JP2012184619A - 地中の保水構造及び該保水構造に用いる保水構造体 - Google Patents

地中の保水構造及び該保水構造に用いる保水構造体 Download PDF

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孝保 吉原
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Abstract

【課題】揚水機能を確実に果たすことができ、しかも、シンプルな構造であり余分な手間が掛からず製作も簡単であって、これにより制作費も低廉に成し得るようにした地中の保水構造及び該保水構造に用いる保水構造体を提供する。
【解決手段】透水性の表面層1と該表面層1の下層に重ねて敷設され貯水空間部3を有する空間形成部材層2とからなる地中の保水構造であって、表面層1の裏面1bに下方へ突出しかつ空間形成部材層2内の貯水空間部3に貯留される雨水Rに浸かる導水脚部6を一体に成形し、各導水脚部6によって揚水された雨水Rを透水性の表面層1の表面1aから蒸発させるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、広場、歩道、公園、グランド等の各種施設における地面に敷設され、暑い夏季には地中に溜まる雨水を揚水し表面から蒸発させてその表面を冷やすことができるようにした地中の保水構造及び該保水構造に用いる保水構造体に関するものである。
一般の都市部の道路は、車道は勿論のこと歩道までもそれら地面にほとんどアスファルトまたはコンクリートが敷かれ整備されている。このように、地面にアスファルトやコンクリートが敷かれていると、暑い夏の季節にあっては日中の直射日光がそれらアスファルトやコンクリートの表面に当たりその照り返しによる熱が強いばかりか、夜間においてもその熱が放出され続けて周囲の温度が高く維持され簡単に冷めるようなことがない。そして、このような温度の異常な上昇がヒートアイランド現象の一要因になっている。
そこで、前記ヒートアイランド現象を少しでも抑えようとして、例えば特許文献1に示すような地中の保水構造が開発されている。該地中の保水構造は複数の保水構造体からなり、各保水構造体は上面が開放される箱状の貯水ユニットとその上面に被さる保水性ブロックとから概ね構成される。貯水ユニット内には雨水が貯められるようになっており、該貯水ユニット内の底面に、保水性ブロックを下から支持する複数の補強板が配設されると共に保水性ブロックの裏側に貯水される水を保水性ブロックへと揚水するための導水性部材が配設されている。保水性ブロックは透水性を有し、その中央に常には蓋が被せられる圧力調整孔が貫設されている。
特開2009−197388号公報(第9−18頁、図1)
しかしながら、前記特許文献1に係る地中の保水構造における保水構造体にあっては、導水性部材が保水性ブロックとは別部材により形成され、その上端面を保水性ブロックの裏面に接触させるようにしている。このため、例えば該導水性部材が不織布の場合、その上端面と保水性ブロックの裏面との接触が不十分なものとなり易く、安定した揚水機能を維持することが難しい。仮に、前記導水性部材の上端面と保水性ブロックの裏面との接触状態が悪いと、揚水機能が低下してしまうといった危険性がある。
また、箱状の貯水ユニット内には複数の補強板が設けられ、保水性ブロックの裏面に該保水性ブロックとは素材の異なる複数の導水性部材を配設し、保水性ブロックにあっては常には蓋が被せられる圧力調整孔を貫設するなど全体的に構造が複雑化している。特に、必要な揚水力を得るために何本もの導水性部材を保水性ブロックの裏面に配設しなければならないとすれば、余分な手間が掛かり制作上面倒であるばかりか、制作費も高くなるといった課題が有る。
そこで、本発明は上記課題を解決すべくなされたもので、揚水機能を確実に果たすことができ、しかも、シンプルな構造であり余分な手間が掛からず製作も簡単であって、これにより制作費も低廉に成し得るようにした地中の保水構造及び該保水構造に用いる保水構造体を提供することを目的とするものである。
かかる目的を達成するため本発明の地中の保水構造は、透水性の表面層と該表面層の下層に重ねて敷設され貯水空間部を有する空間形成部材層とからなる地中の保水構造であって、前記表面層の裏面に下方へ突出しかつ前記空間形成部材層内の貯水空間部に貯留される雨水に浸かる導水脚部を一体に成形し、前記各導水脚部によって揚水された雨水を前記透水性の表面層の表面から蒸発させるようにしたことを特徴とする。
また、本発明の地中の保水構造は、透水性の表面層と該表面層の下層に重ねて敷設され貯水空間部を有する空間形成部材層とからなる地中の保水構造であって、前記表面層が多数の透水性ブロックを並設して構成され、前記各透水性ブロックの裏面に下方へ突出しかつ前記空間形成部材層内の貯水空間部に貯留される雨水に浸かる導水脚部を一体に成形し、前記各導水脚部によって揚水された雨水を前記各透水性ブロックの表面から蒸発させるようにしたことを特徴とする。
更に、本発明の地中の保水構造は、透水性の表面層と該表面層の下層に重ねて敷設され貯水空間部を有する空間形成部材層とからなる地中の保水構造であって、前記表面層が多数の透水性ブロックを並設して構成され、前記各透水性ブロックはゴムチップ単体を積層しこれらをバインダーにより結合して形成され内部に表面から裏面に達し連通する無数の空隙を有し、前記空間形成部材層は硬質合成樹脂製の多数本のモノフィラメントをそれぞれランダムなループ状に堆積して平板状に形成され、前記各透水性ブロックの裏面に下方へ突出する導水脚部を一体に成形し、前記空間形成部材層の表面には前記導水脚部が介入する凹窪部を設け、前記導水脚部が前記凹窪部に介入した状態で前記空間形成部材層内の貯水空間部に貯留された雨水に浸かり、前記導水脚部によって揚水された雨水を前記各透水性ブロックの表面から蒸発させるようにしたことを特徴とする。
ここで、本発明の保水構造体は、透水性の表面層を形成する透水性ブロックと該透水性ブロックの下側に重ねられ空間形成部材層を形成する空間形成部材とからなり、前記透水性ブロックの裏面に下方へ突出しかつ前記空間形成部材内の貯水空間部に貯留される雨水に浸かる導水脚部を一体に成形し、前記導水脚部によって揚水された雨水を前記各透水性ブロックの表面から蒸発させるようにしたことを特徴とする。
本発明に係る地面の保水構造は、透水性の表面層と該表面層の下層に重ねて敷設され貯水空間部を有する空間形成部材層とからなる地中の保水構造であって、前記表面層の裏面に下方へ突出しかつ空間形成部材層内の貯水空間部に貯留される雨水に浸かる導水脚部を一体に成形し、該各導水脚部によって揚水された雨水を前記透水性の表面層の表面から蒸発させるようにした。このように、表面層の裏面に雨水を揚水するための導水脚部を該表面層と一体に成形したので、該導水脚部を通して揚水が確実に行なえるという効果を奏する。
また、透水性の表面層を複数の透水性ブロックにより形成し、空間形成部材層を空間形成部材により形成するようにすれば、透水性ブロックの裏面に空間形成部材を重ね合わせるのみで保水構造体が形成される。よって、該保水構造体がシンプルな構造となり余分な手間が掛からず製作も簡単である。これにより、制作費も低廉に成し得るという効果を奏する。
更に、保水構造体がゴムチップ単体を積層して構成されていると、弾力性があり、保水構造体を広場、歩道、公園、グランド等の各種施設に利用した場合には、踏み心地が良く、走ったり歩いたりするに快適である。
本発明に係る地中の保水構造の断面図。 同施工方法を説明する保水構造の一部の斜視図。 本発明に係る保水構造体の斜視図。 同分解斜視図。 同横断面図。 同保水構造体を用いた地中の保水構造の断面図。 同側溝を付設した保水構造の断面図。 他の保水構造体を用いた地中の保水構造の断面図。 他の地中の保水構造の断面図。 空間形成部材を成形する製造装置の概略図。 他の空間形成部材を成形する製造装置の概略図。
以下、本発明に係る地中の保水構造及び該保水構造に用いる保水構造体の最良の実施の形態を図面に基き詳しく説明する。本発明に係る地中の保水構造は、例えば広場、歩道、公園、グランド等の各種施設に適用可能であるが、本発明にあってはそのうち広場に適用される場合について説明する。図1は、本発明に係る地中の保水構造の断面図である。
まず、地中の保水構造について説明する。広場であって、保水構造とする範囲に亘り地面を少し掘り下げ、その中に生コンクリートやモルタルを打設して下地Hを形成する。この際、その周囲には少し丈を高くした畝(図示せず。)を立ち上げ囲うようにしておく。このように、畝によって囲われることにより、生コンクリートやモルタルが打設された部位には雨水が溜まることになる。ただ、低い位置で自然と雨水が溜まるような場所であれば、強いて生コンクリートやモルタルを打設することなく、地面を均すと共に細かい砂により下地Hを形成するようにしても良い。
次に、前記下地Hの上面に地中の保水構造が施工されることになる。すなわち、該地中の保水構造は、表面が露出する透水性の表面層1と該表面層1の下層に重ねて敷設される空間形成部材層2とからなる。該空間形成部材層2には、その内部に雨水Rを貯留する貯水空間部3が形成される。表面層1は、例えば透水性アスファルトを打設して形成される。透水性アスファルトは、アスファルト成分を少なくし、骨材同士を点接着させ間隔を設けてその間を水が透過するように構成したものである。
透水性アスファルトを形成する前に、下地Hの上面に空間形成部材層2を敷設することになる。該空間形成部材層2は、例えば硬質合成樹脂製の多数本のモノフィラメントをそれぞれランダムなループ状に堆積して平板状に形成した空間形成部材2aからなる。更に詳しく説明すると、図10は空間形成部材を成形する製造装置の概略図であって、図中、20は溶融したモノフィラメントを紡出するための紡出機である。そして、太径のノズル孔を有する複数の太径ノズル21aと細径のノズル孔を有する複数の細径ノズル21bとを備え、太径ノズル21aの両側に細径ノズル21bが所定の間隔離して配置され3列に縦列するような位置に設けられている。前記紡出機20の下方には水を張った貯水槽22が配設され、その中に前記太径ノズル21a、両細径ノズル21b,21bに対応位置させて一対の受けロール23,23が配置される。24a,24bは、前記貯水槽22の内側と外側にそれぞれ配置された搬送コンベアである。
そこで、前記紡出機20の各太径ノズル21aとその両側の各細径ノズル21bとからそれぞれ紡出させた太径・細径モノフィラメント25a,25bを、下方の貯水槽22内の水中に落とし込む。本発明にあっては、太径・細径モノフィラメント25a,25bとして硬質合成樹脂、例えばポリプロピレン樹脂が使用される。この際、貯水槽22の水中に落とし込まれた各太径・細径モノフィラメント25a,25bは、それぞれほぼ同じ大きさであり平面略円形状となるように螺旋状に巻かれる。これら円形部の大きさは、太径ノズル21aまたは細径ノズル21bの直径、太径ノズル21aと細径ノズル21bから水面までの距離、太径・細径モノフィラメント25a,25bの温度などによって決定される。
そして、前記各太径モノフィラメント25aにより筒状空洞部を複数本列設した筒状空洞層部4が形成されることとなり、これを両細径モノフィラメント25b,25bと共に一対の受けロール23,23間に通す。これら一対の受けロール23,23の間隔は、所定の厚み、すなわち、各太径モノフィラメント25aにより形成される略円形の形状が潰れない程度の寸法に設定してある。よって、複数の筒状空洞部が列設される筒状空洞層部4の両側面に各細径モノフィラメント25bがループ状のまま潰れた状態で堆積し被覆層部5を形成している。一対の受けロール23,23を通過した後、搬送コンベア24a,24bに排出させ所定の大きさであって平面方形状に切断する。ただ、空洞形成部材2aの表面に表面層1の裏面に突出する導水脚部6が嵌る凹窪部7を形成する必要があるので、前記複数の太径ノズル21aからすべて太径モノフィラメント25aを紡出するのではなく、所定の間隔を離した位置の太径ノズル21aからは太径モノフラメント25aの紡出を止めておく。すなわち、平面方形状の空間形成部材2aにあって、図2に示すように両側端からそれぞれ3本目の筒状空洞部はなく、表面の被覆層部5が窪んでいる。
各太径モノフィラメント25aにより形成される筒状空洞部はその長手方向に沿ってほとんど障害物がなく、筒状空洞層部4における太径モノフィラメント25aによりできる隙間は比較的広く形成される。一方、被覆層部5は各細径モノフィラメント25bにより形成されていることから、太径モノフィラメント25aの場合に比べ略円形部の半径が小さく、しかも、長手方向に沿って幾重にも平坦に潰れて重なっており、各細径モノフィラメント25b間にできる隙間は比較的狭い。
このようにして形成される空間形成部材2aは、多数本の太径モノフィラメント25aをランダムなループ状に堆積して筒状空洞部が列設して平板状に形成される筒状空洞層部4と、平板状の該筒状空洞層部4の表面と裏面とに前記太径モノフィラメント25aより細く同じく硬質合成樹脂製の細径モノフィラメント25bがループ状のまま潰れた状態で堆積して覆う被覆層部5,5と、から構成されることになる。前記筒状空洞層部4には複数の筒状空洞部が列設されるが、このうち所定本数の間隔を離して、例えば両側端からそれぞれ3本目の筒状空洞部が形成されておらず、そこに一方の被覆層部5を潰して各筒状空洞部と平行で同じ幅の凹窪部7が形成される。筒状空洞層部4の内部、すなわち主として筒状空洞部の内部、に貯水空間部3が形成され雨水が貯留されることになる。
そこで、下地Hの表面に敷設するため所定の大きさに切断した空間形成部材2aを該下地Hの表面に凹窪部7が連続するようにして配置し、その上面にネットまたは不織布といった目の細かい(例えば、目の大きさの一辺が0.6mm)柔軟性のある中間シート8を敷設して覆い、更にその上に例えば表面層1としてポーラスアスファルトといった透水性アスファルトを打設して固まらせる。この際、空間形成部材層2の各凹窪部7内にも透水性アスファルトが入り込むことになる。これによって、透水性アスファルトが固まった後に、表面層1の裏面に下方へ突出する導水脚部6,6が一体に成形されることになる。
施工後、降雨時に表面層1の表面1aに落ちた雨水はその内部の空隙を通って下方へ浸み込み、裏面1bから空間形成部材2aにより形成される貯水空間部3に貯留される。このとき、透水性アスファルトである表面層1の裏側の導水脚部6が雨水R内に浸かることになる。そこで、雨が止み外気が乾燥してくれば、各導水脚部6が溜まっている雨水を吸い上げ、空隙を通って揚水される。揚水された雨水Rは、表面層1の表面1aから蒸発する。雨水が蒸発するとき蒸発潜熱が奪われ、これにより表面層1を安定して冷却できる。よって、夏の暑い季節にあって日中の直射日光が当たっても、空間形成部材層2の貯水空間部3に雨水Rが溜まっている限り、表面層1から雨水Rが蒸発し続け該表面層1を冷却するので、熱の放出がほとんどなくなり温度を下げることができる。このように、表面層1の裏面1bに導水脚部6が一体に形成されることにより、空間形成部材層2の貯水空間部3に貯留された雨水Rが各導水脚部6によって揚水され表面層1の表面1aから蒸発するので、導水脚部6を通しての揚水が確実に行なえる。
表面層1は人が歩いたり走ったりすることから、その表面1aに荷重が加わる。ところが、表面層1の裏側に空間形成部材層2が敷設されると共に表面層1から下方へ突出する導水脚部6の下端面が空間形成部材層2の凹窪部7の底面7aに当たることから、これら空間形成部材層2と共に導水脚部6によって表面層1を下から支持することになる。よって、空間形成部材層2が押し潰されるようなことはなく、十分な広さの貯水空間部3が確保され、十分な量の雨水が貯留されることになる。
本発明にあっては、表面層1として透水性アスファルトを使用したが、これに限定されるものではなく透水性を備えたものであれば他の素材でも良い。空間形成部材層2として合成樹脂製のモノフィラメント25a,25bをループ状に堆積して形成した空間形成部材2aを使用したが、これに限定されるものではない。例えば、空間形成部材2aとして他の形状、例えば凹窪部7が形成されかつ合成樹脂製であって通水性を有する所定の大きさの方形枠を使用しても良い。また、空間形成部材2aに形成される凹窪部7は、その底面に被覆層部5を残しているが、必要とあらば残さなくても良い。この場合は、空間形成部材2aが各凹窪部7の位置で分断されることになるので、そのように空間形成部材2aを下地Hの上面に配置しておく。更に、導水脚部6は長い突条であっても良く、またスポット的に位置する柱状であっても良い。
図3乃至図6に示した実施の形態は、下地Hの上面に保水構造体を並設し表面層1として多数の透水性ブロックを並設したものである。図3は本発明に係る保水構造体の斜視図、図4は同分解斜視図、図5は同横断面図、図6は同保水構造体を用いた地中の保水構造の断面図である。なお、この実施の形態にあっては本発明と構成が似ているので、同一部位は同一番号を附すことによって詳しい説明は省略する。保水構造体9は、板状の透水性ブロック10と、該透水性ブロック10の裏面に重ねて配置される空間形成部材2aと、からなる。透水性ブロック10は、粒径が2.5mm〜10mmとなるように細かく粉砕したゴムチップ単体11とこれらを接着し固めるバインダーとしての糊状のウレタン樹脂とを混合して積層し、圧縮して成形される。
前記ゴムチップ単体11としては、例えば廃タイヤを粉砕したり工業用廃ゴムチップなど使用済みの古いゴムチップが使用される。また、強度を持たせるためゴムチップ単体11と共に例えば豆砂利を混入するようにしても良い。表面10aには、ウレタン樹脂塗料を吹付けておく。これは、人が歩いたり走ったりしたときに剥がれないように表面10aを保護するためである。そして、所定の大きさと所定の厚みを有するブロック体に形成する。例えば、平面が正方形、長方形、正三角形のものがあり、その他に正多角形のものを選ぶようにしても良い。本実施の形態では、平面が正方形のものについて説明する。
ゴムチップ単体11は様々な形状、大きさがあるため、積層されるこれらゴムチップ単体11間には狭い隙間が生じ、図5に示すように透水性ブロック10の内部に表面10aから裏面10bに達する空隙12が形成される。そして、この空隙12を伝わって透水性ブロック10の上面側から下方へ雨水Rが浸透し、また、この空隙12を伝って毛細管現象により透水性ブロック10の下面側から雨水Rが揚水されることになる。
そして、前記透水性ブロック10の裏面10bには、両側縁とその間に所定の間隔離して2条の導水脚部6a,6bがそれぞれ設けられる。これら導水脚部6a,6bはいずれも透水性ブロック10と一体に成形されるが、各導水脚部6a,6bは十分な揚水量が得られるように透水性ブロック10の裏面10bからの長さや幅が選ばれる。内側の両導水脚部6b,6bの長手方向に対して直交する方向での幅は、空洞形成部材2aにおける筒状空洞部の長手方向に対して直交する方向での幅とほぼ同じに設定される。また、これら導水脚部6b,6bにおける透水性ブロック10の裏面10bからの長さは、その下端面が空洞形成部材2aに形成される凹窪部7の底面7aに達することが良い。このようにすれば、空洞形成部材2a内に貯留される雨水Rを十分に吸って揚水できることになる。これに対し、両外側の導水脚部6a,6aはその長さが前記内側の導水脚部6b,6bよりも少し長く、その下端面が下地Hの上面に直接接することになる。更に、この場合、各導水脚部6a,6bは透水性ブロック10の補強材としても機能する。なお、導水脚部6a,6bとしては突条に成形したものを示したが、この他に例えばスポット的に円柱状または角柱状に形成しても良い。
空洞形成部材2aについては前記のように説明したが、この場合、上面の被覆層部5が形成されていない。それ以外は、前記空間形成部材2aと同じ構成からなる。このため、図11に示すように空間形成部材の製造装置にあって、紡出機20には太径ノズル21aと細径ノズル21bとを備え、太径ノズル21aの一側に細径ノズル21bが所定の間隔離して配置され2列に縦列するような位置に設けられている。そこで、紡出機20の各太径ノズル21aとその一側の各細径ノズル21bとからそれぞれ紡出させた太径・細径モノフィラメント25a,25bを、下方の貯水槽22内の水の中に落とし込む。これにより、前記と同様に各太径モノフィラメント25aにより筒状空洞部が複数本列設した筒状空洞層部4が形成されることとなり、これを各細径モノフィラメント25bと共に一対の受けロール23,23間に通す。
よって、複数の筒状空洞部が列設される筒状空洞層部4の一側面、この場合は裏側となる面に各細径モノフィラメント25bがループ状のまま平坦に潰れた状態で堆積し被覆層部5を形成している。一対の受けロール23,23を通過した後、搬送コンベア24a,24bに排出させ所定の大きさであって平面方形状に切断する。ただ、空間形成部材2aの表面に透水性ブロック10における内側の両導水脚部6b,6bが嵌る凹窪部7,7を形成する必要があることから、この場合も前記複数の太径ノズル21aからすべて太径モノフィラメント25aを紡出するのではなく、所定の間隔を離した位置の太径ノズル21aからは太径モノフラメント25aの紡出を止めておく。すなわち、平面方形状の空間形成部材2aにあって、図4に示すように両側端からそれぞれ3本目の筒状空洞部はない。
このようにして形成される空間形成部材2aは、多数本の太径モノフィラメント25aをランダムなループ状に堆積して筒状空洞部が列設して平板状に形成される筒状空洞層部4と、平板状の該筒状空洞層部4の裏面に前記太径モノフィラメント25aより細く同じく硬質合成樹脂製の細径モノフィラメント25bがループ状のまま潰れた状態で堆積して覆う被覆層部5と、から構成されることになる。前記筒状空洞層部4には複数の筒状空洞部が列設されるが、このうち所定本数の間隔を離して、例えば両端側からそれぞれ3本目の筒状空洞部が形成されておらず、そこに各筒状空洞部と平行に同じ幅の凹窪部7が形成される。筒状空洞層部4の内部、すなわち主として筒状空洞部の内部、に貯水空間部3が形成され雨水Rが貯留されることになる。空間形成部材2aは透水性ブロック10の裏面10bに重ねられることから、その平面の大きさは重ねられる透水性ブロック10の形状より少し小さい。
そして、透水性ブロック10の裏面10bに、各凹窪部7が内側の両導水脚部6b,6bに対応位置するようにして空間形成部材2aを配置し、各凹窪部7に各導水脚部6b,6bを嵌めて透水性ブロック10の裏面1bに空間形成部材2aを重ねる。これにより、保水構造体9が形成される。空間形成部材2aにあって、筒状空洞層部4の裏面である一側面にのみ被覆層部5を形成するようにしたが、これはその表面に一部(この場合2本)の筒状空洞部を省きその位置に凹窪部7を設け易くするためである。よって、その表裏両側面に被覆層部5,5を形成して筒状空洞層部4を形成した場合は、後から所定の筒状空洞部に対応する部位の表側となる被覆層部5を外側から加圧することにより凹窪部7を形成する。
この場合は、図6に示すように、広場であって生コンクリートやモルタルを打設した下地Hの上面に、僅かな一定幅の隙間を開けながら保水構造体9を順に敷設する。そして、降雨時には保水構造体9における透水性ブロック10の表面10aに落ちた雨水はその内部の空隙12を通って下方へ浸み込み、裏面10bから空間形成部材2aにより形成される貯水空間部3に貯留される。このとき、透水性ブロック10の裏側における外側の導水脚部6aと内側の導水脚部6bが雨水R内に浸かることになる。雨が止み外気が乾燥してくれば、各透水性ブロック10の各導水脚部6a,6bが溜まっている雨水を吸い上げ、空隙12を通って揚水される。揚水された雨水Rは、透水性ブロック10の表面10aから蒸発する。このように雨水Rが蒸発するとき蒸発潜熱が奪われ、これにより透水性ブロック10を安定して冷却できる。よって、夏の暑い季節にあって日中の直射日光が当たっても、空間形成部材層2の貯水空間部3に雨水Rが溜まっている限り、表面層1から雨水Rが蒸発し続け該表面層1である保水構造体9を冷却するので、熱の放出がほとんどなくなり温度を下げることができる。
また、図7に示すように保水構造体9の一側端にU字状の側溝Sを付設する場合は、該側溝Sにおける保水構造体9側であって、透水性ブロック10の裏面10bに近寄らせて空間形成部材2aにより形成される貯水空間部3と連通する通水孔13が開設される。そこで、例えば大量の雨が降った場合、その雨水Rは貯水空間部3に貯留されることになるが、そこから溢れる雨水Rは通水孔13を介して側溝Sに流れ込む。これにより、透水性ブロック10の下側の貯水空間部3に貯留される雨水の量が一定に保たれ、透水性ブロック10の表面10aが冠水するようなことはない。
図8は、他の実施の形態の保水構造体を用いた地中の保水構造の断面図を示す。なお図9も同様であるが、図8の場合は本発明と同一部位は同一番号を付して詳しい説明は省略する。この保水構造体9にあっては、空間形成部材2aにおける凹窪部7の底面7aがなく空間形成部材2aがそれぞれ分割されている。このような保水構造体9であっても、本発明の目的は十分に達成できる。この場合、内側の両導水脚部6b,6bの下端面が下地Hの表面に直接当接することになる。
図9は、他の地中の保水構造の断面図である。この他の地中の保水構造では、空間形成部材層2の空間形成部材2aにおける各凹窪部7間であって、筒状空洞層部4の長手方向に対して直交する断面形状が蒲鉾状に形成され、それぞれの上面が弧面に形成されている。これにより、透水性アスファルトを打設して固まらせた後に、表面層1の裏面1bが空間形成部材2aの各凹窪部7間でそれら表面に対応して凹弧面状に窪み、各凹窪部7に嵌まり込む導水脚部6はその基部側(上部側)が末広がり状に広がる。このようにして末広がりの形状を持つ導水脚部6であっても本発明の目的は十分に達成される。また図示は省略するが、前記図3乃至図6で示した保水構造体9と空間形成部材2aについても、同様に例えば保水構造体9における空間形成部材2aに凹窪部7を介して蒲鉾状の部分を一条、二条または三条といったように適宜設け、透水性ブロック10の裏面10bも前記空間形成部材2aに対応させて導水脚部6を介し凹弧面を形成する。これによっても本発明の目的は十分に達成される。
前記いずれの実施の形態にあっても、表面層1の下方に雨水を貯留する空間形成部材層2が形成されていることから、例えば一定の敷地内に降った雨水の一部は前記空間形成部材層2に貯留されることになり、降った雨の全てが敷地外へ排出されることがないので、集中豪雨時の下水道や河川の雨水処理量が軽減されるという効果も有る。
1 表面層
1a 表面
1b 裏面
2 空間形成部材層
3 貯水空間部
6(6a) 導水脚部
6(6b) 導水脚部
7 凹窪部
10 透水性ブロック
10b 裏面
25a 太径モノフィラメント
25b 細径モノフィラメント
R 雨水

Claims (4)

  1. 透水性の表面層と該表面層の下層に重ねて敷設され貯水空間部を有する空間形成部材層とからなる地中の保水構造であって、
    前記表面層の裏面に下方へ突出しかつ前記空間形成部材層内の貯水空間部に貯留される雨水に浸かる導水脚部を一体に成形し、前記各導水脚部によって揚水された雨水を前記透水性の表面層の表面から蒸発させるようにしたことを特徴とする地中の保水構造。
  2. 透水性の表面層と該表面層の下層に重ねて敷設され貯水空間部を有する空間形成部材層とからなる地中の保水構造であって、
    前記表面層が多数の透水性ブロックを並設して構成され、前記各透水性ブロックの裏面に下方へ突出しかつ前記空間形成部材層内の貯水空間部に貯留される雨水に浸かる導水脚部を一体に成形し、前記各導水脚部によって揚水された雨水を前記各透水性ブロックの表面から蒸発させるようにしたことを特徴とする地中の保水構造。
  3. 透水性の表面層と該表面層の下層に重ねて敷設され貯水空間部を有する空間形成部材層とからなる地中の保水構造であって、
    前記表面層が多数の透水性ブロックを並設して構成され、前記各透水性ブロックはゴムチップ単体を積層しこれらをバインダーにより結合して形成され内部に表面から裏面に達し連通する無数の空隙を有し、前記空間形成部材層は硬質合成樹脂製の多数本のモノフィラメントをそれぞれランダムなループ状に堆積して平板状に形成され、前記各透水性ブロックの裏面に下方へ突出する導水脚部を一体に成形し、前記空間形成部材層の表面には前記導水脚部が介入する凹窪部を設け、前記導水脚部が前記凹窪部に介入した状態で前記空間形成部材層内の貯水空間部に貯留された雨水に浸かり、前記導水脚部によって揚水された雨水を前記各透水性ブロックの表面から蒸発させるようにしたことを特徴とする地中の保水構造。
  4. 透水性の表面層を形成する透水性ブロックと該透水性ブロックの下側に重ねられ空間形成部材層を形成する空間形成部材とからなり、前記透水性ブロックの裏面に下方へ突出しかつ前記空間形成部材内の貯水空間部に貯留される雨水に浸かる導水脚部を一体に成形し、前記導水脚部によって揚水された雨水を前記各透水性ブロックの表面から蒸発させるようにしたことを特徴とする保水構造体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103046452A (zh) * 2013-01-11 2013-04-17 机械工业第三设计研究院 降温蓄水箱型路面结构
JP2014041802A (ja) * 2012-08-23 2014-03-06 Ichikoh Ind Ltd 車両用前照灯
KR101526286B1 (ko) * 2014-12-19 2015-06-10 주식회사 더지엘 투수성 및 보수성을 가지는 비소성 보차도용 바닥포장 구조물

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