JP2002040858A - オイル塗布ロール及び定着装置 - Google Patents

オイル塗布ロール及び定着装置

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JP2002040858A
JP2002040858A JP2000223042A JP2000223042A JP2002040858A JP 2002040858 A JP2002040858 A JP 2002040858A JP 2000223042 A JP2000223042 A JP 2000223042A JP 2000223042 A JP2000223042 A JP 2000223042A JP 2002040858 A JP2002040858 A JP 2002040858A
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roll
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Akihiro Motoda
明宏 元田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定着装置に離型オイルを供給するためのロー
ルにおいて、オイル保持層とオイル透過制御層を有し、
ロール内容積に見合ったオイル量を含有させることがで
き、且つ容易にロールを密閉することができ、ロールを
縦置きした場合にも離型オイルの漏出がなく、さらに、
オイル透過制御層の破壊や膨らみの発生のないオイル塗
布ロールを提供する。 【解決手段】 定着装置に離型オイルを供給するための
ロールであって、軸芯の周囲に形成された空隙組織に離
型オイルを含有させた多孔質組織材からなるオイル保持
層と、該多孔質組織材の外表面上に形成させたオイル透
過制御層とを有し、該ロールの開放されているロール端
面に、シール部材が脱着自在に配設されていることを特
徴とするオイル塗布ロール。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
ー、ファックス等に用いられる定着ロールに離型オイル
を塗布するためのオイル塗布ロールと、定着装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】複写機やプリンター等において、記録材
に転写されたトナー像を加熱定着ロールと加圧ロールと
の間を通すことにより、定着する方法が広く行われてい
る。このような定着装置においては、定着時に定着ロー
ルがトナーと直接接触するためトナーの一部が定着ロー
ルに付着し、再度記録材と接触するときに記録材に付着
して汚損したり(オフセット現象)、場合によっては記
録材がロールに付着して巻き上がってしまうこともあ
る。このような現象を防止するため、一般に定着装置の
ロール表面材として離型性のよいポリテトラフルオロエ
チレン、又はシリコーンゴム等の材料を使用している
が、これだけでは上記現象を有効に防止できないので、
定着装置の少なくとも一方のロールにシリコーンオイル
等の離型オイルを塗布部材を用いて塗布している。
【0003】近年ではトナー自体に離型成分を含有した
もの(オイルレストナー)を用い、上記現象を防止する
ことも行われているが、この場合においても、特に高速
機においては上述同様の現象が認められ、やはり離型液
を塗布する必要がある。なお、この場合、オイルレスト
ナーは離型性がよいので、離型オイルの塗布量はより微
量ですむ。このようなトナーの改良により上述現象がな
くなったとしても、定着ロール等の摩耗を防止し、良好
な画質を維持するためには、やはり微量のオイルを塗布
する必要がある。
【0004】従来より、定着部にオイルを塗布するため
の部材として、各種ロール形状のものが提案されてお
り、その一つとして外周部に小さな穴を多数開けたパイ
プの中空部に離型オイルを内在させ、またその外周にノ
メックス等の耐熱性フェルトを巻き付けたもの(特公平
1−60144号公報)、あるいはオイルの浸出量を制
御し、またロールの軸方向への拡散を行い、全体的に均
一に塗布するための紙等の多孔材を巻いた上に耐熱性フ
ェルトを巻きつけたもの(実開昭61−104469号
公報)、更に弾性を付与するためにシリコーンゴムスポ
ンジ等を中間層として設けたもの(特開平5−1236
23号公報)、また耐熱性フェルトの代りに他の耐熱性
多孔質材を使用したもの(特開昭60−144778号
公報)等が提案されている。しかしながら、これらのも
のにおいては、表面のフェルト又は多孔質材に浸出した
オイルが、直接定着ロールに塗布移行されるため、オイ
ル塗布量の制御は困難であった。そこでオイル塗布量の
制御を可能とするものとして耐熱性フェルト又は多孔質
材の表面に、即ち上記ロールの表面に耐熱性の微多孔質
膜の層を設け、これによりオイル透過量の制御を行わせ
ること(特開昭61−183679号公報)が提案され
ている。
【0005】また、更に微量なオイル量を精度良く均一
に塗布することを可能とし、熱や汚れ、機械的な変形に
強く、長期間にわたって安定して一定量のオイルを透過
せしめるものとして、微多孔質膜の代りに、微多孔質膜
の空隙部にシリコーンゴムとオイルの混合物を充填した
複合膜をオイル透過制御層として使用すること(特開昭
62−178992号公報)が提案されている。これら
のオイル透過制御層を有するロールは、前述のような、
本来このオイル塗布部体に要求される特性については満
足すべきものであったが、この制御層に起因する新たな
問題も発生した。即ち、微多孔質膜又は複合膜に離型オ
イルが接すると、オイルにより微多孔質膜の孔が塞がれ
てしまい、ガスの透過が困難となって、例えば無理にガ
スを透過させようとすると数十kgf/cm2の圧力が
必要な程となる。このことはオイル透過量を小さくする
ために微多孔質膜の孔径を小さくするほどより高い圧力
を必要とし、更に前記複合膜の場合には、膜を破壊せず
にガスを透過させることは困難である。
【0006】ところが、穴開き中空パイプ中に内在され
るオイルそのものや、そのオイルに吸湿された水分や、
多孔質材に吸湿された水分のために、定着部の昇温や冷
却に伴い、オイルや水分の蒸気圧が発生し、またオイル
自体の熱膨張によっても圧力が発生し、この圧力のため
に前記オイル透過制御層に過大な圧力が加わるため、オ
イルの吹き出しによる初期オイル量の増大や、場合によ
ってはオイル透過制御層が破壊されたり、風船状に膨れ
たりしてしまうというトラブルが発生する。このトラブ
ルを回避するためには、ロール内部の圧力を逃がすため
の通気孔をロール端部、特にはロール端部の軸線上に開
設すればよいが、この通気孔からオイルが漏れないよう
にするために、このロール内容積の半分、実際には30
%程度のオイル量しか内在させることができなくなり、
その分寿命の短いものとなってしまう。更にこのロール
を、通気孔を下にして縦にした場合、即座にオイルがこ
ぼれ出すという問題もある。
【0007】これらの問題を解決するために、ロール内
部空間を膜により離型剤部と空気部とに分離し、空気部
内の空気をロール外部に排出するための排気部を設けた
もの(特開平10−10906号公報)が提案されてい
るが、複雑な構造のため量産が困難であり、安価に提供
できるものではないという問題がある。また、ロール軸
芯が、端面が開放された中空パイプからなり、前記中空
パイプ上に通気孔を有するもの(特開平11−9559
7号公報)が提案されているが、ロール内在の離型オイ
ル量が多い場合、中空パイプ上の通気孔にオイルが入り
込み、軸芯端面からオイルが漏出するため、オイル内在
量を減少させてオイル漏れを防ぐ必要があり、その分寿
命の短いものとなってしまうという問題がある。同公報
にロール端部の通気孔を低融点樹脂で密閉したものが提
案されているが、加熱定着ロール接触後のロール内圧上
昇は2分程度で発生するため、それ以前に低融点樹脂が
溶融し通気孔を確保しなければならない。またそのよう
な低融点樹脂では輸送中の温度上昇により、例えば真夏
炎天下のトラック荷室内で溶融してしまうという問題が
ある。同公報に端部に穴開け突起を有する密閉部材を梱
包材に連結させ、開梱時に穴開け突起が折り欠かれて穴
があくもの、さらにロール端部にオイル密閉部材を有
し、該密閉部材の通気孔を密閉する部材が開梱時にとり
のぞかれて通気孔を確保するものが提案されているが、
いずれのものもオイル密閉部材とオイル塗布ロールとの
シールが困難であり、該密閉部材とロールとの間から、
オイル漏れが発生するという問題がある。
【0008】また、オイル塗布ロールの両側面に空気抜
き孔を設けたオイル遮蔽部材を具備し、該空気抜き孔に
ピンを差し込んで栓をするようにしたもの(特開平11
−219059号公報)が提案されているが、これにお
いてもオイル遮蔽部材とオイル塗布ロールとのシールが
困難であり、該遮蔽部材とロールとの間から、オイル漏
れが発生するという問題があり、そのオイル漏れ防止の
ために多大な工数をかけシール作業をしなければならな
い。また、空気抜き孔にピンを差し込んで栓をするため
には、ピンの外径が空気抜き孔の内径よりも大きくなく
てはならず、ピンを挿入することが困難となり、多大な
工数が必要となるという問題がある。さらに、ロール外
径が細く、即ち遮蔽部材の外径が小さく、それに伴い空
気抜き孔が小さい場合、空気抜きの効果は小さくなって
しまうという問題もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、定着装置に
離型オイルを供給するためのロールにおいて、オイル保
持層とオイル透過制御層を有し、ロール内容積に見合っ
たオイル量を含有させることができ、且つ容易にロール
を密閉することができ、ロールを縦置きした場合にも離
型オイルの漏出がなく、さらに、オイル透過制御層の破
壊や膨らみの発生のないオイル塗布ロールを提供するこ
とをその課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、定着装置に離型オイ
ルを供給するためのロールであって、軸芯の周囲に形成
された空隙組織に離型オイルを含有させた多孔質組織材
からなるオイル保持層と、該多孔質組織材の外表面上に
形成させたオイル透過制御層とを有し、該ロールの開放
されているロール端面に、シール部材が脱着自在に配設
されていることを特徴とするオイル塗布ロールが提供さ
れる。また、本発明によれば、定着装置に離型オイルを
供給するためのロールであって、軸芯の周囲に形成され
空隙組織に離型オイルを含有させた多孔質組織材からな
るオイル保持層と、該多孔質組織材の外表面上に形成さ
れたオイル透過制御層とを有し、該ロールの開放されて
いるロール端面に、ロール端面支持板に固定されたシー
ル部材が密着されており、且つ前記ロール端面支持板が
前記軸芯の長さ方向に可動することを特徴とするオイル
塗布ロールが提供される。さらにまた、本発明によれ
ば、前記オイル塗布ロールが、定着ロールに回動可能に
接触していることを特徴とする定着装置が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明による第1のオイル塗布ロ
ールは、軸芯の周囲に形成された空隙組織に離型オイル
を含有させた多孔質組織材からなるオイル保持層と、該
多孔質組織材の表面上に形成されたオイル透過制御層と
を有し、該ロールの開放されているロール端面に、シー
ル部材を密着させたオイル塗布ロールであって、前記シ
ール部材が前記ロール端面に脱着自在に配設されている
ことを特徴とする構成である。
【0012】本発明のオイル塗布ロール(以下、単にロ
ールとも言う)において、その軸芯に用いられる材料と
しては、アルミ、鉄、SUS等、また場合によってはセ
ラミック、プラスチック、各種焼結金属等が自由に使用
し得るが、強度と加工性の高さから鉄にニッケルめっき
を施したものが好ましい。本発明のオイル塗布ロールの
オイル保持層に用いられる多孔質組織材としては、保持
されるオイルに侵されず、また使用温度に耐えられる材
料であれば任意のものが使用できる。このようなものと
して、例えばノメックスフェルト、ノメックス組み紐、
ノメックス繊維束、硝子繊維束、カーボン繊維束、カー
ボン繊維フェルト、各種セラミック焼結多孔体、シリコ
ーンゴム多孔質スポンジ、アラミド繊維束、ポリイミド
フォーム、メラミンフォーム、ウレタンフォームにシリ
コーンゴムを複合させた複合材フォーム、その他の各種
プラスチックスポンジ又はフォーム、多孔質体、焼結
体、繊維束等がある。更に必要によっては、フッ素ゴ
ム、シリコーンゴム等の弾性体との組み合わせがあげら
れるが、これらの中でもメラミンフォームがその空孔率
の高さ、適当な孔径によるオイル保持性能及び弾性を有
する点で特に好ましい。前記多孔質組織材は、肉厚のも
のであるが、その厚さは、2〜40mm、好ましくは5
〜30mm程度である。また、フォームを使用する場
合、その密度は、5〜90kg/m3、好ましくは25
〜65kg/m3である。密度の測定はJIS K640
1による。
【0013】本発明のオイル塗布ロールは、多孔質組織
材表面上にオイル透過制御層を設けたものであるが、多
孔質組織材とオイル透過制御層との間にオイル拡散層を
挟んでもよい。この場合、オイル拡散層はオイルを塗布
される相手ロール等との接触を良くするため適度な柔軟
性又は弾性を有するものが好ましく、またオイル拡散性
の良いものが好ましい。このようなものとしては、ノメ
ックスフェルト、ノメックス組み紐、ノメックス繊維
束、硝子繊維束、カーボン繊維束、カーボン繊維フェル
ト、各種セラミック焼結多孔体、シリコーンゴム多孔質
スポンジ、アラミド繊維束、ポリイミドフォーム、メラ
ミンフォーム、ウレタンフォームにシリコーンゴムを複
合させた複合材フオーム、その他の各種プラスチックス
ポンジ又はフォーム、多孔質体、焼結体、繊維束等があ
る。更に必要によっては、フッ素ゴム、シリコーンゴム
等の弾性体との組み合わせがあげられるが、これらの中
でもノメックスフェルトがその耐熱性、適当な密度によ
る柔軟性及びオイル拡散性を有する点で特に好ましい。
オイル透過制御層としては、各種プラスチックの微多孔
質膜が使用し得るが、多孔質ポリテトラフルオロエチレ
ン単体、多孔質ポリテトラフルオロエチレンとシリコー
ンゴムの複合体、多孔質ポリテトラフルオロエチレンと
シリコーンゴム及び離型オイルの混合物との複合体の使
用が特に好ましい。
【0014】多孔質ポリテトラフルオロエチレンとして
は、種々のタイプのものが使用可能であるが、延伸法に
よって製造されたものが多孔組織の均一性、空隙組織の
均一性、強度等の観点から最適である。オイル透過制御
層に用いる多孔質ポリテトラフルオロエチレンの膜厚
は、0.001mm〜1mm、好ましくは0.005m
m〜0.1mmであり、空孔率は20〜98%、好まし
くは50〜90%であり、平均孔径は0.05〜15μ
m、好ましくは0.1〜2μmである。
【0015】本発明のロールにおけるオイル透過制御層
としては、多孔質ポリテトラフルオロエチレン単体の膜
の他、多孔質ポリテトラフルオロエチレンとシリコーン
ゴムとの複合体、或いは多孔質ポリテトラフルオロエチ
レンとシリコーンゴム及び離型オイルの混合物との複合
体からなる膜を用いることができる。この場合の複合方
法としては、シリコーンゴム、或いはシリコーンゴム及
び離型オイルの混合物を多孔質ポリテトラフルオロエチ
レン膜に含浸させた後、架橋させる方法が好ましい。こ
こで用いるシリコーンゴムとしてはRTV(室温硬化
型)シリコーンゴム、LTV(低温硬化型)シリコーン
ゴム、HTV(加熱硬化型)シリコーンゴム、紫外線硬
化型シリコーンゴム等が最適である。また、離型オイル
としては、シリコーンオイル、特にジメチルシリコーン
オイルがよく用いられる。シリコーンゴムと離型オイル
との混合物を含浸架橋させる場合、シリコーンゴムと離
型オイルとの混合比は目標オイル透過量に応じて規定さ
れるが、2:98(シリコーンゴム:離型オイル)より
離型オイルの含有量を少なくするのが好ましい。離型オ
イルの含有量がこれより多いと、シリコーンゴム中に含
有しきれなくなって未ゲル化状態となり、オイルの透過
制御が困難となる。また、シリコーンゴム及び離型オイ
ルの混合物の含浸量は空孔が充填される割合が100%
以内で適宜決定することができる。
【0016】オイル透過制御層を多孔質組織材の表面に
設ける方法としては、例えばFEP等のフッ素樹脂を両
者の問に介在させて熱圧着させる方法、熱硬化型接着剤
により両者を接着させる方法等を用いることができる。
熱硬化型接着剤を用いる場合は、オイル透過制御層表面
に接着剤をドット状に塗布することが好ましい。接着剤
の塗布面積割合は1〜99%、好ましくは5〜50%で
ある。オイル透過制御層の幅は多孔質組織材の幅よりも
広くするのが好ましく、オイル透過制御層を多孔質組織
材の表面に設けた際に、オイル透過制御層が多孔質組織
材の端面からはみ出した部分は、多孔質組織材の端面上
に折り込む。オイル透過制御層を多孔質ポリテトラフル
オロエチレンとシリコーンゴムとの複合体、或いは多孔
質ポリテトラフルオロエチレンとシリコーンゴム及び離
型オイルの混合物との複合体で形成する場合には、上記
方法により多孔質ポリテトラフルオロエチレンを多孔質
組織材に圧着もしくは接着した後、シリコーンゴム又は
シリコーンゴムと離型オイルの混合物の未架橋物を表面
より塗布あるいは浸漬せしめ、多孔空隙部に含浸させた
後、表面に残っている余剰物を拭き取るか、掻き取った
後、架橋させることによりオイル透過制御層を設けるの
が好ましい。このようにすると、オイル透過制御層は多
孔質組織材と一体接合した状態になるため、オイル透過
制御層の剥離が効果的に防止され、耐用性をより一層向
上させることが可能となる。
【0017】本発明に用いるシール部材は、弾性及び非
通液性を有し、保持されるオイルに侵されないものであ
れば、どのような材料でもよく、特に制約されない。こ
のようなものとしては、例えば、天然ゴム、ブタジエン
ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エチレンプ
ロピレンゴム、ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、
アクリロニトリルブタジエンゴム、シリコーンゴム、フ
ッ素ゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム等のゴム材料、
又はこれらゴム材料の発泡体又はポリエチレン、ポリプ
ロピレン等の樹脂の発泡体、又はホットメルト形シーリ
ング材、又はポリエチレンゲル、ウレタンゲル等のゲル
材料、更に、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリ
イソブチレン系、ポリエステル系等のエラストマー材料
が使用できるが、弾性、加工性、柔軟性とシール性の高
さからゴム発泡体が好ましい。
【0018】本発明のロール端面にシール部材を密着さ
せる方法としては、リング状の硬質板でシール材をロー
ル端面上のオイル透過制御層に機械的に押し付ければ良
い。シール部材をロール端面上のオイル透過制御層に押
し付け、シール材の弾性によりロール端面を密閉した
後、リング状硬質板を固定する。リング状硬質板を固定
する方法としては、軸芯に熱硬化型接着剤を用いて接着
する方法、又はE型止め輪、グリップ型止め輪等をもち
いて軸芯に固定する方法等が適宜用いられる。このリン
グ状硬質板は、保持されるオイルに侵されず、使用温度
に耐えるものであればどのような材料でもよく、特に制
約されない。このようなものとしては、例えば、ポリア
セタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファ
イド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルサル
フォン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリ
イミド等の耐熱性樹脂、アルミニウム、鉄、SUS等の
各種金属等、いずれの材質でも使用可能であるが、成形
加工性と耐熱性の高さからポリフェニレンサルファイド
が好ましい。ロール端面上に折り込まれたオイル透過制
御層の幅は、1mm以上、好ましくは2mm以上であ
る。1mmよりも狭いとシール材とのシールが不十分と
なる。また、ロール端面上に折り込まれたオイル透過制
御層の先端部と軸心との距離(隙間の間隔)は、0.5
mm以上、好ましくは1mm以上である。0.5mmよ
りも狭いとガスの透過が不十分となる。
【0019】本発明のシール部材を取り除く方法(脱着
方法)としては、二つの部品がはめ合わさって一つのシ
ール部材を形成するものは、そのはめあいをはずして取
り除くことができる。またロッド状のシール材をらせん
状に巻いたものは、その片端を引張って取り去ることが
できる。更に、リング状に成形されたシール部材におい
ては厚さ方向に浅い切り込みを設けておき、前記切り込
み部を裂いて取り除くことができる。
【0020】本発明に使用する離型オイルは、ジメチル
シリコーンオイル、フッ素オイル、フルオロシリコーン
オイル、フェニルシリコーンオイル、各種変性シリコー
ンオイル等が挙げられ、またその粘度についても特に制
限はない。
【0021】本発明による第1のオイル塗布ロールは、
上記の構成によりロール開放端を密閉することが可能と
なり、オイル漏れを防止している。さらに、ロール使用
前すなわちロールの加熱昇温前にシール材を取り去るこ
とにより、密閉されたロール端面が開放され、通気が可
能となるため、オイルや水分の蒸気圧を逃がすことがで
きる。
【0022】次に、本発明による第1のオイル塗布ロー
ルを図面を参照しながら説明する。図1に本発明のロー
ルの1つの実施例についての説明断面図を示し、図2に
その変更例を示す。図1〜図2において、1はオイル保
持層、2はオイル透過制御層、3はロールの軸芯、4は
開放されているロール端面、4(2)は密封されたロー
ル端面、5はシール部材、6は押え板を示す。
【0023】図1に示したロールは、そのロール端面の
大部分がオイル透過制御層2として用いた多孔質フィル
ムによって密封されて密封端面4(2)に形成され、軸
芯付近のロール端面が環状の開放端面4に形成されてい
る例を示す。
【0024】図2に示したロールは、その端面の一部が
半円弧状の開放端面4に形成され、それ以外の端面が密
封端面4(2)に形成されている例を示す。
【0025】図1、2には、ロールの一方の端部構造に
ついて示したが、ロールの他方の端部におけるロール端
面は、通常、図1、2に示したのと同様の端部構造に形
成されているが、場合によっては、密封端面に形成する
ことができる。
【0026】図1、2において、5はシール部材及び6
はそのシール部材5を押圧するための押え板を示すが、
この場合、シール部材5は、軸芯に対して脱着自在、即
ち、軸芯から取り除き可能に配設されている。押え板6
は、リング状の硬質板からなり、軸芯3に対して接着剤
やE型止め輪、グリップ型止め輪等の固着手段により固
定されている。前記シール部材5は、軸芯3に対して装
着後に容易に脱着(取り除き)し得る構造であればよ
い。図3〜図6にそのシール部材の具体的構造例を示
す。
【0027】図3に示したものは、円形状の板体11の
中心に軸芯に対応する透孔12を形成するとともに、そ
の透孔12の内壁面と板体11の外周端面との間に切れ
目13を形成した構造を有する。このような構造のシー
ル部材5は、その板体の一部を強く引張ると、その切れ
目13から板体が裂けて切断され、軸芯から脱着する。
なお、この場合の板体11の材質は、弾力性に富むゴム
板や軟質プラスチック板等である。
【0028】図4に示したものは、図3に示したもの
に、円形状の板体11の軸芯に対応する透孔12を形成
するとともに、その板体11に取手14を付設し、かつ
その取手14に切れ目13を形成した構造のものであ
る。このシール部材は、取手14の両端を左右に引張る
ことにより、切れ目13から板体が裂けて切断され、軸
芯から脱着させることができる。
【0029】図5に示したものは、円形状の板体を2つ
の割り部材a、bから構成したもので、一方の割部材a
の接合端面には凹部15が形成され、他方の割部材bの
接合端面には凸部が形成されている。このような構造の
シール部材は、軸芯に接着後、その割部材a、bを図5
(b)のように開くことによって軸芯から脱着させるこ
とができる。また、このシール部材にも、図4の場合と
同様に、取手を付設することもできる。なお、この場合
のシール材は、硬質のゴム板やプラスチック板等により
作製することができる。
【0030】図6に示したものは、細帯状シート18の
巻成体からなるものである。このような巻成体からなる
シール部材は、軸芯に装着後、その巻成体の端部aを引
張り、その巻成体を解放することにより除去することが
できる。巻成体18は、自己粘着性を有する細帯状シー
トを巻成することにより得ることができる。このような
自己粘着性を有する材料としては、ホットメルト形シー
リング材、又はポリエチレンゲル、ウレタンゲル等のゲ
ル材料、更に、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポ
リイソブチレン系、ポリエステル系のエラストマー材料
等が使用できる。例えば、合成ゴム系のホットメルト形
シーリング材である旭化学合成社製のアサヒタックSG
シリーズやポリエチレン系ゲル材料であるコスモ計器社
製のコスモゲル等が、その一例として挙げられる。この
ような自己粘着性を有する材料で細帯状シートを形成す
ることにより、巻成体をロール端面と押え板との間に確
実に固定することができる。細帯状シートの断面形状
は、シール性が維持できるものであれば特に限定されな
いが、略円形、略四角形等のものが適宜使用できる。細
帯状シートの幅と厚さ(略円形のものでは直径)は、通
常、1〜20mm、好ましくは2〜10mmである。
【0031】本発明による第2のオイル塗布ロールの第
1の態様のものは、軸芯外周面に形成された空隙組織に
離型オイルを含有させた多孔質組織材からなるオイル保
持層と、該多孔質組織材の外表面上に形成されたオイル
透過制御層とを有し、該ロールの開放されているロール
端面に支持板に固定されたシール部材を密着させたオイ
ル塗布ロールであって、前記支持板が前記軸芯とねじに
よって移動可能にはまりあっていることを特徴とする構
成である。ここで、離型オイル、オイル保持層、オイル
透過制御層、シール部材の材質は、前述の第1のオイル
塗布ロールの場合と同様であるため、ここではその説明
を省略する。
【0032】この場合のロールの軸芯に用いられる材料
としては、アルミ、鉄、SUS等、また場合によっては
セラミック、プラスチック、各種焼結金属等が自由に使
用し得るが、強度と加工性の高さから、鉄にニッケルめ
っきを施したものが好ましい。さらに該軸芯の多孔質組
織材で覆われていない部分にはねじが切られてあり、ね
じの径、ねじ山の形式、ピッチ等は軸芯の径等により適
宜設定することができる。ロール端面にシール部材を密
着させる方法としては、内周にねじを切ったロール端面
支持板を軸芯のねじとはめあわせて、ねじを締め付ける
ことによりシール材をロール端面に機械的に押し付けれ
ば良い。支持板にシール部材を固定させる方法として
は、接着剤を用いて固定する方法、又は両面粘着や接着
テープを用いて固定させる方法等が適宜用いられる。前
記ロール端面支持板は、保持されるオイルに侵されず、
使用温度に耐えるものであればどのような材料でもよ
く、特に制約されない。このようなものとしては、例え
ば、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレ
ンサルファイド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエ
ーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイ
ミド、ポリイミド等の耐熱性樹脂、アルミニウム、鉄、
SUS等の各種金属等、いずれの材質でも使用可能であ
るが、成形加工性と耐熱性の高さからポリフェニレンサ
ルファイドが好ましい。
【0033】本発明による第2のオイル塗布ロールの第
1の態様のものは、シール材の弾性によりロール端面を
密閉することが可能となり、オイル漏れを防止してい
る。さらに、ロール使用前、すなわちロールの加熱昇温
前にねじをゆるめてシール部材をロール端面から離すこ
とにより、ロール端面が開放され、通気が可能となるた
め、オイルや水分の蒸気圧を逃がすことができる。
【0034】本発明による第2のオイル塗布ロールの第
2の態様のものは、軸芯の周囲に形成された空隙組織に
離型オイルを含有させた多孔質組織材からなるオイル保
持層と、該多孔質組織材の外表面上に形成されたオイル
透過制御層とを有し、該ロールの開放されているロール
端面に、支持板に固定されたシール部材を密着させたオ
イル塗布ロールであって、前記支持板が二つの部材の凹
凸のはめあい(嵌合)によって前記軸芯の長さ方向に可
動することを特徴とする構成である。ここで、離型オイ
ル、オイル保持層、オイル透過制御層、シール部材、軸
芯の構成要素は、前述の第1のオイル塗布ロールの場合
と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0035】第2の態様のロール端面にシール部材を密
着させる方法としては、軸芯の長さ方向に可動する支持
板によりシール材をロール端面に機械的に押し付ければ
良い。前記支持板は二つの部材A、Bからなる。ひとつ
の部材Aは軸芯に熱硬化型接着剤を用いて接着するか、
又はE型止め輪、グリップ型止め輪等をもちいて軸芯に
固定してある。他方の部材Bはもう一方の部材と凹凸の
はめあいにて連結されており、そのはめ合わせ部におい
て軸芯の長さ方向に動かすことができる。支持板にシー
ル部材を固定させる方法としては、部材Aに接着剤を用
いて固定する、又は両面粘着又は接着テープを用いて固
定させることができる。
【0036】前記支持板は、保持されるオイルに侵され
ず、使用温度に耐えるものであればどのような材料でも
よく、特に制約されない。このようなものとしては、例
えば、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニ
レンサルファイド、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
エーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアミド
イミド、ポリイミド等の耐熱性樹脂、アルミニウム、
鉄、SUS等の各種金属等、いずれの材質でも使用可能
であるが、成形加工性と耐熱性の高さからポリフェニレ
ンサルファイドが好ましい。
【0037】本発明による第2のオイル塗布ロールの第
2の態様のものは、上記の構成をもち、シール部材の弾
性によりロール端面を密閉することが可能となり、オイ
ル漏れを防止している。さらに、ロール使用前、すなわ
ちロールの加熱昇温前にロール端面支持板を多孔質組織
材と反対の方向に動かし、シール部材をロール端面から
離すことにより、ロール端面が開放され、通気が可能と
なるため、オイルや水分の蒸気圧を逃がすことができ
る。
【0038】本発明の第2のオイル塗布ロールについ
て、その第1の態様のものを図7に示し、その第2の態
様のものを図8に示す。図7において、21は支持板、
22は環状シール部材、23はネジ部を示す。図7に示
すロールにおいて、環状シール部材22は支持板21に
固着され、支持板21はネジ部23を介して軸芯3に固
定されている。このロールは、その支持板23を回転さ
せ、その支持板21を後方に移動させることにより、環
状シール部材22をロール端面から脱離させることがで
きる(図7(b))。
【0039】図8において、25は支持板A、26は支
持板B、27は環状シール部材、28は凸部、29は凹
部を示す。図8に示すロールにおいて、環状シール部材
27は支持板A25に固着されている。支持板Aは短筒
状のもので軸芯3に固着されている。支持板B26は、
短筒状のもので、軸芯3に対しては長さ方向に可動のも
ので、このものは後方に引張ることにより、後方(矢印
方向)に移動させることができる。これにより、環状シ
ール部材27はロール端面から脱離させることができ
る。
【0040】本発明による定着装置は、本発明によるオ
イル塗布ロールが、定着ロールに回動可能に接触するこ
とを特徴とする構成であって、オイル塗布ロールを定着
ロールに固定する方法は、従来公知の方法が適用でき
る。
【0041】
【実施例】次に本発明の実施例を詳述する。
【0042】実施例1 直径6mm長さ360mmの鉄にニッケルメッキを施し
た軸芯を用意し、内径6mm、外径30mm、長さ32
0mmの円柱状に切り出したメラミンフォーム(商品名
バソテクト:BASF社製)に突き刺し、エポキシ系接
着剤で固定した。その上にシリコーン系接着剤により、
厚さ2mm、幅30mmのノメックスフェルトをテープ
状に切り出したものを螺旋状に巻付け接着することによ
りオイル拡散層を形成した。更にこの表面に、膜厚10
0μm、空孔率75%、平均孔径0.2μmの延伸多孔
質PTFEフィルム(商品名ゴアテックス:ジャパンゴ
アテックス社製)をその表面にシリコーン系接着剤をド
ット状に塗布し、これにより海苔巻状に巻付け接着し
て、オイル透過制御層を形成した。この際、ロール端面
に折り込まれたオイル透過制御層の幅は3mmだった。
更にこの延伸多孔質PTFEフィルムに、シリコーンゴ
ム(KE106:信越化学社製)8重量部に対しシリコ
ーンオイル(KF96:信越化学社製)2重量部の割合
で混合したものを含浸塗布させてからその余剰分を掻き
落とした後、150℃で40分間加熱してシリコーンゴ
ムを架橋せしめオイル透過制御層を形成した。その後、
シリコーンオイル(KF96:信越化学社製)を上記メ
ラミンフォームの端部から注入した。
【0043】次にシール部材として厚さ5mm、内径6
mm、外径34mmのシリコーンゴムスポンジ(TT−
4101:イノアックコーポレーション社製)の片面の
1箇所に外径から内径に通じる深さ3mmの切り込みを
入れたものを作製した。さらに切り込み部分には外径方
向に10mmの凸部を設けた。さらに、厚さ4mm、内
径6mm、外径32mmのポリフェニレンサルファイド
製のリング状硬質板(押え板)を作製し、該リング状硬
質板で上記シリコーンゴムスポンジを3mmの厚さにな
るまでロール端面に押し付け、リング状硬質板をグリッ
プ型止め輪(GTW−6:オチアイ社製)で軸芯に固定
した。反対側のロール端面も同様に固定した。上記で作
製したオイル塗布ロールを、垂直で保存したところ、1
週間たってもオイル漏れは確認できなかった。また、シ
リコーンゴムスポンジを切り込みに沿って引裂いたとこ
ろ、容易に引裂かれロール端面より除去された。さら
に、トナー像定着部の加熱定着ロールの表面温度が18
0℃であり複写速度が5枚/分のカラープリンターに取
り付けてオイル塗布性能を確認したところ、加熱定着ロ
ールの昇温過程でオイルの吹き出しによる初期オイル量
の増大や、オイル透過制御層が破壊されたり、風船状に
膨れたりしてしまうというトラブルはなく、通気が確保
されたことが確認できた。初期オイル塗布量は2mg
(A4一枚あたり)であって、2万枚通紙後の塗布量も
1.5mgと安定していた。前記ロールの製造に際して
用いた押え板(リング状硬質板)の説明図を図9に示
す。図9において、L1:4mm、L2:6mm、L
3:32mmである。
【0044】実施例2 軸芯の端部にM6のおねじを施した以外は実施例1と同
様にしてオイル塗布ロールを得た。次にシール部材とし
て厚さ5mm、内径22mm、外径32mmのシリコー
ンゴムスポンジ(TT−4101:イノアックコーポレ
ーション社製)を作製した。さらに、厚さ4mm、内径
6mm、外径32mmのポリフェニレンサルファイド製
の支持板を作製し、内側にM6のめねじを施した。該支
持板に両面粘着テープ(住友3M社製)を用いて前記シ
ール部材を固定した。その後、ロールの両端面におい
て、軸芯と前記支持板をねじではめあわせ、シリコーン
スポンジの厚さが3mmになるまでねじを締込み、シー
ル部材をロール端面に押し付けた。上記で作製したオイ
ル塗布ロールを、垂直で保存したところ、1週間たって
もオイル漏れは確認できなかった。また、ねじをゆるめ
ることによりシリコーンゴムスポンジとロール端面の間
に隙間を確認した。さらに、トナー像定着部の加熱定着
ロールの表面温度が180℃であり複写速度が5枚/分
のカラープリンターに取り付けてオイル塗布性能を確認
したところ、加熱定着ロールの昇温過程でオイルの吹き
出しによる初期オイル量の増大や、オイル透過制御層が
破壊されたり、風船状に膨れたりしてしまうというトラ
ブルはなく、通気が確保されたことが確認できた。初期
オイル塗布量は2mg(A4一枚あたり)であって、2
万枚通紙後の塗布量も1.5mgと安定していた。前記
ロールの製造に際して用いた支持板の説明図を図10に
示す。図10において、L1:4mm、L2:6mm、
L3:32mmである。
【0045】実施例3 実施例1と同様にしてオイル塗布ロールを得た。次にシ
ール部材として厚さ5mm、内径22mm、外径32m
mのシリコーンゴムスポンジ(TT−4101:イノア
ックコーポレーション社製)を作製した。更に、支持板
は固定側支持板Aと可動側支持板Bのポリフェニレンサ
ルファイド製の二つの部材A、Bからなり、これらの部
材A、Bは凹凸のはめあいにて連結される。固定側部材
Aは、グリップ型止め輪等をもちいて軸芯に固定した。
可動側部材Bに両面粘着テープ(住友3M社製)を用い
て前記シール部材を固定した。可動側部材Bは固定側部
材Aとはめあいにて連結した後、そのはめ合わせ部にお
いて軸芯の長さ方向に動くことが確認できた。可動部材
Bをロール端面方向に動かし、シリコーンスポンジの厚
さが3mmになるまでシール部材をロール端面に押し付
けた。上記で作製したオイル塗布ロールを、垂直で保存
したところ、1週間たってもオイル漏れは確認できなか
った。また、支持板の可動側部材Bをロール端面と反対
方向に動かすことによりシリコーンゴムスポンジとロー
ル端面の間に隙問を確認した。さらに、トナー像定着部
の加熱定着ロールの表面温度が180℃であり複写速度
が5枚/分のカラープリンターに取り付けてオイル塗布
性能を確認したところ、加熱定着ロールの昇温過程でオ
イルの吹き出しによる初期オイル量の増大や、オイル透
過制御層が破壊されたり、風船状に膨れたりしてしまう
というトラブルはなく、通気が確保されたことが確認で
きた。初期オイル塗布量は2mg(A4一枚あたり)で
あって、2万枚通紙後の塗布量も1.5mgと安定して
いた。前記ロールの製造に際して用いた支持板Aの説明
図を図11に示す。図11において、L1:6mm、L
2:6mm、L3:32mmである。
【0046】比較例1 実施例1において、シール部材を用いなかった以外は実
施例1と同様にしてオイル塗布ロールを作製した。この
オイル塗布ロールを垂直に立てて保存したところ即座に
オイル漏れが発生した。
【0047】比較例2 実施例2において、実施例2と同様にしてオイル塗布ロ
ールを100本作製し、垂直で保存したところ、1週間
たってもオイル漏れは確認できなかった。一方、特開平
11−219059号公報に記載のオイル塗布ロールを
100本作製し、垂直で保存したところ、1週間後には
3%のロールにおいてオイル漏れが発生した。オイル漏
れが発生した箇所は、すべてオイル遮蔽部材とオイル塗
布ロールとのシール部分であった。
【0048】比較例3 実施例3において、二つの部材がはめあい部において可
動できないこと以外は実施例3と同様にしてオイル塗布
ロールを作製し、シール部材をロール端面に押し付けた
状態のままで定着装置に装着して試験したところ、昇温
過程でオイル透過制御層が風船のように膨らみ伸びてし
まった。
【0049】
【発明の効果】以上のように、本発明の第1のオイル塗
布ロールは、軸芯の周りに多孔質組織材からなるオイル
保持層を有し、前記多孔質組織材表面にオイル透過制御
層を設け、開放されているロール端面にシール部材が密
着されたオイル塗布ロールであって、前記シール部材が
前記ロール端面から脱着自在に配設された構成になって
いるため、容易に、且つ確実にロールを密閉することが
でき、保存の際立てておいてもオイル漏れが発生せず、
使用時には前記シール部材が容易にロール端面から取り
除かれロール端面の通気を開放することによりロール内
部蒸気圧を逃がすことができ、オイル透過制御層の剥
離、破壊が発生せず、均一で安定な塗布状態を長期間維
持できる。さらに本発明の第2のオイル塗布ロールは、
軸芯の周りに多孔質組織材からなるオイル保持層を有
し、前記多孔質組織材表面にオイル透過制御層を設け、
開放されているロール端面に支持板に固定されたシール
部材を密着させたオイル塗布ロールであって、前記支持
板が可動する構成になっているため、容易に、且つ確実
にロールを密閉することができ、保存の際立てておいて
もオイル漏れが発生せず、使用時には前記支持板を動か
しロール端面の通気を開放することにより容易にロール
内部蒸気圧を逃がすことができ、オイル透過制御層の剥
離、破壊が発生せず、均一で安定な塗布状態を長期間維
持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1のオイル塗布ロールの1つの実施
例についての端部構造の説明図である。
【図2】本発明の第1のオイル塗布ロールの他の実施例
についての端部構造の説明図である。
【図3】本発明の第1のオイル塗布ロールに適用するシ
ール部材の1つの実施例についての説明図である。
【図4】本発明の第1のオイル塗布ロールに適用するシ
ール部材の他の実施例についての説明図である。
【図5】本発明の第1のオイル塗布ロールに適用するシ
ール部材のさらに他の実施例についての説明図である。 (a):脱離前の構造図 (b):脱離後の構造図
【図6】本発明の第1のオイル塗布ロールに適用するシ
ール部材のさらに他の実施例についての説明図である。
【図7】本発明の第2のオイル塗布ロールの1つの実施
例についての端部構造の説明図である。 (a):使用前の端部構造図 (b):使用時の端部構造図
【図8】本発明の第2のオイル塗布ロールの他の実施例
についての端部構造の説明図である。 (a):使用前の端部構造図 (b):使用時の端部構造図
【図9】実施例1で用いた押え板の説明図である。 (a):断面図 (b):平面図
【図10】実施例2で用いた支持板の説明図である。 (a):断面図 (b):平面図
【図11】実施例3で用いた支持板Aの説明図である。 (a):断面図 (b):平面図
【符号の説明】
1 オイル保持層 2 オイル透過制御層 3 軸芯 4 開放端面 4(2) 密封端面 5、22、27 シール部材 6 押え板 21 支持板 23 ネジ部 25 支持板A 26 支持板B 28 凸部 29 凹部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 定着装置に離型オイルを供給するための
    ロールであって、軸芯の周囲に形成された空隙組織に離
    型オイルを含有させた多孔質組織材からなるオイル保持
    層と、該多孔質組織材の外表面上に形成されたオイル透
    過制御層とを有し、該ロールの開放されているロール端
    面に、シール部材が脱着自在に配設されていることを特
    徴とするオイル塗布ロール。
  2. 【請求項2】 定着装置に離型オイルを供給するための
    ロールであって、軸芯の周囲に形成された空隙組織に離
    型オイルを含有させた多孔質組織材からなるオイル保持
    層と、該多孔質組織材の外表面上に形成されたオイル透
    過制御層とを有し、該ロールの開放されているロール端
    面に、支持板に固定されたシール部材が密着されてお
    り、且つ前記支持板が前記軸芯の長さ方向に可動するこ
    とを特徴とするオイル塗布ロール。
  3. 【請求項3】 該オイル透過制御層が、多孔質ポリテト
    ラフルオロエチレン単体からなる請求項1又は2のオイ
    ル塗布ロール。
  4. 【請求項4】 該オイル透過制御層が、多孔質ポリテト
    ラフルオロエチレンとシリコーンゴムとの複合体、又は
    多孔質ポリテトラフルオロエチレンとシリコーンゴム及
    び離型オイルの混合物との複合体からなる請求項1〜3
    のいずれかのオイル塗布ロール。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかのオイル塗布ロ
    ールが、定着ロールに回動可能に接触していることを特
    徴とする定着装置。
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