JP2006060948A - 磁気回路の製造方法およびその磁気回路 - Google Patents

磁気回路の製造方法およびその磁気回路 Download PDF

Info

Publication number
JP2006060948A
JP2006060948A JP2004241800A JP2004241800A JP2006060948A JP 2006060948 A JP2006060948 A JP 2006060948A JP 2004241800 A JP2004241800 A JP 2004241800A JP 2004241800 A JP2004241800 A JP 2004241800A JP 2006060948 A JP2006060948 A JP 2006060948A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnet
magnetic circuit
lubricant
yoke
yoke member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004241800A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanobu Uchida
政伸 内田
Koji Miyata
浩二 宮田
Takeshi Ohashi
健 大橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP2004241800A priority Critical patent/JP2006060948A/ja
Publication of JP2006060948A publication Critical patent/JP2006060948A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)

Abstract

【課題】 安価な装置を用いて比較的小さな抵抗力だけで、磁石を取り付けできる磁気回路の製造方法を提供する。
【解決手段】 磁石をヨーク部材に取り付けてなる磁気回路の製造方法であって、粘度が25℃で10〜5000Pであり、硬化温度が100℃以下であり、可使時間が5分〜3時間である滑剤を、該磁石のヨーク取付面および/または該ヨーク部材の磁石取付面の少なくとも一部に塗布するステップと、該磁石を、該磁石取付面に沿って、該ヨーク部材の所定の位置に移動させるステップとを含む磁気回路の製造方法、および該方法により製造された磁気回路が提供される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、磁気回路の製造方法およびこれにより得られる磁気回路に関する。
永久磁石とヨーク部材とからなる磁気回路は、一般的に、磁石と予め接着等で一体化されたヨーク類を専用治具で把持し、バックヨーク面に対して鉛直方向から磁石を取り付けることで組み立てられる。しかし、このような方法では、磁気回路の諸特性や構造上、磁石を鉛直方向から取り付けることができない場合がある。
この問題を解決する方法の一つとして、バックヨーク面に対して水平な方向から磁石を取り付ける方法が考えられる。しかしながら、磁石の吸引力により必然的に磁石がバックヨークと接触するため、取り付けできない場合や、あるいは、磁石とヨークとが接触することにより、バックヨーク、磁石等を損傷させる場合があり、この方法は一般に採用されていない。このような問題の解決法として、大きな剛性の装置を用いる方法もあるが、それでも大型の磁石単体を把持するには安全性に問題がある場合があり、さらにコストの問題がある。特許文献1に、特殊治具を用いて磁石を把持し、機械的に磁石とヨークとの空隙を保ちながら、磁石を所定位置まで水平移動し、側面同士を接着、組み立てる方法が記載されている。しかしながら、このような方法は、磁石の抵抗力が大きく把持および摺込み装置の大型化の最たるものであり、目的の磁気回路の量的生産量が少ない場合や、比較的小型の磁気回路を組み立てる場合には、採用が難しい方法である。
特開2000−51175号公報
以上のように、これまでの方法では取り付け出来ない磁気回路にも安価な装置を用いて比較的小さな抵抗力だけで、磁石を取り付けできる磁気回路の製造方法を提供する。
本発明の一の側面によると、磁石をヨーク部材に取り付けてなる磁気回路の製造方法であって、粘度が25℃で10〜5000Pであり、硬化温度が100℃以下であり、可使時間が5分〜3時間である滑剤を、該磁石のヨーク取付面および/または該ヨーク部材の磁石取付面の少なくとも一部に塗布するステップと、該磁石を、該磁石取付面に沿って、該ヨーク部材の所定の位置に移動させるステップとを含む磁気回路の製造方法が提供される。また、本発明の他の側面によると、該方法により製造された磁気回路が提供される。
以下に詳細に説明するように、本発明によると、摩擦抵抗を小さくすることができ、比較的小さな力で組み付けできる。さらに、滑剤が硬化するまでの時間を充分確保することができるので、磁石の位置等を容易に調整することも可能となる。また、本発明によると、組み立てに必要となる把持用のヨーク類も少なくて済むため、磁石やヨーク部材に把持用の切欠きを設ける必要がなくなり、減流特性等の諸特性の面でも優れた磁気回路を提供でき、また、コストの面でも優れた磁気回路を提供できる。
以下に、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら説明する。もっとも、本発明は、以下に説明する実施の形態に限定されるものではない。
本発明にあっては、磁石は永久磁石であることが好ましい。具体的には、特に限定されるものではないが、永久磁石として、Nd,Sm系の希土類磁石、アルニコ系磁石、フェライト系磁石等を用いることができる。特に、磁石は、着磁された磁石であることが好ましい。磁石とヨーク部材との間に磁場吸引力が発生するため、磁石をヨーク部材に取り付けることがより困難であるためである。磁石の形状は、直方体、立方体、円柱、円筒など、所望の磁気回路の形状に応じて、任意のものとすることができる。また、ヨーク部材は、磁性体であることが好ましい。具体的には、特に限定されるものではないが、ヨーク部材として、低炭素鋼、けい素鋼、磁性ステンレス等を用いることができる。ヨーク部材の形状も、所望の磁気回路に応じて、任意のものとすることができる。ここで、磁石をヨーク部材に取り付けた際に互いに対向する面のうち、磁石が有する面であって、ヨーク部材が取り付けられる面をヨーク取付面と、ヨーク部材が有する面であって、磁石が取り付けられる面を磁石取付面と呼ぶ。磁石のヨーク取付面とヨーク部材の磁石取付面とは、最終的に磁石がヨーク部材に取り付けられた際に互いに適合するように同一の形状を有していることが好ましい。具体的には、ヨーク取付面と磁石取付面とは、平面や同じ曲率の円筒面等とすることができ、特に、それぞれ平面であることが好ましい。磁石取付面に沿って、磁石取付面に対して水平な方向に磁石を移動させることで、磁石を所定の位置に移動させることができるからである。
まず、滑剤を、磁石のヨーク取付面および/またはヨーク部材の磁石取付面の少なくとも一部に塗布する。ここで、滑剤は、粘度が25℃で10〜5000Pであり、特に100〜3000Pであることが好ましい。粘度が10P未満では、摩擦抵抗が大きく固化反応が早く可使時間が短いので、大型磁気回路の製作には適さず、5000Pを超えると、膜厚が不均一となり、接着強度にばらつきが生じやすくなる場合があるためである。また、滑剤は、硬化温度が100℃以下であり、特に室温〜100℃であることが好ましく、室温〜80℃であることがさらに好ましい。例えば、滑剤として、住友スリーエム製の1液性エポキシ系滑剤スコッチ・ウェルド等(粘度数1000P以上)の加熱硬化型滑剤があるが、このような加熱硬化型滑剤は、例えば120℃以上の高温で硬化させる必要がある。しかしながら、磁気回路の形状等にもよるが、このように高温処理することは、磁気回路の減磁や、漏れ磁場による加熱器具等との吸引等のため好ましくない。漏れ磁場による吸引等に関しては、開口部の大きな加熱器や磁気回路の後着磁などの対策も考えられるが、コスト高につながる。また、滑剤は、可使時間が5分〜3時間であり、特に10分〜2時間であることが好ましい。可使時間が短すぎると、磁気回路製作途中で固化反応が始まり、位置決めが不十分になったり、接着強度が低下してしまう場合がある。また、可使時間が長すぎると、固化に長時間要し、位置ずれが起きたり、生産性の低下にもつながる場合がある。
なお、粘度は、25℃において、JISK7117に準拠した。また、可使時間は、滑剤の硬化開始までの時間をいい、以下のように測定することができる。25℃に調整した滑剤(場合によっては硬化剤を加えることができる)を素早くかき混ぜると同時に、その開始時刻を記録する。試料面が液面下約2cmになるように浸し、かき混ぜ棒を動かしながら、著しい粘度上昇、糸引き、ゲル化、発泡、沈殿、分離、変色などが発生するまでの時間を測定する。また、効果温度は、滑剤を硬化させるのに必要な温度をいう。
滑剤は、磁石取付面上で、磁石を滑らせて移動させることができるものであり、具体的には、滑剤として、エポキシ系、シリコーン系、NBR,ウレタン、クロロプレン等のゴム系、変性アクリル等が挙げられる。商業的に入手可能な滑剤として、セメダイン社製スーパーX、EP−001、三井化学社製ストラクトボンド8310、信越化学製KE45,KE4866等が挙げられる。また、必要に応じて、滑剤成分として、アルコール、シクロへキサン等の有機溶剤をさらに添加してもよい。
上記したように、滑剤を、磁石のヨーク取付面および/またはヨーク部材の磁石取付面の少なくとも一部に塗布する。より具体的には、滑剤を磁石のヨーク取付面に塗布する場合、ヨーク取付面のうち、磁石を移動させる過程で、磁石とヨーク部材とが接する領域の少なくとも一部、好ましくは全てに、滑剤を塗布することが好ましい。また、滑剤をヨーク部材の磁石取付面に塗布する場合、磁石取付面のうち、磁石を移動させる過程で、磁石とヨーク部材とが接する領域の少なくとも一部、好ましくは全てに、滑剤を塗布することが好ましい。また、ヨーク取付面および/または磁石取付面の全ての領域に、滑剤を塗布することもできる。
特に限定されるものではないが、滑剤は、ロールコータ、ダイコータ、刷毛等により塗布することができる。また、滑剤の塗布量は、滑剤を目視で確認できる程度が好ましく、具体的には、硬化時の厚さが10〜1000μmになるように塗布することが好ましい。
さらに、磁石を、磁石取付面に沿って、ヨーク部材の所定の位置に移動させる。ここで、磁石またはヨーク部材について移動とは、広く磁石とヨーク部材との相対的な位置関係が変化することをいい、ヨーク部材を固定して磁石のみを移動させる場合と、磁石を固定してヨーク部材のみを移動させる場合と、磁石とヨーク部材の両方を移動させる場合とを含む。なお、磁石またはヨーク部材の最終的な位置調整は、非磁性の板材やネジなどを用いて行うことが好ましい。
ここで、本発明によると、磁石を移動させるステップにおいて、磁石またはヨーク部材に加えられる力の大きさが、磁石とヨーク部材との間の磁場吸引力よりも小さいことが好ましい。具体的には、磁気回路の大きさ等にも依るが、磁気吸引力の1/5以下の大きさの力を、さらに具体的には1000〜10000Nの力を、磁石またはヨーク部材に与えることで、磁石をヨーク部材の所定の位置に移動させることが好ましい。これにより、先行文献に記載のように空隙を保つ特殊器具を用いることなしに、磁気回路組み立て用の装置として、剛性がさらに小さい装置や、さらに小型化された装置等、さらに安価な装置を用いることができるためである。
なお、磁石を移動させる際には、滑剤を未硬化または半硬化状態に保つ。すなわち、滑剤が未硬化または半硬化状態に保たれる温度で磁石を移動させることが好ましい。具体的には、磁石を移動させる際の温度を、滑剤の硬化温度より低い温度とすることが好ましい。熱容量の大きい磁気回路などでは、熱風等を与え、予熱した状態などの場合等は、加熱した状態で、磁石を移動させることもできる。また、磁石を移動させた後、加熱することで滑剤を硬化させることが好ましい。加熱温度は、使用する滑剤に応じて適宜設定することができ、具体的には、100℃以下とすることが好ましく、80℃以下とすることがさらに好ましい。
本発明によると、該磁石取付面に沿って磁石を移動させることで、磁石とヨーク部材との間の磁気吸引力により生じる種々の問題を解決することができる。具体的には、本発明によると、該磁石取付面に沿って磁石を移動させることで、磁気吸引力に対抗する力を磁石に付加する必要がなくなり、さらに、上記したように、比較的小さな力により磁石を移動させることができる。このため、剛性が比較的小さい装置を用いた場合であっても、充分に安全性を確保することができ、さらにコストを改善することができる。また、磁気吸引力に対抗するための部材が必要でなくなるため、把持および摺込み装置を小型化することができる。これらの点は、目的の磁気回路の量的生産量が少ない場合や、比較的小型の磁気回路を組み立てる場合に、特に有利である。また、磁石をヨーク部材と滑剤を介して接触させながら移動させることで、ヨーク部材、磁石等を衝撃等により損傷させるおそれが減少する。また、さらに磁石とヨークの位置決めは、前後、左右の2軸のみの調整ですむので、作業効率よく組み込むことができる。
本発明では、図2および図4のような、ヨーク上に磁化方向が反対の永久磁石を組み付ける際に特に有効な方法である。もちろん、ヨーク上に同一磁化方行を持つ永久磁石を組み付ける際にも有効であるが、この場合、永久磁石同士の距離が近接すれば、同極の反発力が作用し、ヨークから逸脱する可能性もあるので、滑剤が硬化するまで、この反発力以上の押さえが必要であり、さらに硬化後の接着強度も反発力以上の力が必要となる。一方、ヨーク上に磁化方向が反対の永久磁石を組み付ける場合では、近接すれば異極は吸引し合うので、よりヨークとの吸引が強くなる。したがって、組み付ける際の摩擦抵抗が大きくなり、本発明の滑剤を用いた組み付け法を用いることで、ヨークとの吸引力等による抵抗力を減らし、より小さな力で組み付けすることができる。
なお、本発明は、磁石をヨーク部材に取り付けてなる任意の磁気回路に対して適用することができる。特に限定されるものではないが、本発明の適用例として、減流器用磁気回路、工作機械用リニアモータ用固定子磁気回路等が挙げられる。
以下に、本発明の実施例を、添付図面を参照しながら説明する。もっとも、本発明は、以下に説明する実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
実施例1として、本発明にかかる方法により、減流器用磁気回路を製造した。図1は、減流器の模式的な斜視図である。図2は、減流器用磁気回路の模式的な斜視図である。図3に、減流器用磁気回路の組み立てにおいて、(a)鉛直方向から、(b)水平方向からヨーク部材に磁石を取り付けるステップを模式的に示す。図1に示すように、減流器10は、減流器用磁気回路11の周囲にコイル12を巻いたものである。鉄心13はケイ素鋼板(川鉄製30RGH105)を占積率97%で積層したものである。使用した永久磁石14はNd−Fe−B焼結磁石(信越化学製N42SH、Br=1.27T,iHc=1671kA/m)で、磁石寸法は200mm角、高さ66mmであり、磁石の磁化方向は高さ方向である。この磁石14と鉄心13間の吸引力は約32kNである。
回路特性上、鉄心13は永久磁石14により磁気飽和され短絡時のコイル電流により反周期ごとに交互磁化反転するよう設計されるが、組み付け時の把持のために、鉄心13に切り欠きなどを設けると限流特性が不十分となり機能しないので、磁石を把持するための治具を付加することはできない。このため、この鉄心13や磁石14に、容易磁化方向、透磁率、鉄損などの特性が同等なヨーク類と磁石を把持するための治具を付加することはできない。従って、図3(a)に示すように、鉛直方向から磁石をヨーク部材に取り付けることはできない。このため、図3(b)に示すように、磁石14を、2枚の鉄心13の間に、水平方向であって、鉄心13の長手方向とは平行な方向から取り付けた。
この際、滑剤として、三井化学社製の2液性シリコーン系滑剤ストラクトボンド8310を用いた。この滑剤は、粘度が25℃で1300〜2500Pであり、硬化温度が30〜40℃であり、可使時間が80分である。2枚の鉄心13の磁石取付面のうち長手方向端の磁石を取り付ける領域の一方に、滑剤を満遍なく0.5kg/m2程度塗りつけた。この量は、磁石を取り付け、滑剤がはみ出した後の、磁石取付部位の滑剤の硬化時の目標厚さが100μmとなるものである。着磁した磁石14を、5kNの力で2枚の鉄心13の間にすり込み滑らせて取り付けた後、磁石の位置調整し、そのまま磁石の吸引力で圧着させながら室温で8時間硬化させた。滑剤を調合してから、磁石の位置調整が終了し圧着を開始するまで約1時間を要した。この鉄心の長手方向反対側に、磁化方向が反対になるように同じ特性の磁石を同様に取り付け、閉磁気回路を形成し、図2の減流器用回路とした。その接着せん断強度(JISK6852準拠)は約4MPaであった。
なお、仮に剛性の高い特殊で高価な装置を用いて、磁石を鉛直方向から取り付ける場合は、下部鉄心13に磁石を個々に取り付けたあと、上部鉄心13を取り付け、合計3回の取り付けが必要である。しかしながら、実施例1では、個々の磁石2回分のみの取り付けで作業の効率化にもつながった。さらに、実施例1では、鉄心13に磁石把持用のヨーク切欠きを設ける必要もないので減流特性を損なうこともない。なお、下部鉄心13上に磁石14をそれぞれ水平方向から取り付けた後、上部鉄心13を水平または鉛直方向から取り付けることもできる。
[実施例2]
実施例2として、本発明にかかる方法により、工作機械用リニアモータ用固定子磁気回路を製造した。図4は、工作機械用リニアモータ用固定子磁気回路の模式的な断面図である。図5に、工作機械用リニアモータ用固定子磁気回路の組み立てにおいて、ヨーク部材に磁石を取り付けるステップを模式的に示す。リニアモータ20は、板状ヨーク21と複数の永久磁石22とから構成される固定子23と、電機子コア24と電機子コイル25とから構成される可動子26とを備える。固定子23において、板状ヨーク21の各面には、板状ヨーク21の長手方向に沿って、複数の永久磁石22が同一のピッチで配列されている。固定子23に用いた永久磁石22はNd−Fe−B焼結磁石(信越化学製N48H、Br=1.35T,iHc=1273kA/m)、磁石寸法は100mm、巾18mm、厚み5mmであり、磁石の磁化方向は厚み方向である。鉄ヨーク21は材質S50Cで、長さ550mm、巾116mm、厚み19mmの大きさである。この磁石と鉄ヨークの吸引力は約700Nである。
ヨーク部材の長手方向とは垂直な方向から磁石を取り付けた。この際、滑剤として、セメダイン社製の1液性特殊ポリマー系滑剤スーパーXを用いた。この滑剤は、粘度が25℃で900Pであり、硬化温度が室温であり、可使時間が10分である。図5に示すように、この鉄ヨーク21の磁石取付面のうち、磁石を取り付ける領域の中央部分より手前側であって、ヨーク部材の長手方向の長さが約15mm、磁石移動方向の長さが約80mmの領域27に、滑剤を0.1kg/m2程度塗りつけた。この量は、磁石を取り付け、滑剤がはみ出した後の、磁石取付部位の滑剤の硬化時の目標厚さが500μmとなるものである。着磁した磁石22を、すり込み治具で水平方向から約100Nの力で1ケずつ、鉄ヨーク21上に設けたガイド28の間に滑らせてすり込んだ後、位置調整し、磁石の吸引力に加え、磁石取付面に対して垂直な方向から約300Nで加圧圧着させながら室温で4時間硬化させた。この場合、磁石把持用の治具を用いたり、特殊な取付装置で鉛直方向から取り付ける方法は、コスト的に採算が合わない。なお、実施例2で滑剤を塗布してから、磁石の位置調整が終了し圧着を開始するまで室温作業で10分以内であった。この鉄ヨーク21の長手方向に磁化方向が反対で同じ特性の磁石22を等ピッチに交互に取り付け、さらに鉄ヨーク21の裏面にも同極となるように同様に磁石を取り付け、工作機械用リニアモータ固定子磁気回路23とした。その接着せん断強度(JISK6852準拠)は約2MPaであった。
[実施例3]
実施例3として、本発明にかかる方法により、減流器用磁気回路を製造した。滑剤として、セメダイン社製の2液性エポキシ樹脂系滑剤EP−001を用いた以外は実施例1と同様に磁気回路を製造した。この滑剤は、粘度が25℃で170Pであり、硬化温度が室温であり、可使時間が20分である。その接着せん断強度(JISK6852準拠)は約11MPaであった。
以上のように、いずれの滑剤を用いて取り付けた磁気回路も、その接着せん断強度(JISK6852準拠)は2MPa以上であり、実用的に問題ない強度を有していた。
[比較例1,2]
比較例1,2として、以下の滑剤を用いて、減流器用磁気回路を製造した。異なる滑剤を用いた以外は実施例1と同様に磁気回路を製造した。比較例1では、ロックタイト製の1液性アクリル系滑剤334を用いた。この滑剤は、粘度が25℃で80Pであり、硬化温度が室温であり、アクチベータを用いると可使時間は数10秒以内である。比較例2では、ハードロック製の2液性アクリル系滑剤G−55を用いた。この滑剤は、粘度が25℃で30Pであり、硬化温度が室温であり、可使時間が3分である。しかしながら、比較例1、2にあっては、可使時間が短いので大型磁気回路では取り付け中に滑剤の硬化が始まり磁気回路を製造できなかった。
減流器の模式的な斜視図である。 減流器用磁気回路の模式的な斜視図である。 減流器用磁気回路の組み立てにおいて、(a)鉛直方向から、(b)水平方向からヨーク部材に磁石を取り付けるステップを模式的に示す。 工作機械用リニアモータ用固定子磁気回路の模式的な断面図である。 工作機械用リニアモータ用固定子磁気回路の組み立てにおいて、ヨーク部材に磁石を取り付けるステップを模式的に示す。
符号の説明
10:減流器
11:減流器用磁気回路
12:コイル
13:鉄心
14:永久磁石
20:リニアモータ
21:板状ヨーク
22:永久磁石
23:固定子
24:電機子コア
25:電機子コイル
26:可動子
27:塗布領域
28:ガイド

Claims (3)

  1. 磁石をヨーク部材に取り付けてなる磁気回路の製造方法であって、
    粘度が25℃で10〜5000Pであり、硬化温度が100℃以下であり、可使時間が5分〜3時間である滑剤を、該磁石のヨーク取付面および/または該ヨーク部材の磁石取付面の少なくとも一部に塗布するステップと、
    該磁石を、該磁石取付面に沿って、該ヨーク部材の所定の位置に移動させるステップと
    を含む磁気回路の製造方法。
  2. 前記磁石が着磁された磁石であり、前記磁石を移動させるステップにおいて、前記磁石または前記ヨーク部材に加えられる力の大きさが、前記磁石と前記ヨーク部材との間の磁場吸引力よりも小さい請求項1に記載の方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法により製造された磁気回路。
JP2004241800A 2004-08-23 2004-08-23 磁気回路の製造方法およびその磁気回路 Pending JP2006060948A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004241800A JP2006060948A (ja) 2004-08-23 2004-08-23 磁気回路の製造方法およびその磁気回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004241800A JP2006060948A (ja) 2004-08-23 2004-08-23 磁気回路の製造方法およびその磁気回路

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006060948A true JP2006060948A (ja) 2006-03-02

Family

ID=36107962

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004241800A Pending JP2006060948A (ja) 2004-08-23 2004-08-23 磁気回路の製造方法およびその磁気回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006060948A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013092523A (ja) * 2011-10-18 2013-05-16 Methode Electronics Inc 変速機駆動プレート用の磁気トルクセンサ
JP2017050403A (ja) * 2015-09-02 2017-03-09 信越化学工業株式会社 永久磁石磁気回路の製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002272033A (ja) * 2001-03-13 2002-09-20 Nissan Motor Co Ltd 永久磁石式同期モータのロータとその製造方法
JP2003284314A (ja) * 2002-03-20 2003-10-03 Mitsubishi Electric Corp リニアモータおよびその製造方法
JP2004504796A (ja) * 2000-07-17 2004-02-12 インベンテイオ・アクテイエンゲゼルシヤフト リニアモーターの二次側部品およびそれを製造するための方法
JP2004191714A (ja) * 2002-12-12 2004-07-08 Fuji Xerox Co Ltd 転写用ベルトおよびそれを用いた画像形成装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004504796A (ja) * 2000-07-17 2004-02-12 インベンテイオ・アクテイエンゲゼルシヤフト リニアモーターの二次側部品およびそれを製造するための方法
JP2002272033A (ja) * 2001-03-13 2002-09-20 Nissan Motor Co Ltd 永久磁石式同期モータのロータとその製造方法
JP2003284314A (ja) * 2002-03-20 2003-10-03 Mitsubishi Electric Corp リニアモータおよびその製造方法
JP2004191714A (ja) * 2002-12-12 2004-07-08 Fuji Xerox Co Ltd 転写用ベルトおよびそれを用いた画像形成装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013092523A (ja) * 2011-10-18 2013-05-16 Methode Electronics Inc 変速機駆動プレート用の磁気トルクセンサ
JP2017050403A (ja) * 2015-09-02 2017-03-09 信越化学工業株式会社 永久磁石磁気回路の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9893571B2 (en) Permanent magnet type electric rotating machine having main magnets and auxiliary magnets, and manufacturing method thereof
JP2019149934A (ja) 永久磁石片
US7425770B2 (en) Vibration wave motor
JP2002325421A5 (ja)
CN205159023U (zh) 磁铁单元
CN103259357B (zh) 借助于框架的对永久磁体的固定
JP5527426B2 (ja) リニアモータ
KR102339956B1 (ko) 리니어 모터
CN109195079A (zh) 磁路系统的组装方法以及充磁系统
KR102436780B1 (ko) 영구 자석 자기 회로의 제조 방법
JP4344882B2 (ja) 磁気共鳴イメージングの磁場発生装置向けに磁気部材を組み立てるための方法
US20090021097A1 (en) Permanent magnet rotator and motor using the same
JPH08339916A (ja) 永久磁石磁気回路
CN105280324B (zh) 磁铁单元和磁铁单元的制造方法
JP2006060948A (ja) 磁気回路の製造方法およびその磁気回路
EP2677631B1 (en) Cylindrical magnetic circuit and producing method thereof
TW200400771A (en) Repulsion magnetic circuit manufacturing method and manufacturing apparatus using the manufacturing method
JP5692105B2 (ja) Ipmモータ用ロータの製造方法
EP3324526A1 (en) Magnetic field generating member and motor including same
JP5553247B2 (ja) リニアスライダ
JP2006020379A (ja) ロータの製造方法及びその装置
JP6379930B2 (ja) リニアモータ用固定子
JP2006304447A (ja) リニアモータと永久磁石固定装置
WO2022196149A1 (ja) 磁石配列方法及びロータの製造方法
JP2013252044A (ja) ロータの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060713

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090827

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090904

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091104

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100316

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100706