JP5000925B2 - 車両用シート - Google Patents

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本発明は乗用車等に使用される車両用シートに係り、シートバックがリクライニング操作可能に支持され、かつリクライニング時に乗員の脚部を保持するオットマンを備えた車両用シートに関するものである。
従来より、リクライニング時に、シートバックの動きと連動してオットマンを移動させる車両用シートが知られている(例えば特許文献1参照)。
図10に示すように、特許文献1に記載の車両用シート100では、シートバック101と、クッション102と、クッション102の前端に取り付けられたオットマン103とを備えており、クッション102の側面にオットマン103を独立調整するためのダイヤル104と、シートバック101を前後傾させるためのリクライニングレバー105を有している。シートバック101内には、バックフレーム106がリクライニング107を介してベースフレーム108に取り付けられ、リクライニングレバー105の操作によるリクライニング107の回動によってシートバック101が前後傾するようになっている。ベースフレーム108はクッション102内のクッションフレーム109も支持しており、ベースフレーム108は下部でスライドレール110によってフロア111に固定されている。
オットマン103の内部にはオットマンフレーム112が設けられており、このオットマンフレーム112は、クッションフレーム109に回動可能に取り付けられている。また、オットマンフレーム112内部にはボールネジ113が回転可能に設けられており、ダイヤル104を回すことによりボールネジ113が軸回転するようになっている。ボールネジ113にはボールナット115がボールネジ113の回転によって往復移動可能に設けられており、このボールナット115は、A点において一端が回動可能に設けられているリンク114の他端側に取り付けられている。
バックフレーム106を後傾させると、A点が前方へ移動し、オットマンフレーム112の下方を支持しているボールナット115も前方へ移動し、オットマン103が使用位置へ振り出される。
また、ダイヤル104を回転させるとボールネジ113が軸回転し、ボールネジ113の軸回転によりボールナット115を移動させて、リンク114をA点回りに回動させることによりオットマンフレーム112をクッション102に取り付けられている回転軸回りに回動させる。これにより、オットマン103の角度を調整できる。
特開平11−253271号公報(図2)
ところで、前述したような従来の車両用シートにおいては、バックフレームの後傾と連動してオットマンフレームを移動させるための機構が大型である。また、オットマン用のモータを別途設けて、オットマンをモータにより移動させるものもあるが、構造が複雑化しやすく、コストが嵩んでしまう。
そこで、本発明の目的は、安価で簡単な機構によりオットマンをリクライニング動作にあわせてセットすることができる車両用シートを提供することにある。
上記課題を解決することができる本発明に係る車両用シートは、シートクッションが車体パネルのフロア部に支持されるとともに、シートバックがリクライニング操作可能に支持され、かつリクライニング時に乗員の脚部を保持するオットマンを備えた車両用シートであって、前記シートクッションを支持するシートクッションフレームと連結されて当該シートクッションフレームを上方及び前方へとチルト作動させる電動ユニットが前記フロア部に対して固定され、前記シートクッションフレームの後部には前記シートバックを支持するシートバックフレームが回動可能に連結されるとともに前記シートクッションフレームの前部には前記オットマンを支持するオットマンフレームが回動可能に連結され、前記シートクッションフレームのチルト作動に伴って前記シートバックフレームが回動変位するとともに前記オットマンフレームが前上方に回動変位することを特徴とする。
このように構成された車両用シートにおいては、電動ユニットによりリクライニング動作を行うと、シートクッションフレームをチルト動作により移動させてシートクッションを上方及び前方へと移動させる。同時に、シートクッションフレームに連結されたシートバックフレームを回動させてシートバックを傾かせるとともに、シートクッションフレームの前部に連結されたオットマンフレームを回動させてオットマンを回動させるので、オットマン用の駆動源(モータ等)を設ける必要がなく安価で簡単な機構によりオットマンをリクライニング動作にあわせてセットすることができる。
また、本発明に係る車両用シートにおいて、前記電動ユニットは、前記フロア部におけるクロスメンバー部に対して固定されていることが好ましい。
従来、シートバックの後方でモータ等の電動ユニットを車体パネルに支持していた場合では、乗員が着座した状態でリクライニング姿勢へ移行する際には大きな駆動力が要求され、その際の反力が電動ユニットを支える車体パネルヘ作用し、車体パネルが変形してしまうことがあったが、電動ユニットがクロスメンバー部に対して固定された場合には、チルト作動により電動ユニットが受ける荷重を比較的に剛性の高いクロスメンバー部によって確実に支持することができる。
また、本発明に係る車両用シートにおいて、前記電動ユニットは、前記シートクッションフレームと連結シャフトを介して連結されてチルト作動時に前方へ回動する第1のリンクと、前記第1のリンクに連結されチルト作動時に前記連結シャフトに対して相対的に後方へ移動する補助シャフトとを備え、前記オットマンフレームの回動軸が前記補助シャフトと第2のリンクを介して回動可能に連結されており、チルト作動時に前記第2のリンクが前記連結シャフトに対して相対的に後方へ移動することにより、前記オットマンフレームが前上方に回動されることが好ましい。
このように構成された車両用シートは、シートクッションフレームをチルト作動させるための機構を利用して、リクライニング時にオットマンを前上方に回動させるための構成を簡略化でき、安価で簡単な機構のオットマン付きシートとすることができる。
本発明によれば、電動ユニットによりリクライニング動作を行うと、シートクッションフレームをチルト動作により移動させてシートクッションを上方及び前方へと移動させる。同時に、シートクッションフレームの動きに伴って、シートバックフレームを回動させてシートバックを傾かせるとともに、オットマンフレームを回動させてオットマンを回動させるので、オットマン用の駆動源を設ける必要がなく安価で簡単な機構によりオットマンをリクライニング動作にあわせてセットすることができる。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の車両用シートに係る実施形態を示す分解斜視図、図2は図1に示した車両用シートのフレーム部分の斜視図、図3は図1及び図2に示した電動ユニットによるチルト作動を示す側面概略図、図4はオットマンフレームの斜視図、図5はシートクッションフレームにおけるオットマンフレームの取付部を示す斜視図、図6は電動ユニットにおけるオットマンフレームとの連結構造を示す斜視図、図7はオットマンフレームの組立図、図8はリクライニング時におけるシートクッションとシートバックの動きを示す側面図、図9はリクライニング前後におけるオットマンの状態を示す説明図である。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る車両用シート10は、例えばセダンタイプの乗用車のリヤシートであり、乗員が着座するシートクッション11が車体パネルのフロア部F(図9参照)に支持されるとともに、乗員の背もたれとなるシートバック12がリクライニング操作可能に支持され、かつリクライニング時に乗員の脚部を保持するオットマン13を備えている。そして、シートクッション11を支持するシートクッションフレーム21と連結されてこのシートクッションフレーム21を上方及び前方へとチルト作動させる電動ユニット30(図3参照)がフロア部Fに対して固定されている。また、シートクッションフレーム21の後部にはシートバック12を支持するシートバックフレーム22が回動可能に連結されるとともに、シートクッションフレーム21の前部にはオットマンフレーム23が回動可能に連結され、シートクッションフレーム21のチルト作動に伴ってシートバックフレーム22が回動変位するとともにオットマンフレーム23が前上方に回動変位するようになっている。
シートバック12は、シートバックアッパー12aとシートバックロア12bとに上下2分割され、中折れ可能となっている。なお、シートバックアッパー12aはシートバックアッパーフレーム22aにより支持され、シートバックロア12bはシートバックロアフレーム22bにより支持されている。また、シートバック12の上方には、ヘッドレスト14がシートバック12に対して着脱可能及び高さ調節可能に装着されている。
図2に示すように、シートバックアッパーフレーム22aは、シートバックアッパー12aの背面側からシートバックロア12bの背面側まで延びるフレームであり、その上部、中部、下部にボルト固定部24a,24b,24c,24dを備えている。これらのボルト固定部24a,24b,24c,24dは、それぞれに形成されたボルト挿通用の孔を通して、車両用シート10の後方に位置する車体パネルのリヤ縦壁部(図示せず)にボルト固定される。また、シートバックアッパーフレーム22aはシートバックロアフレーム22bと連結される回転支持部24e,24fを備え、シートバックロアフレーム22bを回動可能に支持している。なお、この回動中心を図2中に回転軸Aとして図示している。
シートバックロアフレーム22bは、シートバックロア12bの背面側に配置されたフレームであり、上部には回転支持部25a,25bを備え、下部には回転支持部25c,25dを備えている。上部の回転支持部25a,25bはシートバックアッパーフレーム22aの回転支持部24e,24fに対して回動可能に連結されており、これによりシートバックロアフレーム22bは回転軸Aを中心に回動する。また、下部の回転支持部25c,25dはシートクッションフレーム21に対して回動可能に連結されている。なお、この回動中心を図2中に回転軸Bとして図示している。
シートクッションフレーム21は、シートクッション11の下側に配置されたフレームであり、その後部に回転支持部21aを備えている。この回転支持部21aはシートバックロアフレーム22bの下部の回転支持部25c,25dに対して回動可能に連結されており、これによりシートクッションフレーム21は回転軸Bを中心に回動する。また、シートクッションフレーム21は、その外枠形状のフレーム21bの内側に板状の電動ユニット固定部材26が設けられており、この電動ユニット固定部材26の下面側に、リクライニング操作用の電動ユニット30が取り付けられている。なお、電動ユニット30には、その車両幅方向の両端部分に取り付け部31,32が設けられており、これらの取り付け部31,32に対して電動ユニット固定部材26をボルトにより固定している。
図2及び図3に示すように、電動ユニット30は、駆動源としてのモータ33と、モータ33の回転運動を直線運動に変換するスクリューシャフト34と、スクリューシャフト34に外嵌されたナットとともに駆動する駆動側リンク35と、駆動側リンク35に連結された連結シャフト36と、連結シャフト36に連結された従動側リンク(第1のリンク)37と、従動側リンク37を回動可能に支持した固定板38と、を備えている。また、両従動側リンク37間には、連結シャフト36と平行に補助シャフト41が取り付けられている。取り付け部31,32は連結シャフト36の両端部分に固定されている。そして、固定板38が車体パネルのフロア部Fにおけるフロントクロスメンバー部に対してボルト39により固定されることで、電動ユニット30を介してシートクッションフレーム21によりシートクッション11が支持されている。
図4に示すように、オットマンフレーム23は、直線棒状の回転軸フレーム23aと、全体コ字状をしたフレーム本体23bとを溶接して矩形状のフレームを構成し、内部にはワイヤフレーム23cが溶接により接合されている。回転軸フレーム23aの中央部には第2のリンクの一部を構成するリンクプレート23dが溶接により取り付けられており、リンクプレート23dの先端部には段付きボルト23eが取り付けられている。また、回転軸フレーム23aには、リンクプレート23dを挟んで左右両側に、各々ブラケット23fが回転軸フレーム23aに対して回転可能に設けられている。
図2および図5に示すように、シートクッションフレーム21の前辺21cには1対のブラケット21dが溶接により固定されており、ブラケット21dの上面前端部にはボルト21eが溶接により固定されている。
また、図6に示すように、電動ユニット30の補助シャフト41の中央部にはガイドワイヤ42が溶接により取り付けられており、このガイドワイヤ42によって第2のリンクの一部を構成する連結プレート43が所定の範囲内で回転可能に設けられている。連結プレート43の先端には、第2のリンクの一部を構成するボルト連結板43aが取り付けられている。
オットマンフレーム23をシートクッションフレーム21に取り付けるには、図7に示すように、オットマンフレーム23に回動可能に設けられているブラケット23fを、シートクッションフレーム21に取り付けられているブラケット21dのボルト21eに締結するとともに、回転軸フレーム23aに取り付けられているリンクプレート23dの段付きボルト23eに連結プレート43のボルト連結板43aを締結する。
次に、リクライニング動作について説明する。電動ユニット30のモータ33を回転させて駆動側リンク35及び従動側リンク37を回動させると、図3及び図8に示すように取り付け部31,32が上方及び前方へとチルト作動し、これとともにシートクッションフレーム21及びシートクッション11も上方及び前方へとチルト作動する。また、シートクッションフレーム21のチルト作動に伴って、シートクッションフレーム21の後端に回転軸Bを中心として回動可能に連結されたシートバックロアフレーム22bの下部も上方及び前方へ移動し、シートバックロアフレーム22bの上部に位置する回転支持部25a,25bにおいて回転軸Aを中心にシートバックロアフレーム22bが回動する。
これにより、シートクッション11上の着座位置(HP:ヒップポジション)が上方及び前方へと移動するとともに、シートバックロア12bが前方へ回動変位してシートバック12が中折れし、基準姿勢からリクライニング姿勢へと移行する。このとき、シートバックアッパーフレーム22aは車体パネルに固定されているため、シートバックアッパー12aはその位置を維持し、着座した乗員の頭部の位置は変化せず、視線の高さも変化することがない。
また、同時に、図9に示すように、電動ユニット30のモータ33を回転させて従動側リンク37を回動させると、連結シャフト36、シートクッションフレーム21、オットマンフレーム23の回転軸フレーム23aが一体的に前上方へ移動する。このとき、電動ユニット30の補助シャフト41は相対的に後方へ移動することになり、補助シャフト41に取り付けられている連結プレート43がオットマンフレーム23に取り付けられているリンクプレート23dを後方へ回動させる。これにより、オットマンフレーム23は、回転軸フレーム23aを中心として、前上方へ回動することになる。なお、図9中において、実線はリクライニング前のオットマン13の状態を示し、破線はリクライニング後の状態を示している。
以上説明した車両用シート10によれば、電動ユニット30によりリクライニング動作を行うと、シートクッションフレーム21をチルト動作により移動させてシートクッション11を上方及び前方へと移動させる。同時に、シートバックフレーム22を回動させてシートバック12を傾かせるとともに、オットマンフレーム23を回動させてオットマン13を回動させるので、オットマン用のモータ等を設ける必要がなく安価で簡単な機構によりオットマン13をリクライニング動作にあわせてセットすることができることになる。
また、オットマンフレーム23を回動させる駆動源がシートクッションフレーム21の移動の駆動源と同じものなので、オットマン13用の駆動源を別個に必要とせず、また人力によることなく、安価で簡単な機構によりオットマン13をリクライニング動作にあわせてセットすることができる。
また、電動ユニット30がフロア部において剛性の高いフロントクロスメンバー部に固定されているため、チルト作動により電動ユニット30が受ける反力による荷重を確実に支持することができ、車体パネルを変形させることが防止される。
なお、本発明の車両用シートは、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
例えば、前述した実施形態において、リクライニング用の駆動源としてモータ33を用いた場合を例示したが、その他、例えば流体圧シリンダを用いることも可能である。
以上のように、本発明に係る車両用シートは、電動ユニットによりリクライニング動作を行うと、シートクッションフレームをチルト動作により移動させてシートクッションを上方及び前方へと移動させると同時に、シートバックフレームを回動させてシートバックを傾かせるとともに、オットマンフレームを回動させてオットマンを回動させるので、オットマン用のモータ等を設ける必要がなく安価で簡単な機構によりオットマンをリクライニング動作にあわせてセットすることができるという効果を有し、シートバックがリクライニング操作可能に支持され、かつリクライニング時に乗員の脚部を保持するオットマンを備えた車両用シートとして有用である。
本発明の車両用シートに係る実施形態を示す分解斜視図である。 図1に示した車両用シートのフレーム部分の斜視図である。 図1及び図2に示した電動ユニットによるチルト作動を示す側面概略図である。 オットマンフレームの斜視図である。 シートクッションフレームにおけるオットマンフレームの取付部を示す斜視図である。 電動ユニットにおけるオットマンフレームとの連結構造を示す斜視図である。 オットマンフレームの組立図である。 リクライニング時におけるシートクッションとシートバックの動きを示す側面図である。 リクライニング前後におけるオットマンの状態を示す説明図である。 従来のオットマン付きの車両用シートを示す側面図である。
符号の説明
10 車両用シート
11 シートクッション
12 シートバック
13 オットマン
21 シートクッションフレーム
22 シートバックフレーム
23 オットマンフレーム
30 電動ユニット
F フロア部

Claims (2)

  1. シートクッションが車体パネルのフロア部に支持されるとともに、シートバックがリクライニング操作可能に支持され、かつリクライニング時に乗員の脚部を保持するオットマンを備えた車両用シートであって、
    前記シートクッションを支持するシートクッションフレームと連結されて当該シートクッションフレームを上方及び前方へとチルト作動させる電動ユニットが前記フロア部に対して固定され、
    前記シートクッションフレームの後部には前記シートバックを支持するシートバックフレームが回動可能に連結されるとともに前記シートクッションフレームの前部には前記オットマンを支持するオットマンフレームが回動可能に連結され、
    前記シートクッションフレームのチルト作動に伴って前記シートバックフレームが回動変位するとともに前記オットマンフレームが前上方に回動変位し、
    前記電動ユニットは、前記シートクッションフレームと連結シャフトを介して連結されてチルト作動時に前方へ回動する第1のリンクと、前記第1のリンクに連結されチルト作動時に前記連結シャフトに対して相対的に後方へ移動する補助シャフトとを備え、
    前記オットマンフレームの回動軸が前記補助シャフトと第2のリンクを介して回動可能に連結されており、
    チルト作動時に前記第2のリンクが前記連結シャフトに対して相対的に後方へ移動することにより、前記オットマンフレームが前上方に回動されることを特徴とする車両用シート。
  2. 請求項1に記載の車両用シートであって、
    前記電動ユニットは、前記フロア部におけるクロスメンバー部に対して固定されていることを特徴とする車両用シート。
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