以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
本実施形態にかかる創水装置1は、図1に示すように、略箱状の本体1aを備えており、当該本体1aには本体1a外部の気体(空気)を本体1a内に取り込む吸入口2が形成されている。なお、図1では、本体1aに吸入口2を1つだけ形成したものを例示したが、本体1aに複数の吸入口を形成してもよい。
また、本体1aには、送風機3が設けられており、当該送風機3を駆動させることで本体1a外部の気体(空気)を吸入口2を介して本体1a内に取り込むようにしている。
そして、本体1a内に取り込まれた気体(空気)は、フィルタ4を介して創水部5内に導入されるようになっている。すなわち、本実施形態では、吸入口2と創水部5とが導入路50によって連通されており、当該導入路50内の吸入口2側に送風機3が、創水部5側にフィルタ4が配置されている。
送風機3としては、ファンを用いることができるが、これに限らず、気体(空気)を移送することができるものであればどのような構造のものを用いてもよい。
また、フィルタ4としては、HEPAフィルタやULPAフィルタ等、大気中に含まれるゴミや塵芥などを除去することができるものを用いることができるが、これに限らず、分離膜等を用いることも可能である。すなわち、フィルタ4は、空気を清浄するものであればどのような構造のものであってもよい。
創水部5は、水蒸気(空気中に含まれる水蒸気)を凝縮して液化する凝縮手段6と、当該凝縮手段6によって液化した水を貯留する貯留部7と、を備えている。
さらに、本実施形態では、創水部5は、貯留部7に貯留した水を気化して水蒸気を生成する気化手段8と、当該気化手段8によって生成された水蒸気を凝縮手段6に還流する還流手段9と、を備えている。
また、貯留部7には連結管10が接続されており、貯留部7に貯留した水を接続管10を介して浄化部11に導入できるようにしている。なお、連結管10は、例えば、ポリエチレンやウレタンなど、耐水性および防錆性を有し、スケールが付着しにくい材料で形成するのが好適である。また、本体1aには、図示せぬ吐水管が設けられており、浄化部11にて浄化された水は、吐水管(図示せず)を介して飲用水として取り出せるようになっている。このとき、浄化部11もしくは図示せぬ吐水管に少なくとも1つの弁(図示せず)を設ければ、必要なときに浄水を取り出すことができる。
凝縮手段6としては、コンプレッサやコンデンサ、冷却コイル等、圧縮冷却方法によって水蒸気(空気中に含まれる水蒸気)を凝縮して液化するものを用いることができる。ただし、凝縮手段は、これに限らず、例えば、水分を吸着および吸収させる方法など、水蒸気から水分を取り出すことのできる機能を有する手段であればよい。
なお、凝縮手段6として吸着剤や吸収剤を用いる場合には、シリカゲルやゼオライト、塩化リチウム、塩化カルシウム、トリエチレングリコール等、水分を取り出しやすい材料を用いるのが好適である。
また、凝縮手段6として、市販の除湿機を用いることも可能である。除湿機は、冷たい物に水蒸気が触れると水蒸気が結露することを利用して、その結露した水分を排水することにより、空気中の水分を除去する、すなわち、除湿を行うものである。
貯留部7は、凝縮手段6によって液化された水分を保存する場所であり、例えば、ステンレスやセラミック、プラスチック、ガラス等、防錆性を有する材料で形成されている。
このとき、貯留部7の内壁(貯留部7のうち少なくとも貯留された水と接触可能な部位)に疎水性の材料が含まれるように、貯留部7を形成するのが好適である。疎水性の材料としては、テフロン(登録商標)等のフッ素樹脂を用いることができる。このようなフッ素樹脂を用いて貯留部7の内壁に撥水加工を施すことで、貯留部7の内壁が水をはじくようになるため、腐敗した水を保存した場合等に、貯留部7に汚れが付着してしまうのを抑制することができる。
また、貯留部7に貯留された水の中で菌が繁殖するのを抑制するため、紫外線照射装置や超音波発生装置等の殺菌手段を設けるようにしてもよい。
この殺菌手段は、水中に設けるのが好適であるが、必ずしも水中に設ける必要はない。例えば、紫外線照射装置の場合、貯留部7に貯留された水に紫外線を照射できれば、水中に設置されていなくてもよい。また、貯留部7に貯留された水の殺菌だけでなく、凝縮手段6や気化手段8、もしくは創水部5全体を殺菌するようにしてもよい。この場合、1つの殺菌手段で複数の部材の殺菌を行うようにしてもよいし、複数の殺菌手段を設け、それぞれの殺菌手段によって複数の部材の殺菌を行うようにしてもよい。
そして、本実施形態では、貯留部7内に少なくとも1つのセンサ12が設置されている。
このセンサ12としては、例えば、濁度センサ、電気伝導度(EC)センサ、イオンセンサ、pHセンサ、塩分濃度センサ、生物化学的酸素要求量(BOD)センサ、化学的酸素要求量(COD)センサ、溶存酸素(DO)センサ、総溶解固形分(TDS)センサ、酸化還元電位(ORP)センサ、色度センサ、硬度センサ、においセンサ等を用いることができる。また、センサ12の替わりにタイマ機能を有する装置を設け、貯留部7内の水の滞留時間や殺菌手段の紫外線照射時間などを測定するようにしてもよい。
また、貯留部7内に貯留された水の温度を変えることができる機能を有する装置(例えば、ヒータ等)を設けるようにしてもよい。この場合、貯留部7内に貯留された水の温度を検知するセンサを設けるようにするのが好ましい。
気化手段8としては、ヒータや超音波発生装置などを用いることができるが、これに限らず、水の殺菌を行うとともに水蒸気として気化させることができる機能を有するものであれば、いかなるものであっても気化手段として用いることができる。
還流手段9は、気化手段8によって生成された水蒸気を凝縮手段6に送り込むものであって、送風機やポンプなどを用いることができるが、これに限らず、空気を移送する機能を有するものであれば、いかなるものであっても還流手段として用いることができる。
なお、本実施形態では、凝縮手段6、気化手段8、還流手段9および水質センサ12は、制御部(制御手段)13に接続されており、当該制御部13により制御されている。本実施形態では、この制御部13は、本体1aに設けられている。
また、創水部5には、凝縮手段6による凝縮過程と気化手段8による気化過程の経路を分ける仕切り14を設けるのが好ましい。
なお、凝縮手段や気化手段は創水部内の任意の位置に配置することができ、例えば、創水部の構成を図3に示す創水部5Aのようにしてもよい。
すなわち、図3に示すように、凝縮手段6Aを創水部5Aの上部に配置するとともに、気化手段8を創水部5Aの下部に配置するようにしてもよい。
こうすれば、気化手段8によって気化した水蒸気が上方へ移動するため、気化した水蒸気を凝縮手段6Aに還流する装置(ファンなど)を別途設ける必要がなくなる。すなわち、創水部5Aの構造とすることで、部品点数の削減を図ることができるため、装置の小型化を図りつつコストの削減を図ることができるようになる。
このように、創水部5Aにおいては、凝縮手段6Aおよび気化手段8の配置構造が還流手段に相当している。
なお、図3では、凝縮手段6Aの形状を側断面視で複数の三角形を有する形状としたものを例示しており、このような形状の凝縮手段6Aを用いることで、水分が結露しやすくなり、凝縮効率を高めることができるようになる。また、図3では、凝縮手段6Aをそれぞれの頂部が下方を向くように配置させている。このように、少なくとも1つの頂部を有する凝縮手段6Aを頂部が下方を向くように配置することで、凝縮手段6A表面に生成された結露水をより効率的に貯留部7内に貯留させることができるようになる。また、図1においても、凝縮手段6の替わりに、凝縮手段6Aを用いることが可能である。
また、創水部5Aに仕切り14を設けないようにすることも可能である。
浄化部11内には、連結管10を介して貯留部7から導入された水分を浄化する浄化手段が設けられている。具体的には、浄化部11内には、UF膜、MF膜、RO膜等の分離膜が設けられている。このように、本実施形態では、UF膜、MF膜、RO膜等の分離膜が浄化手段に相当するものである。なお、本実施形態では、浄化手段として、UF膜、MF膜、RO膜等の分離膜を例示したが、これに限らず、例えば、活性炭、砂濾過、イオン交換樹脂等を浄化手段として用いることもできるし、複数の浄化手段を組み合わせて用いることもできる。
次に、創水装置1の動作を図2に基づき説明する。
まず、通常の創水時には、送風機3を駆動することで、気体(空気:本実施形態では大気)が吸入口2から本体1a内に吸入され、吸入された大気は、フィルタ4を通過して埃等が除去された状態で創水部5内に導入される。
そして、創水部5内に導入された大気が、制御部13によって駆動させた凝縮手段6に接触することで、大気中の水蒸気が水分となって貯留部7内に貯留して保存される。そして、貯留部7内に保存された水分は、連結管10を通って浄化部11に移送され、浄化部11にて浄化された水が飲料水として取り出される。なお、通常の創水時には、気化手段8は、制御部13によって駆動しないように制御されている。
そして、貯留部7内に保存された水は、センサ12もしくは、タイマ機能を有する装置によって水質等の測定が行われる。
ところで、創水の初期や、殺菌手段を設けた場合には、貯留部7内の水は衛生的に保存されているが、水が長期間にわたって貯留部7内に保存された場合や、殺菌手段が劣化した場合等には、貯留部7内に保存された水が腐敗してしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、貯留部7内の水が腐敗した場合に、当該腐敗した水を飲料水として再利用できるようにしている。
具体的には、センサ12もしくは、タイマ機能を有する装置によって水質等の測定を行い、当該測定データを制御部13に信号として送り、信号を受けた制御部13が、貯留部7内の水が腐敗したと判断した場合には、当該制御部13から凝縮手段6、気化手段8および還流手段9に信号を送り、凝縮過程モードから気化過程モードに切り替える。
なお、気化過程モードに切り替わった際には、制御部13によって気化手段8および還流手段9が駆動するが、このときに、凝縮手段6の駆動を停止させてもよいし、停止させなくてもよい。
そして、気化過程モードに切り替えることで気化手段8が駆動し、貯留部7内の水が気化して水蒸気となり、気化する際に殺菌される。
そして、気化手段8によって生成された水蒸気が、還流手段9によって凝縮手段6に移送される。
なお、気化過程モードに切り替わった際に凝縮手段6の駆動を停止させない場合には、気化手段8による気化および殺菌、還流手段9による水蒸気の凝縮手段6への移送、凝縮手段6による凝縮が連続して行われる。
また、凝縮手段6の駆動を停止させた場合には、貯留部7内の水の気化および殺菌がある程度行われた状態で、凝縮手段6が駆動して凝縮が行われる。このとき、凝縮手段6を一旦駆動させた後は、凝縮手段6の駆動を停止せず、気化手段8による気化および殺菌、還流手段9による水蒸気の凝縮手段6への移送、凝縮手段6による凝縮が連続して行わせてもよいし、凝縮手段6の駆動を断続的に停止させ、水蒸気が凝縮手段6側に溜まった状態で、凝縮が行われるようにしてもよい。
また、気化過程モードに切り替えた際に、送風機3の駆動を停止させてもよいし、送風機3を停止させずに大気を取り込んで、通常の創水も行うことができるようにしてもよい。
また、気化手段8によって生成された水蒸気の凝縮手段6への移送経路の途中にフィルタを設け、フィルタを通過した水蒸気が凝縮手段で凝縮されるようにしてもよい。このフィルタとしては、上述したフィルタ4と同様のものを用いることができる。
そして、制御部13が気化過程モードの終了を判断すると、当該制御部13は、気化手段8および還流手段9に信号を送り、気化手段8および還流手段9の駆動を停止させる。こうして、気化過程モードが終了する。
制御部13による気化過程モードの終了は、例えば、貯留部7内の水の水位や、貯留部7内の水の水質を検知することで判断することができる。貯留部7内の水の水位の検知は、水位センサを貯留部7内に設けることで行うことができる。なお、センサ12とは別個に水位センサを設けてもよいし、水位検知機能を有するセンサ12を用いるようにしてもよい。
以上説明したように、本実施形態では、創水装置1の創水部5に、貯留部7に貯留した水を気化して水蒸気を生成する気化手段8および当該気化手段8によって生成された水蒸気を凝縮手段6に還流する還流手段9を設けている。そのため、貯留部7に貯留された水分が腐敗した(飲用水として適さなくなった)場合に、当該腐敗した水を気化手段8によって気化させることで殺菌を行うことができる。そして、生成された水蒸気を還流手段9によって凝縮手段6へと還流させ、当該水蒸気を凝縮手段6によって再凝縮することで、飲用水として利用可能な水分を生成することができる。このように、本実施形態によれば、飲用水として適さなくなった水分を飲用水として再利用することのできる創水装置1を得ることができる。
また、本実施形態によれば、貯留部7の内壁(貯留部7のうち少なくとも貯留された水と接触可能な部位)に疎水性の材料が含まれるように、貯留部7を形成している。このように、貯留部7の内壁を疎水性の材料を含む材料で形成することで、貯留部7の内壁が水をはじくことができるようになるため、腐敗した水を保存した場合等に、貯留部7に汚れが付着してしまうのを抑制することができるようになる。
(第2実施形態)
本実施形態にかかる創水装置1Bは、図4に示すように、略箱状の本体1aを備えており、当該本体1aには本体1a外部の気体(空気)を本体1a内に取り込む吸入口2が2つ形成されている。
また、本体1a内の各吸入口2の近傍には、送風機3がそれぞれ設けられており、当該送風機3を駆動させることで本体1a外部の気体(空気)を各吸入口2を介して本体1a内に取り込むようにしている。
そして、本体1a内に取り込まれた気体(空気)は、各送風機3の下流側にそれぞれ形成されたフィルタ4を介して第1の創水部15および第2の創水部16内にそれぞれ導入されるようになっている。すなわち、本実施形態では、本体1a内に第1の創水部15および第2の創水部16が形成されている。
また、本実施形態では、吸入口2と第1の創水部15とが導入路50によって連通されており、当該導入路50内の吸入口2側に送風機3が、第1の創水部15側にフィルタ4が配置されている。同様に、吸入口2と第2の創水部16とが導入路50によって連通されており、当該導入路50内の吸入口2側に送風機3が、第2の創水部16側にフィルタ4が配置されている。
なお、送風機3やフィルタ4としては、上記第1実施形態で説明したものと同様のものを用いることができる。
第1の創水部15は、水蒸気(空気中に含まれる水蒸気)を凝縮して液化する第1の凝縮手段17と、当該第1の凝縮手段17によって液化した水を貯留する第1の貯留部18と、第1の貯留部18に貯留した水を気化して水蒸気を生成する第1の気化手段22と、を備えている。
同様に、第2の創水部16は、水蒸気(空気中に含まれる水蒸気)を凝縮して液化する第2の凝縮手段24と、当該第2の凝縮手段24によって液化した水を貯留する第2の貯留部25と、第2の貯留部25に貯留した水を気化して水蒸気を生成する第2の気化手段32と、を備えている。
このように、本実施形態では、貯留部として、第1の貯留部18と第2の貯留部25とを有している。また、創水装置1Bは、第1の貯留部18に液化した水を供給する第1の凝縮手段17と、第2の貯留部25に液化した水を供給する第2の凝縮手段24と、第1の貯留部18に貯留した水を気化する第1の気化手段22と、第2の貯留部25に貯留した水を気化する第2の気化手段32と、を備えている。
これら第1および第2の凝縮手段17,24、第1および第2の気化手段22,32としては、上記第1実施形態で説明した凝縮手段6、気化手段8と同様のものを用いることができる。
本実施形態では、第1および第2の凝縮手段17,24と第1および第2の気化手段22,32は、それぞれ、制御部(制御手段)21に接続されており、当該制御部21により制御されている。本実施形態においても制御部21は、本体1aに設けられている。
そして、第1および第2の凝縮手段17,24と第1および第2の気化手段22,32とで、気化凝縮ユニット37を構成している。
また、第1の貯留部18には連結管19が接続されるとともに、第2の貯留部25には連結管36が接続されており、第1および第2の貯留部18,25に貯留した水をそれぞれ接続管19,36を介して浄化部11に導入できるようにしている。また、上記第1実施形態と同様に、本体1aには、図示せぬ吐水管が設けられており、浄化部11にて浄化された水は、吐水管(図示せず)を介して飲用水として取り出せるようになっている。このとき、浄化部11に少なくとも1つの弁(図示せず)を設けることで、必要なときに浄水を取り出せるようにしている。
第1の貯留部18および第2の貯留部25は、上記第1実施形態の貯留部7と同様に、第1および第2の凝縮手段17,24によって液化された水分を保存する場所である。この第1の貯留部18および第2の貯留部25は、例えば、ステンレスやセラミック、プラスチック、ガラス等、防錆性を有する材料で形成されている。
このとき、第1の貯留部18の内壁(第1の貯留部18のうち少なくとも貯留された水と接触可能な部位)および第2の貯留部25の内壁(第2の貯留部25のうち少なくとも貯留された水と接触可能な部位)に親水性の材料が含まれるようにするのが好適である。親水性の材料としては、酸化チタンなどの光触媒やガラス等を用いることができる。このような親水性の材料が含まれる材料を用いて第1および第2の貯留部18,25の内壁を形成することで、後述する第1および第2の洗浄手段27,33によって第1および第2の貯留部18,25内を洗浄する際に、洗浄液を第1および第2の貯留部18,25と汚れとの間に入り込ませることができるようになるため、第1および第2の貯留部18,25内の洗浄が行いやすくなる。
また、本実施形態においても、第1および第2の貯留部18,25に貯留された水の中で菌が繁殖するのを抑制するため、紫外線照射装置や超音波発生装置等の殺菌手段を設けるようにするのが好適である。
そして、第1および第2の貯留部18,25内には、センサ20,31がそれぞれ設置されている。このセンサ20,31としては、上記第1実施形態で説明したセンサ12と同様のものを用いることができる。なお、センサ20,31も、それぞれ、制御部(制御手段)21に接続されており、当該制御部21により制御されている。
また、第1の創水部15と第2の創水部16との間には、還流手段23が設けられている。なお、この還流手段23は、第1の創水部15内または第2の創水部16内に設けてもよい。また、還流手段23としては、上記第1実施形態で説明した還流手段9と同様のものを用いることができる。
さらに、創水装置1Bは、第1の貯留部18の内壁を液体によって洗浄する第1の洗浄手段27と、第2の貯留部25の内壁を液体によって洗浄する第2の洗浄手段33と、を備えている。
本実施形態では、第1の創水部15内および第2の創水部16内に、第1の洗浄手段27および第2の洗浄手段33が設けられている。
また、本体1a内には、洗浄液を収容する洗浄タンク26が配置されており、第1の洗浄手段27および第2の洗浄手段33が洗浄タンク26に連結されている。この洗浄タンク26は、本体1a内の任意の位置に配置することができる。また、本体1aの外部に洗浄タンク26を設けるようにしてもよい。
このとき、洗浄タンク26内の洗浄液を第1の洗浄手段27および第2の洗浄手段33に移送するための移送手段を設けるようにするのが好適である。この移送手段としては、例えばポンプ等を用いることができるが、これに限らず、洗浄タンク26内の洗浄液を第1の洗浄手段27および第2の洗浄手段33に移送することができるものであれば、いかなるものであっても移送手段として用いることができる。
さらに、本実施形態では、図4に示すように、第1の洗浄手段27および第2の洗浄手段33が洗浄タンク26を介して浄水部11に連結されており、制御部21によって浄化部11内の浄水を洗浄タンク26に移送するようにしている。すなわち、制御部21によって浄化部11内の浄水を洗浄タンク26に移送するように信号を送ることで、浄化部11内の浄水を洗浄液として使用できるようにしている。
なお、浄化部11と第1の洗浄手段27の間に弁28(図5参照)を設けるとともに、浄化部11と第2の洗浄手段33の間に弁34を設けるようにすれば、洗浄タンク26を設けることなく浄化部11内の浄水を洗浄液として使用することができる。
また、別途用意した洗浄液を洗浄タンク26内に収容させ、浄化部11内の浄水を洗浄液として用いないようにすることも可能である。この場合、洗浄液として、例えば、次亜塩素酸ナトリウム溶液、トリクロロエチレンや塩化メチレンなどの炭化水素系の洗浄液を用いることができる。
さらに、第1の洗浄手段27および第2の洗浄手段33が第1の貯留部18の内壁および第2の貯留部25の内壁だけでなく、第1および第2の凝縮手段17,24や第1および第2の気化手段22,32をも洗浄するように構成することも可能であるし、第1および第2の創水部15,16の全体を洗浄するように構成することも可能である。
また、第1の貯留部18には、洗浄に使用された液体を排水する配水管(排水手段)29が設けられているとともに、第2の貯留部25には、洗浄に使用された液体を排水する配水管(排水手段)35が設けられている。そして、少なくとも第1の貯留部18の内壁および第2の貯留部25の内壁を洗浄した洗浄液は、それぞれ配水管(排水手段)29,35を通って排水口30から外部に排水される。
また、本実施形態では、第1の貯留部18内および第2の貯留部25内の洗浄液を配水管(排水手段)29,35に流しやすくするため、第1の貯留部18の底壁および第2の貯留部25の底壁を、配水管(排水手段)29,35との連結部位が下方に位置するように傾斜させている。
次に、創水装置1の動作を図5に基づき説明する。なお、図5では、浄化部11と第1の洗浄手段27の間に弁28(図5参照)を設けるとともに、浄化部11と第2の洗浄手段33の間に弁34を設け、洗浄タンク26を設けていないもののフロー図を示している。
まず、送風機3を駆動することで、気体(空気:本実施形態では大気)が吸入口2から本体1a内に吸入され、吸入された大気は、フィルタ4を通過して埃等が除去された状態で第1の創水部15内および第2の創水部16内に導入される。
そして、第1の創水部15が凝縮過程モードのときには、第1の創水部15内に導入された大気が、制御部21によって駆動させた第1の凝縮手段17に接触することで、大気中の水蒸気が水分となって第1の貯留部18内に貯留して保存される。そして、第1の貯留部18内に保存された水分は、連結管19を通って浄化部11に移送され、浄化部11にて浄化された水が飲料水として取り出される。なお、凝縮過程モードのときには、第1の気化手段22は、制御部21によって駆動しないように制御されている。
同様に、第2の創水部16が凝縮過程モードのときには、第2の創水部16内に導入された大気が、制御部21によって駆動させた第2の凝縮手段24に接触することで、大気中の水蒸気が水分となって第2の貯留部25内に貯留して保存される。そして、第2の貯留部25内に保存された水分は、連結管36を通って浄化部11に移送され、浄化部11にて浄化された水が飲料水として取り出される。なお、凝縮過程モードのときには、第2の気化手段32は、制御部21によって駆動しないように制御されている。
そして、第1の貯留部18内および第2の貯留部25内に保存された水は、センサ20,31によって水質等の測定が行われる。
そして、上記第1実施形態と同様に、センサ20,31によって水質等の測定を行い、当該測定データを制御部21に信号として送り、信号を受けた制御部21が、第1の貯留部18内の水が腐敗したと判断した場合には、当該制御部21から第1の凝縮手段17、第1の気化手段22に信号を送り、第1の創水部15を凝縮過程モードから気化過程モードに切り替える。
このように、第1の創水部15が気化過程モードに切り替わった際には、制御部21によって第1の凝縮手段17を停止させるとともに、第1の気化手段22を駆動させる。
そして、第1の創水部15を気化過程モードに切り替えることで駆動した第1の気化手段22によって、第1の貯留部18内の水が気化して水蒸気となり、気化する際に殺菌される。
そして、第1の気化手段22によって生成された水蒸気は、還流手段23によって第2の凝縮手段24に移送され、第2の凝縮手段24によって再凝縮し、水分として第2の貯留部25内に貯留される。
そして、制御部21が第1の創水部15の気化過程モードの終了を判断すると、制御部21は、第1の気化手段22に信号を送り、第1の気化手段22の駆動を停止させることで、第1の創水部15の気化過程モードが終了する。なお、制御部21による気化過程モードの終了判断も、上記第1実施形態で示した方法と同様の方法で行うことができる。
このとき、制御部21は、第1の創水部15を気化過程モードから洗浄過程モードへと切り替える。
このように、第1の創水部15が洗浄過程モードに切り替わると、洗浄タンク26もしくは浄化部11内の洗浄液が第1の洗浄手段27から噴射され、第1の貯留部18内の洗浄が行われる。そして、第1の貯留部18内を洗浄した洗浄液は、配水管(排水手段)29を通って排水口30から外部に排水される。なお、第1の洗浄手段27による第1の貯留部18内の洗浄回数や洗浄時間、洗浄液の噴射量等は、適宜に設定することが可能であり、これらの制御を制御部21によって行うようにするのが好ましい。
そして、制御部21が第1の創水部15の洗浄過程モードの終了を判断すると、第1の創水部15の洗浄過程モードが終了する。なお、制御部21による洗浄過程モードの終了判断は、制御部21にタイマを設ける等によって行うことができる。
なお、第1の創水部15の洗浄過程モード終了とほぼ同時に、第1の創水部15を凝縮過程モードに切り替えるようにしてもよい。
一方、信号を受けた制御部21が、第2の貯留部25内の水が腐敗したと判断した場合には、当該制御部21から第2の凝縮手段24、第2の気化手段32に信号を送り、第2の創水部16を凝縮過程モードから気化過程モードに切り替える。
このように、第2の創水部16が気化過程モードに切り替わった際には、制御部21によって第2の凝縮手段24を停止させるとともに、第2の気化手段32を駆動させる。
そして、第2の創水部16を気化過程モードに切り替えることで駆動した第2の気化手段32によって、第2の貯留部25内の水が気化して水蒸気となり、気化する際に殺菌される。
そして、第2の気化手段32によって生成された水蒸気は、還流手段23によって第1の凝縮手段17に移送され、第1の凝縮手段17によって再凝縮し、水分として第1の貯留部18内に貯留される。
そして、制御部21が第2の創水部16の気化過程モードの終了を判断すると、制御部21は、第2の気化手段32に信号を送り、第2の気化手段32の駆動を停止させることで、第2の創水部16の気化過程モードが終了する。なお、制御部21による第2の創水部16の気化過程モードの終了判断も、上記第1実施形態で示した方法と同様の方法で行うことができる。
このとき、制御部21は、第2の創水部16を気化過程モードから洗浄過程モードへと切り替える。
このように、第2の創水部16が洗浄過程モードに切り替わると、洗浄タンク26もしくは浄化部11内の洗浄液が第2の洗浄手段33から噴射され、第2の貯留部25内の洗浄が行われる。そして、第2の貯留部25内を洗浄した洗浄液は、配水管(排水手段)35を通って排水口30から外部に排水される。なお、第2の洗浄手段33による第2の貯留部25内の洗浄回数や洗浄時間、洗浄液の噴射量等も、適宜に設定することが可能であり、これらの制御を制御部21によって行うようにするのが好ましい。
そして、制御部21が第2の創水部16の洗浄過程モードの終了を判断すると、第2の創水部16の洗浄過程モードが終了する。なお、制御部21による洗浄過程モードの終了判断は、制御部21にタイマを設ける等によって行うことができる。
また、第2の創水部16の洗浄過程モード終了とほぼ同時に、第2の創水部16を凝縮過程モードに切り替えるようにしてもよい。
なお、第1の創水部15のモードと第2の創水部16のモードが必ず異なっている必要はなく、例えば、通常の創水時にともに凝縮過程モードとし、効率的に大気を凝縮させるようにすることも可能である。
以上の本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
また、本実施形態によれば、創水装置1Bに、第1の創水部15および第2の創水部16を設けたため、凝縮過程モードと気化過程モードを同時に行うことができる。
また、本実施形態では、貯留部として、第1の貯留部18と第2の貯留部25とを有し、創水装置1Bは、第1の貯留部18に液化した水を供給する第1の凝縮手段17と、第2の貯留部25に液化した水を供給する第2の凝縮手段24と、第1の貯留部18に貯留した水を気化する第1の気化手段22と、第2の貯留部25に貯留した水を気化する第2の気化手段32と、を備えている。
このように、貯留部、凝縮手段および気化手段をそれぞれ2つずつ備えることで、1つの貯留部内の水分が腐敗したとしても、当該腐敗した水を気化、殺菌させつつ、他の貯留部内では、凝縮手段によって水分を生成することができる。したがって、本実施形態によれば、貯留部をより衛生的に保ちつつ効率よく飲料水を生成することができる。
また、第1の貯留部18および第2の貯留部25を設けることで、再凝縮した水と腐敗した水が貯留部内で混ざってしまうのを抑制することができ、より衛生的に水を保存することができる。また、2つの貯留部のうちのいずれか一方の貯留部内の水を気化、殺菌し、再凝縮した水を他方の貯留部に貯留するようにしたため、腐敗した水の殺菌をより均一に行うことができる。
また、本実施形態によれば、創水装置1Bが、第1の貯留部18の内壁を液体によって洗浄する第1の洗浄手段27と、第2の貯留部25の内壁を液体によって洗浄する第2の洗浄手段33と、を備えている。さらに、第1の貯留部18には、洗浄に使用された液体を排水する配水管(排水手段)29が設けられているとともに、第2の貯留部25には、洗浄に使用された液体を排水する配水管(排水手段)35が設けられている。このように、洗浄手段と排水手段を設けることで、貯留部をより一層衛生的に保つことができる。
また、浄化部11内の浄水を洗浄液として用いるようにすれば、別途洗浄液を用意する必要がなくなるため、コストの削減を図ることができる。さらに、洗浄液を収容する容器(洗浄タンク26)を別途設けないようにすれば、創水装置1Bの構成の簡素化を図りつつ、コストの削減を図ることができるようになる。
また、本実施形態によれば、第1の貯留部18の内壁(第1の貯留部18のうち少なくとも貯留された水と接触可能な部位)および第2の貯留部25の内壁(第2の貯留部25のうち少なくとも貯留された水と接触可能な部位)に親水性の材料が含まれるようにしている。このように、親水性の材料が含まれる材料を用いて第1および第2の貯留部18,25の内壁を形成することで、第1および第2の貯留部18,25内を洗浄する際に、洗浄液を第1および第2の貯留部18,25と汚れとの間に入り込ませることができるようになり、第1および第2の貯留部18,25内の洗浄が行いやすくなるという利点もある。
なお、本実施形態においても、上記第1実施形態で例示した変形例(凝縮手段の配置、形状等)を適用することが可能である。
(第3実施形態)
本実施形態にかかる創水装置1Cは、基本的に上記第2実施形態で示した創水装置1Bと同様の構成をしている。
すなわち、創水装置1Cは、図6に示すように、略箱状の本体1aを備えており、当該本体1aには本体1a外部の気体(空気)を本体1a内に取り込む吸入口2が2つ形成されている。
また、本体1a内の各吸入口2の近傍には、送風機3がそれぞれ設けられており、当該送風機3を駆動させることで本体1a外部の気体(空気)を各吸入口2を介して本体1a内に取り込むようにしている。
そして、本体1a内に取り込まれた気体(空気)は、各送風機3の下流側にそれぞれ形成されたフィルタ4を介して第1の創水部15および第2の創水部16内にそれぞれ導入されるようになっている。
また、第1の創水部15および第2の創水部16には、貯留部としての第1の貯留部18および第2の貯留部25が設けられており、第1の貯留部18には連結管19が接続されるとともに、第2の貯留部25には連結管36が接続されている。
そして、第1および第2の貯留部18,25に貯留した水は、それぞれ接続管19,36を介して浄化部11に導入され、浄化部11にて浄化された水を飲料水として取り出せるようにしている。
ここで、本実施形態が上記第2実施形態と主に異なる点は、第1および第2の凝縮手段17,24と第1および第2の気化手段22,32とで、気化凝縮ユニット37を構成する換わりに、1つのペルチェユニット38で気化凝縮ユニットを構成した点にある。
本実施形態では、冷却部と放熱部とが切換可能なペルチェユニット38で気化凝縮ユニットを構成するとともに、当該ペルチェユニット38を、第1の貯留部18および第2の貯留部25に対して熱伝導可能に接続させている。
かかる構成とすることで、ペルチェユニット38の極性を切り換えるだけで、第1の創水部15および第2の創水部16のモード(凝縮モードおよび気化モード)を切り換えることができるようになる。
なお、図6では、第1の洗浄手段27および第2の洗浄手段33が設けられていないものを例示したが、これらの洗浄手段を設けるようにすることも可能である。
以上の本実施形態によっても、上記第2実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
また、本実施形態によれば、凝縮手段および気化手段を、冷却部と放熱部とが切換可能なペルチェユニット38で構成し、当該ペルチェユニット38を、第1の貯留部18および第2の貯留部25に対して熱伝導可能に接続させている。そのため、1つのペルチェユニット38で、第1の貯留部18および第2の貯留部25に対する凝縮機能と気化機能を兼ね備えることができる。そのため、創水装置1Cの構成の簡素化を図ることができる。
なお、本実施形態においても、上記第1実施形態で例示した変形例(凝縮手段の配置、形状等)を適用することが可能である。
(第4実施形態)
本実施形態にかかる創水装置1Dは、基本的に上記第3実施形態で示した創水装置1Cと同様の構成をしている。
すなわち、創水装置1Dは、図7に示すように、略箱状の本体1aを備えており、当該本体1aには本体1a外部の気体(空気)を本体1a内に取り込む吸入口2が2つ形成されている。
また、本体1a内の各吸入口2の近傍には、送風機3がそれぞれ設けられており、当該送風機3を駆動させることで本体1a外部の気体(空気)を各吸入口2を介して本体1a内に取り込むようにしている。
そして、本体1a内に取り込まれた気体(空気)は、各送風機3の下流側にそれぞれ形成されたフィルタ4を介して第1の創水部15および第2の創水部16内にそれぞれ導入されるようになっている。
また、第1の創水部15および第2の創水部16には、貯留部としての第1の貯留部18および第2の貯留部25が設けられており、第1の貯留部18には連結管19が接続されるとともに、第2の貯留部25には連結管36が接続されている。
そして、第1および第2の貯留部18,25に貯留した水は、それぞれ接続管19,36を介して浄化部11に導入され、浄化部11にて浄化された水を飲料水として取り出せるようにしている。
さらに、本実施形態でも、冷却部と放熱部とが切換可能なペルチェユニット38で気化凝縮ユニットを構成するとともに、当該ペルチェユニット38を、第1の貯留部18および第2の貯留部25に対して熱伝導可能に接続させている。
ここで、本実施形態が上記第3実施形態と主に異なる点は、第1の貯留部18および第2の貯留部25に、取り外し可能な貯留容器39,40をそれぞれ設けた点にある。
本実施形態では、貯留容器39,40を第1の貯留部18および第2の貯留部25に設けることで、第1の貯留部18および第2の貯留部25が水分と接触しないようにしている。この貯留容器39,40は、耐水性を有する材料で形成されている。
なお、耐水性を有する材料で形成したシールや膜を第1の貯留部18および第2の貯留部25の内壁に貼り付けることで貯留容器39,40を形成してもよい。
また、図7では、第1の洗浄手段27および第2の洗浄手段33が設けられていないものを例示したが、これらの洗浄手段を設けるようにすることも可能である。
以上の本実施形態によっても、上記第3実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
また、本実施形態によれば、第1の貯留部18および第2の貯留部25に、取り外し可能な貯留容器39,40をそれぞれ設け、第1の貯留部18および第2の貯留部25が水分と接触しないようにしている。そのため、腐敗した水を保存した場合等に、第1の貯留部18および第2の貯留部25に汚れが付着してしまうのを抑制することができるようになる。
また、取り外し可能な貯留容器39,40を設けることで、貯留容器39,40が汚れた場合等に、貯留容器39,40を取り外して洗浄したり、交換したりすることができるという利点もある。
なお、本実施形態においても、上記第1実施形態で例示した変形例(凝縮手段の配置、形状等)を適用することが可能である。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記第4実施形態の貯留部の構造を上記第1実施形態に適用することも可能であり、上記第2実施形態の気化凝縮ユニットを上記第4実施形態に適用することも可能である。
また、本体や送風機、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。