JP2013025274A - 転写ベルト及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents

転写ベルト及びこれを用いた画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】転写材の種類・表面形状によらず高い転写性能を実現でき、且つ低コスト・簡易な方法で耐摩耗性を持たせることができる転写ベルト、及びこれを用いた画像形成装置を提供する。
【解決手段】張架ローラ11,12,13によって張架されながら無端移動せしめられ、トナー像が転写される中間転写ベルト20において、少なくとも基層21と、弾性部材からなる弾性層22とが積層され、弾性層22の表面が一様な凹凸形状を有するように球形微粒子23を有し、張架ローラの回転軸線と平行となるベルト幅方向における弾性層22の両端部が基層21の両端部よりも内側に形成される。
【選択図】図6

Description

本発明は、複数の張架部材に張架されて回転移動し、トナー画像を転写する無端状の転写ベルト及びこれを用いた画像形成装置に関するものである。
従来、カラー複写機やカラープリンタ等の画像形成装置においては、いわゆる1ドラム型とタンデム型のものが知られている。1ドラム型の画像形成装置は、1つの感光体のまわりに複数色の現像装置を備え、それらの現像装置で感光体上にトナーを付着させて合成トナー画像を形成する。そして、その合成トナー画像を転写材に転写して合成カラー画像を形成する。タンデム型の画像形成装置は、複数並べて配置された感光体にそれぞれ個別に現像装置を備え、各感光体上にそれぞれ単色トナー画像を形成する。そして、それらの単色トナー画像を順次転写材に転写して合成カラー画像を形成する。タンデム型の画像形成装置は1ドラム型に比べ画像形成の高速化が容易であるという利点がある。
また、カラー画像形成装置においては、いわゆる直接転写方式と間接転写方式とがある。直接転写方式は、感光体上の画像を転写装置により搬送ベルトで搬送される転写材に順次転写する。間接転写方式は、各感光体上の画像を一次転写部でいったん中間転写ベルトに順次転写した後、その中間転写ベルト上の画像を二次転写部で転写材に一括転写する。間接転写方式は二次転写位置を比較的自由に設置することができる。また、搬送する転写材の環境による変動があっても、転写材に対して画像を転写する際は各感光体によって書き込まれた中間転写ベルト上の画像は既に合致しており画像がずれない利点がある。そこで、タンデム方式に中間転写方式を採用することが主流になってきている。
このような情勢の中で中間転写ベルトにおいては、従来よりも要求特性(高速転写、位置精度など)が厳しいものとなっており、これらの要求に対応する特性を満足することが必要となってきている。特に、位置精度に対しては、連続使用による中間転写ベルト自体の伸び等の変形による変動を抑えることが求められる。また、中間転写ベルトは、装置の広い領域に渡ってレイアウトされ、転写のために高電圧が印加されることから難燃性であることが求められている。このような要求に対応するため、中間転写ベルト材料として主に、高弾性率で高耐熱樹脂であるポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などが用いられている。
ところが、ポリイミド樹脂のような高強度でその表面硬度も高い中間転写ベルトにおいては、トナー像を転写する転写部で転写部材(転写ローラ等)による押圧力でトナー層に高い圧力がかかる。そのため、トナーが局部的に凝集し画像の一部が転写されない、いわゆる中抜け画像が発生することがある。
また、このような中間転写ベルトにおいては、一次転写部や二次転写部での接触部材(感光体や転写材)との接触追従性が劣るため、転写部において部分的な接触不良部(空隙)が発生し、転写ムラが発生することがある。特に、近年、カラー画像形成装置では、転写材としてさまざまな用紙に画像を形成することが多くなり、通常の平滑な用紙だけでなく、コート紙のようなスリップ性のある平滑度の高いものからリサイクルペーパーやエンボス紙や和紙やクラフト紙のような表面性の粗いものが使用されることが増えてきている。このような表面性状の異なる用紙への追従性は重要であり、追従性が悪いと、用紙の凹凸状の濃淡むらや色調のむらが発生する。
そこで、比較的柔軟性のある弾性層を高硬度な基層上に積層した様々な中間転写ベルトが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。これらの中間転写ベルトでは、弾性層を設けることにより、転写部での転写部材の押圧力によるベルト変形を大きくすることができる。これにより、転写部材による押圧力のトナー層への局所的集中を抑制しトナーの凝集を抑制して、中抜け画像の発生を抑制することができる。また、弾性層を有する中間転写ベルトは、転写部において転写材である用紙との密着性がよいことから、転写材の種類・表面形状によらず、高い転写性能を実現できる。
中間転写ベルト上においては、中間転写ベルト上の残留トナーをクリーニングするクリーニング部材や、ベルト両端部に接触してクリーニング時にトナーが飛散しないようにするシール部材が設置されている。弾性層は摩擦力が大きく、機械的特性や熱的特性に劣るため、弾性層を有する中間転写ベルトにおいては、弾性層上に該弾性層上よりも耐摩耗性を有する表層が設けられている。しかしながら、一般に、中間転写ベルトは、基層、弾性層、表層が同じ幅で形成され、端部側面には弾性層が露出していることになる。このような中間転写ベルトにおいては、クリーニング部材との摩擦には対応できるものの、シール部材との摩擦によって弾性層が摩耗してしまうことがあった。シール部材は、ベルト端部に接触するが、端部からはみ出すように余裕をもって設置されるため、表層上ばかりではなくベルト端部の側面にも接触することになるからである。そのため、ベルトの端部の側面に露出する弾性層とシール部材とが摺擦され、弾性層が摩耗してしまうという問題があった。この削れた弾性材料成分が感光体等に接触し白抜け画像を引き起こしたり、直接転写材を汚したりしてしまう。また、ベルト端部が削れることによってベルトの走行が不安定となり画像に歪みを発生させてしまう。
なお、特許文献1には、基層上に弾性層と該弾性層より硬度の高い表層を有し、ベルト走行中にベルト端部からの破断を抑制するべく、弾性層の両端部が基層の両端部よりも内側に形成される中間転写ベルトが提案されている。この転写ベルトは、後述する課題を解決するための手段における「転写ベルト」と同様に、弾性層の両端部が基層の両端部よりも内側に形成される。しかし、この転写ベルトの表層は、後述する課題を解決するための手段における「球形微粒子」を有するものではない。この転写ベルトの表層は、フッ素樹脂とバインダー樹脂とを溶剤中に溶解・分散させ、これを塗布・焼き付けすることによって形成されるフッ素樹脂膜や、プラズマCVD法などにより形成されるセラミックス膜である。このような表層の形成には、溶剤等のコストがかかり、また均一な膜厚にするための技術が必要となってしまう。
また、特許文献2には、基層上に基層より硬度の高い表層を形成し、表層の剥がれを抑制すべく、表層の端部が基層の端部よりも内側に形成される転写ベルトが提案されている。しかし、この転写ベルトでは、柔軟性のある弾性層が形成されてないため、上述したように中抜け画像が発生したり、表面に凹凸がある転写材への転写性に問題があったりする虞がある。
また、特許文献3には、シール部材による弾性層の磨耗を抑制するために、ベルト端部の弾性層上に補強層を設けた中間転写ベルトが提案されている。しかし、この転写ベルトは、後述する課題を解決するための手段における「転写ベルト」とは異なる形状で、ベルト端部まで弾性層が形成されている。そのため、シール部材が補強層のみと摺擦される場合には問題ないが、シール部材がベルトの端部側面に露出する弾性層と摺擦される場合には、やはり弾性層が摩耗してしまう。
本発明は、以上の問題点に鑑みなされたものである。その目的は、転写材の種類・表面形状によらず高い転写性能を実現でき、低コスト・簡易な方法で耐摩耗性を持たせることができる転写ベルト、及びこれを用いた画像形成装置を提供することである。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、複数の張架部材によって張架されながら無端移動せしめられ、トナー像が転写される転写ベルトにおいて、少なくとも基層と弾性部材からなる弾性層が積層され、該弾性層の表面が一様な凹凸形状を有するように球形微粒子を有し、上記張架部材の回転軸線と平行となるベルト幅方向における上記弾性層の両端部が上記基層の両端部よりも内側に形成されることを特徴とするものである。
本発明は、転写材の種類・表面形状によらず高い転写性能を実現でき、且つ低コスト・簡易な方法で耐摩耗性を持たせることができる転写ベルト、及びこれを用いた画像形成装置を提供するという優れた効果がある。
本実施形態に係るプリンタの要部構成を示す構成図。 同プリンタに装着される中間転写ベルトの要部構成を示す断面図。 中間転写ベルトの表面を真上から観察した拡大模式図。 幅方向で膜厚が異なるように作製された基層ベルトの斜視図。 球形微粒子層の形成方法を説明する構成図。 実施形態1に係る中間転写ベルトの形状を示す断面図。 クリーニング部材と中間転写ベルトの位置関係を説明する模式図。 実施形態2に係る中間転写ベルトの構成を示す断面図。 実施形態3に係る中間転写ベルトの構成を示す断面図。 実施形態4に係る中間転写ベルトの構成を示す断面図。 実施形態5に係る中間転写ベルトの構成を示す断面図。
以下、本発明を適用した画像形成装置の一実施形態として、電子写真方式の4ドラム型に中間転写方式を採用したカラープリンタについて説明する。まず、プリンタの基本的な構成について説明する。図1は、プリンタの要部構成を示す構成図である。図1に示すように、このプリンタは、シアン(C),イエロー(Y),マゼンタ(M),ブラック(BK)の有色トナー像を作像するための4つの画像形成ユニット1Y,M,C,BKを備えている。以下添字C,Y,M,BKはシアン、イエロー、マゼンタ、ブラックの各色をそれぞれ示す。この画像形成ユニット1C,Y,M,BKは、それぞれ各色のトナー像を担持し、図中矢印A方向に回転する感光体2Y,M,C,BKを備えている。この各色用の各感光体2としては、通常OPC感光体が用いられる。これら各感光体2Y,M,C,BKの周囲には、各感光体2表面を一様に帯電する帯電装置3Y,M,C,BKや、一様に帯電された各感光体2表面を画像データに基づきレーザ光を露光走査して静電潜像を形成する露光装置4Y,M,C,BK、各感光体2表面に形成される静電潜像を現像する現像装置5Y,M,C,BK、トナー像転写後の各感光体2表面をクリーニングするクリーニング装置6Y,M,C,BK、クリーニング後の各感光体2表面の残留電荷を除去する図示しない除電装置等を備えている。上記現像装置5Y,M,C,BKには、2成分磁気ブラシ現像方式を用いている。なお、画像データとは、図示しない外付けのスキャナによる原稿読取で得られた画像情報や、外部のパーソナルコンピュータから送られている画像情報等である。また、画像形成ユニット1Y,M,C,BKは、感光体2の周囲に配設される帯電装置3、現像装置5、クリーニング装置6とを1つのユニットとして共通の支持体に支持するものであり、プリンタ本体に対して着脱可能になっている。
また、上記プリンタは、画像形成ユニット1の下方に、感光体2Y,M,C,BKに現像されたトナー画像を転写材たる用紙Pに転写する中間転写ユニット10を備えている。この中間転写ユニット10は、駆動ローラを含む複数の張架ローラ11,12,13により張架されて図中矢印B方向に回転駆動する中間転写ベルト20を備えている。中間転写ユニット10は、感光体2Y,M,C,BKと所定の電圧が印加される一次転写ローラ14Y,M,C,BKとの間に中間転写ベルト20を挟み込んで一次転写ニップを形成する。また、中間転写ユニット10は二次転写バックアップローラ13と所定の電圧が印加される二次転写ローラ15の間に中間転写ベルト20を挟み込んで二次転写ニップを形成している。上記画像形成ユニット1Y,M,C,BKで現像された感光体2Y,M,C,BK上の有色トナー像は、一次転写ニップで中間転写ベルト20に順次重ね合わされて一次転写される。中間転写ベルト20上に転写された4色重ね合わせ有色トナー像は、二次転写ニップで用紙Pに二次転写されることになる。
また、上記プリンタは、中間転写ユニット10の下方に、図示しない給紙カセット、レジストローラ対16、転写搬送ベルト17、定着装置18等を備えている。給紙カセットは、プリンタの筺体内に出し入れ可能に構成され、収容する用紙Pの一番上の用紙を一枚づつレジストローラ対16に向けて送り出す。レジストローラ対16は、給紙カセットにより供給された用紙Pをローラ間に挟み込み、中間転写ベルト20上の4色重ね合わせ有色トナー像に同期させ得るタイミングで二次転写ニップに送り出す。転写搬送ベルト17は、二次転写バイアスローラ15により二次転写(一括転写)された用紙Pを定着装置18に向けて搬送する。定着装置18は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラと、これに向けて押圧される加圧ローラとの当接による定着ニップに用紙Pを挟み込み、加熱や加圧の作用によりトナー像を定着せしめる。
このような構成のプリンタにおいては、次のように画像形成が行われる。例えばシアン用の画像形成ユニット1Cでは、帯電装置3Cにより一様に帯電された感光体2Cの表面に、露光装置4Cで変調及び偏向されたレーザ光が走査されながら照射されて静電潜像が形成される。感光体2C上の静電潜像は、現像装置5Cで現像されてイエロー色のトナー像となる。中間転写ベルト20を挟んで一次転写ローラ14Cに対向する一次転写ニップでは、感光体2C上のトナー像が用紙Pに転写される。トナー像が転写された後の感光体2Cの表面は、クリーニング装置15Cでクリーニングされ、除電装置により表面が初期化され次の静電潜像の形成に備えられる。
他の画像形成ユニット10Y,M、BKについても、上述した画像形成行程が中間転写ベルト20の移動に同期して実行され、中間転写ベルト20上に、4色重ね合わせトナー像が形成される。一方、給紙カセットから給送された用紙Pは、レジストローラ対16により所定のタイミングで送出されて二次転写ニップに搬送される。そして、二次転写ニップで4色重ね合わせトナー像が用紙Pに一括転写される。4色重ね合わせトナー像が一括転写された用紙Pは、転写搬送ベルト17によって搬送され、定着装置18による加熱・加圧作用により定着処理が施され、機外に排出される。
なお、上記二次転写時に転写されずに上記中間転写ベルト20上に残った残留トナーは、クリーニング部材30によって中間転写ベルト20から除去される。このクリーニング部材30の下流側には、潤滑剤塗布装置31が配設されている。この潤滑剤塗布装置31は、固形潤滑剤と、中間転写ベルト20に摺擦して固形潤滑剤を塗布する導電性ブラシとで構成されている。前記導電性ブラシは、中間転写ベルト20に常時接触して、中間転写ベルト20に固形潤滑剤を塗布している。固形潤滑剤は、中間転写ベルト20のクリーニング性を高め、フィルミィングの発生を防止し耐久性を向上させる作用がある。
次に、本実施形態に係るプリンタの特徴部となる中間転写ベルト20の構成について詳細に説明する。図2は、本実施形態に係る中間転写ベルトの要部構成を示す要部断面図である。図2に示すように、この中間転写ベルト20は、比較的屈曲性が得られる剛性な基層21の上に柔軟な弾性層22が積層されており、その弾性層22の最表面には球形微粒子23が面方向に独立して配列(埋没)され、表面が一様な凹凸形状を有してなる。弾性層22上の球形微粒子23は、球形微粒子同士の膜厚方向の重なり合いや、弾性層22中への球形微粒子の完全埋没が殆どない。
「基層」
まず、上記中間転写ベルト20の基層21について説明する。この構成材料としては、樹脂中に電気抵抗を調整する充填材(又は、添加材)、いわゆる電気抵抗調整材を含有してなるものが挙げられる。このような樹脂としては、難燃性の観点から、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)などのフッ素系樹脂や、ポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂等が好ましく、機械強度(高弾性)や耐熱性の点から、特にポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂が好適である。ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂としては、東レデュポン、宇部興産、新日本理化、JSR、ユニチカ、アイ・エス・ティー、日立化成工業、東洋紡績、荒川化学等のメーカーからの一般汎用品を入手し使用することができる。
上記電気抵抗調整材としては、金属酸化物やカーボンブラック、イオン導電剤、導電性高分子材料などがある。金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素等が挙げられる。また、分散性を良くするため、前記金属酸化物に予め表面処理を施したものも挙げられる。カーボンブラックとしては、例えば、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ガスブラック等が挙げられる。イオン導電剤としては、例えば、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルサルフェート、グルセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエステル、アルキルベタイン、過塩素酸リチウム等が挙げられ、これらを併用して用いてもよい。なお、本発明における電気抵抗調整材は、上記例示化合物に限定されるものではない。また、中間転写ベルトの製造方法においては、少なくとも樹脂成分を含む塗工液に必要に応じて、さらに分散助剤、補強材、潤滑材、熱伝導材、酸化防止剤などの添加材を含有してもよい。
上記電気抵抗調整材の含有量としては、カーボンブラックの場合には、塗工液中の全固形分の10〜25wt%、好ましくは15〜20wt%である。また、金属酸化物の場合の含有量としては、塗工液中の全固形分の1〜50wt%、好ましくは10〜30wt%である。含有量が前記それぞれの電気抵抗調整材の範囲よりも少ないと抵抗値の均一性が得られにくくなり、任意の電位に対する抵抗値の変動が大きくなる。また含有量が前記それぞれの範囲よりも多いと中間転写ベルトの機械強度が低下し、実使用上好ましくない。
上記中間転写ベルト20として好適に装備される基層21は、抵抗値として、好ましくは表面抵抗で1×10〜1×1013Ω/□、体積抵抗で1×10〜1×1011Ω・cmになる様なカーボンブラック等の電気抵抗調整材量を含有させるが、機械強度の面から、膜が脆く割れやすくならない程度の添加量で達成できるものを選択する。つまり、中間転写ベルト20とする場合には、前記樹脂成分(例えば、ポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体)と電気抵抗調整材の配合を適正に調整した塗工液を用いて、電気特性(表面抵抗及び体積抵抗)と機械強度のバランスが取れた無端状ベルトを製造して用いるのが好ましい。
上記基層21の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30μm〜150μmが好ましく、40μm〜120μmがより好ましく、50μm〜80μmが特に好ましい。前記基層21の厚みが、30μm未満であると、亀裂によりベルトが裂けやすくなり、150μmを超えると、曲げによってベルトが割れることがあることがある。一方、前記基層21の厚みが前記特に好ましい範囲であると耐久性の点で、有利である。基層21に関しては、走行安定性を高めるために、膜厚ムラはなるべく無くすことが好ましい。
上記基層21の厚みを調整する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、接触式や渦電流式の膜厚計での計測や膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で測定する方法が挙げられる。
「弾性層」
次に基層21に積層する弾性層22について説明する。構成する材料としては、汎用の樹脂・エラストマー・ゴムなどの材料を使用することが可能だが、本発明の効果を十分に発現するに十分な柔軟性(弾性)を有する材料を用いることが好ましく、エラストマー材料やゴム材料を用いるのが良い。
エラストマー材料としては、熱可塑性エラストマーとして、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリアクリル系、ポリジエン系、シリコーン変性ポリカーボネート系、フッ素系共重合体系等が挙げられる。また、熱硬化性として、ポリウレタン系、シリコーン変性エポキシ系、シリコーン変性アクリル系等が挙げられる。
また、ゴム材料としては、イソプレンゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ヒドリンゴム等が挙げられる。
上記各種エラストマー、ゴムの中から、性能が得られる材料を適宜選択するが、本発明においては、耐オゾン性、柔軟性、球形微粒子23との接着性、難燃性付与、耐環境安定性の面からアクリルゴムが最も好ましい。以下、アクリルゴムについて説明する。
上記弾性層22に用いられるアクリルゴムは現在市販されているもので良く、特に限定されるものではない。しかし、アクリルゴムの各種架橋系(エポキシ基、活性塩素基、カルボキシル基)の中ではカルボキシル基架橋系がゴム物性(特に圧縮永久歪み)及び加工性が優れているので、カルボキシル基架橋系を選択することが好ましい。
カルボキシル基架橋系のアクリルゴムに用いる架橋剤は、アミン化合物が好ましく、多価アミン化合物が最も好ましい。このようなアミン化合物として、具体的には脂肪族多価アミン架橋剤、芳香族多価アミン架橋剤などが挙げられる。脂肪族多価アミン架橋剤としては、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカーバメイト、N,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミンなどが挙げられる。芳香族多価アミン架橋剤としては、4,4’−メチレンジアニリン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、2,2’−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,3,5−ベンゼントリアミン、1,3,5−ベンゼントリアミノメチルなどが挙げられる。上記架橋剤の配合量は、アクリルゴム100重量部に対し、好ましくは0.05?20重量部、より好ましくは0.1〜5重量部である。架橋剤の配合量が少なすぎると、架橋が十分に行われないため、架橋物の形状維持が困難になる。一方、含有量が多すぎると、架橋物が硬くなりすぎ、架橋ゴムとしての弾性などが損なわれる。
また、上記アクリルゴムよりなる弾性層22においては、さらに架橋促進剤を配合して上記架橋剤に組み合わせて用いてもよい。架橋促進剤も限定はないが、前記多価アミン架橋剤と組み合わせて用いることができる架橋促進剤であることが好ましい。このような架橋促進剤としては、例えば、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、第四級オニウム塩、第三級ホスフィン化合物、弱酸のアルカリ金属塩などが挙げられる。グアニジン化合物としては、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジオルトトリルグアニジンなどが挙げられる。イミダゾール化合物としては、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールなどが挙げられる。第四級オニウム塩としては、テトラn−ブチルアンモニウムブロマイド、オクタデシルトリ―n−ブチルアンモニウムブロマイドなどが挙げられる。多価第三級アミン化合物としては、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザ‐ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)などが挙げられる。第三級ホスフィン化合物としては、トリフェニルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィンなどが挙げられる。弱酸のアルカリ金属塩としては、ナトリウムまたはカリウムのリン酸塩、炭酸塩などの無機弱酸塩あるいはステアリン酸塩、ラウリル酸塩などの有機弱酸塩が挙げられる。
架橋促進剤の使用量は、アクリルゴム100重量部あたり、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.3〜10重量部である。架橋促進剤が多すぎると、架橋時に架橋速度が早くなりすぎたり、架橋物表面ヘの架橋促進剤のブルームが生じたり、架橋物が硬くなりすぎたりする場合がある。架橋促進剤が少なすぎると、架橋物の引張強さが著しく低下したり、熱負荷後の伸び変化または引張強さ変化が大きすぎたりする場合がある。
アクリルゴムの調製にあたっては、ロール混合、バンバリー混合、スクリュー混合、溶液混合などの適宜の混合方法が採用できる。配合順序は特に限定されないが、熱で反応や分解しにくい成分を充分に混合した後、熱で反応しやすい成分あるいは分解しやすい成分として、例えば架橋剤などを、反応や分解が起こらない温度で短時間に混合すればよい。
アクリルゴムは、加熱することにより架橋物とすることができる。加熱温度は、好ましくは130〜220℃、より好ましくは140℃〜200℃であり、架橋時間は好ましくは30秒〜5時間である。加熱方法としては、プレス加熱、蒸気加熱、オーブン加熱、熱風加熱などのゴムの架橋に用いられる方法を適宜選択すればよい。また、一度架橋した後に、架橋物の内部まで確実に架橋させるために、後架橋を行ってもよい。後架橋は、加熱方法、架橋温度、形状などにより異なるが、好ましくは1〜48時間行う。後架橋を行う際の加熱方法、加熱温度は適宜選択すればよい。
また、上記弾性層22の柔軟性は、25℃50%RH下でのマイクロゴム硬度値が40以下であることが好ましい。マイクロゴム硬度は市販のマイクロゴム硬度計を使用することが出来るが、例えば高分子計器株式会社の「マイクロゴム硬度計MD−1」を使用することにより求めることができる。
上記弾性層22の膜厚は400μm〜1000μmが好ましく、より好ましくは500μm〜700μmである。400μm以下では表面凹凸がある紙種に対する画像品質は不充分になってしまう。また1000μm以上では膜の重さが重くなったり、たわみやすくなったり、反りが大きくなって走行性が不安定になったり、ベルトを張架させるためのローラ曲率部での屈曲により亀裂が発生しやすくなったりするため好ましくない。
上記弾性層22のベルト幅方向の長さは、昨今の電子写真の高速化、高画質化、高耐久化の面から300mm以上とするのが好ましい。
上記弾性層22は、上記選択した材料に、電気特性を調整するための抵抗調整剤、必要に応じて、酸化防止剤、補強剤、充填剤、加硫促進剤などの材料を適宜含有させた配合を行う。
中間転写ベルト20に必要な抵抗率制御はアクリルゴム単体では抵抗率が高いために導電剤の添加が必要となる。抵抗率の制御としては、カーボンやイオン導電剤の添加が可能であるが、本発明ではゴム硬度が重要となるので少量添加で効果がありゴム硬度に影響を与えないイオン導電剤の使用が好ましい。具体的には種々の過塩素酸塩やイオン性液体をゴム100部に対して0.01部〜3部添加するのが好ましい。イオン導電剤の添加量が0.01部以下では抵抗率を下げる効果が得られず、3部以上の添加量ではベルト表面へ導電剤がブルーム又はブリードする可能性が高くなってしまう。中間転写ベルト20に使用される弾性層22の抵抗値としては、表面抵抗で1×10〜1×1013Ω/□、体積抵抗で1×10〜1×1012Ω・cmとなる様に調整されることが好ましい。
「球形微粒子」
次に、上記弾性層22上に付着している球形微粒子23について説明する。ここで、球形微粒子とは、体積平均粒径が100μm以下で真球状の形状をしており、有機溶剤に不溶で3%熱分解温度が200℃以上である微粒子のことをいう。
上記球形微粒子23の材料としては特に問わないが、例えばアクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の樹脂を主成分としてなる球形微粒子が挙げられる。また、これらの樹脂材料からなる粒子の表面を異種材料で表面処理を施したものでも良い。また、ここで言う球形微粒子23の中には、ゴム材料からなる球形微粒子も含む。ゴム材料で作製された球形微粒子の表面を硬い樹脂をコートしたような構成のものも適用可能である。また、球形微粒子23には、中空状や、多孔質である球形微粒子を用いてもよい。
このような球形微粒子23は、弾性層よりも滑性及びトナーに対し離型性を有する。これにより、中間転写ベルト20の耐摩耗性を向上させ、しかも離型性の向上によりトナーの余分な付着を抑制し、クリーニング性及び転写性を高めることができる。
上記球形微粒子23としては、前記樹脂中で、滑性及びトナーに対しての離型性を有し、耐磨耗性を付与できる機能の高いものとして、シリコーン球形微粒子が最も好ましい。これら樹脂を用い、重合法などにより球状の形状に作製された粒子であることが好ましく、本発明においては、真球に近いものほど好ましい。また、その粒径は、体積平均粒径が、1.0μm〜5.0μmであり、単分散粒子であることが望ましい。ここで言う単分散粒子とは、単一粒子径の粒子という意味ではなく、粒度分布が極めてシャープなもののことを指す。具体的には、±(平均粒径×0.5)μm以下の分布幅のもので良い。粒径が1.0μm以下の場合、粒子による転写性能の効果が十分に得られず、一方、5.0μm以上では、表面粗さが大きくなり、粒子間の隙間が大きくなるため、トナーがうまく転写できなくなったりクリーニング不良となったりする不具合が生じる。さらには、粒子は絶縁性が高いものが多いため、粒径が大きすぎると粒子による帯電電位の残留により、連続画像出力時にこの電位の蓄積による画像乱れが発生する不具合も生じる。
上記球形微粒子23としては、特に制限はなく、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、シリコーン粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、商品名「トスパール120」、商品名「トスパール145」、商品名「トスパール2000B」)、アクリル粒子(積水化成品工業社製、商品名「テクポリマーMBX−SS」)などが挙げられる。
次に、上記中間転写ベルト0の表面状態についてさらに詳細に説明する。図3では、中間転写ベルトの表面を真上から観察した拡大模式図を示す。図3に示すように、中間転写ベルト20の表面状態は、均一な粒径の球形微粒子23が独立して整然と配列する形態を採り、球形微粒子23同士の重なり合いは殆ど観測されない。この表面を構成する各球形微粒子23の樹脂層面における断面の径も均一なほうが好ましく、具体的には、±(平均粒径×0.5)μm以下の分布幅となることが好ましい。これを形成するためにできるだけ粒径の揃った粒子を用いることが好ましいが、これを用いなくてもある粒径のものが選択的に表面に形成できる方法により表面を形成して前記粒径分布幅となる構成としても良い。この球形微粒子23による表面の占有面積率としては、60%以上が好ましい。60%以下では弾性層23の露出部が多すぎてトナーが弾性層23と接触し良好な転写性が得られない。
本実施形態においては、上記球形微粒子23は、弾性層22中へ一部埋設された形態を取るが、その埋没率は、50%を超え、100%に満たないものが好ましく、51%〜90%であることがより好ましい。50%以下では、画像形成装置での長期使用において球形微粒子23の脱離が起きやすく、耐久性に劣る。一方、100%では、球形微粒子23による転写性への効果が低減し好ましくない。埋没率とは、球形微粒子23の深さ方向の径の弾性層22に埋没している率のことであるが、ここで言う、埋没率は、すべての球形微粒子23が50%を超え100%に満たないという意味ではなく、ある視野で見たときの平均埋没率で表わしたときの数値が50%を超え100%に満たなければ良い。しかし、埋没率50%のときは、電子顕微鏡による断面観測において、弾性層22中へ完全埋没している球形微粒子23が殆ど観測されない(弾性層22中に完全に埋没している球形微粒子23の個数%は粒子全体のうち5%以下)。中間転写ベルト20における球形微粒子23の埋没率を測定する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、中間転写ベルト20の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察することにより、測定することができる。
「中間転写ベルトの作製方法」
次に、上記構成の中間転写ベルト20の作製方法の一例を説明する。まず、少なくとも樹脂成分を含む塗工液、すなわち前記ポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体を含む塗工液を用いて基層21を作製する方法について説明する。円筒状の型、例えば、円筒状の金属金型をゆっくりと回転させながら、少なくとも樹脂成分を含む塗工液(例えば、ポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体を含む塗工液)をノズルやディスペンサーのような液供給装置にて円筒の外面全体に均一になるように塗布・流延(塗膜を形成)する。その後、回転速度を所定速度まで上げ、所定速度に達したら一定速度に維持し、所望の時間回転を継続する。そして、回転させつつ徐々に昇温させながら、約80〜150℃の温度で塗膜中の溶媒を蒸発させていく。この過程では、雰囲気の蒸気(揮発した溶媒等)を効率よく循環して取り除くことが好ましい。自己支持性のある膜が形成されたところで金型ごと高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に移し、段階的に昇温し、最終的に250℃〜450℃程度の高温加熱処理(焼成)し、十分にポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体のイミド化又はポリアミドイミド化を行う。充分に冷却後、引き続き、弾性層22を積層する。
上記弾性層22は、ゴムを有機溶剤に溶解させたゴム塗料を用い、基層21上に塗布形成し、その後、溶剤を乾燥、加硫することで製造することができる。塗布成形法としては、基層21と同じく、螺旋塗工、ダイ塗工、ロール塗工などの既存の塗工法が適用できるが、凹凸転写性を良くする為には弾性層22の厚みを厚くすることが必要であり、厚膜を形成する塗工法としては、ダイ塗工、及び螺旋塗工が優れており、前述したように弾性層22の厚みを幅方向で変えやすいと言った点から螺旋塗工が優れている。そのためここでは、螺旋塗工について説明する。まず基層21を周方向に回転させながら、丸型、又は広幅のノズルによりゴム塗料を連続的に供給しながら、ノズルを基層21の幅方向に移動させて、基層21上に塗料を螺旋状に塗工する。基層21上に螺旋状に塗工された塗料は、所定の回転速度、乾燥温度を維持させることでレベリングされながら乾燥される。その後、さらに所定の加硫温度で加硫(架橋)させて形成される。加硫された弾性層22は、その後充分に冷却する。ベルト幅方向への膜厚を変化させるには、ノズルの吐出量、ノズル金型間の距離を変化させるか、もしくは金型の回転速度を変えることにより作製することができる。図4にはこのようにして作製された無端状ベルトの斜視図を示した。図4に示すように、基層21上に弾性層中央部22aから弾性層端部リア側22b及び弾性層フロント側端部にかけて膜厚が小さくなるように弾性層22を形成することができる。
上記球形微粒子23は、上記行程中で弾性層22を加熱乾燥させた後、加硫前に塗布、若しくは加硫後後冷却された弾性層22上に塗布することで弾性層22上に付着させることが可能である。弾性層22からの球形微粒子23の脱離を確実に抑制する点からは、弾性層22の加硫前に球形微粒子23を塗布することがより好ましい。図5は、球形微粒子層の形成方法を説明する構成図である。球形微粒子層の形成方法としては、例えば、図5に示すように、基層21及び弾性層22が積層されてなる無端状ベルト102が作製された円筒状の金属製の金型101の周囲に粉体供給装置105と押し当て部材103を設置する。そして、金型101を回転させながら、粉体供給装置105から球形微粒子104を弾性層22の表面に均一にまぶし、表面にまぶされた球形微粒子104を押し当て部材103により一定圧力にて押し当てる。この押し当て部材103により、弾性層22へ球形微粒子104を埋設させつつ、余剰な球形微粒子を取り除く。本実施形態では、特に単分散の球形微粒子を用いるために、このような押し当て部材103でのならし工程のみの簡単な工程で、均一な単一粒子層を形成することが可能である。このようにして、球形微粒子104を均一に表面に並べたのち、回転させながら所定温度、所定時間で加熱することにより硬化させ、弾性層22中に球形微粒子の一部を埋設させることができる。充分に冷却後、金型101から基層21ごと脱離させ、所望の中間転写ベルト20を得る。
上記行程において、球形微粒子23の弾性層22中への埋没率の調整は、例えば、押し当て部材103の押し当て時間の長さや押圧力を加減することにより、容易に果たすことができる。流延塗工液の粘度、固形分、溶剤の使用量、粒子材質等にも依るが、目安として、流延塗工液の粘度100〜100000mPa・sにおいて、押し当て部材103の押圧力を、1mN/cm〜1000mN/cmの範囲とすることにより、前記50%〜100%の埋没率を比較的容易に達成することができる。
また、こうして作製された中間転写ベルト20の抵抗は、カーボンブラック、イオン導電剤の量を可変することにより調整される。この際、球形微粒子23の大きさや占有面積率によって抵抗が変わりやすいので注意する。抵抗の測定は市販の計測器を使用できるが、たとえばダイアインスツルメンツ社のハイレスタを使用することにより測定することができる。
[実施形態1]
次に、実施形態1に係る中間転写ベルト20の形状について説明する。ここで、ベルト幅方向とは、中間転写ベルトを張架する張架ローラの回転軸線と平行な方向のことをいう。図6は、中間転写ベルトの形状の構成を示す断面図である。図7は、クリーニング部材と中間転写ベルトの位置関係を説明する模式図である。図6に示すように、中間転写ベルト20は、ベルト幅方向において、弾性層22の両端部が基層21の両端部よりも内側になることを特徴とする。ここで、基層21のフロント側端部(図6中右側)21aとリア側(図6中左側)端部21bの幅は、走行安定性の面から両者で揃えることが好ましい。フロント側端部21aとリア側端部21bの幅を揃えないと、中間転写ベルト20はバランスを崩し走行が不安定となり、画像の歪みを発生する。
また、図7に示すように、上記弾性層22の両端部は、基層21に当接されているシール部材32の端部よりもベルト幅方向内側に配置され、また有効画像領域よりもベルト幅方向外側(有効画像領域と同一幅であってもよい)に配置される。シール部材32と当接する箇所が高硬度で耐摩耗性を有する基層21であることによって、中間転写ベルト20の端部の摩耗を抑制することができる。また、シール部材32と弾性層22との設置位置を離間させることによって、弾性層22の摩耗を抑制することができる。なお、中間転写ベルト20の有効画像領域の幅よりも弾性層22の幅を小さくしてしまった場合には、トナーが用紙Pに転写されず画像抜けが発生するため好ましくない。
[実施形態2]
次に、実施形態2に係る中間転写ベルトについて説明する。図8は、実施形態2に係る中間転写ベルトの構成を示す断面図である。図8に示す中間転写ベルト24においては、弾性層22の端部側面22a、22bがむき出しにならぬように、弾性層22の端部側面22a、22bにもシリコーン球形微粒子等の球形微粒子23が塗布されている。弾性層22の端部側面22a、22bで弾性材料成分がむき出しのままであると、シール部材32が摺擦された場合には、その摩擦により弾性層22の端部側面22a、22bから削れてしまうことがわかっている。そのため、弾性層22の端部側面22a、22bは、弾性層より耐摩耗性に優れた球形微粒子23で覆われていることが好ましい。これにより、弾性層の端部側面22a、22bがむき出しである場合に比べ、弾性層の摩耗を確実に抑制することができる。
[実施形態3]
次に、実施形態3に係る中間転写ベルトについて説明する。図9は、実施形態3に係る中間転写ベルトの構成を示す断面図である。図9に示す中間転写ベルト25においては、有効画像領域外にある弾性層22の膜厚が端部に向けてなだらかに減少し、弾性層22がむき出しにならぬように、弾性層22の表面にシリコーン球形微粒子等の球形微粒子23が塗布されている。このように、球形微粒子23が取れやすい弾性層22の角をなくすことで、弾性材料成分のむき出しを確実に抑えることが可能となり、また球形微粒子23の全面への塗布も容易となり、より好ましい。なお、弾性層22上の球形微粒子23の有無は、走査型顕微鏡(SEM)で観察することによって確認出来る。
[実施形態4]
次に、実施形態4に係る中間転写ベルトの構成について説明する。図10は、実施形態4に係る中間転写ベルトの構成を示す断面図である。図10に示す中間転写ベルト26においては、弾性層22が形成されない両端部の基層21上に補強層27を設けている。中間転写ベルトの端部を基層のみにしてしまうと、局所的な亀裂を発生したり端部からベルトの破断が起きやすくなったりする。そこで、図10に示す中間転写ベルト26では、端部に補強層27を設けることによりベルト端部からの破断を押さえることができ好ましい。補強層27の材料としては耐熱性・耐摩耗性に優れたものを選択するとよい。
[実施形態5]
次に、実施形態5に係る中間転写ベルトの構成について説明する。図11は、実施形態5に係る中間転写ベルトの構成を示す断面図である。図11に示す中間転写ベルト28においては、弾性層22が形成されない両端部の基層21上に補強層27を設けている。ここでは、両端部の基層21上に設けた補強層27の厚みが弾性層2の厚みと略同等である。補強層27と弾性層22との厚みを同等にすることで、弾性層22の端部側面を全て補強層27で覆うことができ、弾性層22の端部側面の磨耗を確実に防ぐことができより好ましい。
また、図10及び図11に示す中間転写ベルト26,28の両端部表面に設けた補強層27には、絶縁体を選択するのが好ましい。クリーニング部材30においてトナー除去のためブラシから電圧を印加する際、補強層27の抵抗値が低いと補強層2とブラシとの間で優先的に放電が起きる。放電が起こると電圧がベルト全体に均一に印加されず、トナーは十分クリーニングされない。補強層27に抵抗値の高い材料を選択すれば、弾性層22への優先的な電圧印加が可能となる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これら実施例によって制限されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限りこれらの実施例を適宜改変したものも本発明の範囲内である。なお、ベルト中央部の膜厚(C)は幅方向中心部±50mmの平均膜厚を、端部の膜厚(フロント側F、リア側R)はそれぞれ幅方向両末端から50mmの平均膜厚を求めることによって、それぞれ算出した。膜厚は接触式の膜厚計で計測した。
[実施例1]
下記に示す基層用塗工液を調製し、この塗工液を用いて無端状ベルト基層を作製した。
「基層用塗工液の調製」
先ず、ポリイミド樹脂前駆体を主成分とするポリイミドワニス(U−ワニスA;宇部興産社製)に、予めビーズミルにてN−メチル−2−ピロリドン中に分散させたカーボンブラック(SpecialBlack4;エボニックデグサ社製)の分散液を、カーボンブラック含有率がポリアミック酸固形分の17重量%になるように調合し、よく攪拌混合して基層用塗工液Aを調製した。
「ポリイミド基層ベルトの作製」
次に、外径500mm、長さ400mmの外面をブラスト処理にて粗面化した金属製の円筒状支持体を型として用い、ロールコート塗工装置に取り付けた。続いて、基層用塗工液Aをパンに流し込み、塗布ローラの回転速度40mm/secで塗料を汲み上げ、規制ローラと塗布ローラのギャップを0.6mmとして、塗布ローラ上の塗料厚みを制御した。その後、円筒状支持体の回転速度を35mm/secに制御して塗布ローラに近づけ、塗布ローラとのギャップ0.4mmとして塗布ローラ上の塗料を均一に円筒状支持体上に転写塗布した後、回転を維持しながら熱風循環乾燥機に投入して、110℃まで徐々に昇温して30分加熱、さらに昇温して200℃で30分加熱し、回転を停止した。その後、これを高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に導入し、段階的に320℃まで昇温して60分加熱処理(焼成)した。充分に冷却し、膜厚60μmのポリイミド基層ベルトAを得た。
「ポリイミド基層ベルト表面のマスキング」
先に得られたポリイミド基層ベルトAの幅方向両末端(F)及び(R)にどちらも2.0cmマスキングテープを貼り付けた。2.0cmはシール部材と接触しない幅であり、かつ中間転写ベルトの有効画像領域に入らない幅である。
「ポリイミド基層ベルトへの弾性層の作製」
下記に示す各成分を下記に示す割合で配合し混練することでゴム組成物を作成した。
アクリルゴム(日本ゼオン株式会社/NipolAR12) 100重量部
ステアリン酸(日油株式会社製 ビーズステアリン酸つばき) 1重量部
赤リン(燐化学工業株式会社製 ノーバエクセル140F) 10重量部
水酸化アルミニウム
(昭和電工株式会社製 ハイジライトH42M) 40重量部
架橋剤
(デュポン ダウ エラストマー ジャパン製 Diak.No1
(ヘキサメチレンジアミンカーバメイト)) 0.6重量部
架橋促進剤
(Safic alcan社製 VULCOFAC ACT55(70%1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7と二塩基酸との塩、30%アモルファスシリカ)) 0.6重量部
次に、このようにして得られたゴム組成物を有機溶剤(MIBK:メチルイソブチルケトン)に溶かして固形分35wt%のゴム溶液を作製した。そして、マスキングテープを貼り付けたポリイミド基層を有する円筒状支持体を回転させ、先に作製したゴム溶液をノズルより連続的に吐出しながら円筒状支持体の軸方法に移動させ螺旋状に塗工した。塗布量としては中央部の最終的な膜厚が550μmになるようにした。その後、ゴム溶液が塗工された円筒状支持体をそのまま回転しながら熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度4℃/分で100℃まで昇温して120分加熱した。
その後、乾燥機から取り出して冷却し、この表面に、図5の装置を用いて、球形微粒子23として、シリコーン球形微粒子(トスパール120(体積平均粒径2.0μm品);モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ)をまんべんなく表面にまぶした。ポリウレタンゴムブレードの押し付け部材を、押圧力100mN/cmで押し当てて弾性層に固定化した。続いて、再び熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度4℃/分で170℃まで昇温して60分加熱処理した。
最後にマスキングテープを剥がして図6に示すような中間転写ベルトAを得た。このとき中央部厚み(C)は610μm、ベルト端部の基層部のみからなる幅(F)及び(R)はどちらも2.0cmとなり、粒子の埋没率は60%であった。
[実施例2]
実施例1の「ポリイミド基層ベルト表面のマスキング」において、マスキングテープの幅を2.0cmから5.0cmに変化させた以外は実施例1と同様にして行った。これにより、ベルト端部の基層部のみからなる幅(F)及び(R)はどちらも端部から有効画像領域までの幅である5.0cmとなり、弾性層と有効画像領域とが略同一幅となる中間転写ベルトBを得た。
[実施例3]
実施例1の「ポリイミド基層ベルト表面のマスキング」において、マスキングテープの幅を2.0cmから0.5cmに変化させた以外は実施例1と同様にして行った。これにより、ベルト端部の基層部のみからなる幅(F)及び(R)は0.5cmとなり、弾性層の端部側面がシール部材と接触する中間転写ベルトCを得た。
[実施例4]
ポリイミド基層ベルトAにマスキングテープを貼り付けず、そのままゴム溶液を連続的に吐出しながら円筒状支持体の軸方法に移動させ螺旋状に塗工した。また基層の幅より2.0cm内側から塗工をスタートさせ2.0cm内側でストップさせることにより両端部に2.0cmの非塗工部を設けた。ゴム塗料の吐出量を途中で変化させることによって、非画像領域から弾性層端部に向けて弾性層の膜厚をなだらかに変化させた。塗布量としては中央部の最終的な膜厚が550μmになるようにした。その後、ゴム塗料が塗工された円筒状支持体をそのまま回転しながら熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度4℃/分で100℃まで昇温して120分加熱した。
その後、乾燥機から取り出して冷却し、この表面に、図5で示した粉体供給装置105と押し当て部材103を用いて、球形微粒子23として、シリコーン球形微粒子(トスパール120(体積平均粒径2.0μm品);モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ)をまんべんなく表面にまぶした。ポリウレタンゴムブレードの押し当て部材103を、押圧力100mN/cmで押し当てて弾性層に固定化した。続いて、再び熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度4℃/分で170℃まで昇温して60分加熱処理した。この工程により、図9に示すように、ベルト端部の幅(F)及び(R)はどちらも2.0cmとなり、非画像領域の弾性層の膜厚がなだらかに減少した中間転写ベルトDを得た。
[実施例5]
実施例1の作製手順においてマスキングテープを剥がした後に実施例1と同じ球形微粒子23をまぶした。この行程により、図8に示すように、弾性層端部の側面が粒子で覆われた中間転写ベルトEを得た。
[実施例6]
実施例1のベルト作製後に、基層の上を全て膜厚200μm補強層(ニトフロン(半導電性粘着テープ、表面抵抗値102〜104Ω)で覆った。この行程により、図10に示すように、ベルト端部の膜厚(F)及び(R)はどちらも260μmとなる中間転写ベルトFを得た。
[実施例7]
実施例1のベルト作製後に、基層の上を全て膜厚550μm補強層(ニトフロン(半導電性粘着テープ、表面抵抗値102〜104Ω)で覆った。この行程により、図11に示すように、ベルト端部の膜厚(F)及び(R)がどちらも610μmとなる中間転写ベルトGを得た。
[実施例8]
実施例1のベルト作製後に、基層の上を全て膜厚550μmの絶縁テープ(両面カプトン絶縁性テープ)で覆った。この行程により、図11に示すように、ベルト端部の膜厚(F)及び(R)はどちらも610μmとなり、補強層が絶縁体となる中間転写ベルトHを得た。
[比較例1]
実施例1の弾性層作製時において、マスキングテープを使用せずそのまま基層へゴム塗料を吐出した以外は実施例1と同様にして、厚み(F)、(C)、(R)がそれぞれ610μmとなる。両端部にも弾性層を設けた中間転写ベルトIを得た。
[比較例2]
実施例1の弾性層作製時において、マスキングテープを使用せずノズルの吐出量を変化させることにより膜厚を変化させた以外は実施例1と同様にして、中央部厚み(C)が610μm、端部厚み(F)及び(C)がそれぞれ260μmとなる両端部にも弾性層を設けた中間転写ベルトJを得た。
上記各実施例1乃至8、及び比較例1,2の中間転写ベルトA〜Hを、図1で説明した画像形成装置に搭載し以下の様に評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2013025274
連続20万枚通紙を行った後のベルトの磨耗状態を、目視によるランク判定により確認した。判定は◎が磨耗なし、○が磨耗はあるが実用可能レベル、×が磨耗が激しいとした。
磨耗した弾性材料による白抜けを調べるために、連続20万枚通紙を行った後の普通紙(TYPE 6200)への画像品質(ブラックのトナーによる全面ハーフトーン)を目視によって判定した。判定は◎が白抜けなし、○が白抜けするが使用可能レベル、×は使用不可とした。
ベルト磨耗による走行不良の影響を調べるために、画像の歪みを確認した。なお、連続20万枚通紙を行った後の普通紙(TYPE 6200)への画像品質(ブラックのトナーによる全面ハーフトーン)を目視によって判定した。判定は◎が歪みなし、○が一部歪みがあるが実使用可能レベル、×が使用不可とした。
表1の結果から、ベルト端部が基層のみからなる実施例1乃至3では、ベルト端部まで弾性層が形成される比較例1及び2に比べ、弾性層が摩耗しにくく、白抜け、ベルトの歪み、クリーニング不良を抑制でき、高画質な画像を得ることができることがわかる。しかし、実施例3では、実施例1に比べ弾性層の端部側面がシール部材と接触する頻度が高い。そのため、実施例3の表1中の評価は、実施例1の評価と同じであるが、実施例3の中間転写ベルトCの弾性層端部側面は実施例1・2の中間転写ベルトA・Bの弾性層端部側面に比べ摩耗量が大きくなってしまう。これに対して、弾性層の端部側面にも球形微粒子を有し弾性層が全く露出していない実施例4及び5では、弾性層の摩耗が確実に抑制されるため、白抜けの発生を確実に抑制することができることがわかる。また、ベルト端部に補強層を有する実施例6乃至8では、ベルト端部が基層のみからなる場合に比べ、ベルトの歪みを確実に抑制し、ベルト端部からの亀裂や破断を抑制することができる。特に、補強層と弾性層との厚みが同じで、弾性層が全く露出していない実施例7及び8では、弾性層の摩耗がより確実に抑制されるため、白抜けの発生をより確実に抑制することができることがわかる。さらに、補強層が絶縁体である実施例8では、弾性層への優先的な電圧印加が可能となって良好なクリーニング性を維持できる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
張架ローラ11,12,13などの複数の張架部材によって張架されながら無端移動せしめられ、トナー像が転写される中間転写ベルト20などの転写ベルトにおいて、少なくとも基層21などの基層と、弾性部材からなる弾性層22などの弾性層とが積層され、弾性層の表面が一様な凹凸形状を有するように球形微粒子23を有し、上記張架部材の回転軸線と平行となるベルト幅方向における上記弾性層の両端部が上記基層の両端部よりも内側に形成される。これによれば、上記実施形態1で説明したように、有効画像領域に形成された弾性層によって、転写材の種類・表面形状によらず高い転写性能を実現できる。また、転写ベルトの両端部に当接しトナー飛散等を防止するシール部材32等のトナー飛散防止部材があっても、ベルト幅方向でトナー飛散防止部材と弾性層とを離間させることができるため、弾性層がトナー飛散防止部材との摺擦により摩耗することを防止することができる。弾性層に比べ硬度が高い基層は、トナー飛散防止部材との摺擦によっても摩耗しにくい。また、最表面に球形微粒子を有する転写ベルトは、球形微粒子が弾性層に比べ滑性がよいことから、弾性層を最表面とする場合に比べ転写性及びクリーニング性、耐摩耗性に優れている。そして、この球形微粒子は、溶剤や膜厚の調整がいらず、球形微粒子を単独で塗布するだけで形成することができるので、特許文献1に提案されるような表面層を形成する場合に比べ、低コスト且つ簡易な方法でクリーニング部材やシール部材に対して耐摩耗性を持たせることができる。
(態様B)
態様Aにおいて、上記転写ベルト上に残留する転写残トナーをクリーニングするクリーニング部材30などのクリーニング手段と、該転写ベルトの両端部に接触してトナー飛散を防止するシール部材32などのトナー飛散防止部材とを備え、上記弾性層の端部は、転写ベルトの有効画像領域よりも外側であって、トナー飛散防止部材の接触位置よりも内側である。これによれば、実施形態1で説明したように、弾性層とトナー飛散防止部材とを離間させることができるので、弾性層がトナー飛散防止部材との摺擦により摩耗することを防止できる。したがって、弾性層の摩耗により白抜け画像や画像の歪みが発生することを抑制することができる。
(態様C)
態様Cにおいて、上記弾性層の幅方向側面は球形微粒子で覆われている。これによれば、実施形態2で説明したように、トナー飛散防止部材と弾性層とが接触するようなことがあっても、弾性層が露出していないので、確実に弾性層の摩耗を抑制することができる。
(態様D)
態様B又は態様Cの転写ベルトにおいて、上記転写ベルトの有効画像領域よりも外側にある弾性層の膜厚は、端部に向けてなだらかに減少する。これによれば、実施形態3で説明したように、球形微粒子がとれやすい角がなく、弾性層の全面に球形微粒子層を形成しやすく、より確実に弾性層の摩耗を抑制することができる。
(態様E)
態様A,B,C,又はDの転写ベルトにおいて、上記転写ベルトの両端部の基層表面に補強層27などの補強層を有する。これによれば、実施形態4で説明したように、両端部に補強層を有するので、局所的な亀裂の発生やベルトの破断を抑制することができる。
(態様F)
態様Eの転写ベルトにおいて、上記補強層の膜厚は、上記弾性層の膜厚と略同等である。これによれば、実施形態5で説明したように、弾性層の端部側面を補強層で覆い、弾性層が全く露出していないので、より確実に弾性層の摩耗を抑制することができる。
(態様G)
態様E又はFの転写ベルトにおいて、上記補強層は絶縁体から構成される。これによれば、実施形態4及び5で説明したように、クリーニング部材による電圧を弾性層へ優先的に印加することができ、クリーニング性に優れる。
(態様H)
潜像が形成されトナー像を担持可能な感光体2などの像担持体と、像担持体上に形成された潜像をトナーで現像する現像装置5などの現像手段と、現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写ベルト20などの転写ベルトと、転写ベルトに担持されたトナー像を用紙Pなどの記録媒体に二次転写する二次転写手段と、転写ベルト上の転写残トナーをクリーニングするクリーニング部材30などのクリーニング手段と、転写ベルトの両端部に接触してトナー飛散を防止するシール部材32などのトナー飛散防止部材とを備える画像形成装置において、上記転写ベルトとして態様A乃至Gの中間転写ベルトを用いる。これによれば、上述したように転写ベルトが転写性・耐久性に優れるので、長期に亘って高画質な画像を得ることができる。
(態様I)
態様Hの画像形成装置において、互いに異なる色のトナー像を担持する感光体2Y,M,C,BKなどの複数の像担持体が直列に配設されていることを特徴とする。これによれば、上述したように、ひとつの像担持体で構成する場合に比べ、画像形成の高速化が可能である。
なお、本実施形態では、感光体2を含む画像形成ユニット1を複数組並べて配置し、各画像形成ユニット1の感光体2上に互いに異なる色のトナー像を形成し、各感光体上のトナー像を中間転写ベルト20に重ね合わせて転写するタンデム型カラー画像形成装置について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、ひとつの一つの感光体上に各色のトナー像を順次形成し、感光体上の各色トナー像を順次中間転写ベルトに重ね合わせて転写する1ドラム型カラー画像形成装置に採用してもよい。
20,24,25,26,28 中間転写ベルト
21 基層
22 弾性層
23 球形微粒子層
27 補強層
32 シール部材
特開2009−48032号公報 特開2011−28090号公報 特開2009−300490号公報

Claims (9)

  1. 複数の張架部材によって張架されながら無端移動せしめられ、トナー像が転写される転写ベルトにおいて、
    少なくとも基層と弾性部材からなる弾性層が積層され、該弾性層の表面が一様な凹凸形状を有するように球形微粒子を有し、
    上記張架部材の回転軸線と平行となるベルト幅方向における上記弾性層の両端部が上記基層の両端部よりも内側に形成されることを特徴とする転写ベルト。
  2. 請求項1の転写ベルトにおいて、
    上記転写ベルト上に残留する転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段と、該転写ベルトの両端部に接触してトナー飛散を防止するトナー飛散防止部材とを備え、
    上記弾性層の端部は、該転写ベルトの有効画像領域よりも外側であって、トナー飛散防止部材の接触位置よりも内側であることを特徴とする転写ベルト。
  3. 請求項2の転写ベルトにおいて、
    上記弾性層の幅方向側面は球形微粒子で覆われていることを特徴とする転写ベルト。
  4. 請求項2又は3の転写ベルトにおいて、
    上記転写ベルトの有効画像領域よりも外側にある上記弾性層の膜厚は、端部に向けてなだらかに減少することを特徴とする転写ベルト。
  5. 請求項1、2、3、又は4の転写ベルトにおいて、
    上記転写ベルトの両端部の基層表面に補強層を有することを特徴とする転写ベルト。
  6. 請求項6の転写ベルトにおいて、
    上記補強層の膜厚は、上記弾性層の膜厚と略同等であることを特徴とする転写ベルト。
  7. 請求項5又は6の転写ベルトにおいて、
    上記補強層は、絶縁体から構成されることを特徴とする転写ベルト。
  8. 潜像が形成されトナー像を担持可能な像担持体と、該像担持体上に形成された潜像をトナーで現像する現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像が一次転写される転写ベルトと、該転写ベルトに担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する二次転写手段と、該転写ベルト上の転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段と、該転写ベルトの両端部に接触してトナー飛散を防止するトナー飛散防止部材とを備える画像形成装置において、
    上記転写ベルトとして請求項1乃至7の転写ベルトを用いることを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項8の画像形成装置において、
    互いに異なる色のトナー像を担持する複数の像担持体が直列に配設されていることを特徴とする画像形成装置。
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