JP2001290374A - シームレスベルト - Google Patents

シームレスベルト

Info

Publication number
JP2001290374A
JP2001290374A JP2000107056A JP2000107056A JP2001290374A JP 2001290374 A JP2001290374 A JP 2001290374A JP 2000107056 A JP2000107056 A JP 2000107056A JP 2000107056 A JP2000107056 A JP 2000107056A JP 2001290374 A JP2001290374 A JP 2001290374A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
belt
seamless belt
resin
seamless
rib
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000107056A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiyuki Kawaguchi
利行 川口
Satoshi Odajima
智 小田嶋
Toyoji Hibi
登代次 日比
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Polymer Co Ltd, Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Polymer Co Ltd
Priority to JP2000107056A priority Critical patent/JP2001290374A/ja
Publication of JP2001290374A publication Critical patent/JP2001290374A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業の遅延化、煩雑化、複雑化を招くことな
く、端部からの破断を抑制防止できるシームレスベルト
を提供する。 【解決手段】 半導電性の樹脂1を用いて可撓性のシー
ムレスベルト本体2をエンドレスの円筒形に成形し、こ
のシームレスベルト本体2の開口した両端部内周面に、
エンドレスのリブベルト3をそれぞれ巻回して貼着す
る。そして、シームレスベルト本体2の両端部外周面に
は、エンドレスの補強ベルト5をそれぞれ一体的に貼着
する。大きなストレスが作用するシームレスベルトの端
部に補強ベルト5を一体化させるので、端部に亀裂が生
じて破断するのを抑制防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真複写機、
レーザプリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらを複合
したOA機器に使用され、トナーや紙等を静電的に付着
させて搬送する中間転写ベルト等のシームレスベルトに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真複写機等に使用される従来のシ
ームレスベルトは、図示しないが、半導電性の樹脂を用
いて可撓性のシームレスベルト本体がエンドレスの円筒
形に成形され、このシームレスベルト本体の開口した両
端部内周面には、蛇行を規制するエンドレスのリブベル
トがそれぞれ巻回して貼着されている。このように形成
されたシームレスベルトはリブベルト用の嵌合溝を備え
た複数のローラ間に懸架して使用される。ところで、使
用時のシームレスベルトには、リブベルトの厚さと嵌合
溝の深さ精度との関係上、リブベルトが嵌合溝を越えよ
うとする競り上がり現象が発生する。同様の現象は、蛇
行規制時にリブベルトと嵌合溝との間に応力が作用し、
リブが変形する場合にも発生する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のシームレスベル
トは、以上のように競り上がり現象が生じ、端部に大き
なストレスが作用するので、端部に亀裂が生じて破断し
てしまうという問題がある。このような問題を解消する
方法として、シームレスベルトの端部に粘着テープ等を
貼着して補強するという方法が提案されている。しかし
ながら、粘着テープ等を単に貼着するだけでは、作業の
遅延化、煩雑化、複雑化という大きな問題が新たに発生
することとなる。
【0004】本発明は、上記に鑑みなされたもので、作
業の遅延化、煩雑化、複雑化を招くことなく、端部から
の破断を抑制防止することのできるシームレスベルトを
提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明にお
いては、上記課題を達成するため、半導電性の樹脂から
なる可撓性のシームレスベルト本体の端部内周面にリブ
ベルトを有するものであって、上記シームレスベルト本
体の端部外周面に、補強ベルトを設け、好ましくは一体
的に設けたことを特徴としている。
【0006】なお、上記樹脂を熱硬化性樹脂とし、この
熱硬化性樹脂を、ビス(2‐オキサゾリン)化合物、多価
芳香族ポリアミン、及びジカルボン酸の反応生成物とす
ることが好ましい。また、上記リブベルトから上記補強
ベルトの内周面に接触する複数のスペーサ片を突出さ
せ、上記シームレスベルト本体の端部内周面と該リブベ
ルトの外周面との間に空間を設けるようにすることがで
きる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
ましい実施形態を説明すると、本実施形態におけるシー
ムレスベルトは、図1や図2に示すように、半導電性の
樹脂1を用いて可撓性の屈曲可能なシームレスベルト本
体2をエンドレスの円筒形に成形し、このシームレスベ
ルト本体2の開口した両端部内周面に、蛇行規制用のリ
ブベルト3をそれぞれエンドレスに貼着し、シームレス
ベルト本体2の両端部外周面には、エンドレスの補強ベ
ルト5をそれぞれ一体的に成形するようにしている。
【0008】シームレスベルト本体2を形成する樹脂1
は、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエー
テルイミド、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリカーボ
ネート、ポリアリレート樹脂等の熱可塑性樹脂、あるい
はエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ビニルエステル樹脂、ビスベンゾシクロブデン樹脂
等の熱硬化性樹脂に、カーボンブラック、グラファイ
ト、金属粉、導電性セラミック粉、ポリマー型帯電防止
剤が分散混合し、静電付着に必要な108〜101 4(Ω・
cm)の半導電性が付与されている。
【0009】樹脂1は、補強ベルト5と一体化するの
で、粘度の低いことが望まれ、おおよそ20ポイズ以
下、好ましくは10ポイズ以下とされる。この樹脂1
は、必要ならば、加熱して構わないが、熱可塑性樹脂の
場合には分子量が大きいので、適当な溶剤に溶かす必要
がある。これに対し、熱硬化性の樹脂は、溶剤を必要と
しないため、溶剤揮発後の厚さムラが特に補強ベルト5
のある部分で発生しにくく、溶剤乾燥時間を必要としな
いので生産性も高く、大変好ましいが、シームレスベル
トとしての耐久性、可撓性の観点から、モジュラス20
0kg/mm2以上(JIS 7127) 、破断強度40
0kg/mm2以上(JIS 7127) 、伸び2%以上
(JIS 7127)が必要である。
【0010】係る物性を満足し、硬化時間が短いオキサ
ゾリン系の熱硬化性樹脂は、粘度も低く、特に本発明の
目的に適している。これを詳しく説明すると、ビス(2
‐オキサゾリン)化合物は、既に公知であり、特開平2
‐32129号公報にあるように、一般式
【化1】 (R0は炭素間結合又は2価の炭化水素基を示し、R1
2、R3、R4はそれぞれ水素、アルキル基又はアリー
ル基を示し、同じでも相異しても良い)で表され、具体
例として、2,2′‐ビス(2‐オキサゾリン)、2,
2′‐ビス(5‐メチル‐2‐オキサゾリン)、2,2′
‐ビス(5,5′‐ジメチル‐2‐オキサゾリン)、2,
2′‐ビス(4,4,4′,4′‐テトラメチル‐2‐
オキサゾリン)、1,2‐ビス(2‐オキサゾリン‐2‐
イル)エタン、1,4‐ビス(2‐オキサゾリン‐2‐イ
ル)ブタン、1,6‐ビス(2‐オキサゾリン‐2‐イ
ル)ヘキサン、1,8‐ビス(2‐オキサゾリン‐2‐イ
ル)オクタン、1,4‐ビス(2‐オキサゾリン‐2‐イ
ル)シクロヘキサン、1,2‐ビス(2‐オキサゾリン‐
2‐イル)ベンゼン、1,3‐ビス(2‐オキサゾリン‐
2‐イル)ベンゼン、1,4‐ビス(2‐オキサゾリン‐
2‐イル)ベンゼン、1,2‐ビス(5‐メチル‐2‐オ
キサゾリン‐2‐イル)ベンゼン、1,3‐ビス(5‐メ
チル‐2‐オキサゾリン‐2‐イル)ベンゼン、1,4
‐ビス(5‐メチル‐2‐オキサゾリン‐2‐イル)ベン
ゼン、1,4‐ビス(4,4′‐ジメチル‐2‐オキサ
ゾリン‐2‐イル)ベンゼン等があげられる。このう
ち、特に扱いやすい融点を有する1,3‐ビス(2‐オ
キサゾリン‐2‐イル)ベンゼンの使用が好ましい。こ
れらは、単独あるいは併用して用いても構わない。
【0011】多価芳香族ポリアミンは、分子内に少なく
とも2つのアミノ基を有していれば良く、単環式又は多
環式の化合物であっても良い。この多価芳香族ポリアミ
ンの具体例としては、例えば4,4′‐ジアミノビフェ
ニル、3,3′‐ジメトキシ‐4,4′‐ジアミノビフ
ェニル、4,4′‐ジアミノトリフェニルメタン、3,
3′‐ジメチル‐4,4′‐ジアミノビフェニル、2,
2′,5,5′‐テトラクロロ‐4,4′‐ジアミノビ
フェニル、4,4′‐メチレンビスアニリン、4,4′
‐メチレンビス(2‐クロロアニリン)、2,2′‐ビス
〔4‐(4‐アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、
1,3‐ビス(4‐アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3
‐ビス(3‐アミノフェノキシ)ベンゼン、3,4′‐ジ
アミノジフェニルエーテル、4,4′‐ジアミノジフェ
ニルスルフィド、4,4′‐ビス(アミノフェニル)アミ
ン等があげられる。これら多価芳香族ポリアミンの中で
は、入手の容易性から4,4′‐メチレンビスアニリ
ン、2,2′‐ビス〔4‐(4‐アミノフェノキシ)フェ
ニル〕プロパン等が好ましい。また、可撓性の観点から
は、4,4′‐ジアミノビフェニル、3,4′‐ジアミ
ノジフェニルエーテル、4,4′‐ジアミノジフェニル
スルフィド等が好ましく、表面の平滑性の観点からは、
4,4′‐メチレンビス(2‐クロロアニリン)、3,
3′,5,5′‐テトラメチル‐4,4′‐ジアミノジ
フェニルメタン、3,3′,5,5′‐テトラエチル‐
4,4′‐ジアミノジフェニルメタン、3,3′‐ジメ
チル‐5,5′‐ジエチル‐4,4′‐ジアミノジフェ
ニルメタン等が良い。これら多価芳香族ポリアミンは、
単独あるいは2種以上の混合物として用いても良い。
【0012】ジカルボン酸の具体例としては、例えばマ
ロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
二酸、エイコサン二酸、マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸等があげられる。ジカルボン酸の中で
は、アジピン酸、アゼライン酸、テレフタル酸等が好ま
しい。これらのジカルボン酸は、炭素数が大きいほど伸
びが増し、可撓性を示す反面、強度が低下する。さら
に、多価芳香族ポリアミンと反応させる前に、予め過剰
のビス(2‐オキサゾリン)化合物と反応させ、プレポリ
マー化すると、架橋点間距離をより大きくすることがで
き、可撓性を調整することが可能になる。これらジカル
ボン酸も、単独あるいは2種以上の混合物として用いる
ことができる。また、このジカルボン酸の少なくとも一
部をリン酸末端としたオリゴマーでも良く、メチルホス
フィンの縮合体、フェニルホスホン酸の縮合体等があげ
られる。
【0013】ビス(2‐オキサゾリン)化合物(a)と、多
価芳香族ポリアミン(b)と、ジカルボン酸(c)との混合
モル比はビス(2‐オキサゾリン)のオキサゾリン基が開
環してアミンあるいはカルボン酸と反応するものである
から、(a)/((b)+(c))は架橋密度に影響するもので
あり、1より大きくなければならず、これより小さいと
十分な反応生成物はできない。(a)/((b)+(c))が
1.4以上大きくてもあまり物性上に大きな影響はない
が、Tg点(ガラス転移点)を上昇させることができる。
本発明においては、中間転写ベルト等のシームレスベル
トとして利用するために十分なモジュラスと伸びとが必
要であり、1.0<(a)/((b)+(c))<=2.0が望
ましく、1.0<(a)/((b)+(c))<=1.7がより
望ましい。
【0014】また、ビス(2‐オキサゾリン)化合物と反
応する側の多価芳香族ポリアミンと、ジカルボン酸との
混合モル比は、主にジカルボン酸あるいはジカルボン酸
とビス(2‐オキサゾリン)化合物とのプレポリマーの大
きさにより、可撓性が影響されるので、0.1<(b)/
(c)<3が必要となる。より望ましくは、0.4<(b)
/(c)<2.5が良い。多価芳香族ポリアミンがこれ以
上多いと、架橋密度が高くなり、可撓性が失われ、耐久
性に欠けることとなる。また、ジカルボン酸がこれ以上
多いと、強度が不足し、Tg点もOA機器内の実質的な
温度(約60℃)よりも低くなり、簡単に伸びやすく、さ
らには画像の歪み等の発生するおそれがある。
【0015】上記化合物のための反応触媒としては、カ
チオン触媒が用いられる。具体例としては、強酸、スル
ホン酸エステル、硫酸エステル、ルイス酸、脂肪族、又
は脂環族炭素、例えばアルキル炭素やアルキレン炭素に
結合したハロゲン原子を少なくとも1つ有するハロゲン
化物等があげられる。触媒は、単独で使用しても良い
し、併用しても良い。
【0016】この他、シリカ、アルミナ、酸化チタン、
水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、タルク、クレー等の充填材も、合成樹脂成形の分野
で用いられている任意のものを用いることができる。但
し、増粘をもたらすもの等は避ける必要がある。また、
通常の樹脂成形の分野で用いられている安定剤、酸化防
止剤、内部離型剤、顔料、分散剤、難燃剤等の任意の添
加剤を用いても良い。
【0017】係る樹脂等からなるシームレスベルト本体
2は、図3示す遠心成形装置10により遠心成形(回転
成形)される。この遠心成形装置10は、左右に並んだ
複数の駆動ロール(本実施形態では4本)11と、この複
数の駆動ロール11間に着脱自在に載架される回転可能
な円筒形の金型12とから構成されている(図3(a)、
(b)参照)。金型12は、各種の金属を用いて管状に形
成され、内面が鏡面加工されており、フッ素樹脂やシリ
コーン樹脂で処理されており、シームレスベルトを容易
に脱型できるようになっている。この金型12の内部両
端面には、例えば断面三角形状の堰13がそれぞれ周設
され、各堰13がレベリング時の樹脂溶液の外部への流
出を規制する。
【0018】リブベルト3は、機械的強度、耐磨耗性等
のある弾性体のウレタン樹脂、NBR、熱可塑性エラス
トマー等から選択されるが、一般的には硬度50°〜8
0°(JIS‐A)、幅3mm〜6mm、厚さ約1mmの
ウレタン樹脂が用いられる。熱可塑性のウレタン樹脂か
らなるリブベルト3は、押出加工、カレンダー加工、ダ
イコート加工で得られたシートを裁断することにより形
成される。また、熱硬化性のウレタン樹脂からなるリブ
ベルト3は、この他に金型成形、回転する胴状の金型の
外表面にコートした後、加熱硬化することによりシーム
レスに形成される。このようなリブベルト3は、シーム
レスベルト本体2の内部両端面に接着剤や粘着剤を介し
てそれぞれ貼着されたり、あるいは補強ベルト5の内周
面に空間を介して配置された後、樹脂溶液の充填によ
り、補強ベルト5と一体化される。
【0019】補強ベルト5は、強度、可撓性に優れる材
料、具体的には、樹脂1との接着性に優れるポリエステ
ル、ポリアミド、ポリアラミド、木綿、レーヨン等のフ
ィルム、織布、不織布等が選択される。補強ベルト5が
織布、不織布の場合には、含浸性から、オープニングが
40μm以上のスクリーンメッシュが好適である。補強
ベルト5の厚さは、シームレスベルト本体2の厚さより
も薄く、おおよそ20μm〜100μmとされる。スト
レスが最も作用するシームレスベルト本体2の箇所は図
示しないローラの嵌合溝の角であることから、補強ベル
ト5の幅はリブベルト3の幅よりも4mm〜12mmだ
け広く形成されるが、印刷エリアとの兼ね合いからは8
mm〜20mmに形成される。
【0020】シームレスベルト本体2と補強ベルト5と
の一体化は、遠心成形装置10の金型12の内部両端に
補強ベルト5をそれぞれリング状にセットし、金型12
を回転させた後、樹脂溶液が充填されることにより行わ
れる。補強ベルト5がシームレスでない場合には、補強
ベルト5をオーバーラップさせたり、2本の補強ベルト
5の継目をずらした位置で並行に並べることにより、補
強ベルト5を途切れることなく設けることが重要であ
る。なお、金型12内の両端部に堰13をそれぞれ突設
すれば、補強ベルト5のセットを容易化することができ
る。
【0021】次に、図3(a)、(b)、(c)、(d)に基づ
いてシームレスベルトの製造方法を説明すると、先ず、
遠心成形装置10を構成する金型12の内部両端に補強
ベルト5をそれぞれリング状に巻装してセットする(図
3(a)参照)。補強ベルト5をセットしたら、駆動ロー
ル11を回転させて金型12を約500〜3,000r
pmで回転させるとともに、適当な外部ヒータで金型1
2を120℃〜200℃に加熱し、金型12に進退動可
能な材料供給装置14から樹脂溶液を必要量充填する
(図3(b)参照)。この充填により、シームレスベルト本
体2が円筒形に遠心成形され、かつ各補強ベルト5がシ
ームレスベルト本体2の端部外周を形成する。なお、外
部ヒータの加熱タイミングについては、樹脂1の乾燥又
は硬化条件により適宜選択すれば良い。
【0022】所定の時間が経過したら、金型12を取り
外してシームレスベルト本体2を金型12ごと冷却し、
金型12とシームレスベルト本体2の熱膨張差を利用し
て金型12からシームレスベルト本体2を自然に脱型
し、必要ならばシームレスベルト本体2の両端部をそれ
ぞれ長手方向にカットして体裁を整える(図3(c)参
照)。そしてその後、シームレスベルト本体2の開口し
た両端部内周面に、リブベルト3を両面粘着テープ4等
を介しそれぞれリング状に貼着(図3(d)参照)すれば、
シームレスベルトを得ることができる。
【0023】上記構成によれば、大きなストレスが作用
するシームレスベルトの端部に補強ベルト5を一体化さ
せたので、リブベルト3の変形に伴うストレス発生の低
減が大いに期待でき、しかも、端部に亀裂が生じて破断
するのをきわめて有効に抑制防止することができる。ま
た、別部材の補強ベルト5を高精度に位置決めして貼着
するのではなく、シームレスベルトの成形時に一体成形
するので、生産性をなんら損なうことがなく、しかも、
作業の遅延化、煩雑化、複雑化を防止することも可能に
なる。さらに、このようなシームレスベルトを種々のO
A機器に使用すれば、印刷精度の安定性や機器の長寿命
化が大いに期待できる。
【0024】次に、図4及び図5は本発明の第2の実施
形態を示すもので、この場合には、リブベルト3の外周
面から補強ベルト5の内周面に直接接触する円柱形のス
ペーサ片6を所定の間隔をおいて複数突出させ、この複
数のスペーサ片6によりシームレスベルト本体2の端部
内周面とリブベルト3の外周面との間に空間Sを形成す
るようにしている。
【0025】リブベルト3の両端部は、それぞれ相欠き
形成され、この一対の相欠きが相じゃくり継ぎされて継
目を補強するよう機能する。複数のスペーサ片6は、ウ
レタンシートの表面に後から面転写して所定のパターン
が形成されることにより加工されたり、あるいは金型成
形により加工される。このようなリブベルト3は、補強
ベルト5の内周面に複数のスペーサ片6を介して配置さ
れた後、樹脂溶液の充填により、補強ベルト5と一体成
形される。その他の部分については、上記実施形態と同
様であるので説明を省略する。
【0026】本実施形態によれば、シームレスベルト本
体2の端部内周面とリブベルト3の外周面との間に狭い
空間Sを区画形成するので、ローラの嵌合溝に対する精
度に問題のある場合やローラ通過時のリブ変形の体積変
化をきわめて容易に吸収することができる。したがっ
て、シームレスベルトに無理な応力を作用させることが
なく、耐久性を大幅に向上させることが可能になる。ま
た、遠心成形時に樹脂溶液の液面よりもリブベルト3の
外周面が高位に位置するので、気泡が浸入して接着不良
を招くこともない。さらに、複数のスペーサ片6が所定
の間隔をおいて突出しているので、遠心成形時の樹脂溶
液の流動になんら支障を来すこともない。さらにまた、
両面粘着テープ4を省略して作業の遅延化、煩雑化、複
雑化防止を図ることもできる。
【0027】なお、上記実施形態では複数のスペーサ片
6を単に示したが、スペーサ片6の長さは、適宜長くし
たり、短くすることができる。また、図6に示すよう
に、リブベルト3の外周面から補強ベルト5の内周面に
接触する角柱形のスペーサ片6を所定の間隔をおいて複
数突出させても良い。さらに、図7に示すように、リブ
ベルト3を断面略L字形に成形して壁3aを形成し、こ
の壁3aにより樹脂溶液を止めることも可能である。
【0028】
【実施例】以下、本発明に係るシームレスベルトの実施
例を説明する。 実施例1 先ず、ポリアミドイミドワニスNX100〔東洋紡績株
式会社製 商品名〕(固形分15%、閉環率100%、
溶剤N‐メチルピロリドン、sp値11.0、キシレ
ン、sp値8.8)に、カーボンブラック#2400
〔三菱化学株式会社製 商品名〕を固形分に対して12
wt%分散混合させ、カーボンブラックスラリーを調製
した。
【0029】次いで、遠心成形装置10を構成する内径
150mmの鋼管からなる金型12の内周面両端に、幅
15mm、長さ480mmの補強ベルト5をそれぞれリ
ング状に巻いて配置した。補強ベルト5としては、厚さ
46μm、オープニング47μm、幅10mm、モノフ
ィラメント平織りのテトロン(登録商標)スクリーンを
使用した。補強ベルト5をセットしたら、駆動ロール1
1を回転させて金型12を約400回転/分で回転させ
るとともに、金型12に進退動可能な材料供給装置14
からカーボンブラックスラリーを適当量充填し、その
後、適当な外部ヒータで金型12を120℃で1時間加
熱した。
【0030】次いで、180℃、6時間の条件で金型1
2ごとアフターキュアを行い、金型12とシームレスベ
ルト本体2の熱膨張差を利用して金型12から厚さ0.
1mmのシームレスベルト本体(体積抵抗6.5×107
Ω・cm、三菱化学株式会社製 Hiresta‐UP
使用)2を脱型し、シームレスベルト本体2の両端部を
それぞれ長手方向にカットした。この際、補強ベルト5
が片側10mm残るようカットした。そしてその後、シ
ームレスベルト本体2の開口した両端部内周面に、ウレ
タン樹脂からなるリブベルト3を両面粘着テープ4を介
しそれぞれリング状に固定し、図2のシームレスベルト
を得た。リブベルト3は、硬度60°、厚さ0.7m
m、幅5mmのものを用いた。
【0031】実施例2 先ず、1,3‐ビス(2‐オキサゾリン‐2‐イル)ベン
ゼン238g(1.1モル)、4,4‐メチレンビスアニ
リン59g(0.3モル)、アジピン酸102g(0.7
モル)を秤量し、130℃で2時間攪拌した。これに、
カーボンブラック〔デグサ株式会社製 商品名スペシャ
ルブラック4〕15wt%を加え、100℃に保持した
ビーズミルに内容物を移し、1,500rpmで30分
分散させて半導電性の樹脂液を得た。
【0032】次いで、内径140mmの金型(製品部分
150mm)12の内周面両端に、幅10mm、長さ4
76mmの補強ベルト5をそれぞれリング状に巻いてセ
ットするとともに、この補強ベルト5の内周面にウレタ
ン樹脂からなるリブベルト3を複数のスペーサ片6を介
して巻装配置した。補強ベルト5としては、厚さ12μ
m、幅15mmのポリエステルフィルムを使用した。ま
たリブベルト3としては、硬度55°、厚さ0.7m
m、スペーサ片6の高さ0.2mm、幅5mmのものを
用いた。補強ベルト5とリブベルト3をセットしたら、
金型12を約1,500rpmで回転させ、樹脂液に触
媒として臭化オクチル0.8phrを添加混合して直ち
に130℃に加熱した金型12に材料供給装置14を介
して充填し、15分間硬化させた。
【0033】そして、金型12を常温まで冷却し、その
後、金型12とシームレスベルト本体2の熱膨張差を利
用して金型12から厚さ0.12mmのシームレスベル
ト本体(体積抵抗1.2×1013Ω・cm、三菱化学株
式会社製 Hiresta‐UP使用)2を脱型し、図
4のシームレスベルトを得た。
【0034】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、作業の遅
延化、煩雑化、複雑化を招くことなく、シームレスベル
トの端部からの破断を抑制防止することができるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシームレスベルトの実施形態を示
す斜視図である。
【図2】本発明に係るシームレスベルトの実施形態を示
す要部断面説明図である。
【図3】本発明に係るシームレスベルトの実施形態にお
けるシームレスベルトの製造方法を示す説明図で、(a)
図は金型の内部両端に補強ベルトをそれぞれリング状に
巻装した状態を示す断面説明図、(b)図は金型に材料供
給装置から樹脂溶液を必要量充填する状態を示す断面説
明図、(c)図はシームレスベルト本体の両端部をそれぞ
れ長手方向にカットした状態を示す説明図、(d)図はリ
ブベルトを両面粘着テープ等を介しそれぞれリング状に
貼着した状態を示す部分断面説明図である。
【図4】本発明に係るシームレスベルトの第2の実施形
態を示す要部断面説明図である。
【図5】本発明に係るシームレスベルトの第2の実施形
態におけるリブベルトを示す斜視説明図である。
【図6】本発明に係るシームレスベルトの第3の実施形
態におけるリブベルトを示す斜視説明図である。
【図7】本発明に係るシームレスベルトの第4の実施形
態におけるリブベルトを示す模式斜視説明図である。
【符号の説明】
1 半導電性の樹脂 2 シームレスベルト本体 3 リブベルト 5 補強ベルト 6 スペーサ片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日比 登代次 東京都中央区日本橋本町四丁目3番5号 信越ポリマー株式会社内 Fターム(参考) 2H032 BA09 BA18

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導電性の樹脂からなる可撓性のシーム
    レスベルト本体の端部内周面にリブベルトを有するシー
    ムレスベルトであって、 上記シームレスベルト本体の端部外周面に、補強ベルト
    を設けたことを特徴とするシームレスベルト。
  2. 【請求項2】 上記樹脂を熱硬化性樹脂とし、この熱硬
    化性樹脂を、ビス(2‐オキサゾリン)化合物、多価芳香
    族ポリアミン、及びジカルボン酸の反応生成物とした請
    求項1記載のシームレスベルト。
  3. 【請求項3】 上記リブベルトから上記補強ベルトの内
    周面に接触する複数のスペーサ片を突出させ、上記シー
    ムレスベルト本体の端部内周面と該リブベルトの外周面
    との間に空間を形成した請求項1又は2記載のシームレ
    スベルト。
JP2000107056A 2000-04-07 2000-04-07 シームレスベルト Pending JP2001290374A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000107056A JP2001290374A (ja) 2000-04-07 2000-04-07 シームレスベルト

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000107056A JP2001290374A (ja) 2000-04-07 2000-04-07 シームレスベルト

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001290374A true JP2001290374A (ja) 2001-10-19

Family

ID=18620109

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000107056A Pending JP2001290374A (ja) 2000-04-07 2000-04-07 シームレスベルト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001290374A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007226183A (ja) * 2005-10-26 2007-09-06 Fuji Xerox Co Ltd シームレス管状物及びその製造方法、並びに、画像形成装置
JP2008203787A (ja) * 2007-02-22 2008-09-04 Fuji Xerox Co Ltd エンドレスベルト及び画像形成装置
JP2009300490A (ja) * 2008-06-10 2009-12-24 Konica Minolta Business Technologies Inc 中間転写ベルト及び画像形成装置
JP2010123581A (ja) * 2001-04-06 2010-06-03 Changs Ascending Enterprise Co Ltd リチウムイオンポリマー電池
JP2013025274A (ja) * 2011-07-26 2013-02-04 Ricoh Co Ltd 転写ベルト及びこれを用いた画像形成装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010123581A (ja) * 2001-04-06 2010-06-03 Changs Ascending Enterprise Co Ltd リチウムイオンポリマー電池
JP2007226183A (ja) * 2005-10-26 2007-09-06 Fuji Xerox Co Ltd シームレス管状物及びその製造方法、並びに、画像形成装置
JP2008203787A (ja) * 2007-02-22 2008-09-04 Fuji Xerox Co Ltd エンドレスベルト及び画像形成装置
JP2009300490A (ja) * 2008-06-10 2009-12-24 Konica Minolta Business Technologies Inc 中間転写ベルト及び画像形成装置
JP2013025274A (ja) * 2011-07-26 2013-02-04 Ricoh Co Ltd 転写ベルト及びこれを用いた画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8263199B2 (en) Polyimide tube, method for production thereof, method for production of polyimide varnish, and fixing belt
US7682542B2 (en) Method of making fuser member
JP2989953B2 (ja) 定着装置及び定着用エンドレスベルト
JPH11119560A (ja) ポリイミド中間転写部材
WO2008026296A1 (fr) Rouleau presseur et procédé de fabrication
KR20200052718A (ko) 고열전도 정착 벨트
JP2001290374A (ja) シームレスベルト
JP2000035723A (ja) 電子機器用搬送定着ベルト及びその製造方法
JPH1115303A (ja) 定着部用フィルム及びトナー画像定着装置
JP5536724B2 (ja) 継ぎ目のない管状ベルト、その製造に使用されるシリンダ及びこれを用いた管状ベルトの製造方法
JP2002120953A (ja) プリンタ
JP2910304B2 (ja) 端面処理シームレスベルト
JP2002251078A (ja) シームレスベルト
JP5447948B2 (ja) 定着部材、並びにこれを備えた定着装置および画像形成装置
JP2004279458A (ja) 定着ベルト
JP4895445B2 (ja) 中間転写用ベルト
JP2001206579A (ja) プリンタ
JP4454115B2 (ja) シームレスベルト
JP5067920B2 (ja) ガイド部材付き無端ベルト、その製造方法及び画像形成装置
JP2001072766A (ja) シームレスベルト
JP2018072527A (ja) 画像形成装置用ベルト
JP2005010220A (ja) 電子写真装置用無端ベルト
JP6674884B2 (ja) 搬送用ローラ及びそれを備える画像形成装置
JP2000352870A (ja) 現像剤量規制ブレード
JP4130260B2 (ja) エンドレスベルトおよび像定着装置