JP4996048B2 - 感覚刺激増強剤 - Google Patents

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Description

本発明は、メントールやカプサイシンなどの感覚刺激物質と併用することにより、その刺激を増強し、持続させ、拡散させることのできる感覚刺激増強剤に関する。
メントールはハッカ特有の清涼な香味を有し、チューインガム、キャンディ、錠菓、アイスクリーム、飲料などの飲食物に用いられる他、歯磨き、口中清涼剤、洗口剤などの口腔用組成物にも使用され、また、強い冷涼感を示すことから各種化粧料に使用されるなど、極めて有用性の高い感覚刺激物質である。一方、カプサイシンなどは強い温感作用を有し、食品のみならず各種化粧料に使用される、これもまた有用性の高い感覚刺激物質である。人の感覚刺激に訴求する製品の最近の傾向としては、より強い冷涼感、より強い温感など、刺激の極めて強い製品が求められてきており、そのため、各種感覚刺激物質の含有率を上げた商品開発が検討されているが、いずれも含量が高くなると結晶化しやすくなったり、あるいは皮膚障害を引き起こす可能性があるなど、問題となることが指摘されてきている。
特定の感覚刺激物質の刺激を増強する物質としては、例えばメントールと、フィロズルチン、スピラントール、アネトール、ガジュツ抽出物、ラベンダー油、ソブレロール、2−ヒドロキシシネオール類、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド、ジオキソラン−2−酢酸誘導体などを併用し、感覚刺激を増強する方法が知られている(非特許文献1)。
不特定の感覚刺激物質と併用し、その刺激をコントロールする物質としては、例えばl−メントキシプロパン−1,2−ジオールと芳香族アルデヒドのケタールが、冷感剤、温感剤、刺激剤などの感覚剤組成物とともに用いることにより、接触と同時に即時に知覚できる技術(特許文献1)が提案されてきている。しかしながら、この物質を調製することは容易であるとは言えず、より簡便で、より効果的な技術の開発が望まれていた。
特開2001−279227号公報 特許庁公報 周知・慣用技術集(香料)第I部 香料一般 211−215頁
解決しようとする課題は、感覚刺激物質の感覚刺激を増強するための、簡便で効果的な方法が無いという点である。
上記課題を解決するために、本発明者らは、古くから食用に供されて人体内に摂取され、高い安全性が実証されている多種多様の天然物成分を鋭意検索した結果、意外にも、キナ酸もしくはその誘導体、これらを含む茶葉抽出物、コーヒー豆加水分解物などに感覚刺激物質の感覚刺激を非常に強く増強する効果があることを見いだし、また、当該キナ酸誘導体等は強い香気・香味を有せず、またごく少量の添加でも効果を示すため、感覚刺激物質と組み合わせても本来の使用感に支障をきたさないということを見いだし、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、一般式(1):
Figure 0004996048
(式中、R、R、R、Rは同一又は異なって水素又はポリヒドロキシシンナモイル基を表す。)で表されるキナ酸誘導体を含有することを特徴とする感覚刺激物質の感覚刺激増強剤であり、また、一般式(2):
Figure 0004996048
(式中、R、R、R、Rは同一又は異なって水素又はポリヒドロキシシンナモイル基を表す。)で表されるキナ酸誘導体からなる感覚刺激物質の感覚刺激増強剤であり、詳しくは、式(1)又は式(2)で表されるキナ酸誘導体が、キナ酸、3−カフェオイルキナ酸(クロロゲン酸)、1−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸、5−カフェオイルキナ酸、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸又は4,5−ジカフェオイルキナ酸であることを特徴とする。
また、本発明は、茶葉から水及び/又は極性有機溶媒を用い抽出して得られるキナ酸を含む抽出物からなることを特徴とする感覚刺激物質の感覚刺激増強剤である。そして、茶葉から極性有機溶媒を用い抽出して得られるキナ酸を含む抽出物を更に精製工程に付して得られる精製物からなること;精製が吸着剤による処理であること;精製が吸着剤による処理と、分離膜による処理、有機溶媒添加による不溶物処理及び陽イオン交換樹脂による処理から選択される1又は2以上の精製方法との併用であることをそれぞれ特徴とする。
また、本発明は、コーヒー豆抽出物を加水分解処理し、加水分解処理物を精製して得られるキナ酸を含むコーヒー豆加水分解物からなることを特徴とする感覚刺激増強剤である。そして、コーヒー豆抽出物を、酵素を用いて加水分解処理し、不溶物を除去後加水分解処理物を吸着剤と接触させて精製して得られるキナ酸を含むコーヒー豆加水分解物からなることを特徴とする。
また、本発明は、感覚刺激物質がメントール、メンチルアセテート、メンチルラクテート、メンチル3−ヒドロキシブチレート、メントキシプロパン−1,2−ジオール、メントン、メントンケタール、イソメントン、イソプレゴール、カンファー、サビネンハイドレート、ピペリトール、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド、カプサイシン、カプサイシノイド、バニリルアルカノエート、バニリルアルキルエーテル、ピペリン、ジンゲロン、ジンゲロール、サンショオール、アルケニルイソチオシアネートから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする前記感覚刺激増強剤であり、また、添加量が感覚刺激物質1質量部に対して10−4〜1質量部であることを特徴とする。
また、本発明は、感覚刺激増強剤が0.01〜500ppm添加されてなる感覚刺激物質を含む外用剤、経口摂取可能な製品又は口腔内で使用される製品であり、また、感覚刺激増強剤を、感覚刺激物質を含む外用剤、経口摂取可能な製品又は口腔内で使用される製品に、感覚刺激増強有効量を添加することを特徴とする感覚刺激増強法である。
また、本発明は、一般式(2):
Figure 0004996048
(式中、R、R、R、Rは同一又は異なって水素又はポリヒドロキシシンナモイル基を表す。)で表されるキナ酸誘導体を含有することを特徴とするTRP受容体活性化組成物である。
本発明の感覚刺激増強剤は、感覚刺激剤自体の香気・香味を阻害することなく感覚刺激を増強し、感覚刺激の発現性、持続性、拡散性を向上し、かつ、異味異臭を感じさせることが無い、優れた感覚刺激増強剤を提供する。本発明の感覚刺激増強剤は強い感覚刺激を与えることもできるし、また、通常の感覚刺激剤の使用量と比較して少ない量で同等の感覚刺激を与えることができ、結果として結晶析出や皮膚障害の危険を避けることができる。また、本発明の感覚刺激増強剤は容易に調製、入手することができ、経済性に優れる感覚刺激増強剤である。
キナ酸の誘導体であるクロロゲン酸、1−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸、5−カフェオイルキナ酸、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸、4,5−ジカフェオイルキナ酸などのポリヒドロキシシンナモイルキナ酸等からなる感覚刺激増強剤もキナ酸からなる感覚刺激増強剤とほぼ同様の効果を奏する。茶葉から水及び/又は極性有機溶媒を用いて抽出して得られるキナ酸を含む抽出物からなる感覚刺激増強剤もキナ酸と同様に安全性、経済性に優れるが、特にキナ酸単独からなる感覚刺激増強剤に比べて感覚刺激製品に添加した場合の感覚刺激増強効果は一層向上する。コーヒー豆抽出物を加水分解処理し、加水分解処理物を精製して得られるキナ酸を含むコーヒー豆加水分解物からなる感覚刺激増強剤も、上記増強剤と同様に、安全性、経済性に優れ、感覚刺激増強効果も高い。
(1)感覚刺激製品
本発明において、感覚刺激増強の対象とされ、感覚刺激増強剤が適用される感覚刺激製品とは、感覚刺激物質を含む製品である。感覚刺激物質とは、例えばメントール、メンチルアセテート、メンチルラクテート、メンチル3−ヒドロキシブチレート、メントキシプロパン−1,2−ジオール、メントン、メントンケタール、イソメントン、イソプレゴール、カンファー、サビネンハイドレート、ピペリトール、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド、カプサイシン、カプサイシノイド、バニリルアルカノエート、バニリルアルキルエーテル、ピペリン、ジンゲロン、ジンゲロール、サンショオール、アルケニルイソチオシアネートなどが例示され、これらを使用した化粧料、浴剤などの外用剤、食品、飲料、医薬品や医薬部外品などの経口摂取可能な製品又は口腔内で使用される製品であるが、具体的には、外用剤:化粧品、シャンプー、リンス、ヘアーコンディショナーなどのヘアーケアー製品、ボディシャンプーなどのボディケア−製品、ハップ剤、入浴剤、虫除けスプレーなどや、経口摂取可能な製品又は口腔内で使用される製品:チューインガム、キャンディ、錠菓、アイスクリーム、飲料、歯磨き、口中清涼剤、洗口剤などが挙げられる。
(2)キナ酸誘導体
本発明におけるキナ酸誘導体にはキナ酸そのものも含まれる。本発明の感覚刺激増強剤に使用するキナ酸、すなわち1,3,4,5−テトラヒドロキシシクロヘキサン−1−カルボン酸は、化学合成物として通常の市販品をそのまま使用することもできるが、天然由来物、すなわちキナ酸もしくはキナ酸誘導体を含む天然物から抽出し単離して得られるものを広く使用することもできる。そのような天然物の例としては、例えば茶葉、コーヒー、オオムギ、サツマイモ、バレイショ、ヤムイモ、サトイモ、キャベツ、シュンギク、アーティチョーク、チコリー、ヒマワリ、ゴボウ、フキ、ナスビ、トマト、コウサイ、レンコン、ダイズ、ソラマメ、グアー、リンゴ、ナシ、モモ、セイヨウスモモ、ウメ、アンズ、セイヨウミザクラ、セイヨウスミザクラ、ビワ、オランダイチゴ、クロキイチゴ、ラズベリー、クランベリー、クロスグリ、アカスグリ、セイヨウスグリ、ブルーベリー、ツルコケモモ、コケモモ、アボカド、オリーブ、キウイフルーツ、パインアップル、アマダイダイ、カカオ、マテ、メース、アニス、フェネル、コリアンダー、キャラウェイ、スターアニスなどが挙げられる。
キナ酸誘導体は、キナ酸残基を有していれば特に限定されるものではないが、キナ酸とポリヒドロキシ桂皮酸のエステルが好ましく、ポリヒドロキシ桂皮酸としてはカフェー酸、フェルラ酸、クマル酸等を挙げることができる。具体的にはクロロゲン酸等のカフェオイルキナ酸類、ジカフェオイルキナ酸類、フェルロイルキナ酸類、p−クマロイルキナ酸等のクマロイルキナ酸類等を挙げることができるが、クロロゲン酸、1−、4−、又は5−カフェオイルキナ酸、3,4−、3,5−又は4,5−ジカフェオイルキナ酸が好ましく、特にクロロゲン酸(すなわち3−カフェオイルキナ酸)が好ましい。これらに関しても化学合成物や天然由来物を広く使用することができ、通常の市販品をそのまま使用することもできる。例えば、生のコーヒー豆にはクロロゲン酸が多量に含まれるので、コーヒー生豆から抽出したクロロゲン酸を含む抽出物をそのままあるいは精製して感覚刺激増強剤として使用することができる。
(3)キナ酸を含む茶葉抽出物
1)原材料
原材料の茶葉は、ツバキ科茶の樹(Camellia sinensis var.) の芽、葉、茎であり、品種、産地を問わず使用することができ、また、生であっても、前処理を施したものであってもよい。茶の前処理方法としては不発酵、半発酵、発酵があるが、いずれの処理方法によるものでもよい。不発酵茶としては緑茶(煎茶、玉露、かぶせ茶、番茶、玉緑茶、抹茶、ほうじ茶等)、半発酵茶としてはウーロン茶、包種茶等、発酵茶としては紅茶が挙げられる。
2)抽出
原材料の茶葉を水及び/又は極性有機溶媒を用いて抽出する。極性有機溶媒としてはメタノール、エタノール、2−プロパノール、アセトン等の溶媒が例示され、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができ、必要に応じて水との混合形態すなわち水溶液の形で使用される。抽出に用いる溶媒は人体への安全性と取扱性の観点から水又はエタノール、プロパノール、ブタノールのような炭素数2〜4の脂肪族アルコールが望ましく、特に水又はエタノール又はこれらの混合物が最も望ましい。抽出に用いる溶媒の量は任意に選択できるが、一般には茶葉の1〜30倍量(重量)が用いられ、好ましくは5〜20倍量が用いられる。抽出の温度及び時間は任意に定めることができ、特に限定されるものではないが、10〜100℃にて1〜12時間、好ましくは1〜2時間が適当である。茶葉等から抽出した抽出液は不溶物を除去した後、そのまま感覚刺激増強剤として使用することもできるが、抽出液を必要に応じて濃縮した後、下記の精製処理を行うことにより、更に増強効果に優れた感覚刺激増強剤を得ることができる。
3)精製
前記抽出処理に続く精製処理により、着色物質、カフェイン、カテキン類、多糖類、たんぱく質、カルシウム、カリウム、ナトリウム等のミネラル成分、テアニン等のアミノ酸類等の夾雑物が除去され、感覚刺激増強効果が更に高められる。好適な精製方法としては、以下に述べるように、(A)吸着剤による処理、(B)分離膜による処理、(C)有機溶媒添加による不溶物処理及び(D)陽イオン交換樹脂による処理、を挙げることができ、中でも(A)吸着剤による処理が好ましい。
(A)吸着剤による処理
前記工程で得られた抽出液を、合成吸着剤又は活性炭のような吸着剤に接触させる精製方法である。吸着剤の比表面積が300〜600m/g、細孔径が50〜300オングストロームのものが好適である。吸着剤の種類としては、合成吸着剤であれば特に限定されるものではなく、例えばスチレン−ジビニルベンゼン共重合体系樹脂の合成吸着剤である「ダイヤイオンHP」(三菱化学社製、商品名)やアクリル酸エステル系樹脂の合成吸着剤「アンバーライトXAD−7」(オルガノ社製、商品名)などが挙げられる。これら樹脂に接触させる方法はバッチ式、カラム式のいずれでも良いが、商業的生産規模ではカラム方式の方が一般的で、好ましい処理条件としては空間速度SV=1を挙げることができる。
(B)分離膜による処理
膜(濾過)処理により高分子である多糖類及びたんぱく質を除去して精製する方法であり、膜の種類としては限外濾過膜、逆浸透膜、透析膜を利用できる。
(C)有機溶媒添加による不溶物処理
抽出液又はその濃縮液に有機溶媒を添加して、析出する不溶物を除去することにより精製する方法である。添加する有機溶媒は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、アセトン等が例示され、中でも安全性と取扱性の点からエタノールが好適である。添加量は特に限定されるものではないが抽出液又は濃縮液1質量部に対して0.1〜10質量部が用いられる。
(D)陽イオン交換樹脂による処理
抽出液又は濃縮液を陽イオン交換樹脂に接触することにより精製する方法である。吸着能力、強度の観点からイオン交換体のマトリックスが有機合成ポリマーのものが好ましい。陽イオン交換樹脂の種類は特に限定されるものではないが、例えば好適なものとしてスチレン系樹脂でスルホン酸基を交換基とする「アンバーライトIRA−400」(オルガノ社製、商品名)や「ダイヤイオンSK1B」などが挙げられる(三菱化学社製、商品名)。
より増強効果の高い感覚刺激増強剤を得るための最も好ましい精製方法としては、上記の吸着剤による処理を必須とし、更に分離膜による処理、有機溶媒添加による不溶物処理及び陽イオン交換樹脂による処理から選択される1又は2以上の精製方法を組み合わせて併用する。精製工程で得られた液状組成物はそのままで感覚刺激物質の感覚刺激増強剤として使用できるが、減圧濃縮や凍結乾燥などにより溶媒を除去し、粉末状として使用するのが好ましい。
(4)キナ酸を含むコーヒー豆加水分解物
1)原材料
原材料のコーヒー豆は、産地品種により制限されることなく任意の豆を用いることができる。生のコーヒー豆にはクロロゲン酸類が多量に含まれているが、焙煎したコーヒー豆には焙煎時にクロロゲン酸類が加水分解されてキナ酸が生じている。従って、原材料が焙煎したコーヒー豆である場合は、茶葉と同様に前述の抽出精製工程を経て感覚刺激増強剤とすることができる。
コーヒー生豆などクロロゲン酸等のキナ酸誘導体が含まれる原材料の場合は、クロロゲン酸等を含む抽出物をそのまま感覚刺激増強剤として使用することができるが、キナ酸の感覚刺激増強効果がクロロゲン酸等より高いことから、クロロゲン酸等を加水分解してキナ酸を含む抽出物とするのが好ましい。また、加水分解により得られたキナ酸を含む抽出物から未反応のクロロゲン酸等を除去することにより、クロロゲン酸等に由来する苦味が除去された、更に効果の高い感覚刺激増強剤を得ることができる。この場合は、水及び/又は極性有機溶媒により抽出し、その後溶媒を除去して酵素又はアルカリにて加水分解したものを精製工程に付して感覚刺激増強剤を得ることができる。
2)抽出液の加水分解処理
コーヒー生豆を用いる場合、クロロゲン酸等として得られた抽出液を加水分解する際は、不溶物を除去した後、必要に応じて濃縮工程を経て、好適には以下のように酵素又はアルカリを用いて加水分解する。
(A)酵素による加水分解
得られた抽出液が水抽出液の場合はそのまま、水溶性溶媒を含む場合は濃縮等により水溶性溶媒の量を5%以下にした後、酵素処理を行うことが望ましい。酵素分解にはタンナーゼ又はクロロゲン酸エステラーゼが用いられる。利用できるタンナーゼの種類としては特に限定されるものではなく、麹菌などの糸状菌、酵母、細菌などの微生物、特にAspergillus属やPenicillium属から産生されるタンナーゼを挙げることができるが、好ましくはAspergillus属、特に好ましくはAspergillus oryzeから産生されるタンナーゼが用いられる。
利用できるクロロゲン酸エステラーゼの種類についても特に限定されるものではなく、Aspergillus属、Penicillium属、Botrytis属などの糸状菌により産生されるものを挙げることができるが、好ましくはAspergillus属、特に好ましくはAspergillus japonicsやAspergillus nigerから産生されるクロロゲン酸エステラーゼが用いられる。これらの酵素は、キッコーマン株式会社より入手することもできる。また、これらの酵素は各種の固定化方法により固定化したものを使用することで、更に好便な効果を得ることも可能となる。酵素分解の条件は特に限定されるものではないが、好ましくは30〜50℃で1〜48時間、特に好ましくは35〜45℃で2〜24時間が適当である。
酵素分解物は不溶物を濾過除去後、精製工程に付されるが、精製方法としては好ましくは合成樹脂吸着剤に接触することにより、未反応のクロロゲン酸、副生成物のカフェー酸、或いはカフェイン等の夾雑物や苦味成分を除去することにより精製される。また、吸着剤は比表面積が300〜600m/g、細孔径が50〜300オングストロームのものが好ましく、例えばスチレン−ジビニルベンゼン系合成吸着剤「ダイヤイオンHP」(三菱化学社製、商品名)などを使用でき、「ダイヤイオンHP−20」(三菱化学社製、商品名)が特に好ましい。これら陽イオン交換樹脂や合成樹脂吸着剤に接触させる方法はバッチ式、カラム式いずれでも良いが、商業生産規模ではカラム方式の方が一般的で、好ましい処理条件としては空間速度SV=1が挙げられる。
(B)アルカリによる加水分解
アルカリ加水分解を行う場合は、コーヒー豆を微粉砕し、これにアルカリ水溶液を加えて60〜90℃で10〜60分間加熱攪拌する。アルカリ水溶液としては、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどの水溶液が用いられ、好ましくは水酸化カルシウムが用いられる。加水分解後、反応液に、塩酸、硫酸、蓚酸、リン酸などの酸を加えて中和処理する。
中和処理した加水分解液をイオン交換膜電気透析装置にかけ、中和により生成した塩を除去する。脱塩は陰イオン交換膜分画分子量100〜300、好ましくは100相当膜を用いて行うのが望ましく、また、陽イオン交換膜は特に制限無く用いられる。
上記の加水分解処理を行って得られた液状組成物はそのままで感覚刺激増強剤として使用することもできるが、好ましくは減圧濃縮、凍結乾燥などにより水などの溶媒を除去し、粉末状として目的の感覚刺激増強剤を得る。なお、こうした粉末状のキナ酸を含む茶葉抽出物からなる感覚刺激増強剤中のキナ酸、単糖類の含有率はそれぞれ約5〜35質量%、1〜40質量%であり、一方、粉末状のキナ酸を含むコーヒー豆加水分解物からなる感覚刺激増強剤中のキナ酸、単糖類の含有率はそれぞれ約30〜50質量%、20〜40質量%である。
(5)感覚刺激増強剤の添加量
本発明の感覚刺激増強剤の、感覚刺激物質に対する添加量は特に限定されるものではないが、通常は感覚刺激物質1質量部に対して10−5〜10質量部で用いられ、好ましくは10−4〜1質量部で用いられ、最も好ましくは10−3〜10−1質量部で用いられる。添加量が10−5質量部未満の場合は効果が十分でない場合があり、10質量部を越えて使用する場合は経済的に有利とならない場合がある。本発明の感覚刺激増強剤は、感覚刺激製品の製造段階で適宜添加することができる。添加量は、感覚刺激増強剤の濃度又は感覚刺激製品に含有されている感覚刺激物質の種類や閾値によっても多少異なるが、一般的に感覚刺激製品に対して0.01〜500ppmの添加量(抽出物の固形成分として)が適当である。化粧品や食品などの本来の香りに影響を及ぼさない閾値の範囲内で添加する観点からは0.1〜200ppmが好ましく、特に0.1〜100ppmが好ましい。
(6)他の添加物
本発明の感覚刺激増強剤には更に各種添加物、例えば甘味料、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤、苦味料、酸味料、乳化剤、強化剤、製造用剤及び香料などを添加して各種製剤として用いることもできる。本発明で更に用いることのできる香料としては、例えばアセト酢酸エチル、アセトフェノン、アニスアルデヒド、α−アミルシンナムサルデヒド、アントラニル酸メチル、イオノン、イソオイゲノール、イソ吉草酸イソアミル、イソ吉草酸エチル、インドール及びその誘導体、γ−ウンデカラクトン、エステル類、エチルバニリン、エーテル類、オイゲノール、オクタノール、オクタナール、オクタン酸エチル、ギ酸イソアミル、ギ酸ゲラニル、ギ酸シトロネリル、ケイ皮酸、ケイ皮酸エチル、ケイ皮酸メチル、ケトン類、ゲラニオール、酢酸イソアミル、酢酸エチル、酢酸ゲラニル、酢酸シクロヘキシル、酢酸シトロネリル、酢酸シンナミル、酢酸テルピニル、酢酸フェネチル、酢酸ブチル、酢酸ベンジル、酢酸リナリル、サリチル酸メチル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、1,8−シネオール、脂肪酸類、脂肪族高級アルコール類、脂肪族高級アルデヒド類、脂肪族高級炭化水素類、シンナミルアルコール、シンナムアルデヒド、チオエーテル類、チオール類、デカナール、デカノール、デカン酸エチル、テルピネオール、リモネン、ピネン、ミルセン、タピノーレン、テルペン系炭化水素類、γ−ノナラクトン、バニリン、パラメチルアセトフェノン、ヒドロキシシトロネラール、ヒドロキシシトロネラールジメチルアセタール、ピペロナール、フェニル酢酸イソアミル、フェニル酢酸イソブチル、フェニル酢酸エチル、フェノールエーテル類、フェノール類、フルフラール及びその誘導体、プロピオン酸、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ベンジル、ヘキサン酸、ヘキサン酸アリル、ヘキサン酸エチル、ヘプタン酸エチル、l−ペリラアルデヒド、ベンジルアルコール、ベンズアルデヒド、芳香族アルコール類、芳香族アルデヒド類、d−ボルネオール、マルトール、N−メチルアントラニル酸メチル、メチルβ−ナフチルケトン、酪酸、酪酸イソアミル、酪酸エチル、酪酸シクロヘキシル、酪酸ブチル、ラクトン類、リナロオール等の合成或いは天然由来の香料の他、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツなどシトラス系精油類、アップル、バナナ、グレープ、メロン、ピーチ、パイナップル、ストロベリーなどフルーツ系の精油或いは回収フレーバー、ミルク、クリーム、バター、チーズ、ヨーグルトなど乳系の抽出香料、緑茶、ウーロン茶、紅茶、コーヒー、ココアなど嗜好品系の回収フレーバー、アサノミ、アサフェチダ、アジョワン、アニス、アンゼリカ、ウイキョウ、ウコン、オレガノ、オールスパイス、オレンジノピール、カショウ、カッシア、カモミール、カラシナ、カルダモン、カレーリーフ、カンゾウ、キャラウェー、クチナシ、クミン、クレソン、クローブ、ケシノミ、ケーパー、ゴマ、コリアンダー、サッサフラス、サフラン、サボリー、サルビア、シナモン、シャロット、ジュニパーベリー、ショウガ、スターアニス、セロリー、ソーレル、タイム、タマネギ、タマリンド、タラゴン、チャイブ、ディル、ナツメグ、ニガヨモギ、ニジェラ、ニンジン、バジル、パセリ、バニラ、パプリカ、ヒソップ、フェネグリーク、マジョラム、ミョウガ、ラベンダー、リンデン、レモングラス、レモンバーム、ローズ、ローズマリー、ローレルなどから得られる香辛料抽出物、アイスランドモス、アカヤジオウ、アケビ、アサ、アサフェチダ、アジアンタム、アジョワン、アズキ、アスパラサスリネアリス、アップルミント、アーティチョーク、アニス、アボカド、アマチャ、アマチャズル、アミガサユリ、アミリス、アーモンド、アリタソウ、アルカンナ、アルテミシア、アルニカ、アルファルファ、アロエ、アンゴスツラ、アンゴラウィード、アンズ、アンズタケ、アンゼリカ、アンバー、アンバーグリス、アンブレット、イカ、イカリソウ、イグサ、イースト、イタドリ、イチゴ、イチジク、イチョウ、イノコヅチ、イランイラン、イワオウギ、インペラトリア、インモルテル、ウィンターグリーン、ウォータークレス、ウコギ、ウコン、ウスバサイシン、ウッドラフ、ウニ、ウメ、ウーロンチャ、エゴマ、エノキダケ、エビ、エビスグサ、エリゲロン、エルダー、エレウテロコック、エレカンペン、エレミ、エンゴサク、エンジュ、エンダイブ、欧州アザミ、オウレン、オオバコ、オカゼリ、オキアミ、オーク、オークモス、オケラ、オスマンサス、オポポナックス、オミナエシ、オモダカ、オランダセンニチ、オリガナム、オリス、オリバナム、オリーブ、オールスパイス、オレンジ、オレンジフラワー、カイ、カイニンソウ、カカオ、カキ、カサイ、カシューナッツ、カスカラ、カスカリラ、カストリウム、カタクリ、カツオブシ、カッシー、カッシャフィスチュラ、カテキュ、カニ、カーネーション、カノコソウ、カモミル、カヤプテ、カラスウリ、カラスビシャク、ガラナ、カラムス、ガランガ、カーラント、カリッサ、カリン、カルダモン、ガルバナム、カレー、カワミドリ、カンゾウ、ガンビア、カンラン、キウィーフルーツ、キカイガラタケ、キキョウ、キク、キクラゲ、キササゲ、ギシギシ、キダチアロエ、キハダ、キバナオウギ、ギボウシ、ギムネマシルベスタ、キャットニップ、キャラウェイ、キャロップ、キュウリ、キラヤ、キンミズヒキ、グァバ、グァヤク、クコ、クサスギカズラ、クサボケ、クズ、クスノキ、クスノハガシワ、グーズベリー、クチナシ、クベバ、クマコケモモ、グミ、クミン、グラウンドアイビー、クララ、クラリセージ、クランベリー、クリ、クルミ、クリーム、グレインオブパラダイス、クレタディタニー、グレープフルーツ、クローバー、クローブ、クロモジ、クロレラ、クワ、クワッシャ、ケイパー、ゲットウ、ケード、ケブラコ、ゲルマンダー、ケンチュール、ケンポナシ、ゲンノショウコ、コウジ、コウダケ、コウチャ、コウホネ、コカ、コガネバナ、コクトウ、コクルイ、ココナッツ、ゴシュユ、コショウ、コスタス、コストマリー、コパイパ、コーヒー、コブシ、ゴボウ、ゴマ、コーラ、コリアンダー、コルツフート、ゴールデンロッド、コロンボ、コンサイ、コンズランゴ、コンフリー、サイプレス、魚、サクラ、サクランボ、ザクロ、サケカス、ササ、ササクサ、サーチ、サッサフラス、サフラン、サポジラ、サボテン、サラシナショウマ、サルサパリラ、サルシファイ、サルノコシカケ、サンザシ、サンシュユ、サンタハーブ、サンダラック、サンダルウッド、サンダルレッド、シイタケ、ジェネ、シダー、シトラス、シトロネラ、シヌス、シベット、シマルーバ、シメジ、シャクヤク、ジャスミン、ジャノヒゲ、ジャボランジ、シャロット、シュクシャ、ジュニパーベリー、ショウユ、ショウユカス、ジョウリュウシュ、ショウロ、シロタモギタケ、ジンセン、シンナモン、酢、スイカ、スイセン、スギ、スターアニス、スターフルーツ、スチラックス、スッポン、スッポンタケ、ズドラベッツ、スネークルート、スパイクナード、スプルース、スベリヒユ、スローベリー、セイボリー、セキショウ、セージ、ゼドアリー、セネガ、ゼラニウム、セロリー、センキュウ、センタウリア、センゲン、セントジョーンズウォルト、センナ、ソース、ダイオウ、ダイズ、タイム、タケノコ、タコ、ダバナ、タマゴ、タマゴタケ、タマネギ、タマリンド、ダミアナ、タモギタケ、タラゴン、タラノキ、タンジー、タンジェリン、タンポポ、チェリモラ、チェリーローレル、チェリーワイルド、チガヤ、チコリ、チーズ、チチタケ、チャイブ、チャービル、チャンパカ、チュベローズ、チョウセンゴミシ、チラータ、ツクシ、ツケモノ、ツタ、ツバキ、ツユクサ、ツリガネニンジン、ツルドクダミ、ディアタング、ティスル、ディタニー、ディル、デーツ、テンダイウヤク、テンマ、トウキ、ドウショクブツタンパクシツ、ドウショクブツユ、トウミツ、トウモロコシ、ドクダミ、トチュウ、ドッググラス、トマト、ドラゴンブラッド、ドリアン、トリュフ、トルーバルサム、トンカ、ナギナタコウジュ、ナシ、ナスターシャム、ナッツ、ナットウ、ナツメ、ナツメグ、ナデシコ、ナメコ、ナラタケ、ニアウリ、ニュウサンキンバイヨウエキ、ニンジン、ネズミモチ、ネットル、ネムノキ、ノットグラス、バイオレット、パイナップル、ハイビスカス、麦芽、ハコベ、バジル、ハス、ハスカップ、パースカップ、パセリ、バター、バターオイル、バターミルク、バーチ、ハチミツ、パチュリー、バックビーン、ハッコウシュ、ハッコウニュウ、ハッコウミエキ、パッションフルーツ、ハツタケ、バッファローベリー、ハトムギ、ハナスゲ、バナナ、バニラ、ハネーサックル、パパイヤ、バーベリー、ハマゴウ、ハマスゲ、ハマナス、ハマボウフウ、ハマメリス、バラ、パルマローザ、パンダナ、バンレイシ、ヒキオコシ、ヒシ、ピスタチオ、ヒソップ、ヒッコリー、ピーナッツ、ヒノキ、ヒバ、ピプシシワ、ヒメハギ、ヒヤシンス、ヒラタケ、ビワ、ビンロウ、フェイジョア、フェネグリーク、フェンネル、フジバカマ、フジモドキ、フスマ、フーゼルユ、プチグレイン、ブチュ、ブドウ、ブドウサケカス、フトモモ、ブナ、ブナハリタケ、ブラックキャラウェイ、ブラックベリー、プラム、ブリオニア、プリックリーアッシュ、プリムローズ、プルネラ、ブルーベリー、ブレッドフルーツ、ヘイ、ベイ、ヘーゼルナッツ、ベチバー、ベーテル、ベニバナ、ペニーロイヤル、ヘビ、ペピーノ、ペプトン、ベルガモット、ベルガモットミント、ペルーバルサム、ベルベナ、ベロニカ、ベンゾイン、ボアドローズ、ホアハウンド、ホウ、ホウキタケ、ホウショウ、ボウフウ、ホエイ、ホオノキ、ボタン、ホップ、ポピー、ポプラ、ポポー、ホホバ、ホヤ、ボルドー、ボロニア、マイタケ、マグウォルト、マシュマロー、マジョラム、マスティック、マソイ、マタタビ、マチコ、マツ、マツオウジ、マッシュルーム、マツタケ、マツブサ、マツホド、マテチャ、マメ、マリーゴールド、マルバダイオウ、マルメロ、マレイン、マロー、マンゴー、マンゴスチン、ミカン、ミシマサイコ、ミソ、ミツマタ、ミツロウ、ミート、ミモザ、ミョウガ、ミルク、ミルテ、ミルフォイル、ミルラ、ミロバラン、ムギチャ、ムスク、ムラサキ、メスキート、メドウスィート、メハジキ、メープル、メリッサ、メリロット、メロン、モウセンゴケ、モニリアバイヨウエキ、モミノキ、モモ、モロヘイヤ、ヤクチ、ヤマモモ、ユーカリ、ユキノシタ、ユズ、ユッカ、ユリ、ヨウサイ、ヨロイグサ、ライオンズフート、ライチ、ライフエバーラスティングフラワー、ライム、ライラック、ラカンカ、ラカンショウ、ラズベリー、ラタニア、ラブダナム、ラベンダー、ラングウォルト、ラングモス、ランブータン、リキュール、リーク、リツェア、リナロエ、リュウガン、リョウフンソウ、リンゴ、リンデン、リンドウ、ルー、ルリジサ、レセダ、レモン、レモングラス、レンギョウ、レンゲ、レンブ、ローズマリー、ロベージ、ローレル、ロンゴザ、ワタフジウツギ、ワームウッド、ワームシード、ワラビ、ワレモコウなどから得られる天然香料が例示され、適宜選択して使用される。香料の添加量は特に限定されるものではないが、一般的には本発明の感覚刺激増強剤中、0.0001〜50質量%、好ましくは0.001〜30質量%、最も好ましくは0.01〜10質量%の添加量で用いられる。本発明の感覚刺激増強剤の使用形態は、そのまま或いは希釈した状態、乳化状態、更には粉化した様々な製剤の形で用いることができる。
本発明の感覚刺激物質の感覚刺激増強剤は、TRP受容体の活性作用によるものと推測される。TRP(Transient Receptor Potential)はショウジョウバエの光受容器変異株の原因遺伝子として発見され、哺乳類では光は視細胞に過分極性の受容器電位を誘発するが、昆虫では脱分極性の受容器電位を誘発する。TRPミュータントでは光で誘発される受容器電位が短時間で消失する。その原因遺伝子が六回膜貫通型の非選択的陽イオンチャンネルであることがわかりTRPチャンネルと名づけられた。このTRP受容体は哺乳類では5つのファミリーが知られており、このようなTRPファミリーといわれる受容体の一群に、感知する温度体の異なる受容体が存在することがわかってきている。例えば、メントールではCMR1(TRPM8)という受容体が関与していることがわかり、この受容体はメントールだけでなく温度(冷感:8℃〜28℃)も感知する受容体であることが明らかになってきている。三叉神経節(Trigeminal Ganglion)や後根神経節(Dorsal Root Ganglion)の終末に発現したこの受容体に、メントールや冷感などの刺激が加わるとイオンチャンネルが開口して陽イオンが流入することで神経細胞興奮が引き起こされ、その電気的刺激がTGやDRGをへて脳に伝わり刺激が感知されるという仕組みで、メントールがもたらす冷感は、冷感受容体が温度(8〜28℃の冷感)を感知するのと同じ経路で認識するがゆえに感知される感覚であることがわかってきている。また、TRPV1という受容体は43℃以上の温感とカプサイシン、プロトンなど複数の刺激を受容する多刺激受容体であったり、ANKTM1はTRPM8よりもさらに低い 17℃以下の温度体で活性化する上、ワサビやマスタードのアリルイソチオシアネートにも刺激を受けるといったことがわかってきている。本発明におけるキナ酸及びキナ酸誘導体は、感覚刺激とりわけアリルイソチオシアネートやカプサイシン、ジンゲロール・ショウガオール、メントールといった物質による感覚刺激の中でも三叉神経節や後根神経節系において感知されていると言われている刺激物質の刺激効果を増強させたり、持続させたりすることが官能的に確認されたことから、キナ酸及びキナ酸誘導体がTRP受容体における感覚刺激物質認識機構に作用することによってこのような感覚刺激の違いが生じると考えられる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例の記載に限定されるものではない。
[実施例1](キナ酸含有緑茶抽出物)
緑茶葉100gに蒸留水2,000gを加え、60℃で一時間攪拌した。40℃まで冷却後、遠心濾過器を用いて茶葉及び不溶物を分離後、分離液をセライト濾過し1,780gの抽出液を得た。その抽出液を減圧下、液温50℃で液量が300gになるまで濃縮した。この濃縮液300gに95%エタノール360gを加えた後、10℃まで冷却し生じた不溶物をセライト濾過し、濾液593gを得た。更にその濾液に活性炭12gを加え、30分間攪拌後セライト濾過し、濾液を凍結乾燥することにより、キナ酸含有緑茶抽出物からなる本発明の感覚刺激増強剤2.2gを得た。HPLCを用いて分析した結果含まれる成分は、質量比で、キナ酸7.6%、グルコース0.76%、フルクトース0.81%、スクロース7.95%、テアニン3.16%であった。
[実施例2](キナ酸含有紅茶抽出物)
紅茶葉100gに蒸留水2,000gを加え、1時間加熱還流した。冷却後、遠心濾過器で固液分離し、濾液1,920gを得た。その濾液に活性炭5gを加え、合成吸着剤(三菱化学社製「ダイヤイオンHP−20」(商品名))500mlを添加し、1時間攪拌した。その後濾過により合成吸着剤を除去し、濾液1,890gを得た。濾液1,890gを陽イオン交換樹脂(三菱化学社製「ダイヤイオンSK1B」(商品名))1,000mlを充填したカラムに供し、空間速度SV=1で送液した。通過液は限外濾過膜(日東電工社製「NTU−2120」)により濾過した。得られた濾液1,810gを凍結乾燥することにより、キナ酸含有紅茶抽出物からなる本発明の感覚刺激増強剤5.9gを得た。HPLCを用いて分析した結果含まれる成分は質量比で、キナ酸17.0%、グルコース19.7%、フルクトース15.1%、スクロース2.2%、テアニン7.6%であった。
[実施例3](クロロゲン酸等を含有するコーヒー生豆抽出物)
コーヒー生豆300gを微粉砕した後、70%エタノール水溶液1,500mlを加え、90℃で2時間撹拌加熱した。冷却後、不溶性固形分を除去して、抽出液1,100mlを得た。この抽出液を減圧下で濃縮してエタノールを除去した後、これに35%塩酸180gを加えて、抽出液中の塩酸濃度が約5%になるように調整し、70℃で1時間撹拌加熱した。冷却後、減圧下で300gになるまで濃縮し、得られた濃縮液に20%水酸化ナトリウムを添加して中和し、次いで塩化メチレン600gを加えて充分混合撹拌した。水層を分離した後、ダイヤイオンHP−20樹脂(三菱化学社製、商品名)500mlを充填したカラムに通導した。次いで該樹脂を充分に水洗した後、95%エタノール水溶液750gでクロロゲン酸類を溶出させた。得られた溶出液を減圧濃縮後、乾燥してクロロゲン酸等を含有するコーヒー生豆抽出物からなる本発明の感覚刺激増強剤27gを得た。
[実施例4](キナ酸含有コーヒー豆加水分解抽出物)
コーヒー生豆500gを微粉砕した後、70%エタノール水溶液5,000mlを加え、2時間加熱還流した。冷却後、遠心濾過器で固液分離し、濾過液をエタノール含量5%以下まで減圧濃縮し、クロロゲン酸エステラーゼ(キッコーマン社製)1,000単位を加え40℃で3時間攪拌した。処理液を、遠心分離により不溶物を取り除き、合成吸着剤(三菱化学社製「ダイヤイオンHP−20」(商品名))1,000mlを充填したカラムに通導し、溶出してきた液を凍結乾燥することにより、キナ酸含有コーヒー豆加水分解抽出物からなる本発明の感覚刺激増強剤26.6gを得た。HPLCを用いて分析した結果含まれる成分は質量比で、キナ酸32%、グルコース16%、フルクトース15%であった。なお、クロロゲン酸エステラーゼの1単位は30℃の水中において3−カフェオイルキナ酸を1分間に1マイクロモル加水分解する酵素量である。
[実施例5](キナ酸含有コーヒー豆加水分解物)
コーヒー生豆100gを微粉砕した後、水酸化カルシウム30gと水1,000mlを加え、80℃で30分間加熱攪拌した。室温まで冷却後、固液分離して水溶液を得た。希塩酸を加えてpHを3に調整した後、活性炭脱色を行った。不溶物を濾過にて除去し、濾液を得た。この濾液をイオン交換膜電気透析装置(陽イオン交換膜分画分子量:300、陰イオン交換膜分画分子量:100)にて脱塩処理した後、減圧濃縮し、凍結乾燥することにより、キナ酸含有コーヒー豆加水分解物からなる本発明の感覚刺激増強剤9gを得た。HPLCを用いて分析した結果、コーヒー生豆抽出物中の成分は質量比で、キナ酸35%、庶糖25%、単糖類11%、灰分9%であった。
[実施例6](キナ酸含有クランベリー抽出物)
クランベリー濃縮果汁600gを希釈し、ポーラスポリマー樹脂XAD−2(オルガノ社製)600mlを用いて脱色後、さらに活性炭で脱色、セライト濾過を経て、濾液2,800gを得た。この濾液を、イオン交換膜電気透析装置(陽イオン交換膜分画分子量:300、陰イオン交換膜分画分子量:300)を用いて透析し、塩廃液側に濃縮液を得た。これを、キナ酸濃度が2%、エタノール濃度が20%になるようにエタノール水溶液で希釈し、キナ酸含有クランベリー抽出物からなる本発明の感覚刺激増強剤560gを得た。HPLCを用いて分析した結果含まれる成分は質量比で、キナ酸35%、クエン酸30%、リンゴ酸35%であった。
[試験例1]
メントールの100ppm水溶液に、それぞれにキナ酸(ナカライテスク社製の試薬)1ppm、キナ酸誘導体としてクロロゲン酸(和光純薬工業社製の試薬)1.8ppm、及び上記実施例で得られた抽出物をキナ酸として1ppm相当となるように加え、パネル20名にて清涼感と香味の官能評価を行った。評価点は、無添加品を4点とし、非常に清涼感が強くなった場合を7点、逆に清涼感が弱くなった場合を1点とした7段階評価試験をブラインドで行った。評価結果の平均値及び香味のコメントを表1に示した。
Figure 0004996048
以上の結果から、キナ酸、キナ酸誘導体及びキナ酸類を含有する抽出物において、メントールの冷感刺激を強く増強し、持続性を与える効果が見られた。また、異味異臭を感ずることはなかった。
[試験例2]
各種辛味刺激成分を有する天然物辛味物質を摩り下ろして(唐辛子については搾り汁を用いた)、それぞれにキナ酸(ナカライテスク社製の試薬)1ppm、キナ酸誘導体としてクロロゲン酸(和光純薬工業社製の試薬)1.8ppm、及び上記実施例1及び4で得られた抽出物をキナ酸として1ppm相当となるように加え、パネル20名にて官能評価を行い辛味刺激増強の程度を評価した。評価点は、無添加品を4点とし、非常に辛味が強くなった場合を7点、逆に辛味が弱くなった場合を1点とした7段階評価試験をブラインドで行った。評価結果の平均値を表2に示した。
Figure 0004996048
以上の結果から、キナ酸、キナ酸誘導体及びキナ酸類を含有する抽出物のいずれにおいても辛味刺激を有するものについて辛味刺激を増強する効果が確認された。また、キナ酸誘導体であるクロロゲン酸等モルにおいても、キナ酸よりも効果は弱いが刺激増強効果があることがわかった。刺激増強効果は、キナ酸単独よりもそれを含む抽出物のほうが高かった。すなわち、増強効果は、キナ酸含有抽出物>キナ酸>クロロゲン酸の順であり、キナ酸含有抽出物が極めて高かった。
以上の結果から、キナ酸、キナ酸誘導体及びキナ酸類を含有する抽出物において、感覚刺激剤の感覚刺激を増強し、持続性を付与し、かつ、感覚刺激剤本来の風味を阻害しないことが確認された。
[実施例7](キャンディ)
Bx.70のマルチトールシロップを185℃まで炊き上げ、155℃まで急冷後、メントール及び実施例4の感覚刺激増強剤を添加して攪拌均一化し、成型して本発明のキャンディを作成した。メントールは仕上がり時0.5質量%、実施例4の感覚刺激増強剤はキナ酸量1ppmとなるよう添加した。これを専門パネラー10名にて香味の官能評価を行った。評価点は、無添加品を4点とし、非常に清涼感が強くなった場合を7点、逆に清涼感が弱くなった場合を1点とした7段階評価試験をブラインドで行った。評価結果の平均値及び香味のコメントを表3に示した。
Figure 0004996048
[実施例8](板ガム)
ガムベース、砂糖、ブドウ糖、コーンシロップを混合し、これにメントールを0.5質量%及び実施例4の感覚刺激増強剤をキナ酸量1ppmとなるよう添加し、常法に従って高剪断型ミキサーを用いて約50℃で混和し、冷却後ローラーにより圧展成形し、1枚3gとなる本発明の板ガムを調製した。これを専門パネラー10名にて香味の官能評価を行った。評価点は、無添加品を4点とし、非常に清涼感が強くなった場合を7点、逆に清涼感が弱くなった場合を1点とした7段階評価試験をブラインドで行った。評価結果の平均値及び香味のコメントを表4に示した。
Figure 0004996048
[実施例9](粉末香料)
水150部にアラビアガム30部、DE10のデキストリン50部を加温溶解し、冷却後メントール20部を添加して乳化し、スプレードライヤーにて噴霧乾燥を行ってメントール粉末香料を調製した。これを無添加品とし、同様に乳化前に実施例4の感覚刺激増強剤をキナ酸0.005部となるよう添加し、本発明のメントール粉末香料を調製した。調製したそれぞれのメントール粉末香料を、粉糖に0.5%添加してよく攪拌し、これをそのまま食して、専門パネラー10名にて香味の官能評価を行った。評価点は、無添加品を4点とし、非常に清涼感が強くなった場合を7点、逆に清涼感が弱くなった場合を1点とした7段階評価試験をブラインドで行った。評価結果の平均値及び香味のコメントを表5に示した。
Figure 0004996048
[実施例10](錠菓)
ソルビトールに滑択剤としてのショ糖脂肪酸エステル及び実施例9で調製した各メントール粉末香料を1.0%添加し、打錠圧1tにて打錠してメントールタブレットを調製した。これを専門パネラー10名にて香味の官能評価を行った。評価点は、無添加品を4点とし、非常に清涼感が強くなった場合を7点、逆に清涼感が弱くなった場合を1点とした7段階評価試験をブラインドで行った。評価結果の平均値及び香味のコメントを表6に示した。
Figure 0004996048
[実施例11](カレー風味ポテトチップス)
食塩16部、グルタミン酸ナトリウム10部、核酸系調味料0.5部、グルコース10部、マルトース10部、チキンエキスパウダー8部、脱脂粉乳8部、蛋白加水分解物6.5部、スパイス系香料製剤6部、パプリカパウダー4部、ジンジャーパウダー3部、ガーリックパウダー3部、クミンパウダー2.5部、コリアンダーパウダー2.5部、レッドペッパーパウダー2部、ガラムパウダー2部、ホワイトペッパーパウダー0.5部、ターメリックパウダー0.5部及び実施例1の感覚刺激増強剤0.1部を混合し、カレーシーズニングを調製した。このカレーシーズニング5部をポテトチップス100部に付着させて評価したとき、スパイスの辛味刺激が向上し良好なカレー風味ポテトチップスが得られた。
[実施例12](キムチ)
白菜100部、塩6部、生姜1部、ニンニク1部、粉唐辛子1部、鷹の爪0.5部、ダシ汁10部にて作成した白菜キムチに実施例2の感覚刺激増強剤0.1部を添加して評価した。その結果、発酵臭が抑えられ、生姜、ニンニクの風味が良好で、唐辛子の辛味刺激が増強していた。
[実施例13](生姜風味ドレッシング)
酢100部、醤油100部、砂糖15部、ごま油25部、すりおろし生姜3部をよく混合して作成した中華ドレッシングに実施例2の感覚刺激増強剤を0.1部添加して評価した。その結果、生姜の辛味刺激が引き立ち、より風味豊かになっていた。
[実施例14](ニンニク加工品)
冷凍ニンニクペースト 100部に、食塩2部、澱粉2部、オリゴ糖2部、キサンタンガム0.2部、ニンニク香料 0.5部にて作成したニンニク加工品に、キナ酸(ナカライテスク株式会社製試薬)を0.01部添加して評価した。その結果、ニンニクの辛味刺激がより強く感じられ、フレッシュ感がアップした。
[実施例15](洗口剤)
処方例1にしたがい、精製水にグリセリン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を加え溶解した。これに、エタノールに1−メントール及びミント香料を溶解したものを加えて混合溶解した。さらにサッカリンナトリウム、グルコン酸クロルヘキシジンを加え溶解したものに、実施例4の感覚刺激増強剤をキナ酸含量として5ppm添加し、本発明の洗口剤とした。
処方例1(洗口剤)
エタノール 40.0
グリセリン 10.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.0
1−メントール 0.5
サッカリンナトリウム 0.05
グルコン酸クロルヘキシジン 0.02
ミント香料 0.1
精製水 48.33
合計 100.0
本発明の感覚刺激増強剤は、感覚刺激剤自体の香気香味を阻害することなく感覚刺激を増強し、感覚刺激の発現性、持続性、拡散性を向上し、かつ、異味異臭を感じさせることが無いので、使用感を損なうことのない優れた感覚刺激増強剤を提供する。本発明の感覚刺激増強剤は強い刺激を与えることもできるし、また、通常の感覚刺激剤の使用量と比較して少ない量で同等の感覚刺激を与えることができる。また、本発明の感覚刺激増強剤は容易に調製、入手することができる。

Claims (8)

  1. メントールを含む経口摂取可能な製品又は口腔内で使用される製品の冷感刺激増強剤であって、
    キナ酸、1−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸、5−カフェオイルキナ酸、3,4−ジカフェオイルキナ酸及び3,5−ジカフェオイルキナ酸からなる群より選ばれるキナ酸又はその誘導体を含有することを特徴とする冷感刺激増強剤。
  2. メントールを含む経口摂取可能な製品又は口腔内で使用される製品の冷感刺激増強剤であって、
    茶葉から水及び/又は極性有機溶媒を用い抽出して得られるキナ酸を含む抽出物を含有することを特徴とする冷感刺激増強剤。
  3. メントールを含む経口摂取可能な製品又は口腔内で使用される製品の冷感刺激増強剤であって、
    茶葉から水及び/又は極性有機溶媒を用い抽出して得られるキナ酸を含む抽出物を、更に精製工程に付して得られる精製物を含有することを特徴とする冷感刺激増強剤。
  4. 精製が吸着剤処理による精製方法である請求項3記載の冷感刺激増強剤。
  5. 更に分離膜による処理、有機溶媒添加による不溶物処理及び陽イオン交換樹脂による処理から選択される1又は2以上の精製方法を併用する請求項4記載の冷感刺激増強剤。
  6. メントールを含む経口摂取可能な製品又は口腔内で使用される製品の冷感刺激増強剤であって、
    コーヒー豆抽出物を加水分解処理し、加水分解処理物を精製して得られるキナ酸を含むコーヒー豆加水分解物を含有することを特徴とする冷感刺激増強剤。
  7. メントールを含む経口摂取可能な製品又は口腔内で使用される製品の冷感刺激増強剤であって、
    コーヒー豆抽出物を、酵素を用いて加水分解処理し、不溶物を除去後、加水分解処理物を吸着剤と接触させて精製して得られるキナ酸を含むコーヒー豆加水分解物を含有するこ
    とを特徴とする冷感刺激増強剤。
  8. 経口摂取可能な製品又は口腔内で使用される製品中のメントール1質量部に対する含有量が10-4〜1質量部であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の冷感刺激増強剤。
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