JP3204176B2 - オイル塗布ローラおよびオイル塗布ローラ梱包材 - Google Patents

オイル塗布ローラおよびオイル塗布ローラ梱包材

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JP3204176B2
JP3204176B2 JP25197997A JP25197997A JP3204176B2 JP 3204176 B2 JP3204176 B2 JP 3204176B2 JP 25197997 A JP25197997 A JP 25197997A JP 25197997 A JP25197997 A JP 25197997A JP 3204176 B2 JP3204176 B2 JP 3204176B2
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英樹 立松
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  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法による
白黒およびカラーのプリンタ、複写機、ファックス等に
用いられる定着装置において、離型オイルを塗布するロ
ーラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式の画像形成プロセスでフル
カラー画像を形成する複写機やプリンタ等の画像形成装
置で使用されるカラートナーは、記録材に定着された時
に優れた透光性を有することが必要とされている。この
優れた透光性を確保するために、低溶融粘度でシャープ
メルトの(速やかに溶融する)バインダー樹脂からなる
カラートナーを用い、このカラートナーをシリコーンゴ
ム系加熱ローラを備えた定着装置で定着する方法が従来
から採用されてきた。しかしながら、前記定着方法で
は、加熱ローラの表面がシリコーンゴムで構成され、か
つ、低溶融粘度でシャープメルトなバインダー樹脂から
なるカラートナーを使用するので、溶融したカラートナ
ーが加熱ローラの表面に付着する、所謂、ホットオフセ
ットが発生しやすい。このため、加熱ローラの表面にシ
リコーンゴムとの親和性が大きく比較的安価なシリコー
ンオイルなどの多量の離型剤を塗布することにより、ホ
ットオフセットを防止してきた。
【0003】近年トナー自体に離型成分を含有した物を
用い、ホットオフセットを防止することも行われてい
る。この場合、塗布量が微少量で済むものの、やはり離
型剤を塗布する必要がある。
【0004】従来より、定着部等にオイルを塗布するた
めの部材として、各種ロール形状の物が提案されてお
り、その一つとして外周部に小さな穴を多数開けたパイ
プの中央部に離型オイルを内在させ、またその外周にノ
メックス等の耐熱性フェルトを巻き付けたもの(特公平
1−60144号公報)、あるいはオイルの浸出量を制
御し、またロールの軸方向への拡散を行い、全体的に均
一に塗布するために紙等の多孔材を巻いた上に耐熱性フ
ェルトを巻き付けたもの(実開昭61−104469号
公報)、更に弾性を付与するためにシリコーンゴムスポ
ンジ等を中間層として設けたもの(特開平5−1236
23号公報)、また耐熱性フェルトの代わりに他の耐熱
性多孔質素材を使用したもの(特開昭61−10446
9号公報)等が提案されている。
【0005】しかしながらこれらにおいては、表面のフ
ェルト又は多孔質材に浸出したオイルが、直接定着ロー
ルに塗布移行されるため、オイル塗布量の制御は困難で
あった。そこでオイル塗布量の制御を可能にするものと
して、耐熱性フェルト又は多孔質材の表面に耐熱性の微
多孔質膜の層を設け、これによりオイル透過量の制御を
行わせること(特開昭61−183679号公報)が提
案されている。また、さらに微少なオイル量を精度良く
均一に塗布するものとして、微多孔質膜の代わりに、微
多孔質膜の空隙部にシリコーンゴムとオイルの混合物を
充填した複合膜をオイル透過制御層として使用すること
(特開昭62−178992号公報)が提案されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこれらの
オイル透過制御層を有するロールは、前述のような本来
このオイル塗布部材に要求される特性については満足す
べきものであったが、この制御層に起因する新たな問題
も発生した。即ち、微多孔質膜又は複合膜に離型オイル
が接すると、オイルにより微多孔質膜の孔が塞がれてし
まい、バルクなガスの透過が困難となって、例えば無理
にガスを透過させようとすると数十kgf/cm2の圧
力が必要なほどである。このことはオイル透過量を小さ
くするために微多孔質膜の孔径を小さくするほどより高
い圧力を必要とし、更に前記複合膜の場合には、膜を破
壊せずにガスを透過させることは困難である。
【0007】ところが、オイルに吸湿された水分や多孔
質材に吸湿された水分のために、定着部の昇温や冷却に
伴いオイルや水分の蒸気圧が発生し、またオイル自体の
熱膨張によっても圧力が発生し、この圧力のために前記
オイル透過制御層に過大な圧力が加わるため、オイルの
吹き出しによる初期オイル量の増大や、場合によっては
オイル透過制御層が破壊されたり、風船状に膨れたりし
てしまうというトラブルが発生する。
【0008】このトラブルを回避するためにはロール内
部の圧力を逃がすための通気孔をロール端部に設ける、
特には軸線上に穴をあければよいが、必然的に穴からの
オイル漏れが発生する。この穴からのオイル漏れを防ぐ
ためには、このロールの内容積の半分、実際には30%
程度のオイル量しか内在させることが出来なくなり、そ
の分寿命の短いものとなってしまう。また、このロール
を、通気孔を下にして立てた場合、即座にオイルがこぼ
れ出すという課題がある。
【0009】つまり、通気孔を設けない場合、オイルの
吹き出しやオイル透過制御層の破壊を招き、通気孔を設
けると、オイルが漏れるという課題が発生する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、円柱状からなる軸芯と、離型オイルを含
有した空隙率が50%以上の肉厚多孔質組織材からなる
オイル保持層と、多孔質繊維組織材とシリコーンゴム及
び離型オイルの混合物との複合体からなるオイル透過制
御層とを有し、ローラ端部を密閉したオイル塗布ローラ
であって、前記軸芯が、端面が開放されている中空パイ
プからなり、中空パイプの端面から端面までの距離をa
とした際、前記中空パイプにおける、端面から端面まで
の中心点から0〜0.25aの距離内にのみ、少なくと
も一つ以上の,孔径が0.1mmより大きい通気孔を有
することを特徴とするオイル塗布ローラである。
【0011】また、本発明は、離型オイルを含有した空
隙率が50%以上の肉厚多孔質組織材からなるオイル保
持層と、表面に多孔質繊維組織材とシリコーンゴム及び
離型オイルの混合物との複合体からなるオイル透過制御
層と、すくなくともいずれか一方の端部に、外気に面
し、ローラ内部を外部に通じるための、すくなくとも一
つ以上の,長辺が0.1mmより大きい通気孔を有し、
前記通気孔を融点が60〜150℃の樹脂で密閉したこ
とを特徴とするオイル塗布ローラである。
【0012】更に本発明は、離型オイルを含有した空隙
率が50%以上の肉厚多孔質組織材からなるオイル保持
層と、表面に多孔質繊維組織材とシリコーンゴム及び離
型オイルの混合物との複合体からなるオイル透過制御層
と、ローラ端部にオイル密閉部材と、を有し、すくなく
ともいずれか一方の前記オイル密閉部材のオイル保持層
側に凹部を設け、前記凹部に相対する外側に穴開け突起
を有する前記オイル密閉部材を用いたオイル塗布ローラ
であって、前記オイル塗布ローラは、前記穴開け突起が
オイル塗布ローラ梱包材と連結するように、前記オイル
塗布ローラ梱包材に梱包され、前記オイル塗布ローラ梱
包材から前記オイル塗布ローラを取り出すと同時に前記
穴開け突起が折り欠かれ穴が空くことを特徴とするオイ
ル塗布ローラである。
【0013】更に本発明は、離型オイルを含有した空隙
率が50%以上の肉厚多孔質組織材からなるオイル保持
層と、表面に多孔質繊維組織材とシリコーンゴム及び離
型オイルの混合物との複合体からなるオイル透過制御層
と、ローラ端部にオイル密閉部材と、を有し、すくなく
ともいずれか一方の前記オイル密閉部材のオイル保持層
側に凹部を設け、前記凹部に相対する外側に穴開け突起
を有する前記オイル密閉部材を用いたオイル塗布ローラ
を梱包するオイル塗布ローラ梱包材であって、前記オイ
ル塗布ローラを、前記穴開け突起を連結させることによ
り、梱包するとともに、前記オイル塗布ローラを取り出
すと同時に前記穴開け突起が折り欠かれ穴が空くよう
に、前記オイル塗布ローラを梱包することを特徴とする
オイル塗布ローラ梱包材である。
【0014】更に本発明は、離型オイルを含有した空隙
率が50%以上の肉厚多孔質組織材からなるオイル保持
層と、表面に多孔質繊維組織材とシリコーンゴム及び離
型オイルの混合物との複合体からなるオイル透過制御層
と、ローラ端部にオイル密閉部材と、すくなくともいず
れか一方の前記オイル密閉部材上に通気孔と、通気孔上
に通気孔密閉部材と、を有するオイル塗布ローラであっ
て、前記オイル塗布ローラは、前記通気孔密閉部材がオ
イル塗布ローラ梱包材と連結するように、前記オイル塗
布ローラ梱包材に梱包され、前記塗布ローラ梱包材から
前記オイル塗布ローラを取り出すと同時に前記通気孔密
閉部材が前記通気孔から取り除かれることを特徴とした
オイル塗布ローラである。
【0015】更に本発明は、離型オイルを含有した空隙
率が50%以上の肉厚多孔質組織材からなるオイル保持
層と、表面に多孔質繊維組織材とシリコーンゴム及び離
型オイルの混合物との複合体からなるオイル透過制御層
と、ローラ端部にオイル密閉部材と、すくなくともいず
れか一方の前記オイル密閉部材上に通気孔と、通気孔上
に通気孔密閉部材と、を有するオイル塗布ローラを梱包
するオイル塗布ローラ梱包材であって、前記オイル塗布
ローラを、前記通気孔密閉部材を連結させることによ
り、梱包するとともに、前記オイル塗布ローラを取り出
すと同時に前記通気孔密閉部材が前記通気孔から取り除
かれるように、前記オイル塗布ローラを梱包することを
特徴とするオイル塗布ローラ梱包材である。
【0016】更に本発明は、多孔質繊維組織材がその肉
質部または空隙組織のいずれか一方又は双方に導電性物
質を保有することを特徴とするオイル塗布ローラであ
る。
【0017】更に本発明は、多孔質繊維組織材がその肉
質部または空隙組織のいずれか一方又は双方に導電性物
質を保有することを特徴とするオイル塗布ローラを用い
たオイル塗布ローラ梱包材である。更に本発明は、円柱
状からなる軸芯と、離型オイルを含有したオイル保持層
と、オイル透過制御層とを有し、ローラ端部を密閉した
オイル塗布ローラであって、前記軸芯が、端面が開放さ
れている中空パイプからなり、中空パイプの端面から端
面までの距離をaとした際、前記中空パイプにおける、
端面から端面までの中心点から0〜0.25aの距離内
にのみ、少なくとも一つ以上の,孔径が0.1mmより
大きい通気孔を有することを特徴とするオイル塗布ロー
ラである。更に本発明は、離型オイルを含有したオイル
保持層と、オイル透過制御層と、すくなくともいずれか
一方の端部に、外気に面し、ローラ内部を外部に通じる
ための、すくなくとも一つ以上の,長辺が0.1mmよ
り大きい通気孔を有し、前記通気孔を融点が60〜15
0℃の樹脂で密閉したことを特徴とするオイル塗布ロー
ラである。更に本発明は、離型オイルを含有したオイル
保持層と、オイル透過制御層と、ローラ端部にオイル密
閉部材と、を有し、すくなくともいずれか一方の前記オ
イル密閉部材のオイル保持層側に凹部を設け、前記凹部
に相対する外側に穴開け突起を有する前記オイル密閉部
材を用いたオイル塗布ローラであって、前記オイル塗布
ローラは、前記穴開け突起がオイル塗布ローラ梱包材と
連結するように、前記オイル塗布ローラ梱包材に梱包さ
れ、前記オイル塗布ローラ梱包材から前記オイル塗布ロ
ーラを取り出すと同時に前記穴開け突起が折り欠かれ穴
が空くことを特徴とするオイル塗布ローラである。更に
本発明は、離型オイルを含有したオイル保持層と、オイ
ル透過制御層と、ローラ端部にオイル密閉部材と、すく
なくともいずれか一方の前記オイル密閉部材上に通気孔
と、通気孔上に通気孔密閉部材と、を有するオイル塗布
ローラであって、前記オイル塗布ローラは、前記通気孔
密閉部材がオイル塗布ローラ梱包材と連結するように、
前記オイル塗布ローラ梱包材に梱包され、前記塗布ロー
ラ梱包材から前記オイル塗布ローラを取り出すと同時に
前記通気孔密閉部材が前記通気孔から取り除かれること
を特徴としたオイル塗布ローラである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。
【0019】本発明による第一のオイル塗布ローラは、
円柱状からなる軸心と、離型オイルを含有した空隙率が
50%以上の肉厚多孔質組織材からなるオイル保持層を
有し、前記多孔質組織材表面に多孔質繊維組織材とシリ
コーンゴム及び離型オイルの混合物との複合体からなる
オイル透過制御層を設け、ローラ端部を密閉したオイル
塗布ローラであって、前記軸芯が、端面が開放されてい
る中空パイプからなり、中空パイプの端面から端面まで
の距離をaとした際、端面から端面までの中心点から0
〜0.25aの距離内に通気孔を有する構造となってい
る。
【0020】本発明のオイル保持層に用いる肉厚多孔質
組織材としては、保持されるオイルに侵されず、また仕
様温度に耐えられる材料であれば、任意のものが使用で
きる。このようなものとして、例えばノメックスフェル
ト、ノメックス組み紐、ノメックス繊維束、硝子繊維
束、カーボン繊維束、カーボン繊維フェルト、各種セラ
ミック焼結多孔体、シリコーンゴム多孔質スポンジ、ア
ラミド繊維束、ポリイミドフォーム、メラミンフォー
ム、その他の各種プラスチックスポンジ又はフォーム、
多孔質体、焼結体、繊維束等が挙げられるが、これらの
中でもメラミンフォームがその空孔率の高さ、適当な孔
径によるオイル保持性能及び弾性を有する点で特に好ま
しい。
【0021】いずれの多孔質材料においても空隙率は5
0%以上なければならない。50%以下であるとオイル
保持量が少なく、オイル漏れの課題が発生しない代わり
に、寿命が短く使用に耐えないものとなる。
【0022】本発明のオイル塗布ローラは、肉厚多孔質
組織材表面に多孔質繊維組織材とシリコーンゴム及び離
型オイルの混合物との複合体からなるオイル透過制御層
を設けたものであるが、肉厚多孔質組織材とオイル透過
制御層の間にオイル拡散層を挟んでいても良い。この場
合、オイル拡散層は、オイルを塗布される相手ロールと
の接触を良くするため適度な柔軟性又は弾性を有するも
のが好ましく、またオイル拡散性の良いものが好まし
い。このようなものとしては、ノメックスフェルト、シ
リコーンゴムスポンジ、ウレタンフォームにシリコーン
ゴムを複合化させた複合材フォーム、メラミンフォー
ム、ポリイミドフォーム等がある。更に、必要によって
は、この層がフッ素ゴム、シリコーンゴム等の弾性体と
の組み合わせであっても良い。
【0023】本発明のオイル透過制御層に用いる多孔質
繊維組織材としては任意のものが使用できるが、特にポ
リテトラフルオロエチレン(PTFE)を延伸法によっ
て製造したものが多孔組織の均一性、空隙組織の均一性
等の観点から最適である。多孔質PTFE膜の膜厚は、
0.001〜1mm、好ましくは0.005〜0.1m
mであり、空隙率は20〜98%、好ましくは50〜9
0%であり、平均孔径は0.05〜15μm、好ましく
は0.1〜2μmである。
【0024】また、前記多孔質繊維組織材として、その
肉質部または空隙部もしくは双方にカーボンなどの導電
性物質を有する導電性多孔質PTFEを使用しても良
い。この場合、その導電性により静電気を除去すること
が可能となり、静電気の帯電により、保存時にオイル塗
布ローラ表面にゴミが付着したり、トナー汚れが付着す
る等のトラブルを防止することが出来る。
【0025】更に本発明のオイル透過制御層は、多孔質
繊維組織材とシリコーンゴム及び離型オイルの混合物と
の複合体からなる。この場合の複合化方法としては、シ
リコーンゴム及び離型オイルの混合物を多孔質繊維組織
材膜に含浸させた後、架橋させる方法が好ましい。ここ
で用いるシリコーンゴムとしてはRTV(室温硬化型)
シリコーンゴム、LTV(低温硬化型)シリコーンゴ
ム、HTV(加熱硬化型)シリコーンゴム、紫外線硬化
型シリコーンゴムなどが最適である。また、離型オイル
としては、シリコーンオイル、特にジメチルシリコーン
オイルがよく用いられる。シリコーンゴムと離型オイル
との混合物を含浸架橋させる場合、シリコーンゴムと離
型オイルとの混合比は目標オイル透過量に応して規定さ
れるが、2:98より離型オイルの含有量を少なくする
のが好ましい。離型オイルの含有量がこれより多いと、
シリコーンゴム中に含有しきれなくなって未ゲル化状態
となり、オイルの透過制御が困難となる。また、シリコ
ーンゴム及び離型オイルの混合物の含浸量は空孔が充填
される割合が100%以内で適宜決定することができ
る。
【0026】オイル透過制御層を肉厚多孔質組織材の表
面に設ける方法としては、例えばFEP等のフッ素樹脂
を両者の間に介在させて熱圧着させる方法、熱硬化型接
着剤により両者を接着する方法等を用いることができ
る。本発明のオイル透過制御層は多孔質繊維組織材とシ
リコーンゴム及び,離型オイルの混合物との複合体であ
り、多孔質繊維組織材を肉厚多孔質組織材に圧着もしく
は接着した後、シリコーンゴムと離型オイルの混合物の
未架橋物を表面より塗布あるいは浸漬せしめ多孔空隙部
に含浸させた後、表面に残っている余剰物を拭き取る
か、掻き取った後、架橋させることによりオイル透過制
御層を設けるのが好ましい。このようにすると、オイル
透過制御層は肉厚多孔質組織材と一体接合した状態にな
るため、オイル透過制御層の剥離が効果的に防止され、
耐用性をより一層向上させることが可能となる。
【0027】本発明に用いる穴あき中空パイプは、中空
パイプの端面から端面までの距離をaとした際、端面か
ら端面までの中心点から0〜0.25aの範囲内の前記
中空パイプ上に、少なくとも一つ以上の通気孔を有する
ものである。その材科としては、アルミニウム、鉄、S
US等、また場合によってはセラミック中空パイプ、プ
ラスチックパイプ、各種燒結金属などが自由に使用でき
るが、コストと加工性の容易さからアルミニウムが好ま
しい。
【0028】通気孔の大きさは0.1mmから使用する
軸芯の直径の大きさまで任意に設定可能であるが、0.
2mm以上5mm以下で、2個以上設けるのが好まし
い。
【0029】通気孔が0.1mm以下であると、離型オ
イルにより目詰まりが発生する。また、通気孔が中空パ
イプの中心から0.25〜1aの間に存在した場合、オ
イル塗布ローラを立てると数十秒でオイル漏れが発生す
る。
【0030】本発明に用いる離型オイルは、ジメチルシ
リコーンオイル、フッ素オイル、フルオロシリコーンオ
イル、フェニルシリコーンオイル、各種変性シリコーン
オイル等が挙げられ、またその粘度についても特に制限
はないが、フッ素オイルまたはフルオロシリコーンオイ
ルが好ましい。
【0031】本発明による第一の塗布ローラは上記の構
成により以下のような作用を有する。オイル透過制御層
に多孔質繊維組織材とシリコーンゴム及び離型オイルの
混合物との複合体を用いているため、その孔径、空隙
率、離型オイルの混合量の制御によりオイル塗布量の的
確な制御が可能となる上、耐熱性に優れたものとなり、
トナーの付着による汚れも少なく、加圧ローラに付着し
たトナーなどを掻き落とす作用を即す効果もある。
【0032】さらに空隙率が50%以上の肉厚多孔質組
織材を用いるため、オイル保持量が多く、寿命の長い塗
布ローラが製造可能となる。また、ローラ端部を密閉す
ることにより、空隙率が50%以上でありオイル保持力
が低下することによるオイル漏れを防止している。
【0033】さらにローラ端部に通気孔を確保するかわ
りに、ローラの軸を中空パイプとし、中空パイプの中心
部に通気孔を設けることにより、オイルや水分の蒸気圧
を逃がすことが可能となる。
【0034】本発明による第二のオイル塗布ローラは、
離型オイルを含有した空隙率が50%以上の肉厚多孔質
組織材からなるオイル保持層と表面に多孔質繊維組織材
とシリコーンゴム及び離型オイルの混合物との複合体か
らなるオイル透過制御層とすくなくともいずれか一方の
端部に少なくとも一つ以上の通気孔を有するオイル塗布
ローラであって、前記通気孔を融点が60〜150℃の
樹脂で密閉した構成である。
【0035】ここで、離型オイル、オイル保持層、オイ
ル透過制御層の構成要素は前述の第一のオイル塗布ロー
ラと同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0036】本発明の通気孔を樹脂で密閉する方法とし
ては、通気孔のある端部を溶融した樹脂にどぶづけ、又
は通気孔に塗布し冷却乾燥すればよい。
【0037】より好ましくは通気孔を有するオイル密閉
部材を端部に用い、あらかじめ通気孔を樹脂で密閉して
おくのがよい。
【0038】このオイル密閉部材は、保持されるオイル
に侵されず、使用温度に耐えるもので有ればポリアセタ
ール、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイ
ド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポ
リアミドイミド、ポリイミド等の耐熱性樹脂、アルミニ
ウム、鉄、SUS等の各種金属、いずれの材質でも使用
可能であるが、熱伝導性と加工性の高さからアルミニウ
ムが望ましい。
【0039】また、本発明は、少なくともいずれかの端
部にひとつ以上の通気孔を有する構成であって、前記通
気孔は未使用時において融点が60〜150℃の樹脂で
密閉されており、オイルが漏れないようになっている。
【0040】前記通気孔は最も長い辺が0.1mm以上
オイル密閉部材の半径以内で有れば、円、楕円、ドーナ
ツ状、三角、四角等任意の形状および大きさで用いられ
るが、長辺が0.2mm以上5mm以下が好ましい。
【0041】通気孔の長辺が0.1mm以下であると、
離型オイルにより目詰まりが発生する。
【0042】前記樹脂は、融点が60〜150℃、好ま
しくは60〜120℃、より好ましくは60〜100℃
の樹脂で有れば、ポリエチレン、ポリプロピレンや、カ
ルナウバワックス、キャンデリラワックス、水添ホホバ
油等各種植物性WAXのいずれのものも使用可能である
が、カルナウバワックスが好ましい。
【0043】本発明による第二の塗布ローラは上記の構
成により以下のような作用を有する。
【0044】オイル保持層、オイル透過制御層等は第一
のローラと同等であり、均一な塗布量で寿命の長い塗布
が可能な塗布ローラであり、保存時においては端部がオ
イル密閉部材で密閉されているためオイル漏れが発生せ
ず、使用時においては定着器の熱が加わることにより、
通気孔を密閉していた樹脂が溶融し通気孔が開き、蒸気
圧を逃がすことが可能となる。
【0045】本発明による第三のオイル塗布ローラは、
離型オイルを含有した空隙率が50%以上の肉厚多孔質
組織材からなるオイル保持層と、表面に多孔質繊維組織
材とシリコーンゴム及び離型オイルの混合物との複合体
からなるオイル透過制御層と、ローラ端部にオイル密閉
部材と、オイル塗布ローラ梱包材とを有し、すくなくと
もいずれか一方の前記オイル密閉部材のオイル保持層側
に凹部を設け、前記凹部に相対する外側に穴開け突起を
有するオイル密閉部材を用いたオイル塗布ローラであっ
て、前記穴開け突起がオイル塗布ローラ梱包材と連結し
ており、前記オイル塗布ローラ梱包材から前記オイル塗
布ローラを取り出すと同時に前記穴開け突起が折り欠か
れ穴が空くことを特徴とする構成である。
【0046】ここで、離型オイル、オイル保持層、オイ
ル透過制御層の構成要素は前述の第一のオイル塗布ロー
ラと同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0047】オイル密閉部材は、保持されるオイルに侵
されず、また使用温度に耐えられる樹脂材料であれば、
任意のものが使用できる。
【0048】このようなものとしてポリアセタール、ポ
リカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエ
ーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイ
ミド、ポリイミド等があるが、コストと成型性の高さか
らポリフェニレンサルファイド(PPS)が好ましい。
【0049】オイル塗布ローラ梱包材としては、段ボー
ル紙、各種樹脂、木材、金属、各種スポンジ等既存のも
のが全て使用できるが、オイル密閉部材と接着された樹
脂製のオイル塗布ローラ側面支持板、と段ボール紙製の
梱包材との複合体が好ましい。
【0050】また、オイル密閉部材とオイル塗布ローラ
支持部材は一体成型されていても良い。
【0051】本発明による第三の塗布ローラは上記の構
成により以下のような作用を有する。
【0052】オイル保持層、オイル透過制御層等は第一
のローラと同等であり、均一な塗布量で寿命の長い塗布
が可能な塗布ローラである。さらに保存時においては端
部がオイル密閉部材で密閉されているためオイル漏れが
発生せず、使用時に梱包材と連結したオイル密閉部材に
設けられた穴開け突起を、オイル塗布ローラを梱包材か
ら取り出すと同時に折り欠くことにより穴が空き、蒸気
圧を逃がすことが可能となる。
【0053】本発明による第四のオイル塗布ローラは、
離型オイルを含有した空隙率が50%以上の肉厚多孔質
組織材からなるオイル保持層と、表面に多孔質繊維組織
材とシリコーンゴム及び離型オイルの混合物との複合体
からなるオイル透過制御層と、ローラ端部にオイル密閉
部材と、すくなくともいずれか一方の前記オイル密閉部
材上に通気孔と、通気孔上に通気孔密閉部材と、オイル
塗布ローラ梱包材とを有するオイル塗布ローラであっ
て、前記通気孔密閉部材が塗布ローラ梱包材と連結して
おり、前記塗布ローラ梱包材から前記オイル塗布ローラ
を取り出すと同時に前記通気孔密閉部材が前記通気孔か
ら取り除かれることを特徴とする構成である。
【0054】ここで、離型オイル、オイル保持層、オイ
ル透過制御層、オイル塗布ローラ梱包材の構成要素は前
述の第三のオイル塗布ローラと同様であるため、ここで
は説明を省略する。
【0055】本発明のオイル密閉部材は、保持されるオ
イルに侵されず、使用温度に耐えるもので有れば耐熱性
樹脂、各種金属等、いずれの材質でも使用可能である
が、コストと成型性の高さからポリフェニレンサルファ
イド(PPS)が好ましい。
【0056】通気孔密閉部材は、通気孔上を塞ぐ構造の
フィルム、又は通気孔内を密閉する構造のスポンジ、ゴ
ム等各種部材が使用可能であるが、構成の簡便さ、梱包
材と一体化の容易さから各種高分子粘着性フィルムが好
ましい。
【0057】また、通気孔密閉部材は、オイル漏れ防止
のためオイル塗布ローラの周上に巻き付けられたフィル
ムと一体になっており、端部がオイル塗布ローラ梱包材
に固定されている構造でも良い。
【0058】本発明による第四の塗布ローラは上記の構
成により以下のような作用を有する。
【0059】オイル保持層、オイル透過制御層等は第一
のローラと同等であり、均一な塗布量で寿命の長い塗布
が可能な塗布ローラである。さらに保存時においては端
部がオイル密閉部材で密閉されているためオイル漏れが
発生せず、使用時に梱包材と連結したオイル密閉部材が
オイル塗布ローラを梱包材から取り出すと同時に取り除
かれ、蒸気圧を逃がすことが可能となる。
【0060】(実施の形態1)図1に本発明に係るオイ
ル塗布ローラの一実施例の正面図、図2に本発明に係る
オイル塗布ローラの一実施例の側面図を示す。内径6m
m、肉厚0.6mm、長さ240mmのアルミ製中空パ
イプ4の中心から20mmの範囲内に直径1mmの通気
孔5を10カ所開けたものを用意し、内径6mm、外形
17mmの円柱状に切り出した空隙率82%のメラミン
フォーム3(商品名バソテクト:BASF社製)に突き
刺し、シリコーン系接着剤で固定した。その上にシリコ
ーン系接着剤により、厚さ2mm、幅30mmのノメッ
クスフェルトをテープ上に切り出したものを螺旋状に巻
き付け接着することによりオイル拡散層2を形成した。
更にこの表面に、多孔質繊維組織材として、膜厚100
μm、空隙率75%、平均孔径0.2μmの延伸多孔質
PTFEフィルム(商品名ゴアテックス:ジャパンゴア
テックス社製)をその表面にシリコーン系接着剤をドッ
ト状に塗布し、これにより海苔巻き状に巻き付け接着し
た後、更にこの延伸多孔質フィルムに、シリコーンゴム
(KE106:信越化学社製)80%、シリコーンオイ
ル(KF96:信越化学社製)20%の割合で混合した
ものを含浸し過剰分を掻き落とした後、150℃で40
分間加熱して架橋することによりオイル透過制御層1な
る複合膜を形成した。その後、フルオロシリコーンオイ
ル(FS1265:東レダウコーニング社製)を上記メ
ラミンフォームの端部から注入した後、耐熱性樹脂で端
部を密閉し、遠心力を作用させ、均一に分布させた。
【0061】上記で作製したオイル塗布ローラを、垂直
に保存したところ、1週間たってもオイル漏れは確認で
きなかった。また、トナー像定着部の加熱定着ロールの
表面温度が180℃であり、複写速度が5枚/分のカラ
ープリンタに取り付けてオイル塗布性能を確認したとこ
ろ、初期オイル塗布量は2mg(A4一枚あたり)であ
って、2万枚後の寿命末期の塗布量も1.5mgと安定
していた。
【0062】(実施の形態2)図3に本発明に係るオイ
ル塗布ローラの一実施例の正面図、図4に本発明に係る
オイル塗布ローラの一実施例の側面図を示す。外形17
mmの円柱状に切り出した空隙率82%のメラミンフォ
ーム3(商品名バソテクト:BASF社製)に、直径6
mmの鉄心7を挿入融着した。オイル密閉部材6は厚さ
1mm、外径17mm、内径6mmのドーナツ形状した
アルミニウム板を用いた。オイル密閉部材上に直径2m
mの通気孔5を4カ所作製し、融点が83℃のカルナウ
バワックスで通気孔5を密閉したオイル密閉部材6を用
いた以外は、実施の形態1と同様にして図3に示すオイ
ル塗布ローラを得た。
【0063】上記で作製したオイル塗布ローラを、垂直
に保存したところ、1週間たってもオイル漏れは確認で
きなかった。また、トナー像定着部の加熱定着ロールの
表面温度が180℃であり、複写速度が5枚/分のカラ
ープリンタに取り付けてオイル塗布性能を確認したとこ
ろ、加熱定着ロールの昇温過程で通気孔内のカルナウバ
ワックスが溶融し通気孔が開放したことが確認された。
【0064】初期オイル塗布量は2mg(A4一枚あた
り)であって、2万枚後の寿命末期の塗布量も1.5m
gと安定していた。
【0065】(実施の形態3)図5,6に本発明に係る
オイル塗布ローラの一実施例の図を示す。オイル密閉部
材6に、厚さ1mm、外径17mm、内径6mmのドー
ナツ形状であり、片面に、直径2mm、深さ0.7mm
の凹部を設け、その凹部に相対する反対側に直径1.8
mm、高さ5mmの穴開け突起8を設けたポリフェニレ
ンサルファイドを用いた以外は実施の形態1と同様にし
て図6に示すオイル塗布ローラを得た。
【0066】次に樹脂製のオイル塗布ローラ側面支持板
10と穴開け突起8を接着し、オイル塗布ローラ側面支
持板10を挟み込む形で段ボール製のオイル塗布ローラ
梱包材9を作製した。
【0067】上記で作製したオイル塗布ローラおよび梱
包材を、垂直に保存したところ、1週間たってもオイル
漏れは確認できなかった。また、梱包材からオイル塗布
ローラを取り出す際、オイル塗布ローラ側面支持板を取
り外すため力を加えたところ、穴開け突起が折れ、蒸気
圧を逃がすための通気孔が開放したことが確認された。
【0068】初期オイル塗布量は2mg(A4一枚あた
り)であって、2万枚後の寿命末期の塗布量も1.5m
gと安定していた。
【0069】(実施の形態4)図7に本発明に係るオイ
ル塗布ローラの一実施例の図を示す。オイル密閉部材6
に、厚さ1mm、外径17mm、内径6mmのドーナツ
形状であり、直径2mmの通気孔12を有するポリフェ
ニレンサルファイドを用いた以外は実施の形態6と同様
にして図7に示すオイル塗布ローラを得た。
【0070】次に通気孔密閉部材11として粘着性テー
プ(住友3M社製)を用い、その一方を通気孔12を塞
ぐように張り付け、もう一方をオイル塗布ローラ梱包材
9に固定した。
【0071】上記で作製したオイル塗布ローラおよび梱
包材を、垂直に保存したところ、1週間たってもオイル
漏れは確認できなかった。また、梱包材からオイル塗布
ローラを取り出したところ、通気孔密閉部材がオイル密
閉部材からはがれ、蒸気圧を逃がすための通気孔が開放
したことが確認された。
【0072】初期オイル塗布量は2mg(A4一枚あた
り)であって、2万枚後の寿命末期の塗布量も1.5m
gと安定していた。
【0073】(実施の形態5)オイル透過制御層を作製
する際、多孔質繊維組織材に、60wt%のカーボン
(VULCANXC−72:米国キャボット社製)を含
有した導電性延伸多孔質PTFEフィルム(膜厚70μ
m、空隙率81%、最大孔径0.6μm、体積抵抗率2
Ω・cm)を用いた以外は実施例4と同様にしてオイル
塗布ローラおよび梱包材を得た。
【0074】上記で作製したオイル塗布ローラおよび梱
包材を、垂直に保存したところ、1週間たってもオイル
漏れは確認できなかった。また、梱包材からオイル塗布
ローラを取り出したところ、通気孔密閉部材がオイル密
閉部材からはがれ、蒸気圧を逃がすための通気孔が開放
したことが確認された。また、オイル塗布ローラ梱包材
からオイル塗布ローラを取り出す際、静電気によりオイ
ル塗布ローラにゴミが付着する現象は見られなかった。
【0075】初期オイル塗布量は2.1mg(A4一枚
あたり)であって、2万枚後の寿命末期の塗布量も1.
6mgと安定していた。さらに、帯電によりトナー汚れ
がオイル塗布ローラに付着する現象も見られなかった。
【0076】(比較例1)実施の形態1において、軸に
中空でない鉄心を用いたこと以外は実施の形態1と同様
にしてオイル塗布ロールを作製し、定着器に装着して試
験したところ、昇温過程でオイル透過制御層である多孔
質PTFEフィルムが風船のように膨らみ伸びてしまっ
た。
【0077】(比較例2)実施の形態2において、オイ
ル密閉部材の通気孔になにも挿入しなかった以外は実施
の形態2と同様にしてオイル塗布ローラを作製した。こ
のオイル塗布ローラを立てて保存したところ即座にオイ
ル漏れが発生した。
【0078】(比較例3)実施の形態3において、オイ
ル密閉部材に穴開け突起を設けなかった以外は実施の形
態3と同様にしてオイル塗布ローラを作製し、定着器に
装着して試験したところ、昇温過程でオイル透過制御層
である多孔質PTFEフィルムが風船のように膨らみ伸
びてしまった。
【0079】(比較例4)実施の形態4において、通気
孔密閉部材をオイル塗布ローラ梱包材に固定しなかった
以外は実施の形態4と同様にしてオイル塗布ローラを作
製した。このオイル塗布ローラをオイル塗布ローラ梱包
材から取り出したところ、通気孔密閉部材がオイル塗布
ローラ梱包材に固定されていないため、通気孔密閉部材
は通気孔を塞いだままであった。この状態のオイル塗布
ローラを定着器に装着して試験したところ、昇温過程で
オイル透過制御層である多孔質PTFEフィルムが風船
のように膨らみ伸びてしまった。
【0080】
【発明の効果】以上のように、本発明のオイル塗布ロー
ラは、中空パイプからなる軸の周りに離型オイルを含有
した空隙率が50%以上の肉厚多孔質組織材からなるオ
イル保持層を有し、前記多孔質組織材表面に多孔質繊維
組織材とシリコーンゴム及び離型オイルの混合物との複
合体からなるオイル透過制御層を設け、ローラ端部を密
閉したオイル塗布ローラであって、前記中空パイプの長
軸方向の中心から端面までの距離をaとした際、前記中
空パイプにおける、端面から端面までの中心点から0〜
0.25aの範囲内にのみ孔径が0.1mmより大き
通気孔を有する構造となっているため、保存の際立て
ておいてもオイル漏れが発生せず、使用時において安定
した塗布量が得られる。
【0081】さらに本発明のオイル塗布ローラは離型オ
イルを含有した空隙率が50%以上の肉厚多孔質組織材
からなるオイル保持層と表面に多孔質繊維組織材とシリ
コーンゴム及び離型オイルの混合物との複合体からなる
オイル透過制御層とすくなくともいずれか一方の端部
、外気に面し、ローラ内部を外部に通じるための、
くなくとも一つ以上の,長辺が0.1mmより大きい
気孔を有するオイル塗布ローラであって、前記通気孔を
融点が60〜150℃の樹脂で密閉したことにより、未
使用時においては完全に密閉されているが、定着器に装
着し昇温することにより通気可能となり、安定したオイ
ル塗布が可能となる。
【0082】さらに、本発明のオイル塗布ローラは、離
型オイルを含有した空隙率が50%以上の肉厚多孔質組
織材からなるオイル保持層と、表面に多孔質繊維組織材
とシリコーンゴム及び離型オイルの混合物との複合体か
らなるオイル透過制御層と、ローラ端部にオイル密閉部
材と、を有し、すくなくともいずれか一方の前記オイル
密閉部材のオイル保持層側に凹部を設け、前記凹部に相
対する外側に穴開け突起を有する前記オイル密閉部材を
用いたオイル塗布ローラであって、前記オイル塗布ロー
ラは、前記穴開け突起がオイル塗布ローラ梱包材と連結
するように、前記オイル塗布ローラ梱包材に梱包され、
前記オイル塗布ローラ梱包材から前記オイル塗布ローラ
を取り出すと同時に前記穴開け突起が折り欠かれ穴が空
く構成により、保存時においてはオイル漏れを防ぎ、使
用のため梱包部材から取り出したときには穴開け突起が
折り欠かれ、通気が可能となり、離型オイルの安定した
塗布が可能となる。
【0083】さらに、本発明のオイル塗布ローラは、離
型オイルを含有した空隙率が50%以上の肉厚多孔質組
織材からなるオイル保持層と、表面に多孔質繊維組織材
とシリコーンゴム及び離型オイルの混合物との複合体か
らなるオイル透過制御層と、ローラ端部にオイル密閉部
材と、すくなくともいずれか一方の前記オイル密閉部材
上に通気孔と、通気孔上に通気孔密閉部材と、を有する
オイル塗布ローラであって、前記オイル塗布ローラは、
前記通気孔密閉部材がオイル塗布ローラ梱包材と連結
るように、前記オイル塗布ローラ梱包材に梱包され、
記塗布ローラ梱包材から前記オイル塗布ローラを取り出
すと同時に前記通気孔密閉部材が前記通気孔から取り除
かれる構成により、保存時においてはオイル漏れを防
ぎ、使用のため梱包部材から取り出したときには前記通
気孔密閉部材が取り除かれ通気が可能となり、離型オイ
ルの安定した塗布が可能となる。
【0084】更に本発明のオイル塗布ローラは、多孔質
繊維組織材がその肉質部または空隙組織のいずれか一方
又は双方に導電性物質を保有する構成により、保存時や
使用時における帯電を防止し、オイル塗布ローラ表面に
トナー等の汚れが付着することを防止することが出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のオイル塗布ローラの正
面図
【図2】本発明の実施の形態2のオイル塗布ローラの側
面図
【図3】本発明の実施の形態2のオイル塗布ローラの正
面図
【図4】本発明の実施の形態2のオイル塗布ローラの側
面図
【図5】本発明の実施の形態3のオイル密閉部材の側面
【図6】本発明の実施の形態3のオイル塗布ローラ梱包
部材の正面図
【図7】本発明の実施の形態4のオイル塗布ローラ梱包
部材の正面図
【符号の説明】
1 オイル透過制御層 2 オイル拡散層 3 オイル保持層 4 中空パイプ 5,12 通気孔 6 オイル密閉部材 7 鉄心 8 穴開け突起 9 梱包部材 10 オイル塗布ローラ側面支持板 11 通気孔密閉部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−297427(JP,A) 特開 平4−273277(JP,A) 特開 平8−50423(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 13/20 G03G 15/00 550 G03G 15/20 G03G 21/16 - 21/18

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円柱状からなる軸芯と、離型オイルを含
    有した空隙率が50%以上の肉厚多孔質組織材からなる
    オイル保持層と、多孔質繊維組織材とシリコーンゴム及
    び離型オイルの混合物との複合体からなるオイル透過制
    御層とを有し、ローラ端部を密閉したオイル塗布ローラ
    であって、 前記軸芯が、端面が開放されている中空パイプからな
    り、 中空パイプの端面から端面までの距離をaとした際、
    記中空パイプにおける、端面から端面までの中心点から
    0〜0.25aの距離内にのみ、少なくとも一つ以上
    ,孔径が0.1mmより大きい通気孔を有することを
    特徴とするオイル塗布ローラ。
  2. 【請求項2】 離型オイルを含有した空隙率が50%以
    上の肉厚多孔質組織材からなるオイル保持層と、 表面に多孔質繊維組織材とシリコーンゴム及び離型オイ
    ルの混合物との複合体からなるオイル透過制御層と、 すくなくともいずれか一方の端部に、外気に面し、ロー
    ラ内部を外部に通じるための、すくなくとも一つ以上
    の,長辺が0.1mmより大きい通気孔を有し、前記通
    気孔を融点が60〜150℃の樹脂で密閉したことを特
    徴とするオイル塗布ローラ。
  3. 【請求項3】 離型オイルを含有した空隙率が50%以
    上の肉厚多孔質組織材からなるオイル保持層と、表面に
    多孔質繊維組織材とシリコーンゴム及び離型オイルの混
    合物との複合体からなるオイル透過制御層と、ローラ端
    部にオイル密閉部材と、を有し、すくなくともいずれか
    一方の前記オイル密閉部材のオイル保持層側に凹部を設
    け、前記凹部に相対する外側に穴開け突起を有する前記
    オイル密閉部材を用いたオイル塗布ローラであって、前記オイル塗布ローラは、 前記穴開け突起がオイル塗布
    ローラ梱包材と連結するように、前記オイル塗布ローラ
    梱包材に梱包され、 前記オイル塗布ローラ梱包材から前記オイル塗布ローラ
    を取り出すと同時に前記穴開け突起が折り欠かれ穴が空
    くことを特徴とするオイル塗布ローラ。
  4. 【請求項4】 離型オイルを含有した空隙率が50%以
    上の肉厚多孔質組織材からなるオイル保持層と、表面に
    多孔質繊維組織材とシリコーンゴム及び離型オイルの混
    合物との複合体からなるオイル透過制御層と、ローラ端
    部にオイル密閉部材と、を有し、すくなくともいずれか
    一方の前記オイル密閉部材のオイル保持層側に凹部を設
    け、前記凹部に相対する外側に穴開け突起を有する前記
    オイル密閉部材を用いたオイル塗布ローラを梱包する
    イル塗布ローラ梱包材であって、前記オイル塗布ローラを、前記穴開け突起を連結させる
    ことにより、梱包するとともに、 前記オイル塗布ローラを取り出すと同時に前記穴開け突
    起が折り欠かれ穴が空くように、前記オイル塗布ローラ
    を梱包することを特徴とするオイル塗布ローラ梱包材。
  5. 【請求項5】 離型オイルを含有した空隙率が50%以
    上の肉厚多孔質組織材からなるオイル保持層と、表面に
    多孔質繊維組織材とシリコーンゴム及び離型オイルの混
    合物との複合体からなるオイル透過制御層と、ローラ端
    部にオイル密閉部材と、すくなくともいずれか一方の前
    記オイル密閉部材上に通気孔と、通気孔上に通気孔密閉
    部材と、を有するオイル塗布ローラであって、前記オイル塗布ローラは、 前記通気孔密閉部材がオイル
    塗布ローラ梱包材と連結するように、前記オイル塗布ロ
    ーラ梱包材に梱包され、 前記塗布ローラ梱包材から前記オイル塗布ローラを取り
    出すと同時に前記通気孔密閉部材が前記通気孔から取り
    除かれることを特徴としたオイル塗布ローラ。
  6. 【請求項6】 離型オイルを含有した空隙率が50%以
    上の肉厚多孔質組織材からなるオイル保持層と、表面に
    多孔質繊維組織材とシリコーンゴム及び離型オイルの混
    合物との複合体からなるオイル透過制御層と、ローラ端
    部にオイル密閉部材と、すくなくともいずれか一方の前
    記オイル密閉部材上に通気孔と、通気孔上に通気孔密閉
    部材と、を有するオイル塗布ローラを梱包するオイル塗
    布ローラ梱包材であって、前記オイル塗布ローラを、前記通気孔密閉部材を連結さ
    せることにより、梱包するとともに、 前記オイル塗布ローラを取り出すと同時に前記通気孔密
    閉部材が前記通気孔から取り除かれるように、前記オイ
    ル塗布ローラを梱包することを特徴とするオイル塗布ロ
    ーラ梱包材。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、5または7記載のオ
    イル塗布ローラであって、多孔質繊維組織材がその肉質
    部または空隙組織のいずれか一方又は双方に導電性物質
    を保有することを特徴とするオイル塗布ローラ。
  8. 【請求項8】 前記オイル塗布ローラは、多孔質繊維組
    織材がその肉質部または空隙組織のいずれか一方又は双
    方に導電性物質を保有することを特徴とする請求項4ま
    たは6記載のオイル塗布ローラ梱包材。
  9. 【請求項9】 円柱状からなる軸芯と、離型オイルを含
    有したオイル保持層と、オイル透過制御層とを有し、ロ
    ーラ端部を密閉したオイル塗布ローラであって、 前記軸芯が、端面が開放されている中空パイプからな
    り、 中空パイプの端面から端面までの距離をaとした際、前
    記中空パイプにおける、端面から端面までの中心点から
    0〜0.25aの距離内にのみ、少なくとも一つ以上
    の,孔径が0.1mmより大きい通気孔を有することを
    特徴とするオイル塗布ローラ。
  10. 【請求項10】 離型オイルを含有したオイル保持層
    と、オイル透過制御層と、 すくなくともいずれか一方の端部に、外気に面し、ロー
    ラ内部を外部に通じるための、すくなくとも一つ以上
    の,長辺が0.1mmより大きい通気孔を有し、前記通
    気孔を融点が60〜150℃の樹脂で密閉したことを特
    徴とするオイル塗布ローラ。
  11. 【請求項11】 離型オイルを含有したオイル保持層
    と、オイル透過制御層と、ローラ端部にオイル密閉部材
    と、を有し、すくなくともいずれか一方の前記オイル密
    閉部材のオイル保持層側に凹部を設け、前記凹部に相対
    する外側に穴開け突起を有する前記オイル密閉部材を用
    いたオイル塗布ローラであって、 前記オイル塗布ローラは、前記穴開け突起がオイル塗布
    ローラ梱包材と連結するように、前記オイル塗布ローラ
    梱包材に梱包され、 前記オイル塗布ローラ梱包材から前記オイル塗布ローラ
    を取り出すと同時に前記穴開け突起が折り欠かれ穴が空
    くことを特徴とするオイル塗布ローラ。
  12. 【請求項12】 離型オイルを含有したオイル保持層
    と、オイル透過制御層と、ローラ端部にオイル密閉部材
    と、すくなくともいずれか一方の前記オイル密閉部材上
    に通気孔と、通気孔上に通気孔密閉部材と、を有するオ
    イル塗布ローラであって、 前記オイル塗布ローラは、前記通気孔密閉部材がオイル
    塗布ローラ梱包材と連結するように、前記オイル塗布ロ
    ーラ梱包材に梱包され、 前記塗布ローラ梱包材から前記オイル塗布ローラを取り
    出すと同時に前記通気孔密閉部材が前記通気孔から取り
    除かれることを特徴としたオイル塗布ローラ。
  13. 【請求項13】前記通気孔は、0.2mm以上であって
    5mm以下の開口であることを特徴とする請求項1〜
    3、5、7、9〜12のいずれかに記載のオイル塗布ロ
    ーラ。
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