JP4997847B2 - 切断加工装置 - Google Patents
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特許文献1の装置においては、被加工物を保持するクランプおよび被加工物を載置する搬送ベルトを同一方向に同一速度で移動させるとともにレーザ光を照射する加工ヘッドを搬送ベルトと直交する方向に移動させることで、被加工物を所要の形状に切断加工するようになっている。
また、特許文献2の装置は、水平面のY軸方向に移動可能な加工ヘッドと、上記Y軸方向と直交する方向に移動可能なテーブルとを備えており、このテーブルには切断加工時と製品搬出時とで支持位置を切換えられる切換えテーブルを設けている。
他方、特許文献2の装置においては、被加工物を搬入するためのリフタを備えるとともに被加工物を保持するクランプ機構を備えている。そして、切断加工後に製品部分を搬出する際には、製品部分を支持した切換えテーブルのベルトを下方に傾斜させることで製品部分を他のベルトに移載するようにしていたものである。その際、製品部分の裏面に繊細な印刷が施されていたり、鏡面仕上げがされている被加工物では、ベルトに対して製品部分が滑ってその裏面に傷が付く可能性があった。
そのため、製品部分の表面に傷付きを防ぐために被加工物の表面及び裏面に保護フィルムを貼り付けていたが、可能であればそのような保護フィルムを省略することが望まれていたものである。
上記加工テーブルは、被加工物を支持してX方向に移動可能な搬送ベルトと、被加工物を保持してX方向に移動可能な保持手段と、上記保持手段を昇降させて該上記保持手段の高さを上下3段階に変更可能であるとともに、その中間高さでは上記搬送ベルトによる被加工物の支持と同一高さで保持する昇降手段とを備えて、
上記搬送ベルトの載置面に被加工物を支持するとともに該被加工物を上記保持手段によって保持した状態で、上記搬送ベルトと上記保持手段を同一速度で同期してX方向に移動させ、かつ上記加工ヘッドをY方向に移動させて被加工物から製品部分を切断し、
上記搬送ベルトに支持された製品部分よりも上方まで上記保持手段に保持された被加工物の残材を上記昇降手段によって上昇させてから上記搬送ベルトによって製品部分を排出するようにしたものである。
本実施例の加工テーブル2は、図示しない固定フレーム上に隣接させて水平に配置されてX方向に走行される一対の搬送ベルト4,4’と、これら搬送ベルト4,4’を上方から覆うように配置した枠状のワークテーブル5と、このワークテーブル5をX方向に走行させる水平移動手段6と、所要時にワークテーブル5を昇降させる昇降手段7とを備えている。そして、ワークテーブル5の両側部に被加工物Wの両側部を保持する保持手段8を設けている。
制御装置によって両モータ12,12が同期して同一方向に回動されるとワークテーブル5が水平面のX方向に移動されるようになっている。
両搬送ベルト4,4’における被加工物Wの載置面は水平で同じ高さに設けられており、両搬送ベルト4,4’の内側はX方向に所定距離だけ離隔させて配置されている。
後に詳述するが、搬入位置Aにおいて被加工物Wが供給されるとワークテーブル5の保持手段8によって保持されて水平移動手段6により加工位置Bとする加工ヘッド3の下方の位置まで水平移動されるようになっている。その際、ワークテーブル5の水平移動に同期して搬送ベルト4,4’が同一速度でX方向に移動される。
また、図5(b)に示すように、両搬送ベルト4,4’の間には、切断加工中に生じる加工屑を回収するための回収手段17を配置している。また、回収手段17は集塵装置に接続されており加工ヘッド3から噴射されるアシストガスとともにレーザ光が照射されることにより被加工物Wが溶融して発生する煙を吸引するようになっている。なお、図面を簡略化するために、他の図面においては、回収手段17の記載を省略している。
被加工物Wは開口部5Dの上方から供給され、被加工物Wの両側部はワークテーブル5の両側部5A,5B上内方側に形成される被加工物Wの支持面5E,5Fに支持されるようになっており、その状態における被加工物Wの両側部が一対の保持機構8A,8Bによって保持されるようになっている。搬送ベルト4,4’上に位置する連結部5C,5Cの下面は、被加工物Wの支持面5E,5Fよりも所定寸法だけ上方に位置している。
回転軸21の外周には、4個の挟持部材23の基部23Aを軸方向に摺動自在に嵌合させている(図4参照)。この挟持部材23の基部23Aは回転軸21に対して相対回転しないけれども、回転軸21を軸方向に摺動可能となっており、それによって、回転軸21における軸方向の所要位置に挟持部材23を移動させることができるようになっている。また、挟持部材23の板部23Bは薄板状に形成されて可撓性を備えており、板部23Bの自由端側の下面には滑り止めのシリコンゴムが貼り付けられている。
上記回転軸21の一端部に設けたタイミングプーリー24とロータリーアクチュエータ22の駆動軸に取付けたタイミングプーリー25とにわたってタイミングベルト26を掛け渡している。ロータリーアクチュエータ22は制御装置によって作動を制御されるようになっており、制御装置によってアクチュエータ22が回転駆動されると、回転軸21が回転されるようになっている。
ワークテーブル5の側部5B側にも同様の保持機構8Bが設けられており,両側の保持機構8A,8Bのロータリーアクチュエータ22,22は同期して逆方向に回転駆動されるようになっている。
そして、ワークテーブル5が搬入位置Aに停止して挟持部材23が解放位置にあるときに、ワークテーブル5の支持面5E,5F上に図示しないロボット等の供給手段によって被加工物WをY方向の外方側から送り込んで載置させ、その状態から制御装置が両ロータリーアクチュエータ22,22を同期して所定方向に回転させると、回転軸21,21が回転されて各挟持部材23,23の板部23B,23Bが被加工物Wの上面を下方に押圧して被加工物Wの両側部がワークテーブル5の支持面5E,5Fと挟持部材23,23の板部23B,23Bとに挟持されて保持されるようになっている。一方、この保持状態から制御装置が各ロータリーアクチュエータ22,22を逆転させると、回転軸21,21とそれに設けた挟持部材23,23も逆転されて、挟持部材23,23の板部23B,23Bが鉛直上方を向けた解放位置に位置して、保持機構8A,8Bによる被加工物Wの保持状態が解放されるようになっている。
また、スライドベース13の上面にはガイドレール27,27の内側に1対のロッド31,31がX方向に離隔させて鉛直上方に向けて立設され、それらの間となるスライドベース13の上面にシリンダ機構32が鉛直上方に向けて取付けられている。他方、ワークテーブル5の側部5Aの下面には一対のロッド31,31のそれぞれの近傍位置に鉛直下方に向けて一対のロッド33,33が立設され、また、ワークテーブル5の側部5Aの下面にはシリンダ機構32の真上にシリンダ機構34が鉛直下方に向けて設けられている。
下方側の両ロッド31の上方外周部はねじ部31aとしてあり、このねじ部31aを中間部材35の両端部に穿設した貫通穴に下方側から貫通させてから、ねじ部31aの上端部にダブルナット36が位置決め螺合されている。また、上方側の両ロッド33の下方外周部もねじ部33aとしてあり、このねじ部33aを上方側から中間部材35の両端部に穿設した貫通穴に上方側から貫通させて、該ねじ部33aの上下2箇所にそれぞれダブルナット37が位置決め螺合されている。
後述するように下方のシリンダ機構32が伸長されると中間部材35と他方のシリンダ機構34を介してワークテーブル5が上昇されるようになっており、その際の中間部材35の上昇端位置はダブルナット36によって規制される。また、上方のシリンダ機構34の伸縮状態におけるワークテーブル5の高さは上記上下位置のダブルナット37によって規制されるようになっている。
また、上方のシリンダ機構34が短縮され、下方のシリンダ機構32が伸長された状態では、ワークテーブル5は中間位置に位置し、その位置では、ワークテーブル5の支持面5E、5Fが両搬送ベルト4,4’の載置面と同一高さになるように設定されている(図5a、図5b参照)。そして、両シリンダ機構32,34がともに短縮された状態では、ワークテーブル5は下降端位置に位置するようになっている(図3参照)。この位置では、ワークテーブル5の支持面5E,5Fは両搬送ベルト4,4’の載置面よりも所定寸法だけ下方側に位置するになっている(図5d)。なお、ワークテーブル5の側部5B側にも、同一の昇降機構7Bが設けられ、上下のシリンダ機構32,34は制御装置により同期して制御されるようになっている。
このように、本実施例においては、制御装置によって昇降手段7の両シリンダ機構32,34の作動を制御することで、ワークテーブル5の高さを上昇端位置、中間位置および下降端位置の三段階に変更できるようになっている。
この状態から被加工物Wが図示しない供給手段によってワークテーブル5の開口部5Dを介して搬入位置Aに供給される。これにより、被加工物Wの両側部がワークテーブル5の支持面5E,5F上に支持され、かつ被加工物Wの中央側は搬送ベルト4’の載置面に支持される。この後、制御装置によって保持手段8の両ロータリーアクチュエータ22,22が作動され,保持手段8の挟持部材23,23が挟持位置まで回転して被加工物Wの両側部がワークテーブル5に保持される。
そして、この状態から制御装置によって加工ヘッド3から被加工物3に向けてレーザ光が照射されて切断加工が開始されて、加工ヘッド3はY方向に移動されるとともにX方向は両搬送ベルト4,4’及びワークテーブル5が同期して同一速度で同一方向に移動される。これにより、被加工物Wと加工ヘッド3から照射されているレーザ光がXY方向に相対移動されるので、被加工物Wが所要の形状に切断されるようになっている(図5b)。切断中に生じる加工屑は両搬送ベルト4,4’の間に配置された回収手段17によって回収されるようになっている。
この後、両搬送ベルト4,4’が同期して同一方向に走行されるので、それらに支持された製品部分W’は搬送ベルト4の外方側となる搬出位置Cへ搬送され、図示しない移載手段により搬送ベルト4上から搬出されるようになっている(図5c参照)。
この後、残材W’’の排出の間にワークテーブル5は昇降手段7によって中間位置まで上昇されるとともに水平移動手段6によって搬入位置Aまで移動されるようになっている(図5a参照)。
この後、上述した作動説明と同じ作動工程によって新たな被加工物2の供給とそれに対する切断加工、製品部分W’の排出とその後の被加工物Wの残材W’’の排出が行われるようになっている。
また、製品部分W’の表面の損傷を防止できるので、加工開始前の被加工物Wの表面に保護フィルムを貼り付ける必要が無く、そのような手間を省略することができる。
また、上記実施例ではワークテーブル5の支持面5E,5Fと挟持部材23により保持手段8を構成していたが、ワークテーブル5上に別の保持手段を設けたり、被加工物の上面を吸着して保持するものであっても良い。
なお、被加工物の搬入位置A、搬出位置Cを同じ位置にしたり、その製品部分W’と残材W”を逆方向に排出したりというように、レーザ加工装置1の配置状態に応じて被加工物と製品部分及び残材の搬入方向や排出方向を適宜変更することも可能である。
なお、上記実施例は本発明をレーザ加工装置に適用した場合について説明したが、高圧水を用いて被加工物を切断する切断加工装置やレーザ光と高圧水を用いて被加工物を切断するハイブリッド切断加工装置にも本発明を適用することができる。
3…加工ヘッド 4,4’…搬送ベルト
7…昇降手段 8…保持手段 W…被加工物 W’…製品部分
W”…残材
Claims (2)
- 被加工物を支持して水平面のX方向に移動可能な加工テーブルと、上記X方向と直交する水平面のY方向に移動可能に設けられて被加工物に切断加工を施す加工ヘッドとを備えた切断加工装置において、
上記加工テーブルは、被加工物を支持してX方向に移動可能な搬送ベルトと、被加工物を保持してX方向に移動可能な保持手段と、上記保持手段を昇降させて該保持手段の高さを上下3段階に変更可能であるとともに、その中間高さでは上記搬送ベルトによる被加工物の支持と同一高さで保持する昇降手段とを備えて、
上記搬送ベルトの載置面に被加工物を支持するとともに該被加工物を上記保持手段によって保持した状態で、上記搬送ベルトと上記保持手段を同一速度で同期してX方向に移動させ、かつ上記加工ヘッドをY方向に移動させて被加工物から製品部分を切断し、
上記搬送ベルトに支持された製品部分よりも上方まで上記保持手段に保持された被加工物の残材を上記昇降手段によって上昇させてから上記搬送ベルトによって製品部分を排出することを特徴とする切断加工装置。 - 上記保持手段は、Y方向における対向位置に搬送ベルトを挟んで配置され、被加工物の両側部を保持することを特徴とする請求項1に記載の切断加工装置。
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