JP6735636B2 - 保水性舗装構造 - Google Patents

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Description

本発明は、歩道、道路、駐車場等に適用できる保水性舗装構造に関し、特に路盤強度を確保しつつ、単位体積当たりの保水能力を高めた保水性舗装構造に関する。
ヒートアイランド現象の緩和やゲリラ豪雨対策として、多孔質に形成した舗装内部に水を吸い込ませ、降雨によってしみこんだ水が蒸発する時の気化熱を利用して、路面温度の上昇を抑制する保水性舗装構造が知られている。
表層の舗装の内部に吸水させる保水性舗装構造が知られている。
この舗装構造では保水量が少なく路面の冷却持続期間が短いことから、冷却持続期間を長くするために、路盤にも透水性を持たせて保水量を高める舗装構造が種々提案されている。
路盤に透水性を持たせるため、路盤に透水性の高い材料を用いると路盤の支持力が不足し、路盤の支持力を優先すると路盤の透水性が犠牲になるといったように、路盤における透水性の高さと支持力が相反することから、大きな載荷重が作用する車道には不向きとされている。
路盤に透水性を付与する舗装構造として、路盤内に各種の貯水容器を埋設して保水することが特許文献1〜3により開示されている。
図6を参照して説明すると、路床aの上に路盤b、砂層c、透水舗装dの順に積層してあり、路盤bに貯水容器eを埋設している。
貯水容器eは硬質樹脂製、コンクリート製の容器であり、その内部に切込み砕石等の路盤骨材fを充填して路盤機能を保持するとともに、貯水容器eと砂層cとの間に不織布製の分離シートgを介装して砂の落下を防いでいる。
路盤骨材fとしては締め固めし易い細粒分を多く含む切込み砕石が一般的に多用されている。
降雨によって透水舗装dを浸透した水は、下層の砂層cおよび透水性の分離シートgを透過して路盤bへ達し、路盤bに浸透した水は貯水容器e内に貯留される。
路面温度が上昇した場合、貯水容器e内に貯留された水は、毛管現象により路盤骨材fの間隙を通じて上昇し、さらに分離シートgから砂層cへと吸上げられ、最終的に透水舗装dを通じて水が蒸発散することで路面温度の上昇を抑制する。
特開平9−95903号公報(図4) 特開2005−133458号公報(図2) 特開2007−51463号公報(図1)
既述した従来の舗装構造にはつぎのような問題点がある。
<1>貯水容器eの最大貯水量は、貯水容器eの体積+路盤骨材fの体積×路盤骨材fの空隙率により求められる。
路盤骨材fである切込み砕石の空隙率が10%以下と小さいので、貯水容器eが十分な容積を有していても、実際に貯留できる最大貯水量が極めて少なく、改善の余地がある。
<2>路盤bと砂層cが転圧により十分に締め固められるために、路盤b内を揚水される水の移動速度と、砂層c内を揚水される水の移動速度が極めて遅いものとなる。
水の移動速度に比例して水の移動時間が長くかかるために、路面の温度上昇時に、路面の冷却に必要な水量を吸い上げできず、冷却効果を十分に発揮できない。
<3>従来の貯水容器eは貯水機能を有するものの、揚水機能を有していない。
そのため、貯水容器e内の水位が下がるにつれて水の吸上げ性が悪くなり、貯水容器eの底部に溜まった水を吸上げできない場合がある。
<4>路盤bの保水量を高める方法として、貯水容器e内に軟質の高分子吸収体を充填する方法があるが、軟質の高分子吸収体を用いると路盤bの支持力が低下して路盤層としての機能を果たせない。
また貯水容器e内に多孔質のアスファルトを充填して支持力と保水量を確保する舗装構造も提案されているが、この舗装構造は高温に耐え得るような特殊な貯水容器を必要としてコストアップする問題や、セル室内に充填したアスファルトを十分に締め固めできずに路盤の支持力が不足するといった多くの問題を内包している。
本発明は以上の点に鑑みて成されたもので、その目的とするところは、少なくともつぎのひとつの保水性舗装構造を提供することにある。
<1>路面温度の冷却効果が向上するとともに、従来と比べて路面の冷却持続期間を大幅に延長すること。
<2>路盤の支持力確保と保水量の増大の両立を図ること。
本発明は、路床上に撒き出された空隙率の大きな単粒度骨材からなる路盤と、前記路盤の全面に亘って埋設し、単粒度骨材を拘束する複数のセル室を形成した保水セル構造体と、前記路盤の上面全面に敷設した揚水機能を有する吸水シートと、該吸水シートの上面に形成した砂層と、該砂層の上面に形成した吸水機能を有する透水舗装とを積層し、路盤、砂層、および透水舗装の間を通水可能に構成した保水性舗装構造であって、揚水機能を有する保水セル構造体の上面に吸水シートの平坦部を接面させるとともに、前記吸水シートの上面に突出させて形成した複数の隆起部の頂部を透水舗装の下面に接面させて、保水セル構造体、吸水シート、および透水舗装の間に通水可能な連続した通水路を形成したものである。
実用上、単粒度骨材は6〜7号砕石が好適である。
前記保水セル構造体および吸水シートは吸水性素材で形成する。
前記水シートの隆起部は峰状またはエンボス状である。
前記保水セル構造体は、セル室の下口を開放した浸透型容器であるか、またはセル室の下口を封鎖した遮水型容器のいずれでもよい。
本発明は少なくともつぎのひとつの効果を奏する。
<1>吸水シートを介して保水セル構造体と透水舗装の間に連続した通水路を形成してあるので、路盤の単粒度骨材から砂層へ、砂層から透水舗装へ揚水するルートと比べて、速い速度で透水舗装へ揚水することができる。
<2>吸水性素材の保水セル構造体および吸水シートを通じた通水ルートと、路盤と砂層を構成する骨材の隙間を通じた通水ルートの二つの通水ルートを通じて、透水舗装へ向けて大量の水を揚水できる。
<3>路盤用骨材として空隙率の大きな単粒度骨材を用いるだけでなく、保水セル構造体と吸水シートにも吸水させることで、透水性舗装全体に大量の水を保水させることができる。
<4>上記<2>と<3>により、路面温度の冷却効果が向上するとともに、従来と比べて路面の冷却持続期間を大幅に延長できる。
<5>吸水性素材からなる保水セル構造体の内部に空隙率の大きな単粒度骨材を拘束状態で投入して締固めできるので、路盤の支持力確保と保水量の増大の両立を図ることができる。
<6>高価なコンクリートや硬質樹脂を用いずに、安価な吸水性素材で以て保水セル構造体を形成できるので、保水性舗装を低コストでかつ簡易に施工できる。
一部を破断した本発明に係る保水性舗装構造の斜視図 保水性舗装構造の断面図 保水セル構造体の例示説明図で、(A)はセル室がハニカム状の保水セル構造体の説明図、(B)はセル室が方形の保水セル構造体の説明図、(C)セル室が瓢箪状の保水セル構造体の説明図 吸水シートの例示説明図で、(A)は隆起部を枡格子状に形成した吸水シートの説明図、(B)はコーン状に形成した隆起部の説明図、(C)は内部の空洞をなくして密実に形成した隆起部の説明図 単粒度骨材および砂層を通じた通水ルートの説明図 保水セル構造体および吸水シートを通じた通水ルートの説明図 従来の保水性舗装構造の断面図
以下に図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
<1>保水性舗装構造の概要
図1,2を参照して説明すると、本発明に係る保水性舗装構造は、最下層に路床10を有する。
保水性舗装構造は、少なくとも路床10上に単粒度骨材21で層状に形成した透水性の路盤20と、路盤20に埋設して貯水容器を構成する不織布製の保水セル構造体30と、保水セル構造体30の上面全面に敷設した不織布製の吸水シート40と、吸水シート40の上面に形成した透水性をする不陸調整用の砂層50と、砂層50の上面に形成した透水舗装60とを有する。
例えば路盤20の層厚は50〜150mm、砂層50の層厚は20〜30mmである。
本発明では、貯水容器である保水セル構造体30と吸水シート40を吸水性素材で形成するとともに、保水セル構造体30の充填材として空隙率の大きな単粒度骨材21を用いることで、保水性舗装構造体の全体の保水量を高めるように構成した。
さらに本発明では、吸水シート40の下面を保水セル構造体30の上面に重畳するように積層させると共に、吸水シート40の上面を透水性の舗装60の下面に重畳させるように積層させることで、路盤30から透水舗装60へ向けた水の吸上げ速度を高めて吸上げ時間を短縮するように構成した。
以降に主要な資材について詳述する。
<2>路盤用骨材
本発明では路盤用骨材として、細粒分をほとんど含まない単粒度骨材21を使用する。
路盤用骨材として単粒度骨材21を用いるのは、路盤20の空隙率を高めて保水セル構造体30による保水量を増大させるためである。
単粒度骨材21の空隙率は約30%であるから、空隙率が10%以下の従来の切込み砕石と比べて空隙率を3倍以上に改善できる。
実用的には、単粒度骨材21として6〜7号砕石を用いることが好適である。
<3>保水セル構造体
単粒度骨材21は空隙率が大きい反面、締め固めがし難い性質を有する。
そこで、複数のセル室31を有する保水セル構造体30を使用し、各セル室31で充填した単粒度骨材21を拘束することで、路盤層に必要な支圧強度を確保するようにした。
保水セル構造体30は、複数の側壁で空間を囲繞して上下を開放した複数のセル室(セル空間)31を連続して形成した略ハニカム構造体であり、その全体に透水性を有する。
保水セル構造体30は、セル室31の下口を開放した浸透型容器、またはセル室31の下口を閉鎖した遮水型容器の何れの形態でも使用可能であり、路床10の性状や使途等に応じて選択する。
保水セル構造体30を浸透型容器として使用する場合は、保水セル構造体30の開放した下面を路床10に着床させて使用し、必要に応じて保水セル構造体30と路床10との間にフィルター層(砂層)を介装してもよい。
保水セル構造体30を遮水型容器として使用する場合は、例えば路床10の上面に敷設した図示しない遮水シートで保水セル構造体30下面を閉鎖する。路床10が難透水性の土質である場合は、保水セル構造体30の開放した下面を路床10に着床させて閉鎖してもよい。
<3.1>保水セル構造体の素材
保水セル構造体30は吸水性を有する素材からなり、例えば軽量で取り扱いが便利なスパンボンド不織布に代表される長繊維不織布が好適である。
他の保水セル構造体30としては、芯材となる硬質板の表面に透水性を有する不織布を接着等で付設したものであってもよい。
保水セル構造体30の素材としては、吸水性と単独で自立し得るだけの強度を有する素材であれば、不織布以外の公知の素材を使用することもできる。
更に、保水セル構造体30は折り畳み式または非折り畳み式の何れの形態であってもよい。
<3.2>保水セル構造体の平面形状
図3を参照して保水セル構造体30の平面形状について説明すると、各セル室31は六角形(図3(A))、四角形(図3(B))、三角形、五角形等の多角形に限定されず、瓢箪形(図3(B))、円形等を含む。
<3.3>保水セル構造体のセル室の寸法
保水セル構造体30の展開時の縦横寸法は、使途に応じて適宜の寸法を選択する。
単粒度骨材21が6〜7号砕石である場合は、展開時における各セル室31の開口寸法Lは50〜120mmの範囲とし、その高さHは50〜150mmの範囲が好適である。
セル室31の開口寸法Lと高さHは、保水セル構造体30の自立性と単粒度骨材21の拘束効果が損なわれない寸法であればよい。
<3.4>保水セル構造体の機能
保水セル構造体30はつぎの複数の機能を併有する。
a)貯水容器としての機能。
b)セル室31内に収容した単粒度中詰材21を拘束して路盤20を補強する機能(路盤の補強機能)。
c)保水セル構造体30に多量の水を保水させる機能(保水機能)。
d)保水セル構造体30に揚水機能を与えて路盤20から吸水シート40へ向けた揚水を助長する機能(揚水助長機能)。
<4>吸水シート
吸水シート40は一枚ものの吸水性シートであり、平坦部41と、平坦部41の一部を同一方向に向けて隆起させて形成した複数の隆起部42とを有する。
平坦部41は保水セル構造体30の上面を閉鎖する部位であり、隆起部42は保水セル構造体30と透水舗装60との間を通水させる部位である。
隆起部42は砂層50を貫通して透水舗装60の下面と接面可能な高さを有する。
本例ではシートを折曲加工して峰状の隆起部42を並列して形成した形態を示す(図1)。
隆起部42の他の形態としては、峰状の隆起部42を交差させて枡格子状に形成したり(図4(A))、エンボス加工によりシートを部分的に隆起させてコーン状に形成したりしてもよい(図4(B))。
また隆起部42の内部は空洞状のままでもよいが、隆起部42の内部の空洞をなくして密実に形成してもよい(図4(C))。
<4.1>吸水シートの素材
吸水シート40は例えば不織布等の吸水性と透水性を有する素材からなる。
吸水シート40は、砂層50と比較して吸水速度の大きな素材であれば、不織布以外に織布等の公知の素材を使用でき、またその材質も自然素材や化学素材を問わず使用できる。
<4.2>吸水シートの機能
吸水シート40はつぎの複数の機能を併有する。
a)砂の透過を防止して路盤20と砂層50との間を分離する機能(分離機能)。
b)吸水シート40に水を保水させる機能(保水機能)。
c)吸水シート40を通じて水の吸上げを助長する機能(揚水助長機能)。
d)砂層50と吸水シート40との接触面積が増えることで、砂層50単独による水の吸上げを助長する機能(砂層の揚水助長機能)。
e)単粒度中詰材21を拘束するようにセル室31の上口を封鎖して路盤20を補強する機能(路盤の補強機能)。
f)吸水シート40と透水舗装60との間で単粒度中詰材21を拘束して砂層50を補強する機能(砂層の耐圧補強機能)。
<5>透水舗装
ポーラス構造を呈する透水舗装60には、透水性または保水性を有する複数のブロック61を敷き詰めたインターロッキングブロック舗装の他に、公知の透水性ポーラスコンクリート舗装や透水性ポーラスアスファルト舗装等を含む。
[施工方法]
図2を参照しながら透水性舗装の施工方法について説明する。
<1>路盤工
路床10の上面に保水セル構造体30を展開状態で敷設する。各セル室31はその底面が路床10で封鎖され、上口は開放状態にある。
保水セル構造体30がほぼ隠れる程度の層厚まで、保水セル構造体30の内外に空隙率の大きな粒度骨材21を撒き出した後、単粒度骨材21を転圧して適宜の層厚の路盤20を構築する。
保水セル構造体30はそのすべてのセル室31内の全域に締め固められた状態で単粒度骨材21を収容していることと、保水セル構造体30の上面が隠れずに路盤20の上面から露出している。
保水セル構造体30を設置せずに、路床10上に撒き出した単粒度骨材21を単独で締め固めることは技術的に困難であるが、保水セル構造体30を設置することで、セル室31が単粒度骨材21を拘束するので効果的に締め固めできる。
単粒度骨材21の転圧に際し、内部摩擦角により単粒度骨材21が互いに噛み合うために大きな力が保水セル構造体30に作用しないので、保水セル構造体30が不織布製であっても容易に破損する心配がない。
<2>吸水シートの敷設工
複数の隆起部42を上向きにした状態で路盤20の上面に吸水シート40を敷設する。
吸水シート40の平坦部41の下面は保水セル構造体30の露出した上面と接面しつつ、各セル室31の上口を封鎖する。
各セル室31の上口を封鎖する吸水シート40の上面に後述する砂層20と透水舗装60の載荷重が作用するために、セル室31内の単粒度骨材21の拘束効果がさらに高まり、良好な路盤機能を維持できる。
吸水シート40の敷設にあたり、保水セル構造体30の上面と吸水シート40との相互間で通水可能なように接面してあればよい。
<3>砂層の形成工
隆起部42がほぼ隠れる程度の層厚までで、吸水シート40の上面に砂を撒き出した後に転圧して砂層50を形成する。
砂層50の形成にあたり、吸水シート40の各隆起部42の頂部を砂層50の上面から露出させておくことが肝要である。
吸水シート40の上面に撒き出した砂が複数の隆起部42の側面で拘束されるため、砂の締め固めがし易くなる。
さらに砂層50の自重と締め固めにより、吸水シート40の平坦部41の下面と保水セル構造体30の上面との接面がより確実なものとなる。
<4>透水舗装の形成工
砂層50の上面にポーラス構造の透水舗装60を構築して特定スパンにおける施工を完了する。
透水舗装60の施工にあたり、吸水シート40と透水舗装60との相互間で通水可能なように、砂層50の上面から露出させた吸水シート40の隆起部42の頂部を透水舗装60に下面に接面させる。
隆起部42の頂部を透水舗装60に下面に面接触状態で接面させることが望ましい。
[透水性舗装の機能]
図2、図5A,5Bを参照しながら透水性舗装構造の特性について説明する。
<1>雨水の貯水・保水作用
降雨によって透水舗装60を浸透した水は、下層の砂層50および透水性の吸水シート40を経て路盤20へ達し、路盤20に浸透した水は貯水容器である保水セル構造体30内に貯留される。
<1.1>保水セル構造体における保水量
路盤用骨材として単粒度骨材21を使用することで、貯水容器である保水セル構造体30の全容積に占める保水量Qを大幅に増やすことができる。
具体的には、空隙率が10%以下の従来の切込み砕石と比べて、空隙率が約30%の単粒度骨材21を用いることで、空隙率を3倍以上に改善できるから、保水セル構造体30の内部空間に大量の水を保水可能である。
<1.2>吸水性素材による保水量
保水セル構造体30および吸水シート40を不織布等の吸水性素材で形成して、保水セル構造体30および吸水シート40に保水させるようにした。
したがって、透水性舗装構造は、前記した保水セル構造体30の内部空間の保水量Qだけでなく、保水セル構造体30に吸水させた分の保水量Qと、吸水シート40に吸水させた分の保水量Qを加えた量(Q+Q+Q)の大量の水を保水できる。
換言すれば、路盤20における単位体積当たりの保水能力が大幅に高められる。
吸水性素材に吸水させた総保水量は、透水性舗装の施工面積に比例して大きくなる。
<2>路面の昇温抑制作用
保水セル構造体30の上面と吸水シート40との相互間が通水可能に接面してあるとともに、吸水シート40と透水舗装60との相互間も通水可能に接面してある。
そのため、路面温度が上昇した場合には、つぎの二つの通水ルートA,Bを通じて透水舗装60へ水が吸上げられ、透水舗装60を通じて水が蒸発散することで路面温度の上昇を抑制する。
<2.1>骨材の隙間を通じた通水ルート(図5A)
一つ目の通水ルートは、保水セル構造体30の内部の単粒度骨材21の間隙を通じて水が上方へ吸上げられ(矢印A)、路盤20から吸水シート40の平坦部41を透過して砂層50へ水が吸上げられ(矢印A)、さらに砂層50を通じて透水舗装60へ水が吸上げられる(矢印A)。
<2.2>通水性素材を通じた通水ルート(図5B)
二つ目の通水ルートは、単粒度骨材21の間隙を通じて路盤20から保水セル構造体30の躯体へ水が吸上げられた後(矢印B)、保水セル構造体30の躯体を通じて吸水シート40の平坦部41へ吸上げられ(矢印B)、さらに吸水シート40の平坦部41および隆起部42を経て透水舗装60へ吸上げられる(矢印B)。
本発明では単粒度骨材21と砂層50の細骨材の隙間を通じた通水ルートとは別に、保水セル構造体30、吸水シート40、および透水舗装60の間を通水可能な連続した通水路を形成したものである。
<2.3>水の移動速度
図5Bに示した保水セル構造体30および吸水シート40による吸水性素材を通じた通水ルートによる水の平均移動速度と、図5Aに示した路盤20と砂層50を構成する骨材の隙間を通じた通水ルートによる水の平均移動速度を比較した場合、前者の速度が後者の速度より卓越する。この速度差は、毛細管現象による水の移動速度の違いに起因するものである。
したがって、通水性素材で形成した保水セル構造体30および吸水シート40の通水ルートを通じて、短時間のうちに透水舗装60へ揚水して蒸発散させることができる。
<2.4>水の揚水量
本発明では上記した二つの通水ルートを通じて、透水舗装60へ向けた揚水が同時並行的に進行するため、大量の水を吸い上げることが可能である。
したがって、冷却に必要な量の水を透水舗装60へ供給できるから、路面温度に応じた冷却効果を十分に発揮できる。
<2.5>路面の冷却持続期間
既述したように、本発明の透水性舗装構造は、路盤用骨材として空隙率の大きな単粒度骨材21を用いることで、路盤20の保水量Qが大きくなるだけでなく、吸水性素材で形成した保水セル構造体30および吸水シート40にも吸水させて大量の水(Q+Q+Q)を保水させるようにした。
したがって、舗装路面60の冷却持続期間を長期間に亘って発揮することができる。
特に、保水セル構造体30が揚水機能を有するため、保水セル構造体30内の水位が下がっても水の吸上げ性が極端に下がることはなくなり、保水セル構造体30の底部に溜まった水でも確実に吸上げできて、路盤20に保水させた水の無駄をなくすことができる。
10・・・路床
20・・・路盤
21・・・単粒度骨材
30・・・保水セル構造体
31・・・セル室
40・・・吸水シート
41・・・吸水シートの平坦部
42・・・吸水シートの隆起部
50・・・砂層
60・・・透水舗装

Claims (6)

  1. 路床上に撒き出された空隙率の大きな単粒度骨材からなる路盤と、前記路盤の全面に亘って埋設し、単粒度骨材を拘束する複数のセル室を形成した保水セル構造体と、前記路盤の上面全面に敷設した揚水機能を有する吸水シートと、該吸水シートの上面に形成した砂層と、該砂層の上面に形成した吸水機能を有する透水舗装とを積層し、路盤、砂層、および透水舗装の間を通水可能に構成した保水性舗装構造であって、
    揚水機能を有する保水セル構造体の上面に吸水シートの平坦部を接面させるとともに、前記吸水シートの上面に突出させて形成した複数の隆起部の頂部を透水舗装の下面に接面させて、保水セル構造体、吸水シート、および透水舗装の間に通水可能な連続した通水路を形成したことを特徴とする、
    保水性舗装構造。
  2. 前記保水セル構造体および吸水シートを吸水性素材で形成したことを特徴とする、請求項1に記載の保水性舗装構造。
  3. 前記水シートの隆起部が峰状またはエンボス状であることを特徴とする、請求項1または2に記載の保水性舗装構造。
  4. 前記単粒度骨材が6〜7号砕石であることを特徴とする、請求項1に記載の保水性舗装構造。
  5. 前記保水セル構造体がセル室の下口を開放した浸透型容器であることを特徴とする、請求項1乃至3の何れか一項に記載の保水性舗装構造。
  6. 前記保水セル構造体がセル室の下口を封鎖した遮水型容器であることを特徴とする、請求項1乃至3の何れか一項に記載の保水性舗装構造。
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