JPH1017688A - 基材の表面処理方法 - Google Patents

基材の表面処理方法

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JPH1017688A
JPH1017688A JP8177911A JP17791196A JPH1017688A JP H1017688 A JPH1017688 A JP H1017688A JP 8177911 A JP8177911 A JP 8177911A JP 17791196 A JP17791196 A JP 17791196A JP H1017688 A JPH1017688 A JP H1017688A
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隆 新城
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藤明 山河
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性に優れた各種機能を与える表面処理方
法を提供する。 【解決手段】 被処理基材上に設けられた光重合開始剤
を含有する下塗り層の表面に、機能性モノマーを接触さ
せた状態で紫外線を照射することにより該機能性モノマ
ーのグラフト重合反応を行わせる基材の表面処理方法で
あって、被処理基材上に光重合開始剤を含有する下塗り
層を設け、該下塗り層の表面に機能性モノマーを接触さ
せた状態で紫外線を照射することにより、該機能性モノ
マーのグラフト重合反応を行わせる方法において、機能
性モノマーに界面活性剤、第三アミン化合物、架橋剤、
連鎖移動剤を添加、又は、下塗り層に界面活性剤を添加
して処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機能性表面を有す
る物品および該物品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、プラスチック基材、無機材料
基材等に様々な機能を付与する試みがなされてきた。例
えば、プラスチック基材表面を親水化するには、火焔処
理、コロナ処理、低温プラズマ処理等を行って基材表面
に極性基を導入する方法が知られているが、選択的に極
性基を導入することは困難であった。また、親水性能に
経時変化がおこるという問題もあった。
【0003】一方、基材表面に親水性モノマーをグラフ
ト重合させる方法(筏義人、機能材料、2,No.7,
1,1982/筏義人、工業材料、31,No.7,6
2,1983)によれば、導入される官能基の制御が可
能であり、経時変化はほとんどないとされている。しか
し、上記方法は放射線又はプラズマによって基材表面に
ペルオキシド等を生成させ、これを開始点として熱重合
によるモノマーのグラフト重合を行わせるものであるた
めに、製造工程が煩雑で工業的に不利であるうえに、実
用可能なレベルの耐久性は得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑み、機能性モノマーのグラフト重合を利用した基材の
表面処理において、耐久性に優れた各種機能を与える方
法を提供する。さらに、上記グラフト重合の製造上有利
な処理方法を与える。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、基材上に設け
られた光重合開始剤を含有する下塗り層の表面に、機能
性モノマーを接触させた状態で紫外線を照射することに
より、該機能性モノマーのグラフト重合反応を行わせる
基材の表面処理方法に関する。
【0006】本発明で処理を施される基材としては、ポ
リオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹
脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン
等の有機高分子のみならず、ガラス、金属等の無機物
質;不飽和ポリエステル樹脂にガラスファイバーを分散
させたものなど各種複合材料等の処理も可能である。上
記基材には、密着性向上等の目的で前処理が施されてい
てもよい。上記前処理としては、コロナ放電処理、プラ
ズマ処理、紫外線、電子線、放射線等の電離活性線によ
る処理、粗面化処理、化学薬品処理、プライマー処理等
が挙げられる。
【0007】上記下塗り層に含有される光重合開始剤と
しては、公知の光重合開始剤を用いることが出来る。上
記光重合開始剤としては、紫外線で活性化するソジウム
メチルジチオカーバメイトサルファイド、テトラメチル
チウラムモノサルファイド、ジフェニルモノサルファイ
ド、ジベンゾチアゾイルモノサルファイド及びジサルフ
ァイドなどのサルファイド類;チオキサントン、エチル
チオキサントン、2−クロロチオキサントン、ジエチル
チオキサントン、ジイソプロピルチオキサントンなどの
チオキサントン誘導体;ヒドラゾン、アゾビスイソブチ
ロニトリル、ベンゼンジアゾニウムなどのジアゾ化合
物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイ
ンエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエ−テル、
ベンゾフェノン、ジメチルアミノベンゾフェノン、ミヒ
ラーケトン、ベンジルアントラキノン、t−ブチルアン
トラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルア
ントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−クロロ
アントラキノン、ベンジルジメチルケタール、メチルフ
ェニルグリオキシレートなどの芳香族カルボニル化合
物;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2
−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1
−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2
−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2, 2−ジエト
キシアセトフェノン、2, 2−ジメトキシアセトフェノ
ンなどのアセトフェノン誘導体;4−ジメチルアミノ安
息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4
−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4−ジエチルアミノ
安息香酸イソプロピルなどのジアルキルアミノ安息香酸
エステル類;ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチ
ルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、キュメン
ハイドロパーオキサイドなどの過酸化物;9−フェニル
アクリジン、9−p−メトキシフェニルアクリジン、9
−アセチルアミノアクリジン、ベンズアクリジンなどの
アクリジン誘導体;9,10−ジメチルベンズフェナジ
ン、9−メチルベンズフェナジン、10−メトキシベン
ズフェナジンなどのフェナジン誘導体;4,4' ,4"
−トリメトキシ−2,3−ジフェニルキノキサリンなど
のキノキサリン誘導体;2,4,5−トリフェニルイミ
ダゾイル二量体;ハロゲン化ケトン;アシルホスフィン
オキシド、アシルホスフォナ−トなどのアシル化リン化
合物等が挙げられる。
【0008】また、可視光線で活性化する2−ニトロフ
ルオレン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−
1,3,5−トリアジン、3,3' −カルボニルビスク
マリン、チオミヒラーケトン等を用いることもできる。
【0009】<ラジカル開裂型の光重合開始剤>本発明
の光重合開始剤としては、開裂してラジカルを発生する
化合物を用いることが好ましい。上記開裂型の光重合開
始剤に、紫外線等の活性光線を照射する方法によれば、
短時間の処理で機能性モノマーのグラフト重合が行われ
る。このため、基材に対して短時間の処理で各種機能を
与えることが可能となり、工業的生産において有利であ
る。
【0010】上記開裂型の光重合開始剤の例として、次
の一般式(I)
【化5】 で表される構造を有する化合物が挙げられる。上記構造
(I)を有する化合物については、EPC出願0281
941号公開公報に製法等が開示されている。
【0011】<下塗り層>本発明の下塗り層としては、
上記光重合開始剤と各種材料の混合物を用いることが出
来る。本発明の光重合開始剤とともに下塗り層を構成す
る材料は、光重合開始剤と機能性モノマーの重合の阻
害、又は、基材と下塗り層の密着性の低下が問題となら
ないものであれば、特に限定されるものではない。
【0012】本発明においては、下塗り層中の光重合開
始剤により機能性モノマーをグラフト重合させる。下塗
り層と基材の密着性が悪いと、表面機能の耐久性が劣る
結果を与えるため、基材の性質を考慮し、上記下塗り層
構成材料として、基材と下塗り層の密着性を向上させる
材料を選択すべきである。
【0013】上記下塗り層構成材料としては、有機高分
子、金属酸化物、有機−無機複合材料等を用いることが
出来る。上記有機高分子としては、ポリオレフィン樹
脂、ポリエステル、ポリ(メタ)アクリレート、ポリウ
レタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリスチレン等が
挙げられる。上記金属酸化物としては、所謂ゾル−ゲル
法による、Si、Ti、Zr、B、Al等の金属アルコ
キシドの加水分解、脱水縮合による高分子量化の生成物
等が挙げられる。上記有機−無機複合材料としては、上
記ゾル−ゲル法による金属アルコキシドの高分子量化の
際にシランカップリング剤、チタネートカップリング
剤、アルミネートカップリング剤等のカップリング剤お
よび任意の有機化合物を加えて得たものを用いることが
出来る。
【0014】上記基材密着性を向上させ、さらに、処理
品の耐久性を向上させる手段として、前処理、添加剤等
の公知の手法を利用することが出来る。上記重合阻害又
は密着性低下が問題とならない範囲内であれば、処理品
の用途に応じた添加物を加えることも出来る。
【0015】なお、本発明者らによれば、高分子の光重
合開始剤(繰り返し単位中に光重合開始剤構造を有する
高分子化合物)を用いる方法、架橋性官能基を有する光
重合開始剤を用いる方法、光重合開始剤に架橋性化合物
(多官能(メタ)アクリレート等)を添加する方法、無
機基材に対してシランカップリング剤兼用光重合開始剤
(光重合開始剤構造と金属アルコキシド等の加水分解、
脱水縮合が可能である構造を有する化合物)を用いる方
法が有効であることが確認されている。
【0016】例えば、高分子の光重合開始剤は、一般式
(V)
【化6】 で表される4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−
(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(チバ・ガイ
ギー社から商品名「イルガキュアー2959」で市販さ
れている。)を2−(メタ)アクリロキシエチルイソシ
アネート又は(メタ)アクリル酸若しくは(メタ)アク
リル酸の誘導体と反応させて一般式(V)
【化7】 で表される重合性不飽和基を有する化合物を得て、この
化合物(VI)の重合、又は、任意の重合性モノマーと
共重合を行わせることによって得ることが出来る。
【0017】上記共重合によって高分子の光重合開始剤
を得る場合、分子(VI)の割合が少なすぎると機能性
モノマーの表面グラフト重合が起こり難くなるため、分
子(VI)を共重合させた後の下塗り層組成物中に分子
(VI)が1モル%以上含まれていることが好ましく、
さらに好ましくは5モル%以上である。なお、本明細書
中で量に関して「下塗り層組成物」という場合、光重合
開始剤に相当する化合物以外の添加物等を含んだ量をい
う。
【0018】上記高分子の光重合開始剤とする場合、分
子量は特に限定されるものではないが、重量平均分子量
で5,000〜500,000の範囲であることが好ま
しい。
【0019】上記分子(VI)と共重合される重合性モ
ノマーは、特に限定されるものではなく、使用する基
材、後の工程で塗布する機能性モノマーの性質に応じて
選択される。例えば、上記機能性モノマーとして親水性
モノマーを用いる場合は、下塗り層が水溶性であると親
水性モノマーと下塗り層組成物が互いに溶解してしまう
ため、下塗り層組成を水に不溶とする。
【0020】上記親水性モノマーを用いる場合の分子
(VI)と共重合される重合性モノマーとしては、スチ
レン、メチルスチレン等のスチレン類、酢酸ビニル等の
ビニルエステル類、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸エステル
類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等の
ビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチル
ケトン等のビニルケトン類等が挙げられる。これらは単
独でも2種以上を混合して用いてもよい。
【0021】さらに、上記分子(VI)と共重合される
重合性モノマーとして、エポキシ基、カルボキシル基、
アクリロイル基、イソシアネート基、水酸基、アミノ
基、メチロール基、アルコキシシリル基等の架橋性官能
基を有するモノマー、重合性不飽和基を2以上有するモ
ノマーを選択して、共重合体を合成し、側鎖に架橋性の
官能基を有する高分子の光重合開始剤を用いて、当該架
橋性官能基による架橋を利用して機能性表面の耐久性を
向上させることが出来る。
【0022】また、下塗り層組成物として、光重合開始
剤に架橋性化合物を添加した組成物を用いる方法によっ
ても同様に、下塗り層の架橋を行わせることが出来、耐
久性の良好な処理品が得られる。
【0023】上記架橋性化合物として好ましいものとし
ては、分子内に2以上の重合性不飽和基を有する(メ
タ)アクリレートが挙げられる。
【0024】上記分子内に2以上の不飽和性基を有する
(メタ)アクリレートとしては、ペンタエリスリトール
トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテト
ラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペン
タアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパント
リアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ
アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリ
レート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、E
O変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ジメ
チロールトリシクロデカンジアクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(アクリ
ロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(メタクリロ
キシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。さら
に、2官能以上のウレタンアクリレートオリゴマー、ポ
リエステルアクリレートオリゴマー、ポリエーテルアク
リレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー
等を用いることが出来る。
【0025】上記(メタ)アクリレートと光重合開始剤
からなる下塗り層を設ける場合は、(メタ)アクリレー
ト100重量部に対して光重合開始剤0.1〜20重量
部であることが好ましい。光重合開始剤の割合が少なす
ぎるとグラフト重合が起こりにくくなり、(メタ)アク
リレートの割合が少なすぎると架橋が不充分で耐久性向
上の目的が達成されず、黄変が発生する原因となり易
い。
【0026】また、本発明の下塗り層として、ガラス等
の無機系材料からなる基材に対して一般式(III)
【化8】 で表される加水分解性シリル基を有する化合物又は該化
合物の加水分解物を用いると、基材密着性が非常に良好
となり、好ましい結果を与える。
【0027】このような化合物のひとつである分子(V
II)
【化9】 は、上記光重合開始剤(V)と、一般式(VIII)
【化10】 で表されるイソシアネート基を含有するシランカップリ
ング剤の付加反応により得ることが出来る。
【0028】上記シランカップリング剤(VIII)と
しては、3−トリメトキシシリルプロピルイソシアネー
ト(信越化学社製「KBM−9007」)、3−トリエ
トキシシリルプロピルイソシアネート(信越化学社製
「KBE−9007」)、3−ジメトキシメチルシリル
プロピルイソシアネート(信越化学社製「KBM−92
07」)、3−ジエトキシメチルシリルプロピルイソシ
アネート(信越化学社製「KBE−9207」)等が市
販されているので、これを用いることが出来る。
【0029】上記分子(VII)を合成する方法として
は、従来公知のウレタン生成反応が利用可能である。例
えば、上記イソシアネート基含有シランカップリング剤
(VIII)と上記光重合開始剤(V)に、ジラウリン
酸ジ−n−ブチルスズのようなウレタン合成用の触媒を
少量添加して反応させることが出来る。
【0030】上記分子(VII)又はその加水分解物か
らなる下塗り層を設けた後に、加熱を行って、加水分解
性シリル基の反応を行わせることにより、耐久性に優れ
た処理品を得ることが出来る。
【0031】上記分子(VII)とともに一般式(I
X)
【化11】 で表される加水分解性シラン化合物を含有する下塗り層
組成物を用いて、該加水分解性シラン化合物の加水分
解、加熱によって架橋する性質を利用して機能性表面の
耐久性、無機系基材との密着性をさらに向上させること
が出来る。上記加水分解性シラン化合物(IX)として
は、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン等が挙げられる。
【0032】上記加水分解性シラン化合物(IX)の添
加量は、分子(VII)100重量部に対し、10〜4
00重量部であることが好ましい。少なすぎると架橋の
効果が不充分で耐久性向上の目的が達成されず、多すぎ
て分子(VII)の割合が減少する程ではグラフト重合
がうまく進行しないためである。
【0033】上記加水分解性シリル基を有する化合物を
光重合開始剤として用いる場合にも、多官能(メタ)ア
クリレート等の架橋性化合物の添加によって機能性表面
の耐久性を向上させることが出来る。
【0034】本発明の下塗り層組成物には、必要に応じ
て、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、界面活
性剤等が添加されてもよい。
【0035】<下塗り層形成>上記光重合開始剤が化学
的に結合した高分子からなる下塗り層組成物を、スプレ
ーコート、バーコート、ディッピング、ロールコート、
スピンコート等の方法によって基材表面に塗布して、下
塗り層を設ける。
【0036】上記下塗り層の厚みは、薄すぎると均一な
層を設けることが困難であり、厚すぎると経済性が悪く
なるため、乾燥状態で0.1〜20μmとすることが好
ましい。
【0037】上記塗布時に作業が容易なように、下塗り
層組成物を公知の有機溶剤に溶解させて溶液として用い
るとよい。
【0038】上記分子(VII)等の加水分解性シリル
基(III)を有する化合物を含有する系の場合は、基
材上に当該化合物を含有する層を設けた後に加熱硬化を
行うことによって、下塗り層組成物の架橋を行わせてか
ら機能性モノマーを重合させることが好ましい。上記加
熱硬化の条件は、分子(VII)等の光重合開始剤の安
定性を考慮して決定されるが、50〜200℃の温度下
で数分〜3時間程度の加熱が好ましい。
【0039】上記加熱の際には、分子(VII)および
/又はアルコキシシラン化合物を加水分解して用いた方
が架橋反応が速やかに進行するので有利である。
【0040】また、下塗り層が架橋性官能基、架橋剤等
を含有する構成であって、当該架橋性官能基、架橋剤等
を加熱により架橋させる場合の加熱硬化条件も同様であ
る。
【0041】本発明においては、基材上に設けられた下
塗り層表面に、機能性モノマーを接触させた状態で紫外
線を照射して、当該機能性モノマーのグラフト重合反応
を行わせる。
【0042】<機能性モノマー>機能性モノマーとして
は、親水性、撥水性のものがよく知られているが、これ
らに限られず、グラフト重合を行う重合性不飽和基を有
する構造であればよい。本発明は機能性モノマーを限定
せず、光重合開始剤を構造中に有する分子を含有する層
を介して、基材に直接付与できなかった性能を与えるこ
とが出来る。また、無機透明材料からなる基材に分子
(VII)の下塗り層を用いる場合等のように、基材の
透明性を損なうことなく、各種機能を与えることも出来
る。
【0043】上記機能性モノマーの例として、親水性モ
ノマーを用いる場合について説明する。コロナ処理等に
よって、基材に親水性基を付与した場合は、当該親水性
基が自発的にいわゆるもぐり込みを行って表面に存在し
なくなることが知られているが、本発明においては、上
記もぐり込みを起こさずに親水性モノマーを表面に存在
せしめることが出来る。本発明の方法は、基材に親水性
を与える手段として特に有利である。
【0044】本発明に用いる親水性モノマーは、分子内
に少なくとも1の重合性不飽和基と少なくとも1の親水
基を有するものである。上記親水基としては、水酸基、
スルホン酸基、スルホン酸塩基、一級、二級、三級アミ
ノ基又はアミド基、四級アンモニウム塩基、カルボン酸
基、カルボン酸塩基、リン酸基、リン酸塩基、ポリエチ
レングリコール鎖、モルホリノ基、硫酸塩基等が挙げら
れる。酸性基および塩基性基を有するものはグラフト重
合の前又は後に中和反応を行わせて用いてもよい。
【0045】上記親水性モノマーの具体例として、2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、グリセロール(メ
タ)アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸、スルホン酸ナトリウムエトキシ(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−
ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−イソ
プロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロ
ピルアクリルアミド、2−メタクリロキシエチルトリメ
チルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリル酸、(メ
タ)アクリル酸ナトリウム、2−(メタ)アクリロイル
オキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキ
シエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエ
チルヘキサヒドロフタル酸、ω−カルボキシ−ポリカプ
ロラクトンモノアクリレート、エチレンオキサイド変性
リン酸(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、スチ
レンスルホン酸等が挙げられる。上記親水性モノマー
は、単独でも2種以上を用いてもよい。
【0046】基材に与える親水性能の優劣および耐久性
という観点から、上記親水性モノマーの中で、スルホン
酸基又はスルホン酸塩基を有するモノマーを用いた場合
が、最も好ましい結果を与える。上記スルホン酸基を有
するモノマーとして、2−アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、ビニル
スルホン酸、アリルスルホン酸等が挙げられ、これらの
塩を用いてもよい。
【0047】また、撥水性モノマーとしては、次式で表
されるフルオロアルキル(メタ)アクリレート、ジメチ
ルシロキシ基を有する(メタ)アクリレート等が好適で
ある。
【化12】
【化13】
【0048】他に、例えば、トリフルオロエチルアクリ
レート、パーフルオロオクチルエチルアクリレート等の
低屈折率モノマーを用いて、基材に反射防止機能を与え
ることが出来る。また、基材の一部分のみの屈折率を変
えるために利用してもよい。
【0049】機能性モノマーを下塗り層を設けた基材表
面に接触させる方法としては、ディピング、スプレー
法、ポッティング、カーテンコート等によって塗工する
方法、機能性モノマーを気化させて接触させる方法等が
挙げられる。
【0050】塗布作業が容易になるように、機能性モノ
マーを溶媒で希釈して用いてもよい。溶媒の種類は、用
いる機能性モノマーの性質に応じて選択される。上記親
水性モノマーを用いた場合の溶媒としては、水又は水と
極性溶媒を混合したものが好ましい。上記極性溶媒とし
ては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イ
ソプロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール
等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シ
クロヘキサノン等のケトン類、メチルセロソルブ、エチ
ルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、テ
トラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド等を用いることが出来る。
【0051】上記機能性モノマーに、下塗り層の光重合
開始剤とは別に、光重合開始剤を加えて、グラフト重合
を促進することが出来る。機能性モノマーに加える光重
合開始剤は、本発明の下塗り層と同じものを用いても、
他に公知の光重合開始剤を用いてもよい。具体的には、
下塗り層のところで例示したものから選択すればよい。
機能性モノマーに光重合開始剤を加える場合の添加量
は、機能性モノマー100重量部に対して0. 1〜10
重量部であることが好ましい。
【0052】<グラフト重合>上記機能性モノマーを下
塗り層の表面に接触させた状態で、紫外線等の活性光線
を照射してグラフト重合を行わせる。紫外線照射が最も
実用的であろう。
【0053】上記紫外線の照射には、光源として超高圧
水銀灯、高圧水銀灯、メタルハロライドランプ、キセノ
ンランプ、低圧殺菌ランプ等が用いられる。紫外線の照
射量は、機能性モノマーの種類、下塗り層中の光重合開
始剤の存在量によって異なるが、100mJ/cm2
20J/cm2 が適当である。
【0054】酸素阻害を防止するために、不活性ガス雰
囲気下あるいは透明プラスチックフィルム、ガラス板等
によってラミネートした状態で活性光線照射を行う事が
好ましい。
【0055】機能性モノマーの種類によっては、任意の
後処理を行って重合後の官能基の安定化を行うことが好
ましい。例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸
基を有するモノマーを用いた場合には、アルカリ処理を
行って、当該カルボン酸基等をアルカリ金属又はアルカ
リ土類金属の塩としておくことが好ましい。 上記アル
カリ処理には、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナト
リウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、炭酸マグネシウム等の水溶液又はアルコール溶液
等を用いることが出来る。上記アルカリ溶液の濃度は表
面層が侵されないように、0. 1〜5重量%であること
が好ましい。
【0056】本発明の表面処理を行った後は、水洗等に
よって基材上の余剰付着物を除去することが好ましい。
【0057】請求項1に記載の発明(以下「本発明1」
という。)は、基材上に設けられた光重合開始剤を含有
する下塗り層の表面に、機能性モノマーを接触させた状
態で紫外線を照射することにより、該機能性モノマーの
グラフト重合反応を行わせる基材の表面処理方法であっ
て、当該機能性モノマー100重量部に界面活性剤0.
01〜100重量部を添加することを特徴とする。
【0058】上記機能性モノマーに界面活性剤を添加す
ることにより、下塗り層の表面と機能性モノマーの界面
における表面張力が減少するため、濡れ拡がり性が改良
され、作業性が向上する。特に、ラミネート手段によっ
て対応しにくい形状を有する基材を処理する場合には濡
れ拡がり性の改善が必要である。
【0059】上記界面活性剤としては、汎用のものを用
いることが出来る。具体的には、以下のようなノニオン
系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面
活性剤、両性界面活性剤が使用できる。
【0060】上記ノニオン系界面活性剤としては、ポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル等のエーテル型、グリセリン
脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂
肪酸エステル等のエステル型、ポリエチレングリコール
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸
エステル等のエステルエーテル型、脂肪酸アルカノール
アミド型のものが挙げられる。
【0061】上記アニオン系界面活性剤としては、脂肪
酸モノカルボン酸塩、N−アシロイルグルタミン酸塩等
のカルボン酸型、アルキルスルホン酸塩、アルキルベン
ゼンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩−ホルムア
ルデヒド縮合物、スルホこはく酸ジアルキルエステル等
のスルホン酸型、硫酸アルキル塩等の硫酸エステル型、
リン酸アルキル塩等のリン酸エステル型にものが挙げら
れる。上記カチオン系界面活性剤としては、アルキルア
ミン塩等のアミン塩型、アルキルトリメチルアンモニウ
ム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジ
メチルベンジルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム
塩型のものが挙げられる。
【0062】上記両性界面活性剤としては、N,N−ジ
メチル−N−アルキルアミノ酢酸ベタイン等のカルボキ
シベタイン型、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−
1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン等のグ
リシン型のものが挙げられる。
【0063】上記界面活性剤の添加量は、少なすぎると
効果が認められず、多すぎると機能性モノマー濃度の低
下によりグラフト重合速度が遅くなるため、機能性モノ
マー100重量部に対して、0.01〜100重量部に
限定される。
【0064】請求項2に記載の発明(以下「本発明2」
という。)は、基材上に設けられた光重合開始剤を含有
する下塗り層の表面に、機能性モノマーを接触させた状
態で紫外線を照射することにより、該機能性モノマーの
グラフト重合反応を行わせる基材の表面処理方法であっ
て、当該機能性モノマー100重量部に第三アミン化合
物0.01〜50重量部を添加することを特徴とする。
【0065】上記第三アミン化合物は、グラフト重合反
応の酸素阻害を防止する効果を有する。本発明における
機能性モノマーのグラフト重合は、上述のように、酸素
阻害を防止するために透明フィルム、ガラス板等によっ
てラミネートした状態又は不活性ガス雰囲気下で行うこ
とが出来るが、工業的生産においては装置が煩雑になっ
たり、平滑面以外の処理には対応し難いという不利益が
ある。本発明2においては、上記第三アミン化合物の添
加により、ラミネート工程を経ずに酸素阻害を防止する
ことが出来る。
【0066】なお、ラミネート工程を行わない場合、表
面に機能性モノマーが濡れ拡がっていないと均一な処理
を行うことが出来ないため、本発明1の界面活性剤と本
発明2の第三アミン化合物を組み合わせて用いることが
好ましい。
【0067】上記第三アミン化合物としては、トリエタ
ノールアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエチル
アミン等が挙げられる。
【0068】上記第三アミン化合物の添加量は、機能性
モノマー100重量部に対して、0.01〜50重量部
に限定される。上記範囲より少なすぎると効果が認めら
れず、上記範囲より多くしても特に効果を向上させるも
のではなく、経済性が悪いからである。さらに、下塗り
層の組成によっては、第三アミン化合物が多すぎると白
化が生じるため、注意を要する。
【0069】請求項3に記載の発明(以下「本発明3」
という。)は、基材上に設けられた光重合開始剤を含有
する下塗り層の表面に、機能性モノマーを接触させた状
態で紫外線を照射することにより、該機能性モノマーの
グラフト重合反応を行わせる基材の表面処理方法であっ
て、当該機能性モノマー100重量部に、分子内に二以
上の不飽和性基を有する架橋剤2〜300重量部を添加
することを特徴とする。
【0070】上記機能性モノマーに、分子内に二以上の
不飽和性基を有する架橋剤が添加された状態で機能性モ
ノマーのグラフト重合を行わせることにより、グラフト
鎖が架橋され、機能性表面の耐久性を向上させることが
出来る。
【0071】上記分子内に二以上の不飽和性基を有する
架橋剤としては、N,N’−メチレンビスアクリルアミ
ド、N,N’−プロピレンビスアクリルアミド、ジアク
リルアミドジメチルエーテル、1,2−ジアクリルアミ
ドエチレングリコール、ペンタエリスリトールトリアク
リレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
テトラデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート
等が挙げられる。市販品では、新中村科学社製「UA−
W1」、「UA−W2」、共栄化学社製「エポキシエス
テル200EA」、「エポキシエステル400EA」等
が挙げられる。
【0072】上記架橋剤の添加量は、少なすぎると効果
が認められず、多すぎるとクラックが発生する原因とな
るため、機能性モノマー100重量部に対して、2〜3
00重量部に限定される。
【0073】請求項4に記載の発明(以下「本発明4」
という。)は、基材上に設けられた光重合開始剤を含有
する下塗り層の表面に、機能性モノマーを接触させた状
態で紫外線を照射することにより、該機能性モノマーの
グラフト重合反応を行わせる基材の表面処理方法であっ
て、当該機能性モノマーに連鎖移動剤を添加することを
特徴とする。
【0074】本発明4は、機能性モノマーに連鎖移動剤
を添加し、グラフト鎖の鎖長を制限することにより、効
率的に光重合開始点を利用し、下塗り層表面におけるグ
ラフト鎖密度を高めるものである。
【0075】例えば、光重合開始剤が下塗り層組成物中
に1モル%含有されている下塗り層においても、当該下
塗り層の表面には光重合開始点が極めて密に存在してい
る。本発明者らの計算によると、上記含有量の下塗り層
であれば、表面1cm2 あたりに1016個以上の密度で
存在している。
【0076】表面に機能を付与し、さらに、当該機能に
耐久性を与えるという観点からは、機能性モノマーのグ
ラフト鎖と下塗り層の結合点が密に存在することが好ま
しい。この状態を実現するためには、通常光重合開始剤
の含有量を増す方法が採られるが、本発明者らが確認し
たところによれば、上記のような極めて密に光重合開始
点が存在する系にあっては、成長するグラフト鎖自身が
立体障害となり、含有量を増しても光重合開始点が有効
に利用されない結果を与える。また、イオン性官能基を
有する機能性モノマーを用いる場合にあっては、グラフ
ト鎖の形成する電荷障壁により、未反応のモノマーが反
応点に近づきにくくなり、さらにグラフト重合の反応性
が悪くなる。
【0077】本発明4は、機能性モノマーに連鎖移動剤
を添加することにより、グラフト鎖の鎖長が制限され、
上記立体障害や電荷障壁を抑えて効率的に光重合開始点
を利用出来る状態を作りだすものである。
【0078】上記連鎖移動剤の連鎖移動定数は、小さす
ぎると添加量を極端に増さなければならないため実際的
でなく、大きすぎるとその効果を制御することが困難と
なるため、0.1×104 〜10×104 であることが
好ましい。
【0079】上記連鎖移動定数を有する連鎖移動剤とし
ては、アセトアルデヒド(スチレンに対する連鎖移動定
数:8.5×104 、以降の括弧内の数値もスチレンに
対する連鎖移動定数)アセトニトリル(0.44×10
4 )、アセトン(4.1×104 )、エチレングリコー
ル(1.36×104 )、エチルアルコール(1.32
×104 )、クロロベンゼン(0.133×104 )、
クロロホルム(0.566×104 )、酢酸(2.22
×104 )、ジオキサン(2.75×104 )、N,N
−ジメチルアセトアミド(4.6×104 )、ジメチル
ホルムアミド(4.0×104 )、トリエチルアミン
(7.1×104 )、トリフェニルメタン(3.5×1
4 )、トルエン(0.105×104 )、sec-ブチル
アルコール(0.259×104 )、メチルアルコール
(0.296×104 )等が挙げられる。
【0080】上記連鎖移動剤の添加量が少なすぎると効
果が認められず、多すぎるとグラフト鎖の成長が抑制さ
れすぎて充分な機能が発現しなくなる。適当な添加量
は、連鎖移動剤の種類によって異なり、連鎖移動定数の
みならず、機能性モノマーに対する溶解性、グラフト重
合の反応速度等を考慮して決定される。機能性モノマー
を溶媒で希釈して用いる場合は、当該溶媒に対する溶解
性、反応速度等も考慮しなければならない。例を挙げる
と、連鎖移動剤としてエタノールを用い、これを親水性
モノマーに添加する場合は、親水性モノマー100重量
部に対して、1〜60重量部であることが好ましい。
【0081】請求項5に記載の発明(以下「本発明5」
という。)は、基材上に設けられた光重合開始剤を含有
する下塗り層の表面に、機能性モノマーを接触させた状
態で紫外線を照射することにより、該機能性モノマーの
グラフト重合反応を行わせる基材の表面処理方法であっ
て、当該機能性モノマーが解離性親水基を有し、かつ、
解離性の塩の存在下でグラフト重合を行わせることを特
徴とする。
【0082】上記解離性親水基としては、スルホン酸
基、スルホン酸塩基、四級アンモニウム塩基、硫酸基、
硫酸塩基等が挙げられる。ここで解離性とは、水溶液中
でイオンを生じることをいい、定量的には水溶液中にお
ける解離定数が1×10-2以上であることをいう。
【0083】上記解離性親水基を有する機能性モノマー
としては、2−アクリルアミド−2−メチルスルホン
酸、スルホン酸エトキシ(メタ)アクリレート、スチレ
ンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、
及び、これらのアルカリ金属塩アルカリ土類金属塩、2
−メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリ
ド等のアンモニウム塩含有物等が挙げられる。
【0084】上記解離性の塩の存在下でグラフト重合を
行わせる方法としては、下塗り層組成物に解離性の塩を
添加するのが最も簡便である。解離性の塩の存在下でグ
ラフト重合を行うことによって、重合反応を効率よく進
行させることが可能となる。すなわち、解離性塩の添加
により重合反応進行中に同符号のイオンが作りだす電荷
障壁を緩和し、未反応モノマーが反応表面に近づきやす
くする効果を与えるものである。
【0085】上記解離性の塩としては、塩化ナトリウ
ム、塩化カリウム、ヨウ化カリウム、硫酸カリウム、硫
酸ナトリウム等の無機塩、ベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、ドデシル硫酸ナトリウム、p−トルエンスルホン酸
ナトリウム等の有機塩等が挙げられる。本発明において
は、強酸性又は強塩基性の化合物を用いることが好まし
い。
【0086】上記解離性の塩は、高濃度で用いるほうが
効果的である。具体的には、解離性の塩の添加量が親水
性モノマーに対して20モル%以上であることが好まし
く、最も好ましいのは飽和溶液である。飽和溶液は、親
水性モノマーの溶液に沈殿が生じるまで塩を加えて、沈
殿を濾取するか、上澄みを採取すれば容易に得ることが
出来る。
【0087】請求項6に記載の発明(以下「本発明6」
という。)は、基材上に設けられた光重合開始剤を含有
する下塗り層の表面に、機能性モノマーを接触させた状
態で紫外線を照射し、当該下塗り層に機能性モノマーを
グラフト重合反応を行わせる基材の表面処理方法であっ
て、当該下塗り層に界面活性剤を添加することを特徴と
する。
【0088】上記界面活性剤としては、汎用のものを用
いることが出来る。具体的には、本発明1で例示したノ
ニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン
系界面活性剤、両性界面活性剤と同様のものが挙げられ
る。
【0089】上記界面活性剤のうち、アニオン系界面活
性剤及びカチオン系界面活性剤は、機能性モノマーの極
性によって選択するとよい。すなわち、アニオン系モノ
マーに対してはアニオン系界面活性剤を用いると効果的
である。
【0090】上記界面活性剤の添加によって親水性モノ
マーの重合鎖がつくる表面親水性能をより高め、かつ、
性能を長期間持続させることが出来る。本発明6の表面
処理方法によれば、極めて高い親水性能を実現すること
が出来るため、表面防曇性を付与することも出来る。親
水による防曇性は、極めて高レベルの親水性により実現
されるが、本発明6の表面処理方法はこれを可能とす
る。
【0091】すなわち、本発明6は、界面活性剤が下塗
り層中に存在することにより、グラフト重合させたモノ
マーの性能以上に高度な親水性を付与させることが出来
るのみならず、界面活性剤による親水性モノマーのイオ
ン補償効果を利用し、高度な親水性能を長期間持続させ
る効果を与えるものである。
【0092】一般に高分子材料に界面活性剤を単に添加
して親水性能を発現させる方法が知られているが、充分
な親水性能を与えるためには大量の界面活性剤を添加す
る必要があり、透明性および硬度との両立は困難であ
る。また、その性能も界面活性剤が放出されるまでの短
期間しか保たれず、放出速度の制御と要求されるレベル
の親水性能の両立が困難であることが知られている。本
発明6は、親水性のグラフト鎖と界面活性剤を併用する
ことにより、透明性、硬度、親水性、及び、耐久性を同
時に満足させるものである。
【0093】
【実施例】
実施例1 <重合性不飽和基を有する光重合開始剤(化合物
(X))の合成>
【化14】 冷却管および窒素導入管を備えたガラス容器内を窒素置
換を行い、テトラヒドロフラン(THF)30gを入
れ、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−
ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(チバ・ガイギー社
製、イルガキュアー2959)10.0g(4.46×
10-2mol)を溶解させた。2−メタクリロキシエチ
ルイソシアネート(昭和電工社製、カレンズMOI)
6.92g(4.46×10-2mol)を添加して均一
な溶液とし、触媒としてジラウリン酸ジ−n−ブチルス
ズ90mgを滴下しながら室温にて攪拌を行った。反応
溶液の温度は数分で上昇した。3時間室温で攪拌を続け
た後、反応系を50℃に保って3時間放置して、化学式
(X)で示される生成物の反応を完結させた。
【0094】減圧によってTHFを除去して固形状の生
成物を得た。生成物のIRスペクトルをKBr錠剤法に
よって測定した。原料の2−メタクリロキシエチルイソ
シアネートに由来する2280cm-1付近のイソシアネ
ート基に由来する吸収は消失し、生成物のウレタン結合
中のNH基に由来する吸収が3400cm-1付近(NH
伸縮)および1550cm-1付近(NH変角)に観察さ
れた。以上のことから生成物が化学式(X)で示される
構造を持つことを確認した。
【0095】<光重合開始部を有する高分子(XI)の
重合>
【化15】 冷却管および窒素導入管を備えたガラス容器内を窒素置
換を行い、メチルエチルケトン(MEK)80gを入
れ、化合物(X)5.01g(1.32×10-2mo
l)を溶解させ、メタクリル酸メチル(MMA)11.
87g(1.19×10-1mol)を添加して均一な溶
液とした。反応系を60℃に加熱し、アゾビスイソブチ
ロニトリル(AIBN)85mgをMEK2gに溶解さ
せた溶液を添加して3時間重合を行わせた。AIBNの
MEK溶液を添加して3時間重合を行わせる操作を3回
行い、9時間重合させて重合体(XI)を得た。反応溶
液を多量のヘキサン中に投じて重合体(XI)を析出さ
せて濾別した。メタノールで洗浄して、未反応の化学式
(X)で示される生成物を除去した。得られた重合体
(XI)は14.15g(収率87.6%)であった。
得られた重合体(XI)をGPCによって測定した。重
量平均分子量Mw=84,000、分子量分布Mw/M
n=3.0であった。 1H−NMRによって重合体(X
I)における化合物(X)の導入率を調べたところ、1
6モル%であった。
【0096】<親水性モノマー溶液の調製>イオン交換
水3.5gに2−アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸(日東化学社製、TBAS−Q、以下「親水
性モノマーA」という。)1.0g、界面活性剤として
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(ナカラ
イテスク社製)0.035gを溶解させ、炭酸ナトリウ
ム0.26gを加えて攪拌し、発生する二酸化炭素を十
分に除去して親水性モノマーAの水溶液を調製した。
【0097】<下塗り層形成>上記操作によって得られ
た重合体(XI)1.0gをMEK4.0gに溶解さ
せ、メイヤーバーを用いてアクリル板(三菱レイヨン社
製、アクリライトEX、3mm厚)上に塗布した。80
℃で2分間乾燥させて、光重合開始部を有する高分子の
層(乾燥後の厚さ4.4μm)を設けた。この層を表
中、下塗り層と示す。
【0098】<グラフト重合>上記親水性モノマーAの
水溶液0.1mlを、下塗り層上にポッティング塗布
し、光源として高圧水銀灯を用いて紫外線を5秒間(1
J/cm2 )照射して、グラフト重合を行わせた後、流
水により表面の余剰付着物を洗い流して乾燥させ、基材
に表面処理を施した。
【0099】実施例2、3 基材として、アクリル板に代えて、実施例2はポリカー
ボネート板(旭ガラス社製、レキサン、3mm厚)、実
施例3はポリ塩化ビニル板(三協化成社製、サンプレー
ト、3mm厚)を用いたこと以外は、実施例1と同様に
して基材に表面処理を施した。
【0100】実施例4、5 親水性モノマー溶液の調製において、ポリオキシエチレ
ンソルビタンモノラウレートの添加量を実施例4は0.
0005g、実施例5は1.0gとしたこと以外は、実
施例1と同様にして基材に表面処理を施した。
【0101】実施例6 親水性モノマー溶液の調製において、ポリオキシエチレ
ンソルビタンモノラウレートに代えて、ドデシル硫酸ナ
トリウム(ナカライテスク社製)0.035gを用いた
こと以外は、実施例1と同様にして基材に表面処理を施
した。
【0102】実施例7、8 親水性モノマー溶液の調製において、実施例1の親水性
モノマー溶液Aの配合にジメチルエタノールアミン(ナ
カライテスク社製)を加えたものを用いたこと以外は、
実施例1と同様にして基材に表面処理を施した。ジメチ
ルエタノールアミンの添加量は、実施例7は0.005
g、実施例8は0.35gとした。
【0103】実施例9 下塗り層組成物を下記の通りに代えたこと以外は、実施
例1と同様にして基材に表面処理を施した。 <下塗り層形成>実施例1の操作によって得られた重合
体(XI)1.0gとウレタンアクリレートオリゴマー
(新中村化学社製、U−15HA)1.0gをMEK
8.0gに溶解させ、メイヤーバーを用いてアクリル板
(三菱レイヨン社製、アクリライトEX、3mm厚)上
に塗布した。80℃で2分間乾燥させて、光重合開始部
を有する高分子の層を設けた。この層を表中、下塗り層
と示す。
【0104】実施例10 実施例1の親水性モノマーAに代えて、下記の親水性モ
ノマーBを用いたこと以外は、実施例1と同様にして基
材に表面処理を施した。
【0105】<親水性モノマーBの調製>イオン交換水
3.5gにアクリル酸(キシダ化学社製、以下「親水性
モノマーB」という。)1.0g、ポリオキシエチレン
ソルビタンモノラウレート(ナカライテスク社製)0.
035gを溶解させ、炭酸ナトリウム0.74gを加え
て攪拌し、発生する二酸化炭素を十分に除去して親水性
モノマーBの水溶液を調製した。
【0106】実施例11 <アルコキシシリル基を有する光重合開始剤(化合物
(XII))の合成>
【化16】 冷却管および窒素導入管を備えたガラス容器内を窒素置
換を行い、THF30gを入れ、4−(2−ヒドロキシ
エトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピ
ル)ケトン(チバ・ガイギー社製、イルガキュアー29
59)5.0gを溶解させた。これに、ジラウリン酸ジ
−n−ブチル錫100mg、3−トリエトキシシリルプ
ロピルイソシアネート(信越化学工業社製、KBE90
07)5.5gを添加して均一な溶液とした。3時間室
温で攪拌を行った後、反応系を50℃に保って3時間放
置して、化学式(XII)で示される生成物の反応を完
結させた。
【0107】減圧によってTHFを除去して生成物を得
た。生成物のIRスペクトルをKBr錠剤法によって測
定したところ、原料の3−トリエトキシシリルプロピル
イソシアネートに由来する2280cm-1付近のイソシ
アネート基に由来する吸収は消失していた。また、生成
物の 1H−NMRを測定したところ、δ=5.1ppm
付近に、化合物(XII)に由来すると考えられる幅広
いピークが観察された。以上のことから生成物が化学式
(XII)で示される構造を持つことを確認した。
【0108】<ゾル−ゲル法による下塗り層形成>上記
操作によって得られた化合物(XII)2.1gにエタ
ノール10.4g、テトラエトキシシラン(コルコート
社製)2.2g、0.4重量%HCl溶液1.1gを添
加して室温で1時間攪拌して下塗り層溶液を調製した。
上記下塗り層溶液を、メイヤーバーを用いてガラス板
(旭硝子社製、5mm厚)上に塗布した。180℃で3
0分間加熱硬化させて、乾燥後の厚さ0.5μmの層を
設けた。この層を表中、下塗り層と示す。
【0109】<親水性モノマー溶液の調製>イオン交換
水2.5gに2−アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸1.0g、ポリオキシエチレンソルビタンモ
ノラウレート0.026g、炭酸ナトリウム0.26g
を加えて溶解させた後に、エタノール1.0gを添加し
て、親水性モノマーAの水溶液を調製した。
【0110】<グラフト重合>上記親水性モノマーAの
水溶液0.1mlを、下塗り層上にポッティング塗布し
た。これに1mm厚のスライドグラスをラミネートした
状態で、光源として高圧水銀灯を用いて紫外線を15秒
間(3J/cm2 )照射した。スライドグラスを取り外
し、流水を用いて表面の余剰付着物を洗い流した後に乾
燥させ、基材に表面処理を施した。
【0111】比較例1 実施例1で用いた親水性モノマーA溶液0.1mlを、
アクリル板上にポッティング塗布した。これに1mm厚
のスライドグラスをラミネートした状態で、光源として
高圧水銀灯を用いて紫外線を1J/cm2 照射した。ス
ライドグラスを取り外し、流水を用いて表面の余剰付着
物を洗い流した後に乾燥させ、基材に表面処理を施し
た。
【0112】比較例2、3 親水性モノマー溶液の調製において、界面活性剤である
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートを配合し
なかったこと以外は、実施例1、実施例9と同様にして
基材に表面処理を施したが、基材に均一に濡れ広がら
ず、全面処理出来なかった。
【0113】実施例1〜11及び比較例1〜3の表面処
理を施した基材について、基材密着性、対水接触角、付
着物除去性、呼気防曇性、熱水浸漬後(90℃、24時
間)の外観及び対水接触角の評価を行った。結果を表1
に示す。外観は、透明平滑なものを○とした。
【0114】<基材密着性評価>表面処理を施した基材
の表面に、JIS−K5400に従ってカッターで傷を
入れて1mm角の基盤目を100個作り、セロハン粘着
テープ(積水化学社製、#252、25mm幅、SP粘
着力:750gf/25mm幅)を付着させた。このテ
ープの一端を基材の表面に直角に保ち、瞬間的に剥離し
て残った基盤目の数を示す。100個の基盤目全てが剥
離した状態が0、全て剥離しない状態が100である。
【0115】<対水接触角評価>表面処理を施した基材
について、室温23℃、湿度50%の室内で、接触角計
(協和界面科学社製、CA−X150)を用いて液滴法
によって3点測定を行った。平均値を表2に示す。な
お、表面に親水性モノマーがグラフト重合される前の下
塗り層(実施例1)に紫外線を1J/cm2 照射した
基材について、同様に接触角を測定したところ、61.
2度であった。
【0116】<付着物除去性評価>表面処理を施した基
材の表面に、黒色マジックインキNo.500で描画し
て室温で5分間乾燥させた。流水下でキムワイプを用い
て払拭し、インキの除去性を評価した結果を表2に示
す。評価は次のように行った。 ○:容易に除去 △:強くこすれば除去可能
×:除去不可能
【0117】削除 <呼気防曇性評価>表面処理を施した基材の表面に呼気
を吹きかけて、以下の評価を行った。 ○:全く曇らない △:若干曇る ×:曇る
【0118】
【表1】
【0119】以下の全ての実施例、比較例では、グラフ
ト重合の際に1mm厚のスライドグラスによるラミネー
トを行っている。
【0120】実施例12〜18 親水性モノマー溶液の調製において、架橋剤として実施
例12〜16はウレタンアクリレートオリゴマー(新中
村化学社製、UA−W2)、実施例17はウレタンアク
リレートオリゴマー(新中村化学社製、UA−W1)、
実施例18はN,N’−ビスメチレンアクリルアミド
(和光純薬社製)を用い、表1に示す配合で親水性モノ
マー溶液を調製したこと以外は、実施例2と同様にして
基材に表面処理を施した。なお、親水性モノマーとし
て、実施例12〜14、17、18は2−アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸(日東化学社製、T
BAS−Q、親水性モノマーA)、実施例15はアクリ
ル酸(キシダ化学社製、親水性モノマーB)、実施例1
6はN,N’−ジメチルアクリルアミド(興人社製、親
水性モノマーC)を用いた。
【0121】実施例19、20 基材として、アクリル板に代えて、実施例19はポリカ
ーボネート板(旭ガラス社製、レキサン、3mm厚)、
実施例20はポリ塩化ビニル板(三協化成社製、サンプ
レート、3mm厚)を用いたこと以外は、実施例12と
同様にして基材に表面処理を施した。
【0122】実施例21 実施例9と同様の下塗り層、及び、実施例12と同様
の親水性モノマーA溶液を用いて基材に表面処理を施し
た。
【0123】実施例22 実施例11と同様の下塗り層、及び、実施例12と同
様の親水性モノマーA溶液を用いて基材に表面処理を施
した。
【0124】実施例23 下記の下塗り層、及び、実施例12と同様の親水性モ
ノマーA溶液を用いて基材に表面処理を施した。 <下塗り層形成>多官能(メタ)アクリレート(新中村
化学社製、U−15HA)1.0g、テトラヒドロフラ
ン(THF)30gを入れ、4−(2−ヒドロキシエト
キシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケ
トン(チバ・ガイギー社製、イルガキュアー2959)
0.02gをMEK4.0gに溶解させ、メイヤーバー
を用いてアクリル板(三菱レイヨン社製、アクリライト
EX、3mm厚)上に塗布した。80℃で2分間乾燥さ
せて、光重合開始部を有する高分子の層(膜厚2μm)
を設けた。この層を表中、下塗り層と示す。
【0125】比較例4 実施例12で用いた親水性モノマーA溶液0.1ml
を、アクリル板上にポッティング塗布した。これに1m
m厚のスライドグラスをラミネートした状態で、光源と
して高圧水銀灯を用いて紫外線を1J/cm2 照射し
た。スライドグラスを取り外し、流水を用いて表面の余
剰付着物を洗い流した後に乾燥させ、基材に表面処理を
施した。
【0126】比較例5、6 架橋剤であるウレタンアクリレートオリゴマー(新中村
化学社製、UA−W2)の添加量を、比較例5は0.0
1g、比較例6は4gとしたこと以外は、実施例12と
同様にして基材に表面処理を施した。
【0127】実施例12〜23及び比較例4〜6の表面
処理を施した基材について、基材密着性、対水接触角、
付着物除去性、呼気防曇性、払拭試験後の外観及び対水
接触角の評価を行った。結果を表2に示す。
【0128】<耐払拭性評価>表面処理を施した基材の
表面を、1cmφ単位円あたり500gの荷重をかけた
状態で、キムワイプ(十條キンバリー社製)によって1
00払拭した。上記払拭処理を施した基材表面につい
て、外観および対水接触角評価を行った。外観は、透明
平滑なものを○とし、対水接触角は上記と同様にして測
定した。
【0129】
【表2】
【0130】実施例24 親水性モノマー溶液の調製において、連鎖移動剤として
エタノールを用い、表1に示す配合で2−アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸(日東化学社製、T
BAS−Q、親水性モノマーA)の溶液を調製し、実施
例1と同様に下塗り層にグラフト重合を行わせ、基材
に表面処理を施した。
【0131】実施例25〜30 親水性モノマー溶液の調製において、連鎖移動剤として
実施例25〜28はエタノール、実施例29、30はエ
チレングリコールを用い、表1に示す配合で親水性モノ
マー溶液を調製し、実施例11と同様に下塗り層にグ
ラフト重合を行わせ、基材に表面処理を施した。なお、
親水性モノマーとして、実施例25〜26、29、30
は2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
(日東化学社製、TBAS−Q、親水性モノマーA)、
実施例27はp−スチレンスルホン酸ナトリウム(和光
純薬社製、親水性モノマーD)、実施例28はビニルス
ルホン酸ナトリウム(日精化学社製、親水性モノマー
E)を用いた。
【0132】なお、実施例11で得られる下塗り層に
は、光重合開始剤が30モル%含有されている。ラジカ
ル補足剤である1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒド
ラジル(DPPH)を用い、ラジカルを補足してDPP
Hが結合する反応によって減少するDPPHの量を測定
し、当該下塗り層の光重合開始剤の密度を求めたとこ
ろ、1cm2 あたり1016個のオーダーであった。
【0133】実施例24〜30及び比較例7の表面処理
を施した基材について、基材密着性、対水接触角、防曇
性(JIS−K3040)、熱水浸漬後(80℃、24
時間)の防曇性の評価を行った。結果を表3に示す。
【0134】<防曇性評価:JIS−S4030>表面
処理を施した基材において、処理を施していない面に冷
却水をあてて25℃に保ちつつ、処理面に42℃の水蒸
気を3分間あてた場合の曇り止め性(高温部曇り止め
性)評価を行った。また、基材を5℃に冷却した後に、
20℃、湿度65%の恒温室に取り出した場合の曇り止
め性(低温部曇り止め性)評価を行った。評価は、JI
S−S4030に添付された判定チャートに従って、以
下の4段階評価を行った。 ◎:1級 ○:2級 △:3級 ×:4級
【0135】
【表3】
【0136】実施例31、32 親水性モノマー溶液の調製において、解離性の塩として
塩化ナトリウムを用い、表1に示す配合で2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸(日東化学社
製、TBAS−Q、親水性モノマーA)の溶液を調製
し、実施例1と同様に下塗り層にグラフト重合を行わ
せ、基材に表面処理を施した。
【0137】実施例33〜37 親水性モノマー溶液の調製において、解離性の塩として
塩化ナトリウムを用い、表1に示す配合で親水性モノマ
ー溶液を調製し、実施例11と同様に下塗り層にグラ
フト重合を行わせ、基材に表面処理を施した。なお、親
水性モノマーとして、実施例33、34は2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸(日東化学社
製、TBAS−Q、親水性モノマーA)、実施例35は
p−スチレンスルホン酸ナトリウム(和光純薬社製、親
水性モノマーD)、実施例36はビニルスルホン酸ナト
リウム(日精化学社製、親水性モノマーE)、実施例3
7は2−メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウム
クロリド(共栄化学社製、DQ−100、親水性モノマ
ーF)を用いた。
【0138】比較例8、9 解離性の塩である塩化ナトリウムを添加しなかったこと
以外は、実施例31、実施例37と同様にして基材に表
面処理を施した。
【0139】実施例31〜37及び比較例7の表面処理
を施した基材について、基材密着性、対水接触角、防曇
性(JIS−K3040)、熱水浸漬後(80℃、24
時間)の防曇性の評価を行った。結果を表4に示す。
【0140】
【表4】
【0141】実施例38〜40 以下の操作による界面活性剤を含有する下塗り層、及
び、表1に示す配合で調製した親水性モノマーの溶液を
用いてグラフト重合を行わせ、基材に表面処理を施し
た。なお、親水性モノマーとして、実施例38、39は
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
(日東化学社製、TBAS−Q、親水性モノマーA)、
実施例40はアクリル酸(キシダ化学社製、親水性モノ
マーB)を用いた。 <下塗り層形成>実施例1で得られた重合体(XI)
1.0gをMEK4.0gに溶解させ、更に界面活性剤
としてドデシル硫酸ナトリウム(ナカライテスク社製)
を実施例38、実施例40は50mg、実施例39は1
00mg加えたものを、メイヤーバーを用いてアクリル
板(三菱レイヨン社製、アクリライトEX、3mm厚)
上に塗布した。80℃で2分間乾燥させて、光重合開始
部を有する高分子の層(乾燥後の厚さ4.4μm)を設
けた。
【0142】実施例41 界面活性剤としてドデシル硫酸ナトリウム50mgに代
えて、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート
(ナカライテスク社製)50mgを用いたこと以外は、
実施例38と同様にして基材に表面処理を施した。
【0143】実施例42、43 以下の操作による界面活性剤を含有する下塗り層、及
び、表1に示す配合で調製した親水性モノマーの溶液を
用いてグラフト重合を行わせ、基材に表面処理を施し
た。なお、親水性モノマーとして、実施例42は2−ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(日東化
学社製、TBAS−Q、親水性モノマーA)、実施例4
3はポリエチレングリコール#400ジアクリレート
(共栄化学社製、ライトアクリレートPEG−A、親水
性モノマーG)を用いた。
【0144】<ゾル−ゲル法による下塗り層形成>上記
操作によって得られた化合物(XII)2.1gにエタ
ノール10.4g、テトラエトキシシラン(コルコート
社製)2.2g、0.4重量%HCl溶液1.1gに、
さらにドデシル硫酸ナトリウム水溶液(400mg/3
ml蒸留水)を添加して室温で1時間攪拌して下塗り層
溶液を調製した。上記下塗り層溶液を、メイヤーバーを
用いてガラス板(旭硝子社製、5mm厚)上に塗布し
た。180℃で30分間加熱硬化させて、乾燥後の厚さ
0.5μmの層を設けた。
【0145】比較例10〜12 下塗り層組成物に界面活性剤であるドデシル硫酸ナトリ
ウムを添加しなかったこと以外は、実施例38、実施例
42、実施例43と同様にして基材に表面処理を施し
た。
【0146】実施例38〜43及び比較例10〜12の
表面処理を施した基材について、基材密着性、対水接触
角、防曇性(JIS−K3040)、熱水浸漬後(80
℃、24時間)の防曇性の評価を行った。結果を表5に
示す。
【0147】
【表5】
【0148】
【発明の効果】本発明の基材の表面処理方法において、
基材上に設けられた光重合開始部を含有する下塗り層の
表面に、機能性モノマーを接触させた状態で、該機能性
モノマーのグラフト重合反応を行わせることによって、
製造上有利な短時間の処理で、基材に親水性、撥水性、
反射防止等の各種性能を与えることが出来る。また、付
与した機能の耐久性に優れている。さらに、紫外線の照
射を利用しているため、基材の部分毎に、選択的に処理
を施すことが極めて容易である。
【0149】本発明1によれば、機能性モノマーに界面
活性剤を添加することにより、下塗り層の表面と機能性
モノマーの界面における表面張力が減少するため、濡れ
拡がり性が改良され、作業性が向上する。
【0150】本発明2によれば、機能性モノマーに第三
アミン化合物を添加することにより、工業上煩雑なラミ
ネート等のプロセスを経ずにグラフト重合反応の酸素阻
害を防止することが出来る。
【0151】本発明3によれば、機能性モノマーに分子
内に二以上の不飽和性基を有する架橋剤が添加された状
態で機能性モノマーのグラフト重合を行わせることによ
り、グラフト鎖が架橋され、機能性表面の耐久性を向上
させることが出来る。
【0152】本発明4によれば、機能性モノマーに連鎖
移動剤を添加し、グラフト鎖の鎖長を制限することによ
り、効率的に光重合開始点を利用し、下塗り層表面にお
けるグラフト鎖密度を高め、機能性表面の耐久性を向上
させることが出来る。
【0153】本発明5によれば、機能性モノマーが解離
性親水基を有し、かつ、解離性の塩の存在下でグラフト
重合を行わせることにより、重合反応進行中に同符号の
イオンが作りだす電荷障壁を緩和し、未反応モノマーが
反応表面に近づきやすくすることが出来、高レベルの処
理を行うことが出来る。
【0154】本発明6によれば、下塗り層に界面活性剤
を添加することにより、特に親水性モノマーによる親水
性重合鎖がつくる表面親水性能をより高め、かつ、性能
を長期間持続させることが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山河 藤明 大阪府三島郡島本町百山2−1 積水化学 工業株式会社内 (72)発明者 村島 正敏 大阪府三島郡島本町百山2−1 積水化学 工業株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に設けられた光重合開始剤を含有
    する下塗り層の表面に、機能性モノマーを接触させた状
    態で紫外線を照射することにより、該機能性モノマーの
    グラフト重合反応を行わせる基材の表面処理方法であっ
    て、当該機能性モノマー100重量部に界面活性剤0.
    01〜100重量部を添加することを特徴とする、基材
    の表面処理方法。
  2. 【請求項2】 基材上に設けられた光重合開始剤を含有
    する下塗り層の表面に、機能性モノマーを接触させた状
    態で紫外線を照射することにより、該機能性モノマーの
    グラフト重合反応を行わせる基材の表面処理方法であっ
    て、当該機能性モノマー100重量部に第三アミン化合
    物0.01〜50重量部を添加することを特徴とする、
    基材の表面処理方法。
  3. 【請求項3】 基材上に設けられた光重合開始剤を含有
    する下塗り層の表面に、機能性モノマーを接触させた状
    態で紫外線を照射することにより、該機能性モノマーの
    グラフト重合反応を行わせる基材の表面処理方法であっ
    て、当該機能性モノマー100重量部に、分子内に二以
    上の不飽和性基を有する架橋剤2〜300重量部を添加
    することを特徴とする、基材の表面処理方法。
  4. 【請求項4】 基材上に設けられた光重合開始剤を含有
    する下塗り層の表面に、機能性モノマーを接触させた状
    態で紫外線を照射することにより、該機能性モノマーの
    グラフト重合反応を行わせる基材の表面処理方法であっ
    て、当該機能性モノマーに連鎖移動剤を添加することを
    特徴とする、基材の表面処理方法。
  5. 【請求項5】 基材上に設けられた光重合開始剤を含有
    する下塗り層の表面に、機能性モノマーを接触させた状
    態で紫外線を照射することにより、該機能性モノマーの
    グラフト重合反応を行わせる基材の表面処理方法であっ
    て、当該機能性モノマーが解離性基を有し、かつ、解離
    性の塩の存在下でグラフト重合を行わせることを特徴と
    する、基材の表面処理方法。
  6. 【請求項6】 基材上に設けられた光重合開始剤を含有
    する下塗り層の表面に、機能性モノマーを接触させた状
    態で紫外線を照射することにより、該機能性モノマーの
    グラフト重合反応を行わせる基材の表面処理方法であっ
    て、当該下塗り層に界面活性剤を添加することを特徴と
    する、基材の表面処理方法。
  7. 【請求項7】 光重合開始剤が次の一般式(I) 【化1】 で表される構造を有することを特徴とする、請求項1記
    載の基材の表面処理方法。
  8. 【請求項8】 光重合開始剤が、次の一般式(II) 【化2】 で表される構造を有する高分子であることを特徴とす
    る、請求項1から7のいずれかに記載の基材の表面処理
    方法。
  9. 【請求項9】 光重合開始剤が、一般式(II)で表さ
    れる構造と、一般式(III)で表される構造とを有す
    る化合物又は該化合物の加水分解物であることを特徴と
    する、請求項1から8のいずれかに記載の基材の表面処
    理方法。 【化3】 【化4】
  10. 【請求項10】 下塗り層が、光重合開始剤100重量
    部に分子内に二以上の不飽和性基を有する(メタ)アク
    リレート20〜300重量部を加えてなるものであるこ
    とを特徴とする、請求項1から9のいずれかに記載の基
    材の表面処理方法。
  11. 【請求項11】 機能性モノマーが、分子内に少なくと
    も一以上の重合性不飽和基と少なくとも一以上の親水性
    基を有することを特徴とする、請求項1から10のいず
    れかに記載の基材の表面処理方法。
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