいか、または前記表層の平均外径より小さい請求項2ないし14のいずれかに記載の定着用ローラ。
  16. 互いに圧接回転する第1のローラおよび第2のローラと、前記第1のローラを加熱するヒータとを有し、未定着像を担持する記録媒体を前記第1のローラと第2のローラとの間に通過させながら加圧・加熱することにより、前記未定着像を前記記録媒体に定着させる定着装置であって、
    前記第1のローラおよび前記第2のローラのうちの少なくとも一方を、請求項1ないし15のいずれかに記載の定着用ローラで構成したことを特徴とする定着装置。
  17. 請求項16に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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