JP2004205677A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】定着ベルトの表面に付着する紙粉等の異物を専用のクリーニング装置を使用することなく簡易に除去することができる定着装置とその定着装置を用いた画像形成装置を提供する。
【解決手段】加熱される定着ベルト1を備えた定着装置1において、少なくとも片面全面にトナー層T2が形成された記録用紙Pを、そのトナー層形成面が定着ベルト2に接する状態でその定着ベルト2と加圧手段4の間に導入して通過させるようにした。前記定着装置1を備えた画像形成装置において、トナー画像を形成転写する作像転写装置5で記録用紙Pの少なくとも片面全面にトナー層T2aを形成し、そのトナー層T2aが形成された記録用紙Pをそのトナー層形成面が定着装置1の定着ベルト2に接する状態でその定着ベルト2と加圧手段4との間に導入して通過させる動作モードを設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】加熱される定着ベルト1を備えた定着装置1において、少なくとも片面全面にトナー層T2が形成された記録用紙Pを、そのトナー層形成面が定着ベルト2に接する状態でその定着ベルト2と加圧手段4の間に導入して通過させるようにした。前記定着装置1を備えた画像形成装置において、トナー画像を形成転写する作像転写装置5で記録用紙Pの少なくとも片面全面にトナー層T2aを形成し、そのトナー層T2aが形成された記録用紙Pをそのトナー層形成面が定着装置1の定着ベルト2に接する状態でその定着ベルト2と加圧手段4との間に導入して通過させる動作モードを設けた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、未定着のトナー画像を記録用紙に定着する定着装置およびその定着装置を用いたプリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置に係り、特に定着ベルトに付着する紙粉等の除去が可能な定着装置およびその定着装置を用いた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真方式等を利用した画像形成装置に使用される定着装置として、回転する張架状態の定着ベルトを使用し、その定着ベルトを加熱しつつそのベルト表面に未定着のトナー画像が担持された記録用紙を圧接させ、その定着ベルトに密着させたままで冷却しながら搬送し、最後に定着ベルトから剥離させることで定着を行うタイプのベルト定着装置が提案されている(特許文献1、2)。
【0003】
このタイプの定着装置によれば、記録用紙上のトナー画像が定着ベルトの平滑な表面にならって表面平滑な状態で冷却固化された後に定着ベルトから剥離されるため、特に光沢感に優れた定着画像が得られるようになる。また、トナーが冷却固化された後に定着ベルトから剥離されるため、トナーの定着ベルトへのオフセットも発生しにくくなるというものである。
【0004】
【特許文献1】特開平5−107960号公報
【特許文献2】特2002−99158号公報
【特許文献3】特公平4−31394号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような定着ベルトを使用した定着装置にあっては、次のような問題がある。
【0006】
すなわち、その定着ベルトとしてゴム等からなる弾性層を形成したものを使用している場合には、そのベルト表面が粘着性を示すものとなるため、そのベルト表面に記録用紙の紙粉等の異物が付着し、それが定着動作時の加熱により次第に定着ベルトに固着するようになる。この結果、定着画像は、定着ベルト表面に固着した紙粉等の異物の存在により表面平滑なものにならなくなり、画像の光沢も悪化するようになった。この現象は、特にオイル状の離型剤等を上記定着ベルトの表面に極微量だけ塗布するかまたはほとんど塗布しない場合には、より顕著に現われる。
【0007】
ちなみに、このような定着ベルトの表面に付着した紙粉等の異物を除去するために、粘着性を示す合成樹脂性の表面層を形成したクリーニングロールを定着ベルトに押し当てて回転させることで除去することが考えられる。しかし、この場合には、そのクリーニングロール表面が比較的短時間でトナーや紙粉の付着により覆われてその除去効果が低下してしまい、ライフが短く、頻繁に新品などと交換しなければならないという問題がある。また、ロール表面に互いに離間した多数の孔を形成したクリーニングロール(特許文献3)を適用することも考えられるが、この場合にも、そのロール表面が次第に紙粉で覆われてその除去効果が経時的に低下してしまう傾向にある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その主な目的とするところは、上述したような定着ベルトの表面に付着する紙粉等の異物を専用のクリーニング装置を使用することなく簡易に除去することができる定着装置とその定着装置を用いた画像形成装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の定着装置は、図1aに例示するように、粘着性を示す表面からなる回転する無端状の定着ベルト2と、この定着ベルト2を加熱する加熱手段3と、この加熱手段3で加熱された定着ベルト2の表面に未定着のトナー画像T1が担持された記録用紙Pを圧接させる加圧手段4とを備えた定着装置1において、少なくとも片面全面にトナー層T2が形成された記録用紙Pをそのトナー層形成面が前記定着ベルト2に接する状態でその定着ベルト2と前記加圧手段4の間に導入して通過させることを特徴とするものである。図中の矢付き一点鎖線は記録用紙Pの搬送経路を示す。
【0010】
この定着装置によれば、記録用紙の少なくとも片面全面に形成されたトナー層のトナーが加熱された定着ベルトの表面に圧接することにより加熱加圧されて溶融し、トナーの粘着性が発現される。これにより、粘着性を示す表面からなる定着ベルトの表面に紙粉等の異物が付着している場合であっても、その紙粉等の異物が溶融したトナー層によって捕獲されて定着ベルトから取り除かれる。
【0011】
トナー層は、未定着のものであっても、あるいは、定着済みのものであってもよい。このトナー層は、トナー画像を形成することが可能な画像形成装置によって形成される。また、このトナー層を形成した記録用紙は、紙粉等の異物が除去できれば、その導入通過枚数については特に限定されるものではなく適宜設定される。その異物の確実な除去を行う観点からは、複数枚通過させることが好ましい。このトナー層を形成するために使用する記録用紙は、定着装置に通紙可能な最許容大サイズ(少なくとも搬送方向の幅が最大許容サイズ)であることが望ましいが、必要に応じてそれよりも小サイズのものであっても構わない。なお、トナー画像およびトナー層を構成するトナーは、着色剤等を含有させたバイダー樹脂からなる微粉体であり、一般に一成分または二成分現像剤として使用されるものである。
【0012】
また、この定着装置1における加圧手段4として、図1bに例示するように、定着ベルト2の表面に圧接した状態で所定の距離Lだけ同じ方向に回転する無端状の加圧ベルト4Aを適用する場合には、その加圧ベルト4Aに接する面にもトナー層T2bが形成された記録用紙Pを(そのトナー層形成面が定着ベルトに接する状態で)導入して通過させるように構成するとよい。
【0013】
この場合には、加圧ベルトの表面に紙粉等が付着している場合であっても、その記録用紙の片面全面に形成されたトナー層が加熱加圧されて加圧ベルトに圧接されることにより、そのトナー層によって紙粉等の異物が加圧ベルトからも取り除かれるようになる。これは、加圧ベルトの表面が前記したような粘着性を示す表面である場合には、より有益となる。
【0014】
一方、本発明の画像形成装置は、画像情報に応じたトナー画像T1を形成して記録用紙Pに転写する作像転写装置5と、上記構成からなる定着装置1とを有する画像形成装置において、前記作像転写装置5で記録用紙Pの少なくとも片面全面にトナー層T2aを形成し、そのトナー層T2aが形成された記録用紙Pをそのトナー層形成面が前記定着装置1の定着ベルト2に接する状態でその定着ベルト2と前記加圧手段4との間に導入して通過させる動作モードを設けたことを特徴とするものである。
【0015】
この画像形成装置によれば、その動作モードを実行することにより、作像転写装置で少なくとも片面全面に未定着のトナー層が形成された記録用紙が定着装置に導入されて通過することにより、前述した定着装置の場合と同様に、その定着装置における定着ベルトに付着している紙粉等の異物がトナー層によって取り除かれる。
【0016】
また、この画像形成装置における加圧手段として、定着ベルト2の表面に圧接した状態で所定の距離Lだけ同じ方向に回転する無端状の加圧ベルト4Aを適用する場合には、動作モードが、作像転写装置5によりで記録用紙Pの片面にトナー層T2aを形成して転写させた後に定着装置の定着ベルトと加圧ベルトの間に導入して通過させるとともに、その定着装置1を通過した記録用紙Pの他面にトナー層T2bを形成して転写させた後に定着装置1の前記両ベルト2,4Aの間に導入して通過させるように設定するとよい。
【0017】
この場合には、定着ベルトに付着している紙粉等の異物が記録用紙の片面に形成されるトナー層によって取り除かれることに加え、その記録用紙の他面に形成されるトナー層によって加圧ベルトの表面に付着している紙粉等の異物が取り除かれることになる。このときの記録用紙両面へのトナー層の形成は、両面画像形成動作により行うことができる。
【0018】
また、このような画像形成装置においては、その動作モードが、記録用紙に形成するトナー層を作像転写装置における制御検知用トナー像と同時に形成するように設定するとよい。制御検知用トナー像は、画像形成装置の画像形成プロセスに関する動作条件等の制御動作に使用する制御情報を得るために形成するトナー画像である。例えば、画像濃度の制御や、中間転写ベルトの走行制御などに使用するトナー画像が挙げられる。
【0019】
この場合には、動作モードが単独で実行される場合に比べ、制御検知用トナー像の形成による制御動作と同時並行して実行できるようになり、無駄が少なくなり効率的な対処が可能である。また、その制御検知用トナー像を紙粉等の異物除去用としてのトナー層の一部として兼用することができるようになり、消耗品等の有効利用も可能となる。この際、トナー層は制御検知用トナー像が形成された用紙領域以外の用紙領域に形成すればよい。
【0020】
さらに、このような定着装置および画像形成装置を構成する各要素については以下のとおりである。
【0021】
定着ベルトの粘着性を示す表面とは、紙粉等の異物が付着しやすいような粘着性のある表面状態のことである。例えば、ベルト表面がゴム製の表面層で形成されている場合などに粘着性を示す表面となりやすい。また、このような表面は、ベルトの表面に離型剤を微量(例えば供給量が「1マイクロリットル/A4版用紙1枚」以下の場合)に供給するかまたは供給しない場合なども粘着性を示す表面になりやすい。
【0022】
記録用紙に形成するトナー層は、紙粉等の異物を除去可能であれば特に制約されるものではないが、好ましくは画像濃度が25%以上の層状に形成されるものである。また、トナー層として色の異なる複数種のトナーからある層を重ねたようなものを形成する場合には、各色トナーの消耗(使用)量のばらつきを回避する観点から、その各色のトナーからなる各トナー層をいずれも同じ画像密度で形成することが好ましい。記録用紙は、トナー画像およびトナー層の形成(転写や定着)と定着装置等において搬送が可能であればよく、通常の用紙に限らず、OHPシート、ハガキ、封筒等のような部材を含むものである。
【0023】
動作モードは、予め設定した時期に自動的に実行されるように構成するか、あるいは、ユーザーの指示操作により手動で実行されるように構成するか、あるいは、自動的な実行と手動での実行とを併用できるように構成すればよい。この動作モードによるトナー層の形成を制御検知用トナー像の形成と同時に行う場合には、その制御動作の時期に合わせて実行されるように構成する。
【0024】
作像転写装置は、電子写真方式、静電記録方式を利用して感光体等の像担持体にトナー画像(層)を形成し、それを記録用紙に直接または中間転写体を介して転写する機能を備えたものであればよい。また、記録用紙の両面にトナー層を形成する場合には、定着装置において片面の定着が終了した記録用紙を表裏反転させた状態で作像転写装置に再送する用紙再送手段を備えていることが好ましい。さらに、作像転写装置としては通常、複数色のトナー像で構成されるカラー画像を形成するものが使用されるが、単色(主に白黒)の画像を形成するものであって構わない。
【0025】
定着装置には、オフセットがなく、光沢感に優れた定着画像を得る観点から、記録用紙が定着ベルトに圧接されて密着したときから剥離されるまでの間に、その記録用紙ひいてはトナー画像を冷却するための冷却手段を設けるとよい。
【0026】
【発明の実施の形態】
《実施の形態1》
図2は、本発明の実施の形態1に係るカラー画像形成装置および定着装置の要部を示す概略構成図である。
【0027】
このカラー画像形成装置は、中間転写方式を採用する作像転写装置50とベルトニップ式の定着装置10を備えたものである。作像転写装置50は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色成分のトナー像を専用に形成する4つの作像ユニット60Y,60M,60C,60Kと、その各色のトナー像を担持して記録用紙Pとの転写位置まで中継して搬送する中間転写ベルトを使用する中間転写装置70とでその主要部が構成されている。一方、定着装置10は、作像転写装置50と同じ筐体内に設置して一体化させた状態で使用するか、あるいは、作像転写装置50とは別の筐体に設置して作像転写装置50の筐体側に連結接続して使用するように構成される。
【0028】
上記作像ユニット60(Y、M、C、K)は、そのいずれも同様の電子写真方式等を利用して所望のトナー像を形成するようになっている。
【0029】
すなわち、作像ユニット60(Y,M,C,K)ではいずれも、図3に示すように、矢印C方向に所定の速度で回転する感光ドラム61の表面をコロナ放電式、バイアスロール式等の帯電器62により一様に帯電させた後、その帯電表面に対してレーザー走査式、発光ダイオード照射式等の像露光装置63から画像情報に対応した光Mを走査露光することより静電潜像を形成する。画像情報は画像読取装置や外部接続機器、記憶媒体等から入力される。続いて、感光ドラム61上の静電潜像を、現像装置64の現像ロール64aから供給される所定の色の現像剤としてのトナーTにより現像することによりトナー像とする。そして、感光ドラム61上に形成されたトナー画像は、コロナ放電式、バイアスロール式等の一次転写器65により中間転写ベルト71に静電的に転写される。転写後の感光ドラム61の表面は、図示しない除電器にて除電されるとともに、ブレード式等のクリーニング装置66により清掃される。
【0030】
中間転写装置70は、無端状の中間転写ベルト71が、前記各作像ユニット60における感光ドラム61にそれぞれ接触して通過するように駆動ロール72、そのベルトに張力を付与するテンションロール73、従動回転してそのベルトを支持する複数の支持ロール74、二次転写用バックアップロール75等によって張架されるとともに、駆動ロール72の駆動力によって矢印D方向に回転するようになっている。中間転写ベルト71としては、体積抵抗率が1010Ωcm程度となるように調製された厚さ70μm程度のポリイミドフィルム等のベルト基材上に、シリコーン樹脂等からなる表面層を積層形成した2層構造のものが使用される。
【0031】
この中間転写ベルト71に作像ユニット60(Y、M、C、K)から一次転写されるトナー画像T1は、バックアップロール75に支持されている中間転写ベルト71とそのベルト部分に当接するように配置される二次転写ロール76との間に搬送供給される記録用紙Pに静電的に転写される。
【0032】
このようにトナー像T1が二次転写された記録用紙Pは、図示しない用紙搬送ベルト装置により定着装置10にむけて搬送される。図中の矢付き一点鎖線は記録用紙Pの搬送経路であり、この記録用紙Pは図示しない給紙装置から供給されるようになっている。
【0033】
定着装置10は、矢印方向に回転する無端状の定着ベルト20と、この定着ベルトを加熱する加熱ロール30、31と、加熱される定着ベルト20の表面に圧接した状態で所定の距離だけ同じ方向に回転する加圧手段としての無端状の加圧ベルト40と、定着ベルト20の内周面内に配置される熱循環器55とでその主要部が構成されている。
【0034】
定着ベルト20は、図5aに示すようにカーボンブラックを含有させたポリイミド等からなる厚さ50μm程度のベルト基材21上に、厚さ60μm程度のシリコーン共重合体等からなる弾性層22と、さらにシリコーンハイブリッド型のフッ素ゴム等からなる表面離型層23を形成した3層構造のものである。この定着ベルト20は、第1加熱ロール30、第2加熱ロール31、第1加圧ロール45、複数のベルト支持ロール27a〜e等に張架されており、駆動ロールとして兼用されている第1加熱ロール30によって矢印A方向に回転するようになっている。
【0035】
ベルト支持ロール27cは、定着ベルト20を急激に曲がった状態で移動走行させるように支持し、これにより定着ベルト20に密着した記録用紙Pをそれ自身のこしの強さにより自力で剥離させる役割を果たす剥離用ロールとして機能する。第2加熱ロール31は、その回転軸の一端側が変位して定着ベルト20の蛇行走行を矯正するステアリングロールとして機能するようにもなっている。
【0036】
第1加熱ロール30は、円筒状の金属(アルミニウム等)製ロールの内部にハロゲンランプ等の加熱源32を配置した構造からなるものであり、定着ベルト20をその内周面側から加熱する。また、第2加熱ロール31は、円筒状の金属製ロールの内部にハロゲンランプ等の加熱源33を配置した構造からなるものであり、定着ベルト20をその外周面側から加熱する。
【0037】
定着ベルト20は、この第1加熱ロール30と第2加熱ロール31に対してS字状に架け回されることにより、各加熱ロールとのラップ領域をできるだけ確保して、両加熱ロールによる効率の良い加熱が行われるようになっている。また、第2加熱ロール31の表面には、巻取りウエブ方式の離型剤供給装置35が配置されており、そのウエブ36に含浸された離型剤(オイル状のもの)が加熱ロール31の表面を介して定着ベルト20の外周面に微量に(「1マイクロリットル/A4版用紙1枚」以下の量)供給されるようになっている。
【0038】
加圧ベルト40は、図5bに示すようにカーボンブラックを含有させたポリイミド等のベルト基材41上に、シリコーン共重合体等からなる弾性層42と、さらにシリコーンハイブリッド型のフッ素ゴム等からなる表面離型層43を形成した3層構造のものである。この定着ベルト40は、そのベルト表面が粘着性を示す物性になっている。また、この加圧ベルト40は、第2加圧ロール46、駆動ロール47、複数のベルト支持ロール48a〜c等に張架されており、駆動ロール47によって矢印B方向に回転するようになっている。
【0039】
この加圧ベルト40は、第2加圧ロール46とベルト支持ロール48aの間で定着ベルト20の外周面と接して同じ方向に回転移動する。加圧ロール45、46はいずれも円筒形の金属(アルミニウム等)製ロール基体にシリコーンゴム等からなる厚さ6mm程度の耐熱弾性層を形成した構造のものであり、図示しない加圧機構により所定の加圧力(例えばニップ圧力が3.5×105Pa程度になる圧力)でもって圧接し、そのニップ幅が20mm程度となるように設置されている。また、この加圧ロール45、46では、その内部空間にハロゲンランプ等の加熱源を配し、このロールを定着動作時の温度まで上昇させるいわゆるウォームアップ時のみの加熱を行う(定着動作時には加熱しない)ようにしている。駆動ロール47は、その回転軸の一端側が変位して加圧ベルト40の蛇行走行を矯正するステアリングロールとして機能するようにもなっている。
【0040】
熱循環器55は、第1加圧ロール45とベルト支持ロール27cとの間で定着ベルト20の内周面に接する第1金属板56と、ベルト支持ロール27eと第1加熱ロール30の間で定着ベルト20の内周面と接する第2金属板57と、その第1金属板56と第2金属板57に結合されて第1金属板56の熱を第2金属板57に移動させて循環させる熱輸送体58とで構成されている。
【0041】
金属板56、57はいずれもアルミニウム等の金属にて形成される板状のものであり、そのベルト接触面が少なくとも外側に突出しかつベルト走行方向に方向に緩やかに湾曲した湾曲面に形成されている。熱輸送体58としては、管のなかに液体を減圧して封入し、熱抵抗が非常に小さく、小さな温度差でも多くの熱を低温側に高速で輸送できる複数本のヒートパイプを使用している。そのヒートパイプは、各金属板56、57の内面側にそれぞれ触れて通過しながら各板間を循環するような四角形の環状形状に組んで使用している。
【0042】
この熱循環器55は、第1金属板56が加熱された状態にある定着ベルト20から熱を奪うと、その熱が熱輸送体58としてのヒートパイプの熱伝導作用により、第1金属板56に比べて低温状態にある第2金属板57側に伝えられる。これにより、第1金属板56が接する定着ベルト部分を吸熱して所定の温度まで冷却する一方、第2金属板57が接する定着ベルト部分を所定の温度になるまで加熱する仕組みになっている。
【0043】
この定着装置10では、前記作像転写装置50でトナー画像T1が転写された記録用紙Pが、そのトナー像担持面を定着ベルト20に当接させる姿勢で、定着ベルト20と加圧ベルト40とが互いに重なり合って走行する間のベルトニップ部に導入されて定着が行われる。
【0044】
まず、定着ベルト20が、熱循環器55の第2金属板57を通過する際に熱循環される熱によりその内周面側から加熱された後、第1加熱ロール30および第2加熱ロール31を通過する際にその内周面側および外周面側から順次加熱されて回転移動する。そして、前記トナー像を担持する記録用紙Pは、この加熱された定着ベルト20とベルトニップ部において接して加熱され、これと同時に加圧ロール45、46により加圧される。
【0045】
続いて、記録用紙Pは、定着ベルト20と加圧ベルト40とに挟持されて定着ベルト20に密着した状態で搬送されるとともに、熱循環器55の熱循環により熱が奪われる第1金属板56を通過する際にトナー画像と一緒に所定の温度以下に冷却される。この冷却によりトナー画像が固化される。熱循環器55の第1金属板56を通過した記録用紙Pは、ベルト支持ロール27cのある剥離部において紙自身の腰の強さにより自力で定着ベルト20から、トナー画像とともに剥離される。この剥離された記録用紙Pは、基本的に装置外に排出される。これによりトナー画像が記録用紙に定着される。
【0046】
このようにして定着された画像は、特に定着ベルト20の表面にならい平滑化された光沢感に富む画像として得られる。しかも、この定着装置10では、熱循環器55の第1金属板56および第2金属板55が定着ベルト20と接触して良好な熱循環が行われるため、トナー像に対する温度環境も良好となり、画質の向上が図られている。
【0047】
また、この画像形成装置では、両面画像形成を行う場合には、記録用紙Pの片面へのトナー画像の定着が終了した段階で、その記録用紙を両面再送路53に送り込み、スイッチバック式の反転路53aでその用紙表裏面を反転させた状態にしてから作像転写装置50に再び搬送供給するようになっている。これにより、その記録用紙Pの他面に作像転写装置50でトナー画像が転写された後、定着装置10でそのトナー画像が定着されることになる。
【0048】
さらに、この画像形成装置では、所定の設定時期(例えば電源を投入した時やプリント枚数が設定枚数以上になった時など)になると、作像転写装置50においてトナー画像の濃度制御に関する動作が実行されるようになっている。この濃度制御は、作像ユニット60(Y,M,C,K)において濃度制御用のトナー像(基準濃度のパッチ像)を感光ドラム61上に形成して中間転写ベルト71に転写した後、そのパッチ像を光学式の画像濃度検知装置52にて検知し、その検知情報に基づいて作像ユニット60の作像条件(主に現像バイアスの条件など)を適宜調整するものである。画像濃度検知装置52としては、発光ダイオートと受光ダイオードを組み合わせて構成される公知のものが使用される。
【0049】
そして、この画像形成装置においては、定着装置10の定着ベルト20や加圧ベルト40の表面に付着する紙粉等の異物を除去するために、トナー層を形成した記録用紙Pを定着装置10に導入して通過させる「紙粉除去モード」が実行されるように構成されている。
【0050】
この紙粉除去モードは、画像形成装置の電源投入時と画像濃度制御時に自動的に実行されるように設定されている。画像濃度制御は、前述したようなパッチ像を形成し、その画像濃度を測定した後の測定情報に基づいて作像条件に関する必要な調整を行う動作である。この例では、電源を投入した時とプリント枚数が設定枚数以上になった時に画像濃度制御を実行するように設定している。また、紙粉除去用のトナー層を形成する記録用紙Pとして、画像形成装置で搬送可能な最大サイズ(少なくとも用紙送り方向の幅が最大であればよい)のものを使用し、かかるサイズの記録用紙4枚に紙粉除去用トナー層をその両面に形成するように設定している。
【0051】
図6は、この画像形成装置の主な制御系について示すものである。図中の符号100は画像形成装置のシステム全体の動作について総括的な制御を行うシステムコントローラである。このシステムコントローラ100には、作像転写装置50に関する各動作を制御する作像転写部コントローラ110、定着装置10に関する各動作を制御する定着部コントローラ120等が接続されている。また、システムコントローラ100には、画像形成装置に動作開始、条件設定等についての指示入力や確認などを行うための入力操作キー131や液晶表示装置132を備えた操作パネル130が接続されている。上記各コントローラ100、110、120はいずれも、記憶装置等に格納されている所定の制御プログラム等にしたがって制御動作を行うマイクロコンピュータにて構成されている。
【0052】
また、システムコントロール100には、図示しない記憶媒体の入力手段やホストコンピュータ等の外部接続機器との通信手段が接続されており、その記憶媒体や外部接続機器から入力される情報に基づくプリント動作を実行する制御も行われる。また、前記画像濃度検知装置52から検知情報は、少なくとも作像転写部コントローラ110に入力されるように設定されている。
【0053】
そして、紙粉除去モードは、電源投入時や画像濃度制御動が実行される時にシステムコントローラ100から作像転写部コントローラ110や定着部コントローラ120に動作開始の制御指令が送信されることにより実行される。
【0054】
具体的には、図7に示すように、画像形成装置の電源が投入されると(ステップ10:S10)、画像濃度制御モードと紙粉除去モードが自動的に実行され(S11)、この両モードの実行終了により画像形成装置が動作可能な状態になる。次いで、一連のプリント(画像形成)を行うためのジョブの指示が操作パネル130や外部通信機器からあるか否かが判断され(S12)、その指示があれば前述したようなプリント動作が実行される(S13)。そして、プリント枚数が画像濃度制御を行うべき設定枚数M(枚)以上になるか否かを判断し(S14)、設定枚数M以上になったときに、再び画像濃度制御モードと紙粉除去モードが自動的に実行される(S11)。
【0055】
紙粉除去モードは、画像濃度制御モードとともに以下のように実行される。
【0056】
まず、図8に示すように、作像転写装置50において前記したような作像転写プロセスが実行されることで、画像濃度制御用のパッチ像と紙粉除去用トナー層が形成される(S20)。
【0057】
すなわち、このときのパッチ像と紙粉除去用トナー層の形成は、作像転写装置50の作像ユニット60において、図9に例示するような各色のトナー(Y,M,C,K)からなる四角形状のパッチ像15(Y,M,C,K)を画像濃度検知装置52による検知が可能なようにプロセス方向Eに対して直行する横並びの状態で形成すると同時に、そのパッチ像15を除く(記録用紙P上の)領域全面に各色のトナー(Y,M,C,K)からなる層を互い重ね合わせてなる所定の厚さの紙粉除去用トナー層T2(a)を形成することで行われる。このパッチ像15および紙粉除去用トナー層T2aは、中間転写ベルト71上に転写される。
【0058】
この例では、パッチ像15として測定基準となる画像濃度が異なるものをプロセス方向Eにそって前後に並べた状態で形成している。また、紙粉除去用トナー層T2aは、画像形成可能な最大限のサイズで形成される。このトナー層T2aは、図8に例示するようにそのトナー層が形成されていない縁(非画像部)Paがあっても、それが画像形成可能な最大サイズであれば構わない。逆に、縁なし状の画像が形成される場合には、縁なし画像状(即ち完全なる全面)にトナー層T2aを形成する。トナー層T2の厚さは、最終的に形成される層の全体厚さが紙粉等の異物を吸着して除去する機能を発揮し得るものであれば特に制約されないが、例えば、4色の各トナーの層を重ね合わせて形成する層の場合にあっては少なくとも各色のトナー層の厚さが画像密度でそれぞれ20%以上となるような厚さにする。
【0059】
続いて、中間転写ベルト71上に転写されたパッチ像15が画像濃度検知装置52を通過する際に、その濃度について測定される(S21)。この検知結果は、前述したように作像転写部コントローラ110等に送信されて作像条件の制御に使われる。この濃度測定後のパッチ像15と、前記紙粉除去用トナー層T2aは、二次転写部において記録用紙Pに二次転写される(S22)。このときの記録用紙Pは、搬送可能な最大サイズのものP1が使用される。
【0060】
次いで、このようにパッチ像15と記紙粉除去用トナー層T2とが片面に転写された記録用紙P1が定着装置10に搬送されて導入される(S23)。定着装置10は、この記録用紙P1の導入に際して通常の定着時と同じ動作状態に置かれる。すなわち、定着ベルト20および加圧ベルト40が回転するとともに、加熱ロール30、31が加熱動作する。なお、必要に応じて、そのベルトの回転速度や加熱ロールによる加熱温度などの条件を定着時の条件と異ならせても構わない。
【0061】
そして、このように定着装置10に導入された記録用紙P1は、そのトナー層T2aの形成面が定着ベルト20に接する状態でその定着ベルト20および加圧ベルト40からなるベルトニップ部に送り込まれて挟持搬送される。
【0062】
この際、紙粉除去用トナー層T2aとパッチ像15は、図11aに例示するように、ベルトニップ部において定着時と同様に定着ベルト20によって加熱されてトナーが溶融するため、そのトナーの(主にトナーを構成するバイダー樹脂に起因した)粘着性が発現される。定着ベルト20の表面(少なくとも記録用紙P1が対峙するベルト表面領域)に紙粉等の異物5aが付着している場合には、記録用紙P1の片面全面に形成されている紙粉除去用トナー層T2およびパッチ像15がその異物に対峙するため、かかる異物がトナーの粘着性により紙粉除去用トナー層T2またはパッチ像15によって吸着(捕獲)される。そして、定着ベルト20が熱循環器55の第1金属板56による冷却部を通過する段階で、そのトナー層T2およびパッチ像15は冷却固化された後、定着ベルト20から剥離される。この結果、定着ベルト20の表面に付着している異物が記録用紙P1側に転移付着するようにして取り除かれることになる。
【0063】
定着装置10に導入されて剥離された前記トナー層T2a等を有する記録用紙P1は、その裏面(前記トナー層を形成した面とは反対側の面)側へのトナー層T2の形成を行う必要があるか否かが判断され(S24)、その記録用紙P1の裏面側へのトナー層T2の形成が必要ない場合には排紙される(S25)。
【0064】
一方、ステップS24において記録用紙P1の裏面側へのトナー層T2の形成が必要ある場合には、その定着装置10を通過後の記録用紙P1が両面搬送経路53に送り込まれて反転された状態で作像転写装置50に再送され、その裏面に対して転写すべき紙粉除去用トナー層T2(b)が形成される(S20)。
【0065】
このときのトナー層T2bは、前記濃度制御用のパッチ像15を形成する必要がある場合には、前記したとおりパッチ像15と同時に前記トナー層T2aと同様に形成される。しかし、記録用紙P1の裏面へのパッチ像15の形成が不要な場合には、図10に示すように、その裏面全面(縁あり画像を含む)に対して紙粉除去用トナー層T2bのみを形成する。
【0066】
この紙粉除去用トナー層T2bを形成した後は、前記した同様にプロセスを経て(S21〜S23。但し、パッチ像を形成しない場合にはステップS21がなく次のステップに移行する)、その未定着のトナー層T2bを有する記録用紙P1が定着装置10に搬送されて導入される。すなわち、このときの記録用紙P1は、そのトナー層T2bの形成面が定着ベルト20に接する状態でベルトニップ部に送り込まれ、その後両ベルト20、40によって挟持搬送される。
【0067】
この際、紙粉除去用トナー層T2b(とパッチ像15)は、図10bに例示するようにベルトニップ部において定着ベルト20によって加熱されてトナーが溶融して粘着性が発現されるため、定着ベルト20の表面に残留付着している紙粉等の異物5cを吸着して取り除くように機能する。一方、記録用紙P1の表面に先行して形成されたトナー層T2aとパッチ像15は、加圧ベルト40の表面に接する状態でベルトニップ部に導入されてある程度加熱されるため、その定着済みのトナーがわずかながら溶融して粘着性が発現されるようになる。この結果、加圧ベルト40の表面に付着している紙粉等の異物5bを吸着して取り除くように機能する。記録用紙P1は、最終的にベルトニップ部から抜け出した後、定着ベルト20から剥離される。
【0068】
このように両面に紙粉除去用トナー層T2(とパッチ像15)が形成された記録用紙P1は、定着装置10から排出された後、その裏面へのトナー層の形成が必要ではないため(S24)、そのまま排紙される(S25)。
【0069】
また、この紙粉除去モードにおいてトナー層T2等を形成した記録用紙P1を定着装置10に対して複数枚導入して通過させる設定である場合には、その設定される導入枚数:Qに達しているか否かが判断され(S26)、達していないときには次の記録用紙P1に対して前記した紙粉除去モード等に関する動作(S20〜S25)が同様に繰り返される。ちなみに、この紙粉除去モードに使用された記録用紙P1は、排紙後に廃棄処分される。
【0070】
以上のように紙粉除去モードが実行されることにより、定着ベルト20をはじめ加圧ベルト40の表面に付着している紙粉等の異物が自動的に除去されることになる。この結果、特に定着ベルト20の表面に固着した紙粉等の異物の存在によりそのベルト表面と対峙するトナー画像の表面が平滑にならず画像の光沢感が損なわれるという問題が発生しなくなる。従って、ベルトニップ式の定着装置10による定着を行った場合に前記したごとき光沢感に優れた画像を得ることができる。
【0071】
また、加圧ベルト40の表面に付着している紙粉等の異物も除去されることになるため、特に両面プリントを行う場合の第1面側のトナー画像に紙粉等が付着するような問題が発生せず、光沢感のある画質を保持することができる。
【0072】
以下、この画像形成装置を用いて行った画像評価試験について説明する。
【0073】
試験は、以下の各試験条件下で10万枚(100kpv)の記録用紙P(A3版普通紙、縦送り)に対して下記画像内容のテストプリントを行い、そのときに最終的に得られた画像の紙粉付着部および紙粉非付着部における光沢度(グロス)の差として測定した。テストプリントは、以下の条件1の場合に対して条件2、3の場合における効果を確認するために100kpv(1日20kpv単位で延べ5日間)の記録用紙について行うとともに、定着ベルト等の定着部材を新品に交換したうえで同じく条件1の場合に対して条件4、5の場合における効果を確認するために100kpv(1日20kpv単位で延べ5日間)の記録用紙について行った。
【0074】
試験条件については以下のとおりである。定着装置10の定着ベルト20および加圧ベルト40に対してクリーニング装置を何も設置しないでかつ紙粉除去モードも実行しない場合(条件1)、図14に示すように定着ベルト20の側に粘着樹脂層を形成したクリーニングロール17を設置して交換せずに使用し続けた場合(条件2)、そのクリーニングロール17を設置してプリント枚数が1万枚(10kpv)になった時点で交換した場合(条件3)、電源投入時にのみ紙粉除去モードを実行した場合(条件4)、および、画像濃度制御モードの実行時に紙粉除去モードを併せて実行した場合(条件5)である。クリーニングロール17は、第1加熱ロール30に対して定着ベルト20を介在させた状態で、そのニップ幅が約3mm、荷重が約5kgf(約49N)となる条件で設置した。また、定着ベルト20を介在させた第1および第2加圧ロール45、46は、そのニップ幅が約20mm、荷重が約250kgf(約2450N)となる条件で設置した。
【0075】
画像濃度制御モードは、電源投入時と、プリント枚数が約10kpvに達した時に行うとともにその都度記録用紙P1の両面で4枚連続して実行するように設定した。また、画像濃度制御モード用のパッチ像と紙粉除去モード用の紙粉除去用トナー層は下記のようなものを形成した。
【0076】
条件4、5の紙粉除去モードについて以下のように行った。まず電源投入時に画像濃度制御モード兼紙粉除去モードの実行時には、図12の上部側に示すように記録用紙P1(A3版普通紙)の搬送方向Eと直行する方向に横並びに4色トナー(Y,M,C,K)からなるパッチ像15(Y,M,C,K)を搬送方向Eの幅領域III内に入る状態で形成した。このときのパッチ像15としては、2種の画像密度(80%、20%)からなるものを搬送方向Eに対して前後方向の位置にそれぞれ形成した。また、この電源投入時には、同図に示すように、その記録用紙P1の搬送方向Eの両端部となる一定領域I、Vを残した領域(領域II、III、IV)に第1トナー層T2cを同時に形成した。この第1トナー層T2cは、各色トナー(Y,M,C,K)からなる画像密度20%の層を重ね合わせたもの(合計の画像密度が80%の層)である。この第1トナー層T2cを形成した幅領域は、幅領域分II、IVだけパッチ像15を形成した幅領域よりも広い領域である。記録用紙P1の裏面には、パッチ像15を除いてトナー層T2cのみを形成した。
【0077】
また、条件1〜5におけるテストプリントの画像はいずれも、図12の下部側に示すように、記録用紙Pのパッチ像15の幅領域IIIと同じ幅で、4色トナー(Y,M,C,K)からなるベタ画像(画像濃度:各色70%)を形成した。このテストプリント中における画像濃度制御モードと紙粉除去モードでは、図13の上部側に示すようにパッチ像15として電源投入時と同じ構成のものを形成し、トナー層T2dとしては以下の構成のものを形成した。すなわち、トナー層T2dは、電源投入時に形成する第1トナー層T2cの半分の幅領域、つまり幅領域IIと幅領域IIIの半分(IIIa)を合わせた領域に同じ構成内容で形成したものである。
【0078】
条件4、5の試験では、電源投入時における画像濃度制御モードおよび紙粉除去モードについては、テストプリント枚数が0、20、40、60、80kpvの段階で(パッチ像15やトナー層T2cの形成を)それぞれ行い、計5回実行することとした。一方、テストプリント中における画像濃度制御モードおよび紙粉除去モードについては、テストプリント枚数が10、30、50、70、90kpvの段階で(パッチ像15やトナー層T2dの形成を)それぞれ行い、計5回実行することとした。
【0079】
条件1〜5による各テストプリントが終了した時点で、図13の下部側に示すようなグロス測定用のベタ画像からなるトナー像T1を用紙の全面に形成した。このトナー像T1は各色トナー(Y,M,C,K)からなる画像密度70%の層を重ね合わせたもの(合計の画像密度が280%の層)である。
【0080】
そして、上記トナー像T1の画像濃度について光沢度測定器(BYK GARDENR社製:マイクロトリグロス)により測定した。このときの光沢度の測定は、条件1〜3の場合には、紙粉が付着する幅領域(I、II、IV、V)とテスト画像を形成する領域である関係で紙粉が付着しない幅領域(III)とをそれぞれ測定し、その両領域の光沢度差の平均値を測定結果とした。条件4の場合には、紙粉が付着する幅領域(IV )と紙粉が付着しない幅領域(IIIa)とをそれぞれ測定し、その両領域の光沢度差の平均値を測定結果(グロス低下値)とした。条件5の場合には、紙粉が付着する幅領域(II)と紙粉が付着しない幅領域(IIIa)とをそれぞれ測定し、その両領域の光沢度差の平均値を測定結果とした。結果を表1に示す。グロス低下値の許容値は5以下である。
【0081】
【表1】
【0082】
表1の結果から、紙粉除去モードを実行した場合には、定着ベルト20および加圧ベルト40の表面に紙粉等の異物が存在することによる画像のグロス低下が少なくなり(条件4、5)、これにより双方のベルト表面に付着する紙粉が除去されていることがわかる。また、この場合、紙粉等の異物をより多く除去してグロス低下を抑えるためには、電源投入時のみだけではなく、それ以外のタイミングでも紙粉除去モードを実行するようにすること(条件5)が有効であることもわかる。
【0083】
ちなみに、条件3の場合でもグロス低下値として許容値が得られるが、10kpv単位という比較的頻繁な時期単位でクリーニングロールを交換しなければならないため面倒である。この点、紙粉除去モードを実行した場合には、そのような交換作業が不要となる大きな利点がある。
【0084】
《他の実施の形態》
なお、実施の形態1では、紙粉除去モードを画像濃度制御モードと同じ時期に自動で実行する場合について説明したが、紙粉除去モード単独で自動的に実行するように構成することができる。
【0085】
また、実施の形態1では、紙粉除去モードとして、紙粉除去用トナー層T2を作像転写装置50で形成して記録用紙P1に転写し、その未定着のトナー層を担持する記録用紙P1を定着装置10に導入する場合について説明したが、その紙粉除去用トナー層T2を予め記録用紙P1の少なくとも片面に形成して定着したものを定着装置10に導入するように構成することも可能である。
【0086】
また、実施の形態1では、定着装置10を作像転写装置50と併せて使用する画像形成装置の場合について例示したが、その定着装置10については定着装置単品とし、既存の画像形成装置と組み合わせて(例えば第2定着装置などとして)使用するように構成することもできる。
【0087】
さらに、定着装置10としては、加圧ベルト40がなく、第1加圧ロール45と第2加圧ロール46とで加圧手段を構成した定着装置としてもよい。この場合にも、紙粉除去モードを実行することにより、その定着ベルト20に付着している紙粉等の異物を除去することができる。また、
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の定着装置や画像形成装置によれば、少なくとも片面にトナー層を形成した記録用紙を導入して通過することにより、定着装置における定着ベルトの表面に付着する紙粉等の異物を専用のクリーニング装置を使用することなく簡易に除去することができる。この結果、かかる紙粉等の異物の存在に起因して発生する画像の光沢低下を防止することができ、高光沢の画像を安定して得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の定着装置および画像形成装置を示すもので、(a)は加圧ベルトのない定着装置を使用する場合の概念図、(b)は加圧ベルトのある定着装置を使用する場合の概念図。
【図2】実施の形態1に係る画像形成装置および定着装置の要部を示す概略構成図。
【図3】作像転写装置における作像ユニットの要部を示す概略構成図。
【図4】図1の定着装置を示す概略構成図。
【図5】(a)は定着ベルトの断面図、(b)は加圧ベルトの断面図。
【図6】画像形成装置の制御系の主な構成を示すブロック説明図。
【図7】紙粉除去モードの実行形態を示すフローチャート。
【図8】紙粉除去モードおよび画像濃度制御モードの実行手順を示すフローチャート。
【図9】(a)は画像濃度制御のパッチ像と紙粉除去用トナー層の構成を示す概略平面図、(b)は(a)のB−B線断面図。
【図10】(a)は紙粉除去用トナー層の他の構成を示す概略平面図、(b)は(a)のB−B線断面図。
【図11】(a)は片面に紙粉除去用トナー層等が形成された記録用紙がベルトニップ部に存在している状態を模式的に示す概略断面図、(b)は両面に紙粉除去用トナー層等が形成された記録用紙がベルトニップ部に存在している状態を模式的に示す概略断面図。
【図12】試験の電源投入時に形成したパッチ像および紙粉除去用トナー層の構成と、テストプリントの画像内容を示す平面説明図。
【図13】試験のテストプリント中に形成したパッチ像および紙粉除去用トナー層の構成と、テストプリントの画像内容を示す平面説明図。
【図14】試験においてクリーニングロールを設置した定着装置の要部を示す概略説明図。
【符号の説明】
1,10…定着装置、2,20…定着ベルト、3…加熱手段、4…加圧手段、4A,40…加圧ベルト、5,50…作像転写装置、6…紙粉等の異物、16…画像濃度制御用のパッチ像(制御検知用トナー像)、30、31…加熱ロール(加熱手段)、45、46…加圧ロール(加圧手段)、T1…トナー画像、P…記録用紙、T2…トナー層、P1…トナー層を形成する記録用紙、L…所定の距離。
【発明の属する技術分野】
本発明は、未定着のトナー画像を記録用紙に定着する定着装置およびその定着装置を用いたプリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置に係り、特に定着ベルトに付着する紙粉等の除去が可能な定着装置およびその定着装置を用いた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真方式等を利用した画像形成装置に使用される定着装置として、回転する張架状態の定着ベルトを使用し、その定着ベルトを加熱しつつそのベルト表面に未定着のトナー画像が担持された記録用紙を圧接させ、その定着ベルトに密着させたままで冷却しながら搬送し、最後に定着ベルトから剥離させることで定着を行うタイプのベルト定着装置が提案されている(特許文献1、2)。
【0003】
このタイプの定着装置によれば、記録用紙上のトナー画像が定着ベルトの平滑な表面にならって表面平滑な状態で冷却固化された後に定着ベルトから剥離されるため、特に光沢感に優れた定着画像が得られるようになる。また、トナーが冷却固化された後に定着ベルトから剥離されるため、トナーの定着ベルトへのオフセットも発生しにくくなるというものである。
【0004】
【特許文献1】特開平5−107960号公報
【特許文献2】特2002−99158号公報
【特許文献3】特公平4−31394号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような定着ベルトを使用した定着装置にあっては、次のような問題がある。
【0006】
すなわち、その定着ベルトとしてゴム等からなる弾性層を形成したものを使用している場合には、そのベルト表面が粘着性を示すものとなるため、そのベルト表面に記録用紙の紙粉等の異物が付着し、それが定着動作時の加熱により次第に定着ベルトに固着するようになる。この結果、定着画像は、定着ベルト表面に固着した紙粉等の異物の存在により表面平滑なものにならなくなり、画像の光沢も悪化するようになった。この現象は、特にオイル状の離型剤等を上記定着ベルトの表面に極微量だけ塗布するかまたはほとんど塗布しない場合には、より顕著に現われる。
【0007】
ちなみに、このような定着ベルトの表面に付着した紙粉等の異物を除去するために、粘着性を示す合成樹脂性の表面層を形成したクリーニングロールを定着ベルトに押し当てて回転させることで除去することが考えられる。しかし、この場合には、そのクリーニングロール表面が比較的短時間でトナーや紙粉の付着により覆われてその除去効果が低下してしまい、ライフが短く、頻繁に新品などと交換しなければならないという問題がある。また、ロール表面に互いに離間した多数の孔を形成したクリーニングロール(特許文献3)を適用することも考えられるが、この場合にも、そのロール表面が次第に紙粉で覆われてその除去効果が経時的に低下してしまう傾向にある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その主な目的とするところは、上述したような定着ベルトの表面に付着する紙粉等の異物を専用のクリーニング装置を使用することなく簡易に除去することができる定着装置とその定着装置を用いた画像形成装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の定着装置は、図1aに例示するように、粘着性を示す表面からなる回転する無端状の定着ベルト2と、この定着ベルト2を加熱する加熱手段3と、この加熱手段3で加熱された定着ベルト2の表面に未定着のトナー画像T1が担持された記録用紙Pを圧接させる加圧手段4とを備えた定着装置1において、少なくとも片面全面にトナー層T2が形成された記録用紙Pをそのトナー層形成面が前記定着ベルト2に接する状態でその定着ベルト2と前記加圧手段4の間に導入して通過させることを特徴とするものである。図中の矢付き一点鎖線は記録用紙Pの搬送経路を示す。
【0010】
この定着装置によれば、記録用紙の少なくとも片面全面に形成されたトナー層のトナーが加熱された定着ベルトの表面に圧接することにより加熱加圧されて溶融し、トナーの粘着性が発現される。これにより、粘着性を示す表面からなる定着ベルトの表面に紙粉等の異物が付着している場合であっても、その紙粉等の異物が溶融したトナー層によって捕獲されて定着ベルトから取り除かれる。
【0011】
トナー層は、未定着のものであっても、あるいは、定着済みのものであってもよい。このトナー層は、トナー画像を形成することが可能な画像形成装置によって形成される。また、このトナー層を形成した記録用紙は、紙粉等の異物が除去できれば、その導入通過枚数については特に限定されるものではなく適宜設定される。その異物の確実な除去を行う観点からは、複数枚通過させることが好ましい。このトナー層を形成するために使用する記録用紙は、定着装置に通紙可能な最許容大サイズ(少なくとも搬送方向の幅が最大許容サイズ)であることが望ましいが、必要に応じてそれよりも小サイズのものであっても構わない。なお、トナー画像およびトナー層を構成するトナーは、着色剤等を含有させたバイダー樹脂からなる微粉体であり、一般に一成分または二成分現像剤として使用されるものである。
【0012】
また、この定着装置1における加圧手段4として、図1bに例示するように、定着ベルト2の表面に圧接した状態で所定の距離Lだけ同じ方向に回転する無端状の加圧ベルト4Aを適用する場合には、その加圧ベルト4Aに接する面にもトナー層T2bが形成された記録用紙Pを(そのトナー層形成面が定着ベルトに接する状態で)導入して通過させるように構成するとよい。
【0013】
この場合には、加圧ベルトの表面に紙粉等が付着している場合であっても、その記録用紙の片面全面に形成されたトナー層が加熱加圧されて加圧ベルトに圧接されることにより、そのトナー層によって紙粉等の異物が加圧ベルトからも取り除かれるようになる。これは、加圧ベルトの表面が前記したような粘着性を示す表面である場合には、より有益となる。
【0014】
一方、本発明の画像形成装置は、画像情報に応じたトナー画像T1を形成して記録用紙Pに転写する作像転写装置5と、上記構成からなる定着装置1とを有する画像形成装置において、前記作像転写装置5で記録用紙Pの少なくとも片面全面にトナー層T2aを形成し、そのトナー層T2aが形成された記録用紙Pをそのトナー層形成面が前記定着装置1の定着ベルト2に接する状態でその定着ベルト2と前記加圧手段4との間に導入して通過させる動作モードを設けたことを特徴とするものである。
【0015】
この画像形成装置によれば、その動作モードを実行することにより、作像転写装置で少なくとも片面全面に未定着のトナー層が形成された記録用紙が定着装置に導入されて通過することにより、前述した定着装置の場合と同様に、その定着装置における定着ベルトに付着している紙粉等の異物がトナー層によって取り除かれる。
【0016】
また、この画像形成装置における加圧手段として、定着ベルト2の表面に圧接した状態で所定の距離Lだけ同じ方向に回転する無端状の加圧ベルト4Aを適用する場合には、動作モードが、作像転写装置5によりで記録用紙Pの片面にトナー層T2aを形成して転写させた後に定着装置の定着ベルトと加圧ベルトの間に導入して通過させるとともに、その定着装置1を通過した記録用紙Pの他面にトナー層T2bを形成して転写させた後に定着装置1の前記両ベルト2,4Aの間に導入して通過させるように設定するとよい。
【0017】
この場合には、定着ベルトに付着している紙粉等の異物が記録用紙の片面に形成されるトナー層によって取り除かれることに加え、その記録用紙の他面に形成されるトナー層によって加圧ベルトの表面に付着している紙粉等の異物が取り除かれることになる。このときの記録用紙両面へのトナー層の形成は、両面画像形成動作により行うことができる。
【0018】
また、このような画像形成装置においては、その動作モードが、記録用紙に形成するトナー層を作像転写装置における制御検知用トナー像と同時に形成するように設定するとよい。制御検知用トナー像は、画像形成装置の画像形成プロセスに関する動作条件等の制御動作に使用する制御情報を得るために形成するトナー画像である。例えば、画像濃度の制御や、中間転写ベルトの走行制御などに使用するトナー画像が挙げられる。
【0019】
この場合には、動作モードが単独で実行される場合に比べ、制御検知用トナー像の形成による制御動作と同時並行して実行できるようになり、無駄が少なくなり効率的な対処が可能である。また、その制御検知用トナー像を紙粉等の異物除去用としてのトナー層の一部として兼用することができるようになり、消耗品等の有効利用も可能となる。この際、トナー層は制御検知用トナー像が形成された用紙領域以外の用紙領域に形成すればよい。
【0020】
さらに、このような定着装置および画像形成装置を構成する各要素については以下のとおりである。
【0021】
定着ベルトの粘着性を示す表面とは、紙粉等の異物が付着しやすいような粘着性のある表面状態のことである。例えば、ベルト表面がゴム製の表面層で形成されている場合などに粘着性を示す表面となりやすい。また、このような表面は、ベルトの表面に離型剤を微量(例えば供給量が「1マイクロリットル/A4版用紙1枚」以下の場合)に供給するかまたは供給しない場合なども粘着性を示す表面になりやすい。
【0022】
記録用紙に形成するトナー層は、紙粉等の異物を除去可能であれば特に制約されるものではないが、好ましくは画像濃度が25%以上の層状に形成されるものである。また、トナー層として色の異なる複数種のトナーからある層を重ねたようなものを形成する場合には、各色トナーの消耗(使用)量のばらつきを回避する観点から、その各色のトナーからなる各トナー層をいずれも同じ画像密度で形成することが好ましい。記録用紙は、トナー画像およびトナー層の形成(転写や定着)と定着装置等において搬送が可能であればよく、通常の用紙に限らず、OHPシート、ハガキ、封筒等のような部材を含むものである。
【0023】
動作モードは、予め設定した時期に自動的に実行されるように構成するか、あるいは、ユーザーの指示操作により手動で実行されるように構成するか、あるいは、自動的な実行と手動での実行とを併用できるように構成すればよい。この動作モードによるトナー層の形成を制御検知用トナー像の形成と同時に行う場合には、その制御動作の時期に合わせて実行されるように構成する。
【0024】
作像転写装置は、電子写真方式、静電記録方式を利用して感光体等の像担持体にトナー画像(層)を形成し、それを記録用紙に直接または中間転写体を介して転写する機能を備えたものであればよい。また、記録用紙の両面にトナー層を形成する場合には、定着装置において片面の定着が終了した記録用紙を表裏反転させた状態で作像転写装置に再送する用紙再送手段を備えていることが好ましい。さらに、作像転写装置としては通常、複数色のトナー像で構成されるカラー画像を形成するものが使用されるが、単色(主に白黒)の画像を形成するものであって構わない。
【0025】
定着装置には、オフセットがなく、光沢感に優れた定着画像を得る観点から、記録用紙が定着ベルトに圧接されて密着したときから剥離されるまでの間に、その記録用紙ひいてはトナー画像を冷却するための冷却手段を設けるとよい。
【0026】
【発明の実施の形態】
《実施の形態1》
図2は、本発明の実施の形態1に係るカラー画像形成装置および定着装置の要部を示す概略構成図である。
【0027】
このカラー画像形成装置は、中間転写方式を採用する作像転写装置50とベルトニップ式の定着装置10を備えたものである。作像転写装置50は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色成分のトナー像を専用に形成する4つの作像ユニット60Y,60M,60C,60Kと、その各色のトナー像を担持して記録用紙Pとの転写位置まで中継して搬送する中間転写ベルトを使用する中間転写装置70とでその主要部が構成されている。一方、定着装置10は、作像転写装置50と同じ筐体内に設置して一体化させた状態で使用するか、あるいは、作像転写装置50とは別の筐体に設置して作像転写装置50の筐体側に連結接続して使用するように構成される。
【0028】
上記作像ユニット60(Y、M、C、K)は、そのいずれも同様の電子写真方式等を利用して所望のトナー像を形成するようになっている。
【0029】
すなわち、作像ユニット60(Y,M,C,K)ではいずれも、図3に示すように、矢印C方向に所定の速度で回転する感光ドラム61の表面をコロナ放電式、バイアスロール式等の帯電器62により一様に帯電させた後、その帯電表面に対してレーザー走査式、発光ダイオード照射式等の像露光装置63から画像情報に対応した光Mを走査露光することより静電潜像を形成する。画像情報は画像読取装置や外部接続機器、記憶媒体等から入力される。続いて、感光ドラム61上の静電潜像を、現像装置64の現像ロール64aから供給される所定の色の現像剤としてのトナーTにより現像することによりトナー像とする。そして、感光ドラム61上に形成されたトナー画像は、コロナ放電式、バイアスロール式等の一次転写器65により中間転写ベルト71に静電的に転写される。転写後の感光ドラム61の表面は、図示しない除電器にて除電されるとともに、ブレード式等のクリーニング装置66により清掃される。
【0030】
中間転写装置70は、無端状の中間転写ベルト71が、前記各作像ユニット60における感光ドラム61にそれぞれ接触して通過するように駆動ロール72、そのベルトに張力を付与するテンションロール73、従動回転してそのベルトを支持する複数の支持ロール74、二次転写用バックアップロール75等によって張架されるとともに、駆動ロール72の駆動力によって矢印D方向に回転するようになっている。中間転写ベルト71としては、体積抵抗率が1010Ωcm程度となるように調製された厚さ70μm程度のポリイミドフィルム等のベルト基材上に、シリコーン樹脂等からなる表面層を積層形成した2層構造のものが使用される。
【0031】
この中間転写ベルト71に作像ユニット60(Y、M、C、K)から一次転写されるトナー画像T1は、バックアップロール75に支持されている中間転写ベルト71とそのベルト部分に当接するように配置される二次転写ロール76との間に搬送供給される記録用紙Pに静電的に転写される。
【0032】
このようにトナー像T1が二次転写された記録用紙Pは、図示しない用紙搬送ベルト装置により定着装置10にむけて搬送される。図中の矢付き一点鎖線は記録用紙Pの搬送経路であり、この記録用紙Pは図示しない給紙装置から供給されるようになっている。
【0033】
定着装置10は、矢印方向に回転する無端状の定着ベルト20と、この定着ベルトを加熱する加熱ロール30、31と、加熱される定着ベルト20の表面に圧接した状態で所定の距離だけ同じ方向に回転する加圧手段としての無端状の加圧ベルト40と、定着ベルト20の内周面内に配置される熱循環器55とでその主要部が構成されている。
【0034】
定着ベルト20は、図5aに示すようにカーボンブラックを含有させたポリイミド等からなる厚さ50μm程度のベルト基材21上に、厚さ60μm程度のシリコーン共重合体等からなる弾性層22と、さらにシリコーンハイブリッド型のフッ素ゴム等からなる表面離型層23を形成した3層構造のものである。この定着ベルト20は、第1加熱ロール30、第2加熱ロール31、第1加圧ロール45、複数のベルト支持ロール27a〜e等に張架されており、駆動ロールとして兼用されている第1加熱ロール30によって矢印A方向に回転するようになっている。
【0035】
ベルト支持ロール27cは、定着ベルト20を急激に曲がった状態で移動走行させるように支持し、これにより定着ベルト20に密着した記録用紙Pをそれ自身のこしの強さにより自力で剥離させる役割を果たす剥離用ロールとして機能する。第2加熱ロール31は、その回転軸の一端側が変位して定着ベルト20の蛇行走行を矯正するステアリングロールとして機能するようにもなっている。
【0036】
第1加熱ロール30は、円筒状の金属(アルミニウム等)製ロールの内部にハロゲンランプ等の加熱源32を配置した構造からなるものであり、定着ベルト20をその内周面側から加熱する。また、第2加熱ロール31は、円筒状の金属製ロールの内部にハロゲンランプ等の加熱源33を配置した構造からなるものであり、定着ベルト20をその外周面側から加熱する。
【0037】
定着ベルト20は、この第1加熱ロール30と第2加熱ロール31に対してS字状に架け回されることにより、各加熱ロールとのラップ領域をできるだけ確保して、両加熱ロールによる効率の良い加熱が行われるようになっている。また、第2加熱ロール31の表面には、巻取りウエブ方式の離型剤供給装置35が配置されており、そのウエブ36に含浸された離型剤(オイル状のもの)が加熱ロール31の表面を介して定着ベルト20の外周面に微量に(「1マイクロリットル/A4版用紙1枚」以下の量)供給されるようになっている。
【0038】
加圧ベルト40は、図5bに示すようにカーボンブラックを含有させたポリイミド等のベルト基材41上に、シリコーン共重合体等からなる弾性層42と、さらにシリコーンハイブリッド型のフッ素ゴム等からなる表面離型層43を形成した3層構造のものである。この定着ベルト40は、そのベルト表面が粘着性を示す物性になっている。また、この加圧ベルト40は、第2加圧ロール46、駆動ロール47、複数のベルト支持ロール48a〜c等に張架されており、駆動ロール47によって矢印B方向に回転するようになっている。
【0039】
この加圧ベルト40は、第2加圧ロール46とベルト支持ロール48aの間で定着ベルト20の外周面と接して同じ方向に回転移動する。加圧ロール45、46はいずれも円筒形の金属(アルミニウム等)製ロール基体にシリコーンゴム等からなる厚さ6mm程度の耐熱弾性層を形成した構造のものであり、図示しない加圧機構により所定の加圧力(例えばニップ圧力が3.5×105Pa程度になる圧力)でもって圧接し、そのニップ幅が20mm程度となるように設置されている。また、この加圧ロール45、46では、その内部空間にハロゲンランプ等の加熱源を配し、このロールを定着動作時の温度まで上昇させるいわゆるウォームアップ時のみの加熱を行う(定着動作時には加熱しない)ようにしている。駆動ロール47は、その回転軸の一端側が変位して加圧ベルト40の蛇行走行を矯正するステアリングロールとして機能するようにもなっている。
【0040】
熱循環器55は、第1加圧ロール45とベルト支持ロール27cとの間で定着ベルト20の内周面に接する第1金属板56と、ベルト支持ロール27eと第1加熱ロール30の間で定着ベルト20の内周面と接する第2金属板57と、その第1金属板56と第2金属板57に結合されて第1金属板56の熱を第2金属板57に移動させて循環させる熱輸送体58とで構成されている。
【0041】
金属板56、57はいずれもアルミニウム等の金属にて形成される板状のものであり、そのベルト接触面が少なくとも外側に突出しかつベルト走行方向に方向に緩やかに湾曲した湾曲面に形成されている。熱輸送体58としては、管のなかに液体を減圧して封入し、熱抵抗が非常に小さく、小さな温度差でも多くの熱を低温側に高速で輸送できる複数本のヒートパイプを使用している。そのヒートパイプは、各金属板56、57の内面側にそれぞれ触れて通過しながら各板間を循環するような四角形の環状形状に組んで使用している。
【0042】
この熱循環器55は、第1金属板56が加熱された状態にある定着ベルト20から熱を奪うと、その熱が熱輸送体58としてのヒートパイプの熱伝導作用により、第1金属板56に比べて低温状態にある第2金属板57側に伝えられる。これにより、第1金属板56が接する定着ベルト部分を吸熱して所定の温度まで冷却する一方、第2金属板57が接する定着ベルト部分を所定の温度になるまで加熱する仕組みになっている。
【0043】
この定着装置10では、前記作像転写装置50でトナー画像T1が転写された記録用紙Pが、そのトナー像担持面を定着ベルト20に当接させる姿勢で、定着ベルト20と加圧ベルト40とが互いに重なり合って走行する間のベルトニップ部に導入されて定着が行われる。
【0044】
まず、定着ベルト20が、熱循環器55の第2金属板57を通過する際に熱循環される熱によりその内周面側から加熱された後、第1加熱ロール30および第2加熱ロール31を通過する際にその内周面側および外周面側から順次加熱されて回転移動する。そして、前記トナー像を担持する記録用紙Pは、この加熱された定着ベルト20とベルトニップ部において接して加熱され、これと同時に加圧ロール45、46により加圧される。
【0045】
続いて、記録用紙Pは、定着ベルト20と加圧ベルト40とに挟持されて定着ベルト20に密着した状態で搬送されるとともに、熱循環器55の熱循環により熱が奪われる第1金属板56を通過する際にトナー画像と一緒に所定の温度以下に冷却される。この冷却によりトナー画像が固化される。熱循環器55の第1金属板56を通過した記録用紙Pは、ベルト支持ロール27cのある剥離部において紙自身の腰の強さにより自力で定着ベルト20から、トナー画像とともに剥離される。この剥離された記録用紙Pは、基本的に装置外に排出される。これによりトナー画像が記録用紙に定着される。
【0046】
このようにして定着された画像は、特に定着ベルト20の表面にならい平滑化された光沢感に富む画像として得られる。しかも、この定着装置10では、熱循環器55の第1金属板56および第2金属板55が定着ベルト20と接触して良好な熱循環が行われるため、トナー像に対する温度環境も良好となり、画質の向上が図られている。
【0047】
また、この画像形成装置では、両面画像形成を行う場合には、記録用紙Pの片面へのトナー画像の定着が終了した段階で、その記録用紙を両面再送路53に送り込み、スイッチバック式の反転路53aでその用紙表裏面を反転させた状態にしてから作像転写装置50に再び搬送供給するようになっている。これにより、その記録用紙Pの他面に作像転写装置50でトナー画像が転写された後、定着装置10でそのトナー画像が定着されることになる。
【0048】
さらに、この画像形成装置では、所定の設定時期(例えば電源を投入した時やプリント枚数が設定枚数以上になった時など)になると、作像転写装置50においてトナー画像の濃度制御に関する動作が実行されるようになっている。この濃度制御は、作像ユニット60(Y,M,C,K)において濃度制御用のトナー像(基準濃度のパッチ像)を感光ドラム61上に形成して中間転写ベルト71に転写した後、そのパッチ像を光学式の画像濃度検知装置52にて検知し、その検知情報に基づいて作像ユニット60の作像条件(主に現像バイアスの条件など)を適宜調整するものである。画像濃度検知装置52としては、発光ダイオートと受光ダイオードを組み合わせて構成される公知のものが使用される。
【0049】
そして、この画像形成装置においては、定着装置10の定着ベルト20や加圧ベルト40の表面に付着する紙粉等の異物を除去するために、トナー層を形成した記録用紙Pを定着装置10に導入して通過させる「紙粉除去モード」が実行されるように構成されている。
【0050】
この紙粉除去モードは、画像形成装置の電源投入時と画像濃度制御時に自動的に実行されるように設定されている。画像濃度制御は、前述したようなパッチ像を形成し、その画像濃度を測定した後の測定情報に基づいて作像条件に関する必要な調整を行う動作である。この例では、電源を投入した時とプリント枚数が設定枚数以上になった時に画像濃度制御を実行するように設定している。また、紙粉除去用のトナー層を形成する記録用紙Pとして、画像形成装置で搬送可能な最大サイズ(少なくとも用紙送り方向の幅が最大であればよい)のものを使用し、かかるサイズの記録用紙4枚に紙粉除去用トナー層をその両面に形成するように設定している。
【0051】
図6は、この画像形成装置の主な制御系について示すものである。図中の符号100は画像形成装置のシステム全体の動作について総括的な制御を行うシステムコントローラである。このシステムコントローラ100には、作像転写装置50に関する各動作を制御する作像転写部コントローラ110、定着装置10に関する各動作を制御する定着部コントローラ120等が接続されている。また、システムコントローラ100には、画像形成装置に動作開始、条件設定等についての指示入力や確認などを行うための入力操作キー131や液晶表示装置132を備えた操作パネル130が接続されている。上記各コントローラ100、110、120はいずれも、記憶装置等に格納されている所定の制御プログラム等にしたがって制御動作を行うマイクロコンピュータにて構成されている。
【0052】
また、システムコントロール100には、図示しない記憶媒体の入力手段やホストコンピュータ等の外部接続機器との通信手段が接続されており、その記憶媒体や外部接続機器から入力される情報に基づくプリント動作を実行する制御も行われる。また、前記画像濃度検知装置52から検知情報は、少なくとも作像転写部コントローラ110に入力されるように設定されている。
【0053】
そして、紙粉除去モードは、電源投入時や画像濃度制御動が実行される時にシステムコントローラ100から作像転写部コントローラ110や定着部コントローラ120に動作開始の制御指令が送信されることにより実行される。
【0054】
具体的には、図7に示すように、画像形成装置の電源が投入されると(ステップ10:S10)、画像濃度制御モードと紙粉除去モードが自動的に実行され(S11)、この両モードの実行終了により画像形成装置が動作可能な状態になる。次いで、一連のプリント(画像形成)を行うためのジョブの指示が操作パネル130や外部通信機器からあるか否かが判断され(S12)、その指示があれば前述したようなプリント動作が実行される(S13)。そして、プリント枚数が画像濃度制御を行うべき設定枚数M(枚)以上になるか否かを判断し(S14)、設定枚数M以上になったときに、再び画像濃度制御モードと紙粉除去モードが自動的に実行される(S11)。
【0055】
紙粉除去モードは、画像濃度制御モードとともに以下のように実行される。
【0056】
まず、図8に示すように、作像転写装置50において前記したような作像転写プロセスが実行されることで、画像濃度制御用のパッチ像と紙粉除去用トナー層が形成される(S20)。
【0057】
すなわち、このときのパッチ像と紙粉除去用トナー層の形成は、作像転写装置50の作像ユニット60において、図9に例示するような各色のトナー(Y,M,C,K)からなる四角形状のパッチ像15(Y,M,C,K)を画像濃度検知装置52による検知が可能なようにプロセス方向Eに対して直行する横並びの状態で形成すると同時に、そのパッチ像15を除く(記録用紙P上の)領域全面に各色のトナー(Y,M,C,K)からなる層を互い重ね合わせてなる所定の厚さの紙粉除去用トナー層T2(a)を形成することで行われる。このパッチ像15および紙粉除去用トナー層T2aは、中間転写ベルト71上に転写される。
【0058】
この例では、パッチ像15として測定基準となる画像濃度が異なるものをプロセス方向Eにそって前後に並べた状態で形成している。また、紙粉除去用トナー層T2aは、画像形成可能な最大限のサイズで形成される。このトナー層T2aは、図8に例示するようにそのトナー層が形成されていない縁(非画像部)Paがあっても、それが画像形成可能な最大サイズであれば構わない。逆に、縁なし状の画像が形成される場合には、縁なし画像状(即ち完全なる全面)にトナー層T2aを形成する。トナー層T2の厚さは、最終的に形成される層の全体厚さが紙粉等の異物を吸着して除去する機能を発揮し得るものであれば特に制約されないが、例えば、4色の各トナーの層を重ね合わせて形成する層の場合にあっては少なくとも各色のトナー層の厚さが画像密度でそれぞれ20%以上となるような厚さにする。
【0059】
続いて、中間転写ベルト71上に転写されたパッチ像15が画像濃度検知装置52を通過する際に、その濃度について測定される(S21)。この検知結果は、前述したように作像転写部コントローラ110等に送信されて作像条件の制御に使われる。この濃度測定後のパッチ像15と、前記紙粉除去用トナー層T2aは、二次転写部において記録用紙Pに二次転写される(S22)。このときの記録用紙Pは、搬送可能な最大サイズのものP1が使用される。
【0060】
次いで、このようにパッチ像15と記紙粉除去用トナー層T2とが片面に転写された記録用紙P1が定着装置10に搬送されて導入される(S23)。定着装置10は、この記録用紙P1の導入に際して通常の定着時と同じ動作状態に置かれる。すなわち、定着ベルト20および加圧ベルト40が回転するとともに、加熱ロール30、31が加熱動作する。なお、必要に応じて、そのベルトの回転速度や加熱ロールによる加熱温度などの条件を定着時の条件と異ならせても構わない。
【0061】
そして、このように定着装置10に導入された記録用紙P1は、そのトナー層T2aの形成面が定着ベルト20に接する状態でその定着ベルト20および加圧ベルト40からなるベルトニップ部に送り込まれて挟持搬送される。
【0062】
この際、紙粉除去用トナー層T2aとパッチ像15は、図11aに例示するように、ベルトニップ部において定着時と同様に定着ベルト20によって加熱されてトナーが溶融するため、そのトナーの(主にトナーを構成するバイダー樹脂に起因した)粘着性が発現される。定着ベルト20の表面(少なくとも記録用紙P1が対峙するベルト表面領域)に紙粉等の異物5aが付着している場合には、記録用紙P1の片面全面に形成されている紙粉除去用トナー層T2およびパッチ像15がその異物に対峙するため、かかる異物がトナーの粘着性により紙粉除去用トナー層T2またはパッチ像15によって吸着(捕獲)される。そして、定着ベルト20が熱循環器55の第1金属板56による冷却部を通過する段階で、そのトナー層T2およびパッチ像15は冷却固化された後、定着ベルト20から剥離される。この結果、定着ベルト20の表面に付着している異物が記録用紙P1側に転移付着するようにして取り除かれることになる。
【0063】
定着装置10に導入されて剥離された前記トナー層T2a等を有する記録用紙P1は、その裏面(前記トナー層を形成した面とは反対側の面)側へのトナー層T2の形成を行う必要があるか否かが判断され(S24)、その記録用紙P1の裏面側へのトナー層T2の形成が必要ない場合には排紙される(S25)。
【0064】
一方、ステップS24において記録用紙P1の裏面側へのトナー層T2の形成が必要ある場合には、その定着装置10を通過後の記録用紙P1が両面搬送経路53に送り込まれて反転された状態で作像転写装置50に再送され、その裏面に対して転写すべき紙粉除去用トナー層T2(b)が形成される(S20)。
【0065】
このときのトナー層T2bは、前記濃度制御用のパッチ像15を形成する必要がある場合には、前記したとおりパッチ像15と同時に前記トナー層T2aと同様に形成される。しかし、記録用紙P1の裏面へのパッチ像15の形成が不要な場合には、図10に示すように、その裏面全面(縁あり画像を含む)に対して紙粉除去用トナー層T2bのみを形成する。
【0066】
この紙粉除去用トナー層T2bを形成した後は、前記した同様にプロセスを経て(S21〜S23。但し、パッチ像を形成しない場合にはステップS21がなく次のステップに移行する)、その未定着のトナー層T2bを有する記録用紙P1が定着装置10に搬送されて導入される。すなわち、このときの記録用紙P1は、そのトナー層T2bの形成面が定着ベルト20に接する状態でベルトニップ部に送り込まれ、その後両ベルト20、40によって挟持搬送される。
【0067】
この際、紙粉除去用トナー層T2b(とパッチ像15)は、図10bに例示するようにベルトニップ部において定着ベルト20によって加熱されてトナーが溶融して粘着性が発現されるため、定着ベルト20の表面に残留付着している紙粉等の異物5cを吸着して取り除くように機能する。一方、記録用紙P1の表面に先行して形成されたトナー層T2aとパッチ像15は、加圧ベルト40の表面に接する状態でベルトニップ部に導入されてある程度加熱されるため、その定着済みのトナーがわずかながら溶融して粘着性が発現されるようになる。この結果、加圧ベルト40の表面に付着している紙粉等の異物5bを吸着して取り除くように機能する。記録用紙P1は、最終的にベルトニップ部から抜け出した後、定着ベルト20から剥離される。
【0068】
このように両面に紙粉除去用トナー層T2(とパッチ像15)が形成された記録用紙P1は、定着装置10から排出された後、その裏面へのトナー層の形成が必要ではないため(S24)、そのまま排紙される(S25)。
【0069】
また、この紙粉除去モードにおいてトナー層T2等を形成した記録用紙P1を定着装置10に対して複数枚導入して通過させる設定である場合には、その設定される導入枚数:Qに達しているか否かが判断され(S26)、達していないときには次の記録用紙P1に対して前記した紙粉除去モード等に関する動作(S20〜S25)が同様に繰り返される。ちなみに、この紙粉除去モードに使用された記録用紙P1は、排紙後に廃棄処分される。
【0070】
以上のように紙粉除去モードが実行されることにより、定着ベルト20をはじめ加圧ベルト40の表面に付着している紙粉等の異物が自動的に除去されることになる。この結果、特に定着ベルト20の表面に固着した紙粉等の異物の存在によりそのベルト表面と対峙するトナー画像の表面が平滑にならず画像の光沢感が損なわれるという問題が発生しなくなる。従って、ベルトニップ式の定着装置10による定着を行った場合に前記したごとき光沢感に優れた画像を得ることができる。
【0071】
また、加圧ベルト40の表面に付着している紙粉等の異物も除去されることになるため、特に両面プリントを行う場合の第1面側のトナー画像に紙粉等が付着するような問題が発生せず、光沢感のある画質を保持することができる。
【0072】
以下、この画像形成装置を用いて行った画像評価試験について説明する。
【0073】
試験は、以下の各試験条件下で10万枚(100kpv)の記録用紙P(A3版普通紙、縦送り)に対して下記画像内容のテストプリントを行い、そのときに最終的に得られた画像の紙粉付着部および紙粉非付着部における光沢度(グロス)の差として測定した。テストプリントは、以下の条件1の場合に対して条件2、3の場合における効果を確認するために100kpv(1日20kpv単位で延べ5日間)の記録用紙について行うとともに、定着ベルト等の定着部材を新品に交換したうえで同じく条件1の場合に対して条件4、5の場合における効果を確認するために100kpv(1日20kpv単位で延べ5日間)の記録用紙について行った。
【0074】
試験条件については以下のとおりである。定着装置10の定着ベルト20および加圧ベルト40に対してクリーニング装置を何も設置しないでかつ紙粉除去モードも実行しない場合(条件1)、図14に示すように定着ベルト20の側に粘着樹脂層を形成したクリーニングロール17を設置して交換せずに使用し続けた場合(条件2)、そのクリーニングロール17を設置してプリント枚数が1万枚(10kpv)になった時点で交換した場合(条件3)、電源投入時にのみ紙粉除去モードを実行した場合(条件4)、および、画像濃度制御モードの実行時に紙粉除去モードを併せて実行した場合(条件5)である。クリーニングロール17は、第1加熱ロール30に対して定着ベルト20を介在させた状態で、そのニップ幅が約3mm、荷重が約5kgf(約49N)となる条件で設置した。また、定着ベルト20を介在させた第1および第2加圧ロール45、46は、そのニップ幅が約20mm、荷重が約250kgf(約2450N)となる条件で設置した。
【0075】
画像濃度制御モードは、電源投入時と、プリント枚数が約10kpvに達した時に行うとともにその都度記録用紙P1の両面で4枚連続して実行するように設定した。また、画像濃度制御モード用のパッチ像と紙粉除去モード用の紙粉除去用トナー層は下記のようなものを形成した。
【0076】
条件4、5の紙粉除去モードについて以下のように行った。まず電源投入時に画像濃度制御モード兼紙粉除去モードの実行時には、図12の上部側に示すように記録用紙P1(A3版普通紙)の搬送方向Eと直行する方向に横並びに4色トナー(Y,M,C,K)からなるパッチ像15(Y,M,C,K)を搬送方向Eの幅領域III内に入る状態で形成した。このときのパッチ像15としては、2種の画像密度(80%、20%)からなるものを搬送方向Eに対して前後方向の位置にそれぞれ形成した。また、この電源投入時には、同図に示すように、その記録用紙P1の搬送方向Eの両端部となる一定領域I、Vを残した領域(領域II、III、IV)に第1トナー層T2cを同時に形成した。この第1トナー層T2cは、各色トナー(Y,M,C,K)からなる画像密度20%の層を重ね合わせたもの(合計の画像密度が80%の層)である。この第1トナー層T2cを形成した幅領域は、幅領域分II、IVだけパッチ像15を形成した幅領域よりも広い領域である。記録用紙P1の裏面には、パッチ像15を除いてトナー層T2cのみを形成した。
【0077】
また、条件1〜5におけるテストプリントの画像はいずれも、図12の下部側に示すように、記録用紙Pのパッチ像15の幅領域IIIと同じ幅で、4色トナー(Y,M,C,K)からなるベタ画像(画像濃度:各色70%)を形成した。このテストプリント中における画像濃度制御モードと紙粉除去モードでは、図13の上部側に示すようにパッチ像15として電源投入時と同じ構成のものを形成し、トナー層T2dとしては以下の構成のものを形成した。すなわち、トナー層T2dは、電源投入時に形成する第1トナー層T2cの半分の幅領域、つまり幅領域IIと幅領域IIIの半分(IIIa)を合わせた領域に同じ構成内容で形成したものである。
【0078】
条件4、5の試験では、電源投入時における画像濃度制御モードおよび紙粉除去モードについては、テストプリント枚数が0、20、40、60、80kpvの段階で(パッチ像15やトナー層T2cの形成を)それぞれ行い、計5回実行することとした。一方、テストプリント中における画像濃度制御モードおよび紙粉除去モードについては、テストプリント枚数が10、30、50、70、90kpvの段階で(パッチ像15やトナー層T2dの形成を)それぞれ行い、計5回実行することとした。
【0079】
条件1〜5による各テストプリントが終了した時点で、図13の下部側に示すようなグロス測定用のベタ画像からなるトナー像T1を用紙の全面に形成した。このトナー像T1は各色トナー(Y,M,C,K)からなる画像密度70%の層を重ね合わせたもの(合計の画像密度が280%の層)である。
【0080】
そして、上記トナー像T1の画像濃度について光沢度測定器(BYK GARDENR社製:マイクロトリグロス)により測定した。このときの光沢度の測定は、条件1〜3の場合には、紙粉が付着する幅領域(I、II、IV、V)とテスト画像を形成する領域である関係で紙粉が付着しない幅領域(III)とをそれぞれ測定し、その両領域の光沢度差の平均値を測定結果とした。条件4の場合には、紙粉が付着する幅領域(IV )と紙粉が付着しない幅領域(IIIa)とをそれぞれ測定し、その両領域の光沢度差の平均値を測定結果(グロス低下値)とした。条件5の場合には、紙粉が付着する幅領域(II)と紙粉が付着しない幅領域(IIIa)とをそれぞれ測定し、その両領域の光沢度差の平均値を測定結果とした。結果を表1に示す。グロス低下値の許容値は5以下である。
【0081】
【表1】
【0082】
表1の結果から、紙粉除去モードを実行した場合には、定着ベルト20および加圧ベルト40の表面に紙粉等の異物が存在することによる画像のグロス低下が少なくなり(条件4、5)、これにより双方のベルト表面に付着する紙粉が除去されていることがわかる。また、この場合、紙粉等の異物をより多く除去してグロス低下を抑えるためには、電源投入時のみだけではなく、それ以外のタイミングでも紙粉除去モードを実行するようにすること(条件5)が有効であることもわかる。
【0083】
ちなみに、条件3の場合でもグロス低下値として許容値が得られるが、10kpv単位という比較的頻繁な時期単位でクリーニングロールを交換しなければならないため面倒である。この点、紙粉除去モードを実行した場合には、そのような交換作業が不要となる大きな利点がある。
【0084】
《他の実施の形態》
なお、実施の形態1では、紙粉除去モードを画像濃度制御モードと同じ時期に自動で実行する場合について説明したが、紙粉除去モード単独で自動的に実行するように構成することができる。
【0085】
また、実施の形態1では、紙粉除去モードとして、紙粉除去用トナー層T2を作像転写装置50で形成して記録用紙P1に転写し、その未定着のトナー層を担持する記録用紙P1を定着装置10に導入する場合について説明したが、その紙粉除去用トナー層T2を予め記録用紙P1の少なくとも片面に形成して定着したものを定着装置10に導入するように構成することも可能である。
【0086】
また、実施の形態1では、定着装置10を作像転写装置50と併せて使用する画像形成装置の場合について例示したが、その定着装置10については定着装置単品とし、既存の画像形成装置と組み合わせて(例えば第2定着装置などとして)使用するように構成することもできる。
【0087】
さらに、定着装置10としては、加圧ベルト40がなく、第1加圧ロール45と第2加圧ロール46とで加圧手段を構成した定着装置としてもよい。この場合にも、紙粉除去モードを実行することにより、その定着ベルト20に付着している紙粉等の異物を除去することができる。また、
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の定着装置や画像形成装置によれば、少なくとも片面にトナー層を形成した記録用紙を導入して通過することにより、定着装置における定着ベルトの表面に付着する紙粉等の異物を専用のクリーニング装置を使用することなく簡易に除去することができる。この結果、かかる紙粉等の異物の存在に起因して発生する画像の光沢低下を防止することができ、高光沢の画像を安定して得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の定着装置および画像形成装置を示すもので、(a)は加圧ベルトのない定着装置を使用する場合の概念図、(b)は加圧ベルトのある定着装置を使用する場合の概念図。
【図2】実施の形態1に係る画像形成装置および定着装置の要部を示す概略構成図。
【図3】作像転写装置における作像ユニットの要部を示す概略構成図。
【図4】図1の定着装置を示す概略構成図。
【図5】(a)は定着ベルトの断面図、(b)は加圧ベルトの断面図。
【図6】画像形成装置の制御系の主な構成を示すブロック説明図。
【図7】紙粉除去モードの実行形態を示すフローチャート。
【図8】紙粉除去モードおよび画像濃度制御モードの実行手順を示すフローチャート。
【図9】(a)は画像濃度制御のパッチ像と紙粉除去用トナー層の構成を示す概略平面図、(b)は(a)のB−B線断面図。
【図10】(a)は紙粉除去用トナー層の他の構成を示す概略平面図、(b)は(a)のB−B線断面図。
【図11】(a)は片面に紙粉除去用トナー層等が形成された記録用紙がベルトニップ部に存在している状態を模式的に示す概略断面図、(b)は両面に紙粉除去用トナー層等が形成された記録用紙がベルトニップ部に存在している状態を模式的に示す概略断面図。
【図12】試験の電源投入時に形成したパッチ像および紙粉除去用トナー層の構成と、テストプリントの画像内容を示す平面説明図。
【図13】試験のテストプリント中に形成したパッチ像および紙粉除去用トナー層の構成と、テストプリントの画像内容を示す平面説明図。
【図14】試験においてクリーニングロールを設置した定着装置の要部を示す概略説明図。
【符号の説明】
1,10…定着装置、2,20…定着ベルト、3…加熱手段、4…加圧手段、4A,40…加圧ベルト、5,50…作像転写装置、6…紙粉等の異物、16…画像濃度制御用のパッチ像(制御検知用トナー像)、30、31…加熱ロール(加熱手段)、45、46…加圧ロール(加圧手段)、T1…トナー画像、P…記録用紙、T2…トナー層、P1…トナー層を形成する記録用紙、L…所定の距離。
Claims (5)
- 粘着性を示す表面からなる回転する無端状の定着ベルトと、この定着ベルトを加熱する加熱手段と、この加熱手段で加熱された定着ベルトの表面に未定着のトナー画像が担持された記録用紙を圧接させる加圧手段とを備えた定着装置において、
少なくとも片面全面にトナー層が形成された記録用紙をそのトナー層形成面が前記定着ベルトに接する状態でその定着ベルトと前記加圧手段の間に導入して通過させることを特徴とする定着装置。 - 前記加圧手段が、前記定着ベルトの表面に圧接した状態で所定の距離だけ同じ方向に回転する無端状の加圧ベルトであり、
かつ、その加圧ベルトに接する面にもトナー層が形成された記録用紙を導入して通過させる請求項1に記載の定着装置。 - 画像情報に応じたトナー画像を形成して記録用紙に転写する作像転写装置と、
粘着性を示す表面からなる回転する無端状の定着ベルトと、この定着ベルトを加熱する加熱手段と、この加熱手段で加熱された定着ベルトの表面に前記作像転写装置で形成する未定着のトナー画像が転写された記録用紙を圧接させる加圧手段とを備えた定着装置と
を有する画像形成装置において、
前記作像転写装置で記録用紙の少なくとも片面全面にトナー層を形成し、そのトナー層が形成された記録用紙をそのトナー層形成面が前記定着装置の定着ベルトに接する状態でその定着ベルトと前記加圧手段との間に導入して通過させる動作モードを設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記定着装置の加圧手段が、前記定着ベルトの表面に圧接した状態で所定の距離だけ同じ方向に回転する無端状の加圧ベルトであり、
かつ、前記動作モードが、前記作像転写装置によりで記録用紙の片面にトナー層を形成して転写させた後に定着装置の定着ベルトと加圧ベルトの間に導入して通過させるとともに、その定着装置を通過した記録用紙の他面にトナー層を形成して転写させた後に定着装置の前記両ベルトの間に導入して通過させるように設定されている請求項3に記載の画像形成装置。 - 前記動作モードが、記録用紙に形成するトナー層を前記作像転写装置における制御検知用トナー像と同時に形成するように設定されている請求項3又は4に記載の画像形成装置。
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