JP2004052472A - 舗装道路、舗装道路構築用の保砂構造体、舗装道路の路面安定方法及び道路の舗装方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】表面が多数の路面形成ブロック等の路面部材で構築された舗装道路において、路面部材の下に敷かれている砂の流出等、砂の移動に起因する路面部材の沈下や傾斜等を防止することにより、舗装道路の路面の安定を図る。
【解決手段】舗装道路Rは、施工部の地面Gの上に所要の厚さで層状に敷かれている砕石1と、砕石1の上に敷かれている通水シート2と、通水シート2の上に敷かれている保砂構造体3と、保砂構造体3の内部に入れられている砂4と、砂4の層の上面に敷き詰められている多数の路面形成ブロック5で構築されている。保砂構造体3は、弾性を有する二種類の構成体30a等を格子構造となるように縦横に多数組み合わせて形成されている。構成体30a等の下側となる辺には排水溝32が設けられている。保砂構造体3の各砂保持部33には、砂4が入れられている。砂4の層の上面には路面形成ブロック5が多数並べられて敷き詰めてある。
【選択図】 図2
【解決手段】舗装道路Rは、施工部の地面Gの上に所要の厚さで層状に敷かれている砕石1と、砕石1の上に敷かれている通水シート2と、通水シート2の上に敷かれている保砂構造体3と、保砂構造体3の内部に入れられている砂4と、砂4の層の上面に敷き詰められている多数の路面形成ブロック5で構築されている。保砂構造体3は、弾性を有する二種類の構成体30a等を格子構造となるように縦横に多数組み合わせて形成されている。構成体30a等の下側となる辺には排水溝32が設けられている。保砂構造体3の各砂保持部33には、砂4が入れられている。砂4の層の上面には路面形成ブロック5が多数並べられて敷き詰めてある。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は舗装道路、舗装道路構築用の保砂構造体、舗装道路の路面安定方法及び道路の舗装方法に関するものである。更に詳しくは、表面が多数の路面部材で構築された舗装道路において、路面部材の下に敷かれている砂の流出等、砂の移動に起因する路面部材の沈下や傾斜等を防止することにより、舗装道路の路面の安定を図るものに関する。
【0002】
【従来技術】
近年においては、街の景観を美しくするために、歩道に限らず車道でも、多数の路面形成ブロックを敷き詰めた舗装道路が施工されるようになってきた。
このような舗装道路は、まず、地面に砕石を敷き詰め、砕石の上にクッション性を持たせるための砂を敷き、更にその砂の上に多数の路面形成ブロックを並べて敷き詰めることにより施工されている。この構造の舗装道路は、砂の層の作用により、路面に土の地面と同様のクッション性を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の舗装道路には、次のような課題があった。
すなわち、路面形成ブロックの下に敷かれている砂は、あらかじめ決められている厚さになるように層状に設けられ、ある程度の固さに突き固められるが、舗装泥には、砂が移動しないようにする手段は設けられていないので、砂は路面形成ブロックの下で移動が可能である。
【0004】
このため、路面形成ブロックにかかる車両重量等の外力によって砂が押されて移動し、砂の層の上面に凹凸が生じて、路面形成ブロックが沈下したり傾斜して、路面が平坦でなくなってしまうことがあった。特に、坂道等、路面が傾斜している箇所では、雨水によって砂が流れやすいことも相まって、この傾向が顕著であった。
舗装道路の路面がこのような状態になると、街の景観を損なうばかりか、車道では路面形成ブロックが跳ね飛ばされたり、歩道では路面形成ブロックに歩行者がつまずいてしまう等、非常に危険であった。
【0005】
本発明の目的は、表面が多数の路面形成ブロック等の路面部材で構築された舗装道路において、路面部材の下に敷かれている砂の流出等、砂の移動に起因する路面部材の沈下や傾斜等を防止することにより、舗装道路の路面の安定を図ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために講じた本発明の手段は次のとおりである。
【0007】
第1の発明にあっては、
表面に複数または多数の路面部材を敷いて構築されている舗装道路であって、路面部材の下側に敷かれている砂を本質的に移動させないか、または移動しにくいようにする手段を備えていることを特徴とする、
舗装道路である。
【0008】
第2の発明にあっては、
表面に複数または多数の路面部材を敷いて構築されている舗装道路であって、路面部材の下側に敷かれている砂を区画して保持できる区画手段を備えていることを特徴とする、
舗装道路である。
【0009】
第3の発明にあっては、
施工部の地面に所要の厚さに敷かれている砕石と、
砕石の上側に敷かれており、通水可能で砂を保持するための複数または多数の砂保持部を備え、所要の厚さを有する保砂構造体と、
保砂構造体の各砂保持部に所要の厚さとなるように収容保持されている砂と、
保砂構造体または砂の上側に敷かれている複数または多数の路面部材と、
を備えていることを特徴とする、
舗装道路である。
【0010】
第4の発明にあっては、
保砂構造体の下側に、砂を通過させず通水可能なシートが敷かれていることを特徴とする、
第3の発明に係る舗装道路である。
【0011】
第5の発明にあっては、
第3または第4の発明に係る舗装道路を構築するための保砂構造体であって、
所要の厚さを有し、通水可能で砂を保持するための複数または多数の砂保持部を備えていることを特徴とする、
舗装道路構築用の保砂構造体である。
【0012】
第6の発明にあっては、
格子構造となるように形成されていることを特徴とする、
第5の発明に係る舗装道路構築用の保砂構造体である。
【0013】
第7の発明にあっては、
弾性を有する材料で形成されていることを特徴とする、
第5または第6の発明に係る舗装道路構築用の保砂構造体である。
【0014】
第8発明にあっては、
複数または多数の路面部材の下側に敷かれている砂を本質的に移動させないか、または移動しにくいようにする手段を設けて路面部材の沈下または傾斜を防止することを特徴とする、
舗装道路の路面安定方法である。
【0015】
舗装道路には、例えば車道、歩道、公園の遊歩道等が含まれるが、これらに限定されるものではない。
路面部材の構造や形状及び材質は、特に限定するものではなく、少なくとも通行する人や車両の重量に十分に耐えることができるものであればよい。材質としては、例えば、煉瓦やタイル等の焼物、合成樹脂、ゴム(天然及び合成)、石(天然石及び人工石)、コンクリート、あるいはそれらの中から複数を選択して複合したもの等があげられる。
【0016】
保砂構造体の構造や形状及び材質は、少なくとも砂保持部に砂を収容した状態で、上側に敷かれる路面部材の重さ、更に路面部材の上を通行する人や車両の重さを支えることができれば、特に限定しない。
【0017】
保砂構造体の構造は、所要の厚さ(厚み)を有し、砂保持部が複数または多数設けられた構造であればよく、例えば格子構造である。格子構造の場合、縦横の部材が直角に交差するもの(砂保持部の形状は平面視で長方形、正方形)、鋭角または鈍角に交差するもの(砂保持部の形状は平面視で菱形、平行四辺形)が含まれる。
【0018】
また、保砂構造体には、底部があるものとないものが含まれ、底部があるものは通水のための孔や溝が設けられるのが望ましい。また、縦横の部材は、単に細い板状体でもよいし、棒状体あるいは強度を増すために断面コ字状やU字状の樋状のもの等でもよい。
その他、底部に通水のための孔や溝を有する複数のカップ状または容器状の砂保持部を基材等に一体に形成した構造等でもよい。なお、通水のための孔や溝が設けられる場所は、砂保持部の底部に限定されるものではなく、側壁部等でもよい。
【0019】
保砂構造体に設けられる砂保持部の構造は、例えば上記したようにカップ状または容器状であるが、これらは区画される等して各々独立している構造でもよいし、通水溝や通水孔等で一部がつながった構造でもよい。また、各砂保持部は、砂の移動を防止するという機能を高めるには、それぞれの容量を小さくして数を増やすのが望ましいが、容量や数(保砂構造体の単位広さ当たりの個数:密度)については特に限定するものではない。
【0020】
また、保砂構造体の材質は、ゴムや合成樹脂等、弾性を有する材料の他、間伐材等の木材を利用することもできる。また、合成樹脂等、腐食しない材料を使用してもよいし、少なくとも砂の養生ができる期間(砂が本質的に移動しないか移動しにくくなる程度に固まるまでの期間)だけ砂が移動しないか移動しにくいように保持できれば、木材や生分解性プラスチック等、腐食する材料を使用してもよい。
【0021】
なお、保砂構造体は、舗装道路構築用として使用されるが、その他、例えばベランダの床部に施工することも可能である。この場合、砂保持部に砂の代わりに、例えば炭を入れて、その上に路面部材に相当する路面形成ブロックを敷いて施工してもよいし、そのまま何も入れないで路面形成ブロックを敷いてもよい。このように施工すれば、路面形成ブロック等を床に直接敷くより水切れがよく、苔や黴が生じにくい。
【0022】
砂を通過させず通水可能なシートとしては、例えば不織布、織布、編布、紙(和紙、洋紙、合成紙)、網状体等であるが、上記機能を有するものであれば、これらに限定するものではない。また、その素材も特に限定せず、合成樹脂等のように合成素材で腐食しにくいものでもよいし、綿や麻等のように天然素材で腐食しやすいものでもよい。
【0023】
(作用)
本発明に係る舗装道路は次のように作用する。
舗装道路(舗道ともいう)を構築しており、路面部材の下部に敷かれている砂を本質的に移動させないか、または移動しにくいようにする手段を構成する保砂構造体は、砂を保持するための砂保持部を備えており、施工においては、砂は砂保持部に入れられる。砂は、通常は砂保持部からあふれるように上側へやや高くなるように入れられ、砂の層は、全体としてあらかじめ決められた厚さになるように施工される。なお、砂は必ずしも砂保持部からあふれなくてもよく、砂保持部に全部の砂が収まるように入れてもよい。
【0024】
砂を保砂構造体の砂保持部に入れることにより、砂は各砂保持部の内部において保持され、路面部材等から外力が加わっても、最初に入れられた位置から本質的に移動することはない。
これにより、舗装道路の施工後において、砂の量が場所によって変わることはほとんどなく、砂の層の上面に極端な凹凸が生じることもない。従って、砂の層の上綿または上側に敷かれている各路面部材が沈下したり傾斜することはなく、舗装道路の路面の安定を図ることができる。
【0025】
保砂構造体の下に、砂を通過させず通水可能なシートが敷かれている舗装道路は、通水機能を確保しながら、下部からの砂の流出を防止できるので、砂の保持機能がより高まる。
【0026】
舗装道路構築用の保砂構造体が格子構造となるよう形成されているものは、格子を構成する部材を細く(薄く)形成することにより、保砂構造体の単位広さ当たりの砂保持部の広さまたは容積を無駄なく大きくとることができる。これにより、砂の層が同じ厚さであれば、保砂構造体を設けない場合とほぼ同じ量の砂を路面部材の下に敷くことができるので、従来と同様に砂の層が持つ自然なクッション性を有する舗装道路を施工できる。
【0027】
舗装道路構築用の保砂構造体が弾性を有する材料で形成されているものは、砂の層のクッション性に加えて、弾性材料によるクッション性が作用するので、路面のクッション性がより優れた舗装道路を施工できる。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明を図面に示した実施の形態に基づき更に詳細に説明する。
図1は本発明に係る舗装道路の実施の形態を示し、砂を省略した状態の斜視説明図、
図2は本発明に係る舗装道路の実施の形態を示す縦断面説明図、
図3は保砂構造体の構造を示す分解斜視説明図である。
【0029】
舗装道路Rの構造を説明する。
舗装道路Rは、施工部の地面Gの上に所要の厚さで層状に敷かれている砕石1と、砕石1の上に敷かれている通水シート2と、通水シート2の上に敷かれている保砂構造体3と、保砂構造体3の内部に入れられている砂4と、砂4の層の上面に敷き詰められている多数の路面形成ブロック5で構築されている。
【0030】
砕石1の層は、タイヤローラー等の転圧作業車によって締め固めてあり、舗装道路Rの基礎として十分な強度を持たせてある。
通水シート2は、合成樹脂製の繊維でつくられた不織布で形成されている。通水シート2は、水を良好に通す機能を有するけれども、砂4の粒は本質的に通さない機能を有するものが採用されている。
【0031】
保砂構造体3は、弾性を有する二種類の構成体30、30aを格子構造となるように縦横に多数組み合わせて形成されている。保砂構造体3の詳細な構造は次のとおりである。
構成体30、30aは帯板状であり、硬質ゴムでつくられている。一方の構成体30の上側となる辺には、他方の構成体30aとの係合のための係合溝31が等間隔で設けられている。また、構成体30の下側となる辺には、上方側へ凹んだ排水のための排水溝32が等間隔で設けられている。係合溝31と排水溝32は、それぞれが他方側の長手方向における中間部に位置するように設けられている。
【0032】
一方の構成体30と組み合わせられる他方の構成体30aは、下側となる辺に係合のための係合溝31と、排水のための排水溝32が、長手方向に交互に、かつ等間隔で設けられている。
構成体30、30aは、図3に示すように、互いの係合溝31を向かい合わせて係合させることにより、格子構造となるように組み合わせることができる。そして、縦横に組み合わせられた構成体30、30aで囲まれた部分には、平面視で正方形状の砂保持部33が区画形成される。
【0033】
なお、構成体30、30aの寸法は特に限定されるものではないが、本実施の形態では、長さが900mm(例えば900、1800、2700mmで設定される)、幅が15mm(例えば15〜20mmで設定される)、厚さが6mm(例えば6〜8mmで設定される)である。また、各係合溝31の互いの間隔と、各排水溝32の互いの間隔は150mmである。
上記構造の保砂構造体3は、一辺が900mmのほぼ正方形状の形態を有し、施工においては、この単位体が縦横に多数並設される。
【0034】
保砂構造体3の各砂保持部33には、砂4が入れられている(図2参照:図1では保砂構造体3を表すために砂4の図示は省略している)。砂4は、その上面が保砂構造体3の上端部(構成体30、30aの上辺)よりやや上に位置するように(例えば5mm盛り上げて)入れられている(図2参照)。
そして、砂4の層の上面には、路面部材である路面形成ブロック5が多数並べられて敷き詰めてある。
【0035】
(作 用)
図1ないし図3を参照して、本実施の形態に係る舗装道路の施工方法(道路の舗装方法)及び構築された舗装道路の作用を説明する。
上記構造の舗装道路Rは、施工部の地面Gの上側に砕石1を所要の厚さに敷き、砕石1の上側に通水可能で砂4を保持できる複数または多数の砂保持部33を有する保砂構造体3を敷き、保砂構造体3の各砂保持部33に所要量の砂4を収容保持し、保砂構造体3または砂4の上側に複数または多数の路面形成ブロック5を敷いて施工される。
【0036】
詳しくは、
(1)施工部の地面Gに砕石1を所要の厚さに敷き、タイヤローラー等の転圧作業車によって砕石1の層を締め固める。砕石1の層の上面は、できるだけ平坦になるようにする。
(2)締め固められた砕石1の層上に通水シート2を敷く。通水シート2は、施工部の砕石1の層上に隙間なく敷かれる。
【0037】
(3)通水シート2の上に保砂構造体3を全面にわたり敷く。
(4)保砂構造体3の各砂保持部33に、砂4の層の上面が保砂構造体3の上端部よりやや高くなるように砂を収容保持する。砂4の層の上面はできるだけ平坦になるようにする。
(5)砂4の層の上面に必要な数の路面形成ブロック5を隙間なく敷き詰める。
【0038】
上記構造の舗装道路Rは、次のように作用する。
舗装道路Rは、多数の路面形成ブロック5の下側に敷かれている砂を、保砂構造体3の各砂保持部33に収容保持することで、砂を本質的に移動させないか、または移動しにくいようにし、各路面形成ブロック5の沈下または傾斜を防止することによって、舗装道路Rの路面(各路面形成ブロック5の表面で構成される部分)の安定を図ることができる。
【0039】
すなわち、砂4を保砂構造体3の砂保持部33に入れることにより、砂4は各砂保持部33の内部において保持されるので、路面形成ブロック5等から外力が加わっても、砂保持部33を構成している構成体30、30aの作用により、最初に入れられた位置から本質的に移動することはない。なお、保砂構造体3より上部にある砂4は多少は動くが、大部分を占める保砂構造体3内の砂4が動かないので、動きはごくわずかであり、実質的に影響はない。
また、雨水等が路面形成ブロック5の継ぎ目を通過して砂4に含まれた場合、通水シート2を通過して砕石1の層を通り地面Gへ吸収されるので水はけがよいが、砂4が通水シート2を通過して流出してしまうことはない。
【0040】
更に、大量の雨が降った場合でも、砂4の層に含まれる水は保砂構造体3の構成体30、30に設けられている排水溝32によって各砂保持部33間で通水することができるので、保水量は全体に平均化する。
このようないくつかの理由により、舗装道路Rの施工後において、砂の量(高さ)が場所によって変わることはほとんどなく、砂4の層の上面に極端な凹凸が生じることもない。従って、砂4の層の上面に敷かれている各路面形成ブロック5が沈下したり傾斜することはなく、舗装道路Rの路面の安定を図ることができる。
【0041】
保砂構造体3は格子構造であり、帯板状の構成体30、30aを組み合わせて形成されているので、例えば容器を組み合わせた構造のような無駄な空間部がなく、保砂構造体3の単位広さ当たりの砂保持部33の広さ(または容積)を比較的大きくとることができる。これにより、砂4の層が同じ厚さであれば、保砂構造体3を設けない場合とほぼ同じ量の砂4を路面形成ブロック5の下に敷くことができるので、従来と同様に砂4の層が持つ自然なクッション性を有する舗装道路を施工できる。また、保砂構造体3は弾性を有する硬質ゴムで形成されているので、砂4の層のクッション性に加えて、硬質ゴムによるクッション性が作用するので、路面のクッション性がより優れた舗装道路Rを施工できる。
【0042】
なお、本明細書で使用している用語と表現は、あくまで説明上のものであって限定的なものではなく、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するものではない。また、本発明は図示されている実施の形態に限定されるものではなく、技術思想の範囲内において種々の変形が可能である。
【0043】
【発明の効果】
本発明は上記構成を備え、次の効果を有する。
(a)本発明によれば、砂を保砂構造体の砂保持部に入れることにより、砂は各砂保持部の内部において保持され、路面部材等から外力が加わっても、最初に入れられた位置から本質的に移動することはない。
これにより、舗装道路の施工後において、砂の量が場所によって変わることはほとんどなく、砂の層の上面に極端な凹凸が生じることもない。従って、砂の層の上面に敷かれている各路面部材が沈下したり傾斜することはなく、舗装道路の路面の安定を図ることができる。
【0044】
(b)保砂構造体の下に、砂を通過させず通水可能なシートが敷かれている舗装道路は、通水機能を確保しながら、下部からの砂の流出を防止できるので、砂の保持機能がより高まる。
【0045】
(c)舗装道路構築用の保砂構造体が格子構造となるよう形成されているものは、格子を構成する部材を細く(薄く)形成することにより、保砂構造体の単位広さ当たりの砂保持部の広さまたは容積を無駄なく大きくとることができる。これにより、砂の層が同じ厚さであれば、保砂構造体を設けない場合とほぼ同じ量の砂を路面部材の下に敷くことができるので、従来と同様に砂の層が持つ自然なクッション性を有する舗装道路を施工できる。
【0046】
(d)舗装道路構築用の保砂構造体が弾性を有する材料で形成されているものは、砂の層のクッション性に加えて、弾性材料によるクッション性が作用するので、路面のクッション性がより優れた舗装道路を施工できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る舗装道路の実施の形態を示し、砂を省略した状態の斜視説明図。
【図2】本発明に係る舗装道路の実施の形態を示す縦断面説明図。
【図3】保砂構造体の構造を示す分解斜視説明図。
【符号の説明】
R 舗装道路
G 地面
1 砕石
2 通水シート
3 保砂構造体
30、30a 構成体
31 係合溝
32 排水溝
33 砂保持部
4 砂
5 路面形成ブロック
【発明の属する技術分野】
本発明は舗装道路、舗装道路構築用の保砂構造体、舗装道路の路面安定方法及び道路の舗装方法に関するものである。更に詳しくは、表面が多数の路面部材で構築された舗装道路において、路面部材の下に敷かれている砂の流出等、砂の移動に起因する路面部材の沈下や傾斜等を防止することにより、舗装道路の路面の安定を図るものに関する。
【0002】
【従来技術】
近年においては、街の景観を美しくするために、歩道に限らず車道でも、多数の路面形成ブロックを敷き詰めた舗装道路が施工されるようになってきた。
このような舗装道路は、まず、地面に砕石を敷き詰め、砕石の上にクッション性を持たせるための砂を敷き、更にその砂の上に多数の路面形成ブロックを並べて敷き詰めることにより施工されている。この構造の舗装道路は、砂の層の作用により、路面に土の地面と同様のクッション性を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の舗装道路には、次のような課題があった。
すなわち、路面形成ブロックの下に敷かれている砂は、あらかじめ決められている厚さになるように層状に設けられ、ある程度の固さに突き固められるが、舗装泥には、砂が移動しないようにする手段は設けられていないので、砂は路面形成ブロックの下で移動が可能である。
【0004】
このため、路面形成ブロックにかかる車両重量等の外力によって砂が押されて移動し、砂の層の上面に凹凸が生じて、路面形成ブロックが沈下したり傾斜して、路面が平坦でなくなってしまうことがあった。特に、坂道等、路面が傾斜している箇所では、雨水によって砂が流れやすいことも相まって、この傾向が顕著であった。
舗装道路の路面がこのような状態になると、街の景観を損なうばかりか、車道では路面形成ブロックが跳ね飛ばされたり、歩道では路面形成ブロックに歩行者がつまずいてしまう等、非常に危険であった。
【0005】
本発明の目的は、表面が多数の路面形成ブロック等の路面部材で構築された舗装道路において、路面部材の下に敷かれている砂の流出等、砂の移動に起因する路面部材の沈下や傾斜等を防止することにより、舗装道路の路面の安定を図ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために講じた本発明の手段は次のとおりである。
【0007】
第1の発明にあっては、
表面に複数または多数の路面部材を敷いて構築されている舗装道路であって、路面部材の下側に敷かれている砂を本質的に移動させないか、または移動しにくいようにする手段を備えていることを特徴とする、
舗装道路である。
【0008】
第2の発明にあっては、
表面に複数または多数の路面部材を敷いて構築されている舗装道路であって、路面部材の下側に敷かれている砂を区画して保持できる区画手段を備えていることを特徴とする、
舗装道路である。
【0009】
第3の発明にあっては、
施工部の地面に所要の厚さに敷かれている砕石と、
砕石の上側に敷かれており、通水可能で砂を保持するための複数または多数の砂保持部を備え、所要の厚さを有する保砂構造体と、
保砂構造体の各砂保持部に所要の厚さとなるように収容保持されている砂と、
保砂構造体または砂の上側に敷かれている複数または多数の路面部材と、
を備えていることを特徴とする、
舗装道路である。
【0010】
第4の発明にあっては、
保砂構造体の下側に、砂を通過させず通水可能なシートが敷かれていることを特徴とする、
第3の発明に係る舗装道路である。
【0011】
第5の発明にあっては、
第3または第4の発明に係る舗装道路を構築するための保砂構造体であって、
所要の厚さを有し、通水可能で砂を保持するための複数または多数の砂保持部を備えていることを特徴とする、
舗装道路構築用の保砂構造体である。
【0012】
第6の発明にあっては、
格子構造となるように形成されていることを特徴とする、
第5の発明に係る舗装道路構築用の保砂構造体である。
【0013】
第7の発明にあっては、
弾性を有する材料で形成されていることを特徴とする、
第5または第6の発明に係る舗装道路構築用の保砂構造体である。
【0014】
第8発明にあっては、
複数または多数の路面部材の下側に敷かれている砂を本質的に移動させないか、または移動しにくいようにする手段を設けて路面部材の沈下または傾斜を防止することを特徴とする、
舗装道路の路面安定方法である。
【0015】
舗装道路には、例えば車道、歩道、公園の遊歩道等が含まれるが、これらに限定されるものではない。
路面部材の構造や形状及び材質は、特に限定するものではなく、少なくとも通行する人や車両の重量に十分に耐えることができるものであればよい。材質としては、例えば、煉瓦やタイル等の焼物、合成樹脂、ゴム(天然及び合成)、石(天然石及び人工石)、コンクリート、あるいはそれらの中から複数を選択して複合したもの等があげられる。
【0016】
保砂構造体の構造や形状及び材質は、少なくとも砂保持部に砂を収容した状態で、上側に敷かれる路面部材の重さ、更に路面部材の上を通行する人や車両の重さを支えることができれば、特に限定しない。
【0017】
保砂構造体の構造は、所要の厚さ(厚み)を有し、砂保持部が複数または多数設けられた構造であればよく、例えば格子構造である。格子構造の場合、縦横の部材が直角に交差するもの(砂保持部の形状は平面視で長方形、正方形)、鋭角または鈍角に交差するもの(砂保持部の形状は平面視で菱形、平行四辺形)が含まれる。
【0018】
また、保砂構造体には、底部があるものとないものが含まれ、底部があるものは通水のための孔や溝が設けられるのが望ましい。また、縦横の部材は、単に細い板状体でもよいし、棒状体あるいは強度を増すために断面コ字状やU字状の樋状のもの等でもよい。
その他、底部に通水のための孔や溝を有する複数のカップ状または容器状の砂保持部を基材等に一体に形成した構造等でもよい。なお、通水のための孔や溝が設けられる場所は、砂保持部の底部に限定されるものではなく、側壁部等でもよい。
【0019】
保砂構造体に設けられる砂保持部の構造は、例えば上記したようにカップ状または容器状であるが、これらは区画される等して各々独立している構造でもよいし、通水溝や通水孔等で一部がつながった構造でもよい。また、各砂保持部は、砂の移動を防止するという機能を高めるには、それぞれの容量を小さくして数を増やすのが望ましいが、容量や数(保砂構造体の単位広さ当たりの個数:密度)については特に限定するものではない。
【0020】
また、保砂構造体の材質は、ゴムや合成樹脂等、弾性を有する材料の他、間伐材等の木材を利用することもできる。また、合成樹脂等、腐食しない材料を使用してもよいし、少なくとも砂の養生ができる期間(砂が本質的に移動しないか移動しにくくなる程度に固まるまでの期間)だけ砂が移動しないか移動しにくいように保持できれば、木材や生分解性プラスチック等、腐食する材料を使用してもよい。
【0021】
なお、保砂構造体は、舗装道路構築用として使用されるが、その他、例えばベランダの床部に施工することも可能である。この場合、砂保持部に砂の代わりに、例えば炭を入れて、その上に路面部材に相当する路面形成ブロックを敷いて施工してもよいし、そのまま何も入れないで路面形成ブロックを敷いてもよい。このように施工すれば、路面形成ブロック等を床に直接敷くより水切れがよく、苔や黴が生じにくい。
【0022】
砂を通過させず通水可能なシートとしては、例えば不織布、織布、編布、紙(和紙、洋紙、合成紙)、網状体等であるが、上記機能を有するものであれば、これらに限定するものではない。また、その素材も特に限定せず、合成樹脂等のように合成素材で腐食しにくいものでもよいし、綿や麻等のように天然素材で腐食しやすいものでもよい。
【0023】
(作用)
本発明に係る舗装道路は次のように作用する。
舗装道路(舗道ともいう)を構築しており、路面部材の下部に敷かれている砂を本質的に移動させないか、または移動しにくいようにする手段を構成する保砂構造体は、砂を保持するための砂保持部を備えており、施工においては、砂は砂保持部に入れられる。砂は、通常は砂保持部からあふれるように上側へやや高くなるように入れられ、砂の層は、全体としてあらかじめ決められた厚さになるように施工される。なお、砂は必ずしも砂保持部からあふれなくてもよく、砂保持部に全部の砂が収まるように入れてもよい。
【0024】
砂を保砂構造体の砂保持部に入れることにより、砂は各砂保持部の内部において保持され、路面部材等から外力が加わっても、最初に入れられた位置から本質的に移動することはない。
これにより、舗装道路の施工後において、砂の量が場所によって変わることはほとんどなく、砂の層の上面に極端な凹凸が生じることもない。従って、砂の層の上綿または上側に敷かれている各路面部材が沈下したり傾斜することはなく、舗装道路の路面の安定を図ることができる。
【0025】
保砂構造体の下に、砂を通過させず通水可能なシートが敷かれている舗装道路は、通水機能を確保しながら、下部からの砂の流出を防止できるので、砂の保持機能がより高まる。
【0026】
舗装道路構築用の保砂構造体が格子構造となるよう形成されているものは、格子を構成する部材を細く(薄く)形成することにより、保砂構造体の単位広さ当たりの砂保持部の広さまたは容積を無駄なく大きくとることができる。これにより、砂の層が同じ厚さであれば、保砂構造体を設けない場合とほぼ同じ量の砂を路面部材の下に敷くことができるので、従来と同様に砂の層が持つ自然なクッション性を有する舗装道路を施工できる。
【0027】
舗装道路構築用の保砂構造体が弾性を有する材料で形成されているものは、砂の層のクッション性に加えて、弾性材料によるクッション性が作用するので、路面のクッション性がより優れた舗装道路を施工できる。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明を図面に示した実施の形態に基づき更に詳細に説明する。
図1は本発明に係る舗装道路の実施の形態を示し、砂を省略した状態の斜視説明図、
図2は本発明に係る舗装道路の実施の形態を示す縦断面説明図、
図3は保砂構造体の構造を示す分解斜視説明図である。
【0029】
舗装道路Rの構造を説明する。
舗装道路Rは、施工部の地面Gの上に所要の厚さで層状に敷かれている砕石1と、砕石1の上に敷かれている通水シート2と、通水シート2の上に敷かれている保砂構造体3と、保砂構造体3の内部に入れられている砂4と、砂4の層の上面に敷き詰められている多数の路面形成ブロック5で構築されている。
【0030】
砕石1の層は、タイヤローラー等の転圧作業車によって締め固めてあり、舗装道路Rの基礎として十分な強度を持たせてある。
通水シート2は、合成樹脂製の繊維でつくられた不織布で形成されている。通水シート2は、水を良好に通す機能を有するけれども、砂4の粒は本質的に通さない機能を有するものが採用されている。
【0031】
保砂構造体3は、弾性を有する二種類の構成体30、30aを格子構造となるように縦横に多数組み合わせて形成されている。保砂構造体3の詳細な構造は次のとおりである。
構成体30、30aは帯板状であり、硬質ゴムでつくられている。一方の構成体30の上側となる辺には、他方の構成体30aとの係合のための係合溝31が等間隔で設けられている。また、構成体30の下側となる辺には、上方側へ凹んだ排水のための排水溝32が等間隔で設けられている。係合溝31と排水溝32は、それぞれが他方側の長手方向における中間部に位置するように設けられている。
【0032】
一方の構成体30と組み合わせられる他方の構成体30aは、下側となる辺に係合のための係合溝31と、排水のための排水溝32が、長手方向に交互に、かつ等間隔で設けられている。
構成体30、30aは、図3に示すように、互いの係合溝31を向かい合わせて係合させることにより、格子構造となるように組み合わせることができる。そして、縦横に組み合わせられた構成体30、30aで囲まれた部分には、平面視で正方形状の砂保持部33が区画形成される。
【0033】
なお、構成体30、30aの寸法は特に限定されるものではないが、本実施の形態では、長さが900mm(例えば900、1800、2700mmで設定される)、幅が15mm(例えば15〜20mmで設定される)、厚さが6mm(例えば6〜8mmで設定される)である。また、各係合溝31の互いの間隔と、各排水溝32の互いの間隔は150mmである。
上記構造の保砂構造体3は、一辺が900mmのほぼ正方形状の形態を有し、施工においては、この単位体が縦横に多数並設される。
【0034】
保砂構造体3の各砂保持部33には、砂4が入れられている(図2参照:図1では保砂構造体3を表すために砂4の図示は省略している)。砂4は、その上面が保砂構造体3の上端部(構成体30、30aの上辺)よりやや上に位置するように(例えば5mm盛り上げて)入れられている(図2参照)。
そして、砂4の層の上面には、路面部材である路面形成ブロック5が多数並べられて敷き詰めてある。
【0035】
(作 用)
図1ないし図3を参照して、本実施の形態に係る舗装道路の施工方法(道路の舗装方法)及び構築された舗装道路の作用を説明する。
上記構造の舗装道路Rは、施工部の地面Gの上側に砕石1を所要の厚さに敷き、砕石1の上側に通水可能で砂4を保持できる複数または多数の砂保持部33を有する保砂構造体3を敷き、保砂構造体3の各砂保持部33に所要量の砂4を収容保持し、保砂構造体3または砂4の上側に複数または多数の路面形成ブロック5を敷いて施工される。
【0036】
詳しくは、
(1)施工部の地面Gに砕石1を所要の厚さに敷き、タイヤローラー等の転圧作業車によって砕石1の層を締め固める。砕石1の層の上面は、できるだけ平坦になるようにする。
(2)締め固められた砕石1の層上に通水シート2を敷く。通水シート2は、施工部の砕石1の層上に隙間なく敷かれる。
【0037】
(3)通水シート2の上に保砂構造体3を全面にわたり敷く。
(4)保砂構造体3の各砂保持部33に、砂4の層の上面が保砂構造体3の上端部よりやや高くなるように砂を収容保持する。砂4の層の上面はできるだけ平坦になるようにする。
(5)砂4の層の上面に必要な数の路面形成ブロック5を隙間なく敷き詰める。
【0038】
上記構造の舗装道路Rは、次のように作用する。
舗装道路Rは、多数の路面形成ブロック5の下側に敷かれている砂を、保砂構造体3の各砂保持部33に収容保持することで、砂を本質的に移動させないか、または移動しにくいようにし、各路面形成ブロック5の沈下または傾斜を防止することによって、舗装道路Rの路面(各路面形成ブロック5の表面で構成される部分)の安定を図ることができる。
【0039】
すなわち、砂4を保砂構造体3の砂保持部33に入れることにより、砂4は各砂保持部33の内部において保持されるので、路面形成ブロック5等から外力が加わっても、砂保持部33を構成している構成体30、30aの作用により、最初に入れられた位置から本質的に移動することはない。なお、保砂構造体3より上部にある砂4は多少は動くが、大部分を占める保砂構造体3内の砂4が動かないので、動きはごくわずかであり、実質的に影響はない。
また、雨水等が路面形成ブロック5の継ぎ目を通過して砂4に含まれた場合、通水シート2を通過して砕石1の層を通り地面Gへ吸収されるので水はけがよいが、砂4が通水シート2を通過して流出してしまうことはない。
【0040】
更に、大量の雨が降った場合でも、砂4の層に含まれる水は保砂構造体3の構成体30、30に設けられている排水溝32によって各砂保持部33間で通水することができるので、保水量は全体に平均化する。
このようないくつかの理由により、舗装道路Rの施工後において、砂の量(高さ)が場所によって変わることはほとんどなく、砂4の層の上面に極端な凹凸が生じることもない。従って、砂4の層の上面に敷かれている各路面形成ブロック5が沈下したり傾斜することはなく、舗装道路Rの路面の安定を図ることができる。
【0041】
保砂構造体3は格子構造であり、帯板状の構成体30、30aを組み合わせて形成されているので、例えば容器を組み合わせた構造のような無駄な空間部がなく、保砂構造体3の単位広さ当たりの砂保持部33の広さ(または容積)を比較的大きくとることができる。これにより、砂4の層が同じ厚さであれば、保砂構造体3を設けない場合とほぼ同じ量の砂4を路面形成ブロック5の下に敷くことができるので、従来と同様に砂4の層が持つ自然なクッション性を有する舗装道路を施工できる。また、保砂構造体3は弾性を有する硬質ゴムで形成されているので、砂4の層のクッション性に加えて、硬質ゴムによるクッション性が作用するので、路面のクッション性がより優れた舗装道路Rを施工できる。
【0042】
なお、本明細書で使用している用語と表現は、あくまで説明上のものであって限定的なものではなく、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するものではない。また、本発明は図示されている実施の形態に限定されるものではなく、技術思想の範囲内において種々の変形が可能である。
【0043】
【発明の効果】
本発明は上記構成を備え、次の効果を有する。
(a)本発明によれば、砂を保砂構造体の砂保持部に入れることにより、砂は各砂保持部の内部において保持され、路面部材等から外力が加わっても、最初に入れられた位置から本質的に移動することはない。
これにより、舗装道路の施工後において、砂の量が場所によって変わることはほとんどなく、砂の層の上面に極端な凹凸が生じることもない。従って、砂の層の上面に敷かれている各路面部材が沈下したり傾斜することはなく、舗装道路の路面の安定を図ることができる。
【0044】
(b)保砂構造体の下に、砂を通過させず通水可能なシートが敷かれている舗装道路は、通水機能を確保しながら、下部からの砂の流出を防止できるので、砂の保持機能がより高まる。
【0045】
(c)舗装道路構築用の保砂構造体が格子構造となるよう形成されているものは、格子を構成する部材を細く(薄く)形成することにより、保砂構造体の単位広さ当たりの砂保持部の広さまたは容積を無駄なく大きくとることができる。これにより、砂の層が同じ厚さであれば、保砂構造体を設けない場合とほぼ同じ量の砂を路面部材の下に敷くことができるので、従来と同様に砂の層が持つ自然なクッション性を有する舗装道路を施工できる。
【0046】
(d)舗装道路構築用の保砂構造体が弾性を有する材料で形成されているものは、砂の層のクッション性に加えて、弾性材料によるクッション性が作用するので、路面のクッション性がより優れた舗装道路を施工できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る舗装道路の実施の形態を示し、砂を省略した状態の斜視説明図。
【図2】本発明に係る舗装道路の実施の形態を示す縦断面説明図。
【図3】保砂構造体の構造を示す分解斜視説明図。
【符号の説明】
R 舗装道路
G 地面
1 砕石
2 通水シート
3 保砂構造体
30、30a 構成体
31 係合溝
32 排水溝
33 砂保持部
4 砂
5 路面形成ブロック
Claims (8)
- 表面に複数または多数の路面部材(5)を敷いて構築されている舗装道路(R)であって、路面部材(5)の下側に敷かれている砂(4)を本質的に移動させないか、または移動しにくいようにする手段を備えていることを特徴とする、
舗装道路。 - 表面に複数または多数の路面部材(5)を敷いて構築されている舗装道路(R)であって、路面部材(5)の下側に敷かれている砂(4)を区画して保持できる区画手段を備えていることを特徴とする、
舗装道路。 - 施工部の地面(G)に所要の厚さに敷かれている砕石(1)と、
砕石(1)の上側に敷かれており、通水可能で砂を保持するための複数または多数の砂保持部(33)を備え、所要の厚さを有する保砂構造体(3)と、
保砂構造体(3)の各砂保持部(33)に所要の厚さとなるように収容保持されている砂(4)と、
保砂構造体(3)または砂(4)の上側に敷かれている複数または多数の路面部材(5)と、
を備えていることを特徴とする、
舗装道路。 - 保砂構造体(3)の下側に、砂(4)を通過させず通水可能なシート(2)が敷かれていることを特徴とする、
請求項3記載の舗装道路。 - 請求項3または4記載の舗装道路(R)を構築するための保砂構造体(3)であって、
所要の厚さを有し、通水可能で砂を保持するための複数または多数の砂保持部(33)を備えていることを特徴とする、
舗装道路構築用の保砂構造体。 - 格子構造となるように形成されていることを特徴とする、
請求項5記載の舗装道路構築用の保砂構造体。 - 弾性を有する材料で形成されていることを特徴とする、
請求項5または6記載の舗装道路構築用の保砂構造体。 - 複数または多数の路面部材(5)の下側に敷かれている砂(4)を本質的に移動させないか、または移動しにくいようにする手段を設けて路面部材(5)の沈下または傾斜を防止することを特徴とする、
舗装道路の路面安定方法。
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-
2002
- 2002-07-23 JP JP2002214504A patent/JP2004052472A/ja active Pending
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