JP2003268712A - 保水型舗装構造およびその施工方法 - Google Patents

保水型舗装構造およびその施工方法

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JP2003268712A
JP2003268712A JP2002075119A JP2002075119A JP2003268712A JP 2003268712 A JP2003268712 A JP 2003268712A JP 2002075119 A JP2002075119 A JP 2002075119A JP 2002075119 A JP2002075119 A JP 2002075119A JP 2003268712 A JP2003268712 A JP 2003268712A
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JP2002075119A
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Kanji Nakajima
観司 中島
Haruki Yoshida
晴樹 吉田
Masashi Shikada
昌史 鹿田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】施工性と保守性に優れ、かつ長期間に渡り外部
からの水の供給をしなくても舗装面を湿潤に保つことが
可能な保水型舗装構造を提供する。 【解決手段】 保水型舗装構造1において、路盤3上に
敷設された不透水性の遮水層2と、遮水層2の上面に敷
設された、内部空間を有するブロック状の滞水性部材5
aの組み合わせからなる貯水層5と、貯水層5の上面に
敷設された繊維材からなる水拡散層6と、水拡散層6の
上面に敷設された透水性保水型の舗装材からなる保水層
7と、貯水層内5に敷設され、下端部が貯水層5の底部
乃至底部近傍まで達し、上端部が水拡散層6に接続した
繊維材からなる揚水部材6aとを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、舗装面を常時湿っ
た状態に維持することで晴天時に舗装面の温度上昇を抑
制する保水型舗装構造に係り、特に施工の容易な保水型
舗装構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の保水型舗装構造としては、特開平
8−85905号公報、特開2000−45206号公
報に記載のものが知られている。これらは、路盤上に遮
水シートを敷設し、この遮水シート上に砕石を敷き詰め
て貯水層を形成し、この貯水層内に不織布からなる吸水
シートを挿入し、更に当該貯水層上に吸水シートや透水
性舗装材等を敷設した構成からなる。かかる保水型舗装
構造では、降雨時には貯水層に雨水が溜まり、晴天時に
は毛管上昇により貯水層から吸水シートを通って透水性
舗装材に水が供給されるため、透水性舗装部材の上面は
常に湿潤な状態に保持される。
【0003】また、他の従来の保水型舗装構造として
は、特開平8−85907号公報に記載のものが知られ
ている。この保水型舗装構造は、所定の縦横厚み寸法に
形成された透水性の舗装ブロック本体と、該舗装ブロッ
ク本体の下面に設けられた上面開口の容器状保水タンク
と、舗装ブロック本体の下面に一体化されて保水タンク
内に垂下された不織布とを備えた保水性舗装ブロックを
敷き詰めた構成を有する。かかる保水型舗装構造では、
降雨時には貯水タンクに雨水が溜まり、晴天時には毛管
上昇により貯水タンクから不織布を通って舗装ブロック
本体に水が供給されるため、舗装ブロックの上面は常に
湿潤な状態に保持される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平8−85905号公報、特開2000−45206
号公報に記載の保水型舗装構造は、施工する際に砕石を
水平に敷き詰める必要がある。従って、その場合砕石を
敷設した後に砕石上面を水平に均す必要があり、施工が
容易にできないという欠点があった。また、貯水層に砂
泥や藻類が堆積した場合、貯水層の貯水量を維持するた
めに貯水層を掃除する必要があるが、上記従来の保水型
舗装構造では砕石を取り除いて掃除をしなければなら
ず、保守が容易ではないという欠点があった。
【0005】また、上記特開平8−85907号公報に
記載の保水型舗装構造では、容器状保水タンクと舗装ブ
ロック本体とがユニット化されているため、保守性には
優れているものの、一の舗装ブロックユニットの保水タ
ンクの水が空になると、他の舗装ブロックユニットから
水の供給がないため、日照時間の長い部分の舗装面は保
水タンクの水が早くなくなり、頻繁に保水タンクに水を
供給する必要が生じるという欠点があった。
【0006】本発明は、上記した従来技術の欠点を取り
除くためになされたものであって、その目的とするとこ
ろは、施工性と保守性に優れ、かつ長期間に渡り外部か
らの水の供給をしなくても舗装面を湿潤に保つことが可
能な保水型舗装構造を提供することにある。
【0007】また他の目的は、上記保水型舗装構造を容
易に敷設することができる敷設方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】要するに本発明の保水型
舗装構造は、路盤上に敷設された不透水性の遮水層と、
前記遮水層の上面に敷設された、内部空間を有するブロ
ック状の滞水性部材の組み合わせからなる貯水層と、前
記貯水層の上面に敷設された繊維材からなる水拡散層
と、前記水拡散層の上面に敷設された透水性保水型の舗
装材からなる保水層と、前記貯水層内に敷設され、下端
部が前記貯水層の底部乃至底部近傍まで達し、上端部が
前記水拡散層に接続した繊維材からなる揚水部材とを具
備することを特徴とするものであり、この構成により以
下のような作用が得られる。
【0009】降水時においては、保水層上面(以下、
「舗装面」という。)に降り注がれた水は、保水層内に
浸透する。保水層内の保水空間が水で一杯になり、水は
保水層の下面から滲み出して水拡散層に吸収される。さ
らに、水拡散層の保水空間が一杯になると、水は更に水
拡散層の下部から滲みだし、貯水層内に溜まる。こうし
て、降水時においては、貯水層が水で一杯になるまで水
が溜まる。
【0010】一方、晴天時においては、舗装面が日光に
より照射され舗装面温度が上昇する。これに伴って、保
水層内に滞留している水分が舗装面から空気中へ蒸発
し、保水層内の舗装面付近が乾燥する。この乾燥に伴
い、毛管現象により保水層下部に滞留している水分が舗
装面に向かって移動し、保水層下部に滞留する水分が減
少する。そうすると、さらに、毛管現象によって水拡散
層に滞留する水が保水層へと移動し、水拡散層内の水分
が減少すると、毛管現象により揚水部材を通して貯水層
から水拡散層に水が供給される。毛管現象によって揚水
部材を上方に移動した水は、水拡散層に達すると、水平
方向にも移動し、水拡散層全体に渡って湿潤した状態に
保たれる。この水拡散層は、吸水性の繊維材からなるた
め、毛管現象による水の移動性がよく、水拡散層は常に
一様に濡れた状態に保たれ、保水層へは一様に水の供給
がされることとなる。すなわち、日照時間の長い舗装面
も日陰にあり日照時間の短い舗装面もほぼ均等に水が供
給される。このように、舗装面表面は、貯水層から常に
水が供給され、常に湿潤した状態に保たれ、舗装面温度
が上昇すると、水の蒸発潜熱によって舗装面が冷却さ
れ、舗装面の温度の上昇が抑制される。貯水層から保水
層への水の供給は、上述のように太陽エネルギーを利用
した毛管現象により行われることから、日光の照射量に
応じて常に適切な量の水が供給される。
【0011】晴天時には舗装面からの水分蒸発により、
貯水層内の水位は減少する。しかし、貯水層内部には揚
水部材が敷設されており、揚水部材の下端部は貯水層の
底部乃至底部近傍まで達し、その上端部は水拡散層に接
続されているため、貯水層内の水位が減少しても、貯水
層内の水がなくなるまでは常に継続して貯水層から水拡
散層に水を供給することができる。よって、貯水層の水
がなくなるまでの長期にわたり貯水層から保水層への水
の継続が継続し、貯水層への水の供給は長期に渡り不要
となる。従って、人為的に降水して貯水層に水を供給す
るといった作業が殆ど不要となり、降雨による水の供給
のみで十分となる。
【0012】貯水層はブロック状の滞水性部材の組み合
わせからなるため、施工時にこれらの耐水性部材ブロッ
クを組み合わせるだけで容易に施工できる。また、貯水
層に泥や藻が堆積した場合に貯水層を掃除する場合、耐
水性部材のブロックを取り外して掃除することができ、
保守も容易となる。
【0013】ここで、「路盤」とは、保水型舗装構造を
敷設する地面をいい、大地に限られるものではなく、建
築物の屋上の表面のようなものも含まれる。「不透水
性」とは、水が滲み通らない性質をいうが、ここでは、
完全に不透水であることを意味するものではなく、貯水
層内の水が所定の期間(例えば、数日間)保持される程
度に水が滲み出さない程度の難透水性も含まれる。「ブ
ロック状の」とは、組み合わせることにより平面を充填
することが可能な一定の形状の単位構造を有することを
いう。貯水層を構成する「滞水性部材」としては、連続
する空隙を多数有する硬質性樹脂発泡体や、上部に開口
する貯水可能な空洞を備えた硬質樹脂製の貯水ブロック
などが用いられる。また、貯水層の「内部空間」の比率
(以下、「空間容積比」という。)は特に限定するもの
ではないが、貯水量を多くするには空間容積比は大きい
方がよい。しかし、舗装面にかかる荷重及び滞水性部材
の材質によって一定の比率に制限される。例えば、耐水
部材として、硬質性ポリスチレン発泡体を使用した場
合、空間容積比は約30%程度とすることができ、ま
た、硬質樹脂製の貯水ブロックを使用した場合、空間容
積比は90%以上とすることができる。水拡散層及び揚
水部材を構成する「繊維材」は、毛管現象を生じる繊維
材であればよく、不織布、ナイロン繊維、紙繊維等の部
材が使用される。保水層に使用される「透水性保水型の
舗装材」としては、例えば、透水性保水型のインターロ
ッキングブロック等が使用される。
【0014】尚、貯水層に貯水された水の使用効率を高
くするためには、遮水層の表面を水平面としておく必要
がある。従って、路盤面に凹凸がある場合には、遮水槽
を厚く形成してこの凹凸を遮水層の厚さで調整するか、
路盤と遮水層との間に不陸調整層を入れ不陸調整層上面
を水平面とすることにより調整を行うことが好ましい。
【0015】また、前記貯水層は、上部に開口する貯水
可能な空洞を備えた硬質樹脂製の空間支持体を複数配置
してなることとすることができる。
【0016】これにより、貯水層を施工する場合、空間
支持体を並べて配置するだけで施工することが可能とな
る。また、空間支持体であるため、遮水層の上面を平ら
にしておけば、同一形状の空間支持体を配列して一定の
高さに敷き詰めることが容易であり、貯水層として砕石
を敷き詰める場合に比べて施工が容易である。また、空
間支持体は硬質樹脂製であるため、砕石や砂と比べて軽
量であり、運搬も容易である。また、硬質樹脂製である
ため、空間容積比を大きくなるように成型したものを用
いることができ、同じ貯水層の厚さでも、砕石や砂を敷
き詰める場合に比べて単位面積あたりの貯水体積を大き
くすることが可能で、空間使用効率が高く、また、貯水
層への水の補給なしに長期間舗装面を湿潤な状態に保つ
ことができる。更に、貯水層に泥や藻が堆積した場合に
も、敷設された空間支持体を部分的にとり外して貯水層
内部を掃除することが容易となる。
【0017】ここで、空間支持体としては、鉛直断面が
台形状の山型の硬質樹脂製箱体からなる空間支持体(例
えば、特開2001−279737号公報、特開200
1−40719号公報等に記載の空間支持体)や、水平
断面が多角形の柱筒状の空間支持体(例えば、特開20
01−220779号公報、特開2001−11550
8号公報等に記載の空間支持体)を使用することができ
る。硬質製樹脂の種類は、特に限定するものではなく、
舗装面にかかる荷重に十分に耐えうる強度があればよ
い。例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン等の樹脂が
使用される。
【0018】また、前記貯水層は、内部に多数の貯水可
能な空隙を備えた硬質樹脂発泡体の貯水ブロックを複数
配置してなることとすることができる。
【0019】これにより、貯水層を施工する場合、貯水
ブロックを並べて配置するだけで施工することが可能と
なる。また、貯水ブロックであるため、遮水層の上面を
平らにしておけば、同一形状の貯水ブロックを配列して
一定の高さに敷き詰めることが容易であり、貯水層とし
て砕石を敷き詰める場合に比べて施工が容易である。ま
た、貯水ブロックは硬質樹脂発泡体であるため、砕石や
砂と比べて軽量であり、運搬も容易である。また、硬質
樹脂発泡体であるため、貯水層内部への泥の進入や藻の
発生が生じにくく、長期間に渡り保守をしなくても舗装
面を湿潤に保つ作用が得られる。更に、貯水層に泥や藻
が堆積した場合にも、敷設された貯水ブロックを部分的
にとり外して貯水ブロックを交換するだけでよく、保守
が容易である。
【0020】ここで、貯水ブロックとしては、例えば、
内部に連続した空間を多く有するように成形された発泡
ポリスチレン樹脂製の排水性ブロック材が使用される。
【0021】また、前記保水層は、透水性保水型のイン
ターロッキングブロックを複数配置してなることとする
ことができる。
【0022】これにより、保水層は、 インターロッキ
ングブロックを組み合わせて構成されるため、施工が容
易となる。また、貯水層に泥や藻が溜まった際に貯水層
を掃除する必要があるが、この場合、 インターロッキ
ングブロックを取り外して、水拡散層を剥がすだけで容
易に貯水層内を掃除することが可能となる。
【0023】また、本発明の保水型舗装構造の敷設方法
は、路盤上に不透水性の遮水層を敷設し、前記遮水層の
上面に、内部空間を有する滞水性部材からなる貯水層を
敷設し、前記貯水層内に、吸水性の繊維材からなる揚水
部材を敷設し、前記貯水層の上面に、前記揚水部材の上
端部と接続させて、吸水性の繊維材からなる水拡散層を
敷設し、前記水拡散層の上面に透水性保水型の舗装材か
らなる保水層を敷設して舗装面を形成することを特徴と
するものであり、これにより、上述のような保水型舗装
構造を容易に敷設することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図を参照しながら説明する。
【0025】(実施の形態1)本発明の実施の形態1に
係る保水型舗装構造1は、路盤上に敷設された不透水性
の遮水層と、遮水層の上面に敷設された、内部空間を有
するブロック状の滞水性部材の組み合わせからなる貯水
層と、貯水層の上面に敷設された繊維材からなる水拡散
層と、水拡散層の上面に敷設された透水性保水型の舗装
材からなる保水層と、貯水層内に敷設され、下端部が前
記貯水層の底部乃至底部近傍まで達し、上端部が前記水
拡散層に接続した繊維材からなる揚水部材と、を具備し
ており、更に、貯水層は、上部に開口する貯水可能な空
洞を備えた硬質樹脂製の空間支持体を複数配置してな
り、保水層は、透水性保水型のインターロッキングブロ
ックを複数配置してなる。
【0026】図1は本発明の実施の形態1に係る保水型
舗装構造の斜視断面図である。遮水層2は、路盤3上に
敷設された不透水性のゴムシート、防水樹脂シート、コ
ンクリート等で構成されている。路盤3と遮水層2との
間には、モルタル又は砂からなる不陸調整層4が敷設さ
れている。この不陸調整層4は、保水性舗装構造1の底
部をなす遮水層2の不陸調整を行うために設けられるも
のであり、当初から路盤3が平面である場合には不要で
ある。
【0027】遮水層2の上面には、貯水層5が敷設され
ている。この貯水層5は、内部に貯水可能な空洞を備え
た硬質樹脂製の空間支持体5aを複数配置して構成され
ている。空間支持体5aは、鉛直断面が台形状の山型の
硬質樹脂製箱体からなり、その上面には、4つの突起部
5bが形設されており、この各突起部5bの上面には2
つの開口部5cが形成されており、この開口部5cを通
して空間支持体5a内の空間に水の出入りが可能とされ
ている。また、空間支持体5aの下面は開口しており
(図示せず)、下面からも空間支持体5a内へ水の出入
りが可能である。空間支持体5aの下部には、長方形枠
状の枠体5dが形成されており、この枠体5dの辺同士
をあわせることで、空間支持体5aは遮水層2上に等間
隔で整列されている。空間支持体5a同士の間にも、貯
水空間5eが形成されている。このように、貯水層5
は、空間支持体5aによって広い内部空間が形成されて
おり、空間容積比は90%以上である。ただし、空間支
持体5aの配列上部は凹凸となるため、貯水空間5eに
台形柱状の充填部材を充填し、貯水層5の上面を平面上
とするようにしてもよい。この充填部材としては、硬質
樹脂製の貯水ブロックを用いるのがよい。空隙率が大き
く、貯水層の空間容積比があまり低くならないようにす
ることができるからである。
【0028】貯水層5の上面には、不織布、紙等の毛管
現象を促進するシート状の繊維材で構成された水拡散層
6が敷設されており、さらに水拡散層6の上面には、透
水性保水型のインターロッキングブロックを組み合わせ
て構成された舗装材からなる保水層7が形成されてい
る。この保水層7の上面が舗装面7aである。また、貯
水層5の貯水空間5e内には、シート状の繊維材からな
る揚水部材6aが配設されており、揚水部材6aの上端
部は水拡散層に接続され、その下端部は貯水層6の底部
乃至底部近傍まで達している。
【0029】揚水部材6aは、水拡散層6と同様の繊維
材で構成されているが、特に揚水部材6aは水の毛管上
昇を効率よく生じさせる必要があるため、毛管現象を生
じやすい不織布等が使用される。
【0030】保水層7の材質としては、透水性保水型の
インターロッキングブロック等が使用される。透水性と
保水性に優れているからである。
【0031】以上のように構成された本実施の形態の保
水性舗装構造において、以下、その舗装面冷却作用につ
いて説明する。
【0032】まず、降雨や散水等により舗装面7aに降
水があったとき、水は重力により保水層7、水拡散層6
を通って貯水層5に流れ込む。貯水層5の下面は遮水層
2により遮水されているため、水は貯水層5に貯水され
る。晴天時には、舗装面7aに日光が照射され、保水層
7の温度が上昇するが、保水層7に含まれている水が蒸
散することによって、蒸発潜熱により保水層7は冷却さ
れる。この蒸散により、保水層7内の水は減少するが、
保水層7が乾燥してくると、毛管現象により水拡散層6
から保水層7へ水が供給されるため、保水層7は常に湿
った状態に保たれ、保水層7の温度上昇は常時抑制され
る。一方、水拡散層6から保水層7へ水が移動すると、
水拡散層6の保水量が減少するが、毛管上昇により揚水
部材6aを通して貯水層5から水が吸い上げられ、水拡
散層6に水が供給される。水拡散層6に供給された水
は、毛管現象により水拡散層6の全体に広がる。従っ
て、水拡散層6の全体が常に濡れた状態に保たれる。
【0033】貯水層5内の水が減少し、貯水層5内の水
位が下がったとしても、揚水部材6aの下部は貯水層5
の底部乃至底部近傍まで延設されているため、貯水層5
内の水がなくなるまでは常に貯水層5から水拡散層6へ
の水の供給は続けられる。
【0034】このように、本実施の形態の保水型舗装構
造1によれば、毛管現象により貯水層5より水を吸い上
げ、また、毛管現象により水拡散層6及び保水層7の全
体に一様に水を供給することができるため、保水層7の
乾燥に伴い、貯水層5に溜められた水を効率よく保水層
7に供給することができる。例えば、舗装面7aの一部
に日光が照射されると、当該日光の照射された舗装面7
aの乾燥が速まり、その部分の保水量が減少する。そう
すると、その部分に保水量の勾配が生じるため、毛管現
象により周囲の保水層7や水拡散層6から自動的に水が
供給され、結果的に舗装面7aの全面が一様に湿潤な状
態に保たれることになる。これにより、舗装面7aの温
度上昇を効果的に抑制することができる。また、揚水部
材6aの毛管上昇を利用して貯水層5から水拡散層6へ
水を供給するので、貯水層5の厚さを厚くしても、貯水
層の下部から水拡散層6への水の供給ができる。従っ
て、貯水層5を厚くして貯水層5の貯水量を大きくする
ことが可能となり、一度の降雨で貯水層5に十分な量の
水が溜められると、その後、比較的長期間降雨がなくて
も蒸発潜熱による舗装面7aの冷却効果は持続するた
め、降雨による水の供給さえあれば、別途散水による水
の供給をしなくてもすむこととなる。
【0035】次に、本実施の形態の保水型舗装構造の施
工方法について説明する。まず、路盤3上に砂やモルタ
ルからなる不陸調整層4を敷設し、不陸調整層4の上面
を水平面とする。なお、前述したように、路盤3がすで
に水平面であれば、この不陸調整層4の敷設は省略され
る。
【0036】次に、当該不陸調整層4の上面に、ゴムシ
ート、防水樹脂シート、コンクリート等からなる遮水層
2を敷設する。そして、この遮水層2の上面に空間支持
体5aを配列し、貯水層5を形成する。この空間支持体
5aは、平面視矩形状のブロックから構成されているた
め、この各空間支持体5aの底部の枠体5dの辺同士を
合わせることで、簡単に空間支持体5aを一列に整列さ
せることができる。また、空間支持体5aは、硬質性樹
脂で構成されており、軽いため、施工作業も容易であ
る。この貯水層の施工が終わると、次に、揚水部材6a
と水拡散層6を空間支持体5a上に敷設する。この場
合、揚水部材6aはあらかじめ水拡散層6をなす繊維製
シート材の下面に縫いつけておいてもよい。そして、そ
の後、水拡散層6の上面に透水性保水型のインターロッ
キングブロックを配列することにより保水層7を敷設し
て、敷設作業は完了する。このように、貯水層5や保水
層7がブロック体を組み合わせて配列するだけで施工で
きるため、施工が容易である。また、貯水層5内に砂泥
や藻類が堆積したような場合にそれを取り除くのに、イ
ンターロッキングブロックを部分的に外して、水拡散層
6の繊維シートを捲り、その下の空間支持体5aの一部
を取り出して掃除することができ、保守性にも優れる。
【0037】(実施の形態2)本発明の実施の形態2に
係る保水型舗装構造10は、路盤上に敷設された不透水
性の遮水層と、遮水層の上面に敷設された、内部空間を
有するブロック状の滞水性部材の組み合わせからなる貯
水層と、貯水層の上面に敷設された繊維材からなる水拡
散層と、水拡散層の上面に敷設された透水性保水型の舗
装材からなる保水層と、貯水層内に敷設され、下端部が
前記貯水層の底部乃至底部近傍まで達し、上端部が前記
水拡散層に接続した繊維材からなる揚水部材と、を具備
しており、更に、貯水層は、内部に多数の貯水可能な空
隙を備えた硬質樹脂発泡体の貯水ブロックを複数配置し
てなり、保水層は、透水性保水型のインターロッキング
ブロックを複数配置してなる。
【0038】図2は本発明の実施の形態2に係る保水型
舗装構造の斜視断面図である。図2において、遮水層
2、路盤3、不陸調整層4、貯水層5、水拡散層6、揚
水部材6a、保水層7、舗装面7aは実施の形態1と同
様のものであるため、同符号を付して説明は省略する。
【0039】本実施の形態においては、貯水層5は、内
部に多数の貯水可能な空隙を備えた硬質樹脂発泡体の貯
水ブロック5fで構成されており、この貯水ブロック5
fを複数配置して貯水層5が形成されている。具体的に
は、貯水ブロック5fとして、発泡ポリスチレン樹脂製
の排水性ブロック材が使用されており、空間容積比は約
30%程度である。
【0040】このように、貯水層5に貯水ブロック5f
を使用した場合、貯水層5に砂泥や藻類が堆積しにく
く、長期に渡って保守が不要となる。また、貯水ブロッ
ク5fは、上部からの荷重に対しての強度が大きいた
め、舗装面上部から大きな荷重が加わるような場所でも
貯水層5が破損することがない。さらには、保守におい
ては、貯水ブロック5fを抜き出して交換するだけでよ
く、保守性にも優れる。
【0041】
【発明の効果】本発明の保水型舗装構造は、上記のよう
に路盤上に敷設された不透水性の遮水層と、前記遮水層
の上面に敷設された、内部空間を有するブロック状の滞
水性部材の組み合わせからなる貯水層と、前記貯水層の
上面に敷設された繊維材からなる水拡散層と、前記水拡
散層の上面に敷設された透水性保水型の舗装材からなる
保水層と、前記貯水層内に敷設され、下端部が前記貯水
層の底部乃至底部近傍まで達し、上端部が前記水拡散層
に接続した繊維材からなる揚水部材とを具備したので、 (1)晴天時に路面の温度上昇を抑制することができる
保水型舗装構造を提供することができる。この保水型舗
装構造を使用することで、都会におけるヒートアイラン
ド現象の防止に役立ち、また、プールサイドに使用する
ことで、夏の炎天下においても裸足で歩くことができる
プールサイドを提供できる。 (2)長期間に渡って貯水層に水を供給しなくても、貯
水層に水がなくなるまで路面の冷却効果が得られ、雨水
のみで貯水層への水の供給は十分であり、貯水層に水を
供給するための散水等の管理が殆ど不要となるため、管
理が容易となる。
【0042】また、前記貯水層は、上部に開口する貯水
可能な空洞を備えた硬質樹脂製の空間支持体を複数配置
してなることとすることによって、 (1)貯水層を施工する場合、空間支持体を並べて配置
するだけで施工することが可能であるため、施工性に優
れる。また、硬質樹脂製であるため、軽量で運搬が容易
であり、施工時の作業性にも優れる。 (2)貯水容積比を大きくすることができるため、貯水
層に砕石や砂を敷き詰める場合に比べて、貯水層への水
の補給なしに長期間に渡って路面を湿潤な状態に保つこ
とができる。 (3)貯水層に泥や藻が堆積した場合にも、敷設された
空間支持体を部分的にとり外して貯水層内部を掃除する
ことが容易であるため、保守性にも優れる。
【0043】また、前記貯水層は、内部に多数の貯水可
能な空隙を備えた硬質樹脂発泡体のブロックを複数配置
してなることとすることによって、 (1)貯水層を施工する場合、貯水ブロックを並べて配
置するだけで施工することが可能であるため、施工性に
優れる。また、硬質樹脂製であるため、軽量で運搬が容
易であり、施工時の作業性にも優れる。 (2)硬質樹脂発泡体であるため、貯水層内部への泥の
進入や藻の発生が生じにくく、長期間に渡り保守をしな
くても路面を湿潤に保つことが可能である。 (3)貯水層に泥や藻が堆積した場合にも、敷設された
貯水ブロックを部分的にとり外して貯水ブロックを交換
するだけでよく、保守性にも優れる。
【0044】また、前記保水層は、透水性保水型のイン
ターロッキングブロックを複数配置してなることとする
ことによって、保水層は、 インターロッキングブロッ
クを組み合わせて構成されるため、施工が容易で作業性
に優れ、また、貯水層に泥や藻が溜まった際、 インタ
ーロッキングブロックを取り外して、水拡散層を剥がす
だけで容易に貯水層内を掃除することが可能であり、保
守性にも優れる。
【0045】本発明の保水型舗装構造の施工方法は、路
盤上に不透水性の遮水層を敷設し、前記遮水層の上面
に、内部空間を有する滞水性部材からなる貯水層を敷設
し、前記貯水層内に、吸水性の繊維材からなる揚水部材
を敷設し、前記貯水層の上面に、前記揚水部材の上端部
と接続させて、吸水性の繊維材からなる水拡散層を敷設
し、前記水拡散層の上面に透水性保水型の舗装材からな
る保水層を敷設して路面を形成することを特徴とし、こ
れにより、上述の保水型舗装構造を容易に敷設すること
が可能な保水型舗装構造の敷設方法を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る保水型舗装構造の
斜視断面図である。
【図2】本発明の実施の形態2に係る保水型舗装構造の
斜視断面図である。
【符号の説明】 1,10 保水型舗装構造 2 遮水層 3 路盤 4 不陸調整層 5 貯水層 5a 空間支持体 5b 突起部 5c 開口部 5d 枠体 5e 貯水空間 5f 貯水ブロック 6 水拡散層 6a 揚水部材 7 保水層 7a 舗装面
フロントページの続き (72)発明者 吉田 晴樹 福岡県八女郡広川町大字水原1434−5 株 式会社シーマコンサルタント技術センター 内 (72)発明者 鹿田 昌史 福岡県八女郡広川町大字水原1434−5 株 式会社シーマコンサルタント技術センター 内 Fターム(参考) 2D051 AA02 AE04 AG03 AG11 EA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 路盤上に敷設された不透水性の遮水層
    と、 前記遮水層の上面に敷設された、内部空間を有するブロ
    ック状の滞水性部材の組み合わせからなる貯水層と、 前記貯水層の上面に敷設された繊維材からなる水拡散層
    と、 前記水拡散層の上面に敷設された透水性保水型の舗装材
    からなる保水層と、 前記貯水層内に敷設され、下端部が前記貯水層の底部乃
    至底部近傍まで達し、上端部が前記水拡散層に接続した
    繊維材からなる揚水部材と、を具備することを特徴とす
    る保水型舗装構造。
  2. 【請求項2】 前記貯水層は、上部に開口する貯水可能
    な空洞を備えた硬質樹脂製の空間支持体を複数配置して
    なることを特徴とする請求項1に記載の保水型舗装構
    造。
  3. 【請求項3】 前記貯水層は、内部に多数の貯水可能な
    空隙を備えた硬質樹脂発泡体の貯水ブロックを複数配置
    してなることを特徴とする請求項1に記載の保水型舗装
    構造。
  4. 【請求項4】 前記保水層は、透水性保水型のインター
    ロッキングブロックを複数配置してなることを特徴とす
    る請求項1乃至3の何れか一に記載の保水型舗装構造。
  5. 【請求項5】 路盤上に不透水性の遮水層を敷設し、 前記遮水層の上面に、内部空間を有する滞水性部材から
    なる貯水層を敷設し、 前記貯水層内に、吸水性の繊維材からなる揚水部材を敷
    設し、 前記貯水層の上面に、前記揚水部材の上端部と接続させ
    て、吸水性の繊維材からなる水拡散層を敷設し、 前記水拡散層の上面に透水性保水型の舗装材からなる保
    水層を敷設して舗装面を形成する保水型舗装構造の施工
    方法。
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KR20190090987A (ko) * 2018-01-26 2019-08-05 주식회사 서영엔지니어링 측방구속형 투수포장구조

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