JP5007780B2 - 圧電素子の製造方法、液体噴射ヘッドの製造方法及び液体噴射装置の製造方法 - Google Patents

圧電素子の製造方法、液体噴射ヘッドの製造方法及び液体噴射装置の製造方法 Download PDF

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本発明は、エピタキシャル成長によって形成される圧電体層を具備する圧電素子を用いたアクチュエータ装置及びその製造方法、液滴を噴射するための駆動源としてアクチュエータ装置を具備する液体噴射ヘッド並びに液体噴射装置に関する。
電圧を印加することにより変位する圧電素子を具備するアクチュエータ装置は、例えば、液滴を噴射する液体噴射装置に搭載される液体噴射ヘッドの液体吐出手段として用いられる。このような液体噴射装置としては、例えば、ノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧してノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッドを具備するインクジェット式記録装置が知られている。
インクジェット式記録ヘッドには、圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦振動モードのアクチュエータ装置を搭載したものと、たわみ振動モードのアクチュエータ装置を搭載したものの2種類が実用化されている。そして、たわみ振動モードのアクチュエータ装置を使用したものとしては、例えば、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧電体膜を形成し、この圧電体層をリソグラフィ法により圧力発生室に対応する形状に切り分けることによって各圧力発生室毎に独立するように圧電素子を形成したものがある。
印刷品質を向上するために、このような圧電素子の配列の高密度化が図られてきているが、近年、さらなる高密度化が望まれている。しかしながら、圧電素子の超高密度化を図ろうとすると、これに伴って圧電素子を小型化する必要があり、小型化した圧電素子では、所定の変位量が得られないという問題がある。このため、比較的小さな駆動電圧でも大きな変形を得ることができる圧電素子が要望されている。
このような要望に対し、例えば、シリコン基板上にエピタキシャル成長したバッファ層と、バッファ層上にエピタキシャル成長した下部電極と、下部電極上にエピタキシャル成長した強誘電体薄膜(圧電体層)と、強誘電体薄膜上に形成された上部電極とで圧電素子を構成するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。このように強誘電体薄膜がエピタキシャル成長により形成された圧電素子では、圧電特性が向上するため、比較的小さな駆動電圧であっても、ある程度の変位量を得ることはできる。
この特許文献1に記載の強誘電体薄膜は、下部電極上にエピタキシャル成長によって形成されているため、強誘電体薄膜の結晶は、下部電極の結晶の結晶性と整合性を保つように成長する。このように、エピタキシャル成長により圧電体層を設けた場合、形成される圧電体層は圧電体層の下地の影響を受けるため、下地と圧電体層との格子不整合により発生した応力が、圧電体層の結晶系に歪みを生じさせ、アクチュエータの変位を阻害するという問題がある。なお、このような問題は、インクジェット式記録ヘッドだけでなく、勿論、他の液体噴射ヘッドにおいても同様に発生する。
特開2001−267645号公報(第4頁)
本発明は、このような事情に鑑み、歪のない結晶からなり良好な変位を有する圧電体層を具備するアクチュエータ装置、液滴を噴射するための駆動源としてアクチュエータ装置を具備する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置並びにアクチュエータ装置の製造方法を提供することを課題とする。
本発明の第の態様は、下電極上に導電性の材料からなる面方位(100)のバッファ層を形成する工程と、前記バッファ層上にエピタキシャル成長によりPb、Zr、Tiを含むペロブスカイト構造を有する金属酸化物からなる圧電体層を形成する工程と、前記圧電体層上に上電極を形成する工程とを備え、前記圧電体層を形成する工程で、前記バッファ層上に形成したPb、Zr、Tiを含む前駆体膜を400℃以上に昇温する前に180〜350℃で一定時間保持した後、焼成することにより組成を厚さ方向に連続的に変化させた組成傾斜層を形成し、この組成傾斜層上にPb、Zr、Tiを含むペロブスカイト構造を有する金属酸化物からなる圧電体層本体を積層し前記組成傾斜層と前記圧電体層本体とで前記圧電体層とすることを特徴とする圧電素子の製造方法にある。
かかる第の態様では、焼成工程前に180〜350℃で一定時間保持することにより、組成が厚さ方向に連続的に変化する組成傾斜層となる。このように組成が傾斜した層をバッファ層と圧電体層本体との境界部分に存在させることにより、圧電体層をエピタキシャル成長により形成する際の下地層との格子不整合を低減することができる。そのため変位の阻害要因となる応力の発生を抑制できるので、圧電素子を高密度に配列した場合でも、良好な変位を生ずる圧電素子となる。
本発明の第2の態様は、シリコン単結晶基板上の二酸化シリコンからなる弾性膜の上側に前記下電極を形成する工程を含むことを特徴とする第1の態様に記載する圧電素子の製造方法にある。
本発明の第3の態様は、前記組成傾斜層は、チタン酸ジルコン酸鉛からなることを特徴とする第1または2の態様に記載する圧電素子の製造方法にある。
本発明の第4の態様は、前記圧電体層本体は、チタン酸ジルコン酸鉛からなることを特徴とする第1〜3のいずれかの態様に記載する圧電素子の製造方法にある。
本発明の第5の態様は、第1〜4のいずれかの態様に記載する圧電素子の製造方法により圧電素子を形成する工程を含むことを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法にある。
本発明の第6の態様は、第5の態様に記載する液体噴射ヘッドの製造方法により液体噴射ヘッドを形成する工程を含むことを特徴とする液体噴射装置の製造方法にある。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの概略を示す分解斜視図であり、図2は、図1の平面図(図2(a))及びA−A′断面図(図2(b))並びに圧電素子部の拡大図(図2(c))である。
図示するように、流路形成基板10は、本実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板からなり、その一方面には二酸化シリコンからなる、厚さ0.5〜2μmの弾性膜50が形成されている。なお、この弾性膜50は、本実施形態では、シリコン単結晶基板である流路形成基板10を熱酸化することにより形成した酸化シリコンからなるアモルファス(非晶質)膜であり、流路形成基板10の表面状態をそのまま維持した平滑な表面状態を有している。また、この弾性膜50上には、酸化ジルコニウム(ZrO)等の膜がさらに設けられていてもよい。
この流路形成基板10には、シリコン単結晶基板をその一方面側から異方性エッチングすることにより、複数の隔壁11によって区画された圧力発生室12が幅方向に並設されている。また、その長手方向外側には、後述する保護基板30のリザーバ部32と連通される連通部13が形成されている。また、この連通部13は、各圧力発生室12の長手方向一端部でそれぞれインク供給路14を介して連通されている。なお、このインク供給路14の幅は、本実施形態では、圧力発生室12の幅よりも小さくなっており、連通部13から圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。
このような圧力発生室12等が形成される流路形成基板10の厚さは、圧力発生室12を配設する密度に合わせて最適な厚さを選択することが好ましい。例えば、1インチ当たり180個(180dpi)程度に圧力発生室12を配置する場合には、流路形成基板10の厚さは、180〜280μm程度、より望ましくは、220μm程度とするのが好適である。また、例えば、360dpi程度と比較的高密度に圧力発生室12を配置する場合には、流路形成基板10の厚さは、100μm以下とするのが好ましい。これは、隣接する圧力発生室12間の隔壁11の剛性を保ちつつ、配列密度を高くできるからである。
また、流路形成基板10の開口面側には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側で連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が接着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。
一方、流路形成基板10の開口面とは反対側の弾性膜50の上には、厚さが例えば、約0.2μmの下電極膜60と、厚さが例えば、約1μmの圧電体層70と、厚さが例えば、約0.05μmの上電極膜80とからなる圧電素子300が形成されている。ここで、圧電素子300は、下電極膜60、圧電体層70、及び上電極膜80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態では、下電極膜60は圧電素子300の共通電極とし、上電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。何れの場合においても、圧力発生室毎に圧電体能動部が形成されていることになる。また、ここでは、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせてアクチュエータ装置と称する。
なお、このような各圧電素子300の上電極膜80には、例えば、金(Au)等からなるリード電極85がそれぞれ接続されている。このリード電極85は、各圧電素子300の長手方向端部近傍から引き出され、インク供給路14に対応する領域の弾性膜50上にそれぞれ延設されて後述する駆動ICと接続されている。
ここで、下電極膜60は、例えば、イリジウム(Ir)、白金(Pt)等の金属材料で形成されている。また、下電極膜60は、これらの金属材料からなる複数の層を積層したものであってもよい。なお、積層した場合には、後のプロセスにより、結果的に混合層となってもよい。下電極膜60の配向には特に制限はなく、例えば(111)配向でも、(100)配向でもよい。本実施形態では、白金(Pt)で(111)配向のものを下電極膜60とした。
この下電極膜60上には、導電性の材料からなり面方位(100)のバッファ層65が0.5〜200nm程度の厚さで設けられている。バッファ層65上にエピタキシャル成長により形成される圧電体層70を面方位(100)とするためにバッファ層65は面方位(100)である必要があり、また、圧電素子300として機能するためにバッファ層65も導電性であることが必要である。なお、バッファ層65は、正方晶または立方晶であることが好ましい。
また、バッファ層65は、後述する圧電体層本体75との格子定数、特にa軸の格子定数の差が8%以下であることが好ましい。このように格子定数の差が小さいと、圧電体層70を構成する組成傾斜層71及び圧電体層本体75を、バッファ層65上に良好にエピタキシャル成長させることができ、アクチュエータ装置としての変位が特に良好になる。
バッファ層65の格子定数は、圧電体層本体75の格子定数よりも、大きくても小さくてもよい。圧電体層本体75をa軸の格子定数が4.03ÅのPZTとした場合、圧電体層本体75の格子定数(a軸)よりも大きな格子定数(a軸)を有するものとしては、MgO(a軸の格子定数は4.211Å。以下括弧内はa軸の格子定数を表す。)、TiO(4.177Å)、NiO(4.177Å)、CuO(4.217Å)、NbO(4.211Å)等の金属酸化物、AlN(4.045Å)、TiN(4.242Å)、TiN(4.14Å)、TiAlN(4.112Å)、CrN(4.14Å)、CoN(4.28Å)等の金属窒化物、AlNi(4.065Å)等の合金、MgNiO(4.193Å)、CoNiO(4.24Å)等の複合酸化物が挙げられる。しかしながら、後述するように製法上、バッファ層65の格子定数(a軸)は、圧電体層本体75の格子定数(a軸)よりも小さいことが好ましい。圧電体層本体75をa軸の格子定数が4.03ÅのPZTとした場合、4.03Åより小さい格子定数(a軸)を有するものとしては、WO(3.714Å)等の金属酸化物、Al0.64Ti0.36(4.0296Å)、AlTi(3.972Å)、AlNi(3.78Å)、CoTi(3.964Å)等の合金、CaTiO(3.895Å)、SrTiO(3.905Å)、SrTiO(3.886Å)、SrCoO2.29(3.912Å)、ランタンニッケルオキサイド(LNO)(3.861Å)等の複合酸化物を挙げることができる。なお、本実施形態では、バッファ層65は、LNOであり、80nm程度の厚さとしている。
圧電体層70は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなる強誘電体薄膜であり、(100)面配向のバッファ層65上にエピタキシャル成長によって形成されている。そして、このように結晶がエピタキシャル成長した圧電体層70は、下地であるバッファ層65の拘束を受けて結晶化しているため、バッファ層65と同様に(100)面配向となっている。PZTからなる圧電体層70が面方位(100)であると、菱面体晶系であるとき、特に圧電特性を高めることができる。
この圧電体層70は、バッファ層65との境界部分に設けられ組成を厚さ方向に連続的に変化させた組成傾斜層71、及びこの組成傾斜層71上に積層された圧電体層本体75を有する。この組成傾斜層71は、例えば、10〜100nm程度の厚さを有し、圧電体層本体75は例えば、0.2〜5μm程度の厚さを有する。圧電体層本体75と同材料であるPZTからなる層が、バッファ層65と圧電体層本体75との間に存在しており、この層の組成を傾斜させることにより、バッファ層65と圧電体層70の格子定数を極めて近い値にできる。これにより、圧電体層70をエピタキシャル成長し易く、格子の不整合による応力がほとんど発生しない。なお、組成傾斜層71の存在によりバッファ層65と圧電体層70のa軸の格子定数を近い値にした場合は、b軸やc軸を調整した場合よりも、バッファ層と組成傾斜層、組成傾斜層と圧電体層本体の格子定数の不整合が小さくなるため、圧電体層をエピタキシャル成長し易く下地層との格子不整合による応力の発生が特に抑えられる。また、圧電体層本体75は実質的に組成傾斜していないことが好ましい。常に安定した圧電特性が得られるようにするためである。
ここで、組成傾斜とは、PZTを構成する元素の比率が、厚さ方向に連続的に変化していることをいい、例えば、Zr/Ti(モル比)が厚さ方向に徐々に減少している又は増大していることをいう。本実施形態の組成傾斜層71は、Zr/Ti(モル比)が厚さ方向に連続的に変化したものである。このようにZr/Ti(モル比)が変化すると、組成傾斜層71のa軸の格子定数は、厚さ方向に連続的に変化する。
本発明において、バッファ層65から厚さ方向に離れるにしたがって、組成傾斜層71の格子定数、特にa軸の格子定数は、バッファ層65の格子定数と圧電体層本体75の格子定数との間の値で、バッファ層65の格子定数に近い値から圧電体層本体75の格子定数に近い値へと連続的に変化する。すなわち、組成傾斜層71の格子定数は、バッファ層65側ではバッファ層65に近い値であり、厚さ方向にバッファ層65から離れるにしたがって徐々に小さくなる又は徐々に大きくなっていき、圧電体層本体75側では、圧電体層本体75の格子定数に近い値となる。
具体的には、例えばバッファ層65の格子定数が圧電体層本体75の格子定数よりも大きい場合は、組成傾斜層71の格子定数は、バッファ層65に接する部分ではバッファ層65の格子定数に近い値であり、バッファ層65から厚さ方向に離れるにしたがって徐々に小さくなっていき、圧電体層本体75に接する部分では、圧電体層本体75の格子定数に近い値となる。一方、例えばバッファ層65の格子定数が圧電体層本体75の格子定数よりも小さい場合は、組成傾斜層71の格子定数は、バッファ層65に接する部分ではバッファ層65の格子定数に近い値であり、バッファ層65から厚さ方向に離れるにしたがって徐々に大きくなっていき、圧電体層本体75に接する部分では、圧電体層本体75の格子定数に近い値となる。
このように、バッファ層65の格子定数に近い値から圧電体層本体75の格子定数に近い値へと格子定数を一定方向に変化させた組成傾斜層71を間に有することで、バッファ層65上に圧電体層本体75を直接設けた場合よりも、格子定数の不整合が緩和されるため、応力の発生が抑えられる。また、組成傾斜層71の格子定数が連続的に変化するので、組成傾斜層71を形成する際にも応力の発生が抑制される。したがって圧電体層を構成するPZTの結晶系に歪みが生じないため、良好な変位を有するアクチュエータ装置となる。
特に、圧電体層本体75の格子定数(a軸)よりも格子定数(a軸)が小さいものをバッファ層65とし、Zr/Ti(モル比)をバッファ層65から厚さ方向に離れるにしたがって漸大させた組成傾斜層71とすることが好ましい。組成傾斜層71のZr/Ti(モル比)をバッファ層65から厚さ方向に離れるにしたがって漸大させることは簡便な方法で行えるので、容易に組成傾斜層71の格子定数(a軸)をバッファ層65から厚さ方向に離れるにしたがって漸大させることができるためである。詳述すると、後述する簡便な製造方法で製造すると、組成傾斜層71は、バッファ層65側ではZr/Tiが小さくバッファ層65から圧電体層本体75へと厚さ方向に離れるにしたがってZr/Tiが徐々に増大する。これは、組成傾斜層形成の初期にジルコニウムよりもチタンの酸化が進みジルコニアが微量でチタンの含有量が多いPZTがバッファ層65側に多く生成するためと推測される。このチタンの含有量が多いPZTのa軸の格子定数はチタン含有量のより少ないPZTよりも小さく、Zrが漸大するとa軸の格子定数は漸大するため、後述する簡便な製造方法で製造すると、組成傾斜層71のa軸の格子定数は、バッファ層65から圧電体層本体75へと厚さ方向に離れるにしたがって大きくなる。従って、製法上容易なので、圧電体層本体75の格子定数(a軸)よりも格子定数(a軸)が小さいものをバッファ層65とし、Zr/Ti(モル比)をバッファ層65から厚さ方向に離れるにしたがって漸大させた組成傾斜層71とすることが好ましい。
圧電体層本体75は特に限定されないが、a軸の格子定数が4.03Å前後のチタン酸ジルコン酸鉛(Pb1.14〜1.25(Zr0.50〜0.55Ti0.50〜0.45)O)であることが好ましい。本実施形態では圧電体層本体75としてPb1.18(Zr0.516Ti0.484)Oを用い、また、バッファ層65としてa軸の格子定数が3.861Åで、圧電体層本体75との格子定数(a軸)の差が4.19%であるLNOを用いて、厚さ10nmの組成傾斜層71と厚さ1μmの圧電体層本体75からなる圧電体層70を設けている。この、組成傾斜層71は、バッファ層65から厚さ方向に離れるにしたがって、Zr/Ti(モル比)が実質的に0から1へと徐々に変化するようにし、組成傾斜層71の格子定数(a軸)を徐々に圧電体層本体75の4.03Åに近づくように形成した。このような組成傾斜層71を間に設けることにより、下地(バッファ層65)と圧電体層70の格子不整合が緩和されるので、当該下地上に設けた圧電体層70に発生する応力が低減され、結晶系に歪みのない圧電体層70となる。
このような圧電素子300が設けられた側の流路形成基板10上には、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を確保する圧電素子保持部31を有する保護基板30が接合され、圧電素子300はこの圧電素子保持部31内に形成されている。なおこの圧電素子保持部31は、空間が密封されていてもよいし、密封されていなくてもよい。また、保護基板30には、各圧力発生室12に共通するリザーバ90の少なくとも一部を構成するリザーバ部32が設けられ、このリザーバ部32は、上述のように流路形成基板10の連通部13と連通されてリザーバ90を構成している。
さらに、保護基板30の圧電素子保持部31とリザーバ部32との間には、この保護基板30を厚さ方向に貫通する接続孔33が設けられている。また、保護基板30の圧電素子保持部31側とは反対側の表面には、各圧電素子300を駆動するための駆動IC34が実装されている。そして、各圧電素子300から引き出されたリード電極85は、接続孔33まで延設されており、図示しないが、例えば、ワイヤボンディング等からなる接続配線を介して駆動IC34と接続されている。
保護基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さが6μmのポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム)からなる。また、固定板42は、金属等の硬質の材料(例えば、厚さが30μmのステンレス鋼(SUS)等)で形成される。この固定板42のリザーバ90に対向する領域には、厚さ方向に完全に除去された開口部43が形成され、リザーバ90の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
なお、このような液体噴射ヘッドは、図示しない外部液体供給手段から液体を取り込み、リザーバ90からノズル開口21に至るまで内部を液体で満たした後、図示しない駆動回路からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加し、弾性膜50、下電極膜60及び圧電体層70をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21から液滴が吐出する。
ここで、このようなインクジェット式記録ヘッドの製造方法について、図3〜図7を参照して説明する。なお、図3〜図7は、圧力発生室12の長手方向の断面図である。まず、図3(a)に示すように、シリコンウェハである流路形成基板用ウェハ110を約1100℃の拡散炉で熱酸化し、その表面に弾性膜50を構成する二酸化シリコン膜51を形成する。なお、上述したように、この二酸化シリコン膜51は、アモルファス膜である。また、本実施形態では、流路形成基板用ウェハ110として、膜厚が約625μmと比較的厚く剛性の高いシリコンウェハを用いている。
次に、図3(b)に示すように、弾性膜50上に下電極膜60を形成する。例えば、本実施形態では、流路形成基板用ウェハ110の全面に、スパッタリング法によって白金(Pt)からなる金属層61を形成し、その後、この金属層61を所定形状にパターニングすることによって下電極膜60を形成した。このように形成された下電極膜60は、面方位(111)となる。
その後、図3(c)に示すように、この下電極膜60上に、導電性材料からなる面方位(100)のバッファ層65を形成する。本実施形態では、スパッタリング法によりLNO(100)のバッファ層65を形成している。なお、このバッファ層65の厚さは特に限定されないが、例えば、0.5nm〜200nm程度の厚さであることが好ましく、本実施形態では、80nm程度としている。
次いで、図4に示すように、このバッファ層65上に、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなる圧電体層70を形成する。本実施形態では、Pb、Zr及びTiをそれぞれ含む金属有機物を触媒に溶解・分散したいわゆるゾルを塗布乾燥してゲル化し、さらに高温で焼成することでPZTからなる圧電体層70を得る、いわゆるゾル−ゲル法を用いて圧電体層70を形成した。なお、圧電体層70はエピタキシャル成長により製造されていればゾル−ゲル法に限定されず、例えば、スパッタリング法、MOCVD法(有機金属気相成長法)やMOD(Metal-Organic Decomposition)法等であってもよい。
具体的には、バッファ層65上に、まず組成傾斜層71を形成する(図4(a))。組成傾斜層71の形成手順としては、まず、バッファ層65上にPZTを構成する金属を含む膜(PZT前駆体膜)を成膜する。すなわち、バッファ層65上に、Pb、Zr及びTiをそれぞれ含む金属有機物を含むゾル(溶液)を塗布する(塗布工程)。次いで、PZT前駆体膜を、例えば、140℃〜170℃で、5〜50分間程度加熱させてゾルの溶媒を蒸発させることで、PZT前駆体膜を乾燥させる(乾燥工程)。本実施形態では、140℃で5分間加熱した。
その後、このPZT前駆体膜を180〜350℃、好ましくは200〜240℃、さらに好ましくは220℃に加熱して、その温度で一定時間、例えば5〜60分間加熱する(組成傾斜工程)。400℃より高温に昇温する前に180〜350℃で一定時間保持することにより、後述する脱脂工程及び焼成工程後の組成傾斜層71は、バッファ層65側から圧電体層本体75側にいくにしたがって、Zr/Ti(モル比)が徐々に増大する。180〜350℃で一定時間加熱することにより、ジルコニウムよりもチタンの酸化が進みジルコニアが微量でチタンの含有量が多いPZTがバッファ層65側に多く生成するため、バッファ層65側がTiリッチな組成傾斜層71が製造されるものと推測される。なお、本実施形態では、220℃で20分間加熱した。
このように、PZT前駆体膜を焼成工程前に180〜350℃で一定時間保持させることにより、Zr/Ti組成を傾斜させた組成傾斜層71を得ることができる。なお、この組成傾斜工程でゾルの溶媒の除去が併せて行えるのであれば、上述の乾燥工程は省略してもよい。
次いで、一定の温度で一定時間、例えば、350〜450℃で15〜30分程度PZT前駆体膜を脱脂する(脱脂工程)。なお、ここで言う脱脂とは、ゾル膜の有機成分を、例えば、NO、CO、HO等として離脱させることである。本実施形態では、400℃で10分間加熱した。ただし、上記組成傾斜工程で脱脂が併せて行えるのであれば、この脱脂工程は省略してもよい。
その後、このPZT前駆体膜を、例えば680〜900℃で5〜30分程度加熱処理することによって、結晶化させて組成傾斜層71を形成する(焼成工程)。本実施形態では、680℃で5分間加熱した。このように形成した組成傾斜層71は(100)面配向のバッファ層65上にエピタキシャル成長しており、結晶は(100)面に優先配向する。なお、優先配向とは、結晶の配向方向が無秩序ではなく、特定の結晶面がほぼ一定の方向に向いている状態をいう。
ここで、乾燥工程、組成傾斜工程、脱脂工程及び焼成工程で用いる加熱装置としては、例えば、ホットプレートや赤外線ランプの照射により加熱するRTA(Rapid Thermal Annealing)装置などが挙げられる。
次に、組成傾斜層71上にPZTからなる圧電体層本体75を形成する。本実施形態では、ゾル−ゲル法を用いて圧電体層本体75を形成している。圧電体層本体75は、塗布工程、脱脂工程及び焼成工程を順に行うことにより製造することができ、各工程の製造条件は、上記組成傾斜層71の製造における各工程と同様の条件とすることができる。すなわち、上記組成傾斜層71の製造方法において、組成傾斜工程を行わないことで、製造することができる。なお、圧電体層本体75は実質的に組成傾斜していないことが好ましい。常に安定した圧電特性が得られるようにするためである。実質的に組成傾斜していない圧電体層本体75の具体的な形成方法を、以下に例示する。
まず、図4(b)に示すように、組成傾斜層71上に、Pb、Zr及びTiをそれぞれ含む金属有機物を含むゾル(溶液)を塗布しPZT前駆体膜72を形成する(塗布工程)。次いで、PZT前駆体膜72を、室温からゾルの主溶媒である溶剤の沸点よりも低い温度に加熱して一定時間乾燥させ、ゾルの溶媒を蒸発させることでPZT前駆体膜72を乾燥させる(第1の乾燥工程)。
ここで、ゾルの主溶媒は、特に限定されないが、例えば、エタノール系の溶剤を用いることが好ましく、本実施形態では、沸点が176℃である2−n−ブトキシエタノールを用いている。このため、本実施形態では、第1の乾燥工程において、塗布したゾルを溶剤の沸点である176℃以下、例えば、約140℃程度に加熱して3分間程度保持することで、PZT前駆体膜72を乾燥させている。
次いで、PZT前駆体膜72を再び加熱することにより、例えば、本実施形態では、第1の乾燥工程よりも高い温度まで上昇させて一定時間保持し、ゾルの主溶媒をさらに蒸発させてPZT前駆体膜72を乾燥させる(第2の乾燥工程)。第2の乾燥工程における到達温度は、140℃〜170℃に設定されている。乾燥時間は、5〜50分間程度であることが好ましい。
このような乾燥工程で用いる加熱装置としては、例えば、クリーンオーブン(拡散炉)、あるいはベーク装置等が挙げられるが、特に、ベーク装置を用いることが好ましい。クリーンオーブンでは、熱風を当てることによって温度を制御しているため、流路形成基板用ウェハの面内方向で、PZT前駆体膜の特性がばらつきやすいからである。
このような第1及び第2の乾燥工程によってPZT前駆体膜72を乾燥後、上記組成傾斜層71の形成の際に記載した組成傾斜工程を経ずに、さらに大気雰囲気下において一定の温度で一定時間、PZT前駆体膜72を脱脂する(脱脂工程)。
脱脂工程における加熱方法は、特に限定されないが、本実施形態では、ホットプレート上に流路形成基板用ウェハを載置して、PZT前駆体膜72を所定の温度まで上昇させている。昇温レートを低下させる際には、流路形成基板用ウェハ110よりも外径が若干大きい所定厚さのアルミ板である治具を介してウェハを加熱することとしている。脱脂工程での脱脂温度は、350℃〜450℃の範囲の温度に設定されている。
また、圧電体層70の結晶性を向上させるためには、脱脂工程における昇温レートが重要である。具体的には、脱脂工程における昇温レートは15[℃/sec]以上にされている。なお、ここで言う「昇温レート」とは、加熱開始時の温度(室温)と到達温度との温度差の20%上昇した温度から、温度差の80%の温度に達するまでの温度の時間変化率と規定する。例えば、室温25℃から100℃まで50秒で昇温させた場合の昇温レートは、(100−25)×(0.8−0.2)/50=0.9[℃/sec]となる。
そして、このような塗布工程・第1の乾燥工程・第2の乾燥工程・脱脂工程を所定回数、例えば、本実施形態では、2回繰り返すことで、図4(c)に示すように、所定厚のPZT前駆体膜73を形成する。なお、本実施形態では、塗布工程・第1の乾燥・第2の乾燥・脱脂工程を2回繰り返すことで所定厚のPZT前駆体膜73を形成したが、勿論、繰り返し回数は2回に限らず、1回のみでもよいし、3回以上でもよい。
その後、このPZT前駆体膜73を加熱処理することによって結晶化させ、圧電体膜74を形成する(焼成工程)。本実施形態では、例えば、680℃以上で5〜30分間加熱を行ってPZT前駆体膜73を焼成して圧電体膜74を形成した。加熱装置としては、RTA(Rapid Thermal Annealing)装置が使用され、焼成工程の昇温レートは100[℃/sec]〜150[℃/sec]に設定され、急速加熱されるようになっている。
そして、上述した塗布工程・第1及び第2の乾燥工程・脱脂工程・焼成工程を、複数回繰り返すことで、図4(d)に示すように、複数層、本実施形態では、5層の圧電体膜74からなる所定厚さの圧電体層本体75を形成する。例えば、ゾルの塗布1回あたりの膜厚が0.1μm程度の場合には、圧電体層本体75全体の膜厚は約1μmとなる。このようにして得られた圧電体層本体75は、組成が実質的に傾斜していない。この圧電体層本体75と組成傾斜層71とで、圧電体層70となる。
以上述べたように、非常に簡単な方法で、Zr/Tiを漸大させた組成傾斜層71をバッファ層65との境界部分に有する圧電体層70を得ることができる。このような組成傾斜層71は格子定数(a軸)がバッファ層65から圧電体層本体75に向けて漸大しており、この組成傾斜層71がバッファ層65と圧電体層本体75との間に挟まれているため、圧電体層70とバッファ層65との格子定数の不整合が緩和される。したがって、バッファ層65上に圧電体層70をエピタキシャル成長により設ける際に発生する応力が抑制されるため、結晶歪のない圧電体層70を得ることができる。よって、本発明の製造方法によれば、圧電特性が大幅に向上したアクチュエータ装置となる。なお、バッファ層65を圧電体層本体75よりも大きい格子定数を有するものとした場合、組成傾斜層71の格子定数がバッファ層65から離れるにしたがって漸小する、すなわち、Zr/Tiが漸小するように組成傾斜層71を製造するには、例えば、触媒等を添加して、チタンよりもジルコニウムの酸化を促進させることにより、ジルコニウムの含有量が多いPZTをバッファ層65側に多く生成させる等の方法で行えばよい。
このように圧電体層70を形成した後は(図5(a))、図5(b)に示すように、例えば、イリジウムからなる上電極膜80を流路形成基板用ウェハ110の全面に形成する。次いで、図5(c)に示すように、バッファ層65、圧電体層70及び上電極膜80を各圧力発生室に対向する領域にパターニングして圧電素子300を形成する。次いで、図6(a)に示すように、流路形成基板用ウェハ110の全面に亘って、例えば、金(Au)等からなる金属層86を形成し、その後、この金属層86を圧電素子300毎にパターニングすることによりリード電極85を形成する。
次に、図6(b)に示すように、流路形成基板用ウェハ110の圧電素子300側に、例えば、厚さが400nm程度のシリコンウェハからなり複数の保護基板30となる保護基板用ウェハ130を接合する。次いで、図6(c)に示すように、流路形成基板用ウェハ110をある程度の厚さとなるまで研磨した後、さらにフッ硝酸によってウェットエッチングすることにより流路形成基板用ウェハ110を所定の厚みにする。次いで、図7(a)に示すように、流路形成基板用ウェハ110上に、例えば、窒化シリコン(SiN)からなるマスク膜52を新たに形成し、所定形状にパターニングする。そして、このマスク膜52を介して流路形成基板用ウェハ110を異方性エッチングすることにより、図7(b)に示すように、流路形成基板用ウェハ110に圧力発生室12、連通部13及びインク供給路14等を形成する。
なお、その後は、流路形成基板用ウェハ110及び保護基板用ウェハ130の外周縁部の不要部分を、例えば、ダイシング等により切断することによって除去する。そして、流路形成基板用ウェハ110の保護基板用ウェハ130とは反対側の面にノズル開口21が穿設されたノズルプレート20を接合すると共に、保護基板用ウェハ130にコンプライアンス基板40を接合し、流路形成基板用ウェハ110等を図1に示すような一つのチップサイズの流路形成基板10等に分割することによってインクジェット式記録ヘッドとする。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の構成は上述したものに限定されるものではない。また、このような本発明の液体噴射ヘッドは、液体カートリッジ等と連通する液体流路を具備する噴射ヘッドユニットの一部を構成して、液体噴射装置に搭載される。図8は、その液体噴射装置の一例を示す概略図である。
図8に示すように、液体噴射ヘッドを有する噴射ヘッドユニット1A及び1Bは、液体供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この噴射ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この噴射ヘッドユニット1A及び1Bは、液体として、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
そして、駆動モータ6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、噴射ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8上に搬送されるようになっている。
また、本発明の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。本発明は、広く液体噴射ヘッドの全般を対象としたものであり、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられるインクジェット式記録ヘッド等の各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等にも適用することができる。勿論、このような液体噴射ヘッドを搭載した液体噴射装置も特に限定されるものではない。さらに、本発明は、液体噴射ヘッドに利用されるアクチュエータ装置に限定されず、他のあらゆる装置に搭載されるアクチュエータ装置にも適用できる。例えば、アクチュエータ装置は、上述したヘッドの他に、センサー等にも適用することができる。
実施形態1に係る液体噴射ヘッドの分解斜視図である。 実施形態1に係る液体噴射ヘッドの平面図及び断面図並びに拡大図である。 実施形態1に係る液体噴射ヘッドの製造工程を示す断面図である。 実施形態1に係る液体噴射ヘッドの製造工程を示す断面図である。 実施形態1に係る液体噴射ヘッドの製造工程を示す断面図である。 実施形態1に係る液体噴射ヘッドの製造工程を示す断面図である。 実施形態1に係る液体噴射ヘッドの製造工程を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る液体噴射装置の概略図である。
符号の説明
10 流路形成基板、11 隔壁、12 圧力発生室、13 連通部、14 インク供給路、20 ノズルプレート、21 ノズル開口、30 保護基板、31 圧電素子保持部、32 リザーバ部、40 コンプライアンス基板、50 弾性膜、60 下電極膜、65 バッファ層、70 圧電体層、71 組成傾斜層、74 圧電体膜、75 圧電体層本体、80 上電極膜、90 リザーバ

Claims (6)

  1. 下電極上に導電性の材料からなる面方位(100)のバッファ層を形成する工程と、
    前記バッファ層上にエピタキシャル成長によりPb、Zr、Tiを含むペロブスカイト構造を有する金属酸化物からなる圧電体層を形成する工程と、
    前記圧電体層上に上電極を形成する工程とを備え、
    前記圧電体層を形成する工程で、前記バッファ層上に形成したPb、Zr、Tiを含む前駆体膜を400℃以上に昇温する前に180〜350℃で一定時間保持した後、焼成することにより組成を厚さ方向に連続的に変化させた組成傾斜層を形成し、この組成傾斜層上にPb、Zr、Tiを含むペロブスカイト構造を有する金属酸化物からなる圧電体層本体を積層し前記組成傾斜層と前記圧電体層本体とで前記圧電体層とすることを特徴とする圧電素子の製造方法。
  2. シリコン単結晶基板上の二酸化シリコンからなる弾性膜の上側に前記下電極を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載する圧電素子の製造方法。
  3. 前記組成傾斜層は、チタン酸ジルコン酸鉛からなることを特徴とする請求項1または2に記載する圧電素子の製造方法。
  4. 前記圧電体層本体は、チタン酸ジルコン酸鉛からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載する圧電素子の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載する圧電素子の製造方法により圧電素子を形成する工程を含むことを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
  6. 請求項5に記載する液体噴射ヘッドの製造方法により液体噴射ヘッドを形成する工程を含むことを特徴とする液体噴射装置の製造方法。
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