JP4068788B2 - 高甘味度甘味料の甘味改善剤 - Google Patents

高甘味度甘味料の甘味改善剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高甘味度甘味料の甘味改善剤に関するものである。更に詳しくは、本発明は高甘味度甘味料の不快な後味や苦味、エグ味を改善する甘味改善剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の健康指向の高まりからアスパルテーム、ステビア、アセスルファムK、スクラロースなどの低カロリーの高甘味度甘味料を使用した商品が増加している。このような高甘味度甘味料は、ショ糖の数百倍の甘味度を有するという優れた性能を持つ反面、後味として甘味が持続し続けるため味の切れが悪く、結果として呈味の質がショ糖に比して劣るという欠点を有している。そのため、高甘味度甘味料の広範な使用に際しては、その後味の改善が最大の課題となっている。
【0003】
高甘味度甘味料の甘味改善については、例えば酒石酸塩、クエン酸塩のような有機酸塩とサイクロデキストリンとを使用する呈味改善法(特公平5−981号公報)やヘスペリジン系化合物を使用する呈味改良法(特許第2628468号公報)が知られている。しかしながら、このような既存の方法では、少ない添加量では高甘味度甘味料の不快な後味を十分に低減できず、添加量を増やすと食品の味を変化させてしまうという問題点を有し、さらなる改善が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高甘味度甘味料の不快な後味を、少ない添加量で効果的に抑制する甘味改善剤を提供することである。さらに本発明の目的は、高甘味度甘味料に特有な苦味、エグ味および刺激味を低減する甘味改善剤を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記従来技術の問題点を解決すべく鋭意研究した結果、キナ酸あるいはキナ酸を含むコーヒー豆の加水分解物が、高甘味度甘味料特有の、後味として残る不快な甘味や苦味、エグ味、刺激味を顕著に抑制することを見い出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、キナ酸からなる高甘味度甘味料の甘味改善剤である。さらに本発明は、コーヒー豆を加水分解処理し、加水分解処理物を精製して得られるキナ酸を含むコーヒー豆加水分解物からなる高甘味度甘味料の甘味改善剤である。本発明のキナ酸を含むコーヒー豆加水分解物は、コーヒー豆を酵素を用いて加水分解処理し、不溶物を除去した後、加水分解処理物を吸着剤と接触させて精製するか、コーヒー豆をアルカリ加水分解処理し、加水分解物を酸で中和した後イオン交換膜電気透析法により脱塩して精製することにより得られる。さらに本発明は、前記甘味改善剤を含有する高甘味度甘味料組成物である。本発明者らは、前にキナ酸を含むコーヒー豆加水分解物の添加により有機酸を含有する飲食品の酸味を和らげ、渋味や苦味を改善する方法を提案したが(特開平9−94080号公報)、キナ酸やキナ酸を含むコーヒー豆加水分解物が高甘味度甘味料の不快な後味などを低減することは知られていない。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。本発明において甘味改善剤としてキナ酸を用いる場合、キナ酸には特に限定はなく、市販のものが使用される。本発明において、甘味改善剤としてコーヒー加水分解物を用いる場合、製造に供するコーヒー豆は、産地や品種などに制限されることなく任意の豆が用いられ、生であっても焙煎したものであってもよく、通常、粉砕して用いられる。本発明の甘味改善剤の調製に際して、酵素による加水分解を行う場合は、コーヒー豆を粉砕し、水又は水溶性溶媒により抽出し、抽出液に酵素を加えて加水分解処理するのが望ましい。水溶性溶媒としてはメタノール、エタノール、2−プロパノール、アセトン等の溶媒が例示され、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができ、必要に応じて水溶液の形で使用される。抽出法は一般に用いられる条件で可能であり、特に限定されるものではない。抽出溶媒の量はコーヒー豆の1〜30倍量が用いられ、好ましくは5〜20倍量が用いられる。抽出の温度及び時間は任意に定めることができ、特に限定されるものではないが、50〜100℃にて1〜24時間、好ましくは2〜8時間が適当である。抽出液は不溶物を除去した後、必要に応じて濃縮工程を経て、酵素分解処理される。得られた抽出液が水抽出液の場合はそのまま、水溶性溶媒を含む場合は濃縮等により水溶性溶媒の量を5%以下にした後、酵素処理を行うことが望ましい。
【0007】
酵素分解にはタンナーゼ又はクロロゲン酸エステラーゼが用いられる。利用できるタンナーゼの種類としては特に限定されるものではなく、麹菌などの糸状菌、酵母、細菌などの微生物、特に Aspergillus属や Penicillium属から産生されるタンナーゼを挙げることができるが、好ましくは Aspergillus属、特に好ましくは Aspergillus oryze から産生されるタンナーゼが用いられる。利用できるクロロゲン酸エステラーゼの種類についても特に限定されるものではなく、Aspergillus属、Penicillium属、Botrytis属などの糸状菌により産生されるものを挙げることができるが、好ましくは Aspergillus属、特に好ましくは Aspergillus japonics や Aspergillus niger から産生されるクロロゲン酸エステラーゼが用いられる。これらの酵素は、市販されており、例えばキッコーマン株式会社の製品により入手することができる。また、これらの酵素は各種の固定化方法により固定化したものを使用することで、更に高い効率を得ることも可能となる。酵素分解の条件は特に限定されるものではないが、好ましくは30〜50℃で1〜48時間、更に好ましくは35〜45℃で2〜24時間が適当である。
【0008】
酵素分解物は不溶物を濾過除去後、吸着剤に接触することにより、未反応のクロロゲン酸、副生成物のカフェー酸、或いはカフェイン等の夾雑物を除去することにより精製される。吸着剤の種類としては、高分子樹脂系吸着剤であれば特に限定されるものではなく、例えばアンバーライトIR(オルガノ株式会社)のような陽イオン交換樹脂、スチレン−ジビニルベンゼン系合成吸着剤ダイヤイオンHP(三菱化学株式会社)などが挙げられ、特に好ましくはダイヤイオンHP−20が用いられる。これら樹脂に接触させる方法はバッチ式、カラム式いずれでも良いが、生産規模ではカラム方式の方が一般的である。得られた液状組成物はそのままで甘味改善剤として使用できるが、好ましくは減圧濃縮、凍結乾燥などにより溶媒を除去し、粉末状として目的の甘味改善剤を得る。
【0009】
本発明の甘味改善剤の調製に際して、アルカリ加水分解処理を行う場合は、コーヒー豆を微粉砕し、これにアルカリ水溶液を加えて60〜90℃で10〜60分間加熱攪拌する。アルカリ水溶液としては、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどの水溶液が用いられ、好ましくは水酸化カルシウムが用いられる。加水分解処理後、反応液に、塩酸、硫酸、蓚酸、リン酸などの酸を加えて中和処理する。中和処理した加水分解液をイオン交換膜電気透析装置にかけ、中和により生成した塩を除去する。脱塩は陽イオン交換膜分画分子量100、300、好ましくは300相当膜、あるいは陰イオン交換膜分画分子量100、300、好ましくは100相当膜を用いて行うのが望ましい。得られた液状組成物はそのままで甘味改善剤として使用できるが、好ましくは減圧濃縮、凍結乾燥などにより水を除去し、粉末状として目的の甘味改善剤を得る。
【0010】
かくして得られた本発明のコーヒー豆加水分解物は、コーヒー豆に含有されていたクロロゲン酸の加水分解物であるキナ酸の他、単糖類、アミノ酸等が含まれており、キナ酸、単糖類の含有率はそれぞれ約30〜50重量%、20〜40重量%である。本発明の甘味改善剤は、キナ酸自体よりも、コーヒー豆加水分解物、特に酵素による加水分解物の効果が優れているがこれはキナ酸と他の成分の相乗効果によるものと考えられる。
【0011】
更に、本発明の呈味改善剤は高甘味度甘味料に配合し、呈味が改善された高甘味度甘味料組成物とすることもできる。このような高甘味度甘味料として、アスパルテーム、ステビア、アセスルファムK、スクラロース等を挙げることができる。
【0012】
本発明の甘味改善剤は飲食品および医薬品に直接添加する場合は飲食品等に含まれる高甘味度甘味料に対しキナ酸は0.02〜2重量%、好ましくは0.1〜1重量%であり、コーヒー加水分解物は、0.05〜5重量%、好ましくは0.2〜2重量%である。高甘味度甘味料に配合して高甘味度甘味料組成物とする場合は、高甘味度甘味料に対しキナ酸は0.1〜1重量%、好ましくは0.2〜0.5重量%であり、コーヒー豆加水分解物は0.1〜5重量%、好ましくは1〜2重量%の添加量とすることが適当である。
【0013】
本発明の甘味改善剤は、高甘味度甘味料が使用される食品、飲料、医薬品に特に限定なく使用される。その例としては、各種甘味料、コーヒー、紅茶、炭酸飲料、乳飲料、低カロリー飲料などの飲料、シュガーレスキャンディー、錠菓、チューインガムのような菓子類、ゼリー、チルドデザートなどの冷菓、乳製品、漢方薬を含む経口医薬品、歯磨き、口腔剤などがあげられる。本発明の甘味改善剤は、高甘味度甘味料に混合して、あるいは高甘味度甘味料組成物として上記食品、飲料、医薬品に使用される。本発明の高甘味度甘味料組成物は、本発明の甘味改善剤および高甘味度甘味料の他、各種糖類、有機酸、デンプン、デキストリンなど通常使用される分散剤、賦形剤などを適宜含むことができる。
【0014】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例の記載に限定されるものではない。
【0015】
実施例1
微粉砕したコーヒー生豆500gに、70重量%エタノール水溶液5000mlを加え、2時間加熱還流した。冷却後、遠心濾過器で固液分離し、濾過液をエタノール含量5重量%以下まで減圧濃縮し、タンナーゼ(キッコーマン社製)5000単位(タンナーゼの1単位は30℃の水中においてタンニン酸に含まれるエステル結合を1分間に1マイクロモル加水分解する酵素量である)を加え40℃、3時間攪拌して加水分解処理した。遠心分離により不溶物を取り除いた後、処理液に合成吸着剤(ダイヤイオンHP−20)500mlを添加し、1時間攪拌した。その後濾過により合成吸着剤を濾別し、濾液を凍結乾燥することにより、成分重量比:キナ酸32%、グルコース16%、フルクトース15%からなるコーヒー豆加水分解物の甘味改善剤29.9gを得た。
【0016】
実施例2
微粉砕したコーヒー生豆500gに70重量%エタノール水溶液5000mlを加え、2時間加熱還流した。冷却後、遠心濾過器で固液分離し、濾過液をエタノール含量5重量%以下まで減圧濃縮し、クロロゲン酸エステラーゼ(キッコーマン社製)1000単位(クロロゲン酸エステラーゼの1単位は30℃の水中において3−カフェオイルキナ酸を1分間に1マイクロモル加水分解する酵素量である)を加え40℃、3時間攪拌した。遠心分離により不溶物を取り除いた後、処理液を合成吸着剤(ダイヤイオンHP−20)1000mlを充填したカラムに通導し、溶出してきた液を凍結乾燥することにより、成分重量比:キナ酸32%、グルコース16%、フルクトース15%からなるコーヒー豆加水分解物の甘味改善剤26.6gを得た。
【0017】
実施例3
微粉砕したコーヒー生豆150gに、水酸化カルシウム45gと水1500gを加え、80℃で30分間加熱攪拌した。室温まで冷却後、固液分離して水溶液を得た。希塩酸を加えてpHを3に調製した後、活性炭脱色を行った。不溶物を濾過にて除去し、濾液を得た。この濾液をイオン交換膜電気透析装置(陽イオン交換膜分画分子量:300、陰イオン交換膜分画分子量:100)にて脱塩処理した後、減圧濃縮し、凍結乾燥することにより成分重量比:キナ酸34%、庶糖28%、単糖類12%、灰分8%、その他からなるコーヒー豆加水分解物の甘味改善剤13.5gを得た。
【0018】
試験例1
高甘味度甘味料アスパルテームに対する効果
アスパルテーム0.03重量%水溶液に、キナ酸(ナカライテスク社)を1.6ppm添加した液を調製した。アスパルテーム0.03重量%水溶液に、上記キナ酸添加液のキナ酸含量として同等となるよう、実施例1のコーヒー豆加水分解物を5ppm加えた液および同様にして実施例3のコーヒー豆加水分解物を4.5ppm加えた液をそれぞれ調製した。また甘味改善剤無添加のアスパルテーム水溶液を対照液とした。各サンプルについて、訓練されたパネラー12名により甘味強度と甘味消失時間を測定し、甘味強度曲線を作成した。甘味強度曲線は、横軸に時間をとり、縦軸に甘味強度をとり、サンプルを飲み込んだ点、甘味強度が最大になった点、その強度が落ちかけた点、舌から甘味が消失した点の4点をグラフ上にプロットし、曲線でつないだものである。結果を図1に示す。図1の結果から本発明の甘味改善剤の添加により甘味の強度を落とすことなく、甘味の消失時間が顕著に短縮されることがわかる。また、本発明の甘味改善剤において、コーヒー豆加水分解物を用いた場合はキナ酸を用いた場合よりも更に高い呈味改善効果が得られる。
【0019】
試験例2
高甘味度甘味料ステビアに対する効果
ステビア0.03重量%水溶液に、キナ酸(ナカライテスク社)を1.6ppm添加した液を調製した。ステビア0.03重量%水溶液に、上記キナ酸添加液のキナ酸含量として同等となるよう、実施例2コーヒー豆加水分解物を5ppm加えた液および同様にして実施例3コーヒー豆加水分解物を4.5ppm加えた液を調製した。また甘味改善剤無添加のステビア水溶液を対照液とした。各サンプルについて、訓練されたパネラー6名により後味の切れを評価項目として官能評価を行った。評価点は、対照液を4点、かなり向上したものを7点、後切れが悪くなったものを1点とした。評価結果の平均値を表1に示す。
【0020】
【表1】
Figure 0004068788
【0021】
表1から、本発明の甘味改善剤が高甘味度甘味料の不快な後味を改善することが明らかである。
【0022】
実施例4
アスパルテーム入り殺菌乳酸菌飲料
市販の発酵乳原液(SNF:10.0%、酸度1.7%、糖度12)20重量部、アスパルテーム0.05重量部および水80重量部からなる高甘味度甘味料入り発酵乳飲料に、実施例1もしくは実施例2の加水分解物を5ppm、実施例3の加水分解物を4.5ppmあるいはキナ酸を1.6ppmを加えて本発明の甘味改善剤入り発酵乳飲料を調製した。
かくして得られた甘味改善剤入り発酵乳飲料について訓練されたパネラーにより官能評価を行なった。評価は甘味改善剤を添加しないサンプルを4点とし、かなり切れが向上したものを7点、逆に切れが悪くなったものを1点とした。評価結果の平均値を表2に示した。
【0023】
【表2】
Figure 0004068788
【0024】
本発明の甘味改善剤の添加により、好ましくない甘味の持続が抑制され、後口の良い殺菌乳酸菌飲料になった。
【0025】
実施例5
ステビア入りニアウォーター
下記の処方のステビア入りグレープフルーツ飲料に、実施例1もしくは実施例2の加水分解物を1.25ppm、実施例3の加水分解物を1.1ppm、またはキナ酸を0.4ppm加えた飲料を調製した。
かくして得られた甘味改善剤入りグレープフルーツ飲料について訓練されたパネラーにより官能評価を行なった。評価は甘味改善剤を添加しないサンプルを4点とし、かなり切れが向上したものを7点、逆に切れが悪くなったものを1点とした。評価結果の平均値を表3に示した。
Figure 0004068788
【0026】
【表3】
Figure 0004068788
【0027】
甘味改善剤の添加により好ましくない甘味の持続が抑制され、また苦味、エグ味、刺激味が改善された飲料になった。
【0028】
実施例6
アセスルファムK入りゼリー
下記の処方のアセスルファムK入りゼリーに実施例1もしくは実施例2の加水分解物を10ppm、実施例3の加水分解物を9ppm、またはキナ酸を3.2ppm加えたゼリーを調製した。
かくして得られた甘味改善剤入りゼリーについて訓練されたパネラーにより官能評価を行なった。評価は甘味改善剤を添加しないサンプルを4点とし、かなり切れが向上したものを7点、逆に切れが悪くなったものを1点とした。評価結果の平均値を表3に示した。
Figure 0004068788
【0029】
【表4】
Figure 0004068788
【0030】
甘味改善剤の添加により好ましくない甘味の持続が抑制され、また苦味、エグ味、刺激味が改善されたゼリーになった。
アセスルファムKの代わりにスクラロースを用いても同様の効果が得られた。
【0031】
実施例7
アスパルテーム100重量部とキナ酸または実施例1〜3のいずれかの加水分解物1.5重量部を水に溶解させ、噴霧乾燥によりアスパルテーム混合粉末を得た。このアスパルテーム組成物は溶解性に優れ、多品種の飲食品に添加した場合、甘味改善剤無添加のものに比較して甘味度を低下させることなく、後味の持続を抑制することができた。
【0032】
【発明の効果】
本発明の甘味改善剤を、高甘味度甘味料を含有する飲食品または医薬品に添加するか、あるいは本発明の甘味改善剤を含有する高甘味度甘味料組成物を飲食品または医薬品に添加することにより、高甘味度甘味料特有の、後味として残る不快な甘味や苦味、エグ味、刺激味を低減することができる。本発明の甘味改善剤は少量の添加で効果を奏するので、食品や医薬品の味に影響を与えることなく高甘味度甘味料の不快な後味等を改善することができる。キナ酸を含むコーヒー豆加水分解物が特に甘味改善効果が優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】アスパルテームの甘味強度曲線を示す。図1において、実線は対照液、2点鎖線はキナ酸添加液、破線は実施例1加水分解物添加液、そして1点鎖線は実施例3加水分解物添加液の甘味強度曲線をそれぞれ示す。

Claims (12)

  1. コーヒー豆を酵素を用いて加水分解処理し、不溶物を除去後加水分解処理物を吸着剤と接触させて精製して得られるキナ酸を含むコーヒー豆加水分解物からなることを特徴とする高甘味度甘味料の甘味改善剤。
  2. 高甘味度甘味料がアスパルテーム、ステビア、アセスルファムK、スクラロースからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の甘味改善剤。
  3. 酵素がタンナーゼ又はクロロゲン酸エステラーゼであることを特徴とする請求項1又は2に記載の甘味改善剤。
  4. 吸着剤がイオン交換樹脂であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項に記載の甘味改善剤。
  5. 吸着剤がスチレン−ジビニルベンゼン系高分子吸着樹脂であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項に記載の甘味改善剤。
  6. 請求項1乃至5のいずれかの項に記載の甘味改善剤が、高甘味度甘味料を含有する飲食品又は医薬品に添加されていることを特徴とする高甘味度甘味料含有飲食品又は医薬品。
  7. 請求項1乃至5のいずれかの項に記載の甘味改善剤が、飲食品又は医薬品に含まれる高甘味度甘味料に対し0.05〜5重量%の量で添加されていることを特徴とする請求項6記載の高甘味度甘味料含有飲食品又は医薬品。
  8. 請求項1乃至5のいずれかの項に記載の甘味改善剤を、高甘味度甘味料を含有する飲食品又は医薬品に添加することを特徴とする高甘味度甘味料含有飲食品又は医薬品の甘味改善方法。
  9. 請求項1乃至5のいずれかの項に記載の甘味改善剤を、飲食品又は医薬品に含まれる高甘味度甘味料に対し0.05〜5重量%の量で添加することを特徴とする請求項8記載の甘味改善方法。
  10. 請求項1乃至5に記載の甘味改善剤を含有することを特徴とする高甘味度甘味料組成物。
  11. 請求項1乃至5のいずれかの項に記載の甘味改善剤を、高甘味度甘味料に添加することを特徴とする高甘味度甘味料の甘味改善方法。
  12. 甘味改善剤を、高甘味度甘味料に対し0.1〜5重量%添加することを特徴とする請求項11記載の甘味改善方法。
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