JP2005030028A - 舗装用ブロック - Google Patents
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Abstract
【課題】一定量の水を保水できると共に、舗装用ブロック上に散布される水量が多量となっても舗装用ブロック上に水溜りが形成されることを抑制することができる舗装用ブロックを提供する。
【解決手段】本発明の舗装用ブロック10は、透水性のブロック本体20と、ブロック本体20内またはその底面に設けられた非透水性の保水部12を有する。保水部12の上面には水を溜めることができる凹部18が形成される。そして、保水部12を上方から投影したときの投影面積がブロック本体20を上方から投影したときの投影面積より小さくなっている。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の舗装用ブロック10は、透水性のブロック本体20と、ブロック本体20内またはその底面に設けられた非透水性の保水部12を有する。保水部12の上面には水を溜めることができる凹部18が形成される。そして、保水部12を上方から投影したときの投影面積がブロック本体20を上方から投影したときの投影面積より小さくなっている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歩道や車道に敷き詰められる舗装用ブロック(例えば、コンクリート平板やインターロッキングブロックやプレキャスト舗装版(鋼材で補強されたものを含む)等)に関し、詳しくは透水性と保水性を兼ね備えた舗装用ブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の舗装用ブロックとしては特許文献1に開示されたものが知られている。
特許文献1に開示された舗装用ブロックは、所定の縦横厚み寸法に形成されたブロック本体と、ブロック本体の下面に嵌合された容器状の保水タンクとから構成される。ブロック本体は連続気泡性コンクリートなどの透水性材料によって形成され、保水タンクはプラスチックなどの非透水性材料によって形成される。
この舗装用ブロック上に散水や降雨などによって水が散布されると、この水はブロック本体に浸透し、保水タンク内に溜められる。日射熱等によって舗装用ブロックが加熱されると、保水タンク内に溜められた水が蒸発し、その蒸発潜熱によって舗装用ブロックが冷却される。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−85907号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した舗装用ブロックでは、舗装用ブロック上に散布される水量が所定量(ブロック本体の体積や空隙率によって決まる量)以下の場合は、この水はブロック本体に浸透し、舗装用ブロックの表面を流れることはない。しかしながら、舗装用ブロック上に散布される水量が所定量を超えると、ブロック本体に水が浸透せず、水勾配の小さな箇所や、長期の供用により不陸(窪み)が生じた箇所では、舗装用ブロック上に水溜り等が形成されてしまうという問題があった。また、散布された水が舗装用ブロックより下へ浸透しないため、地下水の涵養、土の活性、地中生物生態系の保護、樹木の発育などの自然環境保全に寄与することができないという問題があった。
【0005】
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、一定量の水を保水できると共に、舗装用ブロック上に散布される水量が多量となっても舗装用ブロック上に水溜りが形成されることを抑制することができ、さらに自然環境の保全に寄与することが可能となる舗装用ブロックを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段と作用と効果】本発明に係る舗装用ブロックは、透水性のブロック本体と、ブロック本体内またはブロック本体底面に設けられた非透水性の保水部とを有する。そして、保水部の上面には水を溜めることができる凹部が形成されると共に、保水部を上方から投影したときの投影面積がブロック本体を上方から投影したときの投影面積より小さくなっている。
この舗装用ブロックでは、舗装用ブロック上に散布された水は透水性のブロック本体に浸透する。ブロック本体を浸透する水の一部は保水部上面の凹部に溜められる。一方、保水部を上方から投影したときの投影面積がブロック本体を上方から投影したときの投影面積より小さいため、ブロック本体を浸透する水の一部は保水部によって受けとめられることなく舗装用ブロック底面に達し、舗装用ブロックより下の地中に還元することが可能となる。したがって、舗装用ブロック上に散布される水が多量となっても、舗装用ブロック表面に水溜りが形成されてしまうことを抑制することができる。また、舗装用ブロックの下を透水層とすれば、舗装用ブロックより下の地中に水が還元されるため、自然環境の保全に寄与することもできる。
【0007】
上記舗装用ブロックでは、前記ブロック本体と前記保水部は、セメントコンクリート、または、これと機械的強度が同等以上の材料(例えば、レジンコンクリート、アスファルトコンクリート、プラスチック類等)からなることが好ましい。
ここで、ブロック本体と保水部を異なる材料により成形することができる。例えば、ブロック本体をセメントコンクリートで成形し、保水部をプラスチック等の樹脂材料により成形することができる。
あるいは、前記ブロック本体と前記保水部を同種材料により成形することもできる。例えば、前記ブロック本体は透水性のセメントコンクリートからなり、前記保水部は非透水性のセメントコンクリートからなる。このような構成によると、ブロック本体と保水部の両者が同種材料となるため、リサイクル時等に両者を分離する必要がない。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具現化した第1実施形態に係る舗装用ブロックについて図面を参照して説明する。図1は第1実施形態に係る舗装用ブロックの一部破断斜視図であり、図2は舗装用ブロックを構成する保水部の平面図であり、図3は図2のIII−III線断面図である。
【0009】
図1に示されるように、舗装用ブロック10は、ブロック本体20と、ブロック本体20の下面に設けられた保水部12とから構成される。
ブロック本体20は、連続気泡性コンクリートやポーラスコンクリートなどの透水性材料を型に流し込むことで成形されている。なお、ブロック本体20を製造するための材料には、例えば、セメントコンクリート、レジンコンクリート、アスファルトコンクリート、プラスチック類等を用いることができるが、本実施形態では、製造し易さ、耐久性、リサイクル性などの観点からセメントコンクリートを用いている。
ブロック本体20の上面は平面状に成形され、その下面は保水部12の上面に倣う形状に成形されている。このため、ブロック本体20に保水部12が組み合わされると、両者(すなわち、舗装用ブロック10)は平板状となる。
なお、ブロック本体20の空隙率は、舗装用ブロック10で保水したい水分量や必要とされる機械的強度に応じて適宜決めることができ、通常、15〜30%とされる。
【0010】
保水部12は、ブロック本体20と略同一の外径寸法を有する板状体である。
保水部12の中央には、図2、3に示されるように、上面から下面に貫通する円形の貫通孔22が設けられている。したがって、保水部12を上方から投影したときの投影面積は、ブロック本体20を上方から投影したときの投影面積より貫通孔22の分だけ小さくなっている。なお、保水部12の上面18の周縁部には壁14が立設され、また、開口22の周縁部にも壁16が立設されている。壁14の高さと壁16の高さは同一の高さとなっている。
この保水部12は、モルタルコンクリートなどの非透水性材料を型に流し込むことで成形されている。具体的な成形方法としては、例えば、事前に成形しておいたブロック本体20を型内に配置し、しかる後、型内にモルタルコンクリート等を流し込む。このような方法で成形すると、ブロック本体20と保水部12が一体に成形されて固着するため、ブロック本体20と保水部12を固着する工程を省くことができる。
なお、保水部12を製造するための材料には、ブロック本体20と同様に、セメントコンクリート、レジンコンクリート、アスファルトコンクリート、プラスチック類等を用いることができるが、本実施形態では、製造し易さ、耐久性、リサイクル性などの観点から、セメントコンクリートの一種であるモルタルコンクリートを用いている。
【0011】
上記の舗装用ブロック10は、歩道や車道に敷き詰められる敷石ブロック(例えば、コンクリート平板、インターロッキングブロック等)として用いることができ、その敷設方法は、透水性を有する一般の舗装用ブロックと同一の方法で敷設することができる。例えば、整地された10cm厚の砕石層に、3cm厚の砂層を設け、その上に舗装用ブロック10を敷き詰めることができる。なお、隣接する舗装用ブロック10同士は、必要に応じて接着剤や目地材を用いて固定することもできる。
【0012】
上述した舗装用ブロック10上に降雨などによって水が散布されると、その水はブロック本体20内に浸透する。ブロック本体20内に浸透した水は、まず、保水部12の二つの壁14,16及び上面18によって形成される凹部内に溜められる。保水部12の凹部に溜められる最大保水量は、(壁16の高さ)×(上面18の面積)よって決まる。
舗装用ブロック10上に雨が降り続けると、保水部12の凹部に溜められた水量が最大保水量を越える。そして、これ以降にブロック本体20上に降る雨水は、貫通孔22を通って舗装用ブロック10の底面から土に排水される。したがって、保水部12の最大保水量を超える雨が降っても、その雨水は貫通孔22を通って土に排水されるため、舗装用ブロック10上に水溜りが形成されることを抑制することができる。また、舗装用ブロック10の底面から地中に水が還元されるため、地下水の涵養、土の活性、地中生物生態系の保護、樹木の発育などの自然環境の保全に寄与することができる。特に、舗装用ブロック10の表面と底面との間で水だけでなく空気も流通するため、地中生物に優しい舗装となる。
なお、雨が降り止み、舗装用ブロック10が日光等によって加熱されると、保水部12の凹部に溜められた水が蒸発する。この水が蒸発するときの潜熱によって舗装用ブロック10が冷却されることとなる。
【0013】
上述した説明から明らかなように、第1実施形態の舗装用ブロック10は、保水部12の凹部に一定量の水を保水することができる。したがって、舗装用ブロック10が日光等によって加熱されると、舗装用ブロック10に保水した水が蒸発して舗装用ブロック10を冷却することができる。
また、保水部12の凹部に溜まった水量が最大保水量となっても、それ以降の水は保水部12に設けられた貫通孔22を通って、舗装用ブロック10の底面から排水される。このため、舗装用ブロック10上に多量の雨が降っても、その表面に水溜りが形成されてしまうことを抑制することができる。
さらに、舗装用ブロック10を構成するブロック本体20と保水部12は共にコンクリートにより成形されている。このため、舗装用ブロック10をリサイクルする際に両者を分離する必要はなく、リサイクル性を向上することができる。
【0014】
(第2実施形態) 次に、本発明を具現化した第2実施形態に係る舗装用ブロックについて図面を参照して説明する。図4は第2実施形態に係る舗装用ブロックの平面図であり、図5は図4のV−V線断面図であり、図6は第2実施形態に係る舗装用ブロックの製造工程を説明するための図である。
【0015】
図4、5に示すように、舗装用ブロック30は、透水性のブロック本体32と、ブロック本体32内に設けられた保水部36とによって構成される。ブロック本体32は、上述した実施形態と同様に、連続気泡性コンクリートやポーラスコンクリートなどの透水性材料により成形されている。
【0016】
保水部36は、モルタルコンクリートなどの非透水性材料を矩形浅底の容器状に成形した非透水層である。この保水部36は、図4から明らかなように舗装用ブロック30よりひとまわり小さく、また、図5に示すように、その周縁には上方に伸びる壁が設けられている。
【0017】
ここで、上記舗装用ブロック30を製造する方法の一例を説明する。この製造方法では、まず、図6に示すような一次成形体32aを成形する。一次成形体32aの成形は、一次成形型に透水性材料を流し込むことによって行うことができる。次いで、一次成形体32aの上面に設けられた凹部34の壁面に、モルタルコンクリートなどの非透水性材料を塗布し、これによって保水部36を成形する。そして、保水部36が成形された一次成形体32aを最終型内に配置し、再び最終型内に透水性材料を流し込んで舗装用ブロック30とする。
【0018】
第2実施形態の塗装ブロック30においても、保水部36に一定量の水を保水することができる。また、保水部36に溜められた水量が最大保水量となっても、それ以降に降る雨水等は、保水部36の外側部分を通って、舗装用ブロック30の底面から排水される。したがって、第1実施形態の舗装用ブロック10と同様の作用効果を奏することができる。
【0019】
以上、本発明のいくつかの具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、上述した第1実施形態では、ブロック本体と保水部とを一体に成形して舗装用ブロックを成形した。しかしながら、ブロック本体と保水部を別体でそれぞれ成形し、両者を接着剤等で接着するような構成としてもよい。このような構成の場合、ブロック本体と保水部との間に不織布などの水を吸い上げる機能を有する材料(いわゆる、吸水性材料)を配設するようにしてもよい。ブロック本体と保水部との間に吸水性材料を配すると、保水部に保水された水をブロック本体の全体に行き渡らせることができる。さらに、不織布の一部(吸水性材料の一部)はブロック本体の内部に埋設されるようにしてもよい。あるいは、吸水性材料をブロック本体を製造するための1材料として用いてもよい。例えば、麻などの植物繊維や吸水性ポリマーなどをセメントに混入して、ブロック本体を製造することができる。このような材料によってブロック本体を製造することで、ブロック本体に吸水性機能を付与することができる。
また、保水部で保水できる最大保水量は、保水部の上方からの投影面積を変更することや、保水部の壁の高さを変えること等によって適宜変更することができる。例えば、第1実施形態の舗装用ブロックにおいては、中央に1箇所だけ貫通孔を設けたが、この貫通孔の数や面積、壁の高さ等は適宜変更することができる。
なお、上述した第1実施形態では、舗装用ブロックを透水層(すなわち、砕石層+砂層)上に敷き詰めて透水性舗装とした例を説明したが、本願に係る舗装用ブロックをアスファルト混合物等の不透水層上に敷き詰めることで排水性舗装とすることもできる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る舗装用ブロックの一部破断斜視図。
【図2】図1に示す舗装用ブロックの保水部の平面図。
【図3】図2のIII−III線断面図。
【図4】第2実施形態に係る舗装用ブロックの平面図。
【図5】図4のV−V線断面図。
【図6】第2実施形態に係る舗装用ブロックの製造工程を説明するための図。
【符号の説明】
10:舗装用ブロック
12:保水部
14,16:壁
18:上面
20:ブロック本体
22:貫通孔
【発明の属する技術分野】本発明は、歩道や車道に敷き詰められる舗装用ブロック(例えば、コンクリート平板やインターロッキングブロックやプレキャスト舗装版(鋼材で補強されたものを含む)等)に関し、詳しくは透水性と保水性を兼ね備えた舗装用ブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の舗装用ブロックとしては特許文献1に開示されたものが知られている。
特許文献1に開示された舗装用ブロックは、所定の縦横厚み寸法に形成されたブロック本体と、ブロック本体の下面に嵌合された容器状の保水タンクとから構成される。ブロック本体は連続気泡性コンクリートなどの透水性材料によって形成され、保水タンクはプラスチックなどの非透水性材料によって形成される。
この舗装用ブロック上に散水や降雨などによって水が散布されると、この水はブロック本体に浸透し、保水タンク内に溜められる。日射熱等によって舗装用ブロックが加熱されると、保水タンク内に溜められた水が蒸発し、その蒸発潜熱によって舗装用ブロックが冷却される。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−85907号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した舗装用ブロックでは、舗装用ブロック上に散布される水量が所定量(ブロック本体の体積や空隙率によって決まる量)以下の場合は、この水はブロック本体に浸透し、舗装用ブロックの表面を流れることはない。しかしながら、舗装用ブロック上に散布される水量が所定量を超えると、ブロック本体に水が浸透せず、水勾配の小さな箇所や、長期の供用により不陸(窪み)が生じた箇所では、舗装用ブロック上に水溜り等が形成されてしまうという問題があった。また、散布された水が舗装用ブロックより下へ浸透しないため、地下水の涵養、土の活性、地中生物生態系の保護、樹木の発育などの自然環境保全に寄与することができないという問題があった。
【0005】
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、一定量の水を保水できると共に、舗装用ブロック上に散布される水量が多量となっても舗装用ブロック上に水溜りが形成されることを抑制することができ、さらに自然環境の保全に寄与することが可能となる舗装用ブロックを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段と作用と効果】本発明に係る舗装用ブロックは、透水性のブロック本体と、ブロック本体内またはブロック本体底面に設けられた非透水性の保水部とを有する。そして、保水部の上面には水を溜めることができる凹部が形成されると共に、保水部を上方から投影したときの投影面積がブロック本体を上方から投影したときの投影面積より小さくなっている。
この舗装用ブロックでは、舗装用ブロック上に散布された水は透水性のブロック本体に浸透する。ブロック本体を浸透する水の一部は保水部上面の凹部に溜められる。一方、保水部を上方から投影したときの投影面積がブロック本体を上方から投影したときの投影面積より小さいため、ブロック本体を浸透する水の一部は保水部によって受けとめられることなく舗装用ブロック底面に達し、舗装用ブロックより下の地中に還元することが可能となる。したがって、舗装用ブロック上に散布される水が多量となっても、舗装用ブロック表面に水溜りが形成されてしまうことを抑制することができる。また、舗装用ブロックの下を透水層とすれば、舗装用ブロックより下の地中に水が還元されるため、自然環境の保全に寄与することもできる。
【0007】
上記舗装用ブロックでは、前記ブロック本体と前記保水部は、セメントコンクリート、または、これと機械的強度が同等以上の材料(例えば、レジンコンクリート、アスファルトコンクリート、プラスチック類等)からなることが好ましい。
ここで、ブロック本体と保水部を異なる材料により成形することができる。例えば、ブロック本体をセメントコンクリートで成形し、保水部をプラスチック等の樹脂材料により成形することができる。
あるいは、前記ブロック本体と前記保水部を同種材料により成形することもできる。例えば、前記ブロック本体は透水性のセメントコンクリートからなり、前記保水部は非透水性のセメントコンクリートからなる。このような構成によると、ブロック本体と保水部の両者が同種材料となるため、リサイクル時等に両者を分離する必要がない。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具現化した第1実施形態に係る舗装用ブロックについて図面を参照して説明する。図1は第1実施形態に係る舗装用ブロックの一部破断斜視図であり、図2は舗装用ブロックを構成する保水部の平面図であり、図3は図2のIII−III線断面図である。
【0009】
図1に示されるように、舗装用ブロック10は、ブロック本体20と、ブロック本体20の下面に設けられた保水部12とから構成される。
ブロック本体20は、連続気泡性コンクリートやポーラスコンクリートなどの透水性材料を型に流し込むことで成形されている。なお、ブロック本体20を製造するための材料には、例えば、セメントコンクリート、レジンコンクリート、アスファルトコンクリート、プラスチック類等を用いることができるが、本実施形態では、製造し易さ、耐久性、リサイクル性などの観点からセメントコンクリートを用いている。
ブロック本体20の上面は平面状に成形され、その下面は保水部12の上面に倣う形状に成形されている。このため、ブロック本体20に保水部12が組み合わされると、両者(すなわち、舗装用ブロック10)は平板状となる。
なお、ブロック本体20の空隙率は、舗装用ブロック10で保水したい水分量や必要とされる機械的強度に応じて適宜決めることができ、通常、15〜30%とされる。
【0010】
保水部12は、ブロック本体20と略同一の外径寸法を有する板状体である。
保水部12の中央には、図2、3に示されるように、上面から下面に貫通する円形の貫通孔22が設けられている。したがって、保水部12を上方から投影したときの投影面積は、ブロック本体20を上方から投影したときの投影面積より貫通孔22の分だけ小さくなっている。なお、保水部12の上面18の周縁部には壁14が立設され、また、開口22の周縁部にも壁16が立設されている。壁14の高さと壁16の高さは同一の高さとなっている。
この保水部12は、モルタルコンクリートなどの非透水性材料を型に流し込むことで成形されている。具体的な成形方法としては、例えば、事前に成形しておいたブロック本体20を型内に配置し、しかる後、型内にモルタルコンクリート等を流し込む。このような方法で成形すると、ブロック本体20と保水部12が一体に成形されて固着するため、ブロック本体20と保水部12を固着する工程を省くことができる。
なお、保水部12を製造するための材料には、ブロック本体20と同様に、セメントコンクリート、レジンコンクリート、アスファルトコンクリート、プラスチック類等を用いることができるが、本実施形態では、製造し易さ、耐久性、リサイクル性などの観点から、セメントコンクリートの一種であるモルタルコンクリートを用いている。
【0011】
上記の舗装用ブロック10は、歩道や車道に敷き詰められる敷石ブロック(例えば、コンクリート平板、インターロッキングブロック等)として用いることができ、その敷設方法は、透水性を有する一般の舗装用ブロックと同一の方法で敷設することができる。例えば、整地された10cm厚の砕石層に、3cm厚の砂層を設け、その上に舗装用ブロック10を敷き詰めることができる。なお、隣接する舗装用ブロック10同士は、必要に応じて接着剤や目地材を用いて固定することもできる。
【0012】
上述した舗装用ブロック10上に降雨などによって水が散布されると、その水はブロック本体20内に浸透する。ブロック本体20内に浸透した水は、まず、保水部12の二つの壁14,16及び上面18によって形成される凹部内に溜められる。保水部12の凹部に溜められる最大保水量は、(壁16の高さ)×(上面18の面積)よって決まる。
舗装用ブロック10上に雨が降り続けると、保水部12の凹部に溜められた水量が最大保水量を越える。そして、これ以降にブロック本体20上に降る雨水は、貫通孔22を通って舗装用ブロック10の底面から土に排水される。したがって、保水部12の最大保水量を超える雨が降っても、その雨水は貫通孔22を通って土に排水されるため、舗装用ブロック10上に水溜りが形成されることを抑制することができる。また、舗装用ブロック10の底面から地中に水が還元されるため、地下水の涵養、土の活性、地中生物生態系の保護、樹木の発育などの自然環境の保全に寄与することができる。特に、舗装用ブロック10の表面と底面との間で水だけでなく空気も流通するため、地中生物に優しい舗装となる。
なお、雨が降り止み、舗装用ブロック10が日光等によって加熱されると、保水部12の凹部に溜められた水が蒸発する。この水が蒸発するときの潜熱によって舗装用ブロック10が冷却されることとなる。
【0013】
上述した説明から明らかなように、第1実施形態の舗装用ブロック10は、保水部12の凹部に一定量の水を保水することができる。したがって、舗装用ブロック10が日光等によって加熱されると、舗装用ブロック10に保水した水が蒸発して舗装用ブロック10を冷却することができる。
また、保水部12の凹部に溜まった水量が最大保水量となっても、それ以降の水は保水部12に設けられた貫通孔22を通って、舗装用ブロック10の底面から排水される。このため、舗装用ブロック10上に多量の雨が降っても、その表面に水溜りが形成されてしまうことを抑制することができる。
さらに、舗装用ブロック10を構成するブロック本体20と保水部12は共にコンクリートにより成形されている。このため、舗装用ブロック10をリサイクルする際に両者を分離する必要はなく、リサイクル性を向上することができる。
【0014】
(第2実施形態) 次に、本発明を具現化した第2実施形態に係る舗装用ブロックについて図面を参照して説明する。図4は第2実施形態に係る舗装用ブロックの平面図であり、図5は図4のV−V線断面図であり、図6は第2実施形態に係る舗装用ブロックの製造工程を説明するための図である。
【0015】
図4、5に示すように、舗装用ブロック30は、透水性のブロック本体32と、ブロック本体32内に設けられた保水部36とによって構成される。ブロック本体32は、上述した実施形態と同様に、連続気泡性コンクリートやポーラスコンクリートなどの透水性材料により成形されている。
【0016】
保水部36は、モルタルコンクリートなどの非透水性材料を矩形浅底の容器状に成形した非透水層である。この保水部36は、図4から明らかなように舗装用ブロック30よりひとまわり小さく、また、図5に示すように、その周縁には上方に伸びる壁が設けられている。
【0017】
ここで、上記舗装用ブロック30を製造する方法の一例を説明する。この製造方法では、まず、図6に示すような一次成形体32aを成形する。一次成形体32aの成形は、一次成形型に透水性材料を流し込むことによって行うことができる。次いで、一次成形体32aの上面に設けられた凹部34の壁面に、モルタルコンクリートなどの非透水性材料を塗布し、これによって保水部36を成形する。そして、保水部36が成形された一次成形体32aを最終型内に配置し、再び最終型内に透水性材料を流し込んで舗装用ブロック30とする。
【0018】
第2実施形態の塗装ブロック30においても、保水部36に一定量の水を保水することができる。また、保水部36に溜められた水量が最大保水量となっても、それ以降に降る雨水等は、保水部36の外側部分を通って、舗装用ブロック30の底面から排水される。したがって、第1実施形態の舗装用ブロック10と同様の作用効果を奏することができる。
【0019】
以上、本発明のいくつかの具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、上述した第1実施形態では、ブロック本体と保水部とを一体に成形して舗装用ブロックを成形した。しかしながら、ブロック本体と保水部を別体でそれぞれ成形し、両者を接着剤等で接着するような構成としてもよい。このような構成の場合、ブロック本体と保水部との間に不織布などの水を吸い上げる機能を有する材料(いわゆる、吸水性材料)を配設するようにしてもよい。ブロック本体と保水部との間に吸水性材料を配すると、保水部に保水された水をブロック本体の全体に行き渡らせることができる。さらに、不織布の一部(吸水性材料の一部)はブロック本体の内部に埋設されるようにしてもよい。あるいは、吸水性材料をブロック本体を製造するための1材料として用いてもよい。例えば、麻などの植物繊維や吸水性ポリマーなどをセメントに混入して、ブロック本体を製造することができる。このような材料によってブロック本体を製造することで、ブロック本体に吸水性機能を付与することができる。
また、保水部で保水できる最大保水量は、保水部の上方からの投影面積を変更することや、保水部の壁の高さを変えること等によって適宜変更することができる。例えば、第1実施形態の舗装用ブロックにおいては、中央に1箇所だけ貫通孔を設けたが、この貫通孔の数や面積、壁の高さ等は適宜変更することができる。
なお、上述した第1実施形態では、舗装用ブロックを透水層(すなわち、砕石層+砂層)上に敷き詰めて透水性舗装とした例を説明したが、本願に係る舗装用ブロックをアスファルト混合物等の不透水層上に敷き詰めることで排水性舗装とすることもできる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る舗装用ブロックの一部破断斜視図。
【図2】図1に示す舗装用ブロックの保水部の平面図。
【図3】図2のIII−III線断面図。
【図4】第2実施形態に係る舗装用ブロックの平面図。
【図5】図4のV−V線断面図。
【図6】第2実施形態に係る舗装用ブロックの製造工程を説明するための図。
【符号の説明】
10:舗装用ブロック
12:保水部
14,16:壁
18:上面
20:ブロック本体
22:貫通孔
Claims (3)
- 透水性のブロック本体と、ブロック本体内またはブロック本体底面に設けられた非透水性の保水部とを有し、
保水部の上面には水を溜めることができる凹部が形成されると共に、保水部を上方から投影したときの投影面積がブロック本体を上方から投影したときの投影面積より小さくなっていることを特徴とする舗装用ブロック。 - 前記ブロック本体と前記保水部は、セメントコンクリート、または、これと機械的強度が同等以上の材料からなることを特徴とする請求項1に記載の舗装用ブロック。
- 前記ブロック本体と前記保水部とが同種材料からなることを特徴とする請求項2に記載の舗装用ブロック。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007129913A (ja) * | 2005-11-08 | 2007-05-31 | North Green:Kk | 海中設置用構造体及び水産資源の賦活方法及び防草方法 |
JP2007197959A (ja) * | 2006-01-25 | 2007-08-09 | Ryusuke Setsutsu | 保水ブロック |
JP2007239407A (ja) * | 2006-03-13 | 2007-09-20 | Taiheiyo Precast Concrete Industry Co Ltd | 舗装用ブロック |
JP2019007321A (ja) * | 2017-06-27 | 2019-01-17 | 有限会社アトラス | 貯水機能付き透水性ブロック |
-
2003
- 2003-07-10 JP JP2003195155A patent/JP2005030028A/ja active Pending
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