JP7434959B2 - ベルト、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

ベルト、定着装置及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7434959B2
JP7434959B2 JP2020016598A JP2020016598A JP7434959B2 JP 7434959 B2 JP7434959 B2 JP 7434959B2 JP 2020016598 A JP2020016598 A JP 2020016598A JP 2020016598 A JP2020016598 A JP 2020016598A JP 7434959 B2 JP7434959 B2 JP 7434959B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
siloxane
belt
resin
roll
modified
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020016598A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021124559A (ja
Inventor
裕祐 渡辺
智雄 松嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd, Fujifilm Business Innovation Corp filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2020016598A priority Critical patent/JP7434959B2/ja
Publication of JP2021124559A publication Critical patent/JP2021124559A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7434959B2 publication Critical patent/JP7434959B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Electrophotography Configuration And Component (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、ベルト、定着装置及び画像形成装置に関する。
特許文献1には、「シロキサン変性ポリエーテルイミド、シロキサン変性ポリエーテルイミド以外のポリエーテルイミド、及び導電剤を含み、表層部における前記シロキサン変性ポリエーテルイミド及び前記シロキサン変性ポリエーテルイミド以外のポリエーテルイミドの合計含有量に対する前記シロキサン変性ポリエーテルイミドの含有量が40質量%以上である管状体」が開示されている。
特許文献2には、「記録体と接触する表面層が、少なくともシロキサン変性ポリイミド樹脂を含有することを特徴とする定着用部材」が開示されている。
特許文献3には、「シリコン含有繰り返し単位のモル含有率が0.1/100~15/100であるシリコン変性ポリイミドを含む半導電性ポリイミドベルトであって、前記ベルトの引張弾性率が2000MPa以上、ベルト外面の摩擦係数が0.4未満であり、ベルト内面と外面の摩擦係数の比(内面/外面比)が、1.1以上である半導電性ポリイミドベルト」が開示されている。
特開2017-146503号公報 特開2000-056602号公報 特開2008-197365号公報
従来のポリイミドのみを含む樹脂層を有するベルトでは、経時的に摺動抵抗が上昇することがあった。本発明では、少なくとも摺動部材と摺動する側の最表層にポリイミド及びシロキサン変性樹脂を含む樹脂層を最表層に有するベルトにおいて、
「前記シロキサン変性樹脂中のシロキサン構造のモル量の比率が20モル%未満である場合」、又は、
「前記最表層の全体MALLに対するシロキサン構造のモル量Mの比率(M/MALL)が10モル%未満若しくは40モル%超えである場合」
に比べて、摺動部材に対する経時的な摺動抵抗の上昇及び経時での摩耗が抑制されるベルトを提供することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段には、下記の態様が含まれる。
[1] 少なくとも摺動部材と摺動する側の最表層に、ポリイミド及びシロキサン変性樹脂を含む樹脂層を有し、前記シロキサン変性樹脂中のシロキサン構造のモル量の比率が20モル%以上である、ベルト。
[2] 前記シロキサン変性樹脂中のシロキサン構造のモル量の比率が20モル%以上50モル%以下である、[1]に記載のベルト。
[3] 少なくとも摺動部材と摺動する側の最表層に、ポリイミド及びシロキサン変性樹脂を含む樹脂層を有し、前記最表層の全体MALLに対するシロキサン構造のモル量Mの比率(M/MALL)が10モル%以上40モル%以下である、ベルト。
[4] 前記最表層の全体MALLに対するシロキサン構造のモル量Mの比率(M/MALL)が15モル%以上40モル%以下である、[3]に記載のベルト。
[5] 前記シロキサン変性樹脂は、シロキサン変性ポリイミド、シロキサン変性ポリカーボネート及びシロキサン変性ポリエーテルイミドからなる群より選択される少なくとも1種を含む、[1]~[4]のいずれか1つに記載のベルト。
[6] 前記シロキサン変性樹脂は、シロキサン変性ポリエーテルイミドを含む、[5]に記載のベルト。
[7] [1]~[6]のいずれか1つに記載のベルトと、
前記ベルトの内周面に設けられ、前記ベルトと摺動する摺動部材と、
前記ベルトと前記摺動部材との間に介在するオイルと、
を備える、定着装置。
[8] 前記オイルがケイ素含有オイルを含む、[7]に記載の定着装置。
[9] 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
前記像保持体の表面の潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体に転写させる転写手段と、
前記記録媒体に転写された前記トナー像を定着する定着手段であって、[8]に記載の定着装置である定着手段と、
を備えた画像形成装置。
[1]に係る発明によれば、少なくとも摺動部材と摺動する側の最表層にポリイミド及びシロキサン変性樹脂を含む樹脂層を最表層に有するベルトにおいて、前記シロキサン変性樹脂中のシロキサン構造のモル量の比率が20モル%未満である場合に比べて、摺動部材に対する経時的な摺動抵抗の上昇及び経時での摩耗が抑制されるベルトが提供される。
[2]に係る発明によれば、前記シロキサン変性樹脂中のシロキサン構造のモル量の比率が20モル%未満又は50モル%超えである場合に比べて、摺動部材に対する経時的な摺動抵抗の上昇及び経時での摩耗がより抑制されるベルトが提供される。
[3]に係る発明によれば、少なくとも摺動部材と摺動する側の最表層にポリイミド及びシロキサン変性樹脂を含む樹脂層を有するベルトにおいて、前記最表層の全体MALLに対するシロキサン構造のモル量Mの比率(M/MALL)が10モル%未満又は40モル%超えである場合に比べて、摺動部材に対する経時的な摺動抵抗の上昇及び経時での摩耗がより抑制されるベルトが提供される。
[4]に係る発明によれば、前記最表層の全体MALLに対するシロキサン構造のモル量Mの比率(M/MALL)が15モル%未満又は40モル%超えである場合に比べて、摺動部材に対する経時的な摺動抵抗の上昇及び経時での摩耗がより抑制されるベルトが提供される。
[5]に係る発明によれば、前記シロキサン変性樹脂が、シロキサン変性ポリイミド、シロキサン変性ポリカーボネート及びシロキサン変性ポリエーテルイミド以外のシロキサン変性樹脂である場合に比べて、摺動部材に対する経時的な摺動抵抗の上昇及び経時での摩耗がより抑制されるベルトが提供される。
[6]に係る発明によれば、前記シロキサン変性樹脂が、シロキサン変性ポリカーボネートである場合に比べて、摺動部材に対する経時的な摺動抵抗の上昇及び経時での摩耗がより抑制されるベルトが提供される。
[7]に係る発明によれば、少なくとも摺動部材と摺動する側の最表層にポリイミド及びシロキサン変性樹脂を含む樹脂層を有するベルトと、前記摺動部材と、前記オイルと、を備える定着装置において、「前記ベルトにおける前記シロキサン変性樹脂中のシロキサン構造のモル量の比率が20モル%未満である場合」又は「前記ベルトにおける前記最表層の全体MALLに対するシロキサン構造のモル量Mの比率(M/MALL)が10モル%未満若しくは40モル%超えである場合」に比べて、摺動部材に対する経時的な摺動抵抗の上昇及び経時での摩耗が抑制されるベルトを備えた定着装置が提供される。
[8]に係る発明によれば、前記オイルがフッ素含有オイルである場合に比べて、摺動部材に対する経時的な摺動抵抗の上昇及び経時での摩耗がより抑制されるベルトを備えた定着装置が提供される。
[9]に係る発明によれば、少なくとも摺動部材と摺動する側の最表層にポリイミド及びシロキサン変性樹脂を含む樹脂層を最表層に有するベルトと、前記摺動部材と、前記オイルと、を有する定着装置を備える画像形成装置において、「前記ベルトにおける前記シロキサン変性樹脂中のシロキサン構造のモル量の比率が20モル%未満である場合」又は「前記ベルトにおける前記最表層の全体MALLに対するシロキサン構造のモル量Mの比率(M/MALL)が10モル%未満若しくは40モル%超えである場合」に比べて、摺動部材に対する経時的な摺動抵抗の上昇及び経時での摩耗が抑制されるベルトを備えた画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る定着装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る定着装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
以下に、本発明の実施形態について説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、実施形態の範囲を制限するものではない。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。
本明細書において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
-ベルト-
第一の実施形態に係るベルトは、少なくとも摺動部材と摺動する側の最表層に、ポリイミド及びシロキサン変性樹脂を含む樹脂層を有し、前記シロキサン変性樹脂中のシロキサン構造のモル量の比率が20モル%以上である。
第二の実施形態に係るベルトは、少なくとも摺動部材と摺動する側の最表層に、ポリイミド及びシロキサン変性樹脂を含む樹脂層を有し、前記最表層の全体MALLに対するシロキサン構造のモル量Mの比率(M/MALL)が10モル%以上40モル%以下である。
以下、第一の実施形態に係るベルトと第二の実施形態に係るベルトとを合わせて、「本実施形態に係るベルト」とも称す。
ベルトは、例えば、その内周面から摺動部材により摺動されつつ、回転する。このとき、ベルトの最表層(摺動面)が、ポリイミドのみを含む樹脂層である場合、最表層と接触部材との間の摩擦が高まり、摺動部材に対する経時的に摺動抵抗が上昇する傾向にあった。摺動部材に対する摺動抵抗が経時的に上昇及び経時で摩耗すると、継続的な定着性が低下し易くなる。
一方、本実施形態に係るベルトは、上記構成をそれぞれ有することにより、摺動部材に対する経時的な摺動抵抗の上昇及び経時での摩耗を抑制することができる。この要因は必ずしも明らかではないが、以下のように推定することができる。
本実施形態に係るベルトは、最表層がポリイミドとシロキサン変性樹脂とを含む樹脂層である。シロキサン変性樹脂は、ポリイミドに比べ、摺動部材に対する摺動抵抗が小さい性質を有する。また、シロキサン変性樹脂は、ポリイミドとの相溶性が高い傾向にある。そのため、「シロキサン変性樹脂中のシロキサン構造のモル量の比率が20モル%以上であるシロキサン変性樹脂とポリイミドとを含む樹脂層を最表層とするベルト」、又は、「最表層の全体MALLに対するシロキサン構造のモル量Mの比率(M/MALL)が10モル%以上40モル%以下である樹脂層を最表層とするベルト」とすることで、摺動部材と接触する側の最表層(つまりベルトの摺動面)での、摺動部材に対する摺動抵抗にムラが少なく、且つ、前記摺動抵抗が小さく維持され易くなる傾向にある。その結果、摺動部材に対する経時的な摺動抵抗の上昇及び経時での摩耗が抑制されると考えられる。
≪最表層≫
本実施形態に係るベルトは、少なくとも摺動部材と摺動する側の最表層に、ポリイミド及びシロキサン変性樹脂を含む樹脂層を有する。本実施形態に係るベルトは、最表層以外の層として樹脂層を有していてもよく、樹脂層のみからなる層構成であってもよい。
第一の実施形態に係るベルトは、摺動部材に対する経時的な摺動抵抗の上昇及び経時での摩耗をより抑制する観点から、最表層の全体MALLに対するシロキサン構造のモル量Mの比率(M/MALL)が10モル%以上40モル%以下であることが好ましく、15モル%以上40モル%以下であることがより好ましい。
第二の実施形態に係るベルトは、最表層の全体MALLに対するシロキサン構造のモル量Mの比率(M/MALL)が10モル%以上40モル%以下であり、摺動部材に対する経時的な摺動抵抗の上昇及び経時での摩耗をより抑制する観点から、15モル%以上40モル%以下であることが好ましい。
最表層の全体MALLに対するシロキサン構造のモル量Mの比率(M/MALL)を、上記範囲とする手法は特に制限されないが、例えば、シロキサン変性樹脂における、シロキサン変性用の材料(シリコーン樹脂等)と変性対象の樹脂又はその単量体とを反応させる際の配合比を調整する手法;最表層におけるポリイミドとシロキサン変性樹脂との配合比を調整する手法などが挙げられる。
シロキサン構造のモル量Mの比率(M/MALL)は、以下のようにして求めることができる。
(1)最表層(つまり、樹脂層)を100mg切り取り、試験片とする。
(2)試験片を重水素化クロロホルムに溶解させ、溶出物と溶出残渣の重量比と、溶出物に対するNMR測定することにより、最表層の全体のモル量MALL及びシロキサン構造のモル量Mを求める。
(3)得られた結果から、最表層の全体MALLに対するシロキサン構造のモル量Mの比率(=M/MALL)を求める。
[ポリイミド]
本実施形態に係るベルトは、ポリイミドを樹脂層に含む。
ポリイミドは、少なくともイミド結合を有する構成単位を含む重合体を意味する。ポリイミドは、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ポリイミドとしては、例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との重合体であるポリアミック酸(以下、「ポリイミド前駆体」とも称す。)をイミド化したイミド化物が挙げられる。
テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物、ペリレン-3,4,9,10-テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
ジアミン化合物としては、例えば、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジクロロベンジジン、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、1,5-ジアミノナフタレン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、3,3’-ジメチル4,4’-ビフェニルジアミン、ベンジジン、3,3’-ジメチルベンジジン、3,3’-ジメトキシベンジジン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルプロパン、2,4-ビス(β-アミノ第三ブチル)トルエン、ビス(p-β-アミノ-第三ブチルフェニル)エーテル、ビス(p-β-メチル-δ-アミノフェニル)ベンゼン、ビス-p-(1,1-ジメチル-5-アミノ-ペンチル)ベンゼン、1-イソプロピル-2,4-m-フェニレンジアミン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、ジ(p-アミノシクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ジアミノプロピルテトラメチレン、3-メチルヘプタメチレンジアミン、4,4-ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11-ジアミノドデカン、1,2-ビス-3-アミノプロボキシエタン、2,2-ジメチルプロピレンジアミン、3-メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5-ジメチルヘプタメチレンジアミン、3-メチルヘプタメチレンジアミン、5-メチルノナメチレンジアミン、2,17-ジアミノエイコサデカン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,10-ジアミノ-1,10-ジメチルデカン、12-ジアミノオクタデカン、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ピペラジン、HN(CHO(CHO(CH)NH、HN(CHS(CHNH、HN(CHN(CH(CHNH等が挙げられる。
ポリイミドは、例えば、下記一般式(I)で表される構成単位を有する重合体であってもよい。
一般式(I)中、Rは4価の有機基を表す。
4価の有機基としては、芳香族基、脂肪族基、環状脂肪族基、芳香族基と脂肪族基とを組み合わせた基、又は、これらが置換された基(より具体的には、先述のテトラカルボン酸二無水物の残基等)が挙げられる。
一般式(I)中、Rは2価の有機基を表す。
2価の有機基としては、芳香族基、脂肪族基、環状脂肪族基、芳香族基と脂肪族基とを組み合わせた基、又は、これらが置換された基(より具体的には先述のジアミン化合物の残基等)が挙げられる。
ポリイミド前駆体の数平均分子量(Mn)は、5000以上100,000以下であることが好ましく、10,000以上100,000以下であることがより好ましい。
数平均分子量(Mn)は以下の方法により測定することができる。
数平均分子量は、測定装置として東ソー製GPC・HLC-8120GPCを用い、下記測定条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法により測定される。
・カラム:東ソー製 TSKgel α-M(7.8mm I.D×30cm)
・溶離液:DMF(ジメチルホルムアミド)/30mMLiBr/60mMリン酸
・流速:0.6mL/min
・注入量:60μL
・検出器:RI(示差屈折率検出器)
[シロキサン変性樹脂]
本実施形態に係るベルトは、シロキサン変性樹脂を樹脂層に含む。
シロキサン変性樹脂とは、樹脂における主鎖及び側鎖の少なくとも一方の一部をシロキサン構造に置き換えた(つまり、シロキサン変性した)重合体のことを意味する。
樹脂をシロキサン変性する手法は、特に制限されず公知の手法が適用できるが、例えば、シロキサン変性対象の樹脂又はその単量体と反応可能な変性部位を有する変性シリコーン樹脂(以下、単に「変性シリコーン樹脂」とも称す。)と、シロキサン変性対象の樹脂又はその単量体と、を反応させる手法;などが挙げられる。
前記変性シリコーン樹脂における変性前のシリコーン樹脂としては、公知のシリコーン樹脂を選択できる。シリコーン樹脂としては、例えば、メチル系ストレートシリコーン樹脂、メチルフェニル系ストレートシリコーン樹脂、アクリル樹脂変性シリコーン樹脂、エステル樹脂変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂変性シリコーン樹脂、アルキッド樹脂変性シリコーン樹脂、ゴム系のシリコーン樹脂等が挙げられる。
シロキサン変性対象の樹脂又はその単量体と反応可能な変性部位としては、例えば、アミノ変性、エポキシ樹脂変性等が挙げられる。
シロキサン変性樹脂としては、例えば、シロキサン変性ポリエーテルイミド、シロキサン変性ポリイミド、シロキサン変性ポリカーボネート、シロキサン変性ポリエステル等が挙げられる。上記の中でも、シロキサン変性樹脂としては、摺動部材に対する経時的な摺動抵抗の上昇及び経時での摩耗をより抑制する観点から、シロキサン変性ポリエーテルイミド、シロキサン変性ポリイミド及びシロキサン変性ポリカーボネートからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、シロキサン変性ポリエーテルイミドを含むことがより好ましい。
第一の実施形態に係るベルトは、シロキサン変性樹脂中のシロキサン構造のモル量の比率が、20%以上であり、摺動部材に対する経時的な摺動抵抗の上昇及び経時での摩耗をより抑制する観点から、20%以上50%以下であることが好ましい。
第二の実施形態に係るベルトは、摺動部材に対する経時的な摺動抵抗の上昇及び経時での摩耗をより抑制する観点から、シロキサン変性樹脂中のシロキサン構造のモル量の比率が、20%以上であることが好ましく、20%以上50%以下であることがより好ましい。
シロキサン変性樹脂中のシロキサン構造のモル量を、上記範囲とする手法は特に制限されないが、例えば、シロキサン変性樹脂における、シロキサン変性用の材料(シリコーン樹脂等)と変性対象の樹脂又はその単量体とを反応させる際の配合比を調整する手法などが挙げられる。
シロキサン変性樹脂中のシロキサン構造のモル量は、以下のようにして求めることができる。
(1)樹脂層を50mg切り取り、試験片とする。
(2)試験片を重水素化クロロホルムに溶解させ、樹脂層全体からシロキサン変性樹脂を単離する。
(3)単離したシロキサン変性樹脂を重量測定及びNMR測定することにより、シロキサン変性樹脂全体のモル量MSi-RESIN及びシロキサン基のモル量Mをそれぞれ求める。
(3)得られた結果から、シロキサン変性樹脂全体のモル量MSi-RESINに対するシロキサン構造のモル量Mの比率(=M/MSi-RESIN)を求める。
〔シロキサン変性ポリエーテルイミド〕
シロキサン変性ポリエーテルイミドとは、ポリエーテルイミドにおける主鎖及び側鎖の少なくとも一方の一部をシロキサン構造に置き換えた(つまり、シロキサン変性した)重合体のことを意味する。
ポリエーテルイミドは、少なくともエーテル結合及びイミド結合を有する構成単位を含む重合体を意味する。
ポリエーテルイミドをシロキサン変性する手法は、特に制限されず公知の手法が適用できるが、例えば、(1)アミノ基を有するシロキサン化合物(アミノ変性シリコーン)とエーテル結合を含むジカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを共重合した重合体をイミド化してイミド化物を得る手法;(2)シリコーン樹脂とポリエーテルイミドとを共重合する手法;などが挙げられる。
シリコーン樹脂は、公知のシリコーン樹脂を選択できる。シリコーン樹脂としては、例えば、メチル系ストレートシリコーン樹脂、メチルフェニル系ストレートシリコーン樹脂、アクリル樹脂変性シリコーン樹脂、エステル樹脂変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂変性シリコーン樹脂、アルキッド樹脂変性シリコーン樹脂及びゴム系のシリコーン樹脂が挙げられる。
上記の中でも、ポリエーテルイミドをシロキサン変性し易くする観点から、シリコーン樹脂はジメチルシロキサン樹脂を含むことが好ましい。
エーテル結合を含むジカルボン酸無二水物としては、例えば、2,2-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、4,4′-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエーテル二無水物、4,4′-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4′-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、4,4′-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、2,2-ビス[4-(2,3-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、4,4′-ビス(2,3-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエーテル二無水物、4,4′-ビス(2,3-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4′-ビス(2,3-ジカルボキシフェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、4,4′-ビス(2,3-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4-(2,3-ジカルボキシフェノキシ)-4′-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニル-2,2-プロパン二無水物、4-(2,3-ジカルボキシフェノキシ)-4′-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエーテル二無水物、4-(2,3-ジカルボキシフェノキシ)-4′-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4-(2,3-ジカルボキシフェノキシ)-4′-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ベンゾフェノン二無水物及び4-(2,3-ジカルボキシフェノキシ)-4′-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物等が挙げられる。ジカルボン酸二無水物は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ジアミン化合物としては、例えば、先述のポリイミドにおけるジアミン化合物で例示したものが挙げられる。ジアミン化合物は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
シロキサン変性ポリエーテルイミドは、合成品であっても、市販品であってもよい。シロキサン変性ポリエーテルイミドの市販品としては、例えば、ポリエーテルイミド樹脂とシリコーン樹脂との共重合体であるSABICイノベーティブプラスチックス社のシルテム(SILTEM)STM1500、1600、1700等が挙げられる。
本実施形態に係る樹脂層は、摺動部材に対する経時的な摺動抵抗の上昇及び経時での摩耗をより抑制する観点から、ポリイミドに対する、前記シロキサン変性樹脂の含有量が、10モル%以上40モル%以下であることが好ましく、15モル%以上40モル%以下であることがより好ましい。
[その他の樹脂]
本実施形態に係るベルトは、摺動部材に対する経時的な摺動抵抗の上昇抑制を阻害しない範囲で(より具体的にはポリイミドとシロキサン変性樹脂との相溶性を阻害しない範囲で)、ポリイミド及びシロキサン変性樹脂以外のその他の樹脂(以下、単に「その他の樹脂」とも称す。)を樹脂層に含んでいてもよい。
その他の樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニルサルホン、ポリサルホン、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート等が挙げられる。
[その他の成分]
最表層は、摺動部材に対する経時的な摺動抵抗の上昇抑制を阻害しない範囲で(より具体的にはポリイミドとシロキサン変性樹脂との相溶性を阻害しない範囲で)、ポリイミド、シロキサン変性樹脂及びその他の樹脂以外のその他の成分(以下、単に「その他の成分」とも称す。)を最表層中に含んでいてもよい。その他の成分としては、例えば、無機充填剤、導電材、酸化防止剤、界面活性剤、耐熱老化防止剤等が挙げられる。
≪その他の層≫
本実施形態に係るベルトは、最表層に樹脂層を有していれば、樹脂層以外のその他の層(以下、単に「その他の層」とも称す。)をさらに有していてもよい。また、本実施形態に係るベルトは、最表層以外の層として樹脂層をさらに有していてもよい。その他の層としては、例えば、基材、弾性層、接着層等を設けていてもよい。
≪用途≫
本実施形態に係るベルトは、摺動部材に対する経時的な摺動抵抗の上昇抑制が求められる部材(定着部材における定着ベルト等)に適用することができる。例えば、本実施形態に係るベルトは、定着装置用のベルト部材、転写装置用のベルト部材(例えば中間転写ベルト、記録媒体搬送ベルト、一次転写ベルト、二次転写ベルト等)、帯電装置用のベルト部材(例えば帯電ベルト等)等の画像形成装置に収容するベルト部材;搬送ベルト、駆動ベルト、ラミネートベルト等のベルト状部材;などに適用できる。
(ベルトの製造方法)
本実施形態に係るベルトの製造方法は、特に限定されず、公知の製造方法を適用できる。例えば、本実施形態に係るベルトの製造方法は、ポリイミド及びシロキサン変性樹脂又はその前駆体を含む樹脂溶液を準備する準備工程と、前記樹脂溶液を基材等の上に塗膜し乾燥して樹脂層を形成する、又は、鋳型に入れ乾燥して樹脂層を形成する形成工程とを含む製造方法であってもよい。本実施形態に係るベルトの製造方法は、必要に応じて、前記樹脂層を形成する形成工程の前に、金属層、弾性層等を形成する工程を含んでいてもよい。
ポリイミド及びシロキサン変性樹脂を含む樹脂溶液は、ポリイミドを含む樹脂溶液と、シロキサン変性樹脂又はその前駆体を含む樹脂溶液とをそれぞれ予め準備、両者を混合することにより調整されていてもよい。
各樹脂溶液を調整するための溶剤としては、ポリイミド及びシロキサン変性樹脂がそれぞれ溶解又は分散する溶剤であれば特に制限されないが、例えば、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N-ジエチルアセトアミド(DEAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチレンホスホルアミド(HMPA)、N-メチルカプロラクタム、N-アセチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(N,N-ジメチルイミダゾリジノン、DMI)等が挙げられる。上記の中でも、溶剤としては、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)を含むことが好ましい。溶剤は、これらは1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
-定着装置-
本実施形態に係る定着装置は、本実施形態に係るベルトと、前記ベルトの内周面に設けられ、前記ベルトと摺動する摺動部材と、前記ベルトと前記摺動部材との間に介在するオイルと、を備える。本実施形態に係る定着装置は、上記構成を有することにより、摺動部材に対する経時的な摺動抵抗の上昇及び経時での摩耗を抑制することができる。
オイル(つまり、潤滑油)は特に制限されず、公知のオイルが適用できる。例えば、オイルとしては、パーフルオロポリエーテル、クロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素含有オイル;ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、環状ジメチルシリコーンオイル等のケイ素含有オイル等が挙げられる。
上記の中でも、オイルはケイ素含有オイルを含むことが好ましい。オイルがケイ素含有オイルであると、本実施形態に係るベルトの最表層に含まれるケイ素成分との親和性に優れるため、摺動部材に対する経時的な摺動抵抗の上昇及び経時での摩耗がより抑制される傾向にある。
以下に、第1実施形態として、加圧ベルトと加熱ロールとを備えた定着装置を説明する。そして、第1実施形態において、本実施形態に係るベルトは、加圧ベルトに適用され得る。
本実施形態に係る定着装置は、第1実施形態に限られず、加熱ベルトと加圧ベルトとを備えた定着装置であってよい。本実施形態に係るベルトは、加熱ベルト及び加圧ベルトのいずれにも適用され得る。
本実施形態に係る定着装置は、第1実施形態に限られず、第2実施形態のように、電磁誘導加熱方式の定着装置であってもよい。
(定着装置の第1実施形態)
第1実施形態に係る定着装置について説明する。図1は、第1実施形態に係る定着装置の一例を示す概略図である。
第1実施形態に係る定着装置60は、図1に示すように、例えば、回転駆動する加熱ロール61と、加圧ベルト62(本実施形態に係るベルトの一例)と、加圧ベルト62を介して加熱ロール61を押圧する押圧パッド64とを備えて構成されている。
押圧パッド64は、例えば、加圧ベルト62と加熱ロール61とが相対的に加圧されていればよい。従って、加圧ベルト62側が加熱ロール61に加圧されてもよく、加熱ロール61側が加熱ロール61に加圧されてもよい。
加熱ロール61の内部には、ハロゲンランプ66(加熱手段の一例)が配設されている。加熱手段としては、ハロゲンランプに限られず、発熱する他の発熱部材を用いてもよい。
一方、加熱ロール61の表面には、例えば、感温素子69が接触して配置されている。この感温素子69による温度計測値に基づいて、ハロゲンランプ66の点灯が制御され、加熱ロール61の表面温度が目的とする設定温度(例えば、150℃)を維持される。
加圧ベルト62は、例えば、内部に配置された押圧パッド64とベルト走行ガイド63とによって回転自在に支持されている。そして、挟込領域N(ニップ部)において押圧パッド64により加熱ロール61に対して押圧されて配置されている。
押圧パッド64は、例えば、加圧ベルト62の内側において、加圧ベルト62を介して加熱ロール61に加圧される状態で配置され、加熱ロール61との間で挟込領域Nを形成している。
押圧パッド64は、例えば、幅の広い挟込領域Nを確保するための前挟込部材64aを挟込領域Nの入口側に配置し、加熱ロール61に歪みを与えるための剥離挟込部材64bを挟込領域Nの出口側に配置している。
前挟込部材64a及び剥離挟込部材64bの加圧ベルト62と接する面には、シート状の摺動部材68が設けられている。押圧パッド64と摺動部材68とは、金属製の保持部材65に保持されている。摺動部材68は、その摺動面が加圧ベルト62の内周面と接するように設けられており、摺動部材68と加圧ベルト62との間にオイルが介在する。
保持部材65には、例えば、ベルト走行ガイド63が取り付けられ、加圧ベルト62が回転する構成となっている。
加熱ロール61は、例えば、図示しない駆動モータにより矢印S方向に回転し、この回転に従動して加圧ベルト62は、加熱ロール61の回転方向と反対の矢印R方向へ回転する。すなわち、例えば、加熱ロール61が図1における時計方向へ回転するのに対して、加圧ベルト62は反時計方向へ回転する。
そして、未定着トナー像を有する用紙K(記録媒体の一例)は、例えば、定着入口ガイド56によって導かれて、挟込領域Nに搬送される。そして、用紙Kが挟込領域Nを通過する際に、用紙K上のトナー像は挟込領域Nに作用する圧力と熱とによって定着される。
第1実施形態に係る定着装置60では、例えば、加熱ロール61の外周面に倣う凹形状の前挟込部材64aにより、前挟込部材64aがない構成に比して、広い挟込領域Nを確保される。
また、第1実施形態に係る定着装置60では、例えば、加熱ロール61の外周面に対し突出させて剥離挟込部材64bを配置することにより、挟込領域Nの出口領域において加熱ロール61の歪みが局所的に大きくなるように構成されている。
このように剥離挟込部材64bを配置すれば、例えば、定着後の用紙Kは、剥離挟込領域を通過する際に、局所的に大きく形成された歪みを通過することになるので、用紙Kが加熱ロール61から剥離しやすい。
剥離の補助手段として、例えば、加熱ロール61の挟込領域Nの下流側に、剥離部材70を配設されている。剥離部材70は、例えば、剥離爪71が加熱ロール61の回転方向と対向する向き(カウンタ方向)に加熱ロール61と近接する状態で保持部材72によって保持されている。
(定着装置の第2実施形態)
第2実施形態に係る定着装置について説明する。図2は、第2実施形態に係る定着装置の構成を示す概略図である。
定着装置80は、図2に示すように、加圧ロール88(第1回転体の一例)と、定着ベルトモジュール86と、を備える。定着ベルトモジュール86は、加熱ベルト84(第2回転体の一例)と、押圧パッド87(押圧部材の一例)と、摺動部材82(本実施形態に係る摺動部材の一例)と、押圧パッド87の近傍に配設されたハロゲンヒータ89A(加熱源の一例)と、を備える。さらに、定着ベルトモジュール86は、支持ロール90と、支持ロール92と、姿勢矯正ロール94と、支持ロール98と、を備える。
加圧ロール88は、加熱ベルト84(定着ベルトモジュール86)に押圧して配置され、加圧ロール88と加熱ベルト84(定着ベルトモジュール86)とが接触する領域に挟込領域N(ニップ部)が形成されている。
加熱ベルト84は、無端状に構成されており、その内部に配置された押圧パッド87と支持ロール90とによって回転自在に支持されている。そして、加熱ベルト84は、挟込領域N(ニップ部)において押圧パッド87により加熱ロール88に対して押圧されて配置されている。
押圧パッド87は、加熱ベルト84が巻き掛けられ、加熱ベルト84を加圧ロール88へ押圧する。押圧パッド87は、弾性層88Bが弾性変形するように配置されている。押圧パッド87は、定着装置の排出側で弾性層88Bが局部的に弾性変形するように配置されている。押圧パッド87は、前挟込部材87aと、剥離挟込部材87bとを備え、保持部材89によって支持されている。
前挟込部材87aは、加圧ロール88の外周形状に沿う凹形状に構成されて、挟込領域Nの入口側に配置され、挟込領域Nの長さ(摺動方向の距離)を確保する。
剥離挟込部材87bは、加圧ロール88の外周面に対し突出する形状に構成されて、挟込領域Nの出口側に配置され、挟込領域Nの出口領域において加圧ロール88に局所的な歪みを生じさせ、定着後の記録媒体の加圧ロール88からの剥離を容易にする。
押圧パッド87は、その近傍(例えば保持部材89の内部)にハロゲンヒータ89A(加熱源の一例)を備え、加熱ベルト84を内周面側から加熱する。
例えば保持部材89の前挟込部材87aの上流には、加熱ベルト84の内周面に潤滑剤(オイル)を供給する手段である潤滑剤供給装置(不図示)が取り付けられていてもよい。
摺動部材82は、シート状に構成され、加熱ベルト84と押圧パッド87との間に、その摺動面(凹部が点在する面)が加熱ベルト84の内周面と接するように配置されている。摺動部材82と加熱ベルト84との間にはオイルが介在する。摺動部材82は、その摺動面と加熱ベルト84の内周面との間に存在するオイル(潤滑剤)の保持及び供給に関与する。
支持ロール90は、加熱ベルト84が巻き掛けられ、押圧パッド87と異なる位置で加熱ベルト84を支持する。
支持ロール90は、その内部にハロゲンヒータ90A(加熱源の一例)を備え、加熱ベルト84を内周面側から加熱する。
支持ロール90は、例えばアルミニウムの円筒状ロールの外周表面に、例えば厚さ20μmのフッ素樹脂からなる離型層が形成されたロールである。
支持ロール92は、押圧パッド87から支持ロール90までの間の加熱ベルト84の外周面に接触して配置されており、加熱ベルト84の周回経路を規定する。
支持ロール92は、その内部にハロゲンヒータ92A(加熱源の一例)を備え、加熱ベルト84を外周面側から加熱する。
支持ロール92は、例えばアルミニウムの円筒状ロールの外周表面に、例えば厚さ20μmのフッ素樹脂からなる離型層が形成されたロールである。
加熱源の一例である、ハロゲンヒータ89A、ハロゲンヒータ90A、ハロゲンヒータ92Aは、これらのうち少なくとも1つが備えられていればよい。
姿勢矯正ロール94は、支持ロール90から押圧パッド87までの間の加熱ベルト84の内周面に接触して配置されており、支持ロール90から押圧パッド87までの加熱ベルト84の姿勢を矯正する。
姿勢矯正ロール94の近傍には、加熱ベルト84の端部位置を測定する端部位置測定機構(不図示)が配置され、姿勢矯正ロール94には、端部位置測定機構の測定結果に応じて加熱ベルト84の軸方向における当り位置を変位させる軸変位機構(不図示)が配設され、これらの機構が加熱ベルト84の姿勢を矯正する。
姿勢矯正ロール94は、例えばアルミニウムの円柱状ロールである。
支持ロール98は、押圧パッド87から支持ロール92までの間の加熱ベルト84の内周面に接触して配置されており、挟込領域Nの下流側において加熱ベルト84の内周面から加熱ベルト84に張力を付与する。
支持ロール98は、例えばアルミニウムの円筒状ロールの外周表面に、例えば厚さ20μmのフッ素樹脂からなる離型層が形成されたロールである。
加圧ロール88は、加熱ベルト84が押圧パッド87に巻き回された部位において、加熱ベルト84に押圧して配置されている。
加圧ロール88は、回転自在に設けられており、加熱ベルト84が矢印Eの方向に回転移動するのに伴って、加熱ベルト84に従動して、矢印Fの方向に回転する。
加圧ロール88は、例えばアルミニウムの円柱状ロール88Aの外周表面に、例えばシリコーンゴムからなる弾性層88Bと、例えば厚さ100μmのフッ素樹脂からなる剥離層(不図示)をこの順に積層して構成される。
例えば支持ロール90や支持ロール92が駆動モータ(不図示)により回転し、この回転に従動して加熱ベルト84が矢印Eの方向に回転移動し、加熱ベルト84の回転移動に従動して加圧ロール88が矢印Fの方向に回転する。
未定着トナー像を有する用紙K(記録媒体)は、定着装置80の挟込領域Nに搬送される。そして、用紙Kが挟込領域Nを通過する際に、用紙K上のトナー像は挟込領域Nに作用する圧力と熱とによって定着される。
[画像形成装置]
次に、本実施形態に係る画像形成装置について説明する。
本実施形態の画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、帯電された像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、トナー像を記録媒体に定着する定着手段と、を備える。そして、定着手段として、本実施形態に係る定着装置が適用される。
以下、本実施形態に係る画像形成装置について図面を参照しつつ説明する。
図3は、本実施形態に係る画像形成装置の構成を示した概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図3に示すように、例えば、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kと、各画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10と、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー像を記録媒体である用紙Kに一括転写(二次転写)させる二次転写部20と、二次転写された画像を用紙K上に定着させる定着装置60と、を備えている。また、画像形成装置100は、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
この定着装置60が既述の第1実施形態に係る定着装置60である。なお、画像形成装置100は、既述の第2実施形態に係る定着装置80を備える構成であってもよい。
画像形成装置100の各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、表面に形成されるトナー像を保持する像保持体の一例として、矢印A方向に回転する感光体11を備えている。
感光体11の周囲には、帯電手段の一例として、感光体11を帯電させる帯電器12が設けられ、潜像形成手段の一例として、感光体11上に静電潜像を書込むレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)が設けられている。
また、感光体11の周囲には、現像手段の一例として、各色成分トナーが収容されて感光体11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14が設けられ、感光体11上に形成された各色成分トナー像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16が設けられている。
更に、感光体11の周囲には、感光体11上の残留トナーが除去される感光体クリーナ17が設けられ、帯電器12、レーザ露光器13、現像器14、一次転写ロール16及び感光体クリーナ17の電子写真用デバイスが感光体11の回転方向に沿って順次配設されている。これらの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に、略直線状に配置されている。
中間転写体である中間転写ベルト15は、ポリイミド又はポリアミド等の樹脂をベース層としてカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたフィルム状の加圧ベルトで構成されている。そして、その体積抵抗率は10Ωcm以上1014Ωcm以下となるように形成されており、その厚みは、例えば、0.1mm程度に構成されている。
中間転写ベルト15は、各種ロールによって図3に示すB方向に目的に合わせた速度で循環駆動(回転)されている。この各種ロールとして、定速性に優れたモータ(不図示)により駆動されて中間転写ベルト15を回転させる駆動ロール31、各感光体11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を支持する支持ロール32、中間転写ベルト15に対して張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を防止する補正ロールとして機能する張力付与ロール33、二次転写部20に設けられる背面ロール25、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニング背面ロール34を有している。
一次転写部10は、中間転写ベルト15を挟んで感光体11に対向して配置される一次転写ロール16で構成されている。一次転写ロール16は、芯体と、芯体の周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。芯体は、鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107.5Ωcm以上108.5Ωcm以下のスポンジ状の円筒ロールである。
そして、一次転写ロール16は中間転写ベルト15を挟んで感光体11に圧接配置され、更に一次転写ロール16にはトナーの帯電極性(マイナス極性とする。以下同様。)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上において重畳されたトナー像が形成されるようになっている。
二次転写部20は、背面ロール25と、中間転写ベルト15のトナー像保持面側に配置される二次転写ロール22と、を備えて構成されている。
背面ロール25は、表面がカーボンを分散したEPDMとNBRのブレンドゴムのチューブ、内部はEPDMゴムで構成されている。そして、その表面抵抗率が10Ω/□以上1010Ω/□以下となるように形成され、硬度は、例えば、70°(アスカーC:高分子計器社製、以下同様。)に設定される。この背面ロール25は、中間転写ベルト15の裏面側に配置されて二次転写ロール22の対向電極を構成し、二次転写バイアスが安定的に印加される金属製の給電ロール26が接触配置されている。
一方、二次転写ロール22は、芯体と、芯体の周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。芯体は鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107.5Ωcm以上108.5Ωcm以下のスポンジ状の円筒ロールである。
そして、二次転写ロール22は中間転写ベルト15を挟んで背面ロール25に圧接配置され、更に二次転写ロール22は接地されて背面ロール25との間に二次転写バイアスが形成され、二次転写部20に搬送される用紙K上にトナー像を二次転写する。
また、中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーナ35が接離自在に設けられている。
なお、中間転写ベルト15、一次転写部10(一次転写ロール16)、及び二次転写部20(二次転写ロール22)が、転写手段の一例に該当する。
一方、イエローの画像形成ユニット1Yの上流側には、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにおける画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配設されている。また、黒の画像形成ユニット1Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設されている。この基準センサ42は、中間転写ベルト15の裏側に設けられたマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは画像形成を開始するように構成されている。
更に、本実施形態に係る画像形成装置では、用紙Kを搬送する搬送手段として、用紙Kを収容する用紙収容部50、この用紙収容部50に集積された用紙Kを予め定められたタイミングで取り出して搬送する給紙ロール51、給紙ロール51により繰り出された用紙Kを搬送する搬送ロール52、搬送ロール52により搬送された用紙Kを二次転写部20へと送り込む搬送ガイド53、二次転写ロール22により二次転写された後に搬送される用紙Kを定着装置60へと搬送する搬送ベルト55、用紙Kを定着装置60に導く定着入口ガイド56を備えている。
次に、本実施形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。
本実施形態に係る画像形成装置では、図示しない画像読取装置や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置により画像処理が施された後、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって作像作業が実行される。
画像処理装置では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各々の感光体11に照射している。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各感光体11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって、Y、M、C、Kの各色のトナー像として現像される。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの感光体11上に形成されたトナー像は、各感光体11と中間転写ベルト15とが接触する一次転写部10において、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、一次転写部10において、一次転写ロール16により中間転写ベルト15の基材に対しトナーの帯電極性(マイナス極性)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が付加され、トナー像を中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせて一次転写が行われる。
トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次一次転写された後、中間転写ベルト15は移動してトナー像が二次転写部20に搬送される。トナー像が二次転写部20に搬送されると、搬送手段では、トナー像が二次転写部20に搬送されるタイミングに合わせて給紙ロール51が回転し、用紙収容部50から目的とするサイズの用紙Kが供給される。給紙ロール51により供給された用紙Kは、搬送ロール52により搬送され、搬送ガイド53を経て二次転写部20に到達する。この二次転写部20に到達する前に、用紙Kは一旦停止され、トナー像が保持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせて位置合わせロール(不図示)が回転することで、用紙Kの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。
二次転写部20では、中間転写ベルト15を介して、二次転写ロール22が背面ロール25に加圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Kは、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。その際に、給電ロール26からトナーの帯電極性(マイナス極性)と同極性の電圧(二次転写バイアス)が印加されると、二次転写ロール22と背面ロール25との間に転写電界が形成される。そして、中間転写ベルト15上に保持された未定着トナー像は、二次転写ロール22と背面ロール25とによって加圧される二次転写部20において、用紙K上に一括して静電転写される。
その後、トナー像が静電転写された用紙Kは、二次転写ロール22によって中間転写ベルト15から剥離された状態でそのまま搬送され、二次転写ロール22の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55へと搬送される。搬送ベルト55では、定着装置60における最適な搬送速度に合わせて、用紙Kを定着装置60まで搬送する。定着装置60に搬送された用紙K上の未定着トナー像は、定着装置60によって熱及び圧力で定着処理を受けることで用紙K上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Kは、画像形成装置の排出部に設けられた排紙収容部(不図示)に搬送される。
一方、用紙Kへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回転に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニング背面ロール34及び中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例により限定されるものではない。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理手順等は、本開示の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。なお、特に断りがない限り「部」は「質量部」を意味する。
-材料の準備-
・シロキサン変性樹脂1
シロキサン変性ポリエーテルイミド(SILTEM1500、SABICイノベーティブプラスチックス社製)
・シロキサン変性樹脂2
シロキサン変性ポリエーテルイミド(SILTEM1600、SABICイノベーティブプラスチックス社製)
・シロキサン変性樹脂3
シロキサン変性ポリカーボネート(タフロン ネオ RC1760、出光興産株式会社製)
・シロキサン変性樹脂4
シロキサン変性ポリエーテルイミド(SILTEM1700、SABICイノベーティブプラスチックス社製)
-第一の樹脂塗液の作製-
3,3’,4、4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、4,4’-ジアミノジフェニルエーテルとを重合してなるポリアミック酸(重量平均分子量6.5万)とを、n-メチル-2-ピロリジノン(NMP)に溶解させ、イミド転化後におけるポリイミドのモル濃度が0.38mol/Lとなる、第一の樹脂塗液を作製した。
-第二の樹脂塗液の作製-
表1に示す第二の樹脂を、n-メチル-2-ピロリジノン(NMP)に溶解させ、第二の樹脂の濃度が0.38mol/Lである第二の樹脂塗液を準備した。
-ベルトの作製-
[実施例1~8及び比較例1~2]
上記で作製した第一の樹脂塗液と第二の樹脂塗液とを、「最表層の全体MALLに対するシロキサン構造のモル量Mの比率(M/MALL)」及び「シロキサン変性樹脂全体のモル量MSi-RESINに対するシロキサン構造のモル量Mの比率(M/MSi-RESIN)」が表1に示す値となるように混合し、混合液を得た。得られた混合液に、外径30mmの円筒形ステンレスの外周面を、浸漬させることにより、基材外周面に樹脂層の塗膜を形成した。次に、この塗膜を、100℃で30分間乾燥させてNMPを除去した後、380℃で30分焼成してイミド化させたことにより、膜厚60μmの樹脂層を形成した。その後、ステンレスの表面から樹脂層を剥離することにより、内径30mm、膜厚60μm、及び長さ370mmの無端ベルトを作製した。
表1中、M/MSi-RESINは、「シロキサン変性樹脂中のシロキサン構造のモル量の比率」を表す。表1中、M/MALLは、「最表層の全体MALLに対するシロキサン構造のモル量Mの比率」を表す。
-定着装置の作製-
各例のベルトと、前記ベルトの内周面に設けられる前記ベルトと摺動する摺動部材と、前記ベルトと前記摺動部材との間に介在する表1に記載のオイルと、を備える図1に示す定着装置を作製した。そして、各例のベルトを備える定着装置について、下記の評価を実施した。
-評価-
上記で作製した各例のベルトを備える定着装置を、富士ゼロックス社製画像形成装置「DocuPrint C2250」に搭載して空回りランニングテストを行い、摺動抵抗の代用特性として、駆動初期から50kpv経過後にかけて、駆動負荷電流値の上昇率を測定した。その後、画像形成装置から各例のベルトを取り外し、摺動部材と摺動する側の最表層(ベルト表面)について、傷の最大深さを測定し、耐摩耗性を以下の基準で評価した。得られた各結果を表1に示す。
G1:傷の深さが0以上15μm未満である。
G2:傷の深さが15μm以上30μm未満である。
表1に示すように、実施例のベルトは、比較例のベルトに比べて、定着装置に備えた際に、摺動部材に対する経時的な摺動抵抗の上昇及び経時の摩耗が抑制されることがわかった。また、定着装置における各例のベルトと摺動部材との間に介在するオイルをケイ素含有オイルとした場合、摺動部材に対する経時的な摺動抵抗の上昇及び経時での摩耗がより抑制されることがわかった。
56 定着入口ガイド、60 定着装置、61 加熱ロール、62 加圧ベルト、63 ベルト走行ガイド、64 押圧パッド、64a 剥離挟込部材、64b 剥離挟込部材、65 保持部材、66 ハロゲンランプ、68 摺動部材、69 感温素子、70 剥離部材、71 剥離爪、72 保持部材、K 用紙、R 回転方向、S 回転方向、
80 定着装置、82 摺動部材、84 加熱ベルト、86 定着ベルトモジュール、87 押圧パッド、87a 前挟込部材、87b 剥離挟込部材、88 加圧ロール、88A 円柱状ロール、88B 弾性層、89 保持部材、89A ハロゲンヒータ、90 支持ロール、90A ハロゲンヒータ、92 支持ロール、92A ハロゲンヒータ、94 姿勢矯正ロール、98 支持ロール、E 回転方向、F 回転方向
1Y,1M,1C,1K 画像形成ユニット、10 一次転写部、11 感光体、12 帯電器、13 レーザ露光器、14 現像器、15 中間転写ベルト、16 一次転写ロール、17 感光体クリーナ、20 二次転写部、22 二次転写ロール、25 背面ロール、26 給電ロール、31 駆動ロール、32 支持ロール、33 張力付与ロール、34 クリーニング背面ロール、35 中間転写ベルトクリーナ、40 制御部、42 基準センサ、43 画像濃度センサ、50 用紙収容部、51 給紙ロール、52 搬送ロール、53 搬送ガイド、55 搬送ベルト、56 定着入口ガイド、60 定着装置、100 画像形成装置

Claims (9)

  1. 少なくとも摺動部材と摺動する側の最表層に、ポリイミド及びシロキサン変性樹脂を含む樹脂層を有し、前記シロキサン変性樹脂中のシロキサン構造のモル量の比率が20モル%以上である、定着ベルト。
  2. 前記シロキサン変性樹脂中のシロキサン構造のモル量の比率が20モル%以上50モル%以下である、請求項1に記載の定着ベルト。
  3. 少なくとも摺動部材と摺動する側の最表層に、ポリイミド及びシロキサン変性樹脂を含む樹脂層を有し、前記最表層の全体MALLに対するシロキサン構造のモル量Mの比率(M/MALL)が10モル%以上40モル%以下である、定着ベルト。
  4. 前記最表層の全体MALLに対するシロキサン構造のモル量Mの比率(M/MALL)が15モル%以上40モル%以下である、請求項3に記載の定着ベルト。
  5. 前記シロキサン変性樹脂は、シロキサン変性ポリイミド、シロキサン変性ポリカーボネート及びシロキサン変性ポリエーテルイミドからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の定着ベルト。
  6. 前記シロキサン変性樹脂は、シロキサン変性ポリエーテルイミドを含む、請求項5に記載の定着ベルト。
  7. 請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の定着ベルトと、
    前記定着ベルトの内周面に設けられ、前記定着ベルトと摺動する摺動部材と、
    前記定着ベルトと前記摺動部材との間に介在するオイルと、
    を備える、定着装置。
  8. 前記オイルがケイ素含有オイルを含む、請求項7に記載の定着装置。
  9. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
    前記像保持体の表面の潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体に転写させる転写手段と、
    前記記録媒体に転写された前記トナー像を定着する定着手段であって、請求項8に記載の定着装置である定着手段と、
    を備えた画像形成装置。
JP2020016598A 2020-02-03 2020-02-03 ベルト、定着装置及び画像形成装置 Active JP7434959B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020016598A JP7434959B2 (ja) 2020-02-03 2020-02-03 ベルト、定着装置及び画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020016598A JP7434959B2 (ja) 2020-02-03 2020-02-03 ベルト、定着装置及び画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021124559A JP2021124559A (ja) 2021-08-30
JP7434959B2 true JP7434959B2 (ja) 2024-02-21

Family

ID=77458791

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020016598A Active JP7434959B2 (ja) 2020-02-03 2020-02-03 ベルト、定着装置及び画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7434959B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006133510A (ja) 2004-11-05 2006-05-25 Nitto Denko Corp 半導電性ポリイミドベルトおよびその製造方法
JP2010140061A (ja) 2010-03-19 2010-06-24 Fuji Xerox Co Ltd 定着装置および画像形成装置
JP2017097017A (ja) 2015-11-18 2017-06-01 コニカミノルタ株式会社 摺動部材、定着装置用摺動部材、定着装置、画像形成装置および摺動部材の製造方法
JP2019200318A (ja) 2018-05-16 2019-11-21 富士ゼロックス株式会社 ベルト、無端ベルト、中間転写ベルト、及び画像形成装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006133510A (ja) 2004-11-05 2006-05-25 Nitto Denko Corp 半導電性ポリイミドベルトおよびその製造方法
JP2010140061A (ja) 2010-03-19 2010-06-24 Fuji Xerox Co Ltd 定着装置および画像形成装置
JP2017097017A (ja) 2015-11-18 2017-06-01 コニカミノルタ株式会社 摺動部材、定着装置用摺動部材、定着装置、画像形成装置および摺動部材の製造方法
JP2019200318A (ja) 2018-05-16 2019-11-21 富士ゼロックス株式会社 ベルト、無端ベルト、中間転写ベルト、及び画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021124559A (ja) 2021-08-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7415709B2 (ja) ベルト、中間転写ベルト、及び画像形成装置
JP7263722B2 (ja) 定着ベルト、定着装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び定着ベルト用基材
JP2013061383A (ja) 管状部材、無端ベルト、定着装置および画像形成装置
JP7070077B2 (ja) ベルト、無端ベルト、中間転写ベルト、及び画像形成装置
US11537073B2 (en) Fixing belt, fixing device, and image forming apparatus
JP7434959B2 (ja) ベルト、定着装置及び画像形成装置
US11531295B1 (en) Fixing belt, fixing device, and image forming apparatus
JP2010151969A (ja) 電子写真用部材、無端ベルト、定着装置及び画像形成装置
JP7098968B2 (ja) 定着ベルト部材、定着装置、及び、画像形成装置
JP7298253B2 (ja) 転写ベルト、転写装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2017026820A (ja) 無端ベルト、転写ユニット、及び画像形成装置
US11644776B1 (en) Endless belt, fixing belt, fixing device, and image forming apparatus
US11796946B2 (en) Belt having an aggregate with entagled and non-entangled fibrous carbons
US12032313B2 (en) Tubular body for fixing member, fixing device, and image forming apparatus
US20240085833A1 (en) Tubular body for fixing member, fixing device, and image forming apparatus
JP2024010578A (ja) 画像形成装置用樹脂ベルト、定着ベルト、定着装置及び画像形成装置
JP2018146684A (ja) 定着用ベルト、定着装置、及び画像形成装置
JP5352976B2 (ja) シームレス管状物の製造方法
JP6859664B2 (ja) ベルト部材、ベルト部材ユニット、及び画像形成装置
JP2019159153A (ja) ベルト、無端ベルト、中間転写ベルト、画像形成装置、及びベルトの製造方法
JP2023006751A (ja) ゴム成形体、定着部材、定着装置、及び画像形成装置
JP2023116278A (ja) 定着ベルト、定着装置、及び画像形成装置
JP2012194281A (ja) 画像形成装置用部材、定着装置、及び画像形成装置
JP2024047415A (ja) 無端ベルト、転写装置、及び画像形成装置
JP2024034951A (ja) 定着装置、及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230120

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20231024

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231225

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240122

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7434959

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150