JP5008117B2 - 液晶シール剤およびそれを用いた液晶表示セル - Google Patents

液晶シール剤およびそれを用いた液晶表示セル Download PDF

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本発明は、熱硬化型液晶シール剤に好適な樹脂組成物及びそれを用いた液晶表示セルに関する。
液晶表示装置を作成するに当たっては、熱硬化型液晶シール剤を使用する場合、液晶シール剤をディスペンサー、或いはスクリーン印刷等の方法より基板に塗布後、通常、加熱してプリキュア(溶剤を揮発)した後に、上下基板をアライメントマークを用いて高精度に貼り合わせて、シール剤を熱プレスするというプロセスで上下基板の貼り合わせを行っている。
近年、液晶パネル製造に関してより量産性を高める為基板が大型化し、タクトタイム(1工程あたりの時間)が短くなってきているがさらに短くする要望が出てきている。その為にはプリキュア工程を省けるような無溶剤の熱硬化シール剤が望まれている。ただ、無溶剤だと25℃以下での貯蔵安定性が悪くなるという問題が起こっている。
さらに近年、液晶表示装置の高精細化、液晶組成物の応答速度の高速化、パネルの狭額縁化に伴い、接着性、耐湿信頼性を備えた液晶シール剤が求められている。耐湿信頼性に優れた液晶シール剤でないと、液晶シール剤から空気中に含まれる水分が浸入して液晶表示装置内の液晶組成物を汚染し、表示不良が発生したりする為である。
無溶剤のシール剤で貯蔵安定性及び接着性に優れていることは、例えば特許文献1に記載されている。しかし特許文献1に示されるようなエポキシ樹脂、ジアミンにアクリル酸アルキルエステルを付加重合させたエポキシ硬化剤、ポリマー微粒子、無機質充填剤及びシランカップリング剤を含むシール剤の耐湿信頼性は不明である。
一方、ヒドラジド化合物を使用した樹脂組成物について特許文献2にはトリス(2−ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアネートが開示されており、エポキシ樹脂硬化剤として有用であるとしている。しかしながら、エポキシ樹脂組成物の接着性、耐湿信頼性等に関しては記載が無く、液晶シール剤の硬化剤に適用できる可能性について言及がない。また、特許文献3にはエポキシ樹脂とヒドラジド系硬化剤の硬化系において多価カルボン酸類が硬化促進剤として有効であることが示されているが、同様に接着性に関しては記載が無い。このように、25℃以下の貯蔵安定性に優れ、また、接着性や耐湿信頼性に優れている液晶シール剤の開発が強く望まれている。
特開2000−281759号公報 特開2002−371069号公報 特開昭62−172014号公報
本発明は、スクリーン印刷及びディスペンス塗布に対応し、無溶剤で25℃以下の貯蔵安定性に優れ、また特定の構造を有するヒドラジド化合物及び多価カルボン酸を含むことにより、接着性さらに耐湿信頼性に優れる熱硬化型液晶シール剤に好適な樹脂組成物を提供するものである。
本発明者らは前記した課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成させたものである。
即ち本発明は、次の(1)〜(10)に関するものである。
(1)(a)下記一般式(1)で表されるイソシアヌル環骨格を有するヒドラジド化合物、(b)硬化性樹脂、(c)多価カルボン酸及び(d)無機充填剤を含有することを特徴とする熱硬化型液晶シール剤、
Figure 0005008117
[式中、R1〜R3は各々独立して水素原子又は下記式(2)
Figure 0005008117
(式中、nは1〜6の整数を示す)で表される分子骨格を示す。]
(2)ヒドラジド化合物(a)が下記式(3)で表される化合物である前記(1)に記載の熱硬化型液晶シール剤、
Figure 0005008117
(3)硬化性樹脂(b)がエポキシ樹脂である又は(2)に記載の熱硬化型液晶シール剤、
(4)多価カルボン酸(c)が分子内に下記一般式(4)で表されるイソシアヌル骨格を有する多価カルボン酸である前記(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の熱硬化型液晶シール剤、
Figure 0005008117
[式中、T1〜T3は各々独立して水素又は下記式(5)
Figure 0005008117
(式中、nは1〜6の整数を示す)で表される分子骨格を示す。]
(5)多価カルボン酸(c)が下記式(6)で表される化合物である前記(4)に記載の熱硬化型液晶シール剤、
Figure 0005008117
(6)多価カルボン酸(c)が下記式(7)で表される化合物である前記(4)に記載の液晶シール剤、
Figure 0005008117
(7)無機充填剤がアルミナ及び/又はシリカであることを特徴とする前記(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の熱硬化型液晶シール剤、
(8)無機充填剤の平均粒径が10〜2000nmである前記(7)に記載の熱硬化型液晶シール剤、
(9)カップリング剤(e)を含有していることを特徴とする前記(1)乃至(8)のいずれか一項に記載の熱硬化型液晶シール剤、
(10) 前記(1)乃至(9)のいずれか一項に記載の熱硬化型液晶シール剤の硬化物でシールされた液晶表示セル。
本発明の熱硬化型液晶シール剤は、スクリーン印刷及びディスペンス塗布に対応し、無溶剤で25℃以下の貯蔵安定性に優れ、また、接着性及び耐水耐湿性に対して非常に優れている。本発明の液晶シール剤をスクリーン印刷及びディスペンス塗布に使用することにより、液晶表示セル製造における歩留まり、生産性の向上が可能になった。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の熱硬化型液晶シール剤は硬化剤として、前記一般式(1)で表されるイソシアヌル環骨格を有するヒドラジド化合物(a)を含有する。これらのイソシアヌル環骨格を有するヒドラジド化合物は、該骨格を有するカルボン酸化合物をエステル化し、更に水和ヒドラジンと加熱下にて反応させる等、定法により合成することが出来る。該ヒドラジド化合物の具体例としては、トリス(2−ヒドラジノカルボニルメチル)イソシアネヌレート(下記式(8))、トリス(2−ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレート(下記式(9))、トリス(2−ヒドラジノカルボニルプロピル)イソシアヌレート(下記式(10))、ビス(2−ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレート(下記式(11))等が挙げられるが、特に限定されるものではない。トリス(2−ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレートは日本ファインケム株式会社より商品名HCICとして市販されている。
Figure 0005008117
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無溶剤液晶シール剤の硬化剤は、使用時には室温下における粘度変化が少なく可使時間が良好であることが重要である。固体分散タイプの潜在性熱硬化剤の場合、粒径が不均一で大きな粒径のものがあったり、分散が不充分で偏りが生じていたりすると、硬化が均一に行われずセルギャップ不良の原因になったり、液晶汚染が生じたりして液晶パネルの表示不良が発生してしまう。この点を鑑み、本発明で使用するイソシアヌル環骨格を有するヒドラジド化合物は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定器による測定で、平均粒径3μm以下に微粉砕されたものを使用することが好ましく、より好ましくは平均粒径2μm以下である。また、同様に最大粒径は8μm以下が好ましく、より好ましくは5μm以下である。イソシアヌル環骨格を有するヒドラジド化合物を使用したシール剤は室温において非常に良好なポットライフを有する一方で、120℃、1時間の条件においても適度な硬化性を示す。イソシアヌル環骨格を有するヒドラジド化合物は液晶への溶解性も殆ど無いことから、封入された液晶の汚染性は極めて低いものとなる。
本発明においてヒドラジド化合物(a)は本発明の熱硬化型液晶シール剤全体(組成物全体)の5〜52重量%、好ましくは12〜35重量%を用いることができる。
本発明に用いられるエポキシ樹脂(b)としては特に限定されるものではなく、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂:ビスフェノールS、4,4’−ビフェニルフェノール、2,2’,6,6’−テトラメチル−4,4’−ビフェニルフェノール、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリスヒドロキシフェニルメタン、ピロガロール、ジイソプロピリデン骨格を有するフェノール類:1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類:フェノール化ポリブタジエン等のポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂:フェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂:キシリレン骨格を有するフェノールノボラック樹脂:ジシクロペンタジエン骨格を有するフェノールノボラック樹脂:フルオレン骨格を有するフェノールノボラック樹脂等の各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物:シクロヘキサン等の脂肪族骨格を有する脂環式エポキシ樹脂:イソシアヌル環、ヒダントイン環等の複素環を有する複素環式エポキシ樹脂:ブロム化ビスフェノールA、ブロム化ビスフェノールF、ブロム化ビスフェノールS、ブロム化フェノールノボラック、ブロム化クレゾールノボラック等のブロム化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂:N,N−ジグリシジル−o−トルイジン、N,N−ジグリシジルアニリン、フェニルグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、(3,4−3’,4’−エポキシシクロ)ヘキシルメチルヘキサンカルボキシレート、ヘキサヒドロ無水フタル酸ジグリシジルエステル等の一般に製造、販売されているエポキシ樹脂が挙げられる。
本発明においてエポキシ樹脂(b)は本発明の熱硬化型液晶シール剤の作業性、物性に影響を与えない範囲で用いられ、組成物全体の40〜70重量%、好ましくは50〜60重量%を用いることができる。
本発明の熱硬化型液晶シール剤には低温硬化性の改善のため硬化促進剤として多価カルボン酸(c)を配合しても良い。多価カルボン酸(c)の具体例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸等の芳香族カルボン酸類、デカン二酸、ドデカン二酸等の脂肪族カルボン酸類、トリス(2−カルボキシメチル)イソシアネヌレート(下記式(12))、トリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート(下記式(13))、トリス(2−カルボキシプロピル)イソシアヌレート(下記式(14))、ビス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート(下記式(15))等のイソシアヌル環骨格を有する多価カルボン酸等が挙げられる。
Figure 0005008117
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これらのうち、経時安定性及び液晶汚染性の観点から好ましいのはイソシアヌル環骨格を有する多価カルボン酸であるが、特に限定されるものではない。
本発明において、多価カルボン酸(c)は組成物全体の3〜10重量%、好ましくは5〜8重量%用いることができる。
本発明で使用する無機充填剤(d)としては、例えばアルミナ、シリカ、タルク、クレー、チタン酸バリウム、酸化チタン、酸化コバルト、酸化マグネシウム、酸化ニッケル、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等の金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸ジルコニウム等の珪酸塩等が挙げられ、好ましくはアルミナ、シリカである。これら無機充填剤は単独で用いても、もしくは2種以上を混合して用いても良い。
本発明で用いられる無機充填剤(d)の平均粒径は10〜2000nmが好ましい。2000nmより無機充填剤の平均粒径が大きいと、液晶表示装置製造時の上下基板貼り合わせ後の熱プレス時に、無機充填剤の比表面積が小さいことから無機充填剤と液晶シール剤の樹脂成分の分離が生じやすくなり、しみだしが発生してしまう。そして、硬化後の接着強度及び吸湿後の接着強度が低下してしまう。10nmより無機充填剤の平均粒径が小さいと無機充填剤の比表面積が大きくなりすぎることから液晶シール剤の粘度が高くなりすぎて、セルギャップの形成が困難になってしまう。
本発明で使用される無機充填剤(d)の液晶シール剤中の含有量は、組成物全体の5〜30重量%、好ましくは10〜20重量%である。無機充填剤の含有量が5重量%より少ない場合、充填剤含有量が少ないため低粘度になり、液晶表示装置作成時の加熱プレス時に液晶シール剤のしみだしが発生してしまう。又、無機充填剤(d)の含有量が25重量%より多い場合、充填剤含有量が多すぎるため、液晶表示装置作成のプレスの際つぶれにくく、液晶表示装置のギャップ形成ができなくなってしまう。
本発明の熱硬化型液晶シール剤には、液晶シール剤の特性に影響を与えない範囲で有機充填剤(f)を添加しても良い。有機充填剤(f)としては、例えばポリマービーズ、コアシェルタイプのゴムフィラー等があげられる。これら充填剤は単独で用いても、もしくは2種以上を混合して用いても良い。
添加できる有機充填剤(f)の平均粒径は、3μm以下であり、好ましくは2μm以下でなくてはいけない。平均粒径が3μmより大きい場合は、セルギャップの形成が難しくなってしまう。また、添加できる有機充填剤(f)の添加量は、無機充填材(d)の重量の20重量%以下でなくてはならない。20重量%より多い場合では粘度が高くなりセルギャップの形成が難しくなってしまう。
本発明の熱硬化型液晶シール剤には、必要に応じてカップリング剤(e)を加えることが出来る。カップリング剤(e)としては、例えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−(ビニルベンジルアミノ)エチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、イソプロピル(N−エチルアミノエチルアミノ)チタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、チタニュウムジ(ジオクチルピロフォスフェート)オキシアセテート、テトライソプロピルジ(ジオクチルフォスファイト)チタネート、ネオアルコキシトリ(p−N−(β−アミノエチル)アミノフェニル)チタネート等のチタン系カップリング剤、Zr−アセチルアセトネート、Zr−メタクリレート、Zr−プロピオネート、ネオアルコキシジルコネート、ネオアルコキシトリスネオデカノイルジルコネート、ネオアルコキシトリス(ドデカノイル)ベンゼンスルフォニルジルコネート、ネオアルコキシトリス(エチレンジアミノエチル)ジルコネート、ネオアルコキシトリス(m−アミノフェニル)ジルコネート、アンモニウムジルコニウムカーボネート、Al−アセチルアセトネート、Al−メタクリレート、Al−プロピオネート等のジルコニウム、或いはアルミニウム系カップリング剤が挙げられるが、好ましくはアミノシラン系カップリング剤であり、更に好ましくはシリコン系カップリング剤である。カップリング剤を使用する事により耐湿信頼性が優れ、吸湿後の接着強度の低下が少ない液晶シール剤が得られる。
本発明において、カップリング剤(e)は組成物全体の0〜2重量%、好ましくは0.5〜1重量%用いることができる。
本発明の熱硬化型液晶シール剤には、さらに必要に応じて、顔料、レベリング剤、消泡剤などの添加剤を配合することができる。
本発明の熱硬化型液晶シール剤は熱硬化によって硬化するものであり、光重合開始剤は含まない。
本発明の熱硬化型液晶シール剤は、前記したエポキシ樹脂(b)に、無機充填剤(d)と必要に応じその他の充填剤を添加し、公知の混合装置、例えばボールミル、サンドミル、3本ロール等により微分散した後、ヒドラジド化合物(a)を加え分散させる。さらに、多価カルボン酸(c)と必要に応じカップリング剤(e)、消泡剤、レベリング剤等の所定量を添加して混合することにより製造する事が出来る。混合が終わったあと夾雑物を除く為に、濾過処理を施すことが好ましい。
本発明の液晶表示装置は、基板に所定の電極を形成した一対の基板を所定の間隔に対向配置し、周囲を本発明の熱硬化型液晶シール剤でシールし、その間隙に液晶が封入されたものである。封入される液晶の種類は特に限定されない。ここで、基板とはガラス、石英、プラスチック、シリコン等からなる少なくとも一方が光透過性がある組み合わせの基板から構成される。その製法としては、例えばまず、本発明の液晶シール剤に、グラスファイバー等のスペーサー(間隙制御材)を添加する。スペーサーとしては、例えばグラスファイバー、シリカビーズ、ポリマービーズ等があげられる。その直径は、製造する液晶表示装置のセルギャップに合わせて選択するが、通常0.5〜10μmである。その使用量は、本発明の液晶シール剤100重量部に対し0.1〜4重量部、好ましくは0.5〜2重量部、更に、好ましくは0.9〜1.5重量部程度である。スペーサーを添加した液晶シール剤を一対の基板の一方にディスペンサー等により塗布した後、対抗基板を貼り合わせ、熱プレスにてギャップ出しを行い、120〜160℃で1〜2時間硬化することにより得ることができる。
以下に実施例により本発明を更に詳しく説明する。なお、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例1
エポキシ樹脂YD−8125(東都化成株式会社製:エポキシ当量173g/eq、ビスフェノールAエポキシ樹脂)70重量部、エポキシ樹脂RE−310S(日本化薬株式会社製:エポキシ当量181g/eq、ビスフェノールA型エポキシ樹脂)30重量部とを混合して樹脂液を得た。次に無機充填材(d)としてナノテックアルミナSPC(シーアイ化成株式会社製:球状アルミナ、平均粒径50nm)35重量部と有機充填剤(f)としてブタジエン・メタクリル酸アルキル・スチレン共重合物(ロームアンドハース株式会社製:パラロイドEXL−2655)5重量部をサンドミルで均一に混合した。更にヒドラジド化合物(a)としてトリス(2−ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレート微粉砕品(日本ファインケム株式会社製:HCICをジェットミルで平均粒径1.5μm、最大粒径5μmに微粉砕したもの)25重量部を加え3本ロールにより混練した。更に多価カルボン酸(c)(硬化促進剤)のトリス(2−カルボキシプロピル)イソシアヌレート粉砕品(四国化成工業株式会社製:C3−CIC酸をジェットミルで平均粒径1.5μm、最大粒径5μmに微粉砕したもの)10重量部とシランカップリング剤(e)としてサイラエースS−510(チッソ株式会社製:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)1重量部を混合して本発明の熱硬化型液晶シール剤を得た。その粘度(25℃)は110Pa・sであった(25℃、R型粘度計(東機産業株式会社製))。
実施例2
エポキシ樹脂YD−8125:70重量部、エポキシ樹脂RE−310S:30重量部とを混合して樹脂液を得た。次に無機充填材(d)としてナノテックアルミナSPC:35重量部と有機充填剤(f)としてパラロイドEXL−2655:5重量部をサンドミルで均一に混合した。更にヒドラジド化合物(a)としてトリス(2−ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレート微粉砕品:25重量部を加え3本ロールにより混練した。更に多価カルボン酸(c)(硬化促進剤)のトリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート粉砕品(四国化成工業株式会社製:CIC酸をジェットミルで平均粒径1.5μm、最大粒径5μmに微粉砕したもの)10重量部とシランカップリング剤(e)としてサイラエースS−510:1重量部を混合して本発明の熱硬化型液晶シール剤を得た。その粘度(25℃)は100Pa・sであった(25℃、R型粘度計(東機産業株式会社製))。
実施例3
エポキシ樹脂YD−8125:70重量部、エポキシ樹脂RE−310S:30重量部を混合して樹脂液を得た。次に無機充填材(d)としてアドマファイン1030(アドマテックス株式会社製:球状シリカ、平均粒径0.3μm)28重量部と有機充填剤(f)としてパラロイドEXL−2655:5重量部をサンドミルで均一に混合する。更にヒドラジド化合物(a)としてトリス(2−ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレート微粉砕品:25重量部を加え3本ロールにより混練する。更に多価カルボン酸(c)(硬化促進剤)のトリス(2−カルボキシプロピル)イソシアヌレート粉砕品:10重量部とシランカップリング剤(e)としてサイラエースS−510:1重量部を混合して本発明の熱硬化型液晶シール剤を得た。その粘度(25℃)は75Pa・sであった(25℃、R型粘度計(東機産業株式会社製))。
比較例1
エポキシ樹脂YD−8125:70重量部、エポキシ樹脂RE−310S:30重量部を混合して樹脂液を得た。次に無機充填材(d)としてナノテックアルミナSPC:35重量部と有機充填剤(f)としてパラロイドEXL−2655:5重量部をサンドミルで均一に混合した。更に硬化剤としてアミキュアVDH微粉砕品(味の素株式会社製:バリンヒダントイン骨格を有するジヒドラジド類(VDH)をジェットミルで平均粒径1.5μm、最大粒径5μmに微粉砕したもの)28重量部を加え3本ロールにより混練した。更に多価カルボン酸(c)(硬化促進剤)のトリス(2−カルボキシプロピル)イソシアヌレート粉砕品:10重量部とシランカップリング剤サイラエース(e)としてS−510:1重量部を混合して比較例の熱硬化型液晶シール剤を得た。その粘度(25℃)は100Pa・sであった(25℃、R型粘度計(東機産業株式会社製))。
ポットライフ
得られた熱硬化型液晶シール剤の25℃における粘度変化を測定した。初期粘度に対する粘度増加率(%)を表1に示す。
接着強度
得られた熱硬化型液晶シール剤100gにスペーサーとして5μmのグラスファイバー1gを添加して混合攪拌を行う。この液晶シール剤を50mm×50mmのガラス基板上に塗布し、その液晶シール剤上に1.5mm×1.5mmのガラス片を貼り合せオーブンに投入して熱硬化させた。熱硬化条件は150℃×1時間とした。西進商事製ボンドテスターにてガラス片のせん断接着強度を測定した。結果を表1に示す。
吸水率テスト
得られた熱硬化型液晶シール剤をガラス基板上に厚さ25μmの厚さになるように塗布して150℃×1時間で硬化させた。その後60℃90%の雰囲気下の恒温恒湿槽に24時間投入し、恒温恒湿槽投入前後の重量比から吸水率を算出した。その結果を表1に示す。
Figure 0005008117
表1に示されるように、本発明の熱硬化型液晶シール剤は、無溶剤で粘度変化が少なく、接着性に優れ、かつ吸水率が低いことから、耐湿信頼性に優れている。

Claims (9)

  1. (a)下記一般式(1)で表されるイソシアヌル環骨格を有するヒドラジド化合物、(b)エポキシ樹脂、(c)多価カルボン酸及び(d)無機充填剤を含有することを特徴とする熱硬化型液晶シール剤。
    Figure 0005008117
    [式中、R〜Rは各々独立して水素原子又は下記式(2)
    Figure 0005008117
    (式中、nは1〜6の整数を示す)で表される分子骨格を示す。]
  2. ヒドラジド化合物(a)が下記式(3)で表される化合物である請求項1に記載の熱硬化型液晶シール剤。
    Figure 0005008117
  3. 多価カルボン酸(c)が分子内に下記一般式(4)で表されるイソシアヌル骨格を有する多価カルボン酸である請求項1又は2に記載の熱硬化型液晶シール剤。
    Figure 0005008117
    [式中、T〜Tは各々独立して水素又は下記式(5)
    Figure 0005008117
    (式中、nは1〜6の整数を示す)で表される分子骨格を示す。]
  4. 多価カルボン酸(c)が下記式(6)で表される化合物である請求項に記載の熱硬化型液晶シール剤。
    Figure 0005008117
  5. 多価カルボン酸(c)が下記式(7)で表される化合物である請求項に記載の熱硬化型液晶シール剤。
    Figure 0005008117
  6. 無機充填剤がアルミナ及び/又はシリカであることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の熱硬化型液晶シール剤。
  7. 無機充填剤の平均粒径が10〜2000nmである請求項に記載の熱硬化型液晶シール剤。
  8. カップリング剤(e)を含有していることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の熱硬化型液晶シール剤。
  9. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の熱硬化型液晶シール剤の硬化物でシールされた液晶表示セル。
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