JP5536724B2 - 継ぎ目のない管状ベルト、その製造に使用されるシリンダ及びこれを用いた管状ベルトの製造方法 - Google Patents

継ぎ目のない管状ベルト、その製造に使用されるシリンダ及びこれを用いた管状ベルトの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は電子機器などに使用される継ぎ目のない管状ベルト、その製造に使用されるシリンダ、及びこれを用いた管状ベルトの製造方法に関するものである。
一般に、管状ベルトは、コピー機、レーザビームプリンタ、ファクシミリなどの電子機器に使用され、複写紙や転写紙上に形成されたトナー像を定着ないし転写させる用途に、定着ベルト、中間転写ベルト、または移送ベルトとして使用される。
このような定着ベルト、中間転写ベルト、または移送ベルトとして使用するためには、耐汚染性、耐熱性、放熱性、弾性率、除電性、耐久性、撥水性、撥油性、及び帯電防止性に優れなければならない。
特に、管状ベルトのトナーを転写させる機能のために適切な体抵抗値を備えることが要求されるが、所要の体抵抗値より高いとか低い場合、これらの帯電防止特性、転写性、画像特性、離型性及び耐汚染性のような物性が落ち、これによる画像不良の致命的な欠陷が発生することがある。
このような管状ベルトは、電子機器に装着されるとき、電子機器内で管状ベルトを回転させるために、管状ベルトの内部にローラが接することになるが、一緒にかみ合って回転する間に回転力によってスリップ現象が発生して、互いに接触したままで回転するローラと管状ベルトの両端が合致しないで、最初の位置を外れて回転する問題が発生することがある。このようなスリップ現象が発生すれば、複数色相のトナーを繰り返し転写する過程で所定の位置にトナーを転写させることができなくて正常の画像を提供することができないことがあり得、紙などの媒体が巻かれる現像も発生することがある。
したがって、このようなスリップ現象を防止するため、一般的にガイドレールのようなガイド部材を管状ベルトに付着する方法を用いている。
しかし、既存の管状ベルトの製造方法、例えば円筒状のシリンダの外周面に高分子樹脂を塗布した後、乾燥などの熱処理を行い、シリンダから高分子樹脂を取り出すことで管状ベルトを得るロールコティング法、円筒状のシリンダの内周面に高分子樹脂を塗布した後、乾燥などの熱処理を行い、シリンダから高分子樹脂を取り出すことで管状ベルトを得る遠心成形法、または円形ダイを通じて溶融高分子樹脂を押し出して管状ベルトを得る押出し法などにおいては、管状ベルトの製造の後にガイド部材を付着する別の工程が要求された。
また、ガイドレールが高精度に位置する場合に限り、印刷装置において回転体によって駆動される管状ベルトが蛇行する問題点を防止することができるから、ガイドレール付着装置の高精度が要求され、ガイドレールが離脱する問題を防止するために管状ベルトとガイドレールを付着させる接着剤に高接着力が要求されるが、ガイドレールの素材であるポルリウレタンと管状ベルトの素材の特性が異なるから2種の素材に対する接着力を同時に満足させる接着剤を求めることが容易でなく、2種以上の接着剤または接着テープを用いる場合もある。
したがって、ガイド部材が形成された管状ベルトの製造工程を簡素化し、高価の接着剤の使用を最小化することが要求されている。
また、ガイド部材に継ぎ目がある場合、継ぎ目部分の機械的強度が他の部位の機械的強度と異なって継ぎ目部分で破断が発生することができるため、ガイド部材に継ぎ目がないことが必要である。継ぎ目のないガイド部材を付着するためには、管状ベルトとガイド部材の寸法精度が高いことが要求されるなど、容易に達成できない問題があった。
したがって、本発明は前記のような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、ガイド部材が一体に形成された継ぎ目のない管状ベルトを提供することである。
本発明の他の目的は、管状ベルトだけでなくガイド部材にも継ぎ目がない管状ベルトを提供することである。
本発明のさらに他の目的は、ガイド部材を一体的に含み、継ぎ目ない管状ベルトを製造することができるシリンダを提供することである。
本発明のさらに他の目的は、継ぎ目のないガイド部材が一体に形成された継ぎ目のない管状ベルトの製造方法を提供することである。
前記のような目的を達成するために、本発明の好適な第1実施態様によれば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂及びポリスチレン樹脂の中で選ばれた少なくとも1種以上でなり、体抵抗値が10〜1013Ωcmであり、継ぎ目がない管状ベルトにおいて、内周面の所定位置に回転方向に沿って一体に形成されたガイド部材を含む、管状ベルトを提供する。
前記実施態様において、前記ガイド部材は継ぎ目がないものであってもよい。
前記実施態様において、前記ガイド部材は管状ベルトと同一材料で形成されたものであってもよい。
前記実施態様において、前記ガイド部材は管状ベルトと異なる材料で形成されたものであってもよい。
前記実施態様において、前記ガイド部材は、ポリウレタン樹脂、ポリアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ポリシロキサン樹脂、フェノキシ樹脂、天然ゴム(NR)、ポリスチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレンゴム(EPDM)及びクロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)の中で選ばれた少なくとも1種以上で形成されたものであってもよい。
前記実施態様において、前記ガイド部材は180゜剥離強度が6N/cm以上であってもよい。
前記実施態様において、前記管状ベルト及び前記ガイド部材の中で少なくとも一つ以上は熱重量分析機で測定した5%熱分解開始温度が200℃以上であってもよい。
前記実施態様において、前記管状ベルト及び前記ガイド部材の中で少なくとも一つ以上は温度85±2℃及び湿度85RH%の条件で20hr放置後、長手方向の寸法変化率が−1.0〜+1.0%以内であってもよい。
前記実施態様において、前記管状ベルトは、JIS C6471,8.2にしたがって測定した耐屈曲性が500回以上であってもよい。
前記実施態様において、前記ガイド部材は、幅が2〜20mm、厚さが0.1〜5mmであってもよい。
本発明の好適な第2実施態様によれば、横断面を基準として、上下面が平行な外周面を持つ円筒状の構造物であって、互いに異なる外径部を含む、管状ベルト用シリンダを提供する。
前記実施態様において、横断面を基準として、上下の外周面上に対称的に少なくとも一つの溝部が備えられ、前記溝部は外周面上にリング状に形成されることができる。
前記実施態様において、同一中心軸を基準とする第1外径及び前記第1外径より小さな第2外径を含み、前記第2外径を持つ円筒状の構造物は前記第1外径を持つ円筒状の構造物から突設されることができる。
前記実施態様において、前記円筒状構造物は複数の外径を持つ単一構造物であってもよい。
前記実施態様において、着脱可能な複数の円筒状構造物を含むことができる。
前記実施態様において、前記複数の円筒状構造物は、前記構造物の外径と異なる外径を持つ決着部を含むことができる。
前記実施態様において、前記シリンダの素材は、アルミニウム、ステンレススチール、鉄、銅、クロム、ニッケル及びセラミック混合素材の中で選ばれた少なくとも1種以上であってもよい。
前記実施態様において、前記管状ベルト用シリンダは、外周面に離型層をさらに含むことができる。
前記実施態様において、前記離型層は耐熱性を持つ高分子樹脂材質であってもよい。
本発明の好適な第3実施態様によれば、前記シリンダの小径部にガイド部材を形成する樹脂を塗布する段階、管状ベルトを形成するための樹脂を前記シリンダの外周面に塗布する段階、及び、塗布された樹脂を硬化させる段階、を含む、管状ベルトの製造方法を提供する。
本発明の好適な第4実施態様によれば、前記シリンダの小径部にガイド部材を配置する段階、管状ベルトを形成するための樹脂を前記シリンダの外周面に塗布する段階、及び塗布された樹脂を硬化させる段階、を含む、管状ベルトの製造方法を提供する。
本発明は、ガイド部材を備えてスリップ現象を防止するとともに、ベルトの物性に否定的影響を与えない管状ベルトを提供することができる。
また、本発明は、ガイド部材を一体的に含み継ぎ目ない管状ベルトを製造することができるシリンダを提供することができる。
また、本発明は、スリップ現象を防止するガイド部材を容易に形成することができる管状ベルトの製造方法を提供することができる。
また、本発明は、管状ベルトだけでなくガイド部材にも継ぎ目がない管状ベルト及びその製造方法を提供することができる。
本発明の好適な一実施態様による管状ベルトがローラに装着された状態を示す縦断面である。 図1のI線に沿って切開して見たとき、本発明の好適な一実施態様による管状ベルトがローラに装着された状態を示す正断面図である。 図1のI線に沿って切開して見たとき、本発明の好適な他の実施態様による管状ベルトがローラに装着された状態を示す正断面図である。 図1のI線に沿って切開して見たとき、本発明の好適な一実施態様による管状ベルトがローラに装着された状態を示す正断面図である。 図1のI線に沿って切開して見たとき、本発明の好適な他の実施態様による管状ベルトがローラに装着された状態を示す正断面図である。 本発明の好適な一実施態様によるシリンダの横断面図で、(a)はガイド部材及び管状ベルト用樹脂を1種の樹脂で塗布した状態、(b)はガイド部材及び管状ベルト用樹脂を異種の樹脂で塗布した状態を示す図である。 本発明の好適な他の実施態様によるシリンダの横断面図で、(a)はガイド部材及び管状ベルト用樹脂を1種の樹脂で塗布した状態、(b)はガイド部材及び管状ベルト用樹脂を異種の樹脂で塗布した状態を示す図である。 本発明の好適な他の実施態様によるシリンダの横断面図で、(a)はガイド部材及び管状ベルト用樹脂を1種の樹脂で塗布した状態、(b)はガイド部材及び管状ベルト用樹脂を異種の樹脂で塗布した状態を示す図である。 本発明の好適な他の実施態様によるシリンダの横断面図で、(a)は雌シリンダと雄シリンダが結合される前の状態、(b)は雌シリンダと雄シリンダが結合された状態を示す図である。 剥離強度の測定方法の模式図である。
以下、添付図面に基づいて本発明をより詳細に説明する。
図1は本発明の好適な一実施態様による管状ベルトがローラに装着された状態を示す縦断側面図、図2は本発明の好適な一実施態様による管状ベルトがローラに装着された状態をI線に沿って切開して示す正断面図、図3〜5は本発明の好適な他の実施態様による管状ベルトがローラに装着された状態をI線に沿って切開して示す正断面図である。
また、図6は本発明の好適な一実施態様によるシリンダに管状ベルト製造用樹脂を塗布した状態を示す横断面図、図7〜図8は本発明の好適な他の実施態様によるシリンダに管状ベルト製造用樹脂を塗布した状態を示す横断面図であって、(a)はガイド部材及び管状ベルト用樹脂を1種の樹脂で塗布した状態、(b)はガイド部材及び管状ベルト用樹脂を異種の樹脂で塗布した状態を示す図であり、図9は本発明の好適な他の実施態様によるシリンダの横断面図であって、(a)は雌シリンダと雄シリンダが結合される前の状態、(b)は雌シリンダと雄シリンダが結合された状態を示す図である。
前記図面においては、便宜上同一構成部分に対しては同一符号を付けたが、これらは組成及び形態までも同一であることを意味するのではない。
本発明の管状ベルト10は、内周面11の所定位置に、管状ベルト10が回転する方向にガイド部材15が形成されている。
ガイド部材15を持つ本発明の管状ベルト10はローラ20とかみ合って回転するものである。前記ローラ20は、管状ベルト10のガイド部材15が形成された部位と当接する位置に、ガイド部材15が挿入してかみ合って回転可能な大きさを持つ溝25を備えることができる。したがって、管状ベルト10とローラ20がかみ合って回転している間に管状ベルト10のガイド部材15がローラ20またはローラ20の溝25と持続的に摩擦するので、ガイド部材15の耐久性を考慮して、ガイドレールと管状ベルトとの180゜剥離強度が6N/cm以上のものを使用することができる。
また、前記本発明によって提供される管状ベルト10は、ガイド部材15と管状ベルト10が一体に形成されたものであってもよい。本明細書において、‘一体型’または‘一体に形成された’とは、ガイド部材15と管状ベルト10を接着するための別の接着層が含まれないで、ガイド部材15と管状ベルト部材が直接接着していることを意味し、同様にガイド部材15の耐久性を考慮してガイド部材15と管状ベルト10との180゜剥離強度が6N/cm以上であるものであってもよい。
また、前記ガイド部材15は継ぎ目が備えられていないものであり得る。既存の継ぎ目のあるガイド部材15は、継ぎ目部分で管状ベルト10が破断することができるだけでなく、ガイド部材15が管状ベルト10から離脱する不良が発生することがある。
一方、前記ガイド部材15は、レーザプリンタに使用される別の定着ユニットから発生する200℃以上の高熱に耐えられるように熱重量分析機(TGA)で測定した5%熱分解温度が200℃以上のものであってもよい。5%熱分解温度が200℃未満であれば、本発明による製品が使用される印刷装置の部品に隣接する250℃程度の高熱を使用する定着部から伝達される熱によって耐久性が低下することがある。
また、前記管状ベルト10とガイド部材15は多様な環境でエラーなしに作動するように寸法安全性が要求される。すなわち、温度85±2℃及び湿度85RH%の条件で20時間放置の前/後の厚さ方向及び長手方向及び幅方向の寸法変化率がそれぞれ−1.0〜+1.0%以内のものであってもよい。寸法変化率が−1.0〜+1.0%未満または超える場合、外部環境の変化に敏感であるため、画像印刷装置の誤作動または管状ベルト10の蛇行、破断、画像ずれの現象などの不良を引き起こすことがある。
さらに、ガイド部材15と管状ベルト10は、ローラ20との持続的な摩擦のような物理力に対する耐久性が要求される。好ましくは、管状ベルト10の耐久性がガイド部材15の耐久性より優れたものであってもよい。ガイド部材15より管状ベルト10の耐久性が低くて使用中に先に損傷する場合、画像印刷装置内でかみ合って作動する感光性(OPC)ドラムの表面を損傷させるため、復旧費用を増加させる危険がある。
また、本発明のガイド部材15を含む管状ベルト10の寿命を考慮して、JIS C6471,8.2によって測定した耐屈曲性が500回以上のものであってもよく、より好ましくはJIS C6471,8.2に従って測定した耐屈曲性が1,500回以上のものであってもよい。具体的には、前記管状ベルト10からガイド部材15部位を除いた試片を得た後、JIS C6471,8.2に従って測定した耐屈曲性が1,000回以上であってもよく、ガイド部材15はJIS C6471,8.2に従って測定した耐屈曲性が500回以上であってもよい。
以上の本発明の管状ベルト10及びガイド部材15は同種の樹脂で製造することもでき、異種の樹脂で製造することもできる。
前記管状ベルト10は熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂から製造することができ、好ましくは、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレン樹脂の中で選ばれた少なくとも1種以上を含むものであることができるが、耐熱性及び耐久性の面でポリイミド樹脂が適合する。ポリイミド樹脂は、熱安定性に優れ、機械的、電気的特性に優れた利点を持つ一方、高ガラス転移温度のため、加工に多くの制約が伴われ、比較的帯電されやすい特性がある。また、体抵抗値が管状ベルト10として要求される抵抗値より高い値を持っている。したがって、伝導性フィラを混合することが好ましく、溶媒に伝導性フィラを混合した後、分散安全性のために、分散剤をもっと投入することもできる。
前記ガイド部材15は前記管状ベルト10と同種で形成されることもでき、異種の材料で形成されることもできる。図4及び図5に示すように、異種の材料で形成される場合、ガイド部材15を形成する材料としては、必ずこれら限定されるものではなくて柔軟性の材質であれば適用可能であり、好ましくは、ポリウレタン樹脂、ポリアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ポリシロキサン樹脂、フェノキシ樹脂、天然ゴム(NR)、ポリスチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレンゴム(EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)の中で選ばれた少なくとも1種以上を使用することができる。この場合、ガイド部材15と管状ベルト10は製造過程で硬化工程を経ながら堅く決着するため、別の接着層が形成されなくても良いので、接着層を形成する接着剤による問題点を根本的に排除することができ、複雑な工程なしにも正確な位置にガイド部材を形成することができ、必要によって継ぎ目のないガイド部材を接着剤による問題点を排除しながら正確な位置に形成することができる。
以上の管状ベルト10を製造するためには、前記ガイド部材15を形成する材料と管状ベルト10を製造する材料をシリンダ30、31、32の外周面に塗布して硬化させた後、シリンダ30、31、32を脱着することで製造することができる。
本発明の管状ベルト10を製造するときに使用可能なシリンダは、横断面を基準とするとき、上下面が平行な外周面を持つ円筒状の構造物であって、互いに異なる大きさの外径を有するものであってもよい。また、横断面を基準とするとき、上下の外周面上に対称的に少なくとも一つの溝部が備えられ、溝部は外周面上にリング状に形成されるものであることもできる。また、同一中心軸を基準とする第1外径及び第1外径より小さな第2外径を含み、第2外径を持つ円筒状の構造物は第1外径を持つ円筒状の構造物から突設されたものであることもできる。
より具体的に説明すれば、図6、図7及び図9に示すように、着脱可能な二つ以上の円筒状シリンダ30、31で構成されるものであってもよく、あるいは、図8に示すように、一つの円筒状シリンダ32でなるものであってもよい。以下、本発明において、“小径部”とは、特に明示しない限り、ガイド部材15が形成される位置を示す。
本発明の一実施例によれば、着脱可能な二つ以上のシリンダ30、31の場合、それぞれの雌雄シリンダ30、31は着脱可能に組み立てられたものを使用することができる。これを図9に基づいてより具体的に説明すれば、雌シリンダ30と雄シリンダ31はそれぞれ雌決着部34と雄決着部33を含み、これらが嵌合されることにより固定することができる。雄雌決着部33、34が嵌合されて固定される部分は互いに相応する傾斜角を有するものであってもよい。この際、雄決着部33の外径は雄シリンダ31の外径より小さなものであり、雄シリンダ31と雌シリンダ30の外径は同一のものであってもよい。雄決着部33の長さ(m)は、雌決着部34に挿入された後、雌雄シリンダ30、31が遊動なしに堅く固定されるように、雌雄シリンダ30、31の結合の後、結合状態のシリンダの全長の5〜40%になるようにすることができる。また、雌決着部34に挿入された後、雌雄シリンダ30、31が遊動なしに堅く固定されるように、雌決着部34の長さ(n)は雄決着部33の長さ(m)の5〜40%になるようにしてもよい。管状ベルト10の形成のためのシリンダの全長、つまり雌雄シリンダ30、31結合後の結合状態の全長は特に制限されるものではないが、200〜2500mmであってもよい。前記雄決着部33の長さ(m)は雌決着部34の長さ(n)より長いようにするとともに、互いに結合固定された後、小径部である溝部35が形成されるようにすることができ、形成しようとするガイド部材15の高さ及び幅を考慮して溝部35の大きさを設定し、これに基づいて雄雌決着部33、34の長さ(m、n)及び外径を設定することができる。ガイド部材15の高さと幅が特に限定されるものではないが、管状ベルト10の面積が限定される点、及び駆動ローラの厚さが限定される点を考慮して、幅2〜20mm、高さ0.1〜5mmのものであってもよく、このことから前記溝部35は幅2〜20mm、高さ0.1〜5mmのものであってもよい。
本発明の他の実施例によれば、管状ベルト10用シリンダが一つで構成されることができる(図8)。この場合、シリンダ32そのものに外径の異なる部分を含むものであってもよい。すなわち、同じ中心軸を基準とする第1外径及び第1外径より小さな第2外径を含み、形成しようとするガイド部材15の位置及び幅を外径の小さな第2外径を持つ部分で形成することができる。この際、第2外径を持つ部分の幅(p)と、第1外径と第2外径の差(q)は、ガイド部材15の高さと幅を考慮して設定することができる。これはシリンダが二つ以上で構成される場合に説明した溝部35の幅及び高さについて説明したようである。
ガイド部材15を形成しようとする位置は特に限定されるものではなく、最終に製造された管状ベルト10が回転することにより発生するスリップ現象を防止することができれば、いずれの位置にも形成することができ。すなわち、ガイド部材15が管状ベルト10の側端から一定間隔で離隔して形成されることもでき、側端に接して形成されることもでき、中心部に形成されることもできるものである。また、ガイド部材15が複数形成されてもよい。好ましくは、管状ベルト10の側端から10mm以下の地点でガイド部材15が始まるようにし、一側または両側に存在することができる。
したがって、シリンダ30、31、32に小径部を形成する位置は特に限定されるものではなく、シリンダ30、31、32の側端に接して形成されることができ、あるいは側端から一定間隔で離隔して形成されることもでき、シリンダ30、31、32の中心部に形成されることもできる。また、複数形成されることもできる。好ましくは、シリンダ30、31、32の側端から10mm以下の地点に、ガイド部材15を形成するための小径部を形成することができる。
前記シリンダ30、31、32は、その材質がアルミニウム、ステンレススチール、鉄、銅、クロム、ニッケル及びセラミック混合素材などが単独あるいは複合で使用されることができる。また、離型性を向上させるため、離型層を外周面に備えることができる。離型層は耐熱性を有する素材であれば特に限定されるものではなく、制限なしにシリコン、耐熱性複合テフロン(登録商標)などを挙げることができる。
管状ベルト10とガイド部材15を異種の樹脂で製造する場合、前記シリンダ30、31、32の小径部に、ガイド部材15を形成するための樹脂を塗布する段階、管状ベルト10を形成するための樹脂を前記シリンダ30、31、32の外周面に塗布する段階、及び塗布された樹脂を硬化させる段階を含んで製造することができる。すなわち、ガイド部材15の形成のための樹脂を小径部に満たし、乾燥または半径化させた後、管状ベルト10の形成のための樹脂をシリンダ30、31、32の外周面に塗布して硬化させることができる。したがって、管状ベルト10及びガイド部材15の製造に異種の樹脂を使っても、硬化過程を経て互いに堅く決着されるので、別の接着剤を使わなくても十分な付着強度を発揮することができる。
一方、前記のシリンダ30、31、32の小径部にガイド部材15を配置する段階、管状ベルト10を形成するための樹脂を前記シリンダ30、31、32の外周面に塗布する段階、及び塗布された樹脂を硬化させる段階を含んで製造することもできる。特に、このように、別のガイド部材15、例えばOリングを配置して管状ベルト10を製造することは、二つのシリンダ30、31を使用する場合に適用すればより有用であってもよい。すなわち、継ぎ目のないOリングを雌雄シリンダ30、31のいずれにも接するように決着させた後、シリンダの外周面に樹脂を塗布して管状ベルト10を製造することができる。これは、ガイド部材15の形成のために樹脂を小径部に満たしてから乾燥または半径化させる時間を節減して生産性を向上させることができ、継ぎ目のないガイド部材が一体型に形成された管状ベルトを効率よく生産することができる。
本発明のシリンダを利用して管状ベルト10の製造に際して、二つ以上のシリンダ30、31を使用する場合、それぞれのシリンダ30、31の中心軸を一致させながら雄雌決着部33、34を決着させた後、シリンダ30、31の外周面に沿って管状ベルト10用樹脂を所望の厚さで塗布して硬化させた後、雄シリンダ31を引き出してから雌シリンダ30を引き出す方式で、あるいはこれの逆順に複数のシリンダ30、31を除去することができる。
樹脂の硬化が完了した後、シリンダ30、31を除去し、形成しようとするガイド部材15の幅及び位置になるように切断して使用することができる。例えば、図6のA線に沿って切断するかB線に沿って切断することにより、所望の位置にガイド部材15を形成した管状ベルト10を提供することができる。また、管状ベルト10を所望の大きさに切断することにより、ガイド部材15が一体に形成された管状ベルト10を提供することができる。製造された管状ベルト10の厚さは40〜200μmであってもよい。
管状ベルト10を製造する方法をポリイミド樹脂を用いる場合に基づいて説明すれば次のようである。伝導性フィラ及び添加剤をさらに投入する場合、添加剤を溶媒に分散させ、これにジアミンとジアンヒドリドを投入し、伝導性フィラが含有されたポリアミド酸溶液を0〜30℃で30分〜12時間反応させることで製造する。あるいは、前記伝導性フィラ及び添加剤をポリアミド酸溶液が製造された後に添加してもかまわない。
前記ジアミン及びジアンヒドリドは、ポリイミド樹脂の製造時に使用されるものであれば特に制限されない。例えば、ジアミンとしては、オキシジアニリン(4,4’−Oxydianiline,ODA)、p−フェニレンジアミン(para−Phenylene Diamine,pPDA)、m−フェニレンジアミン(meta−Phenylene Diamine,mPDA)、p−メチレンジアミン(para−Methylene Diamine,pMDA)、m−メチレンジアミン(meta−Methylene Diamine,mMDA)、オキシフェニレンジアミン(4,4’−Oxyphenylen Diamine,OPDA)などを使用することができ、前記ジアンヒドリドとしては、ピロメリト酸ジアンヒドリド(1,2,4,5−benzenetetracarboxylic dianhydride,PMDA)、ベンゾフェノンジアンヒドリド(3,3’,4,4’−Benzophenonetetracarboxylic dianhydride,BTDA)、ビフェニルジアンヒドリド(3,3’,4,4’−Biphenyltetracarboxylic Dianhydride,BPDA)、オキシジフタル酸ジアンヒドリド(4,4−Oxydiphthalic anhydride,ODPA)などを使用することができるが、これに制限されるものではない。通常、ジアミンとジアンヒドリドは1:0.99〜0.99:1のモル比の同モル量で使用することができる。
前記製造されたポリアミド酸溶液を、前述したように、溝部35が形成されたシリンダ30、31の場合には溝部35と外周面に、溝部35が形成されなく各外径が異なる、あるいは自体に外径の異なる部分を含むシリンダ30、31、32の場合には、全体外周面に塗布することができる。あるいは、ガイド部材15が形成される部分にOリングを使用することができ、異種の樹脂を使用することができる。
このように、ポリアミド酸溶液を塗布した後、熱処理によってイミド化する。前記熱処理は60〜400℃で段階的に行われる。まず、プリベーキング(pre−baking)を60〜80℃で5〜100分間実施することにより、表面に残存する溶媒及び水分を一次に除去する。その後、分当1〜10℃の昇温速度を維持しながら最高温度を250〜400℃まで昇温させた後、10分〜3時間維持し、最終に後硬化(post−curing)させることにより、表面に存在する溶媒及び水分をすっかり除去してイミド化を進めて完了させることで、固相化したフィルム状の管状ベルト10を製造することができる。
製造された管状ベルト10は、優れた帯電防止性、除電性及び印刷性を提供するために、中間の体抵抗値である10〜1013Ωcmの範囲、具体的には10〜1011Ωcmの体抵抗値を持つことが好ましい。これのために、管状ベルト10の電気抵抗値を調節するための伝導性フィラとしては、ケチェンブラック(ketjen black)、アセチレンブラック(acetylene black)、ファーニスブラック(furnace black)、カーボンナノチューブ(Carbon nanotube)の中で選ばれた1種またはそれ以上を全体溶質に対して0.1〜20重量%使用することができる。これに金属フィラをさらに含むことができ、全体溶質に対して0.1〜5重量%使用することができる。
特に、ケチェンブラックと多重壁構造のカーボンナノチューブ(Multi−wall Carbon nanotube)は帯電防止特性及び半導電性を呈することができるカーボンブラックの一種で、他の素材に比べて伝導性に優れ、少量の投入によっても優れた電気的特性を発現し、不純物含量が非常に少ないので、本発明に使用するのに適する。一方、金属フィラは、アルミニウム、ニッケル、銀または雲母にアンチモンがドープされた(担持された)Dentall TM−200のような物質を使用することができるが、これらに限定されるものではない。
前記伝導性フィラを分散させる溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリジノン(NMP)などの非陽子性超極性溶媒の1種以上を選択して使用することができる。
これにより、本発明は管状ベルト10とガイド部材15を一体型に、つまりガイド部材15を管状ベルト10に接着するための別の接着剤を使わないで、ガイド部材15と管状ベルト10部材を直接接着して製造することができるシリンダを提供することにより、管状ベルト10の製造の際に接着剤を使用することによる問題を根本的に排除することができ、管状ベルト10を容易に製造することができるので、製造工程を簡素化することができる。
また、本発明のシリンダによって製造された管状ベルト10及びこれに形成されたガイド部材15は継ぎ目がないものである。これにより、継ぎ目の部分で管状ベルト10が破断するかまたはガイド部材15が管状ベルト10から離脱するなどの不良を減少させることができる。
これにより、帯電防止性、除電性及び印刷性などが向上した半導電性形態のレーザプリンタ、ファクシミリ、コピー機などの電子機器に使用可能な管状ベルト10を提供することができる。
以下、本発明の実施例をより詳細に説明するが、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
機械的攪拌機、還流冷却機及び窒素流入口の装着された2L容量の4口付きフラスコにDMF922.20gとケチェンブラック6.5g(KETJENBLACK EC 600 JD、 Ketjenblack社製、日本)を混合し、窒素を流入し、200W 40kHzの超音波で1時間分散させた後、前記フラスコにオキシジアニリン(Wakayama社製、日本)52.49gを溶解し、ベンゾフェノンジアンヒドリド85.31gを3回分割し投入して半導電性ポリアミド酸を製造した。
製造された半導電性ポリアミド酸は均質状態の黒色溶液で、粘度が500poiseであった。
SUS 304材質でなった外径120mmの円筒状の雌シリンダと同一外径の雄シリンダを図6に示すように決着した。決着の後、両シリンダの間には幅4.1mm、深さ1.5mmの溝が形成された。前記シリンダの溝に前記製造された半導電性ポリアミド酸溶液をディスペンサで塗布し120℃の熱風で乾燥することを繰り返すことで、溝に満たされた乾燥状態の半導電性ポリアミド酸の厚さが1.5mmになり、左右のシリンダの外径の高さと同一にし、ついでシリンダの外周面がまったく覆われるようにディスペンサを通じて均一に塗布した。
その後、80℃でプリベーキングしてベルト表面に残存する溶媒及び水分を一次に除去した後、分当5℃の昇温速度を維持しながら350℃まで昇温し、350℃で1時間維持し、最終に後硬化(post−curing)して表面及び内部に残存する溶媒及び水分をすっかり除去し、ついでシリンダを順次除去した。ガイド部材の外側を基準として管状ベルトが幅238mmを有するように切断して管状ベルトを製造した。製造された管状ベルトは厚さが65μmであり、ガイド部材の幅は4.0mm、厚さは1.3mmであった。
<実施例2>
前記実施例1において、図7に示すように、外径120mmの雌シリンダ、及び外径118.5mmの雄シリンダを使用したことを除き、同一方法で管状ベルトを製造した。
<実施例3>
前記実施例1において、断面が四角形、幅4mm、厚さ1.5mmのNBR((株)Wimtech社製、大韓民国)材質の継ぎ目のないOリングを外径120mmの雌シリンダ及び雄シリンダに共に接するように挿着し、最終の後硬化温度を300℃にしたことを除き、同一方法で管状ベルトを製造した。
<実施例4>
前記実施例1において、断面が四角形、幅4mm、厚さ1.5mmのシリコンゴム((株)Wimtech社製、大韓民国)材質の継ぎ目のないOリングを外径120mmの雌シリンダ及び雄シリンダに共に接するように挿着し、最終の後硬化温度を280℃にしたことを除き、同一方法で管状ベルトを製造した。
<実施例5>
前記実施例1において、断面が四角形、幅4mm、厚さ1.5mmのウレタンゴム((株)Jinsokウレタン社製、大韓民国)材質の継ぎ目のないOリングを外径120mmの雌シリンダ及び雄シリンダに共に接するように挿着し、最終の後硬化温度を250℃にしたことを除き、同一方法で管状ベルトを製造した。
製造工程中にウレタンゴム材質のガイド部材は硬度の上昇を現した。
<実施例6>
前記実施例1において、SUS 304材質でなった外径120mmの円筒状の雌シリンダと同一外径の雄シリンダを図6に示すように決着した。決着の後、両シリンダの間に幅15mm、深さ0.5mmの溝が形成されたことを除き、同一方法で管状ベルトを製造した。
<実施例7>
前記実施例1において、SUS 304材質でなった外径120mmの円筒状の雌シリンダと同一外径の雄シリンダを両シリンダの間に幅4.1mm、深さ1.5mmの溝が形成されるように、図6に示すように決着し、前記シリンダの溝にジメチルポリシロキサン材質の1液型/常温硬化型/耐熱性シリコン樹脂(東洋シリコン社製、RTV106)を満たして、樹脂の厚さが1.5mmになり、左右のシリンダの外径の高さと同一にし、ついでシリンダの外周面がまったく覆われるようにポリアミド酸樹脂をディスペンサを通じて均一に塗布することを除き、同一方法で管状ベルトを製造した。
<実施例8>
前記実施例7において、ガイド部材を形成するための樹脂としてフェノキシ樹脂(Kukdo化学社製、YP−50EK)500gとホウ化窒素(ESK Ceramic社製、ドイツ、Boronid−SCP1)3g及び硬化剤(Diaminodiphenylsulfone、Sigma−Aldrich社製)0.5gを混合して均一に分散させ、30分間撹拌してなるものを使用し、溝に塗布した後、120℃の熱風で乾燥し、乾燥の後、溶媒が揮発しながら収縮する程度に応じて塗布量を調節し、繰り返し塗布して最終の乾燥厚さが1.5mmになり、左右のシリンダの外径の高さと同一にしたことを除き、同一方法で管状ベルトを製造した。
<比較例1>
前記実施例1において、ガイド部材の形成のための溝が備えられていない外径120mmのSUS 304材質のシリンダを使用したことを除き、同一方法で管状ベルトを製造し、断面が直四角形、幅4.0mm、厚さ1.3mmのシリコンゴム材質のゴム紐(Jinsokウレタン社製、大韓民国)の広い方向の一面にアクリル系接着剤層を備えた両面接着テープ(7033、Teraoka社製)を接着した後、前記両面接着テープの他面の接着剤層が前記管状ベルトの一側端内周面に当接するように圧着した後、ローラで加圧して気泡を除去することによりガイドレールを付着した。
<比較例2>
前記実施例1において、ガイド部材形成のための溝が備えられていない外径120mmのSUS 304材質のシリンダを使用したことを除き、同一方法で管状ベルトを製造し、断面が直四角形、幅4.0mm、厚さ1.3mmのショア硬度60のポリエーテルウレタン材質のゴム紐(Jinsokウレタン社製、大韓民国)の広い方向の一面にエポキシ系1液型接着剤(PT−108社製)を注射器で塗布し、前記ゴム紐の接着剤が塗布された面を前記管状ベルトの一側端の内周面に当接するように圧着した後、接着剤が硬化するように、100℃のオーブンで1時間の間に放置することで、ガイドレールを付着した。
製造工程中に接着剤塗布面積が狭くて接着液が流下する現象が多数回発生し、オーブンで熱硬化している間に接着剤から気泡が発生するなどの原因でガイド部材の浮き上がり現象が発生し、結果としてガイド部材接着部位がデコボコになった。
<比較例3>
従来の製品として、カラーレーザプリンタ(三星電子製、CLP−300)から、PBT素材の管状ベルト部材とポリウレタン素材のガイド部材が接着剤を介して付着された転写ベルトを得た。
前記実施例及び比較例で製造された管状ベルト及びこれらから剥離されるガイド部材のそれぞれを下記の方法で評価した。その結果は下記の表1及び表2のようである。
(1)剥離強度
試片の大きさ
−長さ:150mm
−幅:4.0mm
剥離条件
−ガイド部材と管状ベルトの剥離角度:180゜(図10参照)
−グリップ(Grip)距離:100mm
−速度:50mm/min
−Load Cell:1kN
−測定器機:Instron 3300 series
(2)耐熱性
ガイド部材とベルトのそれぞれに対し、別に次のように5%熱分解温度を測定した。測定環境は25℃〜900℃、55RH%である。
測定器機:Perkin Elmer社製、TGA
測定条件:窒素ガス充填、昇温速度10℃/分、試片の重さ1g
(3)寸法変化率
寸法測定器機:Vimtec社製、EG3020M
高温高湿環境試験器:HIRAYAMA社製、PC−422R8D
ガイド部材及び管状ベルトのサンプルをそれぞれ別に準備した後、高温高湿環境試験器に入れ、85℃、85RH%の条件で20時間放置する試験を進めた。この際、試験前後の寸法を前記寸法測定器機で測定して長手方向への変化率を計算した。
(4)体抵抗
測定器機:Hiresta UP、 Probe UR−100(ダイヤインストルメント)
測定方法:印加電圧250V
測定環境は25℃、55RH%である。
(5)印刷性
実施例及び比較例の管状ベルトをヒューレットパッカード社製のLaser Jet 1600型レーザビームプリンタにセットし、写真データと文字データを印刷した。
○:写真データまたは文字データで共に良好な画像を得た。
△:写真データを拡大鏡で観察したところ、画像で少しの荒い部分が現れた。
文字データのみを見るときは問題がなかった。
×:写真データ及び文字データで共に荒い部分が現れた。
(6)耐汚染性
ヒューレットパッカード社製のLaser Jet 1600型レーザビームプリンタにセットされている転写ベルトユニットに実施例及び比較例によって製造された管状ベルトの試片を交替して採用した状態で、転写ベルトユニットを32.5±2℃、相対湿度90±2%の条件下で1週間保管した。その後、それぞれの転写ベルトユニットを前記プリンタにセットした後、100枚をハーフトーン印刷した後、印刷物の汚染有無を肉眼で確認して次のように評価した。
○:目で見たとき印刷物全体にわたって汚染がなかった。
△:軽い汚染(5枚以下の使用には問題がない汚染)
×:深刻な汚染(5枚以上)
(7)外観
実施例及び比較例で製造された管状ベルトの外観を肉眼で評価した。
肉眼で見たとき、管状ベルトの外面とガイド部材との接着部分がこぎれいな場合を良好、管状ベルト外面がデコボコであるかガイド部材との接着部分がこぎれいではない場合を不良と評価した。
(8)耐屈曲性
試験方法:JIS C6471、8.2
屈曲角度:270度
屈曲速度:175回/分
荷重:500g
耐屈曲性は、管状ベルト部材とガイド部材を別に評価し、ガイド部材が備えられた管状ベルト部位に対しても評価した。
(9)耐久性
ガイド部材と同一大きさの溝が形成された二つのローラを備え、前記二つのローラの中で一方のローラが回転駆動ローラであり、前記一方のローラが他のローラに対して水平を維持したままで動きながら管状ベルトに張力を加えることができる設備に、図1のように、実施例で製造された管状ベルトをかけ、2kg/mの張力を維持しながら回転駆動を開始し、ガイド部材または管状ベルトが破れるかあるいは寸法または構造の変形が発生する時点で終了し、終了時の回転数を確認した。回転数が低いほどベルトの耐久性が低いものと評価した。
Figure 0005536724
Figure 0005536724
前記物性測定の結果、接着剤または接着テープを用いてガイド部材を付着した管状ベルトを製造した場合には、ガイド部材部分がデコボコになって外観が不良で、印刷性に否定的影響を与えることができるだけでなく、耐久性もガイド部材と管状ベルトが直接接着された場合に比べて悪く、接着力の不足でガイド部材が管状ベルトから易しく剥離されるものと現れた。また、特に、高温高湿環境下でガイド部材と管状ベルトの間にある接着剤または接着テープの影響によって相対的に大きな寸法変化率を表すことを確認した。
一方、本発明による製造方法によって製造されたガイド部材が付着された管状ベルトは、印刷性、耐久性、接着力、高温高湿による寸法変化率などに優れた性能を表した。
本発明は、コピー機、レーザビームプリンタ、ファクシミリなどの電子機器に使用され、複写紙や転写紙上に形成されたトナー像を定着ないし転写させる定着ベルト、中間転写ベルト、または移送ベルトに適用可能である。
10 管状ベルト
11 内周面
15 ガイド部材
20 ローラ
21 外周面
25 溝
30 雌シリンダ
31 雄シリンダ
32 シリンダ
33 雄決着部
34 雌決着部
35 溝部
40、45 樹脂

Claims (2)

  1. 管状ベルト用シリンダの小径部にガイド部材を形成する樹脂を塗布する段階;
    管状ベルトを形成するための前記ガイド部材とは異なる樹脂を前記管状ベルト用シリンダの外周面に塗布する段階

    塗布された樹脂を60〜80℃で5〜100分間プリベーキングして、表面に残存する溶媒及び水分を除去する段階;及び
    塗布された樹脂を硬化させて前記ガイド部材と前記管状ベルトを一体とする段階;を含むことを特徴とする、管状ベルトの製造方法。
  2. 管状ベルト用シリンダの小径部にガイド部材を配置する段階;
    管状ベルトを形成するための前記ガイド部材とは異なる樹脂を前記管状ベルト用シリンダの外周面に塗布する段階

    塗布された樹脂を60〜80℃で5〜100分間プリベーキングして、表面に残存する溶媒及び水分を除去する段階;及び
    塗布された樹脂を硬化させて前記ガイド部材と前記管状ベルトを一体とする段階;を含むことを特徴とする、管状ベルトの製造方法。
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