JPH10183015A - 親水塗料組成物 - Google Patents

親水塗料組成物

Info

Publication number
JPH10183015A
JPH10183015A JP34618096A JP34618096A JPH10183015A JP H10183015 A JPH10183015 A JP H10183015A JP 34618096 A JP34618096 A JP 34618096A JP 34618096 A JP34618096 A JP 34618096A JP H10183015 A JPH10183015 A JP H10183015A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrophilic
meth
acrylate
weight
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34618096A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Sawara
敬 佐原
Fujiaki Yamakawa
藤明 山河
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP34618096A priority Critical patent/JPH10183015A/ja
Publication of JPH10183015A publication Critical patent/JPH10183015A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分な親水性を有し、汚れを水で簡単に落と
すことができ、耐久性に優れた光硬化膜を得ることので
きる親水塗料組成物を得る。 【解決手段】 分子内に2個以上の重合性不飽和基を有
する(メタ)アクリレートと、分子内に1個以上の重合
性不飽和基と1個以上の親水基を有する親水性モノマー
と、光重合開始剤とを含有する水性エマルジョンであっ
て、上記(メタ)アクリレート100重量部に対して上
記親水性モノマー2〜100重量部が含有されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性エマルジョン
からなる光硬化性の親水塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、プラスチック材料や無機材料
からなる基材に、様々な機能を付与する試みがなされて
きた。例えば、プラスチック基材の表面を親水性にする
には、火焔処理、コロナ処理、低温プラズマ処理などを
行って、基材表面に極性基を導入する方法が知られてい
る。しかし、このような方法では、各種の極性基を選択
的に導入することは困難である。また、親水性能の経時
変化が生じる。
【0003】一方、放射線によって、ポリエチレン基材
の表面にアクリルアミドをグラフト重合させ、それによ
りポリエチレン基材の表面を親水性にする方法が知られ
ている。しかし、この方法は、放射線によってポリエチ
レン基材の表面にペルオキシドを生成させ、これを開始
点としてアクリルアミドを熱重合するもので、十分な親
水表面を得るには長時間を要するため、製造上不利であ
る(例えば、「機能材料」1982年7月号1〜12頁
題名:放射線による高分子の表面改質)。
【0004】また、分子内に二個以上の重合性不飽和基
を有する(メタ)アクリレート及び光重合開始剤を含有
する光硬化性の水性エマルジョンが市販されている(例
えば、東亞合成社製の商品名「UE−7000」など)
が、このままで親水性を発現するものではなく、光硬化
性の水性エマルジョンによる親水性皮膜は知られていな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、十分な親水性を有し、付着した汚れを水で簡単に落
とすことができ、耐久性に優れた光硬化膜を得ることの
できる光硬化性の水性エマルジョンタイプの親水塗料組
成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は、分子内に2
個以上の重合性不飽和基を有する(メタ)アクリレー
ト、分子内に1個以上の重合性不飽和基と1個以上の親
水基を有する親水性モノマーと、光重合開始剤とを含有
する水性エマルジョンであって、上記(メタ)アクリレ
ート100重量部に対して上記親水性モノマー2〜10
0重量部が含有されていることを特徴とする親水塗料組
成物によって、達成することができる。
【0007】本発明において、分子内に2個以上の重合
性不飽和基を有する(メタ)アクリレートとしては、例
えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクト
ン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチ
レンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリ
レート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロ
パントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテト
ラアクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレ
ート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メ
タ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジア
クリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレー
ト、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート
等のモノマーが使用される。
【0008】また、分子内に2個以上の重合性不飽和基
を有するウレタンアクリレートオリゴマー、エポキシア
クリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリ
ゴマー、ポリエーテルアクリレートオリゴマー等のオリ
ゴマーも使用される。
【0009】これ等の分子内に2個以上の重合性不飽和
基を有する(メタ)アクリレートは、単独で使用しても
よく、二種以上を併用してもよい。
【0010】本発明において、分子内に1個以上の重合
性不飽和基と1個以上の親水基を有する親水性モノマー
は、親水基として、水酸基、スルホン酸基、スルホン酸
塩基、一級、二級、三級アミノ基又はアミド基、四級ア
ンモニウム塩基、カルボン酸基、カルボン酸塩基、リン
酸基、リン酸塩基、ポリエチレングリコール鎖、モルホ
リノ基、硫酸塩基等を有する。なお、酸性基や塩基性基
を有するものは、中和処理を行って使用してもよい。
【0011】上記親水性モノマーのうち、分子内に1個
の重合性不飽和基を有するものとしては、例えば、2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、グリセロール(メ
タ)アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸、スルホン酸ナトリウムエチル(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−
ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−イソ
プロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロ
ピルアクリルアミド、2−メタクリロキシエチルトリメ
チルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリル酸、(メ
タ)アクリル酸ナトリウム、2−(メタ)アクリロイル
オキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキ
シエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエ
チルヘキサヒドロフタル酸、ω−カルボキシ−ポリカプ
ロラクトンモノアクリレート、エチレンオキサイド変性
リン酸(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、スチ
レンスルホン酸等が使用される。
【0012】具体的には、旭電化社製の商品名「アデカ
リアソープNE−10、NE−20、NE−30、NE
−40、SE−10」、日本乳化剤社製の商品名「An
tox−MS−60」、第一工業製薬社製の商品名「ア
クアロンRN−20、RN−30、RN−50、HS−
10、HS−20、HS−1025」、三洋化成(株)
から市販されている商品名「エレミノールJS−2、R
S−30」等が挙げられる。
【0013】また、上記親水性モノマーのうち、分子内
に2個の重合性不飽和基を有するものとしては、例え
ば、N,N′−メチレンビスアクリルアミド、N,N′
−プロピレンビスアクリルアミド、ジアクリルアミドジ
メチルエーテル、1、2ージアクリルアミドエチレング
リコール、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
テトラデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート
等が使用される。
【0014】具体的には、新中村化学社製の商品名「U
A−W1」、「UA−W2」、「UA−W3」、共栄社
化学社製の「エポキシエステル400EA」等が挙げら
れる。
【0015】これ等の分子内に1個以上の重合性不飽和
基と1個以上の親水基を有する親水性モノマーは、単独
で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
【0016】本発明において、光重合開始剤としては、
紫外線で活性化する光重合開始剤、例えば、ソジウムメ
チルジチオカーバメイトサルファイド、テトラメチルチ
ウラムモノサルファイド、ジフェニルモノサルファイ
ド、ジベンゾチアゾイルモノサルファイド及びジサルフ
ァイド等のサルファイド類;チオキサントン、エチルチ
オキサントン、2ークロロチオキサントン、ジエチルチ
オキサントン、ジイソプロピルチオキサントン等のチオ
キサントン誘導体;ヒドラゾン、アゾイソブチロニトリ
ル、ベンゼンジアゾニウム等のジアゾ化合物;ベンゾイ
ン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエー
テル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノ
ン、ジメチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、
ベンジルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、
2−クロロアントラキノン、ベンジルジメチルケター
ル、メチルフェニルグルオキシレート等の芳香族カルボ
ニル化合物;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケ
トン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロ
パン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェ
ニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2,2
−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシアセ
トフェノン等のアセトフェノン誘導体;4−ジメチルア
ミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチ
ル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4−ジエチル
アミノ安息香酸イソプロピル等のジアルキル安息香酸エ
ステル類;ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチル
パーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、キャメンハ
イドロパーオキサイド等の過酸化物;9−フェニルアク
リジン、9−p−メトキシフェニルアクリジン、9−ア
セチルアミノアクリジン、ベンズアクリジン等のアクリ
ジン誘導体;9,10−ジメチルベンズフェナジン、9
−メチルベンズフェナジン、10−メトキシベンズフェ
ナジン等のフェナジン誘導体;4, 4′,4″−トリメ
トキシ−2,3−ジフェニルキノキサリン等のキノキサ
リン誘導体;2,4,5−トリフェニルイミダゾイル二
量体;ハロゲン化ケトン;アシルホスフィンオキシド、
アシルホスフィナート等のアシル化リン化合物等が使用
される。
【0017】また、可視光線で活性化する光重合開始
剤、例えば、2−ニトロフルオレイン、2、4、6−ト
リス(トリクロロメチル)−1、3、5−トリアジン、
3、3′−カルボニルビスクマリン、チオミヒラーケト
ン等も使用される。
【0018】これ等の紫外線及び可視光線で活性化する
光重合開始剤は、単独で使用してもよく、二種以上を併
用してもよい。
【0019】本発明においては、上記分子内に2個以上
の重合性不飽和基を有する(メタ)アクリレート、分子
内に1個以上の重合性不飽和基と1個以上の親水基を有
する親水性モノマーと、光重合開始剤とを用い、これを
水性エマルジョン化することにより親水塗料組成物を調
製する。
【0020】このような水性エマルジョンの親水塗料組
成物を調製するには、例えば、上記(メタ)アクリレー
トと光重合開始剤と親水性モノマーと公知の乳化剤との
混合物に、水をミキサー、ソニケーター等で混合攪拌し
ながら添加する方法、或いは上記(メタ)アクリレート
と光重合開始剤と公知の乳化剤との混合物に、水をミキ
サー、ソニケーター等で混合攪拌しながら添加してエマ
ルジョンを作り、これに親水性モノマーを後添加する方
法などが採用される。親水性モノマーは、そのまま使用
してもよく、水で希釈して使用してもよい。親水性モノ
マーが固体状のものは、水で希釈した方が混合しやす
い。
【0021】ここで、上記親水性モノマーは、少なすぎ
ると得られる光硬化膜の親水性が十分に得られず、逆に
多すぎると得られる光硬化膜の耐水性が悪くなるので、
上記分子内に二個以上の重合性不飽和基を有する(メ
タ)アクリレート100重量部に対して親水性モノマー
2〜100重量部が混合される。光重合開始剤は、上記
分子内に二個以上の重合性不飽和基を有する(メタ)ア
クリレート100重量部に対して、一般に0.1〜20
重量部の範囲で混合される。
【0022】こうして、本発明の親水塗料組成物が得ら
れる。なお、本発明の親水塗料組成物には、必要に応じ
て、微粒子状シリカ等の充填剤、紫外線吸収剤、酸化防
止剤、レベリング剤等が添加されてもよい。
【0023】本発明の親水塗料組成物は、基材の表面に
塗布される。基材としては、ポリオレフィン、ポリエス
テル、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニ
ル等の有機高分子のみならず、ガラス、金属等の無機物
質、不飽和ポリエステル樹脂にガラスファイバーを分散
させたものなど各種複合材料が使用可能である。
【0024】上記基材には、密着性を向上させる目的で
前処理が施されても良い。上記前処理としては、コロナ
放電処理、プラズマ処理、紫外線、電子線、放射線等の
電離活性線による処理、粗面化処理、化学薬品処理、プ
ライマー処理等が挙げられる。
【0025】本発明の親水塗料組成物を基材に塗布する
には、スプレーコート、バーコート、ディッピング、ロ
ールコート、スピンコート、布、不織布などにしみ込ま
せて塗布する方法などが採用される。塗膜の厚さは、乾
燥状態で、一般に1μm以上、好ましくは1〜10μm
である。
【0026】そして、基材に塗布された親水塗料組成物
に紫外線を照射して、(メタ)アクリレート及び親水性
モノマーの重合、架橋を行わせ、基材面に光硬化膜を形
成させる。紫外線の照射には、光源として超高圧水銀
灯、高圧水銀灯、メタルハロライドランプ、キセノンラ
ンプ、低圧殺菌ランプ等が用いられる。紫外線の照射量
は、親水性モノマーの種類、下塗り層中の光重合開始部
の存在量によって異なる、100mJ/cm2 〜20J
/cm2 が適当である。
【0027】
【作用】本発明の親水塗料組成物において、上記(メ
タ)アクリレートは、光重合及び架橋により、基材との
接着性が良好で、耐久性に優れた光硬化膜を形成する。
そして、上記親水性モノマーは、光の照射により上記
(メタ)アクリレートと共に重合し、(メタ)アクリレ
ートの光重合及び架橋により形成される光硬化膜の親水
性を改善し、しかも表面に付着した汚れを水で簡単に落
とすことができるようにする働きを有する。
【0028】また、上記(メタ)アクリレート親水性モ
ノマーをエマルジョン状態にして混合することにより、
両者の分散性を高め、基材との接着性、耐久性及び親水
性が両立する皮膜を簡便な工程により得ることができ
る。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例及び比較例
を挙げて、本発明の利点を説明する。実施例1 分子内に2個以上の重合性不飽和基を有する(メタ)ア
クリレート及び光重合開始剤を含有するエマルジョンと
して、東亞合成化学社製の商品名「UE−7000」を
用いた。このエマルジョンには、分子内に2個以上の重
合性不飽和基を有する(メタ)アクリレートが40重量
%以上含有されている。
【0030】上記エマルジョン100重量部に、分子内
に1個以上の重合性不飽和基と1個以上の親水基を有す
る親水性モノマーとして、三洋化成社製の商品名「エレ
ミノールRS−30」(注:アルキレンオキサイド変性
スルホン酸ナトリウムメタクリレート)(純分50重量
%)25重量部を添加し混合して、親水塗料組成物(エ
マルジョン)を製造した。
【0031】この親水塗料組成物(エマルジョン)を、
メイヤーバーを用いて厚さ3mmのアクリル樹脂板(P
MMA)(三菱レイヨン社製の商品名「アクリライトE
X」)の表面に塗布し、乾燥させて膜厚約2μmのコー
ティング層を形成し、その後このコーティング層に、高
圧水銀灯を光源とし、出力120W/cmで紫外線を1
J/cm2 (約5秒間)照射し、コーティング層を光硬
化させて、親水性皮膜を形成させた。
【0032】実施例2 基材であるアクリル樹脂板に代えて、厚さ3mmのポリ
カーボネート板(PC)(旭硝子社製の商品名「レキサ
ン」)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてコー
ティング層を光硬化させて、親水性皮膜を形成させた。
【0033】実施例3 基材であるアクリル樹脂板に代えて、厚さ3mmのポリ
塩化ビニル板(PVC)(三協化成社製の商品名「サン
プレート」)を用いたこと以外は、実施例1と同様にし
てコーティング層を光硬化させて、親水性皮膜を形成さ
せた。
【0034】実施例4 親水性モノマーである三洋化成社製の商品名「エレミノ
ールRS−30」の添加量を2.5重量部に変更とした
こと以外は、実施例1と同様にしてコーティング層を光
硬化させて、親水性皮膜を形成させた。
【0035】実施例5 親水性モノマーである三洋化成社製の商品名「エレミノ
ールRS−30」の添加量を50重量部に変更としたこ
と以外は、実施例1と同様にしてコーティング層を光硬
化させて、親水性皮膜を形成させた。
【0036】実施例6 親水性モノマーである三洋化成社製の商品名「エレミノ
ールRS−30」に替えて、親水性モノマーである旭電
化社製の商品名「アデカリアソープNE−10」(注:
アリル基及びポリエチレングリコール鎖を有するモノマ
ー)(純分100重量%)25重量部を用いたこと以外
は、実施例1と同様にしてコーティング層を光硬化させ
て、親水性皮膜を形成させた。
【0037】実施例7 親水性モノマーである三洋化成社製の商品名「エレミノ
ールRS−30」に替えて、親水性モノマーである日東
化学社製の商品名「TBAS−Q」(注:2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸)の炭酸ナトリ
ウムで中和した25重量%水溶液25重量部を用いたこ
と以外は、実施例1と同様にしてコーティング層を光硬
化させて、親水性皮膜を形成させた。
【0038】実施例8 親水性モノマーである三洋化成社製の商品名「エレミノ
ールRS−30」に替えて、新中村化学社製の商品名
「UA−W1」(注:4個のアクリロイル基を有する水
溶性のウレタンアクリレート)の50重量%水溶液25
重量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてコー
ティング層を光硬化させて、親水性皮膜を形成させた。
【0039】比較例1 基材として、厚さ3mmのポリカーボネート板(旭硝子
社製の商品名「レキサン」)をそのまま用い、親水塗料
組成物(エマルジョン)は全く塗布しなかった。
【0040】比較例2 親水性モノマーである三洋化成社製の商品名「エレミノ
ールRS−30」(不揮発分50重量%)を全く添加し
ないこと以外は、実施例1と同様にしてコーティング層
を光硬化させて、親水性皮膜を形成させた。
【0041】比較例3 親水性モノマーである三洋化成社製の商品名「エレミノ
ールRS−30」(不揮発分50重量%)を1重量部と
した以外は、実施例1と同様にしてコーティング層を光
硬化させて、親水性皮膜を形成させた。
【0042】比較例4 親水性モノマーである三洋化成社製の商品名「エレミノ
ールRS−30」(不揮発分50重量%)を150重量
部とした以外は、実施例1と同様にしてコーティング層
を光硬化させて、親水性皮膜を形成させた。
【0043】上記各実施例及び各比較例の方法によって
処理した樹脂板について、下記の方法で、表面の親水
性、親水性皮膜と基材との密着性、耐熱水性及び親水性
の経時変化、表面の汚れ除去性を評価した。その結果を
まとめて表1に示す。なお、表1において、(メタ)ア
クリレート及び親水性モノマーの混合割合は、換算し
て、(メタ)アクリレート100重量部に対する親水性
モノマーの混合割合で示した。
【0044】〈親水性の評価〉各実施例及び各比較例の
方法によって処理した樹脂板について、温度23℃、相
対湿度50%の室内で、協和界面科学社製製の「FAC
E接触角計CA−X150型」を用い液滴法によって水
滴接触角(度)を測定し、その表面の親水性を評価し
た。
【0045】〈密着性の評価〉各実施例及び各比較例の
方法によって処理した樹脂板について、その表面にカッ
ターで皮膜を貫通して切り傷を付けて1mm角の碁盤目
を100個形成し、これに25mm幅のセロハン粘着テ
ープ(積水化学社製の♯252、SP粘着力:750g
f/25mm幅)を貼り付け、この粘着テープの一端を
基材の表面に直角に保ち、瞬間的に剥離して残った碁盤
目の数を測定し、基材との接着性を評価した。100個
の碁盤目全てが剥離した状態が0、全て剥離しない状態
が100である。
【0046】〈耐熱水性及び親水性の経時変化〉各実施
例及び各比較例の方法によって処理した樹脂板を50℃
の熱水に24時間浸漬した後、流水で洗浄し乾燥させ
て、その外観及び水滴接触角(度)を測定し、皮膜の耐
熱水性及び親水性の経時変化を評価した。
【0047】〈汚れ除去性〉コーティングを施した基材
の表面に、日本粉体工業技術協会から市販されている商
品名「関東ローム(8種)」90重量部、ホルベイン社
製の商品名「カーボンブラック」10重量部、ディーゼ
ルオイル1重量部、水2000重量部を混合したものを
疑似汚染物質として塗布し、その後直ちに、水を流下さ
せて汚れを落とした。この操作を2回繰り返して、乾燥
させた後、カラーアナライザー(東京電色社製のTC−
1800−II)で明度差を測定し、表面の汚れ除去性を
評価した。この値が0に近い程、汚れが少ないことを示
す。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】上述の通り、本発明の親水塗料組成物に
よれば、製造上有利な短時間の光照射により、基材に十
分な親水性を付与することができる。また、付与した親
水機能は持続し、耐熱水性や接着性が良好で、耐久性に
優れた光硬化皮膜を得ることができる。しかも、透明材
料の基材に対して、透明性を損なわず光硬化皮膜を形成
できる。
【0050】さらに、光硬化皮膜の表面に付着した汚れ
を水で簡単に落とすことができるという顕著な効果を奏
する。この性質を利用して、物品に防汚機能を与えるこ
とができ。特に風雨にさらされる、屋外での使用を目的
とした物品に有効である。
【0051】なお、上記(メタ)アクリレートと親水性
モノマーとは、一般に相溶しにくいものであるが、これ
等のモノマーを水中に分散させたエマルジョンとするこ
とにより、分子内に二個以上の重合性不飽和基を有する
(メタ)アクリレートに親水性モノマーを均一且つ多量
に分散でき、こうして得られる本発明の親水塗料組成物
によれば、多量の親水性モノマーを添加した時に生じる
光硬化皮膜の白化やひび割れを起こすことなしに、十分
な親水性を付与することができるという利点がある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内に2個以上の重合性不飽和基を有
    する(メタ)アクリレートと、分子内に1個以上の重合
    性不飽和基と1個以上の親水基を有する親水性モノマー
    と、光重合開始剤とを含有する水性エマルジョンであっ
    て、上記(メタ)アクリレート100重量部に対して上
    記親水性モノマー2〜100重量部が含有されているこ
    とを特徴とする親水塗料組成物。
JP34618096A 1996-12-25 1996-12-25 親水塗料組成物 Pending JPH10183015A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34618096A JPH10183015A (ja) 1996-12-25 1996-12-25 親水塗料組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34618096A JPH10183015A (ja) 1996-12-25 1996-12-25 親水塗料組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10183015A true JPH10183015A (ja) 1998-07-07

Family

ID=18381659

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34618096A Pending JPH10183015A (ja) 1996-12-25 1996-12-25 親水塗料組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10183015A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6534618B1 (en) 2000-11-27 2003-03-18 Corning Incorporated Methods of drying optical fiber coatings
WO2004058900A1 (ja) * 2002-12-26 2004-07-15 Mitsui Chemicals, Inc. 水酸基含有アクリルアミド誘導体を用いる防汚材料およびその用途
JP2005239832A (ja) * 2004-02-25 2005-09-08 Tsutsunaka Plast Ind Co Ltd 紫外線硬化型防曇組成物
CN100345917C (zh) * 2002-12-26 2007-10-31 东赛璐株式会社 使用含有羟基的丙烯酰胺衍生物的防污材料及其用途
JP2013213199A (ja) * 2012-03-09 2013-10-17 Toto Ltd 親水性皮膜およびコーティング液
JP2014111745A (ja) * 2012-11-09 2014-06-19 Toto Ltd 親水性塗料組成物、親水性塗膜、水回り物品及び親水性塗膜の製造方法
WO2018070227A1 (ja) * 2016-10-14 2018-04-19 株式会社Adeka 防曇塗料組成物及び物品

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6534618B1 (en) 2000-11-27 2003-03-18 Corning Incorporated Methods of drying optical fiber coatings
WO2004058900A1 (ja) * 2002-12-26 2004-07-15 Mitsui Chemicals, Inc. 水酸基含有アクリルアミド誘導体を用いる防汚材料およびその用途
CN100345917C (zh) * 2002-12-26 2007-10-31 东赛璐株式会社 使用含有羟基的丙烯酰胺衍生物的防污材料及其用途
JP2005239832A (ja) * 2004-02-25 2005-09-08 Tsutsunaka Plast Ind Co Ltd 紫外線硬化型防曇組成物
JP2013213199A (ja) * 2012-03-09 2013-10-17 Toto Ltd 親水性皮膜およびコーティング液
JP2014111745A (ja) * 2012-11-09 2014-06-19 Toto Ltd 親水性塗料組成物、親水性塗膜、水回り物品及び親水性塗膜の製造方法
WO2018070227A1 (ja) * 2016-10-14 2018-04-19 株式会社Adeka 防曇塗料組成物及び物品
JP2018062592A (ja) * 2016-10-14 2018-04-19 株式会社Adeka 防曇塗料組成物及び物品
CN109804024A (zh) * 2016-10-14 2019-05-24 株式会社Adeka 防雾涂料组合物和物品
US11084939B2 (en) 2016-10-14 2021-08-10 Adeka Corporation Anti-fogging coating composition and article

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE69738355T2 (de) Verfahren zur Herstellung von Beschichtungen
JP2005213516A (ja) 基材の表面処理方法
JPH0237923B2 (ja)
JPH10183015A (ja) 親水塗料組成物
JPH1143627A (ja) 放射線硬化性樹脂組成物
JP3707868B2 (ja) 基材の表面処理方法
JP3605833B2 (ja) 加熱硬化型防曇剤組成物
JP3756643B2 (ja) 光硬化性樹脂組成物
JP4999137B2 (ja) 親水性ハードコート用組成物、ハードコート用材料及びハードコート膜の形成方法
JPS59157162A (ja) 水による剥離の容易な粘着剤組成物
JP3216262B2 (ja) 車両灯具用加熱硬化型防曇剤組成物及び車両灯具
JPH03247672A (ja) 紫外線硬化型被覆組成物及び紫外線硬化塗膜の作成方法
JP6983766B2 (ja) 開裂可能な架橋剤を含むパターン化されたフィルム物品及び方法
JPH06345805A (ja) 放射線硬化可能な水性分散液
JPH10101827A (ja) 基材の表面処理方法
JPH0741695A (ja) 耐摩耗性被覆組成物
JPH0198685A (ja) 剥離用シート
JPH06102698B2 (ja) 光重合性組成物
CA2118104A1 (en) Radiation curable compositions and their use for coating a substrate
JPS6363757A (ja) 被覆材組成物
JPH07224118A (ja) 硬化性組成物およびその硬化方法
JP2841621B2 (ja) プラスチック成形材料用加熱硬化型防曇剤組成物及び防曇粧膜被覆プラスチック成形材料
JPH0632997A (ja) 紫外線硬化型被覆組成物
JPS6338057B2 (ja)
NO855269L (no) Fotoherdbart belegningsmateriale og fremgangsmaate ved dets fremstilling.