JP4995340B1 - 雨水貯留型舗装用ブロック - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一方の嵌合側面3には凸状部11が、他方の嵌合側面4には凹溝12が形成され、一方の非嵌合側面5には水平目地保持突条21と垂直目地保持突条22が形成され、垂直目地保持突条22は水平目地保持突条21に比べて高く、敷設状態において目地砂充填領域に目地砂Sが充填される。敷設状態において水平目地保持突条21と隣り合う雨水貯留型舗装用ブロックAとの間に隙間oが確保でき、その隙間oから雨水を流して地中に排出できる。敷設状態において、凸状部11が凹溝12に嵌合し、目地砂充填領域に充填された目地砂Sにより目地部における荷重分散性能を高められる。
【選択図】図1
Description
一方、雨水貯留型舗装用ブロックは、保水性を有する材料で形成され、場合によってはさらにブロックの内部に雨水を貯留する空洞が形成されたものである。雨水貯留型舗装用ブロックは、一般的な透水性舗装用ブロックに比べて雨水の貯水量が多いため、集中豪雨や河川の氾濫による舗装面の浸水や水溜まりを緩和できる。
そのため、雨水貯留型舗装用ブロックの場合に、目地部に目地砂を充填すると、雨水の浸透効率が低下するという問題がある。また、目地砂にゴミや埃が溜まると、目詰りにより雨水の浸透を妨げるという問題がある。
しかし、目地砂を使用しないことから、目地部における荷重分散性能が極端に低く、雨水貯留型舗装用ブロックの不陸やガタつきが生じやすく、ブロックの破損が生じやすいという問題がある。
第2発明の雨水貯留型舗装用ブロックは、第1発明において、前記水平目地保持突条は、前記表面との縁に沿って形成されていることを特徴とする。
第3発明の雨水貯留型舗装用ブロックは、第1発明において、前記水平目地保持突条は、前記表面との縁から所定間隔を隔てて形成されていることを特徴とする。
第4発明の雨水貯留型舗装用ブロックは、第3発明において、前記水平目地保持突条は、その上面に、突条の峰に向かって下がる傾斜が形成されていることを特徴とする。
第5発明の雨水貯留型舗装用ブロックは、第3発明において、前記水平目地保持突条は、その上面に、中央から両端に向かって下がる傾斜が形成されていることを特徴とする。
第6発明の雨水貯留型舗装用ブロックは、第1、第2、第3、第4または第5発明において、前記表面には、前記非嵌合側面に対して直行し、該非嵌合側面との縁に端部を有する多数の横溝が形成されていることを特徴とする。
第7発明の雨水貯留型舗装用ブロックは、第6発明において、前記非嵌合側面には、前記横溝の端部に連通する多数の縦溝が形成されていることを特徴とする。
第8発明の雨水貯留型舗装用ブロックは、第1、第2、第3、第4、第5、第6または第7発明において、前記目地砂非充填領域に開口を有する空洞部がブロック内部に形成されていることを特徴とする。
第2発明によれば、水平目地保持突条は表面との縁に沿って形成されているので、水平目地保持突条と隣り合う雨水貯留型舗装用ブロックとの間の隙間に目地砂が充填されず、非嵌合側面が対向する目地に、ゴミや埃が溜まることがない。そのため、雨水の浸透効率の低下を防ぐことができる。
第3発明によれば、水平目地保持突条は表面との縁から所定間隔を隔てて形成されているので、水平目地保持突条の上方に充填される目地砂の量が少なくなる。そのため、ゴミや埃が目地砂の隙間に入って目地が目詰りすることが抑制される。また、目地が目詰まりした場合であっても、ゴミや埃は自然に、あるいは洗浄で簡単に除去することができる。そのため、雨水の浸透効率の低下を防ぐことができる。
第4発明によれば、水平目地保持突条はその上面に突条の峰に向かって下がる傾斜が形成されているので、ゴミや埃はその傾斜により下方へ落下し、水平目地保持突条の上方に充填された目地砂にゴミや埃が溜まりにくい。そのため、雨水の浸透効率の低下を防ぐことができる。
第5発明によれば、水平目地保持突条はその上面に中央から両端に向かって下がる傾斜が形成されているので、ゴミや埃はその傾斜により下方へ落下し、水平目地保持突条の上方に充填された目地砂にゴミや埃が溜まりにくい。そのため、雨水の浸透効率の低下を防ぐことができる。
第6発明によれば、表面に非嵌合側面との縁に端部を有する多数の横溝が形成されているので、表面に降った雨水はその横溝により非嵌合側面まで導かれ、非嵌合側面が対向する目地に雨水を流して地中に排出することができる。そのため、雨水の浸透効率を高くすることができる。また、横溝で形成される凹凸が滑り止めとなり、雨天時においても歩行や走行の安全を確保できる。
第7発明によれば、表面に形成された横溝の端部に連通する多数の縦溝が非嵌合側面に形成されているので、横溝により非嵌合側面まで導かれた雨水は、縦溝により非嵌合側面が対向する目地の内部に導かれやすくなる。そのため、雨水の浸透効率を高くすることができる。
第8発明によれば、空洞部がブロック内部に形成されているので、その空洞部に雨水を一時貯留した後に地中に排出することで、集中豪雨や河川の氾濫による舗装面の浸水を緩和できる。また、空洞部は目地砂非充填領域に開口を有するので、敷設時に目地砂が空洞部に入り込むことを防止できる。そのため、空洞部の貯水性能を確保できる。
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態に係る雨水貯留型舗装用ブロックAの形状について説明する。
図1から図5に示すように、雨水貯留型舗装用ブロックAは、敷設状態において舗装面となる表面1と、底面2と、表面1および底面2の間の4つの側面3、4、5、6とから、略直方体に形成されたブロックである。
以下、説明のため、側面3、4、5、6のうち、対向する位置に配置された一対の側面を嵌合側面3、4と称し、他の対向する位置に配置された一対の側面を非嵌合側面5、6と称する。また、本明細書において水平、垂直は、雨水貯留型舗装用ブロックAを底面2を水平面に載置した状態における水平、垂直をいう。
なお、本実施形態において凸状部11、11および凹溝12、12は2条ずつ形成されているが、1条のみ形成されてもよいし、3条以上形成されてもよい。
このように垂直目地保持突条22が水平目地保持突条21に比べて高く形成されることによる効果は後に詳説する。
雨水貯留型舗装用ブロックAは、例えば、歩道や公園などの歩行者用道路や、管理車両が乗り入れする舗装箇所、あるいは普通車程度の車両が乗入れする歩道や駐車場に敷設される。
図7に示すように、まず、敷設面に砂または不織布を敷いてフィルター層Fを形成し、そのフィルター層Fの上に砕石を敷いて砕石路盤Rを形成し、その砕石路盤Rの上に透水シートWを敷いて、さらにその上にサンドクッション層Cを形成する。
つぎに、サンドクッション層Cの上に、複数の雨水貯留型舗装用ブロックAを千鳥状に配置する。この際、ある一の雨水貯留型舗装用ブロックAの非嵌合側面5が、他の一の雨水貯留型舗装用ブロックAの非嵌合側面6と対向するよう配置され、列が形成される。また、列同士は、ある一の雨水貯留型舗装用ブロックAの嵌合側面3が、隣接する2つの雨水貯留型舗装用ブロックAの嵌合側面4と対向するよう配置される。
このように、雨水貯留型舗装用ブロックAは、通常のインターロッキングブロック工事と同様の方法で敷設されるので、専用機械や特殊作業員が必要なく、施工が容易で工期が短い。
ここで、前述のごとく、垂直目地保持突条22は水平目地保持突条21に比べて高く形成されているので、敷設状態において水平目地保持突条21と隣り合う雨水貯留型舗装用ブロックAの非嵌合側面6との間には、突出高さの差hの分だけ隙間oが確保される(図10参照)。
なお、特許請求の範囲に記載の目地砂非充填領域は、基本的には目地砂Sが充填されないが、一部に目地砂Sが充填される場合も含む概念である。
ここで、横溝31に非嵌合側面5、6の両方または片方に向かって下がる傾斜を設ければ、雨水をスムーズに流すことができるので好ましい。
ここで、隙間oには目地砂が充填されないため、非嵌合側面5、6が対向する目地に、ゴミや埃が溜まることがない。そのため、雨水の浸透効率の低下を防ぐことができる。
横溝31により非嵌合側面5、6まで導かれた雨水は、縦溝32により非嵌合側面5、6が対向する目地の内部に導かれやすくなる。そのため、雨水の浸透効率を高くすることができる。
さらに、空洞部40に保水材料を埋め込んでおけば、空洞部40の貯水を長時間保持できるので、舗装面の温度低減効果を長時間持続させることができる。
ここで、横溝31の幅寸法を、嵌合側面3、4が対向する目地の幅寸法と同じにすれば、車椅子などの走行時に、目地部で不快な振動が発生しにくくなるので好ましい。
このように敷設すれば、空洞40の内部に堆積したゴミや埃を取り除くことが可能となり、定期的にメンテナンスすることで雨水貯留機能を長期間において保つことができる。
例えば、雨水貯留型舗装用ブロックAの列方向の勾配が急である場合、空洞部40が貫通穴であると、空洞部40に排出された雨水は、勾配の下端部に配置された雨水貯留型舗装用ブロックAの空洞部40に集まる。しかし、非嵌合側面5、6のいずれか一方が塞がっていれば、雨水貯留型舗装用ブロックAの一つ一つに雨水が貯留でき、貯留の効率がよくなる。
図13に示すように、本発明の第2実施形態に係る雨水貯留型舗装用ブロックBは、第1実施形態に係る雨水貯留型舗装用ブロックAにおいて、水平目地保持突条21および垂直目地保持突条22、22の形状、配置が異なるものである。
具体的には、水平目地保持突条21は、非嵌合側面5と表面1とが接する縁から下方に所定間隔を隔てて、水平方向に形成されている。水平目地保持突条21の両端は、非嵌合側面5と嵌合側面3、4とが接する縁までは延びておらず、その縁から所定間隔を隔てた所に位置している。また、垂直目地保持突条22、22は、非嵌合側面5と嵌合側面3、4とが接する縁から内側に所定間隔を隔てて、垂直方向に形成されている。そして、垂直目地保持突条22、22は、水平目地保持突条21の両端から、底面2に至るまで形成されている。
なお、水平目地保持突条21の、非嵌合側面5と表面1とが接する縁からの距離は、任意に設定されるが、例えば約5mmである。
その余の構成は、雨水貯留型舗装用ブロックAと同様であるので、同一部材に同一符号を付して説明を省略する。
そして、垂直目地保持突条22、22は底面2に至るまで形成されているので、目地砂非充填領域への目地砂Sの進入を抑えることができる。
このような形状とすることで、目地砂Sの隙間に入ったゴミや埃が、水平目地保持突条21の上面の傾斜により隙間oから下方へ落下しやすくなる。そのため、水平目地保持突条21の上方に充填された目地砂Sにゴミや埃が溜まりにくい。また、目地が目詰まりした場合であっても、ゴミや埃は自然に、あるいは洗浄で簡単に除去することができる。そのため、雨水の浸透効率の低下を防ぐことができる。
このような形状とすることで、目地砂Sの隙間に入ったゴミや埃が、水平目地保持突条21の上面の傾斜により、その両端から下方へ落下しやすくなる。そのため、水平目地保持突条21の上方に充填された目地砂Sにゴミや埃が溜まりにくい。また、目地が目詰まりした場合であっても、ゴミや埃は自然に、あるいは洗浄で簡単に除去することができる。そのため、雨水の浸透効率の低下を防ぐことができる。
下部突条23を設けることにより、雨水貯留型舗装用ブロックBに大量の雨水が浸透した場合でも、敷設面に敷かれたサンドクッション層Cの砂が、目地砂非充填領域や空洞部40に上昇してくることを防止できる。
上記実施形態では、ブロックの内部に空洞部40、40を設けたが、この空洞部40を設けない実施形態としてもよい。この場合でも、雨水貯留型舗装用ブロックを保水性を有する材料で形成することにより、雨水の貯水性能を得ることができる。
2 底面
3、4 嵌合側面
5、6 非嵌合側面
11 凸状部
12 凹溝
21 水平目地保持突条
22 垂直目地保持突条
31 横溝
40 空洞部
Claims (8)
- 表面と、底面と、対向する位置に配置された一対の嵌合側面と、他の対向する位置に配置された一対の非嵌合側面とから、略直方体に形成されたブロックであって、
一方の前記嵌合側面には、水平方向に延びる凸状部が形成されており、
他方の前記嵌合側面には、前記凸状部が嵌合される凹溝が形成されており、
前記一対の非嵌合側面には、
水平方向に延びる水平目地保持突条が、前記表面との縁の近傍に形成されており、
垂直方向に延びる一対の垂直目地保持突条が、前記一対の嵌合側面との縁から所定間隔を隔てて形成されており、
前記一対の垂直目地保持突条は、その突出高さが前記水平目地保持突条の突出高さに比べて高く形成されている
ことを特徴とする雨水貯留型舗装用ブロック。 - 前記水平目地保持突条は、前記表面との縁に沿って形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の雨水貯留型舗装用ブロック。 - 前記水平目地保持突条は、前記表面との縁から所定間隔を隔てて形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の雨水貯留型舗装用ブロック。 - 前記水平目地保持突条は、その上面に、突条の峰に向かって下がる傾斜が形成されている
ことを特徴とする請求項3記載の雨水貯留型舗装用ブロック。 - 前記水平目地保持突条は、その上面に、中央から両端に向かって下がる傾斜が形成されている
ことを特徴とする請求項3記載の雨水貯留型舗装用ブロック。 - 前記表面には、前記非嵌合側面に対して直行し、該非嵌合側面との縁に端部を有する多数の横溝が形成されている
ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の雨水貯留型舗装用ブロック。 - 前記非嵌合側面には、前記横溝の端部に連通する多数の縦溝が形成されている
ことを特徴とする請求項6記載の雨水貯留型舗装用ブロック。 - 前記目地砂非充填領域に開口を有する空洞部がブロック内部に形成されている
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載の雨水貯留型舗装用ブロック。
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