JP2008088350A - 液晶シール剤およびそれを用いた液晶表示セル - Google Patents

液晶シール剤およびそれを用いた液晶表示セル Download PDF

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Tsunetoshi Sakano
常俊 坂野
Shoichi Hayashibara
昌一 林原
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直美 荷見
Masahiro Hirano
雅浩 平野
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Abstract

【課題】
耐湿信頼性に非常に優れ、且つ接着強度が高く、液晶に対する汚染性の非常に少ない熱硬化型液晶シール剤の開発。
【解決手段】
式(1)(式中nは平均重合度を表し、1〜10の正数である。)で示されるフェノール樹脂(a)、エポキシ樹脂(b)、無機充填剤(c)、及び硬化促進剤(d)を含有することを特徴とする液晶シール剤 。
Figure 2008088350

【選択図】なし

Description

本発明は、液晶シール剤及びそれを用いた液晶表示装置に関する。
近年、携帯電話や車載用途等の表示パネルとして液晶表示装置が幅広く使われている。これらの液晶表示装置は、パーソナルコンピューターや液晶テレビ等のように屋内で使用されるものとは異なり、より外部環境の厳しい屋外でも問題なく使用できなければならない。それに加えこれらの液晶表示装置に求められる特性としては、さらなる高精細化、液晶組成物の応答速度の高速化、パネルの狭額縁化など、表示品質のさらなる向上や軽量化やパネルに対してより大きな表示面積を確保するといった要求がある。それに伴って、従来よりもさらに耐湿信頼性、接着性、液晶に対して汚染が少ない特性を備えた液晶シール剤が強く求められている。耐湿信頼性に関しては液晶シール剤の吸水率に起因することが知られており、吸水率が低ければ低いほど液晶シール剤の性能が上がることが知られている。
液晶表示装置を作成するに当たっては、熱硬化シール剤を使用する場合、液晶シール剤をディスペンサー、或いはスクリーン印刷等の方法より基板に塗布後、通常、加熱してプリキュア(溶剤を揮発)した後に、上下基板をアライメントマークを用いて高精度に貼り合わせて、シール剤を熱プレスするというプロセスで上下基板の貼り合わせを行っている。近年、液晶パネル製造に関して、より量産性を高めるため基板が大型化し、タクトタイム(1工程あたりの時間)が短くなってきている。
熱プレス方法に関してもより生産性の高いプレス方法が主流となっている。従来は上下基板貼り合わせ後のパネルを数枚から数十枚重ねて冶具に装着し、加熱炉に投入して、加熱炉内で焼成させて液晶シール剤を熱プレスして硬化させる、いわゆるバッチプレス法で行っていた。近年は上記のようなバッチ式プレスではなく、枚葉式プレスが主流となっている。すなわち、貼り合わせた上下基板一組を1枚ずつ高速で熱プレスする方法である。このプレス方法には、上下基板貼り合わせ後のパネルを硬化炉中で真空加熱プレスする方法や、多段の熱板にてプレスする方法がある。このような生産性の高い熱プレス方式に対応する液晶シール剤は、急激に加熱をしても液晶シール剤のセル側とその外側での圧力変化に耐えなければならず、加熱により急激に粘度低下を引き起こさない特性が必須である。
このように、より耐湿信頼性や接着性に優れ、液晶に対して汚染が少なく、かつ枚葉プレス加熱接着方式のような生産性の高い製造ラインにマッチする液晶シール剤が求められている。
耐湿信頼性や接着強度に優れた液晶シール剤としては例えば特許文献1に記載されている。特許文献2にはエポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、フェノール樹脂を含む各種電子部品に使用可能な、低温速硬化性のエポキシ樹脂組成物が記載されているが、硬化剤を含まない樹脂組成物は記載されていない。また、特許文献3及び特許文献4には液状エポキシ樹脂、液状フェノール樹脂、硬化促進剤、無機充填剤を含む、流動特性、低温硬化性に優れた、樹脂封止のための液状エポキシ樹脂組成物が記載されているが、フェノール樹脂がフェノールノボラック樹脂であり、キシレン変性フェノール樹脂を含む樹脂組成物は記載されていない。
液晶表示装置の狭ギャップ化や、より表示面積を確保するために液晶シール剤の線幅はさらに狭くなっていく傾向にあり、より耐湿信頼性や接着強度が良好で、液晶汚染の低いシール剤の開発が強く望まれている。
特開平11−15005号公報 特開2001−316451号公報 特開2006−57020号公報 特開2006−57021号公報
本発明は、スクリーン印刷及びディスペンス塗布に対応し、枚葉プレス加熱接着方式のような生産性の高い製造ラインにマッチし、さらに液晶汚染性、耐水耐湿性に対して非常に強い熱硬化型液晶シール剤を提供することを課題とする。
本発明者らは前記した課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記式(1)で表されるフェノール樹脂を含む液晶シール剤用組成物が従来のシール剤の特性を維持しつつ、されに耐湿信頼性に優れたものであることを見出し、本発明を完成させたものである。
即ち本発明は、
(1)式(1)
Figure 2008088350
(式中nは平均重合度を表し、1〜10の正数である。)で表されるフェノール樹脂(a)、エポキシ樹脂(b)、無機充填剤(c)、及び硬化促進剤(d)を含有する液晶シール剤 、
(2)フェノール樹脂(a)が、式(1)におけるnが1〜7である化合物が30〜100重量%含有されたフェノール樹脂である前記(1)に記載の液晶シール剤。
(3)前記(1)に記載の式(1)のフェノール樹脂(a)の含有量が全液晶シール剤中の1〜50重量%である前記(1)または前記(2)に記載の液晶シール剤、
(4)フェノールノボラック樹脂(e)をさらに含むことを特徴とする前記(1)ないしは前記(3)のいずれか一項に記載の液晶シール剤、
(5)硬化促進剤(d)が潜在性硬化促進剤である前記(1)から前記(4)のいずれか一項に記載の液晶シール剤、
(6)潜在性硬化促進剤がアミンアダクトで、かつその平均粒径が6μm以下である前記(5)に記載の液晶シール剤、
(7)無機充填剤(c)がアルミナ及び/又はシリカであることを特徴とする前記(1)から前記(6)のいずれか一項の液晶シール剤、
(8)無機充填剤(c)の平均粒径が10〜2000nmである前記(7)に記載の液晶シール剤、
(9)有機溶剤を含有していることを特徴とする前記(1)から前記(8)のいずれか一項に記載の液晶シール剤、
(10)カップリング剤を含有していることを特徴とする前記(1)から前記(9)のいずれか一項に記載の液晶シール剤、
(11)前記(1)から前記(10)のいずれか一項に記載の液晶シール剤でシールされた液晶表示装置、
に関する。
前記式(1)のフェノール樹脂(A)を含む本発明の液晶シール剤は、従来のフェノー従来の液晶シール剤と比較して耐水耐湿信頼性に優れている。したがって本発明の液晶シール剤を用いることによって耐水耐湿性に対して非常に強い液晶表示装置を製造することが可能である。
本発明の液晶シール剤は、成分として、(a)前記式(1)のフェノール樹脂、(b)エポキシ樹脂、(c)無機充填剤、及び(d)硬化促進剤を必須成分とする。
本発明の液晶シール剤で用いられる前記式(1)のフェノール樹脂(a)において、nが1〜7である化合物が通常30〜100重量%含有されるものが挙げられる。但し、nが1である化合物の含有量が高いと硬化後の耐熱性や耐湿性等が劣ってしまう。またnが大きすぎると液晶シール剤の固形分の粘度が上がり、上下基板貼り合わせ時の位置あわせ性が悪くなる可能性がある為、前記式(1)においてnが3〜5である化合物が通常50〜100重量%含有されるフェノール樹脂が好ましい。なお、nはゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定される。
このようなフェノール樹脂としては例えば、フドー株式会社から市販されているザイスターGP90などが挙げられる。
本発明の液晶シール剤で用いられる前記式(1)のフェノール樹脂の液晶シール剤中の含有量は、1〜50重量%、好ましくは2〜25重量%、より好ましくは3〜20重量%である。
本発明の液晶シール剤には、液晶シール剤の作業性、物性に影響を与えない範囲で前記式(1)のフェノール樹脂(a)以外のフェノールノボラック樹脂(e)を添加してもよい。例えば、ビスフェノールA、テトラブロムビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ビフェニルフェノール、2,2’,6,6’−テトラメチル−4,4’−ビフェニルフェノール、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリスヒドロキシフェニルメタン、ピロガロール、ジイソプロピリデン骨格を有するフェノール類、1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類、フェノール化ポリブタジエン等のポリフェノール化合物、フェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、アリルフェノール類、ブロム化ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂;キシリレン骨格を有するフェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するフェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格を有するフェノールノボラック樹脂等のフェノール系ノボラック樹脂;フェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、ブロム化ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール類等の各種フェノールを下記式(2)〜(4);
Figure 2008088350
(式中、R1は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、アリル基、ハロゲン原子を表し、mは1〜4の整数を表す。mが2以上の時、それぞれのR1は同一又は異なっていても良い。)
Figure 2008088350
(式中、R2及びR3はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、アリル基、ハロゲン原子を表し、n及びpは1〜4の整数を表す。n又はpが2以上の時、それぞれの、R2及びR3は同一又は異なっていても良い。)
Figure 2008088350
(式中、R4は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリル基、ハロゲン原子、水酸基を表し、qは1〜5の整数を表す。qが2以上の時、それぞれの、R4は同一又は異なっていても良い。)のいずれかの架橋基(アラルキレン基)で結合させたフェノールノボラック樹脂(e)が挙げられる。
好ましくはフェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、アリルフェノール類、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂、キシリレン骨格を有するフェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するフェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格を有するフェノールノボラック樹脂、フェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、ブロム化ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール類等の各種フェノールを下記式(5)〜(7);
Figure 2008088350
(式中、R1'は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表し、mは1〜4の整数を表す。mが2以上の時、それぞれのR1'は同一又は異なっていても良い。)
Figure 2008088350
(式中、R2'及びR3'はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表し、n及びpは1〜4の整数を表す。n又はpが2以上の時、それぞれの、R2'及びR3'は同一又は異なっていても良い。)
Figure 2008088350
(式中、R4'は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、水酸基を表し、qは1〜5の整数を表す。qが2以上の時、それぞれの、R4'は同一又は異なっていても良い。)
のいずれかの架橋基(アラルキレン基)で結合させたフェノールノボラック樹脂(e)が挙げられる。
更に好ましくはフェノール、クレゾール類、オクチルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール類等の各種フェノール類を原料とするノボラック樹脂、フェノール、クレゾール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール類等の各種フェノールを上記式(5)〜(7)の架橋基(アラルキレン基)で結合させたフェノールの系ノボラック樹脂が挙げられる。
特に好ましくはフェノールを原料とするフェノールノボラック樹脂、クレゾール類を原料とするクレゾールノボラック樹脂等に代表されるモノフェノール類を原料とするノボラック樹脂、フェノール、クレゾール類、ビスフェノールA、の各種フェノールを下記式(8)〜(12)
Figure 2008088350
Figure 2008088350
Figure 2008088350
Figure 2008088350
Figure 2008088350
のいずれかの架橋基で結合させたフェノールノボラック樹脂である。
本発明で用いられる前記一般式(1)のフェノール樹脂(a)とフェノールノボラック樹脂(e)の使用量は、液晶シール剤中のエポキシ樹脂のエポキシ当量に対して、フェノール樹脂(a)とフェノールノボラック樹脂(e)中の水酸基の当量として0.2〜1.4化学当量、好ましくは0.3〜1.1化学当量、更に好ましくは0.4〜1.0化学当量である。前記一般式(1)のフェノール樹脂とノボラック樹脂との総量に対して前記一般式(1)のフェノール樹脂の含有量は、5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%、さらに好ましくは15〜40重量%である。
本発明で用いられるフェノールノボラック樹脂(e)としてはモノフェノール類を原料とするフェノールノボラック樹脂も挙げることができ、下記一般式(13)
Figure 2008088350
(式中Rは、水素、低級アルキル、低級アルコキシまたはハロゲンを示し、mは1〜3の整数を示し、mが2または3のときRは異なった種類であっても良い。nは0又は正の整数を示す。)で表されるものである。
上記一般式(13)において、低級アルキルとしては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル等の炭素数1〜8、好ましくは炭素数1〜4のアルキルが、低級アルコキシとしては、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ等の炭素数1〜8、好ましくは炭素数1〜4のアルコキシが、ハロゲンとしては、例えば臭素、塩素、フッ素等があげられる。nにおける正の整数は1〜15が好ましく、より好ましくは1〜10である。
上記一般式(13)の化合物において、n=1以上である成分は樹脂粘度が高くなるので、n=0である成分の存在量が、フェノールノボラック樹脂中通常20〜80重量%、好ましくは25〜70重量%、より好ましくは30〜50重量%程度である(残りはn=1以上である成分)。フェノールノボラック樹脂のエポキシ樹脂との反応において、2核体(例えば上記式においてn=0の化合物)のフェノールノボラック樹脂は、3核体以上(例えば上記式においてn=1の化合物)のフェノールノボラック樹脂の硬化による3次元架橋構造に対して、線形に架橋するために、剛直な構造に可撓性がでるために、ガラス基板との接着性が向上する。更に、本発明で好適に用いられるフェノールノボラック樹脂は樹脂粘度が低いために、液晶表示装置製造時の上下ガラス基板の貼り合わせ、ギャップ形成が容易になる。
本発明の液晶シール剤に用いられるエポキシ樹脂(b)とは、特に限定されるものではなく、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂;ビスフェノールS、4,4’−ビフェニルフェノール、2,2’,6,6’−テトラメチル−4,4’−ビフェニルフェノール、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリスヒドロキシフェニルメタン、ピロガロール、ジイソプロピリデン骨格を有するフェノール類;1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類;フェノール化ポリブタジエン等のポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂;フェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂;キシリレン骨格を有するフェノールノボラック樹脂;ジシクロペンタジエン骨格を有するフェノールノボラック樹脂;フルオレン骨格を有するフェノールノボラック樹脂等の各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物;シクロヘキサン等の脂肪族骨格を有する脂環式エポキシ樹脂;イソシアヌル環、ヒダントイン環等の複素環を有する複素環式エポキシ樹脂;ブロム化ビスフェノールA、ブロム化ビスフェノールF、ブロム化ビスフェノールS、ブロム化フェノールノボラック、ブロム化クレゾールノボラック等のブロム化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂;N,N−ジグリシジル−o−トルイジン、N,N−ジグリシジルアニリン、フェニルグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、(3,4−3’,4’エポキシシクロ)ヘキシルメチルヘキサンカルボキシレート、ヘキサヒドロ無水フタル酸ジグリシジルエステル、5―メチルレゾルシンジグリシジルエーテルの一般に製造、販売されているエポキシ樹脂が挙げられ、その使用量は得られた液晶シール剤の作業性、物性に影響を与えない範囲で用いられ、本発明の液晶シール剤全体の10〜75重量%、好ましくは20〜65重量%、さらに好ましくは30〜55重量%である。これらのエポキシ樹脂は、2種以上を混合して用いても良い。
本発明で使用する無機充填剤(c)としては、例えばアルミナ、シリカ、タルク、クレー、チタン酸バリウム、酸化チタン、酸化コバルト、酸化マグネシウム、酸化ニッケル、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等の金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸ジルコニウム等の珪酸塩等が挙げられ、好ましくはアルミナ、シリカである。これら無機充填剤は単独で用いても、もしくは2種以上を混合して用いても良い。
本発明で用いられる無機充填剤(c)の平均粒径は10〜2000nmが好ましい。2000nmより無機充填剤の平均粒径が大きいと、液晶表示装置製造時の上下基板貼り合わせ後の熱プレス時に、無機充填剤の比表面積が小さいことから無機充填剤と液晶シール剤の樹脂成分の分離が生じやすくなり、しみだしが発生してしまう。そして、硬化後の接着強度及び吸湿後の接着強度が低下してしまう。10nmより無機充填剤の平均粒径が小さいと無機充填剤の比表面積が大きくなりすぎることから液晶シール剤の粘度が高くなりすぎて、セルギャップの形成が困難になってしまう。
本発明で使用される無機充填剤(c)の液晶シール剤中の含有量は、全液晶シール剤中5〜45重量%、より好ましくは15〜35重量%である。無機充填剤(c)の含有量が5重量%より少ない場合、充填剤含有量が少ないため低粘度になり、液晶表示装置作成時の加熱プレス時に液晶シール剤のしみだしが発生してしまう。又、無機充填剤の含有量が45重量%より多い場合、充填剤含有量が多すぎるため、液晶表示装置作成のプレスの際つぶれにくく、液晶表示装置のギャップ形成ができなくなってしまう。
本発明の液晶シール剤には、液晶シール剤の特性に影響を与えない範囲で有機充填剤を添加しても良い。有機充填剤としては、例えばポリマービーズ、コアシェルタイプのゴムフィラー等があげられる。これら充填剤は単独で用いても、もしくは2種以上を混合して用いても良い。
添加できる有機充填剤の平均粒径は、3μm以下であり、好ましくは2μm以下でなくてはいけない。平均粒径が3μmより大きい場合は、セルギャップの形成が難しくなってしまう。また、添加できる有機充填剤の添加量は、無機充填剤の重量の50重量%以下でなくてはならない。50重量%より多い場合では粘度が高くなりセルギャップの形成が難しくなってしまう。
本発明に用いられる硬化促進剤(d)としては、例えばイミダゾール類、イミダゾール類とフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、マレイン酸、蓚酸等の多価カルボン酸との塩類;ジシアンジアミド等のアミド類及び該アミド類とフェノール類、前記多価カルボン酸類、又はホスフィン酸類との塩類;1,8−ジアザ−ビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7等のジアザ化合物及び該ジアザ化合物とフェノール類、前記多価カルボン酸類、又はホスフィン酸類との塩類、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等のホスフィン類、2,4,6−トリスアミノメチルフェノール等のフェノール類、アミンをエポキシ樹脂、フェノール樹脂、イソシアネート化合物などとのアダクトとしたアミンアダクト等があげられる。
イミダゾール類としては、例えば2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−ウンデシルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−エチル,4−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸の2:3付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−3,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−5−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−3,5−ジシアノエトキシメチルイミダゾール等があげられる。
これら硬化促進剤のうち好ましいものとしては、例えば2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸の2:3付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、イミダゾール類とフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、マレイン酸、蓚酸等の多価カルボン酸との塩類、アミンアダクト等があげられる。硬化促進剤の添加量は、液晶シール剤中のエポキシ樹脂100重量部に対して1〜40重量部好ましくは2〜30重量部であり、更に好ましくは、3〜25重量部である。
これら硬化促進剤(d)は、潜在性硬化促進剤の形式で使用した方が、作業性の向上(ポットライフ時間の延長)等のメリットがあり、好ましい。潜在性硬化促進剤は、室温では固体で、加熱されることによって溶解し、初めて硬化促進剤として反応するという性質を有するもので、例えばこれら硬化促進剤をマイクロカプセルにしたマイクロカプセル型硬化促進剤や溶剤やエポキシ樹脂に溶解しにくい固体分散型の硬化促進剤(例えばイミダゾール類)、アミンアダクト等が挙げられる。中でも、エポキシ樹脂と混合した際の1液保存安定性と加熱時の反応性の高さからアミンアダクトを硬化促進剤として使用することが特に好ましい。アミンアダクトは市場から各種入手可能であるが、アミキュアシリーズ(味の素ファインテクノ製)、アデカハードナーシリーズ(ADEKA製)、ノバキュア(旭化成ケミカルズ製)等が挙げられる。これらは単独又は混合して用いることができる。
これら硬化促進剤のうち、固体分散型の潜在性硬化促進剤の平均粒径はレーザー法の測定で6μm以下、好ましくは4μm以下、より好ましくは3μm以下程度である。平均粒径が6μmより小さい潜在性硬化促進剤を使用すると、ディスペンサー塗布が容易で、また、塗布後の形状も均一となり、そのため、シール後のシール形状も均一となる。平均粒径が6μmより大きい硬化促進剤を使用した液晶シール剤は、シールの硬化が不均一になり、シール部に充填剤の荒い粗密が確認され、しみだしも発生しやすくなる。
本発明の液晶シール剤には、必要に応じてカップリング剤を加えることが出来る。カップリング剤としては、例えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル) エチルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−(ビニルベンジルアミノ)エチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、イソプロピル( N−エチルアミノエチルアミノ) チタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、チタニュウムジ( ジオクチルピロフォスフェート) オキシアセテート、テトライソプロピルジ( ジオクチルフォスファイト) チタネート、ネオアルコキシトリ(p−N−( β−アミノエチル) アミノフェニル) チタネート等のチタン系カップリング剤、Zr−アセチルアセトネート、Zr−メタクリレート、Zr−プロピオネート、ネオアルコキシジルコネート、ネオアルコキシトリスネオデカノイルジルコネート、ネオアルコキシトリス( ドデカノイル) ベンゼンスルフォニルジルコネート、ネオアルコキシトリス( エチレンジアミノエチル) ジルコネート、ネオアルコキシトリス(m−アミノフェニル) ジルコネート、アンモニウムジルコニウムカーボネート、Al−アセチルアセトネート、Al−メタクリレート、Al−プロピオネート等のジルコニウム、或いはアルミニウム系カップリング剤が挙げられるが、好ましくはシリコン系カップリング剤であり、更に好ましくはアミノシラン系カップリング剤である。使用量は、本発明の液晶シール剤全体の0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜8.5重量%、より好ましくは0.3〜7重量%である。カップリング剤を使用する事により耐湿信頼性が優れ、吸湿後の接着強度の低下が少ない液晶シール剤が得られる。
本発明の液晶シール剤へは、基板への塗布作業性を向上させるため、液晶シール剤の塗布時の粘度を低粘度化するために溶剤を添加しても良い。使用しうる溶剤としては、例えばアルコール系溶剤、エーテル系溶剤、アセテート系溶剤、二塩基酸ジメチルエステル溶剤があげられ、これらは1種又は、2種以上を、単独で又は混合して、任意の比率で用いることができる。
アルコール系溶剤としては、例えばエタノール、イソプロピルアルコール等のアルキルアルコール類、3−メチル−3−メトキシブタノール、3−メチル−3−エトキシブタノール、3−メチル−3−n−プロポキシブタノール、3−メチル−3−イソプロポキシブタノール、3−メチル−3−n−ブトキシシブタノール、3−メチル−3−イソブトキシシブタノール、3−メチル−3−sec−ブトキシブタノール、3−メチル−3−tert−ブトキシシブタノール等のアルコキシアルコール類があげられる。
エーテル系溶剤としては、例えば1価アルコールエーテル系溶剤、アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤、アルキレングリコールジアルキルエーテル系溶剤、ジアルキレングリコールアルキルエーテル系溶剤、トリアルキレングリコールアルキルエーテル系溶剤等があげられる。
1価アルコールエーテル系溶剤としては、例えば3−メチル−3−メトキシブタノールメチルエーテル、3−メチル−3−エトキシブタノールエチルエーテル、3−メチル−3−n−ブトキシシブタノールエチルエーテル、3−メチル−3−イソブトキシシブタノールプロピルエーテル、3−メチル−3−sec−ブトキシブタノール−イソプロピルエーテル、3−メチル−3−tert−ブトキシブタノール−n−ブチルエーテル等があげられる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤としては、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−sec−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノ−sec−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル等があげられる。
アルキレングリコールジアルキルエーテル系溶剤としては、例えばプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジイソプロピルエーテル、プロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールジイソブチルエーテル、プロピレングリコールジ−sec−ブチルエーテル、プロピレングリコールジ−tert−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジイソブチルエーテル、エチレングリコールジ−sec−ブチルエーテル、エチレングリコールジ−tert−ブチルエーテル等があげられる。
ジアルキレングリコールアルキルエーテル系溶剤としては、例えばジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールジ−sec−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジ−tert−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジイソブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−sec−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−tert−ブチルエーテル等があげられる。
トリアルキレングリコールアルキルエーテル系溶剤としては、例えばトリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、トリジプロピレングリコールジプロピルエーテル、トリプロピレングリコールジイソプロピルエーテル、トリプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールジイソブチルエーテル、トリプロピレングリコールジ−sec−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールジ−tert−ブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジプロピルエーテル、トリエチレングリコールジイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールジイソブチルエーテル、トリエチレングリコールジ−sec−ブチルエーテル、トリエチレングリコールジ−tert−ブチルエーテル等のアルキレングリコールジアルキルエーテル類等があげられる。
アセテート系溶剤としては、例えばエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−sec−ブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−sec−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノイソブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−tert−ブチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−エトキシブチルアセテート、3−メチル−3−プロポキシブチルアセテート、3−メチル−3−イソプロポキシブチルアセテート、3−メチル−3−n−ブトキシエチルアセテート、3−メチル−3−イソブトキシシブチルアセテート、3−メチル−3−sec−ブトキシシブチルアセテート、3−メチル−3−tert−ブトキシシブチルアセテート等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、トリエチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート、トリプロピレングリコールジアセテート、酢酸ブチル等の溶媒が挙げられる。
二塩基酸ジメチルエステルとしては、例えば、CH3OCO−(−CH2 −)n −COOCH3 (n=2〜4)で示されるエステルを挙げることができる。このようなエステルとして具体的には、グルタル酸ジメチルエステル、アジピン酸ジメチルエステル、コハク酸ジメチルエステルが挙げられる。また、これら2種以上を混合してもよい。またこれら3種を混合したものとして、例えばローディアソルブRPDE(ローディア日華社製)として市場から入手することもできる。
溶剤は、液晶シール剤がディスペンサー或いはスクリーン印刷等の方法で塗布できる粘度に調整するのに必要な任意の量を用いることができ、本発明の液晶シール剤の粘度が、例えば25℃において、20〜40Pa・s程度であるように用いる。具体的には、本発明の液晶シール剤中の溶剤以外の成分が通常70重量%以上、好ましくは80〜95重量%、さらに好ましくは85〜95重量%になるように溶剤を使用する。溶剤を添加した液晶シール剤を使用した液晶表示装置の作製は、液晶シール剤塗布後の加熱プリキュア時に溶剤を揮発乾燥させてから、上下基板の貼り合わせを行う。
本発明の液晶シール剤は、前記したエポキシ樹脂、ノボラック樹脂、必要に応じて溶剤を添加し、加熱混合撹拌により溶解し、さらに、球状の無機充填剤と必要に応じその他の充填剤を添加し、公知の混合装置、例えばボールミル、サンドミル、3本ロール等により微分散した後、さらに、硬化促進剤と必要に応じカップリング剤、消泡剤、レベリング剤等の所定量を添加して混合することにより製造する事が出来る。
本発明の液晶表示装置は、基板に所定の電極を形成した一対の基板を所定の間隔に対向配置し、周囲を本発明の液晶シール剤でシールし、その間隙に液晶が封入されたものである。封入される液晶の種類は特に限定されない。ここで、基板とはガラス、石英、プラスチック、シリコン等からなる少なくとも一方が光透過性がある組み合わせの基板から構成される。その製法としては、例えばまず、本発明の液晶シール剤に、グラスファイバー等のスペーサー(間隙制御材)を添加する。スペーサーとしては、例えばグラスファイバー、シリカビーズ、ポリマービーズ等があげられる。その直径は、製造する液晶表示装置のセルギャップに合わせて選択するが、通常0.5〜10μmである。その使用量は、本発明の液晶シール剤100重量部に対し0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜7重量部、更に、好ましくは0.7〜5重量部程度である。スペーサーを添加した液晶シール剤を一対の基板の一方にディスペンサー等により塗布した後、例えば90℃10分間の加熱で溶剤を蒸発させ、ついで対抗基板を貼り合わせ、熱プレスにてギャップ出しを行い、120〜160℃で1〜2時間硬化することにより得ることができる。
以下に実施例をあげ本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、GPCの測定条件は以下の通りである。
カラム:Shodex製KF−803
KF−8025
KF−8025
KF−802
(記載順)
分解溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
カラム温度:40℃
カラム流量:1ミリリットル/分
ディテクター:UV254nm
実施例1
エポキシ樹脂(b)として液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂(RE−310S、日本化薬製)100g、前記式(1)で表されるフェノール樹脂(a)(一般式(1)においてn=3〜4のものが10〜50重量%(GPCにより測定);ザイスターGP90、フドー社製)12g、フェノールノボラック樹脂(e)(一般式(13)においてn=0である2核体が30〜50重量%:PN−152、日本化薬製)44gを溶剤のプロピレングリコールジアセテート(ダウケミカル社製)30gに加熱溶解させた。この樹脂溶液に無機充填剤(c)として平均粒径が約30nmの球状アルミナ(ナノテックアルミナSP−C、シーアイ化成製)60g、カップリング剤としてN−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン10gをサンドミルにより混合分散した後、硬化促進剤(d)として平均粒径が3μm以下のアミキュアMYH−K(アミンアダクト:味の素ファインテクノ製)10gを添加して本発明の液晶シール剤を得た。
比較例1
エポキシ樹脂(b)として液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂(a)(RE−310S、日本化薬製)100g、フェノールノボラック樹脂(e)(PN−152、日本化薬製)50gを溶剤の二塩基酸ジメチル(ローディアソルブRPDE、ローディア社製)30gに加熱溶解させた。この樹脂溶液に無機充填剤(c)として平均粒径が約30nmの球状アルミナ(ナノテックアルミナSP−C、シーアイ化成製)60g、カップリング剤としてN−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン10gをサンドミルにより混合分散した後、硬化促進剤(d)として平均粒径が3μm以下のアミキュアMYH−K10gを添加して液晶シール剤を作成した。
(A)液晶シール剤吸水率テスト
得られた液晶シール剤をガラス基板上に厚さ200μmの厚さになるように塗布した。100℃、10分の加熱で溶剤乾燥させ、150℃、60分で硬化させた。その後60℃、90%の雰囲気下の恒温恒湿槽に24時間投入し、恒温恒湿槽投入前後の重量比から吸水率を算出した。その結果を表1に示す。
(B)液晶シール剤透湿度テスト(JISZ0208に準ずる。)
得られた液晶シール剤をポリイミドフィルム上に50μmの厚さになるように塗布し、100℃10分の加熱で溶剤乾燥させ、150℃60分で硬化させた。その後液晶シール剤をポリイミドフィルムから剥がし、さらに150℃60分硬化させた。透湿カップに塩化カルシウムを適量入れ、硬化させた液晶シール剤を透湿カップにあわせて切り取ってカップにセットし、パラフィンで封蝋した。その後透湿カップを後60℃、90%の雰囲気下の恒温恒湿槽に24時間投入し、恒温恒湿槽投入前後の重量比から透湿度を算出した。その結果を表1に示す。
(C)液晶シール剤接着強度テスト
得られた液晶シール剤に直径5μmのグラスファイバー(PF−50S、日本電気硝子株式会社製)を液晶シール剤に対して1重量%添加し、よく攪拌した。1.5cm×3cmのITO基板のITO膜面に液晶シール剤を少量滴下した。90℃10分で溶剤乾燥させ、その後1.5cm×3cmのITO基板のITO膜面に液晶シール剤が接するように
十字形に貼り合わせ、液晶シール剤が5μmの厚さに均一に潰れるようにクリップで2箇所留めた。その後150℃、60分硬化させた。硬化後クリップをはずして、ボンドテスター(SS30WD、西進商事株式会社製)にて垂直方向の接着強度を測定した。その結果を表1に示す。
(D)液晶シール剤硬化物と液晶の接触試験
よく洗浄した褐色のサンプル管瓶の瓶底に液晶シール剤を0.1g均一に広げた。100℃10分で溶剤乾燥後、150℃60分で硬化させた。室温まで冷却後、サンプル管瓶に液晶(MLC−6866−100、メルク株式会社製)を1g滴下した。90℃100時間放置したあと液晶を取り出し、液晶シール剤と接触させた液晶と、液晶シール剤と接触させずに加熱のみを行った液晶にて、比抵抗率を測定した。(液体電極LE−21、安藤電気株式会社製 デジタル超高抵抗計R8340、アドバンテスト株式会社製)その結果を表1に示す。
表1
実施例1 比較例1
(A)吸水率(%) 0.7 1.1
(60℃90%Rh、24h)
(B)透湿度(%) 34 42
(g/m2・24h)
(C)接着強度試験 16 15
(MPa)
(D)液晶との接触試験 3.8E12 3.6E12
(Ω・cm)
(加熱のみの液晶:4.2E12Ω・cm)
表1の(A)、(B)からわかるように、本発明の液晶シール剤は、比較例1の液晶シール剤に比べて、吸水率と透湿度の値が低く、耐湿信頼性に優れていることがわかる。また、(C)の接着強度試験にて本発明の液晶シール剤は比較例1の液晶シール剤と遜色なく強い値であることが分かる。また(D)の液晶との接触試験にて、本発明の液晶シール剤の比抵抗率は比較例1の液晶シール剤に比較して高く、加熱のみの液晶と比較しても比抵抗率の低下が少なく、本発明の液晶シール剤成分の液晶へ溶け込みが少ないことが分かる。従って、本発明の液晶シール剤を使用して製造した液晶表示装置は、比較例1の液晶シール剤を使用して製造した液晶表示装置に比べて、耐湿信頼性に非常に優れ、液晶汚染の少ないものになることが示唆できる。また、本発明の液晶シール剤は接着強度や液晶に対する汚染性に関しても良好な液晶シール剤であることが示唆される。

Claims (11)

  1. 式(1)
    Figure 2008088350
    (式中nは平均重合度を表し、1〜10の正数である。)で表されるフェノール樹脂(a)、エポキシ樹脂(b)、無機充填剤(c)、及び硬化促進剤(d)を含有する液晶シール剤 。
  2. フェノール樹脂(a)が、式(1)におけるnが1〜7である化合物が30〜100重量%含有されたフェノール樹脂である請求項1に記載の液晶シール剤。
  3. 請求項1に記載の式(1)のフェノール樹脂(a)の含有量が全液晶シール剤中の1〜50重量%である請求項1または2に記載の液晶シール剤。
  4. フェノールノボラック樹脂(e)をさらに含むことを特徴とする請求項1ないしは3のいずれか一項に記載の液晶シール剤。
  5. 硬化促進剤(d)が潜在性硬化促進剤である請求項1から4のいずれか一項に記載の液晶シール剤。
  6. 潜在性硬化促進剤がアミンアダクトで、かつその平均粒径が6μm以下である請求項5に記載の液晶シール剤。
  7. 無機充填剤(c)がアルミナ及び/又はシリカであることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項の液晶シール剤。
  8. 無機充填剤(c)の平均粒径が10〜2000nmである請求項7に記載の液晶シール剤。
  9. 有機溶剤を含有していることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の液晶シール剤。
  10. カップリング剤を含有していることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の液晶シール剤。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載の液晶シール剤でシールされた液晶表示装置。
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