JP4999137B2 - 親水性ハードコート用組成物、ハードコート用材料及びハードコート膜の形成方法 - Google Patents

親水性ハードコート用組成物、ハードコート用材料及びハードコート膜の形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、プラスチック材料に用いる親水性ハードコート用組成物、親水性ハードコート用材料、及び親水性ハードコート膜の形成方法に関する。
透明プラスチック材料は主に、ゴーグル、眼鏡等の光学レンズや、建築物や車両関連の窓材、計器類の窓材等に用いられるが、使用時の呼気や発汗による水分、あるいは空気中の水分が結露し、材料表面が曇るという問題がある。そこで、表面張力の大きい物質で表面処理をして水滴を均一に広げる方法がある。例えば、プラスチック材料表面に界面活性剤を塗布する方法である。一方、プラスチック材料表面に親水性樹脂成分を塗布し、親水性ポリマー層を設けて水滴を吸収する方法がある。例えば、親水性モノマーおよび該親水性モノマーと共重合可能なビニルモノマー、重合開始剤を含む重合性コート液に透明材料を浸漬して含浸させ、硬化して材料の表面と内部に親水性層を形成する防曇処理方法が提案されている(特許文献1参照)。また、1分子中に(メタ)アクリロイル基とエポキシ基を有するモノマーと多官能の疎水性モノマーからなる組成物を下塗り層として、この層上に(メタ)アクリロイル基を有する親水性モノマーを塗布し硬化させて基材表面に防曇性を付与する技術が開示されている(特許文献2参照)。さらに、アクリル系ハードコート剤でプラスチックレンズ基材の両面を被覆処理した後に、基材外面のハードコート層を剥離可能なマスキング剤でマスキングし防曇被覆処理した後、該マスキング層を除去して外面にハードコート層、内面側にはハードコート層を介した防曇性膜を有するプラスチックレンズが提案されている(特許文献3参照)。
特開平2−294339号公報 特開平8−10696号公報 特開平9−230109号公報
界面活性剤による方法は、良好な防曇効果を手軽に付与することが出来るが、汚れが付着した際の拭き取り行為や、結露水によって界面活性剤が流出し易く、防曇効果の持続性に乏しく、防曇効果を発揮する為には、繰り返し界面活性剤を塗り返さなければならない。また、親水性樹脂成分を塗布する方法は、架橋密度が高く表面の疎水性が強い材料表面に塗布する場合、コート液が表面ではじかれたり、得られる親水性膜の密着性や耐擦傷性が劣るという問題がある。
特許文献1の場合、透明材料を防曇剤溶液に浸漬させるため、親水化層形成の制御が難しく透明材料が失透する場合があり、また、十分な親水性を付与する為には、親水性単量体の添加量を多くする必要があり、添加量の増加に伴い表面の耐擦傷性が低下する欠点がある。特許文献2は、2層からなる防曇性被覆であり、下塗り層を形成する工程と親水性層を形成する工程の二つの工程で防曇性を付与する必要があり作業性に問題がある。また、表面の親水性層は下塗り層成分中のエポキシ基と付加反応させるため、1分子中に(メタ)アクリロイル基とエポキシ基を有する化合物と多官能の疎水性モノマーの配合量と、硬化膜の硬度と親水性との調整が必要となる課題がある。更に、最表面層である親水性層には架橋構造が形成されておらず表面硬度が不十分という課題もある。特許文献3では、マスキング工程等多くの工程を必要とし煩雑で、生産性を高めることが困難であるし、防曇処理層はハードコート性を失い、キズが入りやすく、耐擦傷性に劣るので、防曇性と耐擦傷性とを有するものとしては不十分である。
このように、従来から防曇性と耐擦傷性は、防曇性を高めると耐擦傷性が低下し、耐擦傷性を高めると防曇性が低下するという相反する関係にあるため、高い防曇性と高い耐擦傷性とを両立することが困難であった。
本発明の目的は、耐擦傷性と防曇性とを両立でき、しかも、その持続性及び基材との密着性に優れた親水性ハードコート用材料、該ハードコート用材料を用いた親水性ハードコート膜の形成方法、及び該ハードコート用材料に用いる親水性ハードコート用組成物を提供することである。
本発明者は、耐擦傷性と防曇性とを両立できる硬化膜を鋭意検討した結果、3官能性以上の(メタ)アクリレート、特定の親水性基を有する単量体、無機コロイドゾルを組み合わせた場合に有効であることを見出した。
本発明は、1分子中に少なくとも3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する単量体と、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基を有する化合物から選択される少なくとも1種以上の親水性単量体と、無機コロイドゾルを含む親水性ハードコート用組成物である。
本発明は、1分子中に少なくとも3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する単量体と、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基を有する化合物から選択される少なくとも1種以上の親水性単量体と、無機コロイドゾル及び有機溶剤を含む混合液を樹脂基材に塗布し、硬化後にアルカリ溶液で処理して用いることを特徴とする親水性ハードコート用材料である。
本発明は、1分子中に少なくとも3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する単量体と、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基を有する化合物から選択される少なくとも1種以上の親水性単量体と、無機コロイドゾル、重合開始剤及び有機溶剤を含む混合液を樹脂基材に塗布し、硬化させた後に、アルカリ溶液で処理をすることを特徴とする親水性ハードコート膜の形成方法である。
本発明によれば、ハードコート性と親水性を兼ね備えたコート材料を提供できる。すなわち、透明樹脂基材との密着性が良好であるため耐久性にすぐれ、しかもコート面の優れた耐擦傷性により、外面の傷付き発生を長期間にわたって防止することができる。また、該コート材料を用いたコート膜の形成方法、及び該コート材料に用いる親水性ハードコート用組成物を提供できる。
本発明における1分子中に少なくとも3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する単量体(以下3官能性以上の(メタ)アクリレートという)は、十分な架橋効果により硬化膜に高硬度を付与し耐擦傷性を向上させる成分である。具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、オリゴエステル(メタ)アクリレート等の3以上の(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマーの1種または2種以上を用いる。特に、耐擦傷性を向上させるためには、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーのうちでも6官能性以上のウレタン(メタ)アクリレートプレポリマー、等の4官能性以上のものを用いることが好ましい。より好ましくは、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートを用いる。本発明の場合、耐擦傷性は無機コロイドゾルによる作用も影響するので、これらの3官能性以上の(メタ)アクリレートの配合量は適宜選択されるが、30〜80重量%の範囲が好ましく、45〜75重量%の範囲がより好ましい。
本発明に使用する親水性単量体として、カルボキシル基、スルホン酸基、燐酸基を有する単量体から少なくとも1種以上を選択して使用する。例えば、2−スルホエチルアクリレート、3−スルホプロピルアクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、アクリロイルオキシ−2−エチルフォスフェート等が挙げられる。これらの配合量は総量で、組成物中5〜50重量%の範囲が好ましく、5〜30重量%の範囲がより好ましい。
本発明の場合、上記カルボキシル基、スルホン酸基、燐酸基を有する単量体以外にも親水性効果を補助するための親水性単量体を、5〜30重量%の範囲で配合させることができる。
例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、重合度n=3〜50程度のポリエチレングリコールのモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート、ノニルフェノール等のアルキルフェノールに対してアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド等)が付加した(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン等の親水性の単量体、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド等のアミド結合を有する単量体などが挙げられ、本発明の効果を損なわない範囲で用いる。
本発明で使用する無機コロイドゾルは、シリカ、アルミナ、水不溶性リチウムシリケート、ケイ酸アルカリ金属塩、酸化スズ、酸化チタン等をコロイド粒子として媒体中に分散させたものが挙げられる。この無機コロイドゾルは、硬化膜の耐擦傷性と親水性の向上効果を有する。これら無機コロイドの表面には親水性基が存在するので、親水性が向上する。
平均粒子径としては、0.001〜10μmのものを用いるが、ハードコートの透明性を高めるには、0.005〜1μmが好ましく、0.01〜0.5μmがより好ましい。透明性、親水性、安定性等に良好な効果を有するコロイダルシリカが特に好ましい。一般的に、無機コロイドゾルはメチルアルコール、トルエン、キシレン、イソプロパノール、メチルイソブチルケトン等の有機溶媒に分散した状態で容易に入手できる。本発明では、無機コロイドゾルを固形分に換算して0.1〜30重量%、好ましくは1〜20重量%の範囲で、前記3官能性以上の(メタ)アクリレートの配合量と調整して用いる。
本発明の親水性ハードコート用組成物をハードコート用材料として用いる場合は、硬化膜の親水性を向上させる手段が講じられる。例えば、親水性ハードコート用組成物の調製時に予めアクリル酸ナトリウム等を添加したり、樹脂基材に塗布し硬化させた後にアルカリ処理を行うことができる。アルカリ処理は、コート膜中のカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基が中和反応により、それぞれ金属塩に変換され、イオン性が増加することで親水性が向上する。アクリル酸ナトリウム等の単量体の塩は、共重合成分や有機溶媒への溶解性に劣り、取り扱いが難しいのでアルカリ処理による方法が好ましい。
使用するアルカリは、特に限定されるものではなく、水溶液中において解離して水酸イオン(OHイオン)を生じ、酸を中和して塩を生ずるような物質であれば良よい。例えば、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、アンモニア等が挙げられる。処理条件はこれらアルカリ化合物の5〜25重量%水溶液中に室温で1分から10分浸漬する。処理時間の短縮化や、より親水性を強く付与したい場合には、50℃以内で加熱することもできる。50℃を超える温度で加熱した場合には、コート膜が含水して白濁したり、加水分解をうけて脆くなることもあるので好ましくない。架橋密度が十分に高いコート膜をアルカリ処理する場合には、アルカリ化合物を水/アルコール混合溶媒に溶かして浸漬液とすることが好ましい。アルコールを添加することで、コート膜中へのアルカリの浸透性が増してアルカリ金属塩への変換が容易になる。
本発明の親水性ハードコート組成物は、調製時に溶媒を加えて希釈するが、希釈溶媒としてはアルコール系、ケトン系、エステル系、芳香族系が挙げられる。しかし、沸点70℃未満の低沸点溶媒は塗膜形成後、溶媒が蒸発する際に空気中水分の影響により、硬化後の膜が白濁する場合があり、また沸点が高すぎると塗膜の乾燥に時間がかかり、好ましくない。したがって、本発明では70℃〜140℃の範囲内にある溶媒が好ましく用いられる。具体的には、シクロペンタノン、イソプロパノール、1−プロパノール、トルエン、イソブタノール、n−ブタノール、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられ、これらを少なくとも1種以上用いることが好ましい。これらのうち、沸点が比較的高いものと低いものを組み合わせて用いると、良好なコート膜が得られるのでより好ましい。
本発明の親水性ハードコート組成物の塗布方法としては、浸漬法、フローコート法、スプレー法、グラビアコート法等の公知の手法で行うことができるが、コート液の塗布は相対湿度が60%以下の環境下で行うことが好ましい。これは、本発明のコート液は親水性が非常に高く、相対湿度が60%を超えた環境下では空気中の水分を吸収して、加熱硬化後の塗膜が白化して透明性が低下するためである。
基材への塗布後は、重合処理をして硬化させるが、この際、加熱による重合や紫外線照射による重合を採用することができる。加熱による場合は、重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、ビス(4−ターシャリーブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、α,α’−ビス(ターシャリーブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ターシャリーブチルペルオキシ)ヘキサンに代表される過酸化物等の使用が好ましい。また、紫外線照射の場合は、重合開始剤として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、アセトフェノン類、ベンゾフェノン、チオキトサン類等の光重合開始剤の使用が好ましい。その他、増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリn−ブチルホスフィン等を適宜組み合わせることも可能である。
また、本発明の親水性ハードコート組成物には、必要に応じて公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、レベリング剤等を配合することも可能である。
基材としては、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリル系樹脂等の透明性樹脂からなる無色透明の板材、各種成型品、フィルム等であるが、着色されていても1定以上の可視光透過性を有する樹脂にも好適に利用できる。具体的には、建築物用窓、車両用部品、計器窓、眼鏡、ゴーグル、レンズ等の様々な用途に適用できる。
次に、本発明における実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
(評価方法)
各実施例及び比較例について次の評価を行い、その結果は表1に示した。
1.耐擦傷性
得られた硬化膜に#0000のスチールウールを1平方cm当たり200gの荷重をかけて(19.6kPa)水平方向に10往復させて、発生した傷を目視で評価した。発生した傷の本数が0〜5本の状態をA、6〜15本の状態をB、16本以上をCと区分して3段階で評価した。
2.密着性
得られた硬化膜にカッターナイフで1mm×1mmのマス目を100個付け、粘着テープ(ニチバン製業務用テープ)を貼り付けた後、素早く剥がして硬化膜の剥がれ具合を観察し、硬化膜が全く剥がれなかった状態をA、1部剥がれた状態をB、全て剥がれた状態をCと区分して3段階で評価した。
3.防曇性
得られた硬化膜を40℃の水蒸気に3分間当てたときの曇り止め性を1級〜4級で評価した。1級は曇りが認められず優良であり、4級は著しく曇る場合であり、2級以上を実用可能なレベルとした。
4.透明性
得られた硬化膜の外観を目視にて評価した。硬化膜を付与しない基材と較べて透明性が同等なものをA、透明性の低下が認められるものをB、硬化膜が白濁し透明性が低下したものをCと区分して3段階で評価した。
[実施例1]
ペンタエリスリトールテトラアクリレート70重量部、アクリル酸20重量部、メタノールシリカゾル(日産化学社製)10重量部を、固形分濃度50重量%になるようにn−ブタノールで希釈調製し、これに光重合開始剤ダロキュア1173(チバスペシャリティーケミカルズ社製)2重量部を添加した。この溶液にアクリル板(100mm×100mm)を浸漬した後に、100℃で5分間乾燥させ、紫外線照射によりハードコート層を形成させた。この後、コートしたアクリル板を10重量%水酸化ナトリウム水溶液に5分間浸漬後、水洗して、親水性ハードコート板を得た。
[実施例2]
ペンタエリスリトールテトラアクリレート70重量部、アクリル酸15重量部、アクリロイルオキシ−2−エチルフォスフェート5重量部、イソプロパノールシリカゾル(日産化学社製)10重量部を、固形分濃度50重量%になるようにイソプロパノールと酢酸ブチルの混合液で希釈調製し、これに光重合開始剤イルガキュアー184(チバスペシャリティーケミカルズ社製)2重量部を添加した。この溶液にアクリル板(100mm×100mm)を浸漬した後に、100℃で5分間乾燥させ、紫外線照射によりハードコート層を形成させた。この後、コートしたアクリル板を10重量%水酸化ナトリウム水溶液に5分間浸漬後、水洗して、親水性ハードコート板を得た。
[実施例3]
ペンタエリスリトールテトラアクリレート70重量部、メタクリル酸15重量部、N,N−ジメチルアクリルアミド5重量部、メタノールシリカゾル(日産化学社製)10重量部を、固形分濃度50重量%になるように酢酸ブチルで希釈調製し、これに熱重合開始剤パーブチルオキシピバレート3重量部を添加した。この溶液にアクリル板(100mm×100mm)を浸漬した後に、100℃で5分間乾燥させ、さらに60℃で8時間、100℃で5時間処理してハードコート層を形成させた。この後、コートしたアクリル板を10重量%水酸化ナトリウム水溶液に5分間浸漬後、水洗して、親水性ハードコート板を得た。
[実施例4]
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート60重量部、アクリル酸30重量部、メタノールシリカゾル(日産化学社製)10重量部を、固形分濃度50重量%になるようにトルエンで希釈調製し、これに光重合開始剤ダロキュア4265(チバスペシャリティーケミカルズ社製)2重量部を添加した。この溶液にアクリル板(100mm×100mm)を浸漬し、100℃で5分間乾燥後、紫外線照射によりハードコート層を形成させた。この後、コートしたアクリル板を10重量%水酸化ナトリウム水溶液に5分間浸漬後、水洗して、親水性ハードコート板を得た。
[実施例5]
ペンタエリスリトールテトラアクリレート50重量部、アクリル酸35重量部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸5重量部、メタノールシリカゾル(日産化学社製)10重量部を、固形分濃度50重量%になるようにイソプロパノールで希釈調製し、これに熱重合開始剤パーブチルオキシピバレート3重量部を添加した。この溶液にアクリル板(100mm×100mm)を浸漬した後に、100℃で5分間乾燥させ、さらに60℃で8時間、100℃で5時間処理してハードコート層を形成させた。この後、コートしたアクリル板を10重量%水酸化ナトリウム水溶液に5分間浸漬後、水洗して、親水性ハードコート板を得た。
参考
ペンタエリスリトールテトラアクリレート70重量部、アクリル酸20重量部、メタノールシリカゾル(日産化学社製)10重量部を、固形分濃度50重量%になるようにn−ブタノールで希釈調製し、これに光重合開始剤ダロキュア1173(チバスペシャリティーケミカルズ社製)2重量部を添加した。この溶液にアクリル板(100mm×100mm)を浸漬し、100℃で5分間乾燥後、紫外線照射によりハードコート層を形成させた。アルカリ処理を行わなかった硬化膜は親水性に乏しく十分な防曇性を示さなかった。
[実施例
ペンタエリスリトールトリアクリレート70重量部、アクリル酸20重量部、メタノールシリカゾル(日産化学社製)10重量部を、固形分濃度50重量%になるようにn−ブタノールで希釈調製し、これに光重合開始剤ダロキュア1173(チバスペシャリティーケミカルズ社製)2重量部を添加した。この溶液にアクリル板(100mm×100mm)を浸漬した後に、100℃で5分間乾燥させ、紫外線照射によりハードコート層を形成させた。この後、コートしたアクリル板を10重量%水酸化ナトリウム水溶液に5分間浸漬後、水洗して、親水性ハードコート板を得た。
[比較例1]
ペンタエリスリトールテトラアクリレート70重量部、アクリル酸30重量部を、固形分濃度50重量%になるようにn−ブタノールで希釈調製し、これに光重合開始剤ダロキュア1173(チバスペシャリティーケミカルズ社製)2重量部を添加した。この溶液にアクリル板(100mm×100mm)を浸漬し、100℃で5分間乾燥後、紫外線照射によりハードコート層を形成させた。
この後、コートしたアクリル板を10重量%水酸化ナトリウム水溶液に5分間浸漬後、水洗して、親水性ハードコート板を得た。無機コロイドゾルを含まない硬化膜は耐擦傷性と防曇性の両立は出来なかった。
[比較例2]
ペンタエリスリトールテトラアクリレート70重量部、アクリル酸20重量部、メタノールシリカゾル(日産化学社製)10重量部を、固形分濃度50重量%になるようにメタノールで希釈調製し、これに光重合開始剤ダロキュア1173(チバスペシャリティーケミカルズ社製)2重量部を添加した。この溶液にアクリル板(100mm×100mm)を浸漬した後に、100℃で5分間乾燥させ、紫外線照射によりハードコート層を形成させた。この後、コートしたアクリル板を10重量%水酸化ナトリウム水溶液に5分間浸漬後、水洗して、親水性ハードコート板を得た。希釈溶媒として多量のメタノールを用いると、コート液の蒸発が速く、湿気を吸収し硬化膜が白濁した。
[比較例3]
ペンタエリスリトールトリアクリレート20重量部、エチレングリコールジアクリレート50重量部、アクリル酸20重量部、メタノールシリカゾル(日産化学社製)10重量部を、固形分濃度50重量%になるようにn−ブタノールで希釈調製し、これに光重合開始剤ダロキュア1173(チバスペシャリティーケミカルズ社製)2重量部を添加した。この溶液にアクリル板(100mm×100mm)を浸漬した後に、100℃で5分間乾燥させ、紫外線照射によりハードコート層を形成させた。この後、コートしたアクリル板を10重量%水酸化ナトリウム水溶液に5分間浸漬後、水洗して、親水性ハードコート板を得た。3官能と2官能アクリレートの混合物では架橋効果が不十分であり耐擦傷性、基材との密着性が不十分であった。
Figure 0004999137

Claims (5)

  1. 1分子中に少なくとも3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する単量体と、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基を有する化合物から選択される少なくとも1種以上の1つの(メタ)アクリロイル基を有する親水性単量体と、無機コロイドゾルを含む親水性ハードコート用組成物であって、
    前記1分子中に少なくとも3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する単量体の配合量は45〜75重量%である、前記親水性ハードコート用組成物。
  2. 1分子中に少なくとも3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する単量体と、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基を有する化合物から選択される少なくとも1種以上の1つの(メタ)アクリロイル基を有する親水性単量体と、無機コロイドゾル及び有機溶剤を含む混合液を樹脂基材に塗布し、硬化後にアルカリ溶液で処理して用いることを特徴とする親水性ハードコート用組成物であって、
    前記1分子中に少なくとも3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する単量体の配合量は45〜75重量%である、前記親水性ハードコート用組成物。
  3. 前記有機溶剤として、沸点が70℃〜140℃の範囲内にある有機化合物を少なくとも1種以上含むことを特徴とする請求項2に記載の親水性ハードコート用組成物
  4. 1分子中に少なくとも3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する単量体と、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基を有する化合物から選択される少なくとも1種以上の親水性単量体と、無機コロイドゾル、重合開始剤及び有機溶剤を含む混合液を樹脂基材に塗布し、硬化させた後に、アルカリ溶液で処理をすることを特徴とする親水性ハードコート膜の形成方法。
  5. 前記有機溶剤として、沸点が70℃〜140℃の範囲内にある有機化合物を少なくとも1種以上含むことを特徴とする請求項4に記載の親水性ハードコート膜の形成方法。
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