JP2011012453A - 道路における雨水利用型道路構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】降雨時における家やビル等の建物への浸水被害を低減すると共に、夏場の晴天時におけるヒートアイランド現象を抑制するようにしつつ、従来の貯水タンクの設置や雨水等の供給手段における維持管理費等のランニングコストの問題を解決できるようにした道路における雨水利用型道路構造を提供する。
【解決手段】空間部を有する支持台ブロック2を地中に多数配置することで地中に貯留槽を形成して、この貯留槽内には流入口26から雨水等が流れ込むことにより雨水等がたまるようにし、この多数配置した支持台ブロック2の上部に保水性ブロック41を多数敷設して道路を構築すると共に、支持台ブロック2により形成された貯留槽の底部から上方に向かって毛管部材30を立設して、この毛管部材30における毛管現象を利用することにより貯留槽内にたまった雨水等を毛管部材30によって保水性ブロック41に供給するようにした道路における雨水利用型道路構造である。
【選択図】図4

Description

本発明は、歩道や車道等の道路において、雨水等を地中に貯留し、この貯留した雨水等を道路表面に供給できるようにする道路における雨水利用型道路構造に関する。
近年、ゲリラ豪雨といった大雨が降る気象現象が頻繁に発生し、特に、地表面の大部分が舗装された都市部にあっては、雨水等の地中への浸透が少ないことから、河川や地下の下水道に大量の雨水等が一気に流れ込み、これにより、河川の氾濫、そして家やビル等の建物への浸水被害といった問題が生じていた。一方、地表面の大部分が舗装された都市部では、特に、夏場に地表面の温度が上昇して高温となるヒートアイランド現象が起こり、これも大きな社会問題となっていた。
そこで、これらの問題に対し、各種の研究が行われており、その解決策の一例として、特開2003−166210号公報に記載されたものが知られていた。
これは、道路表面を保水性舗装することで、降雨時の雨水等をここに吸収して、建物への浸水被害を低減すると共に、吸収した雨水等を晴天時に蒸発散させることにより、地表面の温度を下げてヒートアイランド現象を抑制するようにしたものである。しかしながら、道路表面の保水性舗装では雨水等の吸収量に限界があり、ゲリラ豪雨といった大雨が降った場合、大量の雨水等を吸収することが難しく、建物への浸水被害といった問題を解消することが困難となってしまうと共に、道路表面の保水性舗装で吸収できる雨水等の量も少ないことから、夏場の晴天時において、蒸発散させる雨水等が1日ももたずにすぐになくなってしまうといった問題もあった。このため、道路表面を保水性舗装すると共に、雨水等をためておく貯水タンクを別に設けるようにしていた。これにより、晴天時には貯水タンクにためた雨水等をモーターやポンプ等の動力源及びバルブや管路等からなる供給手段を用いて、道路表面の保水性舗装に貯水タンクから雨水等を供給するようにしていた。
特開2003−166210号公報
かかる従来の道路表面を保水性舗装する方式では、雨水等をためておく貯水タンクを別に設置する必要があったため、貯水タンクの設置場所の確保といった問題が生じ、特に、都市部ではそのような場所の確保が容易ではなく、貯水タンクの設置が極めて困難になるといった問題があった。また、設置する貯水タンクの大きさにも限界があり、大量の雨水等をためるのが難しいといった問題もあった。
しかも、貯水タンクにためた雨水等を道路表面の保水性舗装に供給する必要があったため、モーターやポンプ等の動力源及びバルブや管路等からなる供給手段を用いるようにしていたが、モーターやポンプ等の動力源の稼働費がかかるといった問題、さらにはこれらを含む供給手段の維持管理費が大きくかかるといった問題、要するに、ランニングコストが非常に高いものになるといった問題があった。
そこで、本発明は、降雨時における家やビル等の建物への浸水被害を低減すると共に、夏場の晴天時におけるヒートアイランド現象を抑制するようにしつつ、前述した貯水タンクの設置やその貯水タンクへの雨水等の貯水量の問題、供給手段等の各種装置における維持管理費等のランニングコストの問題等を解決できるようにした道路における雨水利用型道路構造を提供することを、その課題とするものである。
第一の発明は、空間部を有する支持台ブロックを地中に多数配置することで地中に貯留槽を形成して、この貯留槽内には流入口から雨水等が流れ込むことにより雨水等がたまるようにし、この多数配置した支持台ブロックの上部に保水性道路表面層を備えて道路を構築すると共に、支持台ブロックにより形成された貯留槽の底部から上方に向かって毛管部材を立設して、この毛管部材における毛管現象を利用することにより貯留槽内にたまった雨水等を毛管部材によって保水性道路表面層に供給するようにした道路における雨水利用型道路構造である。
第二の発明は、第一の発明において、前記毛管部材にあっては、珪藻土を主成分とした道路における雨水利用型道路構造である。
第三の発明は、第一又は第二の発明において、前記毛管部材にあっては、多数配置する支持台ブロック一個に対して、少なくとも一個設けるようにした道路における雨水利用型道路構造である。
第四の発明は、第一乃至第三の発明において、地中に形成した貯留槽の周囲の一部に貯留槽よりオーバーフローした雨水等を地中に浸透させるための浸透室を備えた道路における雨水利用型道路構造である。
第一の発明によれば、支持台ブロックを地中に多数配置することで地中に貯留槽を形成したことにより、降雨時、大量の雨水等を地中の貯留槽内にためることで、河川や地下の下水道への大量の雨水等の流れ込みをなくして、河川の氾濫、そして家やビル等の建物への浸水被害といったことを大幅に低減するができる。また、この貯留槽の底部から上方に向かって毛管部材を立設し、この毛管部材を利用して貯留槽内の雨水等を保水性道路表面層に供給することにより、晴天時、保水性道路表面層の表面より雨水等を気中に蒸発散させることで、道路の表面である地表面の温度を下げてヒートアイランド現象を抑制することができる。
しかも、従来のような雨水等をためておく貯水タンクを別に設置する必要がないことから、貯水タンクの設置場所の確保や雨水等の貯水量が少ないといった問題等を解決することができ、また、保水性道路表面層への雨水等の供給も、毛管部材を利用することにより自然に行うことで、従来のようなモーターやポンプ等の動力源を含む供給手段等を一切用いないようにすることができ、稼働費や維持管理費等のランニングコストを大幅になくして、かつメンテナンスフリーなものにすることができる。
また、この道路における雨水利用型道路構造では、支持台ブロックを地中に多数配置することで地中に貯留槽を形成して、その上部に保水性道路表面層を備えるだけの構造とすることで、構造を単純かつ簡単なものにすることができ、特に、あらかじめ工場等で製造しておいた支持台ブロックを使用することにより、現場での作業が容易なものとなり、施工工事も極めて容易なものにして、工期の大幅な短縮を図ることができると共に、工費を安価にすることができる。これにより、既存の歩道あるいは車道等の道路にも容易に採用することができる。
第二の発明によれば、毛管部材において珪藻土を主成分としたことにより、この毛管部材における吸い上げ力である毛管現象力を高めることができると共に、これを安価に製作することができる。
第三の発明によれば、毛管部材において多数配置する支持台ブロック一個に対して、少なくとも一個設けるようにしたことにより、この毛管部材によって吸い上げた雨水等を支持台ブロックの上部に備える保水性道路表面層の全体にわたって均一に供給することができ、保水性道路表面層の表面より雨水等を気中に最適に蒸発散させることができる。
第四の発明によれば、貯留槽よりオーバーフローした雨水等を地中に浸透させるための浸透室を備えたことにより、降雨時に貯留槽内にためることのできる量以上の雨水等の流入があっても、この雨水等を地中に浸透させることで、河川や地下の下水道への大量の雨水等の流れ込みをなくして、河川の氾濫、そして家やビル等の建物への浸水被害といったことを大幅に低減するができる。
本発明による道路における雨水利用型道路構造を説明する一部断面平面図である。 図1のA−A断面図である。 図1のB−B断面図である。 図2のX部詳細図である。 本発明による道路における雨水利用型道路構造の支持台ブロックを説明する斜視図である。 本発明による道路における雨水利用型道路構造の支持台ブロックを説明する断面図である。 側溝ブロックにおける雨水取り入れ口を説明する断面図である。 本発明による道路における雨水利用型道路構造の毛管部材を説明する斜視図である。 本発明による道路における雨水利用型道路構造の別の支持台ブロックを説明する斜視図である。
本発明による道路における雨水利用型道路構造の一実施形態について説明する。なお、この実施形態では、道路としては、歩行者が歩く歩道である。ただし、本発明は歩道に限定されるものではなく、自動車が走行する車道や屋外駐車場等でも良い。
図1、図2、図3、図4に示すように、側溝ブロック1を介して車道側と分離された歩道側において、地中に支持台ブロック2を縦方向(歩道進行方向)・横方向(歩道幅方向)にわたって多数配置する。この支持台ブロック2は、図5、図6に示すように、たとえば長方形の上板3を備え、この上板3の下部に左右の側板4を設けた下向き略コ字状としたもので、その概略の寸法としては、横寸法を約1000mm、縦寸法を約500mm、高さを約240mmとする。ただし、寸法は、これに限定されるものではない。また、側板4には下方に切り込み部5を設ける。これにより、支持台ブロック2にはその内側に大きな空間部を有するようになり、前後の開口部及び側板4に設けた切り込み部5により縦横の四方が開口した形状にしている。なお、この支持台ブロック2としては、コンクリート製のブロックであるが、これに限定されるものではなく、強度的に問題がなければ、プラスチック等の合成樹脂製のブロック等を用いるようにしても良い。また、支持台ブロック2の形状についても、前述した上板3と左右の側板4とから下向き略コ字状としたものに限定されるものではなく、その内側に大きな空間部を有するようになるものなら良い。
そして、図1、図2、図3、図4に示すように、地中に多数の支持台ブロック2を配置した底には基礎砕石11と敷モルタル材12と底面シート材13をそれぞれ設けると共に、支持台ブロック2の側方である周囲にも側面シート材15を設けて、底側と側方側とにおいて水が流れ出ないようにする。この底面シート材13と側面シート材15については、遮水性シートの両側を保護シートで挟んだ3層構造の水を通さないシートである。なお、この底面シート材13や側面シート材15は側溝ブロック1の底及び側方まで設けている。また、この支持台ブロック2を配置する底については、前述の基礎砕石11と敷モルタル材12と底面シート材13を設けたものに限定されるものではなく、コンクリートを直接打設するようにしても良い。
また、多数配置した支持台ブロック2の周囲の一部、具体的には、図2に示すように、側溝ブロック1の反対側には仕切り板21を設けており、この仕切り板21は上部に越流用スリット22を形成して、貯留槽T内にたまった雨水等が所定量以上になったとき、この越流用スリット22から地中に雨水等が流れ出るようなオーバーフローする構造にしている。
そして、この仕切り板21の越流用スリット22を形成した箇所の外側には、貯留槽Tよりオーバーフローした雨水等を地中に浸透させるための浸透室23を備える。この浸透室23は、その内部に単粒度砕石(道路用砕石)を空隙を形成するように充填したものであって、この単粒度砕石としては、粒度が13mm〜20mmとなる5号砕石や粒度が20mm〜30mmとなる4号砕石等を用いるのが良い。これにより、地中が普通土の場合、通常、1時間当たり15mm程度の雨水等を浸透室23から地中に浸透させることができる。なお、この浸透室23では、奥行きや底の深さ、すなわち大きさを変えることにより、地中への雨水等の浸透する量を変更させることが可能である。
さらに、この仕切り板21にあっては、支持台ブロック2を縦方向(歩道進行方向)にわたって所定個数配置する毎に、仕切り板21をそれぞれ設けることで、貯留槽Tを縦方向(歩道進行方向)において複数に分けるようにしている。これにより、たとえ坂道等の傾斜のある歩道であっても、複数に分けた貯留槽Tによって、それぞれの貯留槽Tに雨水等を独立してためることができる。
このように空間部を有する支持台ブロック2を地中に多数配置することで、互いの空間部が連通するようになり、地中に大きな貯留槽Tを形成することができる。この貯蔵槽Tは歩道全体にわたって形成するが好ましい。なお、この貯蔵槽Tにあっては、水深約170〜180mmまで雨水等を溜めることができ、平均水深を約120mmとした場合、1m当たり120リットル以上の雨水等をためることができる。
そして、図7に示すように、この支持台ブロック2により形成された貯蔵槽Tには側溝ブロック1の雨水取り入れ口25に接続する流入口26を備えて、この流入口26から雨水等が貯留槽T内に流れ込むことにより、貯留槽T内に雨水等がたまるようになっている。なお、側溝ブロック1の雨水取り入れ口25には貯留槽T内への塵芥等の進入を防止するためのフィルター27を設ける。このフィルター27としては、雨水取り入れ口25の下端から、たとえば15mm程度上方に突出するステンレス製の堰板材28を設けると共に、雨水取り入れ口25全面を覆う金網状の透水フィルター材29を設けた構造にしている。なお、フィルター27はステンレス製の堰板材28と金網状の透水フィルター材29との2層状のものにしているが、下方を堰板材28、上方を透水フィルター材19とする一層状のものでも良い。また、堰板材28についてもステンレス製に限定されるものではなく、他のものでも良い。
さて、降雨時の初期雨水(ファーストフラッシュ)については、道路表面に堆積した細かな土砂や埃を多量に含むものであり、通常、時間雨量が2,3mm程度で洗い流されるものである。そこで、側溝ブロック1の雨水取り入れ口25に設けたフィルター27において、堰板材28を15mm程度上方に突出させることにより、この細かな土砂や埃を多量に含む初期雨水を堰板材28にて内部に一切流れ込ませないようにしている。一方、その後の土砂や埃をほとんど含まない雨水等については水嵩が上がって堰板材28の上方の金網状の透水フィルター材29より内部に流れ込むようになっており、これにより、貯留槽T内への塵芥等の進入を防止している。
さらに、地中に多数配置する支持台ブロック2にあっては、図5、図6に示すように、その上板3に下方に向かって若干広がった穴部6を二ヶ所設ける。この穴部6の直径は約60〜70mmである。そして、この支持台ブロック2の上板3に設けた二ヶ所の穴部6それぞれに毛管部材30を嵌め込む。
この毛管部材30としては、貯留槽Tの底部から上方に向かって立設するようにしたものであって、その直径を支持台ブロック2の穴部6と略同じとなる約60〜70mmにし、高さを支持台ブロック2と略同じとなる約240mmにする。また、この毛管部材30は珪藻土kを主成分としたものであって、具体的には、図8に示すように、円筒状の網状透水管31内に、珪藻土kを充填すると共に、少量の砂s及びセメントcを充填し、これらを混合してから、加水して固化させたものである。なお、この毛管部材30の製作は現場にて行うことができる。
このような毛管部材30にあっては、その毛管現象を利用することにより貯留槽T内にたまった雨水等を上方に吸い上げるようにしており、後述する透水性シート42を介して保水性道路表面層40である保水性ブロック41に自然に供給できるようにしている。
なお、この毛管部材30については、珪藻土kを主成分としたものに限定されるものではなく、珪藻土kの代わりに、フライアッシュ、鹿沼土、ガリオナイト等も挙げられ、またその他のものでも良い。しかしながら、毛管部材30における吸い上げ力である毛管現象力やその経済性等を考えると、珪藻土kを主成分としたものが一番良い。
この毛管部材30の大きさや支持台ブロック2の穴部6の大きさも、前述のものに限定されるものではなく、また形状も円形に限定されるものではなく、四角形や三角形、楕円形等の他の形状のものでも良い。また、支持台ブロック2に設ける穴部6及び毛管部材30の数も二個に限定されるものではなく、たとえば図9に示すように、支持台ブロック2に設ける穴部6を一個にしても良いが、この場合、毛管部材30及び支持台ブロック2に設ける穴部6の直径は少し大きなものにする必要がある。さらに、毛管部材30及び支持台ブロック2に設ける穴部6を三個以上の複数個にしても良い。要するに、毛管部材30及び支持台ブロック2に設ける穴部6にあっては、支持台ブロック2一個に対して、少なくとも一個設けるようにすれば良い。
そして、このように地中に多数の支持台ブロック2を配置して貯留槽Tを形成したのち、この多数配置した支持台ブロック2の上部に保水性道路表面層40を備えて歩道を構築する。この保水性道路表面層40は、保水性ブロック41を多数敷設したものであって、この保水性ブロック41としては、舗装用コンクリートブロックの一種である保水性インターロッキングブロックである。ただし、保水性道路表面層40は、この保水性ブロック41に限定されるものではなく、保水機能を有するアスファルト混合物を用いた保水性舗装を行うようにしても良く、要するに、保水機能を有するものであれば良い。
また、支持台ブロック2の上板3と保水性道路表面層40である保水性ブロック41の間には透水性シート材42を全面にわたって介在させて、毛管部材30によって吸い上げられた雨水等が全面に行き渡るような構造にする。
次に、このような道路における雨水利用型道路構造とした歩道の実際の使用状況について説明する。
まず、降雨時にあっては、降った雨水等は側溝ブロック1の雨水取り入れ口25より流入口26を介して地中の貯留槽T内へと流れ込んで、ここにたまるようになる。この地中の貯留槽Tの貯留量としては、具体的には、歩道幅(横幅)が3m、長さが300mの歩道を構築したとき、貯留槽Tの平均水深が約120mmの場合、この貯留槽Tには約108,000リットルの雨水等をためることができるようになっている。さらに、貯留槽Tよりオーバーフローした雨水等を地中に浸透させるための浸透室23を備えたことで、たとえば1時間当たり15mm程度の雨水等を地中に浸透させることができるようにもなっている。
これにより、ゲリラ豪雨といった大雨が降った場合でも、このような歩道あるいは車道を各所に構築することによって、大量の雨水等を地中の貯留槽T内にためることができると共に、この貯留槽Tよりオーバーフローした雨水等を浸透室23から地中に浸透させることができ、河川や地下の下水道への大量の雨水等の流れ込みをなくして、河川の氾濫、そして家やビル等の建物への浸水被害といったことを大幅に低減することができる。
一方、晴天、特に夏場の晴天時にあっては、図4に示すように、地中の貯留槽T内にたまった雨水等を毛管部材30によって吸い上げられて、上部の保水性道路表面層40である保水性ブロック41に供給する。そして、保水性道路表面層40である保水性ブロック41の表面、すなわち歩道の表面より雨水等を気中に蒸発散させることにより、歩道の表面である地表面の温度を下げてヒートアイランド現象を抑制することができる。
なお、保水性道路表面層40である保水性ブロック41からの雨水等の蒸発散については、降雨があって、地中の貯留槽T内に雨水等がたまったとき、たとえば貯留槽Tの平均水深が約120mmの場合、1m当たり120リットル以上の雨水等がたまるようになるが、この量は、蒸発散量を推定する経験式で代表的なソーンスウェート法(Thornth Waite)に基づいて計算すると、蒸発散速度概算値で約20日分に相当する。よって、一旦降雨があって、地中の貯蔵槽T内に所定量の雨水等がたまると、歩道の表面より雨水等を少なくとも20日間蒸発散させることができ、歩道の表面である地表面の温度を長期間にわたって下げることが可能となる。
このような道路における雨水利用型道路構造にあっては、前述したように、降雨時における家やビル等の建物への浸水被害を低減することができると共に、夏場の晴天時におけるヒートアイランド現象も抑制することができる。
しかも、従来のような雨水等をためておく貯水タンクを別に設置する必要が全くなく、これにより、貯水タンクの設置場所の確保や雨水等の貯水量が少ないといった問題等を解決することができ、また、保水性道路表面層40である保水性ブロック41への雨水等の供給は、毛管部材30における毛管現象を利用することにより自然に行うことができ、従来のようなモーターやポンプ等の動力源を含む供給手段等を一切用いないことから、稼働費や維持管理費等のランニングコストを大幅になくして、かつメンテナンスフリーなものにすることができる。
さらに、この道路における雨水利用型道路構造では、歩道あるいは車道等の道路において、地中に多数の支持台ブロック2を配置することで地中に貯留槽Tを形成して、その上部に保水性道路表面層40である保水性ブロック41を備えるだけの単純かつ簡単な構造にすることができ、特に、あらかじめ工場等で製造しておいた支持台ブロック2を使用することで、現場ではこれらを配置するだけで良いことから、現場での作業が容易なものとなり、施工工事を極めて容易なものにすることができ、工期の大幅な短縮を図ることができると共に、工費を安価にすることができる。しかも、道路やその周辺における大規模な改良工事を行う必要がなく、これらによって、既存の歩道あるいは車道等の道路にも容易に採用することができる。
1…側溝ブロック、2…支持台ブロック、3…上板、4…側板、5…切り込み部、6…穴部、11…基礎砕石、12…敷モルタル材、13…底面シート材、15…側面シート材、21…仕切り板、22…越流用スリット、23…浸透室、25…雨水取り入れ口、26…流入口、27…フィルター、28…堰板材、29…透水フィルター材、30…毛管部材、31…網状透水管、40…保水性道路表面層、41…保水性ブロック、42…透水性シート材、T…貯留槽、k…珪藻土、s…砂、c…セメント

Claims (4)

  1. 空間部を有する支持台ブロック2を地中に多数配置することで地中に貯留槽を形成して、この貯留槽内には流入口26から雨水等が流れ込むことにより雨水等がたまるようにし、この多数配置した支持台ブロック2の上部に保水性道路表面層40を備えて道路を構築すると共に、支持台ブロック2により形成された貯留槽の底部から上方に向かって毛管部材30を立設して、この毛管部材30における毛管現象を利用することにより貯留槽内にたまった雨水等を毛管部材30によって保水性道路表面層40に供給するようにしたことを特徴とする道路における雨水利用型道路構造。
  2. 前記毛管部材30にあっては、珪藻土を主成分としたことを特徴とする請求項1記載の道路における雨水利用型道路構造。
  3. 前記毛管部材30にあっては、多数配置する支持台ブロック2一個に対して、少なくとも一個設けるようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の道路における雨水利用型道路構造。
  4. 地中に形成した貯留槽において、その周囲の一部に貯留槽よりオーバーフローした雨水等を地中に浸透させるための浸透室23を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の道路における雨水利用型道路構造。
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