JP2008255664A - 保水路盤構造 - Google Patents

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Yukihiro Hoshino
行宏 星野
Fujio Miyagawa
藤雄 宮川
Yoshinori Chiba
慶則 千葉
Hisatoshi Ido
久利 井戸
Akiko Fukuda
章子 福田
Yusaku Miyata
祐作 宮田
Morihito Kusafuka
守人 草深
Tamotsu Hashimoto
保 橋本
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Abstract

【課題】強制的な潅水装置無しに、植物による水の吸収や表面からの水の蒸発により地表面が乾燥状態になる水分を地表面へ供給できる保水路盤構造を提供すること。
【解決手段】上下異なる粒径範囲をすることでサクションの強弱をつけ、土中の水分を表層へ吸上げ、植物への水分供給や表層からの蒸発を持続的に行える構造とする。更に、土中に保水材を使用することで雨水の貯留が可能となり、前述の構造をとることで水が貯留したままではなく、表層へ水を吸上げ、植物の水分吸収や表層の蒸発で貯留水を活用できることとなる。 具体的な構成として、本発明に係る保水路盤構造は、路床上の一定領域の略全面に亘って配置される保水路盤構造において、該構造は、比較的弱度の毛管力を有する粗粒度の骨材で略形成される下層120と、前記下層の上部に積層され、比較的強度の毛管力を有する密粒度の骨材で略形成される上層110とを備える吸上げ構造によって構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、たとえば土中の水分を表面へ吸上げる保水路盤構造に係り、特に雨水及び土中の滞留水を保水または吸水し、余剰水は浸透または透水し、土中の余剰水の吸収蒸散により土中水分の減水、植物への給水を行う保水路盤構造に関する。さらに具体的には、保水性舗装を主な実施分野とし、そのほかには自然地盤、人工地盤面や人工護岸や壁面、屋上緑化、砂漠、農業地、礫栽培農業、などの土中の水の貯留と吸上げを行う保水路盤構造に関する。
近年、地球温暖化の影響から以前の気象状況と大きく変化し、集中豪雨を伴う雨季と長期間雨が降らない乾季を亜熱帯地域のように繰り返すようになっている。また、地球温暖化と関連するようにヒートアイランド現象も深刻化し、その対策方法が急務に求められている。乾季の水不足を解決する必要があり、従来の場合は強制的な潅水装置も導入されているが、設備費やメンテナンスの維持費の増大の点から導入が積極的ではない。
今、乾季対策として求められているのは、自然の降雨及び集中豪雨時の水を貯留し、乾季に供給できる仕組みであるが、メンテナンスを必要とする設備をいかに排除し、イニシャルコスト、ランニングコストともに低コストな保水方法及び水の吸上げ方法は考案されるに至っていない。一方、集中豪雨が多くなっていることから、雨水を一次的に貯留する排水遅延対策をとることも必要である。
特開2005−261424号公報 特開2006−118327号公報 特開2004‐332224号公報
従来技術の中には、低コストを実現する技術として水の吸上げ筒状体(参考文献:特許出願2004−235013)が考案されているが、従来のセラミックス粉末では吸水率に着目されておらず水の貯留に向かないほか、細粒部を含むため吸上げ高さは得られるが水の吸着力が強く、内部の水が表面から蒸発しにくく、内部に保水吸水したまま水分を離しにくい。
また、吸水率の高い保水材を土中に配合した場合、水を抱えたまま離しにくく、飽和状態を保つため、連続的に降雨を貯留し、集中豪雨による排水遅延効果を期待できないが、この点についても考慮されていない。
また、水の吸上げは、保水性舗装の温度低減の持続期間を向上させるほか、自然地盤、人工地盤面や人工護岸や壁面、屋上緑化、砂漠、農業地、礫栽培農業、などでの水供給に活用することから、保水性を増加させると同時に、地下から植物などに必要な水分や表面からの蒸発に必要な水分を、持続的に表面へ吸い上げなければならないにも拘らず、これについても手法が考案されていない。
本発明は、このような従来技術上の問題点を解決するためになされたもので、強制的な潅水装置無
しに、植物による水の吸収や表面からの水の蒸発により地表面が乾燥状態になると、水分を地表面へ
供給できる保水路盤構造を提供することを目的とする。
また、土中の内に吸水率の高い保水材を使用した場合は、その強い保水力で水分を吸着して水分を離しにくく、浸透する雨水が長期間貯留されて飽和状態が続き、次の降雨時では飽和状態であるため雨水を吸収できない状態となるが、これを改善しつつ、吸水率の高い保水材を用いても水の吸い上げができ、継続的に水の貯留が果たせる構造を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本願の解決手段の基本的発想として、上下異なる粒径範囲をすることでサクションの強弱をつけ、土中の水分を表層へ吸上げ、植物への水分供給や表層からの蒸発を持続的に行える構造とする。更に、土中に保水材を使用することで雨水の貯留が可能となり、前述の構造をとることで水が貯留したままではなく、表層へ水を吸上げ、植物の水分吸収や表層の蒸発で貯留水を活用できることとなる。
すなわち、本発明においては、土中に粒子の粒径範囲が異なる層、すなわち、上層を密粒度、下層を粗粒度とした積層構造とすることで、上層と下層との間で毛管力に強弱が生まれ、下から上へ毛管力を強くすることが実現され、これにより、表層が乾燥して間隙内の負圧が大きくなると、保水材に含まれる水分が表層へ吸上げられやすくなる。これによって、従来の技術の問題点である水分が保水されたまま表層へ移動しない状態を改善し、植物への水分供給や地表面への乾燥状態を防止することができる。
土中及び地下の水分を表面へ吸上げるためのさらに詳しいメカニズムとしては、粒子間の間隙から生まれる毛管力を活用し、上層と下層を異なる粒径範囲で構成して粒子間の間隙の大きさを調整し、上層はサクションを強く、上層を間隙の小さい密粒層として強いサクションを起こす構造とし、下層を間隙の比較的大きい粗粒層をすることで表層が乾燥すると地表面の負圧が強まり、土中及び地下の水分が吸い上がる、ということになる。
また、保水材を配した場合、特に保水材が高い吸水率を持つと、保水材が水を抱えたまま水分を離しにくくなるが、前述したように粒子間の間隙の大きさを粒子の粒径範囲で調整して、上層を間隙の小さい密粒層として大きい負圧を起こす構造とし、下層を間隙の比較的大きい粗粒層をすることで、安定的な水の吸上げを可能とする。この手段によって、土中の水分が減量できる状態となり、常時飽和状態を防止でき、降雨時の雨水を繰り返して保水貯留することが可能となる。これにより、集中豪雨の排水遅延対策に貢献できる。
このように、下層から水が持続的に吸上げられ、表面から水分が蒸発して表面温度を持続的に下げられるため、強制的な潅水装置が不要となり、過剰な設備投資が不要となる。
具体的な構成として、本発明に係る保水路盤構造は、路床上の一定領域の略全面に亘って配置される保水路盤構造において、該構造は、比較的弱度の毛管力を有する粗粒度の骨材で略形成される下層と、前記下層の上部に積層され、比較的強度の毛管力を有する密粒度の骨材で略形成される上層とを備える吸上げ構造によって構成されることを特徴とする。
このように、路盤中に粒径範囲の異なる粒子の集合体を垂直方向に積層し、上段が毛管力の強い密粒度に、下段が上段よりも毛管力の弱い粗粒度で構成されることから、降雨時は雨水を浸透または透水させ、表面が乾燥状態になる保水材中の水分を表面へ吸上げることが可能となる。これを地下地盤面の上の全面に配置することで、上述の効果は更に飛躍的に拡大する。
また別の構成として、本発明に係る保水路盤構造は、路床上の一定領域の略全面に亘って配置される保水路盤構造において、該構造は、比較的弱度の毛管力を有する粗粒度の骨材で略形成される下層と、前記下層の上部に積層され、比較的強度の毛管力を有する密粒度の骨材で略形成される上層とを備え、前記領域中で平面的に点在する吸上げ構造と、前記吸上げ構造の平面的にみて周囲に配置される砕石もしくは土とを備えて構成されることを特徴とする。これは、土中に前記上下層からなる構造を支柱状に点在させて周囲に砕石又は土で囲み降雨時は雨水を浸透または透水させ、表面が乾燥状態になる保水材中の水分を表面へ吸上げるようにした水吸上げ構造として捉えることも可能である。
このように、土中に上下に粒子の粒径範囲の異なる層を垂直方向に積層し、上段が毛管力の強い密粒度に、下段が上段よりも毛管力の弱い粗粒度になるようにし、これを土中に支柱状に点在させて、周囲に砕石又は土で囲み構造とすることで、周囲に砕石を配置した場合は透水性をさらに高度に保つことができ、周囲に土を配置した場合は保水量をさらに増加させることが可能となる。これによって降雨時は雨水を浸透または透水させ、表面が乾燥状態になる保水材中の水分を表面へ吸上げる水吸上げ構造が実現できる。
さらに別の構成として、上記2種の構成態様において、前記吸上げ構造、および/または、砕石もしくは土の上部に、前記一定領域の略全面に亘って設けられた保水性又は透水性の表層をさらに有するように構成してもよい。
このような構成とすることにより、保水材を表面に露出させることなく雨水を浸透または透水させ、太陽などの熱を受け表面温度が上昇し水分が蒸発して乾燥状態になると、土中内の保水材中の水分を表面へ吸上げる表面が乾燥状態になる保水材中の水分を表面へ吸上げる水吸上げ構造を実現することができる。
また別の構成として、本発明に係る保水路盤構造は、路床上に配置される保水路盤構造において、該構造は、粒径範囲が粒径範囲が19mmから74μの粒度分布を80〜100%含む粗粒度を有する骨材で略形成される下層と、前記下層の上部に積層され、19mmふるい目を100%通過する密粒度を有する骨材で略形成される上層とを備える吸上げ構造が前記一定領域の略全面に亘って、もしくは点在的に、配置されることを特徴とする。
かかる構成は、上述した構造的特徴を実現するための具体的な数値による実現可能な一例である。すなわち、上下異なる粒径範囲の粒子を、上層は密粒層、下層は粗粒層とし、密粒層は19mmふるい目を80〜100%通過する粒径であって、突き固めることによって毛管力が強く透水性が低い層となり、粗粒層は19mm〜74μの粒子を80〜100%含み、74μ以下をほとんど含まないことによって間隙が密粒層より大きくなり、毛管力が弱く透水性が高い層とする。上層の密粒層は毛管力が強く、下層の粗粒層は毛管力が弱いため、この構造によって、降雨時に雨水が路盤へ浸透していく過程において粒子間に水が吸収され、したがって、地表面が乾燥すると負圧が大きくなり下から吸上げる力が大きくなり、上層の強い毛細管力が下層及び下層に接触する地下地盤、周囲に含まれる水を吸上げ、水が表面へ吸い上がることとなる。その表層に水分が吸い上がることによって、植物の水分吸収や地表面の蒸発が持続的に行える水の吸上げ構造が実現できる。
さらに別の構成として、本発明に係る保水路盤構造は、路床上に配置される保水路盤構造において、該構造は、19mmから250μの粒径分布を80〜100%含む粗粒度を有する骨材で略形成される下層と、前記下層の上部に積層され、9.5mmから250μの粒径分布を80〜100%含む粗粒度を有する骨材で略形成される中層と、前記中層の上部に積層され、19mm振い目を100%通過する密粒度を有する骨材で略形成される上層とを備える吸上げ構造が前記一定領域の略全面に亘って、もしくは点在的に、配置されることを特徴とする。
かかる構成は、上述した構造的特徴を実現するための具体的な数値による実現可能な一例である。すなわち、異なる粒径分布もつ層を3層以上積層した構造であって、上層は19mmふるい目を100%通過する密粒層であって、突き固めることによって毛管力が強く透水性が低い層となり、中層は9.5mmから74μの粒径分布を80〜100%含む粗粒層であって、74μ以下をほとんど含まないことによって間隙が密粒層より大きくなり、毛管力が弱く透水性が高い層となり、下層は19mm〜250μを80〜100%含む粗粒層であって、250μ以下をほとんど含まないことによって間隙が中層よりさらに大きくなり、毛管力が弱く透水性が高い層となる。直上の構成態様による特徴と同様に、上層の密粒層は毛管力が強く、中層と下層の粗粒層は毛管力が弱いため、降雨時に雨水が路盤へ浸透していく過程において粒子間に水が吸収され、そして地表面が乾燥すると負圧が大きくなり下から吸上げる力が大きくなり、上層の強い毛細管力が下層及び下層に接触する地下地盤、周囲に含まれる水を吸上げ、水が表面へ吸い上がることとなる。その表層に水分が吸い上がることによって、植物の水分吸収や地表面の蒸発が持続的に行える水の吸上げ構造を提供できる。本特徴は深い層を構成する場合に活用しやすい。
また、このとき、吸上げ構造における骨材は、浄水場発生土を含む保水材を使用し、該保水材は多孔質構造を形成するものであって、吸水率が重量比10%以上であるように構成しても良い。このように構成することで、密粒層及び粗粒層を構成する粒子を保水材とすることができ、これにより、保水材内に水が吸収保持され、1回の降雨で多くの水を貯留でき、乾燥時により多くの水を表面へ供給できる。さらに、水の貯留量が増加することで、集中豪雨時の多量の雨を貯留でき、排水溝に流れ込む水の量を減少させ、排水遅延の役割も果たす。
ここでいう保水材は、保水材の内部に多孔質構造を形成しているものであって、その孔は連続しており、水の保水性に優れ、毛管力に優れた特性のあるものが良い。保水性は吸水率(重量比)で評価し、吸水時間が96時間において10%(重量比)以上の吸水率を持つものが良い。その内最も適当な保水材は、浄水場より発生する土=浄水場発生土であり、高温焼成することで微細な連続した多孔質構造を形成しものが良い。その他の保水材としてはゼオライト、人工ゼオライト、再生骨材、軽量骨材、吸水性人工骨材、気泡発砲コンクリートの破砕物、コンクリート及びモルタルの破砕物、発砲ガラス、瓦の破砕物、レンガやタイルの破砕物、珪藻土、珪藻土の焼成物、セルベン、シャモット、吸水保水性セラミックス、大谷石、石灰石、パーライト、クロボク、シロボク、鹿沼土、真砂土、砂岩、スラグ、水砕スラグ、フライアッシュ、気泡発砲コンクリート、廃棄物を原料とした保水骨材、焼却灰、セメントや石灰をバインダーとした造粒物などが使用でき、これらを単独もしくは2種類以上混合しても使用することができる。さらに砂や石、砕石、再生砕石、再生砂などを混合して使用することができる。
吸水率は、(98時間吸水後重量 ― 48時間乾燥後重量)/ 48時間乾燥後重量 ×100 で求める。
前述の特徴の構成、特に請求項1乃至3に該当するものに係る上下異なる粒径範囲の粒子は、砕石層の上に設置することもできる。その際の砕石層は粒度調整砕石、クラッシャーラン、再生粒度調整砕石、再生クラッシャーランでよい。また、砕石層の下にさらに砂層を設けることもできる。
また、前記上・下の多段で構成される各層の境界の全部もしくは一部に略水平に、或いは略垂直に一定間隔を離隔させて、または上下及び左右の両方向に略交差させて挟まれた透水性の布状体もしくは網状体をさらに具備するように構成しても良い。このように構成することで、各層の食い込みを防止しつつ透水性を維持し、保水材の強度を補強することが可能である。
各層の間には透水性の布もしくは網を挟むか、或いは粒子の集合体を小分けの透水性の袋もしくは布、網に入れ、路盤に埋設することもできる。それによって、各層の強度を補強して粒径範囲の違う保水材や路盤中の砕石が食い込むことを防止できる。また、この構造は解体時、透水性の布又は網で仕切られているため、それぞれの層に分離することが簡単であり、再利用がされやすいのも特徴である。さらに、透水性の布もしくは網は保水材が保水しきれない余剰水を排水でき、路盤内の透水性を確保できるとともに、保水した水が上方に吸上げるときに水の水分移動の妨げになりにくく、スムーズに水分が上方に移動できるのである。
透水性の布もしくは網を挟む場合、各層の上下水平にもしくは左右垂直に、もしくは上下垂直に交差させて配置することができる。
また別の構成として、本発明に係る保水路盤構造は、比較的弱度の毛管力を有する粗粒度の骨材が透水性の布もしくは網の袋に詰められて構成される粗粒度骨材袋が路床上に全面に亘ってもしくは点在的に敷かれて構成される下層と、比較的強度の毛管力を有する密粒度の骨材が透水性の布もしくは網の袋に詰められて構成される密粒度骨材袋が前記下層の上部に積層される上層と、前記下層及び上層の各々の骨材袋の間に敷き詰められる砕石もしくは土層と、前記上層、および、砕石もしくは土の上部に、略全面に亘って設けられた保水性又は透水性の表層とを具備することを特徴とする。
このように、上記の請求項4および5に係る特徴の粒径範囲を透水性の袋に詰める又は布で囲んだ上で、請求項1乃至3に係る特徴の構造に積層し、全面もしくは点在で配置することができる。透水性の袋の形状は各層が接触していればどのような形でもよく、袋状でも筒状でも良い。袋詰めすることで路盤材として必要な強度を確保すると共に、実施工においても転圧しながら、砕石層や砂層などの階層別に保水材挿入することで、施工が容易化する。
さらに、舗装打替えの際も、袋や布のようなものに包まれているので、砕石と保水材を分離しやすく、それぞれ再利用しやすいのも有利な特長である。
さらに別の構成として、本発明に係る保水路盤構造は、比較的弱度の毛管力を有する粗粒度の骨材が透水性の布もしくは網の袋に詰められて構成される粗粒度骨材袋であって路床上に全面に亘ってもしくは点在的に敷かれる袋と、該各々の骨材袋の間に敷き詰められる砕石もしくは土層とで構成される下層と、前記下層の上部に積層され、比較的強度の毛管力を有する密粒度の骨材で構成される上層と、前記上層の上部に、略全面に亘って設けられた保水性又は透水性の表層とを具備することを特徴とする。当該下層、複数段に積層させてもよく、また、上層は点在的であってもよい。
すなわち、表層と水の吸上げ構造との間の第二表層を設け、第二表層に密粒度を敷き詰め、第二表層は水の吸上げ構造の1層目として構成でき、第二表層の下は粗粒度を1層もしくは多段に積層して、土中に全面もしくは支柱状に点在して周囲に砕石で囲むように構成することができる。さらに請求項7及び8に係る特徴のように透水性の布を各層の間に挟む、もしくは包む、袋に入れることもできる。このような構成にすることで、吸い上げ力を保持するとともに、余剰水を排水でき、路盤内の透水性を確保できるとともに、保水した水が上方に吸上げるときに水の水分移動の妨げになりにくく、スムーズに水分が上方に移動できる。さらに、袋詰めすることで路盤材として必要な強度を確保すると共に、施工の容易化、舗装打替えの際の砕石と保水材を分離容易化、再利用の容易化が達成できる。
また、このとき、前記下層と前記上層との間、及び/または、前記上層と前記表層との間に、全面に亘りもしくは部分的に配された保水性もしくは透水性の布もしくは網を更に備えるように構成してもよい。
このように、布と粒径範囲の異なる粒子の集合体との間に空気を含む場合は、密粒度の保水材を薄く敷き詰めることで、空気を少なくし、布と保水材の密着性をよくすることができる。
各層の間に挟む透水性の布もしくは保水材を入れる透水性の袋の材質は、編み、織りもしくは不織布、網に成型した透水性の布であり、中でも透水性と吸水性のあるものが最も好適である。粒径範囲の異なる粒子の集合体は多段とすることで布と布の間で水の吸い上げが遮断されるが、吸水性のある布を使用することで繊維の毛細管力が補助となり、保水材に吸水された水が布を介して下から上への吸上げられることが可能となる。繊維の種類としては、ナイロン、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリクラール、ポリエステル、アクリル、ポリオレフィレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、含ハロゲン系の合成繊維や、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、リヨセル、アセートなどの半合成繊維や再生繊維、綿、麻、絹などの天然繊維が使用できる。
畢竟、本発明に係る保水路盤構造によれば、自然地盤、人工地盤面や人工護岸や壁面、屋上緑化、砂漠、農業地、礫栽培農業、などの土中において、土中の水分を表面へ吸上げ、特に雨水及び土中の滞留水を保水または吸水し、余剰水は浸透または透水し、土中の余剰水の吸収蒸散により土中水分の減水、植物への給水を容易に行うことができる。
本発明によれば、土中の水分を表面へ吸上げる構造を具備することから、特に雨水及び土中の滞留水を保水または吸水し、余剰水は浸透または透水し、土中の余剰水の吸収蒸散により土中水分の減水、植物への給水することが可能となり、自然地盤、人工地盤面や人工護岸や壁面、屋上緑化、砂漠、農業地、礫栽培農業、などの土中の水の貯留と吸上げを行うことができる。
これにより、本願によれば、強制的な潅水装置無しに、植物による水の吸収や表面からの水の蒸発により地表面が乾燥状態になると、水分を地表面へ供給できるようになる。
また、土中に吸水率の高い保水材を用いても水の吸い上げができ、継続的に水の貯留が果たせるようになるという効果が奏される。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、以下の説明における各図面では、それぞれの寸法(たとえば、骨材の大きさ、層の深さ、布・網の厚さ等)はデフォルメされていて必ずしも正確な寸法を表していない場合がある。さらに、各層の境は図面では直線で描かれているが、これは正確な直線、平面でなくともよく、略直線、略平面であればよいとの趣旨である。また、各図において、同じ対象には同一の符号を付し、重複した説明を省略する場合もある。
本発明の特徴は、表層が乾燥するにしたがって発生する負圧を利用するため、上下の毛管力に強弱を設けることにある。同じ材料でも、粒度を調整することで水の吸上げる強さが変わり、粗粒度は吸い上げが弱く、密粒度は吸い上げが強い。そこで、積層する各層は、下から上に向かって、粗粒度、密粒度の構成とする。それによって、下は毛管力が弱く、上は毛管力が強い構成となり、下から表面へ水分の移動が可能となる。
図1は、本発明の第一の実施形態に係る保水路盤構造10の全体的構成を概念的に示す断面図である。
同図に示すように、路床20の上に積層される本実施形態に係る保水路盤構造10は、下層120と下層120の上に積層される上層110とを備えて構成される。上層110の上面は路面である。
上層110は毛管力の強い密粒度を持つ骨材で略構成される。下層120は上層110よりも毛管力の弱い粗粒度を持つ骨材で構成される。かような構成により、本発明の水の保水と吸い上げ構造は、土中に粒子の粒径範囲が異なる層を作り、上層を密粒度、下層を粗粒度とした積層構造とし、上層と下層に毛管力に強弱をつけ、下から上へ毛管力を強くすることで、表層が乾燥して間隙内の負圧が大きくなると、保水材に含まれる水分が表層へ吸上げられやすい構造とする。
路盤中に粒径範囲の異なる粒子の集合体を垂直方向に積層し、上段が毛管力の強い密粒度に、下段が上段よりも毛管力の弱い粗粒度で構成されるため、降雨時は雨水を浸透または透水させ、表面が乾燥状態になる保水材中の水分を表面へ吸上げることが可能となる。
図2は本発明の第二の実施形態に係る保水路盤構造11の全体的構成を概念的に示す断面図である。
同図に示すように、本実施形態に係る保水路盤構造11は、第一の実施形態の態様において、下層120と上層110の支柱状の積層物を平面視で点在させるように配置し、かかる積層物の周囲を砕石又は土130で囲むように配設されて構成される。
本実施形態においては、土中に粒径範囲の異なる粒子の集合体を垂直方向に積層し、上段が毛管力の強い密粒度に、下段が上段よりも毛管力の弱い粗粒度で構成し、これを土中に支柱状に点在させてその周囲を石又は土で囲んだ構成としているので、周囲に砕石を配置した場合は透水性を保つことができ、周囲に土を配置することで保水量をさらに増加させることが可能となる。これによって降雨時は雨水を浸透または透水させ、表面が乾燥状態になる保水材中の水分を表面へ吸上げることが可能となる。
図3は本発明の第三の実施形態に係る保水路盤構造の全体的構成を概念的に示す断面図である。
同図に示すように、本実施形態に係る保水路盤構造は、第一の実施形態の態様の保水路盤構造10の上部(表面)に、さらに保水性又は透水性表層130を設けて構成される。この保水性又は透水性表層130は路盤の全面に亘って敷設してもよいし、部分的に点在させるように敷設してもよい。
本実施形態においては、第一の実施形態の態様による効果に加えて、保水性又は透水性表層を設けてあることで、保水材を表面に露出することなく雨水を浸透または透水させ、太陽などの熱を受け表面温度が上昇し水分が蒸発して表面が乾燥状態になると、土中内の保水材中の水分を表面へ吸上げることを特徴とする水吸上げ構造が実現される。
また、この粒径範囲の異なる粒子の集合体としての2層の積層構造は、具体的には、たとえば表1に示されるように、上下異なる粒径範囲の粒子を、上層は密粒層、下層は粗粒層とし、密粒層は19mmふるい目を80〜100%通過する粒径であって、突き固めることによって毛管力が強く透水性が低い層となり、粗粒層は19mm〜74μの粒子を80〜100%含み、74μ以下をほとんど含まないことによって間隙が密粒層より大きくなり、毛管力が弱く透水性が高い層とすることが好適である。上層の密粒層は毛管力が強く、下層の粗粒層は毛管力が弱いため、この構造によって、降雨時に雨水が路盤へ浸透していく過程において粒子間に水が吸収され、そして地表面が乾燥すると負圧が大きくなり下から吸上げる力が大きくなり、上層の強い毛細管力が下層及び下層に接触する地下地盤、周囲に含まれる水を吸上げ、水が表面へ吸い上がることとなる。その表層に水分が吸い上がることによって、植物の水分吸収や地表面の蒸発が持続的に行える水の吸上げ構造を提供できる。
或いは、第一乃至第三の実施形態の更に別の展開例として、たとえば、表2に示されるように、保水材を3段にて構成してもよい(図示しない)。この場合には、異なる粒径分布もつ層を3層以上積層した構造であって、たとえば、上層は19mmふるい目を100%通過する密粒層であって、叩き締めることによって毛管力が強く透水性が低い層となり、中層は9.5mmから74μの粒径分布を80〜100%含む粗粒層であって、74μ以下をほとんど含まないことによって間隙が密粒層より大きくなり、毛管力が弱く透水性が高い層となり、下層は19mm〜250μを80〜100%含む粗粒層であって、250μ以下をほとんど含まないことによって間隙が中層よりさらに大きくなり、毛管力が弱く透水性が高い層とするのが好適である。これにより、上層の密粒層は毛管力が強く、中層と下層の粗粒層は毛管力が弱いため、降雨時に雨水が路盤へ浸透していく過程において粒子間に水が吸収され、そして地表面が乾燥すると負圧が大きくなり下から吸上げる力が大きくなり、上層の強い毛細管力が下層及び下層に接触する地下地盤、周囲に含まれる水を吸上げ、水が表面へ吸い上がることとなる。その表層に水分が吸い上がることによって、植物の水分吸収や地表面の蒸発が持続的に行える水の吸上げ構造を提供できる。本特徴は深い層を構成する場合に活用しやすい。
さらに、上記の各実施形態、或いは以下の各実施形態において、粒径範囲の異なる粒子の集合体に、浄水場発生土などの保水材を使用し、保水材は多孔質構造を形成しているものであって、吸水率が重量比10%以上であるものを用いても良い(図示しない)。これにより、浄水場で発生した排土の有効な利用を促進することも可能となるばかりか、この材の持つ多孔質構造を利用することで、より確実な保水性を獲得することができる。
すなわち、密粒層及び粗粒層を構成する粒子を保水材とすることで、保水材内に水が吸収保持され、1回の降雨で多くの水を貯留でき、乾燥時により多くの水を表面へ供給できる。さらに、水の貯留量が増加することで、集中豪雨時の多量の雨を貯留でき、排水溝に流れ込む水の量を減少させ、排水遅延の役割も果たす。
ここでいう保水材は、保水材の内部に多孔質構造を形成しているものであって、その孔は連続しており、水の保水性に優れ、毛管力に優れた特性のあるものが良い。保水性は吸水率(重量比)で評価し、吸水時間が96時間において12%(重量比)以上の吸水率を持つものが良い。その内最も適当な保水材は、浄水場より発生する土=浄水場発生土であり、高温焼成することで微細な連続した多孔質構造を形成しものが良い。その他の保水材としてはゼオライト、人工ゼオライト、再生骨材、軽量骨材、吸水性人工骨材、気泡発砲コンクリートの破砕物、コンクリート及びモルタルの破砕物、発砲ガラス、瓦の破砕物、レンガやタイルの破砕物、珪藻土、珪藻土の焼成物、セルベン、シャモット、吸水保水性セラミックス、大谷石、石灰石、パーライト、クロボク、シロボク、鹿沼土、真砂土、砂岩、スラグ、水砕スラグ、フライアッシュ、気泡発砲コンクリート、廃棄物を原料とした保水骨材、焼却灰、セメントや石灰をバインダーとした造粒物などが使用でき、これらを単独もしくは2種類以上混合しても使用することができる。さらに砂や石、砕石、再生砕石、再生砂などを混合して使用することができる。
吸水率は、(98時間吸水後重量 ― 48時間乾燥後重量)/ 48時間乾燥後重量 ×100 で求める。
上記第一乃至第三の実施形態に係る構成は上下異なる粒径範囲の粒子は砕石層の上に設置することもできる。その際の砕石層は粒度調整砕石、クラッシャーラン、再生粒度調整砕石、再生クラッシャーランでよい。また、砕石層の下にさらに砂層を設けることもできる。
図4乃至6は本発明の第四の実施形態に係る保水路盤構造の全体的構成を概念的に示す断面図である。
図4に示すように、本実施形態に係る保水路盤構造は、第三の実施形態の態様の保水路盤構造における各層(上層110、下層120、表層30)の境界面に、略平面状に、さらに透水性の布状体または網状体40を設けて構成される。この透水性の布状体または網状体40は路盤の全面に亘って敷設してもよいし、部分的に点在させるように敷設してもよく、また(図4では図示しないが)各境界全部でなく、たとえば上層110と下層120の間の境界と下層120と路床20との間の境界にのみ透水性の布状体または網状体40を選択的に敷設するようにしてもよい。さらにこの透水性の布状体または網状体40は平面でなく、図5に示されるように、略立面状に敷設してもよく、さらに、図6に示されるように、略平面状かつ略立面状(上下左右)に交差させて敷設してもよい。いずれの場合においても、上層の密粒度層、下層の粗粒度層の上下関係は変動がない。
本実施形態においては、上下水平にもしくは左右垂直に、もしくは上下左右に交差させて透水性の布状体または網状体を挟みこんでいるので、各層の食い込みを防止しつつ透水性を維持し、保水材の強度を補強する効果が、第一乃至第三の実施形態に係る効果に付加する形で得られる。
図7及び8は本発明の第五の実施形態に係る保水路盤構造の全体的構成を概念的に示す断面図である。図9は本発明の第五の実施形態に係る保水路盤構造に用いられるべき透水性の袋の形状を模式的に表した斜視図である。
図7に示すように、本実施形態に係る保水路盤構造は、下層120である粗粒度層を透水性の布もしくは網の袋に詰めて粗粒度層袋120とし、上層110である密粒度層を透水性の布もしくは網の袋に詰めて密粒度層袋110とし、土中に第一乃至第三の実施形態に係る構造、粗粒度層袋120と密粒度層袋110を路床20から上方に垂直状に積層して、この積層体を土中に全面に構成して周囲に砕石又は土60で囲むように構成されてなる。代替的に、図8に示されるように、かかる積層体は土中に点在させて略柱列を構成するようにし、かかる積層体の周囲を砕石又は土60で囲むように構成してもよい。
この第四もしくは第五の実施形態によれば、各層の間には透水性の布又は網を挟むか、もしくは粒子の集合体を小分けの透水性の袋又は布、網に入れ、路盤に埋設するので、各層の強度を補強して粒度の違う保水材や路盤中の砕石が食い込むことを防止できる。また、この構造は解体時、透水性の布又は網で仕切られているため、それぞれの層に分離することが簡単であり、再利用がされやすい。さらに、透水性の布又は網は保水材が保水しきれない余剰水を排水でき、路盤内の透水性を確保できるとともに、保水した水が上方に吸上げるときに水の水分移動の妨げになりにくく、スムーズに水分が上方に移動できるのである。
特に、第五の実施形態のように、第一乃至第四の実施形態における粒径範囲(上層110、下層120)を透水性の袋に詰める又は布で囲み、これらを積層し、全面(図7)もしくは点在(図8)で配置するについて、透水性の袋の形状は各層が接触していればどのような形でもよく、たとえば図9において、(a)に示されるような土嚢袋のような袋に保水材を入れたタイプである袋状でも、(b)に示されるような筒状の袋に保水材を入れたタイプであっても良い。このように袋詰めすることで路盤材として必要な強度を確保すると共に、実施工においても転圧しながら、砕石層や砂層などの階層別に保水材挿入することで、施工が容易化する。
さらに、舗装打替えの際も、袋や布のようなものに包まれているので、砕石と保水材を分離しやすく、それぞれ再利用しやすくなる。
図10及び11は本発明の第六の実施形態に係る保水路盤構造の全体的構成を概念的に示す断面図である。
図10に示すように、本実施形態に係る保水路盤構造は、土中に上述の2段(もしくは3段構造(図示しない))において、(3段の場合の中層及び)下層の粗粒度の保水材120を透水性の布もしくは網の袋に詰めて1層(もしくは多段(図示しない))に積層して、上層の密粒度層はそのまま敷き詰め、土中に全面(図10)もしくは支柱状に点在して(図11)周囲に砕石または土60で囲むように構成されてなる。
このように、表層と水の吸上げ構造との間の第二表層を設け、第二表層に密粒度を敷き詰め、第二表層は水の吸上げ構造の1層目として構成され、第二表層の下は粗粒度を1層もしくは多段に積層して、土中に全面もしくは支柱状に点在して周囲に砕石で囲むように構成され、さらに袋詰めされていることで、路盤材として必要強度の確保、実施工時の砕石層や砂層などの階層別保水材挿入による施工の容易化、舗装打替えの際の砕石と保水材の分離容易化・再利用容易化が一層促進される。
図12は本発明の第七の実施形態に係る保水路盤構造の全体的構成を概念的に示す断面図である。
同図に示すように、本実施形態に係る保水路盤構造は、第六の実施形態において、第四の実施形態で用いた透水性の布40を各層の間に挟むようにして構成される。なお、この透水性の布40は上記と同様に、全境界に敷設してもよいし、選択的に敷設してもよい。さらに、路面全面に亘って敷設しても、部分的に敷設してもよい。
このように構成されることで、布と粒径範囲の異なる粒子の集合体との間に空気を含む場合は、密粒度の保水材を薄く敷き詰めることで、空気を少なくし、布と保水材の密着性をよくすることができる。
各層の間に挟む透水性の布もしくは保水材を入れる透水性の袋の材質は、編み、織りもしくは不織布、網に成型した透水性の布であり、中でも透水性と吸水性のあるものが最も良い。粒径範囲の異なる粒子の集合体は多段とすることで布と布の間で水の吸い上げが遮断されるが、吸水性のある布を使用することで繊維の毛細管力が補助となり、保水材に吸水された水が布を介して下から上への吸上げ可能となる。繊維の種類としては、ナイロン、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリクラール、ポリエステル、アクリル、ポリオレフィレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、含ハロゲン系の合成繊維や、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、リヨセル、アセートなどの半合成繊維や再生繊維、綿、麻、絹などの天然繊維が使用できる。
なお、上記の全部の実施形態に当てはまるものとして、次の説明を付加する。
2層以下とする場合、最適な粒径範囲は、上層の粒径範囲が19mmふるい目を80〜100%通過するものであって、残りの20%以下が74μのふるい目を全体の5%通過するものがよい。下層においては19mmから250μを80〜100%含み、残りの20%以下が、74μ以下のふるい目を全体の5%以下通過するものがよい。上層が19mm以上となった場合、74μを5%以下とした状態でも間隙の量が少なくなり、保水できる水の量が少なくなり、毛細管力で吸上げる水の量も少なくなる。下層が250μ以下を多く含む場合、突き固め後の密度があがりやすく、粒子の間の間隙が細かくなりすぎてしまい、上層よりも強い毛細管力を持ちやすくなるので適当でなく、19mm以上の粒子を多く含むと、前述と同様に間隙の量が少なくなり、最適ではない。本発明の実施に当たりその中でも最適な粒径範囲は、上層の粒径範囲が4.75mmふるい目を80〜100%通過するものであって、残りの20%以下が75μのふるい目を全体の5%通過するものがよく、下層においては4.75mmから420μを80〜100%含み、残りの20%以下が、74μ以下のふるい目を全体の5%以下通過するものがよい。
3層以上とする場合、最適な粒度範囲は、上層の粒度範囲が19mmふるい目を80〜100%通過し、残りの20%以下が74μのふるい目を全体の5%以下通過するものであって、中層においては9.5mmから250μの粒径範囲を85〜100%含み、残りの20%以下の内に74μ以下のふるい目を全体の5%以下通過するものがよい。下層においては19mmから250μを80〜100%含み、残りの20%以下の内に74μのふるい目を全体の5%以下通過するものがよい。上層が19mm以上となった場合、74μを5%以下とした状態でも間隙の量が少なくなり、保水できる水の量が少なくなり、毛細管力で吸上げる水の量も少なくなる。中層が250μ以下を多く含む場合、突き固め後の密度があがりやすく、粒子の間の間隙が細かくなりすぎてしまい、上層よりも強い毛細管力を持ちやすくなるので適当でなく、9.5ミリ以上の粒子を多く含むと、微細な間隙が形成しにくくなり、最適ではない。下層が250μ以下を多く含む場合、突き固め後の密度があがりやすく、粒子の間の間隙が細かくなりすぎてしまい、中層よりも強い毛細管力を持ちやすくなるので適当でなく、19ミリ以上の粒子を多く含むと、前述と同様に間隙の量が少なくなり、最適ではない。発明の実施に当たりその中でも最適な粒径範囲は、上層の粒度範囲が4.75mmふるい目を80〜100%通過し、残りの20%以下が74μの振い目を全体の5%以下通過するものであって、下層においては4.75mmから2mmの粒径範囲を85〜100%含み、残りの20%以下の内に74μ以下のふるい目を全体の5%以下通過するものがよい。中層においては2mmから420μを80〜100%含み、残りの20%以下の内に74μの振い目を全体の5%以下通過するものがよい。
土中の粒子が異なる層を積層した本発明は全面的に構成しても、柱状に点在して周囲に砕石又は土で囲み構成することもできる。全面的に構成すると、安定的に水の吸い上げが行えるが、粗粒層は強度が下がるため、水の保水と吸上げ構造を柱状に点在させ砕石で囲むことで強度を補強でき、また周囲を土とすることでさらなる水の補給も行える。
また、施工方法は、土中の粒子が異なる層の最適含水比に水分を調整し、十分転圧を行う。土中の粒子が異なる層を柱状に点在して周囲に砕石又は土で囲み構成する場合でも、土中の粒子が異なる層と砕石又は土の全てを最適含水比に水分を調整し、十分な転圧を行う。最適含水比で転圧しなければ、十分な密度を得ることができず、後に沈下を招く場合がある。柱状に点在して構成する場合の土は、良質な埋め戻し土を使用するとさらに良い。
土中の粒子は保水材を使用することができる。保水材は、主に内部に多孔質構造を形成しているものであって、その孔は連続しており、水の保水性や毛管力に優れた特性を持つものが良い。保水性は吸水率(重量比)で評価し、吸水時間が96時間において10%(重量比)以上の吸水率を持つ保水材とする。10%(重量比)以上の吸水率を持つ保水材は間隙率にもよるが20%以上の飽和含水比を持つ。この条件を求めたのは、砂や砕石では、5.3%や15%の飽和含水比であるため水分が少なく、温度低減に必要な水分が確保できず、長期間雨が降らないことを想定すると、路床からの水分供給がなければ不足した水分を補えず、温度低減の持続性が得られないからである。最適な保水材としての性能は連続した多孔質構造を形成して優れた毛細管力を持ち、吸水率10〜60%のものが最もよい。これ以上に高い吸水率でもよいが、強度が弱く、使用中に保水材が潰れてしまい粗粒層が密粒層となってしまう、転圧後に不陸や沈下を生じやすいなどの問題点を生じる可能性がある。そこで、浄水場の浄水処理過程で発生する浄水場発生土を高温焼成した焼成物が最も良く、有機成分が焼成することにより消滅し、微細な多孔質構造と吸水率30〜60%を持つ。浄水発生土の焼成温度は900℃〜1200℃が良く、さらに最適なのは吸水率と強度のバランスから1050℃付近がよい。前述の条件を満たすものであれば浄水発生土の焼成物以外にでも保水材として使用でき、ゼオライト、人工ゼオライト、再生骨材、軽量骨材、吸水性人工骨材、気泡発砲コンクリートの破砕物、コンクリート及びモルタルの破砕物、発砲ガラス、瓦の破砕物、レンガやタイルの破砕物、珪藻土、珪藻土の焼成物、セルベン、シャモット、吸水保水性セラミックス、大谷石、石灰石、パーライト、クロボク、シロボク、鹿沼土、真砂土、砂岩、スラグ、水砕スラグ、フライアッシュ、気泡発砲コンクリート、廃棄物を原料とした保水骨材、焼却灰、セメントや石灰をバインダーとした造粒物などが使用でき、これらを単独もしくは2種類以上混合しても使用することができる。さらに砂や砕石、再生砕石、再生砂などを混合して使用することができる。
保水材の粒形状は砂状、粒状、砕石状になっているものがよく、かみ合わせのあるものが最もよい。
また、第三の実施形態のように、第一及び第二の実施形態の上に保水性又は透水性表層130を設け、保水材を表面に露出することなく雨水を浸透または透水させ、太陽などの熱を受け表面温度が上昇し、保水性又は透水性表層の水分が蒸発して乾燥状態になると、土中内の水分を表面へ吸上げる水吸上げ構造とする。この構造をとることで、吸上げた水が地表面から過剰に蒸発することを防止でき、特に地表面からの水分蒸発を防ぐ必要がある農業地、屋上緑化などに使用することもできる。また、地表面に舗装を必要とする保水性舗装においても活用できる。
上下異なる粒径範囲の粒子を積層する本発明は砕石層の上に設置することもできる。この場合、土中の支持基盤を深くしなければならず、本発明の水の吸上げ構造が深くまで必要としない場合に適用する。ただし、地下地盤層まで本発明の水の吸上げ構造が密着していないため、地下からの水の吸上げはあまり期待できないが、砕石層が水の排水層となるために地下への排水は効率的に行えるメリットもある。その際の砕石層は粒度調整砕石、クラッシャーラン、再生粒度調整砕石、再生クラッシャーランでよく、地下地盤の支持力及び上部からの加重を考慮して最適な材料を使用する。また、砕石層の下にさらに砂層を設けて排水層をとることもできる。
各層の間には透水性の布又は網40を挟むか、もしくは粒子の集合体を小分けの透水性の袋又は布、網に入れ、路盤に埋設することもできる。それによって、各層の強度を補強して粒度の違う保水材や路盤中の砕石が食い込むことを防止できる。これにより、転圧時また使用中に粗粒層に密粒層が入り込みつづけ、これが原因で沈下を続けることを防止し、粗粒層と密粒層が混合してしまい毛細管力の強弱の違いを活用できない状態となることを防止できる。そして、布又は網を挟むことで布の張力を利用できることになり、各層の強度を補強できるほか、小さな不陸や沈下を表層に起こすことを防止できる。また、この構造は解体時、透水性の布又は網で仕切られているため、それぞれの層に分離することが簡単であり、再利用がされやすいのも特徴である。近年、資源の再利用が求められていることから、分離処理が出来ることは循環型社会の構築に貢献できる要素となる。さらに、透水性の布又は網は水の吸上げ構造が保水しきれない余剰水を排水でき、路盤内の透水性を確保できるとともに、保水した水が上方に吸上げるときに水の水分移動の妨げになりにくく、スムーズに水分が上方に移動できるのである。
透水性の袋を使用する場合、その袋の形状は土のう袋の形状でも筒状でもできる。
透水性の布又は網を挟む場合、各層の上下水平にもしくは左右垂直に、もしくは水平垂直に交差させて配置することができる。水平に配置することによって、上からの加重分散と補強をすることができ、垂直に配置することによって上部からの加重で各層が横にずれ込む事を防止できる。水平垂直に交差させるとその双方の効果を得ることができる。
また、各層の粒径範囲の粒子を透水性の袋に詰める又は布や網で囲むこともでき、全面もしくは点在で配置する。透水性の袋の形状は各層が接触していればどのような形でもよい。布と布の間に生じる隙間は、砕石や砂、土などを充填することで強度が補強できる。
また、地表面と水の吸上げ構造との間の第二表層を設け、第二表層に密粒度を敷き詰め、第二表層は水の吸上げ構造の1層目として構成でき、第二表層の下は粗粒度を1層もしくは多段に積層して、土中に全面もしくは支柱状に点在して周囲に砕石で囲むように構成することができる。さらに第五の実施形態のように透水性の布を各層の間に挟む、もしくは包む、袋に入れることもできる。第二表層は、土中の水の吸上げ構造が柱状に点在する場合、吸いあがった水が地表面への水平の広がりが小さくなることがあり、第二表層を設けることで、地表面全体へ水を供給できるようになる。
また、布と保水材との間に空気を含む場合は、密粒度の保水材を薄く敷き詰めることで、空気を少なくし、布と保水材の密着性をよくすることができる。
各層の間に挟む透水性の布もしくは保水材を入れる透水性の袋の材質は、編み、織りもしくは不織布、網に成型した透水性の布であり、中でも透水性と吸水性のあるものが最も良い。保水材は多段とすることで布と布の間で水の吸い上げが遮断されるが、吸水性のある布を使用することで繊維の毛細管力が補助となり、保水材に吸水された水が布を介して下から上への吸上げ可能となる。繊維の種類としては、ナイロン、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリクラール、ポリエステル、アクリル、ポリオレフィレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、含ハロゲン系の合成繊維や、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、リヨセル、アセートなどの半合成繊維や再生繊維、綿、麻、絹などの天然繊維が使用できる。
前述のように布を挟む場合であっても、施工においては最適含水比に水分調整を行い十分な転圧を行う。透水性の袋に入れる場合であっても、袋の隙間に充填材を入れる場合であっても、最適含水比に水分を調整して十分な転圧を行う。
以上詳細に説明したように、本願によれば、土中に粒子の粒径範囲が異なる層、すなわち、上層を密粒度、下層を粗粒度とした積層構造とすることで、上層と下層との間で毛管力に強弱が生まれ、下から上へ毛管力を強くすることが実現され、これにより、表層が乾燥して間隙内の負圧が大きくなると、保水材に含まれる水分が表層へ吸上げられやすくなる。これによって、従来の技術の問題点である水分が保水されたまま表層へ移動しない状態を改善し、植物への水分供給や地表面への乾燥状態を防止することができる。
また、保水材を配した場合、特に保水材が高い吸水率を持つと、保水材が水を抱えたまま水分を離しにくくなるが、前述したように粒子間の間隙の大きさを粒子の粒径範囲で調整して、上層を間隙の小さい密粒層として大きい負圧を起こす構造とし、下層を間隙の比較的大きい粗粒層をすることで、安定的な水の吸上げを可能とする。この手段によって、土中の水分が減量できる状態となり、常時飽和状態を防止でき、降雨時の雨水を繰り返して保水貯留することが可能となる。これにより、集中豪雨の排水遅延対策に貢献できる。
このように、下層から水が持続的に吸上げられ、表面から水分が蒸発して表面温度を持続的に下げられるため、強制的な潅水装置が不要となり、過剰な設備投資が不要となる。
また、吸上げ構造における骨材は、浄水場発生土を含む保水材を使用し、該保水材は多孔質構造を形成するものであって、吸水率が重量比10%以上であるように構成しても良い。このように構成することで、密粒層及び粗粒層を構成する粒子を保水材とすることができ、これにより、保水材内に水が吸収保持され、1回の降雨で多くの水を貯留でき、乾燥時により多くの水を表面へ供給できる。さらに、水の貯留量が増加することで、集中豪雨時の多量の雨を貯留でき、排水溝に流れ込む水の量を減少させ、排水遅延の役割も果たす。
さらに、各層の間には透水性の布もしくは網を挟むか、或いは粒子の集合体を小分けの透水性の袋もしくは布、網に入れ、路盤に埋設することもできる。それによって、各層の強度を補強して粒度の違う保水材や路盤中の砕石が食い込むことを防止できる。また、この構造は解体時、透水性の布又は網で仕切られているため、それぞれの層に分離することが簡単であり、再利用がされやすいのも特徴である。さらに、透水性の布もしくは網は保水材が保水しきれない余剰水を排水でき、路盤内の透水性を確保できるとともに、保水した水が上方に吸上げるときに水の水分移動の妨げになりにくく、スムーズに水分が上方に移動できるのである。
また、骨材を袋詰めすることで路盤材として必要な強度を確保すると共に、実施工においても転圧しながら、砕石層や砂層などの階層別に保水材挿入することで、施工が容易化する。さらに、舗装打替えの際も、袋や布のようなものに包まれているので、砕石と保水材を分離しやすく、それぞれ再利用しやすいのも有利な特長である。
畢竟、本発明に係る保水路盤構造によれば、自然地盤、人工地盤面や人工護岸や壁面、屋上緑化、砂漠、農業地、礫栽培農業、などの土中において、土中の水分を表面へ吸上げ、特に雨水及び土中の滞留水を保水または吸水し、余剰水は浸透または透水し、土中の余剰水の吸収蒸散により土中水分の減水、植物への給水を容易に行うことができる。
実験方法
1)実験は室内で行う。寸法300mm×300mm のミニ路盤モデル(図1参照)を作り、ランプ放射して、真夏に近い気温を再現して各層の測定点で(ブロック表面、砂上部、路盤上部、保水材中)の温度を連続計測する。さらに、層中にテンシオメータを挿入して、路盤内の水分移動を把握する。
2)地盤モデルは3種類作成(構成は表1参照)し、モデル1は本研究テーマ、モデル2は従来の保水性舗装、モデル3は一般舗装とする。
3)モデル1は本研究テーマであり、10センチ厚の砕石層の中心に、袋に入れた保水材を路床の上に据え置き、周囲に砕石をいれ、つき固める。その上に、保水砂(袋に入れた保水材と同じもの)を2センチ厚敷き詰め転圧し、表層を敷き詰め、軽くハンマーで叩き、保水砂との密着性を良くさせ、完成する。袋入り保水材は、底面が路床に、上面が保水砂に密着するようにする。また、2段に突き重ねる場合は下段と上段の接触面に保水砂を撒き、水が上がりやすいようにすると良い。
4)モデルの枠は水が浸透しないように防水剤を塗布し、枠と枠との繋ぎ目はシーリングで押さえ、水が横から漏れないようにした。底面はすのこであり、底からのみの排水とする。
5)モデルの周囲は5センチ厚の発泡スチロールで囲み、外部からの熱の影響を受けにくくする。
6)モデル作成後、雨を想定して38ミリ相当の雨量として、1モデル当たり3.5L の散水を行う。その後、底面から流れ出る水を計測し、地下への浸透量とする。
7)ランプ放射前の9時とランプ消灯後の17時にモデル全体の重量を計測し、9時と17時の重量を差引きして、モデルの減量を計算し、これを蒸発量とする。
8)各地盤モデルは表2に示した項目と内容で計測する。重量測定(一定時間に計測)以外はデ−タロガー等で自動計測をする。
9)実質試験期間は2〜3週間をめどとする。

5−2実験モデルの構成
モデルの構成は表3のように作成した。
※1:保水性フ゛ロックにはエンテック(株)製保水性ブロックFUJI を用いる。
※2:クッション砂層の保水砂は浄水発生土を1050℃で焼成した焼成物を用いる。吸水率30〜60%の保水材。
※3:※2同様、保水砂は浄水発生土を1050℃で焼成した焼成物を用いる。吸水率30〜60%の保水材。
袋入り保水砂は保水性と透水性に考慮し、粗めに編んだ麻の土のうにいれる。土のうの形状は12×20cmの袋とする。
クッション砂層の保水砂は4.75 mm振い目を100%通過(内、74μ振い目以下14.3%)を使用する。
路盤中の袋入り保水材は、上段を2〜0.42 ミリ粒径を98.1%含み、それ以外の粒径の内74μの振い目以下1.9%の保水材を使用し、下段を4.75〜2 ミリ粒径を95%含みそれ以外の粒径の内74μの振い目以下1.9%の保水材を使用する。
※4:実際地盤では40-0mm を用いるが、ここでは、モデル地盤面積が小さいため20mm以下の粒径を用いるとした。
※5:路床の土は荒木田土を用いる。
表4はモデルの構成を表す。
5-3 実験に使用する材料
使用する材料は以下の性能を目安として選択する。表5は材料の詳細を表す。
*1;実際地盤では40-0mm を用いるが、ここでは、モデル地盤面積が小さいため20mm以下の粒径を用いるとした。
*表乾状態;表面乾燥飽和状態であるが、最適含水比に近い含水と想定している。

5-4 材料の実際使用量
モデル作成の実施使用量は表6に示すとおりである。
※湿潤密度は最適含水比で水を加えて作成する。
5-5 計測環境
真夏の気温に相当する熱源をランプ放射で再現する。表面温度が上昇する環境を図13(ランプ放射実験装置)に示すような装置を作り、強制的にビームランプ100V150W で放射する。
*放射期間連続2週間
*ランプの放射条件9:30 点灯17:00 消灯(照射時間8 時間30 分)
*室内はエアコン等を付けず、無風に近い状態とする。
*計測開始前に、各モデルにそれぞれ3.5L の水を散水し、下から余剰水を排水できるようにしておく。
5-6 測定項目
測定項目は表7に示す。
5-6 実験結果
5-6-1 各モデルとの温度比較
(1)1、5、10、13日それぞれの透水性アスファルトの表面温度が最高温度であったときの各測定点の温度
(2)表面温度の連続計測データ
※ 全体的に、モデル1(研究モデル)はモデル2よりも1日中の最高温度が低く、温度低減効果の持続性を示した。
※ 詳細は、2日まではモデル1とモデル2は同等の温度であったが、3日目以降モデル1の方が2〜5℃の温度差が現れ、14日目には、モデル1はモデル2よりも10℃低い温度を示し、モデル3との比較では20℃低い温度を示した。
※ これにより、袋入り保水材を充填することによって温度低減効果の持続性延長が可能であることがわかった。
5-6-2 各モデルの温度とテンシオメータの関係
(1)モデル1
(1)−1 実験終了後の含水比
※含水比=(湿潤重量―絶乾重量)/絶乾重量× 100
3.5L の水を投入した後、テンシオメータが計測するpF
値は4日目で2.7となり、急激に乾燥が進んでいる。以後、pF 値の値は上がらないが、グラフ中の丸印のように、1日中の最高温度に近づくとpF 値下がっている。このグラフの動きは11日目まで続く。これは保水性ブロックの水が蒸発し、乾燥状態であるので、袋入り保水材が路床に含まれる水分吸収していることを示していると思われる。また、モデル解体後の荒木田土の含水率がモデル1は22.88%と、他のモデルに対して5〜7%低く、散水時の水分を路床まで水が到達する前に保水材が吸収していることを示す。そして、モデル1とモデル3のクラッシャーランの含水率を比較すると含水比1.3%少ないことから保水材が周囲のクラッシャーランの水分を吸収している傾向を示す。
5−6−3 各モデルの保水量比較
(1)実験開始時の最大保水量(実測値)
※ 初期保水量は、次のように求めた。
初期保水量=モデル作成時の湿潤の材料使用量/(1+モデル作成時の含水比)×モデル作成時の含水比
※ モデルのサイズは30×30×20 センチである。1平米当たりは計算数値である。
※ 計測方法;材料使用量から最適含水率を掛けて計算値にて各構成の保水量を求める。
3.5L の水を供給後、10時間放置し、排水がほぼ収まったところで重量を計測する。水供給前との差を取り、強制吸水量とする。
※ 強制吸水量の求め方
強制吸水量=排水終了後重量― 水入れ前重量(単位:g)
※浸透量:水入れ後重量− 排水終了後重量
保水量はモデル1が最も多く5,178.94gであり、モデル2と比較しても約1000g 多く、モデル3にいたっては約2000g多く保水した。

(2) モデル内の含水比測定
モデル内の含水比を、初期値=モデル作成時、飽和時=3.5L 散水後、終了時=モデル解体時ごと次のように示し、最後に14日間でどれだけ含水比が下がったか差を取った。
飽和は事前に取った試験データを元に記載している。
最も含水比が下がっているのは袋入り保水材の上部分であり、23.8%減少していた。これは元も表面に近い保水材が表層へ水を移動させていると現象といえる。この水分移動は、モデル1の表面温度が最も低かったことに現れている。
また、はっきりした変化が現れているのが、荒木田土の含水比である。モデル1は最も乾燥して22.88%であり、飽和から比較すると8.12%減少している。これは、モデル1の排水(浸透)量も少なかったことから、モデル中を水が通過する過程で保水材が水を吸収していると思われる。保水材が水を吸収していれば、毛細管による水分移動により、より表層へ水を供給しやすいといえる。
(3)蒸発量
4日目まで、モデル1とモデル2の蒸発量が多く、150〜250g の水が蒸発している。表面温度の低温状態を見ると、この蒸発量の多さは温度低減に作用していることがわかる。5日目以降より蒸発量が低くなるが、モデル1はその中でも80〜150g の蒸発があり、3つのモデルの中で最も多く、表面温度も最も低い。
5−7 まとめ
モデル1のように表層近くまで保水材が続くように構成すること、内部の保水材の粒径範囲が異なる層を積層して上層の負圧が強く下層を弱くすることで、表面が乾燥すると保水材内部の水分や路床の水分を吸上げ蒸発させるサイクルが達成でき、表面温度の促成においても14日目において、透水性アスファルト(モデル3)と比べ20℃以上低い温度を示し、通常の保水性舗装(モデル2)と比較しても10℃低かった。これにより持続的な温度低減効果が実証できた。

以上詳細に説明したように、本願に係る発明によれば、下記の効果を奏することができる。
(1)毛細管力を上下で強弱を設けることによって、表面が乾燥すると生じる負圧によって表層に水が吸上げられる構造であり、周囲の砕石や路床に含まれる水分を吸上げ、表面へ水を移動させるため、持続的に水分を供給し続けることができる。
(2)潅水装置などの設備を使用しないため、低コストで水の供給システムが導入できる。
(3)土中の必要分のみ水を吸上げるため、潅水装置のように土が吸収する以上の水を供給することがなく、水の節約ができる。
(4)雨水を活用するため、天然資源の有効活用が果たせる。
(5)布又は網を使うことで、張力で強度の補強ができる。
(6)後に改修する場合でも、砕石と保水材が分離しているので、砕石及び保水材ともに分別しやすく再利用されやすい。循環型社会の構築が求められている状況から建設廃材の減少に貢献できる。
なお、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、その技術思想の同一及び等価に及ぶ範囲において上述した実施形態への様々な変形、追加、置換、拡大、縮小等を許容するものである。
さらに、上述したものは本願に係る技術思想を具現化するための実施形態の一例を示したにすぎないものであり、他の実施形態でも本願に係る技術思想を適用することが可能である。
また、本願発明を用いて生産される装置、方法、システムが、その2次的生産品に登載されて商品化された場合であっても、本願発明の価値は何ら減ずるものではない。
本発明に係る保水路盤構造によれば、土中の水分を表面へ吸上げる構造を具備することから、特に雨水及び土中の滞留水を保水または吸水し、余剰水は浸透または透水し、土中の余剰水の吸収蒸散により土中水分の減水、植物への給水することが可能となり、自然地盤、人工地盤面や人工護岸や壁面、屋上緑化、砂漠、農業地、礫栽培農業、などの土中の水の貯留と吸上げを行うことができる。
これにより、本願によれば、強制的な潅水装置無しに、植物による水の吸収や表面からの水の蒸発により地表面が乾燥状態になると、水分を地表面へ供給できるようになる。
また、土中に吸水率の高い保水材を用いても水の吸い上げができ、継続的に水の貯留が果たせるようになるという効果が奏されるので、土木産業、建設業等社会基盤を構成する各産業に広く利用することができる。
本発明の第一の実施形態に係る保水路盤構造10の全体的構成を概念的に示す断面図である。 本発明の第二の実施形態に係る保水路盤構造11の全体的構成を概念的に示す断面図である。 本発明の第三の実施形態に係る保水路盤構造の全体的構成を概念的に示す断面図である。 本発明の第四の実施形態に係る保水路盤構造の全体的構成を概念的に示す断面図である。 本発明の第四の実施形態に係る保水路盤構造の全体的構成を概念的に示す断面図である。 本発明の第四の実施形態に係る保水路盤構造の全体的構成を概念的に示す断面図である。 本発明の第五の実施形態に係る保水路盤構造の全体的構成を概念的に示す断面図である。 本発明の第五の実施形態に係る保水路盤構造の全体的構成を概念的に示す断面図である。。 本発明の第五の実施形態に係る保水路盤構造に用いられるべき透水性の袋の形状を模式的に表した斜視図である。 本発明の第六の実施形態に係る保水路盤構造の全体的構成を概念的に示す断面図である。 本発明の第六の実施形態に係る保水路盤構造の全体的構成を概念的に示す断面図である。 本発明の第七の実施形態に係る保水路盤構造の全体的構成を概念的に示す断面図である。 本発明の実施例に係るランプ放射実験装置の構成を概念的に示す図である。
符号の説明
10、11、12、13、14、15、15A、16、16A 保水路盤構造
20 路床
30 表層
40 透水性の布状体または網状体
60 砕石又は土
110 上層
120 下層
130 砕石又は土

Claims (10)

  1. 路床上の一定領域の略全面に亘って配置される保水路盤構造において、該構造は、
    比較的弱度の毛管力を有する粗粒度の骨材で略形成される下層と、
    前記下層の上部に積層され、比較的強度の毛管力を有する密粒度の骨材で略形成される上層と
    を備える吸上げ構造によって構成されることを特徴とする保水路盤構造。
  2. 路床上の一定領域の略全面に亘って配置される保水路盤構造において、該構造は、
    比較的弱度の毛管力を有する粗粒度の骨材で略形成される下層と、
    前記下層の上部に積層され、比較的強度の毛管力を有する密粒度の骨材で略形成される上層と
    を備え、前記領域中で平面的に点在する吸上げ構造と、
    前記吸上げ構造の平面的にみて周囲に配置される砕石もしくは土と
    を備えて構成されることを特徴とする保水路盤構造。
  3. 前記吸上げ構造、および/または、砕石もしくは土の上部に、前記一定領域の略全面に亘って設けられた保水性又は透水性の表層をさらに有することを特徴とする請求項1もしくは2記載の保水路盤構造。
  4. 路床上に配置される保水路盤構造において、該構造は、
    粒径範囲が粒径範囲が19mmから74μの粒度分布を80〜100%含む粗粒度を有する骨材で略形成される下層と、
    前記下層の上部に積層され、19mmふるい目を100%通過する密粒度を有する骨材で略形成される上層と
    を備える吸上げ構造が前記一定領域の略全面に亘って、もしくは点在的に、配置されることを特徴とする保水路盤構造。
  5. 路床上に配置される保水路盤構造において、該構造は、
    19mmから250μの粒径分布を80〜100%含む粗粒度を有する骨材で略形成される下層と、
    前記下層の上部に積層され、9.5mmから75μの粒径分布を80〜100%含む粗粒度を有する骨材で略形成される中層と、
    前記中層の上部に積層され、19mmふるい目を100%通過する密粒度を有する骨材で略形成される上層と
    を備える吸上げ構造が前記一定領域の略全面に亘って、もしくは点在的に、配置されることを特徴とする保水路盤構造。
  6. 前記吸上げ構造における骨材は、浄水場発生土を含む保水材を使用し、該保水材は多孔質構造を形成するものであって、吸水率が重量比10%以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の保水路盤構造。
  7. 前記上・下の多段で構成される各層の境界の全部もしくは一部に略水平に、或いは略垂直に一定間隔を離隔させて、または上下及び左右の両方向に略交差させて挟まれた透水性の布状体もしくは網状体をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の保水路盤構造。
  8. 比較的弱度の毛管力を有する粗粒度の骨材が透水性の布もしくは網の袋に詰められて構成される粗粒度骨材袋が路床上に全面に亘ってもしくは点在的に敷かれて構成される下層と、
    比較的強度の毛管力を有する密粒度の骨材が透水性の布もしくは網の袋に詰められて構成される密粒度骨材袋が前記下層の上部に積層される上層と、
    前記下層及び上層の各々の骨材袋の間に敷き詰められる砕石もしくは土層と、
    前記上層、および、砕石もしくは土の上部に、略全面に亘って設けられた保水性又は透水性の表層と
    を具備することを特徴とする保水路盤構造。
  9. 比較的弱度の毛管力を有する粗粒度の骨材が透水性の布もしくは網の袋に詰められて構成される粗粒度骨材袋であって路床上に全面に亘ってもしくは点在的に敷かれる袋と、該各々の骨材袋の間に敷き詰められる砕石もしくは土層とで構成される下層と、
    前記下層の上部に積層され、比較的強度の毛管力を有する密粒度の骨材で構成される上層と、
    前記上層の上部に、略全面に亘って設けられた保水性又は透水性の表層と
    を具備することを特徴とする保水路盤構造。
  10. 前記下層と前記上層との間、及び/または、前記上層と前記表層との間に、全面に亘りもしくは部分的に配された保水性もしくは透水性の布もしくは網を更に備えることを特徴とする請求項9記載の保水路盤構造。
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