JP2022181639A - 定着ベルト、定着装置、及び画像形成装置 - Google Patents

定着ベルト、定着装置、及び画像形成装置 Download PDF

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智丈 稲垣
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Abstract

Figure 2022181639000001
【課題】熱源が定着ベルトの内側に存在し、定着ベルトを介してトナーへ熱源からの熱が伝わる定着方式に適用され、且つ、長寿命化を達成し得る、定着ベルトの提供。
【解決手段】樹脂を含む基材層110A、弾性材料を含む弾性層110B、及び離型層110Cをこの順に有し、前記基材層及び前記弾性層が、それぞれ、複数の繊維状炭素が互いに絡み合ってなる集合体を更に含み、前記基材層における前記集合体の最大径が当該基材層膜厚の50%以下であり、前記弾性層における前記集合体の最大径が当該弾性層膜厚の15%以下である、定着ベルト110。
【選択図】図1

Description

本発明は、定着ベルト、定着装置、及び画像形成装置に関する。
電子写真方式を用いた画像形成装置(複写機、ファクシミリ、プリンタ等)では、記録媒体上に形成されたトナー像を記録媒体上に定着する定着ベルトが用いられる。
特許文献1には、カーボンナノチューブの絡み合いからなり、直径が50μm以下、高さが5μm未満で、前記高さと前記直径との比(高さ/直径)が0.1未満の集合体を含有する機能性膜が開示されている。
また、特許文献1には、ポリイミド樹脂中に針状高熱伝導性フィラーとしてカーボンナノチューブを分散してなるポリイミドチューブが開示されている。
特開2019-140105号公報 特開2011-186127号公報
本開示は、基材層及び弾性層が、繊維状炭素として、互いに絡み合っていない繊維状炭素のみを含む場合、又は、複数の繊維状炭素が互いに絡み合ってなる集合体を含み、かかる集合体の最大径が下記関係を満たさない場合に比べ、熱源が定着ベルトの内側に存在し、定着ベルトを介してトナー像へ熱源からの熱が伝わる定着方式に適用され、且つ、長寿命化を達成し得る、定着ベルトを提供することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段には、下記の態様が含まれる。
<1> 樹脂を含む基材層、弾性材料を含む弾性層、及び離型層をこの順に有し、
前記基材層及び前記弾性層が、それぞれ、複数の繊維状炭素が互いに絡み合ってなる集合体を更に含み、
前記基材層における前記集合体の最大径が当該基材層膜厚の50%以下であり、
前記弾性層における前記集合体の最大径が当該弾性層膜厚の15%以下である、定着ベルト。
<2> 前記基材層及び前記弾性層が、それぞれ、互いに絡み合っていない繊維状炭素を更に含む<1>に記載の定着ベルト。
<3> 前記基材層及び前記弾性層は、それぞれ、前記集合体の含有量Aと前記互いに絡み合っていない繊維状炭素の含有量Bとが、質量基準にて、A≧Bの関係を満たす、<2>に記載の定着ベルト。
<4> 前記基材層及び前記弾性層は、それぞれ、前記集合体の含有量Aと前記互いに絡み合っていない繊維状炭素の含有量Bとの総量に対する、前記集合体の含有量Aの比(A/(A+B))が、質量基準にて、0.50以上0.95以下である、<2>又は<3>に記載の定着ベルト。
<5> 前記基材層に含まれる前記集合体の含有量A1が、前記基材層の全質量に対して、0.1質量%以上20質量%以下である、<1>~<4>のいずれか1つに記載の定着ベルト。
<6> 前記弾性層に含まれる前記集合体の含有量A2が、前記弾性層の全質量に対して、0.1質量%以上40質量%以下である、<1>~<5>に記載の定着ベルト。
<7> 前記基材層に含まれる前記集合体の含有量A1と、前記弾性層に含まれる前記集合体の全質量A2とが、質量基準にて、A1≦A2の関係を満たす、<1>~<4>のいずれか1つに記載の定着ベルト。
<8> 前記集合体の含有量A1が、前記基材層の全質量に対して、0.1質量%以上20質量%以下であり、且つ、前記集合体の含有量A2が、前記弾性層の全質量に対して、0.1質量%以上40質量%以下である、<7>に記載の定着ベルト。
<9> 前記繊維状炭素がカーボンナノチューブである<1>~<8>のいずれか1つに記載の定着ベルト。
<10> 第1回転体と、前記第1回転体の外面に接触して配置される第2回転体と、を備え、
前記第1回転体及び前記第2回転体の少なくとも一方が、<1>~<9>のいずれか1つに記載の定着ベルトであり、
トナー像が表面に形成された記録媒体を前記第1回転体と前記第2回転体との接触部に挿通して前記トナー像を定着する定着装置。
<11> 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記トナー像を前記記録媒体に定着する、<10>に記載の定着装置から構成される定着手段と、
を備える画像形成装置。
<1>に係る発明によれば、基材層及び弾性層が、繊維状炭素として、互いに絡み合っていない繊維状炭素のみを含む場合、又は、複数の繊維状炭素が互いに絡み合ってなる集合体を含み、かかる集合体の最大径が上記関係を満たさない場合に比べ、熱源が定着ベルトの内側に存在し、定着ベルトを介してトナー像へ熱源からの熱が伝わる定着方式に適用され、且つ、長寿命化を達成し得る、定着ベルトが提供される。
<2>に係る発明によれば、複数の繊維状炭素が互いに絡み合ってなる集合体を含み、互いに絡み合っていない繊維状炭素を含まない場合に比べ、長寿命化を達成し得る定着ベルトが提供される。
<3>に係る発明によれば、集合体の含有量Aと互いに絡み合っていない繊維状炭素の含有量Bとが、質量基準にて、A<Bの関係を満たす場合に比べ、長寿命化を達成し得る定着ベルトが提供される。
<4>に係る発明によれば、前記比(A/(A+B))が、質量基準にて、0.50未満又は0.95超である場合に比べ、長寿命化を達成し得る定着ベルトが提供される。
<5>に係る発明によれば、基材層に含まれる集合体の含有量A1が、基材層の全質量に対して、20質量%超である場合に比べ、長寿命化を達成し得る定着ベルトが提供される。
<6>に係る発明によれば、弾性層に含まれる集合体の含有量A2が、弾性層の全質量に対して、40質量%超である場合に比べ、長寿命化を達成し得る定着ベルトが提供される。
<7>又は<8>に係る発明によれば、基材層に含まれる集合体の含有量A1と、弾性層に含まれる集合体の全質量A2とが、質量基準にて、A1>A2の関係を満たす場合に比べ、長寿命化を達成し得る定着ベルトが提供される。
<9>に係る発明によれば、繊維状炭素がカーボンナノチューブではない場合に比べ、長寿命化を達成し得る定着ベルトが提供される。
<10>又は<11>に係る発明によれば、基材層及び弾性層が、繊維状炭素として、互いに絡み合っていない繊維状炭素のみを含む場合、又は、複数の繊維状炭素が互いに絡み合ってなる集合体を含み、かかる集合体の最大径が上記関係を満たさない場合に比べ、熱源が定着ベルトの内側に存在し、定着ベルトを介してトナー像へ熱源からの熱が伝わる定着方式に適用され、且つ、長寿命化を達成し得る、定着ベルトを備えた定着装置、又は画像形成装置が提供される。
本開示に係る定着ベルトの一例を示す模式断面図である。 本開示に係る定着装置の実施形態の一例を示す概略構成図である。 本開示に係る画像形成装置の実施形態の一例を示す概略構成図である。
以下に、本発明の実施形態について説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、実施形態の範囲を制限するものではない。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。
また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。
本明細書において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
<定着ベルト>
本開示に係る定着ベルトは、樹脂を含む基材層、弾性材料を含む弾性層、及び離型層をこの順に有し、前記基材層及び前記弾性層が、それぞれ、複数の繊維状炭素が互いに絡み合ってなる集合体を更に含み、前記基材層における前記集合体の最大径が当該基材層膜厚の50%以下であり、前記弾性層における前記集合体の最大径が当該弾性層膜厚の40%以下である。
以下、複数の繊維状炭素が互いに絡み合ってなる集合体を、以下、適宜、特定集合体ともいう。
定着ベルトとしては、例えば、熱源が定着ベルトの内側に存在し、定着ベルトを介してトナー像へ熱源からの熱が伝わる定着方式に適用されるものがある。
このような定着方式に適用される定着ベルトにおいて、基材層及び弾性層には、それぞれ、熱伝導材料が含まれることが多い。しかしながら、基材層と弾性層との界面における熱の受け渡しが非効率であると、設定された定着温度に加熱する際、定着ベルトを加熱する熱源の温度が高くなることがある。熱源の温度が高くなると、熱源と定着ベルト間に存在する潤滑剤の劣化を早め、トルク上昇によるベルト破断を引き起こすこともある。
本開示に係る定着ベルトでは、基材層及び弾性層が共に、導電性材料として、複数の繊維状炭素が互いに絡み合ってなる集合体(即ち、特定集合体)を含む。この特定集合体をそれぞれ含む基材層と弾性層との界面では、特定集合体の形状に起因して、特定集合体同士の接触面積が大きくなるため、互いに絡み合っていない繊維状炭素を含む場合と比較して、熱の受け渡しが円滑になると考えられる。
よって、本開示に係る定着ベルトでは、設定された定着温度に加熱する際、定着ベルトを加熱する熱源の温度が高くなることが抑えられ、ベルト破断が抑制されることから、長寿命化を達成し得ると推測される。
また、本開示に係る定着ベルトでは、上記のように基材層と弾性層との界面における熱の受け渡しが円滑に行えることから、熱源が定着ベルトの内側に存在し、定着ベルトを介してトナー像へ熱源からの熱が伝わる定着方式に好ましく適用されうる。
本開示に係る定着ベルトについて、図1を参照して、説明する。
図1は、本開示に係る定着ベルトの一例を示す概略断面図である。
図1に示す定着ベルト110は、基材層110Aと、基材層110A上に設けられた弾性層110Bと、弾性層110B上に設けられた離型層110Cと、を有している。
なお、本開示に係る定着ベルト110の層構成は、図1に示す層構成に限定されず、弾性層110Bと離型層110Cとの間に接着層を介在させた層構成であってもよい。
以下、本開示に係る定着ベルトの構成要素について詳細に説明する。なお、符号は省略して説明する。
〔基材層〕
本開示に係る定着ベルトにおける基材層は、樹脂と、複数の繊維状炭素が互いに絡み合ってなる集合体(即ち、特定集合体)と、を含む。
そして、基材層における特定集合体の最大径は、基材層膜厚の50%以下である。
[特定集合体]
基材層における特定集合体は、熱伝導材料として用いられる。
基材層における特定集合体の最大径は、上述のように、基材層膜厚の50%以下であり、40%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましい。一方、特定集合体の最大径は、基材層膜厚の1%以上であることがより好ましい。
また、基材層と弾性層との界面における熱の受け渡しを円滑にする観点から、基材層における特定集合体の最大径としては、0.5μm以上60μm以下であることが好ましく、1μm以上40μm以下であることがより好ましく、3μm以上25μm以下であることが更に好ましい。
基材層における特定集合体は、複数の繊維状炭素が互いに絡み合ってなる集合体であって、上述する最大径を有するものであればよく、特に形状は問われない。ベルト内の特定集合体は、例えば、球状であってもよいし、楕円球状であってもよいし、不定形状であってもよい。
また、基材層と弾性層との界面における熱の受け渡しを円滑にする観点から、基材層における特定集合体の長軸Xに対する短軸Yの比(短軸Y/長軸X)は、0.1以上1以下であることが好ましく、0.1以上0.8以下であることがより好ましく、0.2以上0.6以下であることが更に好ましい。
特定集合体の最大径、長軸X、及び短軸Yは、以下の方法で測定する。
定着ベルトから、離型層及び弾性層を引き剥がし、露出した基材層の表面SEM(走査型電子顕微鏡)像から測定する。表面に露出している任意の特定集合体10個について、長手方向長さとその法線方向の長さとを計測し、特定集合体10個それぞれの算術平均値を最大径(=長軸X)、短軸Yの値とする。
なお、定着ベルトから離型層及び弾性層を引き剥がす方法としては、例えば、後述する熱伝導率の測定と同様の方法を用いてもよい。
基材層における特定集合体に含まれる繊維状炭素は、長さが、0.5μm以上100μm以下であることが好ましく、2μm以上80μm以下であることがより好ましく、3μm以上60μm以下であることが更に好ましい。
基材層における特定集合体に含まれる繊維状炭素は、直径が、20nm以上300nm以下であることが好ましく、25nm以上250nm以下であることがより好ましく、30nm以上200nm以下であることが更に好ましい。
特定集合体に含まれる繊維状炭素の長さ及び直径は、以下の方法で測定する。
定着ベルトから離型層及び弾性層を引き剥がし、露出した基材層の表面SEM像から測定する。表面に露出している特定集合体の中から任意の繊維状炭素の10本について、長さと太さ(厚さ)とを計測し、繊維状炭素10本それぞれの算術平均値を長さ、直径の値とする。
なお、定着ベルトから離型層及び弾性層を引き剥がす方法としては、例えば、後述する熱伝導率の測定と同様の方法を用いてもよい。
特定集合体に含まれる繊維状炭素の数は、複数(即ち、2本以上)であればよく、特に限定はされない。
基材層における特定重合体に含まれる繊維状炭素は、入手容易性、熱伝導性等の観点から、カーボンナノチューブであることが好ましい。
基材層における特定集合体の含有量A1は、基材層と弾性層との界面における熱の受け渡しをより円滑にする観点から、基材層の全質量に対して、0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、1質量%以上18質量%以下であることがより好ましく、2質量%以上15質量%以下であることが更に好ましく、5質量%以上15質量%以下であることが特に好ましい。
[互いに絡み合っていない繊維状炭素]
基材層は、熱伝導性をより高める観点から、既述の特定集合体の他、互いに絡み合っていない繊維状炭素を含むことが好ましい。
即ち、基材層は、樹脂と、特定集合体と、互いに絡み合っていない繊維状炭素と、を含むことが好ましい。
基材層において、互いに絡み合っていない繊維状炭素は、長さが、1μm以上100μm以下であることが好ましく、2μm以上80μm以下であることがより好ましく、3μm以上60μm以下であることが更に好ましい。
基材層において、互いに絡み合っていない繊維状炭素は、直径が、20nm以上300nm以下であることが好ましく、25nm以上250nm以下であることがより好ましく、30nm以上200nm以下であることが更に好ましい。
なお、基材層において、互いに絡み合っていない繊維状炭素は、特定集合体に含まれる繊維状炭素(即ち、特定集合体を構成する繊維状炭素)と同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。
基材層において、互いに絡み合っていない繊維状炭素は、入手容易性、熱伝導性等の観点から、カーボンナノチューブであることが好ましい。
基材層が互いに絡み合っていない繊維状炭素を含む場合、その含有量は、基材層の全質量に対して、0質量%超え15質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上10質量%以下であることが好ましく、1質量%以上10質量%以下であることが更に好ましく、1質量%以上5質量%以下であることが特に好ましい。
基材層は、基材層の熱伝導率を高める観点から、特定集合体の含有量Aと互いに絡み合っていない繊維状炭素の含有量Bとが、質量基準にて、A≧Bの関係を満たすことが好ましい。
また、基材層は、基材層の熱伝導率を高める観点から、特定集合体の含有量Aと互いに絡み合っていない繊維状炭素の含有量Bとの総量に対する、特定集合体の含有量Aの比(A/(A+B))が、質量基準にて、0.50以上0.95以下であることが好ましく、0.50以上0.90以下であることがより好ましい。
特定集合体の含有量A、及び、互いに絡み合っていない繊維状炭素の含有量Bは、以下の方法で測定する。
定着ベルトから離型層及び弾性層を引き剥がし、露出した基材層の表面SEM像を画像解析することで測定する。表面SEM像の画像解析により、露出した基材層の表面積に占める、特定集合体の面積の総和と、互いに絡み合っていない繊維状炭素の面積の総和と、をそれぞれ求める。ここで、計測サンプル数(即ち、画像解析するSEM像の数)は5とする。「特定集合体の含有量A」は、上記の方法で求めた「基材層の表面積に占める特定集合体の面積の総和」の5サンプルの算術平均値とし、また、「互いに絡み合っていない繊維状炭素の含有量B」は、上記の方法で求めた「基材層の表面積に占める互いに絡み合っていない繊維状炭素の面積の総和」の5サンプルの算術平均値とする。
そして、上記のようにして得られた「特定集合体の含有量A」及び「互いに絡み合っていない繊維状炭素の含有量B」から、比(A/(A+B))を算出する。なお、比(A/(A+B))を算出する際、特定集合体と、互いに絡み合っていない繊維状炭素と、の比重が異なる場合には、それぞれの比重を用いて含有量A及び含有量Bの補正を行えばよい。
なお、定着ベルトから離型層及び弾性層を引き剥がす方法としては、例えば、後述する熱伝導率の測定と同様の方法を用いてもよい。
[樹脂]
基材層に含まれる樹脂としては、耐熱性樹脂であることが好ましい。
樹脂としては、ポリイミド、芳香族ポリアミド、サーモトロピック液晶ポリマー等の液晶材料など、高耐熱かつ高強度の耐熱性樹脂等が挙げられ、これら以外にも、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリイミドアミド等が用いられる。
これらの中でも、樹脂としては、ポリイミドが好ましい。
ポリイミドとしては、例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との重合体であるポリアミック酸(ポリイミド樹脂の前駆体)のイミド化物が挙げられる。ポリイミドとして具体的には、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との等モル量を溶媒中で重合反応させてポリアミド酸の溶液として得て、そのポリアミド酸をイミド化して得られた樹脂が挙げられる。
テトラカルボン酸二無水物としては、芳香族系、及び脂肪族系いずれの化合物も挙げられるが、耐熱性の観点から、芳香族系の化合物であることが好ましい。
芳香族系テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’-パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p-フェニレン-ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m-フェニレン-ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)-4,4’-ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)-4,4’-ジフェニルメタン二無水物等を挙げられる。
脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3-ジメチル-1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5-トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6-トリカルボキシノルボナン-2-酢酸二無水物、2,3,4,5-テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロフリル)-3-メチル-3-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]-オクト-7-エン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族又は脂環式テトラカルボン酸二無水物;1,3,3a,4,5,9b-ヘキサヒドロ-2,5-ジオキソ-3-フラニル)-ナフト[1,2-c]フラン-1,3-ジオン、1,3,3a,4,5,9b-ヘキサヒドロ-5-メチル-5-(テトラヒドロ-2,5-ジオキソ-3-フラニル)-ナフト[1,2-c]フラン-1,3-ジオン、1,3,3a,4,5,9b-ヘキサヒドロ-8-メチル-5-(テトラヒドロ-2,5-ジオキソ-3-フラニル)-ナフト[1,2-c]フラン-1,3-ジオン等の芳香環を有する脂肪族テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
これらの中でも、テトラカルボン酸二無水物としては、芳香族系テトラカルボン酸二無水物がよく、具体的には、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物がよく、更に、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物がよく、特に、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物がよい。
なお、テトラカルボン酸二無水物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて併用してもよい。
また、テトラカルボン酸二無水物を2種以上組み合わせて併用する場合、芳香族テトラカルボン酸二無水物、又は脂肪族テトラカルボン酸二無水物を各々併用しても、芳香族テトラカルボン酸二無水物と脂肪族テトラカルボン酸二無水物とを組み合わせてもよい。
一方、ジアミン化合物は、分子構造中に2つのアミノ基を有するジアミン化合物である。ジアミン化合物としては、芳香族系、脂肪族系いずれの化合物も挙げられるが、芳香族系の化合物であることが好ましい。
ジアミン化合物としては、例えば、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルエタン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、1,5-ジアミノナフタレン、3,3-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、5-アミノ-1-(4’-アミノフェニル)-1,3,3-トリメチルインダン、6-アミノ-1-(4’-アミノフェニル)-1,3,3-トリメチルインダン、4,4’-ジアミノベンズアニリド、3,5-ジアミノ-3’-トリフルオロメチルベンズアニリド、3,5-ジアミノ-4’-トリフルオロメチルベンズアニリド、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、2,7-ジアミノフルオレン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’-メチレン-ビス(2-クロロアニリン)、2,2’,5,5’-テトラクロロ-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ジクロロ-4,4’-ジアミノ-5,5’-ジメトキシビフェニル、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノ-2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)-ビフェニル、1,3’-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン、4,4’-(p-フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’-(m-フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2’-ビス[4-(4-アミノ-2-トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’-ビス[4-(4-アミノ-2-トリフルオロメチル)フェノキシ]-オクタフルオロビフェニル等の芳香族ジアミン;ジアミノテトラフェニルチオフェン等の芳香環に結合された2個のアミノ基と当該アミノ基の窒素原子以外のヘテロ原子を有する芳香族ジアミン;1,1-メタキシリレンジアミン、1,3-プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4-ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、イソフォロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ-4,7-メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6,2,1,02.7]-ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)等の脂肪族ジアミン及び脂環式ジアミン等が挙げられる。
これらの中でも、ジアミン化合物としては、芳香族系ジアミン化合物がよく、具体的には、例えば、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’-ジアミノジフェニルスルホンがよく、特に、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、p-フェニレンジアミンがよい。
なお、ジアミン化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて併用してもよい。
また、ジアミン化合物を2種以上組み合わせて併用する場合、芳香族ジアミン化合物、又は脂肪族ジアミン化合物を各々併用しても、芳香族ジアミン化合物と脂肪族ジアミン化合物とを組み合わせてもよい。
これらの中でも、耐熱性の観点から、ポリイミドとしては、芳香族ポリイミド(具体的には、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン化合物との重合体であるポリアミック酸(ポリイミド樹脂の前駆体)のイミド化物)が好ましい。
そして、芳香族ポリイミドとしては、下記一般式(PI1)で表される構造単位を有するポリイミドであることがより好ましい。
Figure 2022181639000002
一般式(PI1)中、RP1はフェニル基、またはビフェニル基を示し、RP2は2価の芳香族基を示す。
P2が示す2価の芳香族基は、フェニレン基、ナフチル基、ビフェニル基、ジフェニルエーテル基等が挙げられる。2価の芳香族基としては、屈曲耐久性の観点から、フェニレン基、ビフェニル基が好ましい。
ポリイミドの数平均分子量は、5,000以上100,000以下であることがよく、より好ましくは7,000以上50,000以下、更に好ましくは10,000以上30,000以下である。
ポリイミドの数平均分子量は、下記測定条件のゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ(GPC)法で測定される。
・カラム:東ソーTSKgelα-M(7.8mm I.D×30cm)
・溶離液:DMF(ジメチルホルムアミド)/30mMLiBr/60mMリン酸
・流速:0.6mL/min
・注入量:60μL
・検出器:RI(示差屈折率検出器)
基材層における樹脂の含有量は、基材層の全質量に対して、80質量%以上であることが好ましく、85質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更に好ましい。
[添加剤]
本開示に係る定着ベルトは、樹脂、特定集合体、及び、互いに絡み合っていない繊維状炭素の他、充填剤、潤滑剤などの周知の添加剤を含んでもよい。
基材層の膜厚は、熱伝導性及び機械的強度等の観点から、30μm以上200μm以下であることが好ましく、50μm以上150μm以下であることがより好ましく、70μm以上120μm以下であることが特に好ましい。
[物性]
(熱伝導率)
基材層の熱伝導率としては、0.5W/m・K以上10W/m・K以下であることが好ましく、0.6W/m・K以上10W/m・K以下であることがより好ましく、0.8W/m・K以上10W/m・K以下であることが更に好ましい。
基材層の熱伝導率は、以下のようにして測定する。
まず、定着ベルトの表面層側から、弾性層/基材層界面にカッター刃を差し込み、界面に対して水平方向に刃を進め、基材層をそぎ落とすことで、基材層から弾性層及び離型層を剥離する。
得られた測定対象の層について、ai-phase(株式会社アイフェイズ製)を用いて温度波分析法により、荷重50gの条件で熱伝導率を測定する。
(引張り伸度)
また、基材層の引張り伸度は、5%以上40%以下であることが好ましく、7%以上40%以下であることがより好ましく、10%以上40%以下であることが更に好ましい。
基材層の引張り伸度は、以下のようにして測定する。
まず、定着ベルトから、熱伝導率の測定と同様にして、基材層及び離型層を剥離する。
まず、得られた基材層から、くびれ幅5mmのダンベル形状の試験片を切り出す。試料片を、荷重試験機(アイコーエンジニアリング株式会社製)を用いて、10mm/分の速度で引張り試験を行い、試料片が破断したときの伸びから引張り伸度を求める。
[基材層の形成]
基材層は、樹脂と必要に応じて用いられる添加剤とを含む基材層形成用塗布液を調製し、得られた基材層形成用塗布液を円筒状基材上に塗布し、乾燥することで得られる。基材層形成用塗布液には、樹脂、特定集合体、必要に応じて用いられるその他の成分(互いに絡み合っていない繊維状炭素、添加剤等)等が含まれる。
なお、樹脂がポリイミドの場合、ポリアミック酸(ポリイミド樹脂の前駆体)と、必要に応じて用いられる添加剤とを含む基材層形成用塗布液を調製し、得られた基材層形成用塗布液を円筒状基材上に塗布し、焼成する(即ち、イミド化)ことで得られる。
なお、基材層形成用塗布液を調製する際には、特定集合体の製造を合わせて行うことが好ましい。
具体的には、樹脂と繊維状炭素とを含む前駆体液を準備し(前駆体液準備工程ともいう)、この前駆体液の系中で特定集合体を製造し(特定集合体製造工程ともいう)、樹脂と特定集合体とを含む基材層形成用塗布液を得る方法が挙げられる。
以下、前駆体液準備工程及び特定集合体製造工程について説明する。
(前駆体液準備工程)
前駆体液準備工程では、まず、繊維状炭素と分散媒とを混合し、繊維状炭素が分散した分散液を調製することが好ましい。
ここで、分散媒としては、繊維状炭素は、溶解せず又は溶解し難く、且つ、樹脂は溶解しうる有機溶剤が挙げられる。例えば、樹脂として、ポリアミック酸(ポリイミド樹脂の前駆体)を用いる場合には、分散媒としては、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)等が挙げられる。
ここで、分散液中の繊維状炭素の含有量は、分散液の全質量に対して、0.1質量%以上10質量%以下(好ましくは、0.3質量%以上5質量%以下)であることが好ましい。
得られた分散液に対しては、高圧分散処理を施すことが好ましい。高圧分散処理を施すことにより、分散液中にて繊維状炭素がほぐれ個々に単離し、更に、分散液中の繊維状炭素の長さが調製される。
ここで、高圧分散処理の条件としては、繊維状炭素が個々に単離し、繊維状炭素の長さを目的の値に調整し得る条件であればよい。例えば、高圧分散処理としては、分散液の液温を30℃以上60℃以下とし、20MPa以上100MPa以下(好ましくは、40MPa以上80MPa以下)の圧力下で行うことが好ましい。
高圧分散処理は、高圧ホモジナイザーが用いられる。
なお、分散液中の繊維状炭素の長さは、1μm以上100μm以下(好ましくは、3μm以上50μm以下)程度に調整されることが好ましい。
ここで、分散液中の繊維状炭素の長さは、光学顕微鏡又は電子顕微鏡での観察により測定しうる。
分散液中の繊維状炭素の長さにより特定集合体の最大径を制御することができ、具体的には、繊維状炭素が長いほど、最大径の大きな集合体を製造しうる傾向がある。
前駆体液準備工程では、続いて、以上のようにして得られた分散液に、樹脂を添加して前駆体液を調製する。
樹脂の添加量は、分散液の全質量に対して、1質量%以上20質量%以下(好ましくは、3質量%以上15質量%以下)程度とすることが好ましい。
(特定集合体製造工程)
特定集合体製造工程では、前駆体液準備工程にて得られた前駆体液を、プラネタリーミキサーにて撹拌することで、その系中で特定集合体を製造する。
前駆体液をプラネタリーミキサーにより撹拌することで、前駆体液中にて個々に単離していた繊維状炭素が、徐々に絡み合って塊状になり、特定集合体が製造される。
ここで、プラネタリーミキサーによる撹拌条件としては、目的とする最大径の特定集合体が得られる条件であればよい。
例えば、撹拌条件としては、前駆体液の液温を25℃以上40℃以下とし、10分以上60分以下で行うことが好ましい。
撹拌条件により特定集合体の最大径を制御することができ、具体的には、プラネタリーミキサーによる撹拌時間が長いほど、最大径の大きな集合体を製造しうる傾向がある。
特定集合体製造工程では、前駆体液に含まれる繊維状炭素の全てが特定集合体となってもよく、特定集合体と共に、一部、特定集合体を形成していない繊維状炭素(即ち、互いに絡み合っていない繊維状炭素)が残っていてもよい。
以上のようにして、樹脂と特定集合体とを含む混合液が得られる。
得られた混合液に対し、必要に応じて、その他の成分(互いに絡み合っていない繊維状炭素、添加剤等)を添加することで、基材層形成用塗布液が得られる。また、得られた混合液は、有機溶剤により希釈し、塗布液の粘度等を調節してもよい。
〔弾性層〕
本開示に係る定着ベルトにおける基材層は、弾性材料と、複数の繊維状炭素が互いに絡み合ってなる集合体(即ち、特定集合体)と、を含む。
そして、弾性層における特定集合体の最大径は、弾性層膜厚の15%以下である。
[特定集合体]
弾性層における特定集合体は、熱伝導材料として用いられる。
弾性層における特定集合体の最大径は、上述のように、弾性層膜厚の15%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。一方、特定集合体の最大径は、弾性層膜厚の2%以上であることがより好ましい。
また、基材層と弾性層との界面における熱の受け渡しを円滑にする観点から、弾性層における特定集合体の最大径としては、60μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましい。
弾性層における特定集合体の最大径の下限値は、例えば、5μm以上が挙げられる。
弾性層に用いる特定集合体は、上記の最大径など特に断らない限り、基材層に用いる特定集合体と同義であり、好ましい態様も同様である。
弾性層における特定集合体の含有量A2は、基材層と弾性層との界面における熱の受け渡しをより円滑にする観点から、弾性層の全質量に対して、0.1質量%以上40質量%以下であることが好ましく、1質量%以上35質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上30質量%以下であることが更に好ましく、15質量%以上25質量%以下であることが特に好ましい。
本開示に係る定着ベルトにおいて、基材層に含まれる特定集合体の含有量A1と、弾性層に含まれる特定集合体の全質量A2とが、質量基準にて、A1≦A2の関係を満たすことが好ましい。
また、本開示に係る定着ベルトにおいては、上記A1≦A2の関係を満たし、且つ、特定集合体の含有量A1が、基材層の全質量に対して、0.1質量%以上20質量%以下であり、且つ、特定集合体の含有量A2が、弾性層の全質量に対して、0.1質量%以上40質量%以下であることが好ましい。
一方で、長時間の連続通紙時におけるベルト温度安定性の観点からは、基材層に含まれる特定集合体の含有量A1と、弾性層に含まれる特定集合体の全質量A2とが、質量基準にて、A1>A2の関係を満たしていてもよい。
[互いに絡み合っていない繊維状炭素]
弾性層は、熱伝導性をより高める観点から、既述の特定集合体の他、互いに絡み合っていない繊維状炭素を含むことが好ましい。
即ち、弾性層層は、弾性材料と、特定集合体と、互いに絡み合っていない繊維状炭素と、を含むことが好ましい。
ここで、弾性層に用いる互いに絡み合っていない繊維状炭素は、基材層に用いる互いに絡み合っていない繊維状炭素と同義であり、好ましい態様も同様である。
弾性層が互いに絡み合っていない繊維状炭素を含む場合、その含有量は、弾性層の全質量に対して、0質量%超え20質量%以下であることが好ましく、0.1質量%超え15質量%以下であることが好ましく、0.3質量%以上10質量%以下であることが更に好ましく、0.5質量%以上8質量%以下であることが特に好ましい。
なお、弾性層におきましても、特定集合体の含有量Aと互いに絡み合っていない繊維状炭素の含有量Bとが、質量基準にて、A≧Bの関係を満たすことが好ましい。
また、弾性層は、特定集合体の含有量Aと互いに絡み合っていない繊維状炭素の含有量Bとの総量に対する、特定集合体の含有量Aの比(A/(A+B))が、質量基準にて、0.50以上0.95以下であることが好ましく、0.75以上0.95以下であることがより好ましい。
[弾性材料]
弾性層に含まれる弾性材料としては、例えば、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等が挙げられる。中でも、弾性材料としては、耐熱性、熱伝導性、絶縁性等の観点から、シリコーンゴム及びフッ素ゴムが好ましく、シリコーンゴムがより好ましい。
シリコーンゴムとしては、例えば、RTVシリコーンゴム、HTVシリコーンゴム、液状シリコーンゴムなどが挙げられ、具体的には、ポリジメチルシリコーンゴム(MQ)、メチルビニルシリコーンゴム(VMQ)、メチルフェニルシリコーンゴム(PMQ)、フルオロシリコーンゴム(FVMQ)等が挙げられる。
シリコーンゴムとしては、架橋形態として付加反応型を主とするものが好ましい。また、シリコーンゴムは様々な種類の官能基が知られており、メチル基を有するジメチルシリコーンゴム、メチル基とフェニル基を有するメチルフェニルシリコーンゴム、ビニル基を有するビニルシリコーンゴム(ビニル基含有シリコーンゴム)等が好ましい。
また、シリコーンゴムとしては、ビニル基を有するビニルシリコーンゴムがより好ましく、ビニル基を有するオルガノポリシロキサン構造とケイ素原子に結合する水素原子(SiH)を有するハイドロジェンオルガノポリシロキサン構造とを有するシリコーンゴムが更に好ましい。
フッ素ゴムとしては、フッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン/プロピレン系ゴム、四フッ化エチレン/パーフルオロメチルビニルエーテルゴム、フォスファゼン系ゴム、フルオロポリエーテル等が挙げられる。
弾性材料は、シリコーンゴムが主成分である(つまり、弾性材料の全質量に対してシリコーンゴムを50質量%以上含む)ことが好ましい。
シリコーンゴムの含有量は、弾性層に用いられる弾性材料の全質量に対して、90質量%以上であることがより好ましく、99質量%以上であることが更に好ましく、100質量%であってもよい。
弾性層における弾性材料の含有量は、基材層の全質量に対して、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましい。
[添加剤]
弾性層は、上述の成分の他、特定集合体、繊維状炭素以外の、無機系の充填剤、軟化剤(パラフィン系等)、加工助剤(ステアリン酸等)、老化防止剤(アミン系等)、加硫剤(硫黄、金属酸化物、過酸化物等)等の添加剤を含んでいてもよい。
弾性層の厚み(膜厚)は、例えば、30μm以上600μm以下であることが好ましく、100μm以上500μm以下であることがより好ましい。
[物性]
(熱伝導率)
弾性層の熱伝導率としては、1.0W/m・K以上4.5W/m・K以下であることが好ましく、2.0W/m・K以上4.5W/m・K以下であることがより好ましく、3.5W/m・K以上4.5W/m・K以下であることが更に好ましい。
弾性層の熱伝導率は、以下のようにして測定する。
まず、定着ベルトの離型層側から、離型層/弾性層界面までにカッター刃で切り込みを入れた後、離型層のみを手で掴んでベルトを回転させながら径方向0°に引っ張ることで離型層を剥離する。その後、弾性層/基材層界面にカッター刃を差し込み、界面に対して水平方向に刃を進めることで、基材層を剥離する。
得られた対象の弾性層について、ai-phase(株式会社アイフェイズ製)を用いて温度波分析法により、荷重50gの条件で熱伝導率を測定する。
(ヤング率)
弾性層のヤング率は、0.2MPa以上1.0MPa以下であることが好ましく、0.2MPa以上0.8MPa以下であることがより好ましく、0.2MPa以上0.6MPa以下であることが更に好ましい。
弾性層のヤング率は、以下のようにして測定する。
まず、定着ベルトから、熱伝導率の測定と同様にして、基材層及び離型層を剥離する。
得られた対象の弾性層について、レオバイブロン(株式会社オリエンテック製)で振幅50μm、周波数10Hzで測定し、150℃の値を用いる。
[弾性層の形成]
弾性層の形成は、公知の方法を適用すればよく、例えば、塗布法が適用される。
弾性層の弾性材料としてシリコーンゴムを用いる場合、例えば、まず、加熱により硬化してシリコーンゴムとなる液状シリコーンゴムを含む弾性層形成用塗布液を調製する。次に、基材層上に弾性層形成用塗布液を塗布して塗膜を形成し、必要に応じて塗膜を加硫させることで、基材層上に弾性層を形成する。なお、塗膜の加硫において、加硫温度としては、例えば、150℃以上250℃以下が挙げられ、加硫時間としては、例えば、30分以上120分以下が挙げられる。
なお、上記の弾性層形成用塗布液を調製する際には、特定集合体の製造を合わせて行うことが好ましい。
具体的には、弾性材料と繊維状炭素とを含む前駆体液を準備し(前駆体液準備工程ともいう)、この前駆体液の系中で特定集合体を製造し(特定集合体製造工程ともいう)、弾性材料と特定集合体とを含む塗布液を得る方法が挙げられる。
ここで、前駆体液準備工程及び特定集合体製造工程について説明する。
(前駆体液準備工程)
前駆体液準備工程では、まず、繊維状炭素と分散媒とを混合し、繊維状炭素が分散した分散液を調製することが好ましい。
ここで、分散媒としては、繊維状炭素は、溶解せず又は溶解し難く、且つ、弾性材料は溶解しうる有機溶剤が挙げられる。例えば、弾性材料として、シリコーンゴムを用いる場合には、分散媒としては、酢酸ブチル、トルエン、へプタン、ベンゼン、アセトン等が挙げられる。
ここで、分散液中の繊維状炭素の含有量は、分散液の全質量に対して、10質量%以上40質量%以下(好ましくは、15質量%以上30質量%以下)であることが好ましい。
得られた分散液に対しては、高圧分散処理を施すことが好ましい。高圧分散処理を施すことにより、分散液中にて繊維状炭素がほぐれ個々に単離し、更に、分散液中の繊維状炭素の長さが調製される。
ここで、高圧分散処理の条件としては、繊維状炭素が個々に単離し、繊維状炭素の長さを目的の値に調整し得る条件であればよい。例えば、高圧分散処理としては、分散液の液温を30℃以上60℃以下とし、20MPa以上100MPa以下(好ましくは、40MPa以上80MPa以下)の圧力下で行うことが好ましい。
高圧分散処理には、例えば、高圧ホモジナイザーが用いられる。
なお、分散液中の繊維状炭素の長さは、1.5μm以上18μm以下(好ましくは、2μm以上15μm以下)程度に調整されることが好ましい。
ここで、分散液中の繊維状炭素の長さは、光学顕微鏡又は電子顕微鏡での観察により測定しうる。
分散液中の繊維状炭素の長さにより特定集合体の最大径を制御することができ、具体的には、繊維状炭素が長いほど、最大径の大きな集合体を製造しうる傾向がある。
前駆体液準備工程では、続いて、以上のようにして得られた分散液に、弾性材料を添加して前駆体液を調製する。
弾性材料の添加量は、前駆体液の全質量に対して、10質量%以上90質量%以下(好ましくは、15質量%以上60質量%以下)程度とすることが好ましい。
(特定集合体製造工程)
特定集合体製造工程では、前駆体液準備工程にて得られた前駆体液を、プラネタリーミキサーにて撹拌することで、その系中で特定集合体を製造する。
前駆体液をプラネタリーミキサーにより撹拌することで、前駆体液中にて個々に単離していた繊維状炭素が、徐々に絡み合って塊状になり、特定集合体が製造される。
ここで、プラネタリーミキサーによる撹拌条件としては、目的とする最大径の特定集合体が得られる条件であればよい。
例えば、撹拌条件としては、前駆体液の液温を25℃以上40℃以下とし、真空引きをしながら10分以上60分以下で行うことが好ましい。
撹拌条件により特定集合体の最大径を制御することができ、具体的には、プラネタリーミキサーによる撹拌時間が長いほど、最大径の大きな集合体を製造しうる傾向がある。
特定集合体製造工程では、前駆体液に含まれる繊維状炭素の全てが特定集合体となってもよく、特定集合体と共に、一部、特定集合体を形成していない繊維状炭素(即ち、互いに絡み合っていない繊維状炭素)が残っていてもよい。
以上のようにして、弾性材料と特定集合体とを含む混合液が得られる。
得られた混合液に対し、必要に応じて、その他の成分(互いに絡み合っていない繊維状炭素、添加剤等)を添加することで、弾性層形成用塗布液が得られる。また、得られた混合液は、有機溶剤により希釈し、塗布液の粘度等を調節してもよい。
〔離型層〕
本開示に係る定着ベルトは、弾性層上に離型層を有する。
離型層は、記録媒体と接触する側の面(外周面)に、定着時に溶融状態のトナー像が固着するのを抑制する役割を担う層である。
離型層は、例えば、耐熱性や離型性が求められる。この観点から、離型層を構成する材料には、耐熱性離型材料を用いることが好ましく、具体的には、フッ素ゴム、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、耐熱性離型材料としては、フッ素樹脂がよい。
フッ素樹脂として、具体的には、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)、フッ化ビニル(PVF)等が挙げられる。
離型層の弾性層側の面には表面処理を施してもよい。表面処理としては、湿式処理であっても乾式処理であってもよく、例えば、液体アンモニア処理、エキシマレーザ処理、プラズマ処理等が挙げられる。
離型層の厚さは、10μm以上100μm以下であることが好ましく、20μm以上50μm以下であることがより好ましい。
離型層の形成は公知の方法を適用すればよく、例えば、塗布法を適用してもよい。
また、チューブ状の離型層を予め準備し、これを弾性層の外周上に被覆させることで、離型層を形成してもよい。なお、チューブ状の離型層の内面に接着剤層(例えば、エポキシ基を有するシランカップリング剤を含む接着剤層)を形成した上で、外周上に被覆させてもよい。
本開示に係る定着ベルトの膜厚は、例えば、0.06mm以上0.90mm以下が好ましく、より好ましくは0.15mm以上0.70mm以下、更に好ましくは0.10mm以上0.60mm以下である。
〔定着ベルト部材の用途〕
本開示に係る定着ベルトは、例えば、加熱ベルト、加圧ベルトのいずれにも適用されるが、既述のように、熱源が定着ベルトの内側に存在し、定着ベルトを介してトナー像へ熱源からの熱が伝わる定着方式に適用されることが好ましい。
<定着装置>
本開示に係る定着装置としては、種々の構成があり、例えば、第1回転体と、第1回転体の外面に接して配置される第2回転体と、を備え、トナー像が表面に形成された記録媒体を第1回転体と第2回転体との接触部に挿通してトナー像を定着する定着装置が例示できる。そして、第1回転体及び第2回転体の少なくとも一方として、本開示に係る定着ベルトが適用される。また、本開示に係る定着装置は、本開示に係る定着ベルトが適用される第1回転体及び第2回転体の少なくとも一方は、その内側に熱源が存在することが好ましい。
以下に、本開示に係る定着装置の実施形態としては、本開示に係る定着ベルトが適用された加熱ベルトと加熱ロールとを備えた定着装置を説明する。
なお、本開示に係る定着装置は、上記実施形態に限られず、加熱ベルトと加圧ベルトとを備えた定着装置であってもよいし、加熱ロールと加圧ベルトとを備えた定着装置であってもよい。これらの定着装置では、本開示に係る定着ベルトは、加熱ベルト、及び加圧ベルトのいずれにも適用され得る。
(定着装置の実施形態)
定着装置の第1実施形態について図2を参照して説明する。図2は、定着装置の実施形態の一例(即ち、定着装置80)を示す概略図である。
定着装置80は、図2に示すように、例えば、加熱ベルト84(第1回転体の一例)を備える定着ベルトモジュール86と、加熱ベルト84(定着ベルトモジュール86)に押圧して配置された加圧ロール88(第2回転体の一例)とを含んで構成されている。そして、例えば、加熱ベルト84(定着ベルトモジュール86)と加圧ロール88との接触部には挟込領域N(ニップ部)が形成されている。挟込領域Nでは、用紙K(記録媒体の一例)が加圧及び加熱されトナー像が定着される。
定着ベルトモジュール86は、例えば、無端状の加熱ベルト84と、加圧ロール88側で加熱ベルト84が巻き掛けられ、モータ(不図示)の回転力で回転駆動すると共に加熱ベルト84をその内周面から加圧ロール88側へ押し付ける加熱押圧ロール89と、加熱押圧ロール89と異なる位置で内側から加熱ベルト84を支持する支持ロール90と、を備えている。
定着ベルトモジュール86は、例えば、加熱ベルト84の外側に配置されてその周回経路を規定する支持ロール92と、加熱押圧ロール89から支持ロール90までの加熱ベルト84の姿勢を矯正する姿勢矯正ロール94と、加熱ベルト84と加圧ロール88とで形成された挟込領域Nの下流側において加熱ベルト84に内周面から張力を付与する支持ロール98と、が設けられている。
そして、定着ベルトモジュール86は、例えば、加熱ベルト84と加熱押圧ロール89との間に、シート状の摺動部材82が介在するように設けられている。
摺動部材82は、例えば、その摺動面が加熱ベルト84の内周面と接するように設けられており、加熱ベルト84との間に存在するオイルの保持・供給に関与する。
ここで、摺動部材82は、例えば、その両端が支持部材96により支持された状態で設けられている。
加熱押圧ロール89の内部には、例えば、ハロゲンヒータ89A(熱源の一例)が設けられている。
支持ロール90は、例えば、アルミニウムで形成された円筒状ロールであり、内部にはハロゲンヒータ90A(熱源の一例)が配設されており、加熱ベルト84を内周面側から加熱するようになっている。
支持ロール90の両端部には、例えば、加熱ベルト84を外側に押圧するバネ部材(不図示)が配設されている。
支持ロール92は、例えば、アルミニウムで形成された円筒状ロールであり、支持ロール92の表面には厚さ20μmのフッ素樹脂からなる離型層が形成されている。
支持ロール92の離型層は、例えば、加熱ベルト84の外周面からのトナーや紙粉が支持ロール92に堆積するのを防止するために形成されるものである。
支持ロール92の内部には、例えば、ハロゲンヒータ92A(熱源の一例)が配設されており、加熱ベルト84を外周面側から加熱するようになっている。
つまり、例えば、加熱押圧ロール89と支持ロール90及び支持ロール92とによって、加熱ベルト84が加熱される構成となっている。
姿勢矯正ロール94は、例えば、アルミニウムで形成された円柱状ロールであり、姿勢矯正ロール94の近傍には、加熱ベルト84の端部位置を測定する端部位置測定機構(不図示)が配置されている。
姿勢矯正ロール94には、例えば、端部位置測定機構の測定結果に応じて加熱ベルト84の軸方向における当り位置を変位させる軸変位機構(不図示)が配設され、加熱ベルト84の蛇行を制御するように構成されている。
一方、加圧ロール88は、例えば、回転自在に支持されると共に、図示しないスプリング等の付勢手段によって加熱ベルト84が加熱押圧ロール89に巻き回された部位に押圧されて設けられている。これにより、定着ベルトモジュール86の加熱ベルト84(加熱押圧ロール89)が矢印S方向へ回転移動するのに伴って、加熱ベルト84(加熱押圧ロール89)に従動して加圧ロール88が矢印R方向に回転移動するようになっている。
そして、未定着トナー像(不図示)を有する用紙Kは、矢印P方向に搬送され、定着装置80の挟込領域Nに導かれる。そして、用紙Kが挟込領域Nを通過する際に、用紙K上の未定着トナー像は、挟込領域Nに作用する圧力と熱とによって定着される。
なお、定着装置80では、複数ある熱源の一例として、ハロゲンヒータ(ハロゲンランプ)を適用した形態を説明したが、これに限られず、ハロゲンヒータ以外の輻射ランプ発熱体(放射線(赤外線等)を発する発熱体)、抵抗発熱体(抵抗に電流を流すことによりジュール熱を発生させる発熱体:例えばセラミック基板に抵抗を有する膜を形成して焼成させたもの等)を適用してもよい。
<画像形成装置>
次に、本開示に係る画像形成装置について説明する。
本開示に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により、像保持体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、トナー像を記録媒体に定着する定着手段と、を備える。
そして、定着手段として、本開示に係る定着装置が適用される。
ここで、本開示に係る画像形成装置において、定着装置は、画像形成装置に着脱するようにカートリッジ化していてもよい。つまり、本開示に係る画像形成装置は、プロセスカートリッジの構成装置として、本開示に係る定着装置を備えてもよい。
以下、本開示に係る画像形成装置について図面を参照しつつ説明する。
図3は、本開示に係る画像形成装置の実施形態の一例を示した概略構成図である。
本開示に係る画像形成装置100は、図3に示すように、例えば、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kと、各画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10と、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー像を記録媒体である用紙Kに一括転写(二次転写)させる二次転写部20と、二次転写された画像を用紙K上に定着させる定着装置80と、を備えている。また、画像形成装置100は、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
この定着装置80が既述の本開示に係る定着装置の実施形態である。なお、画像形成装置100は、本開示に係る定着装置を備えていればよく、定着装置80に限定されるものではない。
画像形成装置100の各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、表面に形成されるトナー像を保持する像保持体の一例として、矢印A方向に回転する感光体11を備えている。
感光体11の周囲には、帯電手段の一例として、感光体11を帯電させる帯電器12が設けられ、潜像形成手段の一例として、感光体11上に静電潜像を書込むレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)が設けられている。
また、感光体11の周囲には、現像手段の一例として、各色成分トナーが収容されて感光体11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14が設けられ、感光体11上に形成された各色成分トナー像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16が設けられている。
更に、感光体11の周囲には、感光体11上の残留トナーが除去される感光体クリーナ17が設けられ、帯電器12、レーザ露光器13、現像器14、一次転写ロール16及び感光体クリーナ17の電子写真用デバイスが感光体11の回転方向に沿って順次配設されている。これらの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に、略直線状に配置されている。
中間転写体である中間転写ベルト15は、ポリイミド又はポリアミド等の樹脂をベース層としてカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたフィルム状の加圧ベルトで構成されている。そして、その体積抵抗率は10Ωcm以上1014Ωcm以下となるように形成されており、その厚さは、例えば、0.1mm程度に構成されている。
中間転写ベルト15は、各種ロールによって図3に示すB方向に目的に合わせた速度で循環駆動(回転)されている。この各種ロールとして、定速性に優れたモータ(不図示)により駆動されて中間転写ベルト15を回転させる駆動ロール31、各感光体11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を支持する支持ロール32、中間転写ベルト15に対して張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を防止する補正ロールとして機能する張力付与ロール33、二次転写部20に設けられる背面ロール25、及び、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニング背面ロール34を有している。
一次転写部10は、中間転写ベルト15を挟んで感光体11に対向して配置される一次転写ロール16で構成されている。一次転写ロール16は、芯体と、芯体の周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層と、で構成されている。芯体は、鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107.5Ωcm以上108.5Ωcm以下のスポンジ状の円筒ロールである。
そして、一次転写ロール16は中間転写ベルト15を挟んで感光体11に圧接配置され、更に一次転写ロール16にはトナーの帯電極性(マイナス極性とする。以下同様。)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上において重畳されたトナー像が形成されるようになっている。
二次転写部20は、背面ロール25と、中間転写ベルト15のトナー像保持面側に配置される二次転写ロール22と、を備えて構成されている。
背面ロール25は、表面がカーボンを分散したEPDMとNBRのブレンドゴムのチューブ、内部はEPDMゴムで構成されている。そして、その表面抵抗率が10Ω/□以上1010Ω/□以下となるように形成され、硬度は、例えば、70°(アスカーC:高分子計器社製、以下同様。)に設定される。この背面ロール25は、中間転写ベルト15の裏面側に配置されて二次転写ロール22の対向電極を構成し、二次転写バイアスが安定的に印加される金属製の給電ロール26が接触配置されている。
一方、二次転写ロール22は、芯体と、芯体の周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層と、で構成されている。芯体は鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107.5Ωcm以上108.5Ωcm以下のスポンジ状の円筒ロールである。
そして、二次転写ロール22は中間転写ベルト15を挟んで背面ロール25に圧接配置され、更に、二次転写ロール22は接地されて背面ロール25との間に二次転写バイアスが形成され、二次転写部20に搬送される用紙K上にトナー像を二次転写する。
また、中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーナ35が、中間転写ベルト15に対し接離自在に設けられている。
なお、中間転写ベルト15、一次転写部10(一次転写ロール16)、及び二次転写部20(二次転写ロール22)が、転写手段の一例に該当する。
一方、イエローの画像形成ユニット1Yの上流側には、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにおける画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配設されている。この基準センサ42は、中間転写ベルト15の裏側に設けられたマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは画像形成を開始するように構成されている。
また、黒の画像形成ユニット1Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設されている。
更に、本開示に係る画像形成装置では、用紙Kを搬送する搬送手段として、用紙Kを収容する用紙収容部50、この用紙収容部50に集積された用紙Kを予め定められたタイミングで取り出して搬送する給紙ロール51、給紙ロール51により繰り出された用紙Kを搬送する搬送ロール52、搬送ロール52により搬送された用紙Kを二次転写部20へと送り込む搬送ガイド53、二次転写ロール22により二次転写された後に搬送される用紙Kを定着装置60へと搬送する搬送ベルト55、及び、用紙Kを定着装置60に導く定着入口ガイド56を備えている。
次に、本開示に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。
本開示に係る画像形成装置では、図示しない画像読取装置や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置により画像処理が施された後、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって作像作業が実行される。
画像処理装置では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各々の感光体11に照射している。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各感光体11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって、Y、M、C、Kの各色のトナー像として現像される。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの感光体11上に形成されたトナー像は、各感光体11と中間転写ベルト15とが接触する一次転写部10において、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、一次転写部10において、一次転写ロール16により中間転写ベルト15の基材に対しトナーの帯電極性(マイナス極性)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が付加され、トナー像を中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせて一次転写が行われる。
トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次一次転写された後、中間転写ベルト15は移動してトナー像が二次転写部20に搬送される。トナー像が二次転写部20に搬送されると、搬送手段では、トナー像が二次転写部20に搬送されるタイミングに合わせて給紙ロール51が回転し、用紙収容部50から目的とするサイズの用紙Kが供給される。給紙ロール51により供給された用紙Kは、搬送ロール52により搬送され、搬送ガイド53を経て二次転写部20に到達する。この二次転写部20に到達する前に、用紙Kは一旦停止され、トナー像が保持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせて位置合わせロール(不図示)が回転することで、用紙Kの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。
二次転写部20では、中間転写ベルト15を介して、二次転写ロール22が背面ロール25に加圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Kは、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。その際に、給電ロール26からトナーの帯電極性(マイナス極性)と同極性の電圧(二次転写バイアス)が印加されると、二次転写ロール22と背面ロール25との間に転写電界が形成される。そして、中間転写ベルト15上に保持された未定着トナー像は、二次転写ロール22と背面ロール25とによって加圧される二次転写部20において、用紙K上に一括して静電転写される。
その後、トナー像が静電転写された用紙Kは、二次転写ロール22によって中間転写ベルト15から剥離された状態でそのまま搬送され、二次転写ロール22の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55へと搬送される。搬送ベルト55は、定着装置60における最適な搬送速度に合わせて、用紙Kを定着装置60まで搬送する。定着装置60に搬送された用紙K上の未定着トナー像は、定着装置60によって熱及び圧力で定着処理を受けることで用紙K上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Kは、画像形成装置の排出部に設けられた排紙収容部(不図示)に搬送される。
一方、用紙Kへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回転に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニング背面ロール34及び中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
以上、本実施形態について説明したが、上記実施の形態に限定的に解釈されるものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(基材層の形成)
N-メチル-2-ピロリドン(NMP)と、カーボンナノチューブ(昭和電工株式会社製)と、を、質量比にて、95:5にて混合して分散液(以下、「CNT5%分散液」ともいう)を調製した。得られた分散液に対して、高圧ホモジナイザー(三丸機械工業株式会社製HC3)にて高圧分散処理(条件:液温45℃、50MPa、バルブ通過回数(パス回数):5回)を施した。
続いて、高圧分散処理後の分散液100質量部に対して、ポリアミック酸溶液(ユニチカ株式会社製:TX-HMM(ポリイミドワニス)、固形分濃度:18質量%、溶媒:NMP)を528質量部添加して前駆体液を調製した。得られた前駆体液をプラネタリーミキサー(株式会社愛工舎製作所社製ACM-5LVT)にて、条件:液温30℃、真空引きしながら15分間で攪拌した。
以上により、固形分中に、複数のカーボンナノチューブが互いに絡み合ってなる集合体(即ち、特定集合体)を、5質量%で含む基材層形成用塗布液を得た。
次に、得られた基材層形成用塗布液を、円筒状金型上に塗布して塗膜を形成し、その塗膜を380℃で焼成することで、膜厚80μmのシームレスベルト状の基材層を形成した。
(弾性層の形成)
酢酸ブチルと、カーボンナノチューブ(昭和電工株式会社製)と、を、質量比にて、85:15にて混合して分散液(以下、「CNT15%分散液」ともいう)を調製した。得られた分散液に対して、高圧ホモジナイザー(三丸機械工業株式会社製HC3)にて高圧分散処理(条件:液温45℃、50MPa、バルブ通過回数(パス回数):3回)を施した。
続いて、高圧分散処理後の分散液50質量部に対して、シリコーンゴム原液(信越化学工業社製X-34-1053、固形分濃度:60質量%、溶媒:酢酸ブチル)を50質量部添加して前駆体液を調製した。得られた前駆体液をプラネタリーミキサー(株式会社愛工舎製作所社製ACM-5LVT)にて、条件:液温30℃、真空引きしながら10分間攪拌した。
以上により、固形分中に、複数のカーボンナノチューブが互いに絡み合ってなる集合体(即ち、特定集合体)を、20質量%で含む弾性層形成用塗布液を得た。
次に、得られた弾性層形成用塗布液を、基材層上に塗布して塗膜を形成し、その塗膜を100℃で30分間加熱することで、膜厚450μmの弾性層を形成した。
(離型層の形成)
膜厚35μmのPFA製チューブ(グンゼ株式会社製)を、弾性層の上に被せ、200℃で120分間加熱し、フッ素樹脂チューブからなる離型層を形成した。
以上の工程を経て、定着ベルトを得た。
<実施例2~5>
基材層及び弾性層の形成方法を以下の方法に変えた以外は、実施例1と同様にして、定着ベルトを作製した。
即ち、実施例1の基材層の形成において、CNT5%分散液の高圧分散処理のパス回数と、前駆体液のプラネタリーミキサーによる撹拌時間と、を適宜以下のようにした以外は、実施例1と同様にして、基材層を形成した。
・実施例2:CNT5%分散液の高圧分散処理のパス回数3回、前駆体液のプラネタリーミキサーによる撹拌時間40分間
・実施例3:CNT5%分散液の高圧分散処理のパス回数8回、前駆体液のプラネタリーミキサーによる撹拌時間10分間
・実施例4:CNT5%分散液の高圧分散処理のパス回数5回、前駆体液のプラネタリーミキサーによる撹拌時間15分間
・実施例5:CNT5%分散液の高圧分散処理のパス回数5回、前駆体液のプラネタリーミキサーによる撹拌時間15分間
また、実施例1の弾性層の形成において、CNT15%分散液の高圧分散処理のパス回と、前駆体液のプラネタリーミキサーによる撹拌時間と、を適宜以下のようにした以外は、実施例1と同様にして、弾性層を形成した。
・実施例2:CNT15%分散液の高圧分散処理のパス回数3回、前駆体液のプラネタリーミキサーによる撹拌時間10分間
・実施例3:CNT15%分散液の高圧分散処理のパス回数3回、前駆体液のプラネタリーミキサーによる撹拌時間10分間
・実施例4:CNT15%分散液の高圧分散処理のパス回数2回、前駆体液のプラネタリーミキサーによる撹拌時間60分間
・実施例5:CNT15%分散液の高圧分散処理のパス回数3回、前駆体液のプラネタリーミキサーによる撹拌時間8分間
<実施例6~10>
基材層及び弾性層の形成方法を以下の方法に変えた以外は、実施例1と同様にして、定着ベルトを作製した。
即ち、実施例1の基材層の形成において、高圧分散処理後のCNT5%分散液の量と、ポリアミック酸溶液の量と、を適宜以下のようにした以外は、実施例1と同様にして、弾性層を形成した。
・実施例6:高圧分散処理後のCNT5%分散液1質量部、ポリアミック酸溶液280質量部
・実施例7:高圧分散処理後のCNT5%分散液100質量部、ポリアミック酸溶液250質量部
・実施例8:高圧分散処理後のCNT5%分散液1質量部、ポリアミック酸溶液280質量部
・実施例9:高圧分散処理後のCNT5%分散液100質量部、ポリアミック酸溶液111.1質量部
・実施例10:高圧分散処理後のCNT5%分散液100質量部、ポリアミック酸溶液98.5質量部
また、実施例1の弾性層の形成において、高圧分散処理後のCNT15%分散液の量と、シリコーンゴム原液の量と、を適宜以下のようにした以外は、実施例1と同様にして、弾性層を形成した。
・実施例6:高圧分散処理後のCNT15%分散液0.4質量部、シリコーンゴム原液99.6質量部
・実施例7:高圧分散処理後のCNT15%分散液0.4質量部、シリコーンゴム原液99.6質量部
・実施例8:高圧分散処理後のCNT15%分散液50質量部、シリコーンゴム原液50質量部
・実施例9:高圧分散処理後のCNT15%分散液72.8質量部、シリコーンゴム原液27.3質量部
・実施例10:高圧分散処理後のCNT15%分散液76.58質量部、シリコーンゴム原液23.4質量部
<実施例11~17>
基材層及び弾性層の形成方法を以下の方法に変えた以外は、実施例1と同様にして、定着ベルトを作製した。
即ち、実施例1の基材層の形成において、高圧分散処理後のCNT5%分散液の量と、ポリアミック酸溶液の量と、を適宜以下のようにした前駆体液を調製し、次いで、前駆体液をプラネタリーミキサーで撹拌した後、実施例1で用いたCNT5%分散液を、以下の量で添加した後、更に、プラネタリーミキサーで、条件:液温30℃、常圧で1分間撹拌した塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして、基材層を形成した。
・実施例11:高圧分散処理後のCNT5%分散液100質量部、ポリアミック酸溶液704質量部、CNT5%分散液33.3質量部
・実施例12:高圧分散処理後のCNT5%分散液33.3質量部、ポリアミック酸溶液704質量部、CNT5%分散液100質量部
・実施例13:高圧分散処理後のCNT5%分散液66.6質量部、ポリアミック酸溶液704質量部、CNT5%分散液66.6質量部
・実施例14:高圧分散処理後のCNT5%分散液126.6質量部、ポリアミック酸溶液704質量部、CNT5%分散液6.6質量部
・実施例15:高圧分散処理後のCNT5%分散液100質量部、ポリアミック酸溶液704質量部、CNT5%分散液33.3質量部
・実施例16:高圧分散処理後のCNT5%分散液100質量部、ポリアミック酸溶液704質量部、CNT5%分散液33.3質量部
・実施例17:高圧分散処理後のCNT5%分散液100質量部、ポリアミック酸溶液704質量部、CNT5%分散液33.3質量部
また、実施例1の弾性層の形成において、高圧分散処理後のCNT15%分散液の量と、シリコーンゴム原液の量と、を適宜以下のようにした前駆体液を調製し、次いで、前駆体液をプラネタリーミキサーで撹拌した後、実施例1で用いたCNT15%分散液を、以下の量で添加した後、更に、プラネタリーミキサーで、条件:液温30℃、常圧で1分間撹拌した塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして、弾性層を形成した。
・実施例11:高圧分散処理後のCNT15%分散液33.15質量部、シリコーンゴム原液65質量部、CNT15%分散液1.48質量部
・実施例12:高圧分散処理後のCNT15%分散液33.15質量部、シリコーンゴム原液65質量部、CNT15%分散液1.48質量部
・実施例13:高圧分散処理後のCNT15%分散液33.15質量部、シリコーンゴム原液65質量部、CNT15%分散液1.48質量部
・実施例14:高圧分散処理後のCNT15%分散液33.15質量部、シリコーンゴム原液65質量部、CNT15%分散液1.48質量部
・実施例15:高圧分散処理後のCNT15%分散液1.48質量部、シリコーンゴム原液65質量部、CNT15%分散液33.15質量部
・実施例16:高圧分散処理後のCNT15%分散液21.2質量部、シリコーンゴム原液65質量部、CNT15%分散液1.42質量部
・実施例17:高圧分散処理後のCNT15%分散液43.45質量部、シリコーンゴム原液65質量部、CNT15%分散液1.51質量部
<比較例1>
基材層及び弾性層の形成方法をそれぞれ以下の方法に変えた以外は、実施例1と同様にして、定着ベルトを作製した。
(基材層の形成)
即ち、実施例1の基材層の形成において用いた高圧分散処理をしない分散液(CNT5%分散液)を用い、分散液100質量部に対して、ポリアミック酸溶液(ユニチカ株式会社製:TX-HMM(ポリイミドワニス)、固形分濃度:18質量%、溶媒:NMP)を250質量部添加し、プラネタリーミキサー(条件:液温30℃、1分間)で混合して基材層形成用塗布液を得た。この基材層形成用塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして、基材層を形成した。
(弾性層の形成)
即ち、実施例1の弾性層の形成において用いた高圧分散処理をしない分散液(CNT15%分散液)を用い、分散液50質量部に対して、シリコーンゴム原液(信越化学工業社製X-34-1053、固形分濃度:60質量%、溶媒:酢酸ブチル)を50質量部添加し、プラネタリーミキサー(条件:液温30℃、1分間)で混合して弾性層形成用塗布液を得た。この弾性層形成用塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして、基材層上に弾性層を形成した。
<比較例2>
基材層及び弾性層の形成方法をそれぞれ以下の方法に変えた以外は、実施例1と同様にして、定着ベルトを作製した。
(基材層の形成)
ポリアミック酸溶液(ユニチカ株式会社製:TX-HMM(ポリイミドワニス))をそのまま基材層形成用塗布液として用いた以外は、実施例1と同様にして、基材層を形成した。
(弾性層の形成)
シリコーンゴム原液(信越化学工業社製X-34-1053)をそのまま弾性層形成用塗布液として用いた以外は、実施例1と同様にして、基材層上に弾性層を形成した。
<比較例3>
基材層及び弾性層の形成方法をそれぞれ以下の方法に変えた以外は、実施例1と同様にして、定着ベルトを作製した。
(基材層の形成)
実施例1の基材層の形成にて得られた高圧分散処理後の分散液を用い、高圧分散処理後の分散液100質量部に対して、ポリアミック酸溶液(ユニチカ株式会社製:TX-HMM(ポリイミドワニス)、固形分濃度:18質量%、溶媒:NMP)を250質量部添加して前駆体液を調製した。得られた前駆体液をプラネタリーミキサー(株式会社愛工舎製作所社製ACM-5LVT)にて、条件:液温30℃、真空引きしながら70分間攪拌した。
以上により、固形分中、複数のカーボンナノチューブが互いに絡み合ってなる集合体(即ち、特定集合体)を、10質量%で含む基材層形成用塗布液を得た。
次に、得られた基材層形成用塗布液を、円筒状金型上に塗布して塗膜を形成し、その塗膜を380℃で焼成することで、膜厚80μmのシームレスベルト状の基材層を形成した。
(弾性層の形成)
即ち、実施例1の弾性層の形成にて得られた高圧分散処理後の分散液を用い、高圧分散処理後の分散液50質量部に対して、シリコーンゴム原液(信越化学工業社製X-34-1053、固形分濃度:60質量%、溶媒:酢酸ブチル)を60質量部添加して前駆体液を調製した。得られた前駆体液をプラネタリーミキサー(株式会社愛工舎製作所社製ACM-5LVT)にて、条件:液温30℃、真空引きで80分間攪拌した。
以上により、固形分中に、複数のカーボンナノチューブが互いに絡み合ってなる集合体(即ち、特定集合体)を、20質量%で含む弾性層形成用塗布液を得た。
次に、得られた弾性層形成用塗布液を、基材層上に塗布して塗膜を形成し、その塗膜を100℃で30分間加熱することで、膜厚450μmの弾性層を形成した。
<定着ベルトの耐久性の評価>
各例で得られた定着ベルトを、熱源が定着ベルトの内側に存在し、定着ベルトを介してトナー像へ熱源からの熱が伝わる定着方式を採用した画像形成装置(富士ゼロックス社製:Versant 3100i Press)の定着装置に装着した。
この画像形成装置を用いて、A4用紙(富士フイルムビジネスイノベーション株式会社製P紙)に対してCin50%のハーフトーン画像を100ppm(1分間当たり100枚)の出力速度(印刷速度)で連続出力した。
印刷10万枚ごとに、離型層のシワに起因する画像ディフェクト(画像欠陥)の有無を確認し、また、定着ベルトが破断し、走行停止(装置停止)するまでの出力枚数を確認し、定着ベルトの耐久性(即ち、寿命)を評価した。
ここで、離型層のシワは、ベルトと駆動部材との摺動抵抗が次第に高まること(即ち、トルクが上昇することで)で生じるものであって、ベルト破断を引き起こす要因の1つである。そのため、印刷を継続しても、離型層のシワに起因する画像ディフェクトの発生が遅いほど、定着ベルトの耐久性に優れるともいえる。
定着ベルトの耐久性は、以下の基準で評価した。
-画像ディフェクト-
A(◎):30万枚時点で、画像ディフェクト発生せず。
B(〇):20万枚時点では画像ディフェクト発生せず、30万枚時点で画像ディフェクトが確認された。
C(△):10万枚時点では画像ディフェクト発生せず、20万枚時点で画像ディフェクトが確認された。
D(×):10万枚時点で画像ディフェクトが確認された。
-ベルト破断-
A(◎):30万枚まで、定着ベルトの破断が見られなかった(走行停止しなかった)。
B(〇):20万枚以上30万枚未満で、定着ベルトの破断が見られた。
C(△):10万枚以上20万枚未満で、定着ベルトの破断が見られた。
D(×):10万枚未満で、定着ベルトの破断が見られた。
Figure 2022181639000003
上記結果から、本実施例の定着ベルトは、比較例の定着ベルトに比べ、定着ベルトの耐久性が高く、長寿命であることが分かる。
80 定着装置
82 摺動部材
84 加熱ベルト
86 定着ベルトモジュール
88 加圧ロール
89A ハロゲンヒータ
89 加熱押圧ロール
90A ハロゲンヒータ
90 支持ロール
92A ハロゲンヒータ
92 支持ロール
94 姿勢矯正ロール
96 支持部材
98 支持ロール
100 画像形成装置
110 定着ベルト
110A 基材
110B 弾性層
110C 離型層

Claims (11)

  1. 樹脂を含む基材層、弾性材料を含む弾性層、及び離型層をこの順に有し、
    前記基材層及び前記弾性層が、それぞれ、複数の繊維状炭素が互いに絡み合ってなる集合体を更に含み、
    前記基材層における前記集合体の最大径が当該基材層膜厚の50%以下であり、
    前記弾性層における前記集合体の最大径が当該弾性層膜厚の15%以下である、定着ベルト。
  2. 前記基材層及び前記弾性層が、それぞれ、互いに絡み合っていない繊維状炭素を更に含む請求項1に記載の定着ベルト。
  3. 前記基材層及び前記弾性層は、それぞれ、前記集合体の含有量Aと前記互いに絡み合っていない繊維状炭素の含有量Bとが、質量基準にて、A≧Bの関係を満たす、請求項2に記載の定着ベルト。
  4. 前記基材層及び前記弾性層は、それぞれ、前記集合体の含有量Aと前記互いに絡み合っていない繊維状炭素の含有量Bとの総量に対する、前記集合体の含有量Aの比(A/(A+B))が、質量基準にて、0.50以上0.95以下である、請求項2又は請求項3に記載の定着ベルト。
  5. 前記基材層に含まれる前記集合体の含有量A1が、前記基材層の全質量に対して、0.1質量%以上20質量%以下である、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の定着ベルト。
  6. 前記弾性層に含まれる前記集合体の含有量A2が、前記弾性層の全質量に対して、0.1質量%以上40質量%以下である、請求項1~請求項5に記載の定着ベルト。
  7. 前記基材層に含まれる前記集合体の含有量A1と、前記弾性層に含まれる前記集合体の全質量A2とが、質量基準にて、A1≦A2の関係を満たす、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の定着ベルト。
  8. 前記集合体の含有量A1が、前記基材層の全質量に対して、0.1質量%以上20質量%以下であり、且つ、前記集合体の含有量A2が、前記弾性層の全質量に対して、0.1質量%以上40質量%以下である、請求項7に記載の定着ベルト。
  9. 前記繊維状炭素がカーボンナノチューブである請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の定着ベルト。
  10. 第1回転体と、前記第1回転体の外面に接触して配置される第2回転体と、を備え、
    前記第1回転体及び前記第2回転体の少なくとも一方が、請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の定着ベルトであり、
    トナー像が表面に形成された記録媒体を前記第1回転体と前記第2回転体との接触部に挿通して前記トナー像を定着する定着装置。
  11. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    トナーを含む現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    前記トナー像を前記記録媒体に定着する、請求項10に記載の定着装置から構成される定着手段と、
    を備える画像形成装置。
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