JP2007147920A - エンドレスベルト及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】接着強度に優れ、長寿命な蛇行防止ガイドを備えたエンドレスベルトを提供する。
【解決手段】エンドレスベルト1のベルト本体2の少なくとも片方の側縁に沿って、蛇行防止ガイド3が感熱型の不繊布と弾性接着剤とが用いられた接着部4で接着され、好ましくは、前記接着部4で接着された前記ベルト本体2と前記蛇行防止ガイド3とのスラスト剥離強度が15N/mm以上25N/mm以下、1N/mmの加重を72時間連続して加えたときの蛇行防止ガイド3の変位量が0.1mm未満であるエンドレスベルト。
【選択図】図2
【解決手段】エンドレスベルト1のベルト本体2の少なくとも片方の側縁に沿って、蛇行防止ガイド3が感熱型の不繊布と弾性接着剤とが用いられた接着部4で接着され、好ましくは、前記接着部4で接着された前記ベルト本体2と前記蛇行防止ガイド3とのスラスト剥離強度が15N/mm以上25N/mm以下、1N/mmの加重を72時間連続して加えたときの蛇行防止ガイド3の変位量が0.1mm未満であるエンドレスベルト。
【選択図】図2
Description
本発明は、複写機やプリンタ等の電子写真方式を用いた画像形成装置に用いられるエンドレスベルト及びそれを用いた画像形成装置に関する。更に詳しくは、蛇行防止用のガイドを有し、長期間安定走行可能な画像形成装置に用いられる蛇行防止ガイド付エンドレスベルト及びそれを用いた画像形成装置に関する。
電子写真方式を用いた画像形成装置としては、例えば、中間転写ベルトを使用した中間転写方式のカラー画像形成装置がある。これは、電子写真プロセス等によりトナー像が形成される像担持体(例えば感光体ドラム)の転写部で接触して回転するような中間転写ベルトを複数のベルト支持ロール間に張架して配設したものであり、その像担持体上に形成される複数のトナー像を一旦中間転写ベルトの同じ位置に重ねあわせるように一次転写した後、その中間転写ベルト上に転写されたトナー像を用紙に一括して二次転写するものである。そして、用紙上に二次転写された多色のトナー像は、その後定着装置により定着されてカラー画像となる。
この他、エンドレスベルトを備えた画像形成装置としては、用紙を担持して複数の画像形成ユニットの転写部を通過させるように搬送する用紙搬送ベルトを使用した、いわゆるタンデムタイプのカラー画像形成装置もある。これは、各色成分のトナー像を個々に形成するため画像形成ユニットを複数並べて配置し、その各画像形成ユニットの転写部で接触して回転するように用紙搬送ベルトを複数のベルト支持ロール間に張架して配設したものであり、その用紙搬送ベルトに吸着して担持した用紙を各画像形成ユニットの転写部を通過させるように搬送することにより、各画像形成ユニットで形成される各トナー像を同じ用紙に順次重ねあわせるように転写し、最後に定着させてカラー画像とするものである。
ところで、このような中間転写ベルトや用紙搬送ベルト等のエンドレスベルトを使用したカラー画像形成装置では、そのエンドレスベルトを張架支持する複数のベルト支持ロールにおいて、回転軸の平行度やロール外径がばらつくことや、そのエンドレスベルト自体の周長変化により張力が不均一となること等が原因となって、エンドレスベルトが直進走行せず、ベルト支持ロールの軸方向に変位した状態で走行する、いわゆる片寄り走行や蛇行が発生することがある。このため、そのエンドレスベルトに直接またはエンドレスベルトに担持された用紙に順次転写される各トナー像の位置がずれてしまうことがあり、この場合には、最終的には用紙上に形成されるカラー画像に色ずれや色相変化等が発生するという不具合がある。
そこで、このようなエンドレスベルトの蛇行を防止するため、駆動ロール等にフランジを設ける方法(例えば特許文献1参照)や、エンドレスベルトの両側縁の内面側に蛇行防止ガイドを設けて、そのガイド部分をベルト支持ロールの外周に設けた溝で案内する方法が提案されている。この後者の技術に関しては、例えば、ガイドとしてエラストマーを接着した補強テープを接着する方法(特許文献2参照)が提案されている。
また、接着部としてアクリル系樹脂粘着剤等を用いて、エンドレスベルトに蛇行防止ガイドを接着する方法(例えば特許文献2及び3参照)が提案されている。前記アクリル系樹脂粘着剤の接着強度を改善したものとして、粘着剤層に特定のアクリル系共重合体と架橋剤を含有してなり、溶剤不溶物が8〜99質量%である樹脂組成物を用いる(例えば特許文献4参照)提案がなされている。
また、粘着剤を繊維に含浸させた粘着層を蛇行防止ガイドとベルト側縁に接着することで、蛇行防止ガイドとベルトとの間の粘着剤のはみ出しがなく、また、リブのベルトからの剥離も発生しない導電性エンドレスベルトが提案されている(特許文献5参照)。
さらに本発明者は、接着部として両面に感圧型アクリル樹脂からなる接触層を設けた両面接着剤を用いて蛇行防止ガイドをベルト側縁に接着したエンドレスベルト(特許文献6参照)を提案している。この技術は、感圧型のアクリル系接着剤を用いることでエンドレスベルト作製時の作業性に優れており、容易に、精度良く、かつ十分な強度で蛇行防止ガイドをエンドレスベルト本体に接着することができるものである。実施例には、スラスト剥離強度が10N/mm、T型剥離強度が1.4N/mmであるエンドレスベルト、及びスラスト剥離強度が12N/mm、T型剥離強度が1.2N/mmであるエンドレスベルトが記載されている。作製したエンドレスベルトを画像形成装置に搭載した場合、画像欠陥が発生しにくいので安定して高品質の画像を得ることができる。
特開昭58−100145号公報
特開平4−333457号公報
特開平7−187435号公報
特開2001−206522号公報
特開2005−62341号公報
特開2004−53629号公報
特許文献1のような駆動ローラ等にフランジを設ける方法では、フランジ部にエンドレスベルトが乗り上げてしまい、エンドレスベルトが破損する問題が発生する場合がある。一方、特許文献2のようにガイドとしてエラストマーを接着した補強テープを接着する方法は、エラストマーに補強テープを接着して、更にエラストマーを接着した補強テープをエンドレスベルトに接着するために作業が煩雑であり、コストが割高である。特許文献2及び3のようにアクリル系樹脂粘着剤を用いた場合、エンドレスベルトとの接着強度が不十分となり、耐久性に劣るという問題がある。
特許文献3のように補強部材を設け、補強部材の両面に接着剤を塗布して、補強部材を介して蛇行防止ガイドを接着する場合、および特許文献4のように粘着剤組成物の架橋物の溶剤不溶分が特定範囲に設定された特殊な粘着剤層を用いる場合にも、貼り合わせ時に、接着剤または粘着剤のはみ出しが発生する場合があり、接着時にはみだした接着剤を処理する工程が必要となり、コストが割高となる。また、硬化するまで蛇行防止ガイドを保持する必要があるため、精度の良い蛇行防止ガイドを形成するのが困難であり、生産効率も低下してしまうという問題がある。特許文献5は、粘着剤を不織布に含浸して用いることで、粘着剤のはみ出しの問題はないが、粘着剤では、一定荷重を連続して加えた場合での接着強度が得られない問題がある。特許文献6に開示された技術はこれら製造面、物性面の問題を解決したものである。しかし近年、画像形成装置の高画質化に伴ってエンドレスベルトに対する強度の要求が高まっており、例えば、エンドレスベルトを感光体の形状に沿うように配置して用いる画像形成装置のように、蛇行防止ガイドにより大きな負荷のかかる使用をした際には、前記特許文献6に記載のエンドレスベルトを用いた場合でも、感圧型のアクリル系接着剤では経時での強度が不足するため接着部でのずれが発生する等の満足な結果が得られない場合があった。
特許文献3のように補強部材を設け、補強部材の両面に接着剤を塗布して、補強部材を介して蛇行防止ガイドを接着する場合、および特許文献4のように粘着剤組成物の架橋物の溶剤不溶分が特定範囲に設定された特殊な粘着剤層を用いる場合にも、貼り合わせ時に、接着剤または粘着剤のはみ出しが発生する場合があり、接着時にはみだした接着剤を処理する工程が必要となり、コストが割高となる。また、硬化するまで蛇行防止ガイドを保持する必要があるため、精度の良い蛇行防止ガイドを形成するのが困難であり、生産効率も低下してしまうという問題がある。特許文献5は、粘着剤を不織布に含浸して用いることで、粘着剤のはみ出しの問題はないが、粘着剤では、一定荷重を連続して加えた場合での接着強度が得られない問題がある。特許文献6に開示された技術はこれら製造面、物性面の問題を解決したものである。しかし近年、画像形成装置の高画質化に伴ってエンドレスベルトに対する強度の要求が高まっており、例えば、エンドレスベルトを感光体の形状に沿うように配置して用いる画像形成装置のように、蛇行防止ガイドにより大きな負荷のかかる使用をした際には、前記特許文献6に記載のエンドレスベルトを用いた場合でも、感圧型のアクリル系接着剤では経時での強度が不足するため接着部でのずれが発生する等の満足な結果が得られない場合があった。
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、以下の内容を課題とする。即ち、接着強度に優れ、長寿命な蛇行防止ガイドを備えたエンドレスベルトを提供することを課題とする。更に、このエンドレスベルトを用い、色ずれ等の画像欠陥の発生しにくい画像形成装置を提供することを課題とする。
前記課題は、以下の手段により解決される。即ち、本発明は、
<1> ベルト本体と、該ベルト本体の少なくとも片方の側縁に沿って設けられた蛇行防止ガイドと、前記ベルト本体及び前記蛇行防止ガイドを接着する接着部と、を有するエンドレスベルトであって、前記接着部は、感熱型の不織布と弾性接着剤とが含有されてなるエンドレスベルトである。
<2> 前記ベルト本体と前記蛇行防止ガイドとのスラスト剥離強度が、15N/mm以上25N/mm以下である前記<1>に記載のエンドレスベルトである。
<3> 1N/mmの荷重を72時間連続して加えた時の前記蛇行防止ガイドの変位量が0.1mm未満である前記<1>または<2>に記載のエンドレスベルトである。
<4> 1N/mmの荷重を14日間連続して加えた時の前記蛇行防止ガイドの変位量が1mm未満である前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載のエンドレスベルトである。
<5> 前記ベルト本体と前記蛇行防止ガイドとのT型剥離強度が、1.2N/mm以上2.0N/mm以下である前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載のエンドレスベルトである。
<6> 前記感熱型の不織布が、ウレタン樹脂を含有してなる前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載のエンドレスベルトである。
<7> 前記弾性接着剤が、シリコンポリマーを含有してなる前記<1>〜<6>のいずれか1項に記載のエンドレスベルトである。
<8> 前記蛇行防止ガイドが、デュロメータ硬さがA60/S〜A90/Sである弾性部材を用いてなる前記<1>〜<7>のいずれか1に記載のエンドレスベルトである。
<9> 前記ベルト本体が、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂から選択される少なくとも一種を含有する前記<1>〜<8>のいずれか1項に記載のエンドレスベルトである。
<10> 前記接着部が90℃以上140℃以下の温度で接着されてなる前記<1>〜<9>のいずれか1項に記載のエンドレスベルトである。
<1> ベルト本体と、該ベルト本体の少なくとも片方の側縁に沿って設けられた蛇行防止ガイドと、前記ベルト本体及び前記蛇行防止ガイドを接着する接着部と、を有するエンドレスベルトであって、前記接着部は、感熱型の不織布と弾性接着剤とが含有されてなるエンドレスベルトである。
<2> 前記ベルト本体と前記蛇行防止ガイドとのスラスト剥離強度が、15N/mm以上25N/mm以下である前記<1>に記載のエンドレスベルトである。
<3> 1N/mmの荷重を72時間連続して加えた時の前記蛇行防止ガイドの変位量が0.1mm未満である前記<1>または<2>に記載のエンドレスベルトである。
<4> 1N/mmの荷重を14日間連続して加えた時の前記蛇行防止ガイドの変位量が1mm未満である前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載のエンドレスベルトである。
<5> 前記ベルト本体と前記蛇行防止ガイドとのT型剥離強度が、1.2N/mm以上2.0N/mm以下である前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載のエンドレスベルトである。
<6> 前記感熱型の不織布が、ウレタン樹脂を含有してなる前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載のエンドレスベルトである。
<7> 前記弾性接着剤が、シリコンポリマーを含有してなる前記<1>〜<6>のいずれか1項に記載のエンドレスベルトである。
<8> 前記蛇行防止ガイドが、デュロメータ硬さがA60/S〜A90/Sである弾性部材を用いてなる前記<1>〜<7>のいずれか1に記載のエンドレスベルトである。
<9> 前記ベルト本体が、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂から選択される少なくとも一種を含有する前記<1>〜<8>のいずれか1項に記載のエンドレスベルトである。
<10> 前記接着部が90℃以上140℃以下の温度で接着されてなる前記<1>〜<9>のいずれか1項に記載のエンドレスベルトである。
<11> 前記<1>〜<10>のいずれか1項に記載のエンドレスベルトを備える画像形成装置である。
<12> 前記エンドレスベルトを中間転写ベルト及び/又は用紙搬送ベルトとして備える前記<11>に記載の画像形成装置である。
<12> 前記エンドレスベルトを中間転写ベルト及び/又は用紙搬送ベルトとして備える前記<11>に記載の画像形成装置である。
本発明のエンドレスベルトは容易に作製可能でありながらも、蛇行防止ガイドの接着強度に優れるものである。また、本発明の画像形成装置は、複数のベルト支持ロールに張架されて回転するエンドレスベルトの片寄り走行や蛇行を、ベルトライフの低下を招くことなく、長期にわたって簡単、確実に防止することができるため、安定して高品質な画像を得ることができる。
<エンドレスベルト>
本発明のエンドレスベルトとは、表面にトナー像が転写される用紙を担持する用紙担持面またはトナー像が形成されるトナー像担持面等を有するベルト本体と、前記ベルト本体の少なくとも片方の側縁に沿って、蛇行防止ガイドが感熱型の不織布と弾性接着剤とが含有されてなる接着部にて接着されている構成からなる。
本発明のエンドレスベルトとは、表面にトナー像が転写される用紙を担持する用紙担持面またはトナー像が形成されるトナー像担持面等を有するベルト本体と、前記ベルト本体の少なくとも片方の側縁に沿って、蛇行防止ガイドが感熱型の不織布と弾性接着剤とが含有されてなる接着部にて接着されている構成からなる。
ここで、図面を参照して本発明のエンドレスベルトを説明する。図1は、蛇行防止ガイドを設けた本発明のエンドレスベルトを示す斜視図(一部、断面で表わしている)であり、図2は、図1において矢印Aの方向から見た、ベルト本体及び蛇行防止ガイドの断面図である。
図1に示すように、本発明のエンドレスベルト1は、ベルト本体2の表面に側縁に沿うようにして蛇行防止ガイド3を設けたものであり、該蛇行防止ガイド3は、図2に示すように、感熱型の不織布と弾性接着剤とが含有されてなる接着部4を介してベルト本体に設けられている。尚、図1においては、ベルト本体2の内側面に蛇行防止ガイド3が設けられているが、エンドレスベルト1の適用される用途に応じて、ベルト本体2の外側面に設けてもよい。
前記感熱型の不織布および弾性を有する接着剤は、加熱することで溶融し、冷却固化する時に接着力を発現する。
図1に示すように、本発明のエンドレスベルト1は、ベルト本体2の表面に側縁に沿うようにして蛇行防止ガイド3を設けたものであり、該蛇行防止ガイド3は、図2に示すように、感熱型の不織布と弾性接着剤とが含有されてなる接着部4を介してベルト本体に設けられている。尚、図1においては、ベルト本体2の内側面に蛇行防止ガイド3が設けられているが、エンドレスベルト1の適用される用途に応じて、ベルト本体2の外側面に設けてもよい。
前記感熱型の不織布および弾性を有する接着剤は、加熱することで溶融し、冷却固化する時に接着力を発現する。
さらに、前記感熱型の不織布と弾性接着剤とが含有されてなる接着部4で接着された前記ベルト本体2と前記蛇行防止ガイド3とのスラスト剥離強度は15N/mm以上25N/mm以下であることが好ましく、前記ベルト本体2と前記蛇行防止ガイド3に1N/mmの荷重を72時間連続して加えた時の変位量が0.1mm未満であることが好ましく、前記ベルト本体2と前記蛇行防止ガイド3に1N/mmの荷重を14日間連続して加えた時の変位量が1mm未満であることが好ましい。
本発明のエンドレスベルト1は、電子写真式複写機、レーザープリンター等における感光装置、中間転写装置、転写分離装置、搬送装置、帯電装置、現像装置等に好適に使用される。ここで、本発明のエンドレスベルトを構成するベルト本体2は、エンドレスベルトの用途、機能等に応じて、材質、形状、大きさ等が適宜設定される。
以下、本発明のエンドレスベルトの構成要素であるベルト本体、蛇行防止ガイド及び接着部について各々説明する。
以下、本発明のエンドレスベルトの構成要素であるベルト本体、蛇行防止ガイド及び接着部について各々説明する。
−ベルト本体−
ベルト本体の材質としては、ヤング率2000MPa以上の樹脂材料が好ましく用いられる。ヤング率2000MPa以上の樹脂材料を用いることで、ベルト走行時に、蛇行防止ガイドに加わる応力によるベルト変形を抑制することができる。なお、基材のヤング率は大きければ大きい程良いが、実用上は8000MPa以下であり、6000MPa以下であることが好ましい。基材のヤング率は、使用する樹脂材料の化学構造を選択することで上記範囲に制御することができ、芳香環構造を含むものほどヤング率を高くすることができる。
なお、ヤング率は、JIS K7127に準じて引張試験を行い、得られた応力・歪曲線の初期ひずみ領域の曲線に接線を引き、その傾きにより求める。
ベルト本体2の材質としては、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。なお、ベルト本体は環状であれば、つなぎ目があってもなくてもよい。ベルト本体の厚さは、通常、0.02〜0.2mm程度が好ましい。
本発明のエンドレスベルトが、特に電子写真方式を用いた画像形成装置等における中間転写ベルト又は用紙搬送ベルトとして用いられる場合、ベルト本体は、導電剤を含有するポリイミド系樹脂や導電剤を含有するポリアミドイミド系樹脂を用いた半導電性ベルトが好ましく使用される。
ベルト本体の材質としては、ヤング率2000MPa以上の樹脂材料が好ましく用いられる。ヤング率2000MPa以上の樹脂材料を用いることで、ベルト走行時に、蛇行防止ガイドに加わる応力によるベルト変形を抑制することができる。なお、基材のヤング率は大きければ大きい程良いが、実用上は8000MPa以下であり、6000MPa以下であることが好ましい。基材のヤング率は、使用する樹脂材料の化学構造を選択することで上記範囲に制御することができ、芳香環構造を含むものほどヤング率を高くすることができる。
なお、ヤング率は、JIS K7127に準じて引張試験を行い、得られた応力・歪曲線の初期ひずみ領域の曲線に接線を引き、その傾きにより求める。
ベルト本体2の材質としては、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。なお、ベルト本体は環状であれば、つなぎ目があってもなくてもよい。ベルト本体の厚さは、通常、0.02〜0.2mm程度が好ましい。
本発明のエンドレスベルトが、特に電子写真方式を用いた画像形成装置等における中間転写ベルト又は用紙搬送ベルトとして用いられる場合、ベルト本体は、導電剤を含有するポリイミド系樹脂や導電剤を含有するポリアミドイミド系樹脂を用いた半導電性ベルトが好ましく使用される。
導電剤を含有するポリイミド系樹脂を用いたベルト本体の作製は、例えば、円筒体の内面にポリイミド前駆体溶液を塗布して乾燥し、加熱反応してイミド転化させた後、ポリイミド樹脂皮膜を円筒芯体から剥離する等、公知の方法によって行うことができる。
また、導電剤を含有するポリアミドイミド系樹脂を用いたベルト本体の作製は、例えば、円筒体の外面にポリアミドイミド溶液を塗布して乾燥・加熱し、ポリアミドイミド樹脂皮膜を円筒芯体から剥離する等、公知の方法によって行うことができる。
本発明のエンドレスベルトを画像形成装置の中間転写ベルトや用紙搬送ベルトとして用いる場合、1×109Ω/□〜1×1014Ω/□の範囲に表面抵抗率を、1×108〜1×1013Ωcmの範囲に体積抵抗率を制御することが好ましく、そのため前記のように必要に応じて導電剤(導電性フィラー)として、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック、グラファイト、アルミニウム、ニッケル、銅合金などの金属または合金、酸化スズ、酸化亜鉛、チタン酸カリウム、酸化スズ−酸化インジウムまたは酸化スズ−酸化アンチモン複合酸化物などの金属酸化物、またはポリアニリン、ポリピロール、ポリサルフォン、ポリアセチレンなどの導電性ポリマーなどが好適に使用できる。これら導電性フィラーは単独または2種以上を併用して使用される。
−蛇行防止ガイド−
ベルト本体がベルト支持ロールの軸方向へ移動しようとする寄り力が発生すると、その寄り力に抗して発生する同じ強度の反力(応力)が蛇行防止ガイドに直接かかることとなる。この応力を蛇行防止ガイド自身である程度分散吸収することができるという観点から、蛇行防止ガイドは、デュロメータ硬さがA60/S〜A90/Sの弾性部材であることが好ましく、特に好ましくは、デュロメータ硬さがA70/S〜A90/Sの範囲である。デュロメータ硬さがA60/Sよりも小さい場合は、蛇行防止ガイドの変形が大きいので、エンドレスベルトが乗り上げてしまう場合があり、デュロメータ硬さがA90/Sよりも大きい場合は、エンドレスベルトがベルト支持ロールに追従しなくなってしまう場合がある。デュロメータ硬さは、尚、JIS K6253(1997)に準拠した硬さである。
ベルト本体がベルト支持ロールの軸方向へ移動しようとする寄り力が発生すると、その寄り力に抗して発生する同じ強度の反力(応力)が蛇行防止ガイドに直接かかることとなる。この応力を蛇行防止ガイド自身である程度分散吸収することができるという観点から、蛇行防止ガイドは、デュロメータ硬さがA60/S〜A90/Sの弾性部材であることが好ましく、特に好ましくは、デュロメータ硬さがA70/S〜A90/Sの範囲である。デュロメータ硬さがA60/Sよりも小さい場合は、蛇行防止ガイドの変形が大きいので、エンドレスベルトが乗り上げてしまう場合があり、デュロメータ硬さがA90/Sよりも大きい場合は、エンドレスベルトがベルト支持ロールに追従しなくなってしまう場合がある。デュロメータ硬さは、尚、JIS K6253(1997)に準拠した硬さである。
前記弾性部材の材質としては、ポリウレタン樹脂、ネオプレンゴム、ポリウレタンゴム、シリコーンゴム、ポリエステルエラストマー、クロロプレンゴム、ニトリルゴム等の適度な硬度を有する弾性体等が使用できる。これらの中でも、電気絶縁性、耐湿、耐溶剤、耐オゾン及び耐熱性、耐磨耗性を考慮すると、特にポリウレタンゴムやシリコーンゴムが好適に用いられる。
前記蛇行防止ガイドの形状は、エンドレスベルトの使用条件等により適宜定めることができるが、蛇行防止効果を十分に得る為にはその断面を略矩形とすることが好ましい。前記蛇行防止ガイドの幅は蛇行防止効果、耐久性等の点から、通常1〜10mmが好ましく、特に4〜7mmが好ましい。厚みは、特に制限されないが、蛇行防止効果や耐久性等の観点から、通常0.5〜5mmが好ましく、特に1〜2mmが好ましい。
−接着部−
前記ベルト本体及び前記蛇行防止ガイドは、前記感熱型の不織布と弾性接着剤とを含有する接着部により接着される。本発明に用いられる感熱型の不織布は、液状の弾性接着剤と組み合わせて用いる場合に、弾性接着剤が低粘度になる温度領域では、不織布の形状が残っており、弾性接着剤が不織布中に保持されるため、蛇行防止ガイドよりはみ出すことを防止することができる。
前記ベルト本体及び前記蛇行防止ガイドは、前記感熱型の不織布と弾性接着剤とを含有する接着部により接着される。本発明に用いられる感熱型の不織布は、液状の弾性接着剤と組み合わせて用いる場合に、弾性接着剤が低粘度になる温度領域では、不織布の形状が残っており、弾性接着剤が不織布中に保持されるため、蛇行防止ガイドよりはみ出すことを防止することができる。
(1)感熱型の不織布
本発明に用いられる感熱型の不織布は、常温では接着力及び粘着力の無い不織布であるが、加熱することで溶融し、冷却固化する時に接着力を発現する接着剤を用いてなる。前記不織布は、感熱型の接着剤を繊維形状に織り込んだ構成であるので、その内部に後述する弾性接着剤を保持することができ、蛇行防止ガイド端部の接着不良の発生を防止できる。
本発明で言う「不織布」とは、繊維を適当な方法でウェブ状(薄綿状)またはマット状に配列させ、接着剤あるいは繊維自身の融着力によって繊維相互を接合させて得られるシート状のものを意味する。
本発明に用いられる感熱型の不織布は、常温では接着力及び粘着力の無い不織布であるが、加熱することで溶融し、冷却固化する時に接着力を発現する接着剤を用いてなる。前記不織布は、感熱型の接着剤を繊維形状に織り込んだ構成であるので、その内部に後述する弾性接着剤を保持することができ、蛇行防止ガイド端部の接着不良の発生を防止できる。
本発明で言う「不織布」とは、繊維を適当な方法でウェブ状(薄綿状)またはマット状に配列させ、接着剤あるいは繊維自身の融着力によって繊維相互を接合させて得られるシート状のものを意味する。
また、常温で単に圧力を加えて接着する感圧型接着剤と異なり、本発明の接着部は加熱により溶融することで、ベルト本体及び蛇行防止ガイドの表面に濡れ馴染み、細かな凹凸にも入り込み固化させることができるので、前記感圧型接着剤よりも接着強度が高まる。
前記感熱型の不織布を構成する接着剤は、使用されるベルト本体及び蛇行防止ガイドの加熱時における濡れ性が良く、また、ベルト本体及び蛇行防止ガイドを傷めない温度で接着性を発揮できるものの中から適宜選択することが好ましい。
そのような感熱型の不織布接着剤の例としては、アクリル系、ポリエステル系、ウレタン系などの樹脂系材料が挙げられる。例えば、ベルト本体としてポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂を使用し、蛇行防止ガイドとしてポリウレタン樹脂、ポリウレタンゴムを使用する場合、蛇行防止ガイドとの接着性に優れ、接着後の柔軟性という点からもウレタン系の感熱型の不織布を用いることが好ましい。
本発明に用いる感熱型の不織布の具体例としては、カネボウ合繊(株)製のエスパンシオーネFF(ウレタン系)が好ましく挙げられる。
また、不織布の目付重量は、接着強度を得るために必要な量の前記弾性接着剤を含有できる空隙があり、感熱型接着剤としての接着強度も損なわない点で良好である観点から、30〜150g/m2であることが好ましく、更には50〜100g/m2であることが好ましい。
本発明に用いる感熱型の不織布の具体例としては、カネボウ合繊(株)製のエスパンシオーネFF(ウレタン系)が好ましく挙げられる。
また、不織布の目付重量は、接着強度を得るために必要な量の前記弾性接着剤を含有できる空隙があり、感熱型接着剤としての接着強度も損なわない点で良好である観点から、30〜150g/m2であることが好ましく、更には50〜100g/m2であることが好ましい。
(2)弾性接着剤
本発明に用いられる弾性を有する接着剤は、硬化反応後のデュロメータ硬さがA30/S〜A50/Sの範囲である接着剤をいい、作業性等の観点から一液性の弾性接着剤が好ましく用いられる。また更に、弾性及び接着強度が良好である観点から、シリコンポリマーを含有してなる弾性接着剤が好ましい。
そのような弾性接着剤の具体例としては、セメダイン(株)製のアクリル変性シリコンポリマーを主成分とするスーパーXNo8008、コニシ(株)製の特殊変成シリコンポリマーを主成分とするボンドMOS7などを挙げることができ、ベルト本体との接着強度よりセメダイン(株)製のアクリル変性シリコンポリマーを主成分とするスーパーXNo8008が好ましく用いられる。
本発明に用いられる弾性を有する接着剤は、硬化反応後のデュロメータ硬さがA30/S〜A50/Sの範囲である接着剤をいい、作業性等の観点から一液性の弾性接着剤が好ましく用いられる。また更に、弾性及び接着強度が良好である観点から、シリコンポリマーを含有してなる弾性接着剤が好ましい。
そのような弾性接着剤の具体例としては、セメダイン(株)製のアクリル変性シリコンポリマーを主成分とするスーパーXNo8008、コニシ(株)製の特殊変成シリコンポリマーを主成分とするボンドMOS7などを挙げることができ、ベルト本体との接着強度よりセメダイン(株)製のアクリル変性シリコンポリマーを主成分とするスーパーXNo8008が好ましく用いられる。
セメダイン(株)製のアクリル変性シリコンポリマーを主成分とするスーパーXNo8008等のシリコンポリマー含有弾性接着剤のみを単独で接着部として用いた場合、一般には、常温で2時間以上の硬化時間があり、作業性が悪い。蛇行防止ガイドに接着剤を塗布した後で、60℃〜140℃で加熱すると硬化時間を短縮することができるが、加熱によって、接着剤が低粘度となって、蛇行防止ガイドからはみ出す問題が生じることがある。前記感熱型タイプの不織布を組み合わせることで、接着剤のはみ出しを防止することができ、かつ硬化時間を短縮して作業性を大幅に改善することができる。
また、特にベルト本体のヤング率が2000MPa以上の強度を有している場合、エンドレスベルトの走行時にベルト本体と接着部の接着界面に作用するせん断力によって、ベルト本体が破断するなどの問題が生じていた。しかし、感熱型タイプの不織布と弾性接着剤とを用いることにより耐せん断性に優れた接着部とすることができ、エンドレスベルトの長時間駆動によっても蛇行防止ガイドが位置ずれする、剥離が生じるなどの問題を効果的に抑制することができる。
−エンドレスベルトの作製−
前記エンドレスベルトの作製は、シート状のベルト本体と蛇行防止ガイドとを接着し、その後ベルト本体の端部間を接着して環状のエンドレスベルトを作製してもよいし、ベルト本体を環状に形成した後に蛇行防止ガイドを接着してエンドレスベルトを作製してもよい。蛇行防止ガイドは、ベルト本体の片方の側縁に沿って設けるのみでもよいが、さらなる蛇行防止効果、耐久性及び補強効果等の点から、ベルト本体の両方の側縁に沿って設けることがより好ましい。蛇行防止ガイドのベルト本体への接着位置(側縁からの距離)は、エンドレスベルトの用途、機能、エンドレスベルトを用いる装置等に応じて適宜設定される。
前記エンドレスベルトの作製は、シート状のベルト本体と蛇行防止ガイドとを接着し、その後ベルト本体の端部間を接着して環状のエンドレスベルトを作製してもよいし、ベルト本体を環状に形成した後に蛇行防止ガイドを接着してエンドレスベルトを作製してもよい。蛇行防止ガイドは、ベルト本体の片方の側縁に沿って設けるのみでもよいが、さらなる蛇行防止効果、耐久性及び補強効果等の点から、ベルト本体の両方の側縁に沿って設けることがより好ましい。蛇行防止ガイドのベルト本体への接着位置(側縁からの距離)は、エンドレスベルトの用途、機能、エンドレスベルトを用いる装置等に応じて適宜設定される。
図1では、ベルト本体2の内側面に蛇行防止ガイド3が接着されているが、蛇行防止ガイド3の接着面は、エンドレスベルト1の適用される用途に応じて、ベルト本体2の外側面に接着されていてもよい。また、蛇行防止ガイド3はエンドレスベルト1の補強効果の点から全周に設けることが好ましいが、蛇行防止ガイドのつなぎ目に1〜10mm程度の隙間を有していてもよい。
蛇行防止ガイドをベルト本体へ接着する方法は、特に制限されないが、感熱型タイプの不織布と弾性接着剤からなる接着部は、感熱型タイプの不織布を蛇行防止ガイドに仮着させ、次いで、弾性を有する接着剤を感熱型タイプの不織布の上に塗布してからベルト本体に温度90℃〜140℃で加熱し本接着して用いることが好ましい。尚、更に好ましく温度としては95℃〜110℃である。このようにしてベルト本体と蛇行防止ガイドとを、感熱型タイプの不織布及び弾性接着剤を用いてなる接着部により一体化してエンドレスベルトを作製する。
なお、貼り合わせは、気泡を入れずに貼り合わせることが重要であり、通常ハンドローラ、ゴムローラ、プレス等での貼り合わせ、減圧下での貼り合わせ、加圧下での貼り合わせ等の方法を用いることが好ましい。また、蛇行防止ガイド表面またはベルト本体表面は、コロナ処理、ブラスト処理、プライマー処理またはエージング等を行って接着力を向上させていてもよい。
−接着部のスラスト剥離強度−
本発明のエンドレスベルトにおいては、本発明の効果をより顕著に発揮するため、感熱型タイプの不織布と弾性接着剤を用いてなる接着部により接着されたベルト本体と蛇行防止ガイドのスラスト剥離強度は、15N/mm以上25N/mm以下であることが好ましく、更には18N/mm以上23N/mm以下であることが好ましい。スラスト剥離強度が15N/mm以上であると、エンドレスベルトの長時間駆動によっても、蛇行防止ガイドの位置ずれ、剥離が生じるなどの問題がより効果的に防止でき、25N/mm以下であると、エンドレスベルトの走行時にベルト本体と接着部の接着界面に作用するせん断力によって生じるエンドレスベルトの破断をより効果的に防止することができる。
尚、スラスト剥離強度は、エンドレスベルト作製時における感熱型タイプの不織布と弾性接着剤を用いてなる接着部の接着温度により制御することができ、接着温度を高温にするほどスラスト剥離強度も高くなる。スラスト剥離強度を15N/mm以上25N/mm以下とするために、具体的には、90℃〜140℃の温度範囲が好ましく用いられる。
本発明のエンドレスベルトにおいては、本発明の効果をより顕著に発揮するため、感熱型タイプの不織布と弾性接着剤を用いてなる接着部により接着されたベルト本体と蛇行防止ガイドのスラスト剥離強度は、15N/mm以上25N/mm以下であることが好ましく、更には18N/mm以上23N/mm以下であることが好ましい。スラスト剥離強度が15N/mm以上であると、エンドレスベルトの長時間駆動によっても、蛇行防止ガイドの位置ずれ、剥離が生じるなどの問題がより効果的に防止でき、25N/mm以下であると、エンドレスベルトの走行時にベルト本体と接着部の接着界面に作用するせん断力によって生じるエンドレスベルトの破断をより効果的に防止することができる。
尚、スラスト剥離強度は、エンドレスベルト作製時における感熱型タイプの不織布と弾性接着剤を用いてなる接着部の接着温度により制御することができ、接着温度を高温にするほどスラスト剥離強度も高くなる。スラスト剥離強度を15N/mm以上25N/mm以下とするために、具体的には、90℃〜140℃の温度範囲が好ましく用いられる。
前記スラスト剥離強度の測定方法を以下に述べる。
図4は、スラスト剥離試験の説明図であり、図4(a)は試験片40を示す平面図、図4(b)は試験片40を図4(a)の矢印Dの方向から見た側面図、図4(c)は試験方法の説明図であり、試験片40をベルト固定部材42に挿入する前の状態を示す図、図4(d)は試験片40をベルト固定部材42に挿入した状態を示す図、図4(e)は図4(d)の縦断面拡大図である。
図4は、スラスト剥離試験の説明図であり、図4(a)は試験片40を示す平面図、図4(b)は試験片40を図4(a)の矢印Dの方向から見た側面図、図4(c)は試験方法の説明図であり、試験片40をベルト固定部材42に挿入する前の状態を示す図、図4(d)は試験片40をベルト固定部材42に挿入した状態を示す図、図4(e)は図4(d)の縦断面拡大図である。
図4(a)に示すように、前記エンドレスベルトを切断して、図面上Y方向に30mm、X方向に50mmの試験片40を作製する。また、図4(c)〜図4(e)に示すように、スラスト剥離強度試験に使用するベルト固定部材42の幅W2は10mmであり、側面にはベルト本体貫通溝44及び蛇行防止ガイド貫通溝46が形成されている。前記試験片40のベルト本体2部分及び蛇行防止ガイド3部分をそれぞれ前記ベルト固定部材42側面に設けられたベルト本体貫通溝44及び蛇行防止ガイド貫通溝46に、図4(d)に示すように挿入する。試験片40をベルト固定部材42に挿入した後、ベルト固定部材42を固定した状態で試験片40を図4(e)に示す矢印Eの方向に10mm/minの速度で引っ張る。その際、前記ベルト本体2と蛇行防止ガイド3との接着部分にはスラスト力(せん断力)が作用する。
22±2℃、55±5%RHの環境下で、前記ベルト本体2と前記蛇行防止ガイド3とが剥離した時の力P2(N)を測定し、測定したP2(N)と前記固定部材40の幅W2(10mm)とからスラスト剥離強度(P2/W2)(N/mm)を算出する。
−1N/mmの荷重を72時間連続して加えた時の蛇行防止ガイドの変位量−
図4に示したスラスト剥離試験条件において、22±2℃、55±5%RHの環境下で、1N/mmの荷重を72時間連続して加えた時の蛇行防止ガイド3の変位量を求めた。変位量は、蛇行防止ガイド貫通溝46に挿入され、ベルト固定部材42のスラスト力によりずれの生じた部分の蛇行防止ガイドの端と、蛇行防止ガイド貫通溝46に挿入されていないためスラスト力が掛からず、ずれを生じていない部分の蛇行防止ガイドの端との距離を画像解析によって測定して求めた。本発明では、この変位量が0.1mm未満であることが好ましく、更には0.05mm以下であることがより好ましい。
変位量が0.1mm未満であることにより、ベルト走行時に蛇行防止ガイド3に加わる応力による蛇行防止ガイド3の位置ずれの問題が更に効果的に防止することができる。変位量は、エンドレスベルト作製時における感熱型タイプの不織布と弾性接着剤を用いてなる接着部4の接着温度により制御することができ、接着温度を高温にするほど変位量は小さくなる。変位量を0.1mm未満とするために、具体的には、接着温度としては90℃〜140℃の温度範囲が好ましく、更に好ましくは、95℃〜110℃である。
図4に示したスラスト剥離試験条件において、22±2℃、55±5%RHの環境下で、1N/mmの荷重を72時間連続して加えた時の蛇行防止ガイド3の変位量を求めた。変位量は、蛇行防止ガイド貫通溝46に挿入され、ベルト固定部材42のスラスト力によりずれの生じた部分の蛇行防止ガイドの端と、蛇行防止ガイド貫通溝46に挿入されていないためスラスト力が掛からず、ずれを生じていない部分の蛇行防止ガイドの端との距離を画像解析によって測定して求めた。本発明では、この変位量が0.1mm未満であることが好ましく、更には0.05mm以下であることがより好ましい。
変位量が0.1mm未満であることにより、ベルト走行時に蛇行防止ガイド3に加わる応力による蛇行防止ガイド3の位置ずれの問題が更に効果的に防止することができる。変位量は、エンドレスベルト作製時における感熱型タイプの不織布と弾性接着剤を用いてなる接着部4の接着温度により制御することができ、接着温度を高温にするほど変位量は小さくなる。変位量を0.1mm未満とするために、具体的には、接着温度としては90℃〜140℃の温度範囲が好ましく、更に好ましくは、95℃〜110℃である。
−1N/mmの荷重を14日間連続して加えた時の蛇行防止ガイドの変位量−
図4に示したスラスト剥離試験条件において、22±2℃、55±5%RHの環境下で、1N/mmの荷重を14日間連続して加えた時の蛇行防止ガイド3の変位量を求めた。変位量は、蛇行防止ガイド貫通溝46に挿入され、ベルト固定部材42のスラスト力によりずれの生じた部分の蛇行防止ガイドの端と、蛇行防止ガイド貫通溝46に挿入されていないためスラスト力が掛からず、ずれを生じていない部分の蛇行防止ガイドの端との距離を画像解析によって測定して求めた。本発明では、この変位量は1mm未満であることが好ましく、更には0.5mm以下であることがより好ましい。
変位量が、1mm未満であることにより、ベルト走行時に蛇行防止ガイド3に加わる応力による蛇行防止ガイド3の位置ずれの問題が更に効果的に防止することができる。変位量は、エンドレスベルト作製時における感熱型タイプの不織布と弾性接着剤を用いてなる接着部4の接着温度により制御することができ、接着温度を高温にするほど変位量は小さくなる。変位量を1mm未満とするために、具体的には、接着温度としては90℃〜140℃の温度範囲が好ましく、更に好ましくは、95℃〜110℃である。
図4に示したスラスト剥離試験条件において、22±2℃、55±5%RHの環境下で、1N/mmの荷重を14日間連続して加えた時の蛇行防止ガイド3の変位量を求めた。変位量は、蛇行防止ガイド貫通溝46に挿入され、ベルト固定部材42のスラスト力によりずれの生じた部分の蛇行防止ガイドの端と、蛇行防止ガイド貫通溝46に挿入されていないためスラスト力が掛からず、ずれを生じていない部分の蛇行防止ガイドの端との距離を画像解析によって測定して求めた。本発明では、この変位量は1mm未満であることが好ましく、更には0.5mm以下であることがより好ましい。
変位量が、1mm未満であることにより、ベルト走行時に蛇行防止ガイド3に加わる応力による蛇行防止ガイド3の位置ずれの問題が更に効果的に防止することができる。変位量は、エンドレスベルト作製時における感熱型タイプの不織布と弾性接着剤を用いてなる接着部4の接着温度により制御することができ、接着温度を高温にするほど変位量は小さくなる。変位量を1mm未満とするために、具体的には、接着温度としては90℃〜140℃の温度範囲が好ましく、更に好ましくは、95℃〜110℃である。
前記スラスト剥離強度の条件範囲を満たすエンドレスベルト、及び前記変位量の条件範囲を満たすエンドレスベルトは、エンドレスベルトの走行時に、ベルト本体と接着部と蛇行防止ガイドとの接着界面に作用するせん断力により、エンドレスベルトが破損するなどの問題が少なくなる。また、エンドレスベルトを感光体の形状に沿うように配置して用いる画像形成装置のように、蛇行防止ガイドに大きな負荷のかかる使用をした際にも、接着界面でのずれが発生する等の問題が起こりにくく、安定して高品質の画像を提供することができ、エンドレスベルトの配置の自由度が増すので画像形成装置の小型化が可能となる。前記スラスト剥離強度の条件範囲と前記変位量の条件範囲を共に満たすエンドレスベルトは、エンドレスベルトの走行時に、ベルト本体と接着部と蛇行防止ガイドとの接着界面に作用するせん断力により、エンドレスベルトが破損するなどの問題がさらに少なくなるので好ましい。
−ベルト本体と蛇行防止ガイドとのT型剥離強度−
本発明のエンドレスベルトにおいては、本発明の効果をより顕著に発揮するため、接着部により貼設されたベルト本体と蛇行防止ガイドのT型剥離強度は、1.2N/mm以上2.0N/mm以下であることが好ましく、さらに好ましくは1.4N/mm以上1.5N/mm以下である。T型剥離強度が1.2N/mm以上であると、エンドレスベルトの長時間駆動によっても、蛇行防止ガイドの位置ずれ、剥離が生じるなどの問題がより効果的に防止でき、2.0N/mm以下であると、エンドレスベルトの走行時にベルト本体と接着部の接着界面に作用するせん断力によって生じるエンドレスベルトの破断をより効果的に防止することができる。また、エンドレスベルトを感光体の形状に沿うように配置して用いる画像形成装置のように、蛇行防止ガイドに大きな負荷のかかる使用をした際にも、接着界面でのずれが発生する等の問題がより効果的に防止でき、安定して高品質の画像を提供することができる。このようにT型剥離強度を上記範囲とすることで、エンドレスベルトの配置の自由度が増すので画像形成装置の小型化が可能となる。
尚、T型剥離強度は、エンドレスベルト作製時における感熱型タイプの不織布と弾性接着剤を用いてなる接着部の接着温度により制御することができ、接着温度を高温にするほどT型剥離強度も高くなる。T型剥離強度を1.2N/mm以上2.0N/mm以下とするために、具体的には、90℃〜140℃の温度範囲が好ましく用いられる。
本発明のエンドレスベルトにおいては、本発明の効果をより顕著に発揮するため、接着部により貼設されたベルト本体と蛇行防止ガイドのT型剥離強度は、1.2N/mm以上2.0N/mm以下であることが好ましく、さらに好ましくは1.4N/mm以上1.5N/mm以下である。T型剥離強度が1.2N/mm以上であると、エンドレスベルトの長時間駆動によっても、蛇行防止ガイドの位置ずれ、剥離が生じるなどの問題がより効果的に防止でき、2.0N/mm以下であると、エンドレスベルトの走行時にベルト本体と接着部の接着界面に作用するせん断力によって生じるエンドレスベルトの破断をより効果的に防止することができる。また、エンドレスベルトを感光体の形状に沿うように配置して用いる画像形成装置のように、蛇行防止ガイドに大きな負荷のかかる使用をした際にも、接着界面でのずれが発生する等の問題がより効果的に防止でき、安定して高品質の画像を提供することができる。このようにT型剥離強度を上記範囲とすることで、エンドレスベルトの配置の自由度が増すので画像形成装置の小型化が可能となる。
尚、T型剥離強度は、エンドレスベルト作製時における感熱型タイプの不織布と弾性接着剤を用いてなる接着部の接着温度により制御することができ、接着温度を高温にするほどT型剥離強度も高くなる。T型剥離強度を1.2N/mm以上2.0N/mm以下とするために、具体的には、90℃〜140℃の温度範囲が好ましく用いられる。
前記T型剥離強度の測定方法を以下に述べる。
図3は、T型剥離試験の説明図である。図3(a)はT型剥離試験の試験片30を作製する部分を示す。図3(b−1)及び(b−2)は試験片30の側面図を示す。図3(c)はT型剥離試験の試験方法の説明図である。
図3は、T型剥離試験の説明図である。図3(a)はT型剥離試験の試験片30を作製する部分を示す。図3(b−1)及び(b−2)は試験片30の側面図を示す。図3(c)はT型剥離試験の試験方法の説明図である。
図3(a)に示すように、幅W1の蛇行防止ガイド3と同じ幅にベルト本体2を切断し、幅W1、長さ50mmの試験片30を得た。図3(b−1)は、試験片30を矢印Aの方向から見た図であり、図3(b−2)は、試験片30を矢印Bの方向から見た図である。
22±2℃、55±5%RHの環境下で、得られた試験片30の一端を、図3(c)に示すようにベルト本体2と蛇行防止ガイド3の接着界面で剥離させ、ベルト本体2を固定し、蛇行防止ガイド3を矢印Cの方向に50mm/minの速度で引っ張りT字型に引き裂いたときの引張力P1(N)を測定する。測定されたP1及びW1を用いてT型剥離強度(P1/W1)(N/mm)を算出する。
<画像形成装置>
本発明の画像形成装置は、本発明のエンドレスベルトを用いた画像形成装置であれば特に限定されるものではなく、該エンドレスベルトは、例えば用紙搬送ベルトや中間転写ベルトとして用いられる。該画像形成装置の態様としては、現像装置内に単色のトナーのみを収容する通常のモノカラー画像形成装置や、感光体ドラム等の像担持体上に担持されたトナー像を中間転写体に順次一次転写を繰り返すカラー画像形成装置、各色毎の現像装置を備えた複数の像担持体を中間転写体上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置等が挙げられる。
本発明の画像形成装置は、本発明のエンドレスベルトを用いた画像形成装置であれば特に限定されるものではなく、該エンドレスベルトは、例えば用紙搬送ベルトや中間転写ベルトとして用いられる。該画像形成装置の態様としては、現像装置内に単色のトナーのみを収容する通常のモノカラー画像形成装置や、感光体ドラム等の像担持体上に担持されたトナー像を中間転写体に順次一次転写を繰り返すカラー画像形成装置、各色毎の現像装置を備えた複数の像担持体を中間転写体上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置等が挙げられる。
以下に、本発明の画像形成装置の一例として、一次転写を繰り返すカラー画像形成装置を示す。図5は、本発明のエンドレスベルトを中間転写ベルトとして備えた画像形成装置を示す概略図である。
図5に示す画像形成装置は、像担持体としての感光体ドラム101、中間転写体としての中間転写ベルト102、転写電極であるバイアスローラ103、被転写体である用紙を供給するトレー104、BK(ブラック)トナーによる現像装置105、Y(イエロー)トナーによる現像装置106、M(マゼンタ)トナーによる現像装置107、C(シアン)トナーによる現像装置108、ベルトクリーナー109、剥離爪113、ベルト支持ロール121、123及び124、バックアップローラ122、導電性ローラ125、電極ローラ126、クリーニングブレード131、用紙束141、ピックアップローラ142、並びにフィードローラ143を備えてなり、中間転写ベルト102として本発明のエンドレスベルトが用いられる。
中間転写ベルト102の内側面に備えられた蛇行防止ガイドは、ベルト支持ロール121、123及び124の側縁部に当接するように位置するため、ベルト走行時、中間転写ベルト102は蛇行防止ベルトに案内されるため、中間転写ベルト102はベルト走行時の蛇行問題を起こさない。
図5に示す画像形成装置は、像担持体としての感光体ドラム101、中間転写体としての中間転写ベルト102、転写電極であるバイアスローラ103、被転写体である用紙を供給するトレー104、BK(ブラック)トナーによる現像装置105、Y(イエロー)トナーによる現像装置106、M(マゼンタ)トナーによる現像装置107、C(シアン)トナーによる現像装置108、ベルトクリーナー109、剥離爪113、ベルト支持ロール121、123及び124、バックアップローラ122、導電性ローラ125、電極ローラ126、クリーニングブレード131、用紙束141、ピックアップローラ142、並びにフィードローラ143を備えてなり、中間転写ベルト102として本発明のエンドレスベルトが用いられる。
中間転写ベルト102の内側面に備えられた蛇行防止ガイドは、ベルト支持ロール121、123及び124の側縁部に当接するように位置するため、ベルト走行時、中間転写ベルト102は蛇行防止ベルトに案内されるため、中間転写ベルト102はベルト走行時の蛇行問題を起こさない。
図5に示す画像形成装置において、感光体ドラム101は矢印F方向に回転し、図示しない帯電装置でその表面が一様に帯電される。帯電された感光体ドラム101にレーザー書込み装置などの画像書き込み手段により第一色(例えば、BK)の静電潜像が形成される。この静電潜像は現像装置105によってトナー現像されて可視化されたトナー像Tが形成される。トナー像Tは感光体ドラム101の回転で導電性ローラ125が配置された一次転写部に到り、導電性ローラ125からトナー像Tに逆極性の電界を作用させることにより上記トナー像Tを静電的に中間転写ベルト102に吸着されつつ中間転写ベルト102の矢印G方向の回転で一次転写される。導電性ローラ125は、図5に示したように感光体ドラム101の直下に配置していても、感光体ドラム101の直下からずれた位置に配置させてもよい。
以下、同様にして第2色のトナー像、第3色のトナー像、第4色のトナー像が順次形成され中間転写ベルト102において重合せられて、多重トナー像が形成される。尚、このときのトナーは一成分系のものでもよいし二成分系のものでもよい。
中間転写ベルト102に転写された多重トナー像は、中間転写ベルト102の回転でバイアスローラ103が設置された二次転写部に到る。二次転写部は、中間転写ベルト102のトナー像が担持された表面側に設置されたバイアスローラ103と該中間転写ベルト102の裏側からバイアスローラ103に対向するごとく配置されたバックアップローラ122およびこのバックアップローラ122に圧接して回転する電極ローラ126から構成される。
用紙141は、用紙トレー104に収容された用紙束からピックアップローラ142で一枚ずつ取り出され、フィードローラ143で二次転写部の中間転写ベルト102とバイアスローラ103との間に所定のタイミングで給送される。給送された用紙141には、バイアスローラ103及びバックアップローラ122による圧接搬送と中間転写ベルト102の回転により、該中間転写ベルト102に担持されたトナー像が転写される。
トナー像が転写された用紙141は、最終トナー像の一次転写終了まで退避位置にある剥離爪113を作動せることにより中間転写ベルト102から剥離され、図示しない定着装置に搬送され、加圧/加熱処理でトナー像を固定して永久画像とされる。なお、多重トナー像の用紙141への転写の終了した中間転写ベルト102は、二次転写部の下流に設けたベルトクリーナー109で残留トナーの除去が行われて次の転写に備える。また、バイアスローラ103は、ポリウレタン等からなるクリーニングブレード131が常時当接するごとく取り付けられており、転写で付着したトナー粒子や紙紛等の異物が除去される。
単色画像の転写の場合、一次転写されたトナー像Tを直ちに二次転写して用紙141を定着装置に搬送するが、複数色の重ね合わせによる多色画像の転写の場合、各色のトナー像が一次転写部で正確に一致するように中間転写ベルト102と感光体ドラム101との回転を同期させて各色のトナー像がずれないようにする。上記二次転写部では、バイアスローラ103と中間転写ベルト102を介して対向配置したバックアップローラ122に圧接した電極ローラ126にトナー像の極性と同極性の出圧(転写電圧)を印加することで該トナー像を用紙141に静電反発で転写する。
以上のようにして、画像を形成することができる。
以上のようにして、画像を形成することができる。
次に、本発明の画像形成装置の他の一例を示す。図6は、本発明のエンドレスベルトを用紙搬送ベルトとして備えた画像形成装置を示す概略図である。
図6に示す画像形成装置は、ユニットY、M、C、BKと、用紙搬送ベルト206と、転写ロール207Y、207M、207C、207BKと、用紙搬送ロール208と、定着器209とを備えており、用紙搬送ベルト206として、本発明のエンドレスベルトが用いられる。
用紙搬送ベルト206の内側に備えられた蛇行防止ガイドは、ベルト支持ロール210、211、212及び213の側縁部に当接するように位置するため、ベルト走行時、用紙搬送ベルト206は蛇行防止ベルトに案内される。用紙搬送ベルト206は、蛇行防止ガイドが、支持ロール210等に形成された溝を走行することで、ベルト走行時、蛇行する問題を起こさない。
図6に示す画像形成装置は、ユニットY、M、C、BKと、用紙搬送ベルト206と、転写ロール207Y、207M、207C、207BKと、用紙搬送ロール208と、定着器209とを備えており、用紙搬送ベルト206として、本発明のエンドレスベルトが用いられる。
用紙搬送ベルト206の内側に備えられた蛇行防止ガイドは、ベルト支持ロール210、211、212及び213の側縁部に当接するように位置するため、ベルト走行時、用紙搬送ベルト206は蛇行防止ベルトに案内される。用紙搬送ベルト206は、蛇行防止ガイドが、支持ロール210等に形成された溝を走行することで、ベルト走行時、蛇行する問題を起こさない。
ユニットY、M、C、BKは、矢印の時計方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転可能にそれぞれ感光体ドラム201Y、201M、201C、201BKが備えられる。感光体ドラム201Y、201M、201C、201BKの周囲には、帯電ロール202Y、202M、202C、202BKと、露光器203Y、203M、203C、203BKと、各色現像装置(イエロー現像装置204Y、マゼンタ現像装置204M、シアン現像装置204C、ブラック現像装置204BK)と、感光体ドラムクリーナー205Y、205M、205C、205BKとがそれぞれ配置されている。
ユニットY、M、C、BKは、用紙搬送ベルト206に対して4つ並列に、ユニットBK、C、M、Yの順に配置されているが、ユニットBK、Y、C、Mの順等、画像形成方法に合わせて適当な順序を設定することができる。
用紙搬送ベルト206は、ベルト支持ロール210、211、212、213によって、矢印の反時計方向に感光体ドラム201Y、201M、201C、201BKと同じ周速度をもって回転可能になっており、ベルト支持ロール212、213の中間に位置するその一部が感光体ドラム201Y、201M、201C、201BKとそれぞれ接するように配置されている。用紙搬送ベルト206は、ベルト用クリーニング装置214が備えられている。
転写ロール207Y、207M、207C、207BKは、用紙搬送ベルト206の内側であって、用紙搬送ベルト206と感光体ドラム201Y、201M、201C、201BKとが接している部分に対向する位置にそれぞれ配置され、感光体ドラム201Y、201M、201C、201BKと、用紙搬送ベルト206を介してトナー画像を用紙(被転写体)216に転写する転写領域(ニップ部)を形成している。転写ロール207Y、207M、207C、207BKは、図6のように感光体ドラム201Y、201M、201C、201BKの直下に配置していても、直下からずれた位置に配置してもよい。
定着装置209は、用紙搬送ベルト206と感光体ドラム201Y、201M、201C、201BKとのそれぞれの転写領域(ニップ部)を通過した後に搬送できるように配置されている。
用紙搬送ロール208により、用紙216は用紙搬送ベルト206に搬送される。
図6に示す画像形成装置において、ユニットBKにおいては、感光体ドラム201BKを回転駆動させる。これと連動して帯電ロール202BKが駆動し、感光体ドラム201BKの表面を所定の極性・電位に一様に帯電させる。表面が一様に帯電された感光体ドラム201BKは、次に、露光器203BKによって像様に露光され、その表面に静電潜像が形成される。
続いて該静電潜像は、ブラック現像装置204BKによって現像される。すると、感光体ドラム201BKの表面にトナー画像が形成される。なお、このときのトナーは一成分系のものでもよいし二成分系のものでもよい。
このトナー画像は、感光体ドラム201BKと用紙搬送ベルト206との転写領域(ニップ部)を通過すると同時に、用紙216が静電的に用紙搬送ベルト206に吸着して転写領域(ニップ部)まで搬送され、転写ロール207BKから印加される転写バイアスによって形成される電界により、用紙216の表面に順次転写される。
この後、感光体ドラム201BK上に残存するトナーは、感光体ドラムクリーナ205BKによって清掃・除去される。そして、感光体ドラム201BKは、次の転写サイクルに供される。
以上の転写サイクルは、ユニットC、M及びYでも同様に行われる。
転写ロール207BK、207C、207M及び207Yによってトナー画像を転写された用紙216は、さらに定着装置209に搬送され、定着が行われる。
以上により用紙上に所望の画像が形成される。
以上により用紙上に所望の画像が形成される。
更に、本発明の画像形成装置の他の一例を示す。図7は、本発明のエンドレスベルトを中間転写ベルトとして備えたタンデム式の画像形成装置の要部を説明する模試図である。
具体的には、感光体79表面を均一に帯電する帯電ローラ83(帯電装置)、感光体79表面を露光し静電潜像を形成するレーザー発生装置78(露光装置)、感光体79表面に形成された潜像を、現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する現像器85(現像装置)、現像したトナー像を中間転写ベルト86に転写する転写ロール80、感光体79に付着したトナーやゴミ等を除去する感光体クリ−ナー84(クリーニング装置)、被転写材上のトナー像を定着する定着ローラ72等必要に応じて公知の方法で任意に備えることができる。感光体79と転写ロール80は、図7のように感光体直上に配置していても、感光体直上からずれた位置に配置していてもよい。そして、この中間転写ベルト86として本発明のエンドレスベルトを備えることで、上述の構成のようなタンデム式の画像形成装置においても、高品質の転写画質を安定して得ることができる。
具体的には、感光体79表面を均一に帯電する帯電ローラ83(帯電装置)、感光体79表面を露光し静電潜像を形成するレーザー発生装置78(露光装置)、感光体79表面に形成された潜像を、現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する現像器85(現像装置)、現像したトナー像を中間転写ベルト86に転写する転写ロール80、感光体79に付着したトナーやゴミ等を除去する感光体クリ−ナー84(クリーニング装置)、被転写材上のトナー像を定着する定着ローラ72等必要に応じて公知の方法で任意に備えることができる。感光体79と転写ロール80は、図7のように感光体直上に配置していても、感光体直上からずれた位置に配置していてもよい。そして、この中間転写ベルト86として本発明のエンドレスベルトを備えることで、上述の構成のようなタンデム式の画像形成装置においても、高品質の転写画質を安定して得ることができる。
さらに、図7に示す画像形成装置の構成について詳細に説明する。図7に示す画像形成装置は、4つのトナーカートリッジ71、1対の定着ロール72、バックアップロール73、テンションロール74、2次転写ロール75、用紙経路76、用紙トレイ77、レーザー発生装置78、4つの感光体79、4つの1次転写ロール80、駆動ロール81、転写クリーナー82、4つの帯電ロール83、感光体クリーナー84、現像器85、中間転写ベルト86等を主用な構成部材として含んでなる。
まず、感光体79の周囲には、反時計回りに帯電ロール83、現像器85、中間転写ベルト86を介して配置された1次転写ロール80、感光体クリーナー84が配置され、これら1組の部材が、1つの色に対応した現像ユニットを形成している。また、この現像ユニット毎に、現像器85に現像剤を補充するトナーカートリッジ71がそれぞれ設けられており、各現像ユニットの感光体79に対して、帯電ロール83と現像器85との間の感光体79表面に画像情報に応じたレーザー光を照射することができるレーザー発生装置78が設けられている。
4つの色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)に対応した4つの現像ユニットは、画像形成装置内においてほぼ水平方向に直列に配置されており、4つの現像ユニットの感光体79と1次転写ロール80とのニップ部を挿通するように中間転写ベルト86が設けられている。中間転写ベルト86は、その内周側に以下の順序で反時計回りに設けられた、バックアップロール73、テンションロール74、及び駆動ロール81により張架されている。なお、4つの1次転写ロールはバックアップロール73とテンションロール74との間に位置する。また、中間転写ベルト86を介して駆動ロール81の反対側には中間転写ベルト86の外周面をクリーニングする転写クリーナー82が駆動ロール81に対して圧接するように設けられている。
また、中間転写ベルト86を介してバックアップロール73の反対側には用紙トレイ77から用紙経路76を経由して搬送される記録用紙の表面に、中間転写ベルト86の外周面に形成されたトナー像を転写するための2次転写ロール75が、バックアップロール73に対して圧接するように設けられている。
また、画像形成装置の底部には記録用紙をストックする用紙トレイ77が設けられ、用紙トレイ77から用紙経路76を経由して2次転写部を構成するバックアップロール73と2次転写ロール75との圧接部を通過するように供給することができる。この圧接部を通過した記録用紙は更に1対の定着ロール72の圧接部を挿通するように不図示の搬送手段により搬送可能であり、最終的に画像形成装置外へと排出することができる。
次に、図7の画像形成装置を用いた画像形成方法について説明する。トナー像の形成は各現像ユニット毎に行なわれ、帯電ロール83により反時計方向に回転する感光体79表面を一様に帯電した後に、レーザー発生装置78(露光装置)により帯電された感光体79表面に潜像を形成し、次に、この潜像を現像器85から供給される現像剤により現像してトナー像を形成し、1次転写ロール80と感光体79との圧接部に運ばれたトナー像を矢印C方向に回転する中間転写ベルト86の外周面に転写する。なお、トナー像を転写した後の感光体79は、その表面に付着したトナーやゴミ等が感光体クリーナー84によりクリーニングされ、次のトナー像の形成に備える。
各色の現像ユニット毎に現像されたトナー像は、画像情報に対応するように中間転写体86の外周面上に順次重ね合わされた状態で、2次転写部に運ばれ2次転写ロール75により、用紙トレイ77から用紙経路76を経由して搬送されてきた記録用紙表面に転写される。トナー像が転写された記録用紙は、更に定着部を構成する1対の定着ロール72の圧接部を通過する際に加圧加熱されることにより定着され、記録媒体表面に画像が形成された後、画像形成装置外へと排出される。
以下、本発明について実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例によって限定されるものではない。尚、以下において、「部」及び「%」はいずれも特に断りのない限り質量基準である。
[実施例1]
<エンドレスベルトの作製>
(ベルト本体1の形成)
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)とからなるポリアミド酸のN−メチルー2ピロリドン(NMP)溶液(宇部興産製ユーワニスS、固形分18%)に、この溶液中のポリイミド系樹脂を形成することが可能な原料の固形分100部に対して、乾燥した酸化処理カーボンブラック(SPECIAL BLACK4、Degussa社製、pH3.0、揮発分:14.0%)を23部になるよう添加して、衝突型分散機(ジーナス製GeanusPY)を用い、圧力200MPaで、最小面積が1.4mm2で2分割後衝突させ、再度2分割する経路を5回通過させて混合し、基材用のカーボンブラック入りポリアミド酸溶液(A)を得た。
<エンドレスベルトの作製>
(ベルト本体1の形成)
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)とからなるポリアミド酸のN−メチルー2ピロリドン(NMP)溶液(宇部興産製ユーワニスS、固形分18%)に、この溶液中のポリイミド系樹脂を形成することが可能な原料の固形分100部に対して、乾燥した酸化処理カーボンブラック(SPECIAL BLACK4、Degussa社製、pH3.0、揮発分:14.0%)を23部になるよう添加して、衝突型分散機(ジーナス製GeanusPY)を用い、圧力200MPaで、最小面積が1.4mm2で2分割後衝突させ、再度2分割する経路を5回通過させて混合し、基材用のカーボンブラック入りポリアミド酸溶液(A)を得た。
カーボンブラック入りポリアミド酸溶液(A)を円筒状金型内面に、ディスペンサーを介して塗膜の厚みが0.5mmとなるように塗布し、金型を1500rpmで15分間回転させて均一な厚みを有する塗膜を形成した後、金型を250rpmで回転させながら、金型の外側より60℃の熱風を30分間あて、150℃で60分間加熱し、室温にまで冷却して皮膜を形成した。
その後、金型の内面に形成された皮膜を剥離して、この皮膜を金属芯体の外周を覆うように被覆して400℃まで2℃/分の昇温速度で昇温し、更に400℃で30分加熱し、皮膜に残留する溶媒及び脱水閉環水を除去すると共に、イミド転化反応を完結させた。その後金属芯体を室温にまで冷却し、金属芯体表面に形成されたポリイミドフィルムを剥離することにより、外径168mm、厚みが0.08mmのエンドレスベルトを得た。このエンドレスベルトの表面抵抗は1×1012Ω/□、体積抵抗率は3.2×109Ωcm、ヤング率は3800MPaであった。
その後、金型の内面に形成された皮膜を剥離して、この皮膜を金属芯体の外周を覆うように被覆して400℃まで2℃/分の昇温速度で昇温し、更に400℃で30分加熱し、皮膜に残留する溶媒及び脱水閉環水を除去すると共に、イミド転化反応を完結させた。その後金属芯体を室温にまで冷却し、金属芯体表面に形成されたポリイミドフィルムを剥離することにより、外径168mm、厚みが0.08mmのエンドレスベルトを得た。このエンドレスベルトの表面抵抗は1×1012Ω/□、体積抵抗率は3.2×109Ωcm、ヤング率は3800MPaであった。
(蛇行防止ガイドの形成)
蛇行防止ガイドとして、デュロメータ硬さA70/S、厚さ1mmの熱硬化性ウレタンシート(タイガースポリマー(株)製、タイプレンTR100−70)を幅5mmに加工して用いた。
蛇行防止ガイドとして、デュロメータ硬さA70/S、厚さ1mmの熱硬化性ウレタンシート(タイガースポリマー(株)製、タイプレンTR100−70)を幅5mmに加工して用いた。
(蛇行防止ガイドの接着)
厚さ1mm、幅5mmの前記熱硬化性ウレタンシートの接着面を予めブラスト処理した。接着剤として、ウレタン系の感熱型の不織布(カネボウ合繊(株)製エスパンシオーネFF UEOタイプ(目付け重量50g/m2)と、弾性を有する接着剤として、硬化させた後の接着部のデュロメータ硬さがA47/Sであるセメダイン(株)製のスーパーXNo8008を用いて、ウレタン系の感熱型の不織布を熱硬化性ウレタンシートに3.4N/cm2の圧力で、温度90℃で、3秒間加熱押圧して仮接着した後、スーパーXNo8008を15μmの厚さで塗布して、エンドレスベルトの裏面に、3.4N/cm2の圧力で、105℃で、25秒間加熱押圧して本接着し、エンドレスベルトを作製した。
厚さ1mm、幅5mmの前記熱硬化性ウレタンシートの接着面を予めブラスト処理した。接着剤として、ウレタン系の感熱型の不織布(カネボウ合繊(株)製エスパンシオーネFF UEOタイプ(目付け重量50g/m2)と、弾性を有する接着剤として、硬化させた後の接着部のデュロメータ硬さがA47/Sであるセメダイン(株)製のスーパーXNo8008を用いて、ウレタン系の感熱型の不織布を熱硬化性ウレタンシートに3.4N/cm2の圧力で、温度90℃で、3秒間加熱押圧して仮接着した後、スーパーXNo8008を15μmの厚さで塗布して、エンドレスベルトの裏面に、3.4N/cm2の圧力で、105℃で、25秒間加熱押圧して本接着し、エンドレスベルトを作製した。
得られた実施例1のエンドレスベルトを用いて、下記評価を行った。
−接着剤のはみ出し−
接着剤のはみ出しは、エンドレスベルト5本について、蛇行防止ガイドの全周について目視観察により判定した。評価基準は以下の通りである。
「○」:ベルト5本とも蛇行防止ガイド全周に接着剤のはみ出しなし
「×」:接着剤のはみ出しあり
−接着剤のはみ出し−
接着剤のはみ出しは、エンドレスベルト5本について、蛇行防止ガイドの全周について目視観察により判定した。評価基準は以下の通りである。
「○」:ベルト5本とも蛇行防止ガイド全周に接着剤のはみ出しなし
「×」:接着剤のはみ出しあり
−T型剥離強度試験−
T型剥離強度試験は、前述の方法で行った。試験機は、アイコーエンジニアリング社製精密荷重試験機MODEL−1605Nを用いた。強度試験はN=5の評価を行い、最小値とした。また、本試験においては前記W1を5mmとした。T型剥離強度の評価基準は以下の通りである。
「◎」:1.4N/mm以上
「○」:1.2N/mm以上で、1.4N/mm未満
「×」:1.2N/mm未満
T型剥離強度試験は、前述の方法で行った。試験機は、アイコーエンジニアリング社製精密荷重試験機MODEL−1605Nを用いた。強度試験はN=5の評価を行い、最小値とした。また、本試験においては前記W1を5mmとした。T型剥離強度の評価基準は以下の通りである。
「◎」:1.4N/mm以上
「○」:1.2N/mm以上で、1.4N/mm未満
「×」:1.2N/mm未満
−スラスト剥離強度試験−
スラスト剥離強度試験は、前述の方法で行った。試験機は、アイコ−エンジニアリング社製精密荷重試験機MODEL−1605Nを用いた。スラスト剥離強度の評価基準は以下の通りである。
「◎」:18N/mm以上
「○」:15N/mm以上で、18N/mm未満
「×」:15N/mm未満
スラスト剥離強度試験は、前述の方法で行った。試験機は、アイコ−エンジニアリング社製精密荷重試験機MODEL−1605Nを用いた。スラスト剥離強度の評価基準は以下の通りである。
「◎」:18N/mm以上
「○」:15N/mm以上で、18N/mm未満
「×」:15N/mm未満
−蛇行防止ガイドの変位量1−
図4に示したスラスト剥離強度試験装置において、1N/mmの荷重を72時間連続して加えた時の蛇行防止ガイドの変位量を計測した。評価基準は以下の通りである。
「◎」:変位量 0.05mm以下
「○」:変位量 0.05mmを超えて、0.1mm未満
「×」:変位量 0.1mm以上
図4に示したスラスト剥離強度試験装置において、1N/mmの荷重を72時間連続して加えた時の蛇行防止ガイドの変位量を計測した。評価基準は以下の通りである。
「◎」:変位量 0.05mm以下
「○」:変位量 0.05mmを超えて、0.1mm未満
「×」:変位量 0.1mm以上
−蛇行防止ガイドの変位量2−
図4に示したスラスト剥離強度試験装置において、1N/mmの荷重を14日間連続して加えた時の蛇行防止ガイドの変位量を計測した。評価基準は以下の通りである。
「◎」:変位量0.5mm以下
「○」:変位量0.5mmを超えて、1mm未満
「×」:変位量1mm以上
図4に示したスラスト剥離強度試験装置において、1N/mmの荷重を14日間連続して加えた時の蛇行防止ガイドの変位量を計測した。評価基準は以下の通りである。
「◎」:変位量0.5mm以下
「○」:変位量0.5mmを超えて、1mm未満
「×」:変位量1mm以上
−ベルトライフ−
蛇行防止ガイドの剥離、ずれが発生するまでに要したエンドレスベルトの回転数より、ベルトライフを判定した。富士ゼロックス社製DC1250にてエンドレスベルトをランニングさせ、ベルト1周を1cycleとして算出した。ベルトライフの評価基準は以下の通りである。
「◎」:2000kcycle以上
「○」:1600kcycle以上2000kcycle未満
「×」:1600kcycle未満
蛇行防止ガイドの剥離、ずれが発生するまでに要したエンドレスベルトの回転数より、ベルトライフを判定した。富士ゼロックス社製DC1250にてエンドレスベルトをランニングさせ、ベルト1周を1cycleとして算出した。ベルトライフの評価基準は以下の通りである。
「◎」:2000kcycle以上
「○」:1600kcycle以上2000kcycle未満
「×」:1600kcycle未満
−作業性(接着部硬化時間)−
接着剤の作業性は、接着部の各硬化条件における硬化時間により評価した。硬化性の評価基準は以下の通りである。
「◎」:30秒未満
「○」:30秒以上3分未満で硬化
「×」:3分以上で硬化
接着剤の作業性は、接着部の各硬化条件における硬化時間により評価した。硬化性の評価基準は以下の通りである。
「◎」:30秒未満
「○」:30秒以上3分未満で硬化
「×」:3分以上で硬化
−総合評価−
以下の基準により総合評価を行った。
「◎」:全ての評価が◎又は○
「×」:1つでも×評価がある
以下の基準により総合評価を行った。
「◎」:全ての評価が◎又は○
「×」:1つでも×評価がある
[実施例2]
(ベルト本体2の形成)
ベルト本体2は、ポリアミドイミド樹脂として、溶剤可溶型のポリアミドイミド樹脂:東洋紡(株)製:バイロマックスHR16NN(固形分18%、溶剤:メチル−2ピロリドン)、導電剤として、カーボンブラック(デギサ(株)製スペシャルブラック4:pH3、揮発分14%)を樹脂成分100部あたり25部添加して、高圧衝突分散機(ジーナス(株)製)を用い、150Mpaにて、Φ0.1mmのオリフイスを通過させるとともに、2分割したスラリーを衝突させることを5回行い分散を行った。この液を外径168mmのアルミ製パイプの外面に塗布し、150℃で30分間回転乾燥後、250℃で1時間加熱して、外径168mmで、幅368mmのポリアミドイミド樹脂ベルト(ベルト本体2)を得た。このベルトの表面抵抗率は1.1×1012Ω/□であった。
(ベルト本体2の形成)
ベルト本体2は、ポリアミドイミド樹脂として、溶剤可溶型のポリアミドイミド樹脂:東洋紡(株)製:バイロマックスHR16NN(固形分18%、溶剤:メチル−2ピロリドン)、導電剤として、カーボンブラック(デギサ(株)製スペシャルブラック4:pH3、揮発分14%)を樹脂成分100部あたり25部添加して、高圧衝突分散機(ジーナス(株)製)を用い、150Mpaにて、Φ0.1mmのオリフイスを通過させるとともに、2分割したスラリーを衝突させることを5回行い分散を行った。この液を外径168mmのアルミ製パイプの外面に塗布し、150℃で30分間回転乾燥後、250℃で1時間加熱して、外径168mmで、幅368mmのポリアミドイミド樹脂ベルト(ベルト本体2)を得た。このベルトの表面抵抗率は1.1×1012Ω/□であった。
上記ベルト本体2を用い、実施例1のエンドレスベルトの作製において、ウレタン系の感熱型タイプの不織布を(カネボウ合繊(株)製エスパンシオーネFF UEOタイプ(目付け重量100g/m2)に変更した以外は、実施例1と同様にしてエンドレスベルトを作製した。
[実施例3]
実施例1のエンドレスベルトの作製において、蛇行防止ガイドとして、デュロメータ硬さA90/S(タイガースポリマー(株)製、タイプレンTR100−90)のものを用いた以外は、実施例1と同様にしてエンドレスベルトを作製した。
実施例1のエンドレスベルトの作製において、蛇行防止ガイドとして、デュロメータ硬さA90/S(タイガースポリマー(株)製、タイプレンTR100−90)のものを用いた以外は、実施例1と同様にしてエンドレスベルトを作製した。
[比較例1]
実施例1のエンドレスベルトの作製において、接着部に下記接着剤を用いた以外は、実施例1と同様にしてエンドレスベルトを作製した。
−接着剤−
・接着剤の形態:液状
・硬化条件:常温 2時間
・主成分:アクリル変性シリコンポリマー(セメダイン社製のスーパーX No.8008)
・厚さ:20μm
実施例1のエンドレスベルトの作製において、接着部に下記接着剤を用いた以外は、実施例1と同様にしてエンドレスベルトを作製した。
−接着剤−
・接着剤の形態:液状
・硬化条件:常温 2時間
・主成分:アクリル変性シリコンポリマー(セメダイン社製のスーパーX No.8008)
・厚さ:20μm
[比較例2]
実施例1のエンドレスベルトの作製において、接着部に下記接着剤を用いた以外は、実施例1と同様にしてエンドレスベルトを作製した。
−接着剤−
・接着剤の形態:液状
・硬化条件:常温 1時間
・主成分:エポキシ樹脂(セメダイン社製のEP−001)
・厚さ:20μm
実施例1のエンドレスベルトの作製において、接着部に下記接着剤を用いた以外は、実施例1と同様にしてエンドレスベルトを作製した。
−接着剤−
・接着剤の形態:液状
・硬化条件:常温 1時間
・主成分:エポキシ樹脂(セメダイン社製のEP−001)
・厚さ:20μm
[比較例3]
実施例1のエンドレスベルトの作製において、接着部に下記接着剤を用いた以外は、実施例1と同様にしてエンドレスベルトを作製した。
−接着剤−
・接着剤の形式:シート状
・硬化条件:140℃ 1分
・主成分:ポリウレタン樹脂(ダイセル社製のサーモライト6501)
・厚さ:20μm
実施例1のエンドレスベルトの作製において、接着部に下記接着剤を用いた以外は、実施例1と同様にしてエンドレスベルトを作製した。
−接着剤−
・接着剤の形式:シート状
・硬化条件:140℃ 1分
・主成分:ポリウレタン樹脂(ダイセル社製のサーモライト6501)
・厚さ:20μm
[比較例4]
実施例1のエンドレスベルトの作製において、接着部に下記接着剤を用いた以外は、実施例1と同様にしてエンドレスベルトを作製した。
−接着剤−
・接着剤の形式:シート状
・硬化条件:200℃ 1分
・主成分:ポリアミド(ダイセル社製のダイアミドフィルム)
・厚さ:50μm
実施例1のエンドレスベルトの作製において、接着部に下記接着剤を用いた以外は、実施例1と同様にしてエンドレスベルトを作製した。
−接着剤−
・接着剤の形式:シート状
・硬化条件:200℃ 1分
・主成分:ポリアミド(ダイセル社製のダイアミドフィルム)
・厚さ:50μm
[比較例5]
実施例1のエンドレスベルトの作製において、接着部に下記接着剤を用いた以外は、実施例1と同様にしてエンドレスベルトを作製した。
−接着剤−
・接着剤の形式:シート状
・硬化条件:180℃ 1時間
・主成分:アクリル系樹脂(DuPont社のFR0100)
・厚さ:50μm
実施例1のエンドレスベルトの作製において、接着部に下記接着剤を用いた以外は、実施例1と同様にしてエンドレスベルトを作製した。
−接着剤−
・接着剤の形式:シート状
・硬化条件:180℃ 1時間
・主成分:アクリル系樹脂(DuPont社のFR0100)
・厚さ:50μm
[比較例6]
実施例1のエンドレスベルトの作製において、接着剤として、ポリエステル系不織布(東洋紡(株)製ボランス4051N、目付け重量53g/m2)に、アクリル系粘着剤(積水化学(株)製、エスダイン7110)を60%含浸させて、粘着層を形成して、2N/cm2の圧力で、常温で、1分間押圧して熱硬化性ウレタンシート(蛇行防止ガイド)を接着して、比較例6のエンドレスベルトを作製した。
実施例1のエンドレスベルトの作製において、接着剤として、ポリエステル系不織布(東洋紡(株)製ボランス4051N、目付け重量53g/m2)に、アクリル系粘着剤(積水化学(株)製、エスダイン7110)を60%含浸させて、粘着層を形成して、2N/cm2の圧力で、常温で、1分間押圧して熱硬化性ウレタンシート(蛇行防止ガイド)を接着して、比較例6のエンドレスベルトを作製した。
[比較例7]
実施例1のエンドレスベルトの作製において、接着剤として、ポリエステル系不織布(東洋紡(株)製ボランス4131N、目付け重量132g/m2)に、アクリル系粘着剤(積水化学(株)製、エスダイン7110)を30%混合させて、粘着層を形成して、2N/cm2の圧力で、常温で、1分間押圧して熱硬化性ウレタンシート(蛇行防止ガイド)を接着して、比較例7のエンドレスベルトを作製した。
実施例1のエンドレスベルトの作製において、接着剤として、ポリエステル系不織布(東洋紡(株)製ボランス4131N、目付け重量132g/m2)に、アクリル系粘着剤(積水化学(株)製、エスダイン7110)を30%混合させて、粘着層を形成して、2N/cm2の圧力で、常温で、1分間押圧して熱硬化性ウレタンシート(蛇行防止ガイド)を接着して、比較例7のエンドレスベルトを作製した。
実施例1と同様に、実施例2から3、及び比較例1から7で作製したエンドレスベルトについて、接着剤のはみ出し、T型剥離強度試験、スラスト剥離強度試験、1N/mmの荷重を72時間連続して加えた時の蛇行防止ガイドの変位量(蛇行防止ガイドの変位量1)、1N/mmの荷重を14日間連続して加えた時の蛇行防止ガイドの変位量(蛇行防止ガイドの変位量2)、ベルトライフ、作業性についての評価を行った。評価結果を表1、表2に示す。
表1、表2から分かるように、実施例1から3の感熱型の不織布と弾性を有する接着剤とを用いてなる接着部を使用することによって、接着時間は仮接着の時間5秒を加えても30秒以内で済み、作業性に優れている。得られるエンドレスベルトはスラスト剥離強度、T型剥離強度に優れ、ベルトライフはいずれも2000kcycle以上である。また、表2から分かるように、比較例1は、ベルトライフは1200kcycleであったが、常温硬化型の液状の接着剤を用いているので、硬化に2時間もかかり作業性が悪い問題があった。比較例2〜7については、スラスト剥離強度が、いずれも15N/mm未満であり、T型剥離強度が1.2N/mm以下であり、1N/mmの荷重を72時間連続して加えようとした際には、蛇行防止ガイドはいずれも12時間以内に剥がれてしまい、ベルトライフは1600kcyce以下であったため、これらのエンドレスベルトは画像形成装置に搭載した場合満足できる性能ではなかった。
1 エンドレスベルト
2 ベルト本体
3 蛇行防止ガイド
4 接着部
30 (T型剥離試験用)試験片
40 (スラスト剥離試験用)試験片
86,102 中間転写ベルト
206 用紙搬送ベルト
2 ベルト本体
3 蛇行防止ガイド
4 接着部
30 (T型剥離試験用)試験片
40 (スラスト剥離試験用)試験片
86,102 中間転写ベルト
206 用紙搬送ベルト
Claims (2)
- ベルト本体と、該ベルト本体の少なくとも片方の側縁に沿って設けられた蛇行防止ガイドと、前記ベルト本体及び前記蛇行防止ガイドを接着する接着部と、を有するエンドレスベルトであって、
前記接着部は、感熱型の不織布と弾性接着剤とが含有されてなるエンドレスベルト。 - 請求項1に記載のエンドレスベルトを備える画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005341090A JP2007147920A (ja) | 2005-11-25 | 2005-11-25 | エンドレスベルト及び画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005341090A JP2007147920A (ja) | 2005-11-25 | 2005-11-25 | エンドレスベルト及び画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007147920A true JP2007147920A (ja) | 2007-06-14 |
Family
ID=38209405
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005341090A Pending JP2007147920A (ja) | 2005-11-25 | 2005-11-25 | エンドレスベルト及び画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007147920A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015096930A (ja) * | 2013-11-17 | 2015-05-21 | 槌屋ティスコ株式会社 | 蛇行防止部材及びその製造方法 |
-
2005
- 2005-11-25 JP JP2005341090A patent/JP2007147920A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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