JP3945534B2 - 転写用ベルトおよび画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機やプリンタ等の電子写真方式を用いた画像形成装置の転写用ベルトおよび前記転写ベルトを備えた画像形成装置に関し、特に、複数のロール間に張架されて回転し、ベルト外周面にトナー像や用紙等を保持して搬送する無端状の転写用ベルトおよび画像形成装置に関する。
この種の画像形成装置としては、例えば、中間転写ベルトを使用した中間転写方式のカラー画像形成装置がある。これは、電子写真プロセス等によりトナー像が形成される像担持体(例えば感光体ドラム)の転写部で接触して回転するような中間転写ベルトを複数のロール間に張架して配設したものであり、その像担持体上に形成される複数のトナー像を一旦中間転写ベルトの同じ位置に重ねあわせるように一次転写した後、その中間転写ベルト上に転写されたトナー像を用紙に一括して転写するものである。そして、用紙上に転写された多重のトナー像は、その後定着装置により定着されてカラー画像となる。
この他、転写用ベルトを備えた画像形成装置としては、用紙を担持して複数の画像形成ユニットの転写部を通過させるように搬送する用紙搬送ベルトを使用した、いわゆるタンデムタイプのカラー画像形成装置もある。これは、各色成分のトナー像を個々に形成するため画像形成ユニットを複数並べて配置し、その各画像形成ユニットの転写部で接触して回転するように用紙搬送ベルトを複数のロール間に張架して配設したものであり、その用紙搬送ベルトに吸着して担持した用紙を各画像形成ユニットの転写部を通過させるように搬送することにより、各画像形成ユニットで形成される各トナー像を同じ用紙に順次重ねあわせるように転写し、最後に定着させてカラー画像とするものである。
ところで、このような中間転写ベルトや用紙搬送ベルト等の転写用ベルトを使用したカラー画像形成装置では、その転写用ベルトを張架支持する複数のロールの回転軸の平行度やロール外径がばらつくことや、その転写用ベルト自体の周長変化により張力が不均一となること等が原因となって、転写用ベルトが直進走行せず、ロールの軸方向に変位した状態で走行する、いわゆる片寄り走行や蛇行が発生することがある。このため、その転写用ベルトに直接又は転写用ベルトに担持された用紙に順次転写される各トナー像の位置がずれてしまうことがあり、この場合には、最終的には用紙上に形成されるカラー画像に色ずれや色相変化等がおこる画像欠陥が発生するという不具合がある。
そこで、従来、このような転写用ベルトの片寄り走行や蛇行を防止する対策して、例えば次の方法が提案されている。
(1)駆動ロールにフランジを配設する方法(特開昭58−100145号公報)
(2)ベルトの端部にゴム部材のガイドを設ける方法(特開平5−333707号公報)
(3)ホットメルト型接着テープあるいは感圧性接着性シートでベルトの両端にガイドを接着する方法(特開昭59−230950号公報,特開昭62−50873号公報)
(4)ガイドとして、エラストマーを接着した補強テープを接着する方法(特開平4−333457号公報、特開平7−187435号公報)
図6は、特開平2−27383号公報に記載された従来の画像形成装置の転写用ベルトおよびリブの説明図で、図6Aはベルトの駆動ロールに支持されている部分を示す図、図6Bは前記図6Aの要部拡大図である。
図6において、タンデムタイプのカラー画像形成装置における用紙搬送ベルト100を支持する複数のロールのうち駆動ロール102に案内溝103を形成するとともに、その転写用ベルト100の内周面であって前記案内溝103に対応する位置に誘導リブ104を形成し、しかも、そのリブ104をベルト100の摩擦係数より小さい材質にて形成している。
図7は、特開平5−333707号公報に記載された従来の画像形成装置の転写用ベルトおよびリブの説明図で、図7Aは駆動ロールに支持されているベルト部分を示す図、図7Bは前記図7Aの要部拡大図である。
図7において、中間転写ベルト200の一側端に寄りガイド具202を配設し、この寄りガイド具202をロール203の一側端との間で挟み込み圧接して挟持する寄りガイド規制部材204を設けた画像形成装置が提案されている。図中の205はスプリングである。
特開昭58−100145号公報 特開平5−333707号公報 特開昭59−230950号公報 特開昭62−50873号公報 特開平4−333457号公報 特開平7−187435号公報 特開平2−27383号公報
しかしながら、これらの画像形成装置においては次のような問題がある。
(1)駆動ロールにフランジを配設する方法は、フランジ部に転写用ベルトが乗り上げて転写用ベルトが破損する。
(2)転写用ベルトの端部にゴム部材のガイドを設ける方法は、駆動時にゴム部材が、駆動ロールに乗り上げてしまうなどの問題がある。
(3)ホットメルト型接着テープでベルトの両端にガイドを接着する方法は、ホットメルト型接着剤は、120℃以上に溶融して接着するため、耐熱性のある転写用ベルト、耐熱性のあるガイド部材でなければ使えない。
(4)室温にてあらかじめ感圧性接着テープをシート状プラスチックに貼って、ガイドとする方法は、ガイドの幅が数mmと狭いため、ガイドとベルトとの接着強度不十分となり、ガイドの耐久性に問題がある。
(5)ガイドとして、エラストマーを接着した補強テープを接着する方法は、エラストマーに補強テープを接着して、更にエラストマーを接着した補強テープをベルトに接着するために作業が煩雑であり、コストが割高である。また、接着剤として、アクリル系樹脂粘着剤を用いており、転写用ベルトとの接着強度が不十分であり、耐久性に問題を有するなどの問題がある。
(6)前記図6、図7に示す駆動ロールに案内溝を設ける方法では、各ベルト100、200は、そのリブ104やガイド具202がロールの案内溝103やロール203の側面と規制部材204の間にはめ込まれて係合されることにより、ロール軸方向への移動が規制されて片寄り走行や蛇行の発生が防止されるものである。しかし、そのリブ104やガイド具202が案内溝103の側壁面103aに直接当接することになっている関係上、ベルト100、200がロールの軸方向へ移動しようとする寄り力が発生すると、その寄り力に抗して発生する同じ強度の反力(応力)がリブ104やガイド具202に直接かかることとなる。
このため、このような状態が長期間続くことになり、図6Bや図7Bに示すように、そのリブ104やガイド具202とベルト100、200との境界部(接着面を含む)αに負荷が集中的にかかり、この応力が集中した部分αにクラック等が発生して、そのリブや規制部材がベルトから剥がれたり、あるいは、ベルト自体が歪んだり破断してしまう。最終的には、その各ベルト100、200そのものが使用できなくなるという問題がある。
このような問題は、前記した中間転写ベルト100や用紙搬送ベルト200が一般的に0.3mm以下というきわめて薄いものであることにも起因して発生し易くなるという傾向がある。
この他にも、各ベルト100、200は、そのリブ104やガイド具202そのものの歪みやベルトへの固着の歪みがあると、その歪みによる微小な蛇行が発生し易くなるという問題がある。また、そのリブ104やガイド202の寸法精度が悪かったり摩耗により変形があること、ベルトのロール間への張架により生じる周方向(搬送方向)の張力によってベルト端部側がリブ104やガイド具202との境界線αにおいて下方側にわずかに折れ曲がった状態になること等により、リブ104やガイド具202が案内溝103等から外れてロール102、203に乗り上げてしまうという問題もある。
更に、案内溝103の溝深さが深く、その案内溝103の底面とリブ104の下面部との間にすき間がある場合などにも、ベルト100がリブ104の重みにより案内溝103の内部側に撓む状態に折れ曲がり、この場合にも、前記したようなリブのロール上への乗り上げが発生することがある。
従って、この従来の対策手段では、転写用ベルトの片寄り走行や蛇行を長期にわたって確実に防止する観点からすると未だ不十分なものであり、改善の余地を残すものであった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、次の記載内容を課題とする。
(O01)複数のロールに張架されて回転し、ベルト外周面に少なくともトナー像又は用紙を保持して搬送する転写用ベルトにおいて、その転写用ベルトの片寄り走行や蛇行を、転写用ベルトの寿命低下を招くことなく、長期にわたって簡単にかつ確実に防止すること。
次に、前記課題を解決した本発明を説明するが、本発明の要素には、後述の実施例の要素との対応を容易にするため、実施例の要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。なお、本発明を後述の実施例の符号と対応させて説明する理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明の範囲を実施例に限定するためではない。
(本発明)
前記課題を解決するために、本発明の転写用ベルトは、次の要件(A01)〜(A04)を備えたことを特徴とする、
(A01)複数のベルト支持ロール(Rd,Rt,Rw,Rf,T2a)により回転可能に支持され且つ外側面にトナー像が転写されるシート(S)を担持するシート担持面またはトナー像が形成されるトナー像担持面を有する、導電性分散のポリイミド樹脂ベルトにより構成されたベルト本体(B1)、
(A02)前記ベルト本体(B1)の幅方向の側縁に沿って少なくとも片側の内側面に、接着剤のみを介して、弾性を有する一液性の常温硬化型の接着剤により接着されたリブ(B2)、
(A03)ウレタン樹脂からなる前記リブ(B2)、
(A04)変性シリコンポリマーもしくは変性シリル基含有エポキシ樹脂を含有する前記接着剤。
前記本発明において、前記「トナー像担持面を有するベルト本体」とは次の意味を含む。
(1)一様に帯電された感光体ベルト表面に形成された静電潜像がトナー像に現像される前記感光体ベルトのベルト本体。
(2)感光体表面からトナー像が一次転写される中間転写ベルトのベルト本体。
(本発明の作用)
前記構成を備えた本発明の転写用ベルトでは、複数のベルト支持ロール(Rd,Rt,Rw,Rf,T2a)により回転可能に支持されたベルト本体(B1)は、導電性分散のポリイミド樹脂ベルトにより構成され、シート担持面またはトナー像担持面を有する。前記ベルト本体(B1)は、シート担持面を有する場合はトナー像が転写されるシート(S)を担持して搬送し、トナー像担持面を有する場合は前記トナー像担持面に形成されたトナー像を搬送する。
前記ベルト本体(B1)の幅方向の側縁に沿って少なくとも片側の内側面には、ウレタン樹脂からなるリブ(B2)が、接着剤のみを介して、接着剤により接着される。前記接着剤としては、変性シリコンポリマーもしくは変性シリル基含有エポキシ樹脂を含有し、弾性を有する一液性の常温硬化型の接着剤が使用される。
前記ベルト(B1)がロールの軸方向へ移動しようとする寄り力が発生すると、その寄り力に抗して発生する同じ強度の反力(応力)がリブ(B2)に直接かかることとなる。この応力をリブ(B2)内である程度分散吸収することができるという観点から、リブ(B2)は、JIS硬度60°から90°の弾性部材であることが望ましく、好ましくは、JIS硬度60°から80°である。
さらに、前記応力は、リブ(B2)とベルト本体(B1)との境界部(接着面を含む)α(図6B、図7B参照)に負荷が集中的にかかっている。この負荷が集中的にかかっている接着面に弾性を有する接着剤を用いることによって、この応力を接着部材内である程度分散吸収することよって、リブ(B2)がベルト本体(B1)から剥がれたりする問題がなくなる。
前記弾性を有する接着剤として、ホットメルト型の接着剤としては、ソニーケミカル(株)製のポリエステル系熱可塑性接着剤D3600,デュポン(株)製アクリル系熱硬化性接着剤パイララックスFR0100,ダイセル化学(株)製ウレタン系接着剤サーモライト6501をあげることができるが、ホットメルト型の接着剤は、120℃以上に加熱する必要があり、リブ材料、ベルト材料に耐熱性が求められる。また、二液性の接着剤としては、コニシボンド(株)製の特殊変成シリコンエポキシ接着剤のMOS7、MOS1010をあげることができるが、作業性の観点から、一液性の常温硬化型の接着剤の方が優れている。
したがって、本発明では、一液性の常温硬化型の接着剤を使用する。
一液性の常温硬化型の弾性を有する接着剤としては、コニシ(株)製の特殊変成シリコンポリマーを主成分とするサイレックス100、セメダイン(株)の特殊変成シリル基含有エポキシ樹脂を主成分とするスーパーXNo.8008をあげることができる。
(実施の形態1)
本発明の転写用ベルトの実施の形態1は、前記本発明において下記の要件(A05)を備えたことを特徴とする、
(A05)一液性の常温硬化型の変性エポキシ樹脂接着剤を用いた前記弾性を有する接着剤。
(実施の形態1の作用)
前記構成を備えた本発明の転写用ベルトの実施の形態で1は、前記弾性を有する接着剤として、一液性の常温硬化型の変性エポキシ樹脂接着剤を用いる。前記変性エポキシ樹脂接着剤は、弾性の無いエポキシ樹脂接着剤と異なり、変成処理により弾性を有し、且つ高接着強度が得られる。弾性を有する高接着強度の変成エポキシ樹脂接着剤を用いることで、ベルト駆動時にリブの剥がれが生じなくなる。
(実施の形態2)
本発明の転写用ベルトの実施の形態2は、前記本発明または本発明の実施の形態1において下記の要件(A06)を備えたことを特徴とする、
(A06)接着された前記ベルト本体(B1)およびリブ(B2)の一方の端部を剥離させて固定し、他方の部材を50mm/minの引張速度で引張ってT字型に引き裂いた時の力をP1(N)とし、前記ベルト本体(B1)およびリブ(B2)の接着幅をW1(mm)としたときのT型剥離強度(P1/W1)(N/mm)が(P1/W1)=4/5(N/mm)以上ある前記接着剤。
(実施の形態2の作用)
前記構成を備えた本発明の転写用ベルトの実施の形態2では、接着された前記ベルト本体(B1)およびリブ(B2)の一方の端部を剥離させて固定し、他方の部材を50mm/minの引張速度で引張ってT字型に引き裂いた時の力をP1(N)とし、前記ベルト本体(B1)およびリブ(B2)の接着幅をW1(mm)としたときのT型剥離強度(P1/W1)(N/mm)が(P1/W1)=4/5(N/mm)以上ある接着剤を使用する。前記ベルト本体(B1)とリブ(B2)とのT型剥離強度を4N/5(N/mm)以上とすることによって、リブ(B2)に直接かかる応力に対して、リブ(B2)がベルト本体(B1)から剥がれたりする問題がなくなる。
(実施の形態3)
本発明の転写用ベルトの実施の形態3は、前記本発明または本発明の実施の形態2において下記の要件(A07)を備えたことを特徴とする、
(A07)前記ベルト本体(B1)およびリブ(B2)を、前記リブ(B2)の延びる方向の幅で30mmに切断し、ベルト固定部材(3)により前記リブ(B2)を固定して前記ベルト本体(B1)の担持面に沿って前記リブ(B2)が延びる方向と垂直な方向に10mm/minの引張速度で前記ベルト本体(B1)を引っ張り、そのときの前記ベルト本体(B1)とリブ(B2)とが剥離したときの力をP2(N)とし、前記ベルト固定部材(3)により固定された前記リブ(B2)の部分の幅をW2(mm)としたときのスラスト剥離強度(P2/W2)(N/mm)が50/10(N/mm)以上ある前記接着剤。
(実施の形態3の作用)
前記構成を備えた本発明の転写用ベルトの実施の形態3では、前記ベルト本体(B1)およびリブ(B2)を、前記リブ(B2)の延びる方向の幅で30mmに切断し、ベルト固定部材(3)により前記リブ(B2)を固定して前記ベルト本体(B1)の担持面に沿って前記リブ(B2)が延びる方向と垂直な方向に10mm/minの引張速度で前記ベルト本体(B1)を引っ張り、そのときの前記ベルト本体(B1)とリブ(B2)とが剥離したときの力をP2(N)とし、前記ベルト固定部材(3)により固定された前記リブ(B2)の部分の幅をW2(mm)としたときのスラスト剥離強度(P2/W2)(N/mm)が50/10(N/mm)以上ある接着剤を使用する。前記スラスト剥離強度を50/10(N/mm)とすることによって、リブ(B2)に直接かかる応力に対して、リブ(B2)がベルト本体(B1)から剥がれたりする問題がなくなる。
(実施の形態4)
本発明の転写用ベルトの実施の形態4は、前記本発明または本発明の実施の形態2もしくは2において下記の要件(A08)を備えたことを特徴とする、
(A08)ヤング率30000kg/cm2以上の樹脂材料により構成された前記ベルト本体(B1)。
(実施の形態4の作用)
前記構成を備えた本発明の転写用ベルトの実施の形態4では、ベルト本体(B1)として、ヤング率30000kg/cm2以上の樹脂材料を用いる、従来のヤング率が、24000kg/cm2ポリカーボネイト,18000kg/cm2のETFE(エチレンテトラフロロエチレン共重合体)熱可塑性樹脂材料を用いた場合に発生した転写用ベルトのロール間への張架により生じる周方向の張力によってベルト端部側がリブ(B2)との境界線α(図6B、図7B参照)において下方側にわずかに折れ曲がった状態になることを防止して、リブ(B2)がロールを乗り上げてしまうという問題が少なくなる。
(実施の形態5)
本発明の転写用ベルトの実施の形態4は、前記本発明または本発明の実施の形態2ないし4のいずれかにおいて下記の要件(A09)を備えたことを特徴とする、
(A09)ポリピロメリット酸イミド系、ポリビフェニルテトラカルボン酸イミド系、ポリベンゾフェノンテトラカルボン酸イミド系のいずれかである前記ポリイミド樹脂
(実施の形態5の作用)
前記構成を備えた本発明の転写用ベルトの実施の形態4では、ベルト本体は導電剤分散のポリイミド樹脂は、ポリピロメリット酸イミド系、ポリビフェニルテトラカルボン酸イミド系、ポリベンゾフェノンテトラカルボン酸イミド系のいずれかで構成される。
ヤング率30000kg/cm2以上の樹脂材料として、ポリイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などをあげることができるが、特に高ヤング率の樹脂材料であるポリイミド樹脂材料がベルト材料としては、好ましい。ポリイミド樹脂材料としては、DuPont(株)のカプトンHAなどのポリピロメリット酸イミド系のイミド樹脂材料、宇部興産(株)のユーピレックスSなどのポリビフェニルテトラカルボン酸イミド系樹脂材料、宇部興産(株)のユーピレックスR、三井東圧化学工業(株)のLARC−TPI(熱可塑性ポリイミド樹脂)などのポリベンゾフェノンテトラカルボン酸イミド系樹脂材料などをあげることができ、いずれも、ヤング率35000kg/cm2以上である。
例えば、宇部興産(株)のユーピレックスSなどのポリビフェニルテトラカルボン酸イミド系樹脂材料にカーボンブラックを分散した場合のヤング率は、62000kg/cm2であり、ベルト基材の厚み70μmから100μmでベルト基材としての機械特性を満足することができる。また、転写用ベルトとしては、1×109Ωcmから1×1014Ωcmの範囲に体積抵抗率を制御するために必要に応じて、導電剤として、カーボンブラック、グラファイト、アルミニュウム、銅合金などの金属または合金、酸化錫、酸化亜鉛、チタン酸カリム、酸化錫−酸化インジウムまたは酸化錫−酸化アンチモン複合酸化物などの金属酸化物などの1種または2種以上の微粉末が用いられる。中でも、導電剤としては、コストの点でカーボンブラックが好適である。
(第2発明)
前記課題を解決するために、第2発明の画像形成装置は、
像担持体(PR)と、
前記像担持体(PR)表面を帯電させる帯電器(CR)と、
前記像担持体(PR)表面に潜像を書き込む潜像書込装置(ROS)と、
前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置(D)と、
前記像担持体(PR)表面のトナー像が転写される転写ベルト(B)と、
前記転写ベルト(B)表面のトナー像を記録媒体(S)に転写させる転写器(T2)と、
前記トナー像を記録媒体(S)に加熱定着させる定着装置(F)と、
を有し、次の要件(A01)〜(A04)を備えた転写用ベルト(B)を備えることを特徴とする。
(A01)複数のベルト支持ロール(Rd,Rt,Rw,Rf,T2a)により回転可能に支持され且つ外側面にトナー像が転写されるシート(S)を担持するシート担持面またはトナー像が形成されるトナー像担持面を有する、導電性分散のポリイミド樹脂ベルトにより構成されたベルト本体(B1)、
(A02)前記ベルト本体(B1)の幅方向の側縁に沿って少なくとも片側の内側面に、接着剤のみを介して、弾性を有する一液性の常温硬化型の接着剤により接着されたリブ(B2)、
(A03)ウレタン樹脂からなる前記リブ(B2)、
(A04)変性シリコンポリマーもしくは変性シリル基含有エポキシ樹脂を含有する前記接着剤。
(本発明の作用)
前記構成を備えた本発明の画像形成装置では、帯電器(CR)により帯電された前記像担持体(PR)表面には、潜像書込装置(ROS)により潜像が書き込まれる。現像装置(D)は、前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する。転写ベルト(B)には、前記像担持体(PR)表面のトナー像が転写される。転写器(T2)は、前記転写ベルト(B)表面のトナー像を記録媒体(S)に転写させる。定着装置(F)は、前記トナー像を記録媒体(S)に加熱定着させる。
また、本発明の画像形成装置の転写ベルト(B)では、複数のベルト支持ロール(Rd,Rt,Rw,Rf,T2a)により回転可能に支持されたベルト本体(B1)は、導電性分散のポリイミド樹脂ベルトにより構成され、シート担持面またはトナー像担持面を有する。前記ベルト本体(B1)は、シート担持面を有する場合はトナー像が転写されるシート(S)を担持して搬送し、トナー像担持面を有する場合は前記トナー像担持面に形成されたトナー像を搬送する。
前記ベルト本体(B1)の幅方向の側縁に沿って少なくとも片側の内側面には、ウレタン樹脂からなるリブ(B2)が、接着剤のみを介して、接着剤により接着される。前記接着剤としては、変性シリコンポリマーもしくは変性シリル基含有エポキシ樹脂を含有し、弾性を有する一液性の常温硬化型の接着剤が使用される。
前記ベルト(B1)がロールの軸方向へ移動しようとする寄り力が発生すると、その寄り力に抗して発生する同じ強度の反力(応力)がリブ(B2)に直接かかることとなる。この応力をリブ(B2)内である程度分散吸収することができるという観点から、リブ(B2)は、JIS硬度60°から90°の弾性部材であることが望ましく、好ましくは、JIS硬度60°から80°である。
さらに、前記応力は、リブ(B2)とベルト本体(B1)との境界部(接着面を含む)α(図6B、図7B参照)に負荷が集中的にかかっている。この負荷が集中的にかかっている接着面に弾性を有する接着剤を用いることによって、この応力を接着部材内である程度分散吸収することよって、リブ(B2)がベルト本体(B1)から剥がれたりする問題がなくなる。
前記弾性を有する接着剤として、ホットメルト型の接着剤としては、ソニーケミカル(株)製のポリエステル系熱可塑性接着剤D3600,デュポン(株)製アクリル系熱硬化性接着剤パイララックスFR0100,ダイセル化学(株)製ウレタン系接着剤サーモライト6501をあげることができるが、ホットメルト型の接着剤は、120℃以上に加熱する必要があり、リブ材料、ベルト材料に耐熱性が求められる。また、二液性の接着剤としては、コニシボンド(株)製の特殊変成シリコンエポキシ接着剤のMOS7、MOS1010をあげることができるが、作業性の観点から、一液性の常温硬化型の接着剤の方が優れている。
したがって、本発明では、一液性の常温硬化型の接着剤を使用する。
一液性の常温硬化型の弾性を有する接着剤としては、コニシ(株)製の特殊変成シリコンポリマーを主成分とするサイレックス100、セメダイン(株)の特殊変成シリル基含有エポキシ樹脂を主成分とするスーパーXNo.8008をあげることができる。
前述の本発明は、下記の効果(E01)、(E02)を奏することができる。
(E01)複数のロール間に張架されて回転し、ベルト外周面に少なくともトナー像または用紙を保持して搬送する転写用ベルトにおける片寄り走行や蛇行を、その転写用ベルトの寿命低下を招くことなく、長期にわたって簡単にかつ確実に防止することができる。
(E02)したがって、前記転写用ベルトを使用した画像形成装置は安定的に高品質な画質が得られる。
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の転写ベルトを備えた画像形成装置の全体説明図である。
図1において、画像形成装置Uは、自動原稿搬送装置U1とこれを支持するプラテンガラスPGを有する画像形成装置本体(複写機)U2とを有している。
前記自動原稿搬送装置U1は、複写しようとする複数の原稿Gが重ねて載置される原稿給紙トレイTG1と、原稿給紙トレイTG1から前記プラテンガラスPG上の複写位置(原稿読取位置)を通過して搬送される原稿Gが排出される原稿排紙トレイTG2とを有している。
前記画像形成装置本体U2は、ユーザがコピースタート等の作動指令信号を入力操作するUI(ユーザインタフェース)、露光光学系A等を有している。
前記自動原稿搬送装置U2でプラテンガラスPG搬送される原稿または手動でプラテンガラスPG上に置かれた原稿(図示せず)からの反射光は、前記露光光学系Aを介して、CCD(固体撮像素子)でR(赤)、G(緑)、B(青)の電気信号に変換される。
IPS(イメージプロセッシングシステム)は、前記RGBの電気信号をK(黒)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の画像データに変換して一時的に記憶し、前記画像データを所定のタイミングでレーザ駆動回路DLに出力する。
矢印Ya方向に回転移動する像担持体(感光体ドラム)PRの表面は、帯電領域Q0において帯電器CRにより一様に帯電され、潜像書込位置Q1、現像領域Q2、および1次転写領域Q3を順次通過する。
前記レーザ駆動回路DLにより駆動されるROS(潜像書込装置)は、レーザビームLにより前記潜像書込位置Q1において露光走査し像担持体PR表面に静電潜像を形成する。フルカラー画像を形成する場合は、K(黒),Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン)の4色の画像に対応した静電潜像が順次形成され、モノクロ画像の場合はK(黒)画像に対応した静電潜像のみが形成される。
前記静電潜像が形成された像担持体PR表面は回転移動して現像領域Q2、1次転写領域Q3を順次通過する。
ロータリ式の現像装置Dは、回転軸Daの回転に伴って前記現像領域Q2に順次回転移動するK(黒),Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン)の4色の現像器DK,DY,DM,DCを有している。前記各色の現像器DK,DY,DM,DCは、前記現像領域Q2に現像剤を搬送する現像ロールDRを有しており、現像領域Q2を通過する像担持体PR上の静電潜像をトナー像Tnに現像する。
前記像担持体PRの下方には左右一対のスライドレールSR,SRによりスライドフレームF1(2点鎖線で表示)が前後(紙面に垂直な方向)にスライド移動可能に支持されている。スライドフレームF1にはベルトモジュールBMのベルトフレームF2がヒンジ軸F2a周りに回動可能に支持されている。
前記ベルトモジュールBMは、前記中間転写ベルトBを回転移動可能に支持する複数のベルト支持ロール(Rd,Rt,Rw,Rf,T2a)と、1次転写ロールT1と、コンタクトロールT2cと、それらを支持する前記ベルトフレームF2とを有している。
前記複数のベルト支持ロール(Rd,Rt,Rw,Rf,T2a)は、ベルト駆動ロールRd、テンションロールRt、ウォーキングロールRw、アイドラロール(フリーロール)RfおよびバックアップロールT2aを含み、バックアップロールT2aには前記コンタクトロールT2cが当接している。
前記1次転写器T1は、コントローラCが制御する電源回路Eによりトナーの帯電極性と逆極性の転写電圧が印加され、前記像担持体PR表面のトナー像Tnを、1次転写領域Q3において中間転写ベルトBに1次転写する。フルカラー画像の場合、像担持体PR表面に順次形成される各色のトナー像Tnは、前記1次転写領域Q3において中間転写ベルトB表面に順次重ねて1次転写され、最終的にフルカラーの多重トナー像が中間転写ベルトB上に形成される。
単色のモノカラー画像を形成する場合には1個の現像器のみを使用し、単色トナー像が中間転写ベルトB上に1次転写される。
1次転写後、像担持体PR表面は、残留トナーが像担持体クリーナCL1によりクリーニングされる。除電器JRにより除電される。
前記バックアップロールT2aの下方には、左右一対のスライドレールSR,SRにより前後(紙面に垂直な方向)にスライド移動可能な2次転写スライドフレームFsが、画像形成装置本体に対して着脱可能に支持されている。前記2次転写スライドフレームFsには2次転写ユニットUtの2次転写昇降フレームFtがヒンジ軸Fta周りに上下に回動可能に支持されている。
前記2次転写ユニットUtは、2次転写ロールT2bと、2次転写ロールクリーナCL3と、ロール支持レバーLrと、転写後シートガイドSG2と、シート搬送ベルトBHと、それらを支持する前記2次転写昇降フレームFtと、を有している。
前記ロール支持レバーLrは、前記2次転写ロールT2bおよび2次転写ロールクリーナCL3を支持するレバーである。前記2次転写ユニットUtが前記使用位置に移動した状態において、前記ロール支持レバーLrは、図示しないモータによりヒンジ軸La周りに回動され、前記2次転写ロールT2bを、前記中間転写ベルトBに接触する2次転写位置および中間転写ベルトBから離れた待機位置の間で移動させる。
前記2次転写ロールT2bおよび前記中間転写ベルトBの接触領域により2次転写領域Q4が形成され、前記2次転写ロールT2b、前記バックアップロールT2aおよびコンタクトロールT2cにより2次転写器T2が構成されている。
給紙トレイTR1に収容された記録シートSは、所定のタイミングでピックアップロールRpにより取り出され、さばきロールRsで1枚づつ分離されて、レジロールRrに搬送される。前記レジロールRrに搬送された記録シートSは、前記1次転写された多重トナー像または単色トナー像が2次転写領域Q4に移動するのにタイミングを合わせて、転写前シートガイドSG1から2次転写領域Q4に搬送される。
前記2次転写領域Q4を記録シートSが通過する際、2次転写器T2のコンタクトロールT2cには、コントローラCが制御する電源回路Eからトナーの帯電極性と同極性の2次転写電圧が印加される。前記2次転写器T2は、前記中間転写ベルトB上のモノクロまたはカラートナー像を前記2次転写領域において記録シートSに2次転写する。
2次転写後の中間転写ベルトBはベルトクリーナCL2により残留トナーが除去される。また、前記2次転写ロールT2bは2次転写ロールクリーナCL3により表面付着トナーが回収される。
なお、前記2次転写ロールT2bおよびベルトクリーナCL2は、中間転写ベルトBと離接(離隔および接触)自在に配設されており、カラー画像が形成される場合には最終色の未定着トナー像が中間転写ベルトBに1次転写されるまで、中間転写ベルトBから離隔している。なお、前記2次転写ロールクリーナCL3は、前記2次転写ロールT2bと一緒に離接移動を行う。
トナー像が2次転写された前記記録シートSは、転写後シートガイドSG2、シート搬送ベルトBHにより定着領域Q5に搬送され、定着領域Q5を通過する際に加熱ロールFhおよび加圧ロールFpにより構成される一対の定着ロールを有する定着装置Fにより加熱定着される。トナー像が定着された記録シートSは、記録シート排出トレイTR2に排出される。
前記符号Rp,Rs,Rr,SG1,SG2,BHで示された要素によりシート搬送装置SHが構成されている。
(中間転写ベルトBの実施例1)
図2は、本発明における中間転写ベルトBの実施例1の構成概略図である。
図2において、中間転写ベルトBは、ベルト本体B1および前記ベルト本体B1の1端縁に沿って内周面に接着されたリブB2を有している。
前記実施例1の中間転写ベルトBは、次のようにして製造される。
ベルト本体B1として使用するカーボンブラックを分散した熱硬化性シームレスベルトは、カーボンブラックを宇部興産(株)耐熱皮膜用ポリイミドUワニス−Sにミキサーなどのより混合する。この原液を円筒型に注入して加熱しつつ遠心成形する。半硬化した状態で脱型し、その後、脱型したベルトを鉄芯に被せて450℃に加熱して、本硬化(イミド化反応)して、表面抵抗率1012Ω/□の厚さ80μmのシームレスベルトを得る。
ついで、幅5mm、高さ10mmのJIS硬度70°のウレタン樹脂のリブB2の接着面に一液性常温硬化型の弾性を有する接着剤(セメダイン社製スーパーX、No.8008)を接着面よりはみ出さないように塗布して、ベルト本体B1の端部の内周面に貼り付ける。
前記中間転写ベルトBの実施例1で製造した中間転写ベルトBのベルト本体B1とリブB2との接着強度を調べるために、前記ベルト本体B1およびリブB2を含む部分を切断して剥離強度試験用の試料を作成して、次の剥離強度試験を行った。
(T型剥離強度試験)
図3はT型剥離強度試験の説明図であり、図3Aは試験片を作成する部分を示す、図3Bは試験片の側面図、図3Cは試験方法の説明図である。
図3Aの2点鎖線の箇所で切断して幅5mm、長さ50mmの試験片1を作成し、図3Cに示すように、ベルト本体B1の部分を固定し、リブB2の部分を引張速度50mm/minの速度で引っ張ってT字型に引き裂いた時の前記引張力をP1(N)とする。前記ベルト本体B1およびリブB2の接着幅をW1(mm)としたとき、前記引っ張った力P1(N)を測定し、T型剥離強度(P1/W1)(N/mm)を算出した。
(スラスト剥離強度試験)
図4はスラスト剥離強度試験の説明図であり、図4Aは試験片の平面図、図4Bは試験片の側面図で前記図4Aの矢印IVB方向からみた図、図4Cは試験方法の説明図で前記試験片をベルト固定部材に固定する前の図、図4Dは前記試験片をベルト固定部材に固定した状態の図、図4Eは前記図4Dの縦断面拡大図である。
図4Aに示すように前記中間転写ベルトBを切断して幅30mm、長さ50mmの試験片2を作成する。図4C〜図4Eにおいて、スラスト剥離強度試験に使用するベルト固定部材3は幅10mmであり、側面にはリブ貫通溝3aおよびベルト本体貫通溝3bが形成されている。前記試験片2のベルト本体B1部分およびリブB2部分を前記ベルト固定部材3側面のベルト本体貫通溝3bおよびリブ貫通溝3aに貫通させる。その状態でベルト本体B1部分を、10mm/minの速度で引っ張る。その際、前記ベルト本体B1とリブB2との接着部分にはスラスト力(剪断力)が作用する。このとき、前記ベルト固定部材3により固定された前記リブB2の部分の幅をW2mm(=10mm)とし、前記ベルト本体B1とリブB2とが剥離したときの力をP2(N)とした場合、前記剥離したときの力P2を測定し、スラスト剥離強度(P2/W2)(N/mm)を算出した。
前記実施例1で使用した接着剤の特性は次のとおりである。
接着剤の形式 :1液性
硬化温度×時間 :常温×2時間
主成分 :特殊変成シリル基含有エポキシ
T型剥離強度 :6.2N/5mm幅
スラスト剥離強度:110N/10mm幅
(中間転写ベルトBの実施例2)
中間転写ベルトBの実施例2は、ベルト本体B1およびリブB2として前記実施例1と同様のものを使用した。使用した接着剤は、一液性常温硬化型の弾性を有するコニシ(株)社製のサイレックス100である。
使用した接着剤の特性は次のとおりである。
接着剤の形式 :1液性
硬化温度×時間 :常温×1時間
主成分 :特殊変成シリコンポリマー
T型剥離強度 :4.2N/5mm幅
スラスト剥離強度:55N/10mm幅
(中間転写ベルトBの比較例1)
中間転写ベルトBの比較例1は、ベルト本体B1およびリブB2として前記実施例1と同様のものを使用した。使用した接着剤は、一液性常温硬化型の弾性を有しない東亜合成(株)社製の柔軟性アロンアルファ♯911P2である。
使用した接着剤の特性は次のとおりである。
接着剤の形式 :1液性
硬化温度×時間 :常温×数秒
主成分 :シアノアクリレート
T型剥離強度 :0.3N/5mm幅
スラスト剥離強度:5N/10mm幅
(中間転写ベルトBの比較例2)
中間転写ベルトBの比較例2は、ベルト本体B1およびリブB2として前記実施例1と同様のものを使用した。使用した接着剤は、一液性常温硬化型の弾性を有しないセメダイン(株)社製のEP001である。
使用した接着剤の特性は次のとおりである。
接着剤の形式 :1液性
硬化温度×時間 :常温×1時間
主成分 :エポキシ樹脂
T型剥離強度 :1.7N/5mm幅
スラスト剥離強度:44N/10mm幅
(中間転写ベルトBの比較例3)
中間転写ベルトBの比較例3は、ベルト本体B1およびリブB2として前記実施例1と同様のものを使用した。使用した接着剤は、シート型の弾性を有するニチバン(株)社製の両面テープである。
使用した接着剤の特性は次のとおりである。
接着剤の形式 :シート型(両面テープ型)
硬化温度×時間 :常温×数秒
主成分 :アクリル系(基材は不織布)
T型剥離強度 :0.8N/5mm幅
スラスト剥離強度:12N/10mm幅
表1は、本発明を適用した接着剤のベルト本体としてポリイミド樹脂ベルトを用い、リブとしてウレタン樹脂を用いた場合の接着剤のせん断剥離強度と硬化条件を示す。
Figure 0003945534
表1から分かるように、実施例1,2の1液性の弾性を有する接着材を使用して、ベルト本体B1とリブB2とを接着した場合の中間転写ベルトBの寿命は1000kcycle以上であったが、比較例1〜3の中間転写ベルトBの寿命は1000kcycle未満であった。
(画像形成装置の実施例2)
図5は本発明の転写用ベルトの実施例2の説明図であり、本発明をタンデム型の画像形成装置に適用した例を示す図である。
なお、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
この実施例2の画像形成装置Uは、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)の各色のトナー像が形成される像担持体PRk,Py,Pm,Pcと、前記各像担持体PRk,Py,Pm,Pcに対応してそれぞれ配置された帯電器CRk,CRy,CRm,CRcと、潜像形成装置ROSk,ROSy,ROSm,ROScと、現像装置Dk,Dy,Dm,Dcと、像担持体クリーナCLk,CLy,CLm,CLcと、を有している。
この実施例2の画像形成装置Uで使用しているシート搬送ベルトBは、前記実施例1の中間転写ベルトBと同様に構成されており、ベルト本体B1およびリブB2は前記表1の実施例1と同様に構成されている。
この実施例5のシート搬送ベルトBは、前記実施例1と同様にベルト本体B1およびリブB2が剥離し難い。
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更実施例を下記に例示する。
(H01)本発明は前記中間転写ベルトBの実施例1,2で例示した以外の接着剤であっても、課題を解決するための手段に記載された範囲の特性を有する接着剤を使用可能である。
(H02)本発明は中間転写ベルトおよび複数の像担持体を使用したタンデム型の画像形成装置にも適用可能である。
図1は本発明の実施例1の転写ベルトを備えた画像形成装置の全体説明図である。 図2は、本発明における中間転写ベルトBの実施例1の構成概略図である。 図3はT型剥離強度試験の説明図であり、図3Aは試験片を作成する部分を示す、図3Bは試験片の側面図、図3Cは試験方法の説明図である。 図4はスラスト剥離強度試験の説明図であり、図4Aは試験片の平面図、図4Bは試験片の側面図で前記図4Aの矢印IVB方向からみた図、図4Cは試験方法の説明図で前記試験片をベルト固定部材に固定する前の図、図4Dは前記試験片をベルト固定部材に固定した状態の図、図4Eは前記図4Dの縦断面拡大図である。 図5は本発明の転写用ベルトの実施例2の説明図であり、本発明をタンデム型の画像形成装置に適用した例を示す図である。 図6は、特開平2−27383号公報に記載された従来の画像形成装置の転写用ベルトおよびリブの説明図で、図6Aはベルトの駆動ロールに支持されている部分を示す図、図6Bは前記図6Aの要部拡大図である。 図7は、特開平5−333707号公報に記載された従来の画像形成装置の転写用ベルトおよびリブの説明図で、図7Aは駆動ロールに支持されているベルト部分を示す図、図7Bは前記図7Aの要部拡大図である。
符号の説明
B1…ベルト本体、B2…リブ、
(Rd,Rt,Rw,Rf,T2a)…複数のベルト支持ロール。

Claims (7)

  1. 次の要件(A01)〜(A04)を備えたことを特徴とする転写用ベルト、
    (A01)複数のベルト支持ロールにより回転可能に支持され且つ外側面にトナー像が転写されるシートを担持するシート担持面またはトナー像が形成されるトナー像担持面を有する、導電性分散のポリイミド樹脂ベルトにより構成されたベルト本体、
    (A02)前記ベルト本体の幅方向の側縁に沿って少なくとも片側の内側面に、接着剤のみを介して、弾性を有する一液性の常温硬化型の接着剤により接着されたリブ、
    (A03)ウレタン樹脂からなる前記リブ、
    (A04)変性シリコンポリマーもしくは変性シリル基含有エポキシ樹脂を含有する前記接着剤。
  2. 次の要件(A05)を備えたこと特徴とする請求項1記載の転写用ベルト、
    (A05)一液性の常温硬化型の変性エポキシ樹脂接着剤を用いた前記弾性を有する接着剤。
  3. 次の要件(A06)を備えたこと特徴とする請求項1または2記載の転写用ベルト、
    (A06)接着された前記ベルト本体およびリブの一方の端部を剥離させて固定し、他方の部材を50mm/minの引張速度で引張ってT字型に引き裂いた時の力をP1(N)とし、前記ベルト本体およびリブの接着幅をW1(mm)としたときのT型剥離強度(P1/W1)(N/mm)が(P1/W1)=4/5(N/mm)以上ある前記接着剤。
  4. 次の要件(A07)を備えたこと特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の転写用ベルト、
    (A07)前記ベルト本体およびリブを、前記リブの延びる方向の幅で30mmに切断し、ベルト固定部材により前記リブを固定して前記ベルト本体の担持面に沿って前記リブが延びる方向と垂直な方向に10mm/minの引張速度で前記ベルト本体を引っ張り、そのときの前記ベルト本体とリブとが剥離したときの力をP2(N)とし、前記ベルト固定部材により固定された前記リブの部分の幅をW2(mm)としたときのスラスト剥離強度(P2/W2)(N/mm)が50/10(N/mm)以上ある前記接着剤。
  5. 次の要件(A08)を備えたこと特徴とする請求項1ないし4のいずれか記載の転写用ベルト、
    (A08)ヤング率30000kg/cm2以上の樹脂材料により構成された前記ベルト本体。
  6. 次の要件(A09)を備えたこと特徴とする請求項1ないし5のいずれか記載の転写用ベルト、
    (A09)ポリピロメリット酸イミド系、ポリビフェニルテトラカルボン酸イミド系、ポリベンゾフェノンテトラカルボン酸イミド系のいずれかである前記ポリイミド樹脂
  7. 像担持体と、
    前記像担持体表面を帯電させる帯電器と、
    前記像担持体表面に潜像を書き込む潜像書込装置と、
    前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
    前記像担持体表面のトナー像が転写される転写ベルトと、
    前記転写ベルト表面のトナー像を記録媒体に転写させる転写器と、
    前記トナー像を記録媒体に加熱定着させる定着装置と、
    を有し、次の要件(A01)〜(A04)を備えた転写用ベルトを備えることを特徴とする画像形成装置、
    (A01)複数のベルト支持ロールにより回転可能に支持され且つ外側面にトナー像が転写されるシートを担持するシート担持面またはトナー像が形成されるトナー像担持面を有する、導電性分散のポリイミド樹脂ベルトにより構成されたベルト本体、
    (A02)前記ベルト本体の幅方向の側縁に沿って少なくとも片側の内側面に、接着剤のみを介して、弾性を有する一液性の常温硬化型の接着剤により接着されたリブ、
    (A03)ウレタン樹脂からなる前記リブ、
    (A04)変性シリコンポリマーもしくは変性シリル基含有エポキシ樹脂を含有する前記接着剤。
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