JPH09176349A - 基材の表面処理方法 - Google Patents

基材の表面処理方法

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JPH09176349A
JPH09176349A JP7338928A JP33892895A JPH09176349A JP H09176349 A JPH09176349 A JP H09176349A JP 7338928 A JP7338928 A JP 7338928A JP 33892895 A JP33892895 A JP 33892895A JP H09176349 A JPH09176349 A JP H09176349A
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JP
Japan
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meth
acrylate
base material
substrate
group
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Application number
JP7338928A
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English (en)
Inventor
Takashi Sawara
敬 佐原
Fujiaki Yamakawa
藤明 山河
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造上有利な短時間の処理によって、基材に
耐久性に優れた各種機能を与える。 【解決手段】 基材表面に重層された、分子内に2以上
の不飽和性基を有する(メタ)アクリレート100重量
部と、次の一般式(I) で表される分子0.2〜100重量部からなる下塗り層
表面に機能性モノマーを接触させて紫外線を照射し、該
下塗り層に機能性モノマーをグラフト重合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材表面に各種機
能を与える処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、プラスチック基材、無機材料
基材等に様々な機能を付与する試みがなされてきた。例
えば、プラスチック基材表面を親水化するには、火焔処
理、コロナ処理、低温プラズマ処理等を行って基材表面
に極性基を導入する方法が知られているが、選択的に極
性基の導入することは困難であった。また、親水性能に
経時変化がおこるという問題もあった。
【0003】一方、基材表面に親水性モノマーをグラフ
ト重合させる方法(筏義人、機能材料、2,No.7,
1,1982/筏義人、工業材料、31,No.7,6
2,1983)によれば、導入される官能基の制御が可
能であり、経時変化はほとんどないとされている。しか
し、上記方法は放射線又はプラズマによって基材表面に
ペルオキシド等を生成させ、これを開始点として熱重合
によるモノマーのグラフト重合を行わせるものであり、
熱重合によって充分な親水性能を得るためには長時間を
必要とするため、製造上は不利である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑み、製造上有利な短時間の処理によって、基材に耐久
性に優れた各種機能を与える。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の基材の表面処理
方法は、基材表面に積層された、分子内に2以上の重合
性不飽和基を有する(メタ)アクリレート100重量部
と、次の一般式(I)
【化2】 で表される分子0.2〜100重量部からなる下塗り層
の表面に機能性モノマーを接触させて紫外線を照射し、
該下塗り層に機能性モノマーをグラフト重合させること
を特徴とする。
【0006】本発明で処理を施される基材としては、ポ
リオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹
脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン
等の有機高分子のみならず、ガラス、セラミック、金属
等の無機物質;不飽和ポリエステル樹脂にガラスファイ
バーを分散させたものなど各種複合材料等の処理も可能
である。上記基材には、密着性向上の目的で前処理が施
されていてもよい。上記前処理としては、コロナ放電処
理、プラズマ処理、紫外線、電子線、放射線等の電離活
性線による処理、粗面化処理、化学薬品処理、プライマ
ー処理等が挙げられる。
【0007】上記分子内に2以上の重合性不飽和基を有
する(メタ)アクリレートとしては、ペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
ペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパン
トリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラア
クリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレー
ト、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレー
ト、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、ネ
オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリス
(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(メ
タクリロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられ
る。さらに、2官能以上のウレタンアクリレートオリゴ
マー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、ポリエー
テルアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオ
リゴマー等を用いてもよい。上記分子内に2以上の重合
性不飽和基を有する(メタ)アクリレートは、単独でも
2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0008】上記一般式(I)で表される分子は、開裂
してラジカルを発生するため、機能性モノマーのグラフ
ト重合の開始剤としてはたらき、短時間で充分な各種機
能を発揮する程度まで重合を進行させることが出来る。
さらに、上記分子(I)は重合性不飽和基を有するた
め、機能性モノマーの重合反応の進行と同時に、上記
(メタ)アクリレートと反応して架橋を行い、処理され
た機能性表面の耐久性を向上させる。
【0009】上記分子(I)は、下記の一般式(II)
で表される4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−
(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(チバ・ガイ
ギー社から商品名「イルガキュアー2959」で市販さ
れている。)と2−(メタ)アクリロキシエチルイソシ
アネート又は(メタ)アクリル酸若しくは(メタ)アク
リル酸の誘導体の反応によって、得ることが出来る。
【化3】
【0010】上記重合性不飽和基を有する光重合開始剤
(I)は、(メタ)アクリレート100重量部に対し
て、0.2〜100重量部に限定される。少なすぎる
と、機能性モノマーのグラフト重合が進行せず又は進行
が遅くなるためである。照射量即ち照射時間を大きくす
ることによって上記グラフト重合を進行させることは可
能であるが、短時間の処理によって各種機能を与えると
いう課題に反する。また、多すぎて(メタ)アクリレー
トの割合が減じると、充分な架橋の効果が得られないた
めである。
【0011】上記光重合開始剤(I)と(メタ)アクリ
レートからなる下塗り層に、(メタ)アクリル樹脂、エ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等の疎水性有機高分
子を用いて、上記下塗り層を平滑にすることが出来る。
上記疎水性有機高分子の添加量は、使用する種類によっ
て決定されるが、多すぎると硬度の低下を招くため、
(メタ)アクリレート100重量部に対して300重量
部を超えないことが好ましい。
【0012】本発明の光重合開始剤(I)と(メタ)ア
クリレートからなる下塗り層には、必要に応じて、紫外
線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、界面活性剤等を
添加してもよい。
【0013】上記一般式(I)で表される分子と(メ
タ)アクリレートの混合物を、有機溶剤に溶解させて溶
液とし、スプレーコード、バーコード、ディッピング、
ロールコート、スピンコート等の方法によって基材表面
に塗布して、本発明の下塗り層を設ける。
【0014】上記有機溶剤としては、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノン等のケトン類、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、酢酸エチル、
酢酸ブチル等のエステル類、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラ
ン、ジメチルホルムアルデヒド等が挙げられる。
【0015】上記下塗り層の厚みは、薄すぎると均一な
層を設けることが困難であり、厚すぎると経済性が悪く
なるため、0.1〜20μmであることが好ましい。
【0016】上記下塗り層を設けた基材表面に、機能性
モノマーを接触させた状態で紫外線を照射して、該機能
性モノマーをグラフト重合させる。
【0017】機能性モノマーとしては、親水性、撥水性
のものがよく知られているが、これらに限られず、グラ
フト重合を行う重合性不飽和基を有する構造であればよ
い。本発明は機能性モノマーを限定せず、光重合開始部
を構造中に有する分子を含有する下塗り層を介して、基
材に直接付与できなかった性能を与えることが出来る。
【0018】上記機能性モノマーの例として、親水性モ
ノマーを用いる場合について説明する。コロナ処理等に
よって、基材に親水性基を付与した場合は、当該親水性
基が自発的にいわゆるもぐり込みを行って表面に存在し
なくなることが知られているが、本発明においては、下
塗り層が架橋を行う構成であるため、上記もぐり込みを
起こさずに親水性モノマーを表面に存在せしめることが
出来る。本発明の方法は、基材に親水性を与える手段と
して特に有利である。
【0019】本発明に用いる親水性モノマーは、分子内
に少なくとも1の重合性不飽和基と少なくとも1の親水
基を有するものである。上記親水基としては、水酸基、
スルホン酸基、スルホン酸塩基、一級、二級、三級アミ
ノ基又はアミド基、四級アンモニウム塩基、カルボン酸
基、カルボン酸塩基、リン酸基、リン酸塩基、ポリエチ
レングリコール鎖、モルホリノ基、硫酸塩基等が挙げら
れる。酸性基および塩基性基を有するものはグラフト重
合の前又は後に中和反応を行わせて用いてもよい。
【0020】上記親水性モノマーの具体例として、2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、グリセロール(メ
タ)アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸、スルホン酸ナトリウムエトキシ(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−
ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−イソ
プロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロ
ピルアクリルアミド、2−メタクリロキシエチルトリメ
チルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリル酸、(メ
タ)アクリル酸ナトリウム、2−(メタ)アクリロイル
オキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキ
シエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエ
チルヘキサヒドロフタル酸、ω−カルボキシ−ポリカプ
ロラクトンモノアクリレート、エチレンオキサイド変性
リン酸(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、スチ
レンスルホン酸等が挙げられる。上記親水性モノマー
は、単独でも2種以上を用いてもよい。
【0021】基材に与える親水性能の優劣および耐久性
という観点から、上記親水性モノマーの中で、スルホン
酸基又はスルホン酸塩基を有するモノマーを用いた場合
が、最も好ましい結果を与える。上記スルホン酸基を有
するモノマーとして、2−アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、ビニル
スルホン酸、アリルスルホン酸等が挙げられ、これらの
塩を用いてもよい。
【0022】また、撥水性モノマーとしては、一般式
(IX)で表されるフルオロアルキル(メタ)アクリレ
ート、一般式(X)で表されるジメチルシロキシ基を有
する(メタ)アクリレート等が好適である。
【0023】他には、例えば、トリクロロエチルアクリ
レート、パーフロロエチルアオクチルアクリレート等の
低屈折率モノマーを用いて、基材に反射防止機能を与え
ることが出来る。
【0024】上記機能性モノマーを、上記下塗り層を設
けた基材表面に接触させる方法としては、デッピング、
スプレー法、ポッティング、カーテンコート等によって
塗工する方法、機能性モノマーを気化させて接触させる
方法等が挙げられる。
【0025】塗布作業が容易になるように、機能性モノ
マーを溶媒で希釈して用いてもよい。用いる溶媒は、機
能性モノマーの性質によって適宜選択する。上記親水性
モノマーを用いる場合の溶媒としては、水又は水と極性
溶媒を混合したものが好ましい。上記極性溶媒として
は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソ
プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等
のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シク
ロヘキサノン等のケトン類、メチルセロソルブ、エチル
セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、テト
ラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド等を用いることが出来る。
【0026】上記機能性モノマーを基材表面に接触させ
た状態で、紫外線を照射してグラフト重合を行わせる。
上記紫外線の照射には、光源として超高圧水銀灯、高圧
水銀灯、メタルハロライドランプ、キセノンランプ、低
圧殺菌ランプ等が用いられる。
【0027】紫外線の照射量は、機能性モノマーの種
類、一般式(I)で表される分子中の光重合開始剤の含
有量によっても異なるが、100mJ/cm2 〜20J
/cm 2 が適当である。
【0028】酸素阻害を防止するために、不活性ガス雰
囲気下あるいは透明プラスチックフィルム、ガラス板等
によってラミネートした状態で紫外線照射を行う事が好
ましい。
【0029】機能性モノマーの種類によっては、任意の
後処理を行って重合後の官能基の安定化を行うことが好
ましい。例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸
基を有するモノマーを用いた場合には、アルカリ処理を
行って、当該カルボン酸基等をアルカリ金属又はアルカ
リ土類金属の塩としておくことが好ましい。 上記アル
カリ処理には、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナト
リウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、炭酸マグネシウム等の水溶液又はアルコール溶液
等を用いることが出来る。上記アルカリ溶液の濃度は機
能性表面が侵されないように、0. 1〜5重量%である
ことが好ましい。基材に上記処理を行ったあとは、水洗
等によって余剰付着物を除去することが好ましい。
【0030】本発明の基材と機能性モノマーがグラフト
されている下塗り層の密着性が悪いと、付与した機能の
耐久性に劣る結果を与えるが、本発明の表面処理方法に
おいては上記基材密着性が極めて良好な処理品を得るこ
とが出来る。上記基材密着性の評価は、本発明の表面処
理方法を施した基材の表面に、JIS−K5400の基
盤目試験によって処理品の表面に傷を入れて1mm角の
基盤目を100個作り、JIS−Z1522に規定され
たセロハン粘着テープを処理品の表面に付着させた後、
直ちにこのテープの一端を処理品の表面に直角に保ち、
瞬間的に剥離することによって行う。本発明の表面処理
方法による処理品は、上記方法による剥離の際に、表面
層が剥離しない結果を与える。
【0031】
【実施例】
実施例1 <重合性不飽和基を有する光重合開始剤(化学式(II
I))の合成>冷却管および窒素導入管を備えたガラス
容器内を窒素置換を行い、テトラヒドロフラン(TH
F)30gを入れ、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−
フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(チ
バ・ガイギー社製、イルガキュアー2959)10.0
g(4.46×10-2mol)を溶解させた。2−メタ
クリロキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、カレ
ンズMOI)6.92g(4.46×10-2mol)を
添加して均一な溶液とし、触媒としてジラウリン酸ジ−
n−ブチルスズ90mgを滴下しながら室温にて攪拌を
行った。反応溶液の温度は数分で上昇した。3時間室温
で攪拌を続けた後、反応系を50℃に保って3時間放置
して、反応を完結させた。
【0032】減圧によってTHFを除去して固形状の生
成物を得た。生成物のIRスペクトルをKBr錠剤法に
よって測定した。原料の2−メタクリロキシエチルイソ
シアネートに由来する2280cm-1付近のイソシアネ
ート基に由来する吸収は消失し、生成物のウレタン結合
中のNH基に由来する吸収が3400cm-1付近(NH
伸縮)および1550cm-1付近(NH変角)に観察さ
れた。以上のことから生成物が化学式(III)で示さ
れる構造を持つことを確認した。
【化4】
【0033】<親水性モノマーAの調整>イオン交換水
3.5gに2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸(日東化学社製、TBAS−Q)1.0gを溶
解させ、炭酸ナトリウム0.26gを加えて攪拌し、発
生する二酸化炭素を十分に除去して親水性モノマーAの
水溶液を調整した。
【0034】<下塗り層形成>分子内に2以上の重合性
不飽和基を有する(メタ)アクリレートであるペンタエ
リスリトールトリアクリレート(日本化薬社製、PET
30)100重量部と、化合物(III)10重量部
を、メチルエチルケトン(MEK)400重量部に溶解
させ、メイヤーバーを用いてアクリル板(三菱レイヨン
社製、アクリライトEX、3mm厚)上に塗布した。8
0℃で2分間乾燥させて、乾燥後の厚さ2.0μmの下
塗り層を設けた。下塗り層の組成を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】<グラフト重合>上記親水性モノマーA水
溶液0.1mlを、上記下塗り層上にポッティング塗布
した。これに1mm厚のスライドグラスをラミネートし
た状態で、光源として高圧水銀灯を用いて紫外線を5秒
間(1J/cm2 )照射した。スライドグラスを取り外
し、流水を用いて表面の余剰付着物を洗い流した後に乾
燥させ、表面処理を施した基材を得た。
【0037】実施例2、3 実施例1で用いたペンタエリスリトールトリアクリレー
トに代えて、実施例2はジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレート(日本化薬社製、DPHA)、実施例3は
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアク
リレート(日本化薬社製、DPCA−120)を用いた
こと以外は、実施例1と同様にして表面処理を施した基
材を得た。
【0038】実施例4 ペンタエリスリトールトリアクリレート100重量部、
化合物(III)10重量部、メタクリル樹脂(住友化
学社製、スミペックスB LO6)100重量部を、M
EK800重量部に溶解させ、メイヤーバーを用いてア
クリル板上に塗布した。80℃で2分間乾燥させて下塗
り層を設け、実施例1と同様にグラフト重合を行って表
面処理を施した基材を得た。
【0039】実施例5 化合物(III)の量を0.2重量部としたこと以外
は、実施例1と同様にして表面処理を施した基材を得
た。
【0040】実施例6 化合物(III)の量を100重量部、MEKの量を8
00重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして表
面処理を施した基材を得た。
【0041】実施例7 <親水性モノマーBの調整>イオン交換水3.5gにア
クリル酸(キシダ化学社製)1.0gを溶解させ、炭酸
ナトリウム0.74gを加えて攪拌し、発生する二酸化
炭素を十分に除去して親水性モノマーBの水溶液を調整
した。
【0042】実施例8 実施例1における親水性モノマーAに代えて、下記の親
水性モノマーCを用いたこと以外は、実施例1と同様に
して表面処理を施した基材を得た。 <親水性モノマーCの調整>イオン交換水4.0gに
N,N−ジメチルアクリルアミド(興人社製、DMA
A)1.0gを溶解させて親水性モノマーCの水溶液を
調整した。
【0043】実施例9 基材として、実施例1におけるアクリル板に代えて、ポ
リカーボネート板(旭ガラス社製、レキサン、3mm
厚)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして表面処
理を施した基材を得た。
【0044】実施例10 基材として、実施例1におけるアクリル板に代えて、ポ
リ塩化ビニル板(三協化成社製、サンプレート、3mm
厚)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして表面処
理を施した基材を得た。
【0045】比較例1 化合物(III)の量を150重量部、MEKの量を1
200重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして
表面処理を施した基材を得た。
【0046】比較例2 化合物(III)100重量部、メタクリル樹脂100
重量部を、MEK800重量部に溶解させ、メイヤーバ
ーを用いてアクリル板上に塗布した。80℃で2分間乾
燥させて層を設け、実施例1と同様にグラフト重合を行
って表面処理を施した基材を得た。
【0047】比較例3 ペンタエリスリトールトリアクリレート100重量部、
4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒド
ロキシ−2−プロピル)ケトン10重量部を、MEK4
00重量部に溶解させ、メイヤーバーを用いてアクリル
板上に塗布した。80℃で2分間乾燥させて層を設け、
実施例1と同様にグラフト重合を行って表面処理を施し
た基材を得た。
【0048】比較例4 実施例1の親水性モノマーA水溶液0.1mlを、アク
リル板(三菱レイヨン社製、アクリライトEX、3mm
厚)上にポッティング塗布した。これに1mm厚のスラ
イドグラスをラミネートした状態で、光源として高圧水
銀灯を用いて紫外線を1J/cm2 照射した。スライド
グラスを取り外し、流水を用いて表面の余剰付着物を洗
い流した後に乾燥させ、表面処理を施した基材を得た。
【0049】実施例および比較例の表面処理を施した基
材について、以下の評価を行った。結果を表2に示す。 <対水接触角評価>表面処理を施した基材について、室
温23℃、湿度50%の室内で、接触角計(協和界面科
学社製、CA−X150)を用いて液滴法によって3点
測定を行った。平均値を表2に示す。なお、基材に実施
例1の下塗り層を設けた後、親水性モノマーを塗布せず
紫外線を照射したものについて、同様に接触角を測定し
たところ、61.2度であった。
【0050】<耐熱水性評価>表面処理を施した基材を
70℃の温水中に24時間浸漬した後に流水を用いて洗
浄を行った。上記温水処理を施した基材表面について、
外観および対水接触角評価を行った。外観は透明平滑な
表面を○とした。
【0051】<耐払拭性評価>表面処理を施した基材の
表面を、1cmφ単位円あたり500gの荷重をかけた
状態で、キムワイプ(十条キンバリー社製)によって1
00回払拭した。上記払拭処理を施した基材表面につい
て、外観および対水接触角評価を行った。
【0052】<基材密着性評価>表面処理を施した基材
の表面に、カッターで傷を入れて1mm角の基盤目を1
00個作り、セロハン粘着テープ(積水化学社製、#2
52、25mm幅、SP粘着力750kg/25mm
幅)を付着させた。このテープの一端を処理品の表面に
直角に保ち、瞬間的に剥離して残った基盤目の数で評価
した。100個の基盤目全てが剥離しない状態が10
0、全てが剥離した状態が0である。
【0053】<付着物除去性評価>表面処理を施した基
材の表面に、黒色マジックインキNo.500で描画し
て室温で5分間乾燥させた。流水下でキムワイプを用い
て払拭し、インキの除去性を次のように評価した。 ○:容易に除去 △:強くこすれば除去可能
×:除去不可能
【0054】
【表2】
【0055】
【発明の効果】本発明の表面処理方法によれば、光重合
開始剤を含有する下塗り層を介することによって、製造
上有利な短時間の処理で、基材に親水性、撥水性、反射
防止等の各種機能を与えることが出来る。また、付与し
た機能の耐久性に優れている。さらに、紫外線の照射を
利用しているため、基材の部分毎に、選択的に処理を施
すことが極めて容易である。特に親水性能を与える場合
においては、本発明の表面処理方法は、現在知られてい
る技術に比べて有利である。上記親水性表面を有する物
品は、付着物除去性評価で示したように、水洗で簡単に
汚れを除去することが出来る。この性質を利用して、物
品に防汚機能を与えることが出来、特に風雨にさらされ
る、屋外での使用を目的とした物品に有効である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材表面に積層された、分子内に2以上の
    重合性不飽和基を有する(メタ)アクリレート100重
    量部と、次の一般式(I) 【化1】 で表される分子0.2〜100重量部からなる下塗り層
    の表面に機能性モノマーを接触させて紫外線を照射し、
    該下塗り層に機能性モノマーをグラフト重合させること
    を特徴とする基材の表面処理方法。
  2. 【請求項2】 機能性モノマーが、分子内に少なくとも
    一以上の重合性不飽和基と少なくとも一以上の親水性基
    を有することを特徴とする基材の表面処理方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006510774A (ja) * 2002-12-20 2006-03-30 チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド 反応性被膜の形成方法
JP4755758B2 (ja) * 1998-10-28 2011-08-24 チバ ホールディング インコーポレーテッド 密着性の優れた表面被覆の製造方法

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