JP4994510B2 - 給電コネクタ - Google Patents
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Description
特許文献1に記載されている前記給電コネクタにおいて、操作レバーの中間部が前記筒状ケース内で軸支されている。さらに、前記操作レバーの第1端部(作用部)が、前記コネクタ本体に枢着されている。また、前記操作レバーの第2端部(操作部)は、前記筒状ケースの外部に突出している。そして、この給電コネクタでは、前記コネクタ本体を前記筒状ケースに対して前進させるために、前記操作レバーを前記筒状ケースに対して後退する方向に回動させる。すなわち、前記操作レバー及び前記コネクタ本体の移動方向は、互いに逆向きとなる。
この係合ユニットは、筒状ケースに取り付けられて受電コネクタに係止する係止位置と受電コネクタに係止しない退避位置との間で移動可能となるように筒状ケースに取り付けられた係止部材(ロック腕)と、係止部材を係止位置から退避位置に向けて付勢する付勢部材(戻しばね)と、受電コネクタに対する筒状ケースの差し込み動作に連動して付勢部材の付勢力に抗うように係止部材を退避位置から係止位置に移動させる係止機構(受電側コネクタの駆動用ボスや、給電コネクタの従動ピン、板バネ等によって構成されるもの)と、を備えている。
なお、係合ユニットによる筒状ケースと受電コネクタとの係止状態は、前述したロックユニットの場合と同様に、解除レバーの操作によって解除される。
また、特許文献1に記載されている前記給電コネクタでは、前記給電コネクタを前記受電コネクタに接続する際に操作するレバーと、前記給電コネクタを前記受電コネクタから取り外す際に操作するレバーとが異なるため、前記給電コネクタを操作する際に迷いが生じて、充電作業を円滑に行うことができなくなる。
(1)本発明の一態様に係る給電コネクタは、前端開口部を有する筒状ケースと;前記筒状ケース内に収容され、前記筒状ケースの中心軸線方向に沿って摺動自在に設けられたコネクタ本体と;前記コネクタ本体の前記中心軸線方向に沿う摺動を操作する操作機構と;を備える給電コネクタであって、前記操作機構は、少なくとも第1端が前記筒状ケースの外側に突出され、且つ前記筒状ケースに回動可能に軸支された操作レバーと、前記第1端の移動によって生じる前記操作レバーの回動力を、前記筒状ケースの中心軸線方向のみの力に変換する変換機構と、を備え;前記操作レバーの前記第1端の移動方向と、前記操作レバーの回動に伴う前記コネクタ本体の移動方向とが一致し、前記操作レバーの前記第1端と前記筒状ケースに軸支される前記操作レバーの第2端との間に、前記操作レバーの回動力を前記コネクタ本体に作用させる作用点が一つのみ位置され、前記操作レバーの回動位置に関わらず、前記第2端から前記作用点までの距離が一定であり、前記筒状ケースに設けられたソレノイドと、前記コネクタ本体に設けられたロック部とを有する電磁ロック機構をさらに備えるものである。
(2)前記操作機構が、前記操作レバーに一体に設けられて、前記第2端から離れる方向に延びる作用片を備え、前記第2端から前記作用片が延びる方向が、前記第2端から前記第1端に向かう方向に対して、0度よりも大きく、かつ180度よりも小さい角度でずれており、前記作用片の先端部が、連結軸によって前記コネクタ本体に対して回転自在に連結されて、前記作用点として機能してもよい。
(3)前記ソレノイドは、前記筒状ケースに固定された筒状電磁石と、前記筒状電磁石に挿通されるプランジャとを備え;前記ロック部は、前記プランジャが挿通できる係合孔を備えてもよい。
(4)前記給電コネクタは、少なくとも第1端が揺動可能に前記筒状ケースに軸支えされた係止部材と;前記筒状ケースの中心軸線方向における前記コネクタ本体の移動に連動して、前記係止部材の前記第1端を揺動させる連動移動機構と;をさらに備えてもよい。
(5)前記連動移動機構は、前記係止部材に付勢力を印加する付勢部材と;前記筒状ケースの中心軸線方向における前記コネクタ本体の移動に連動して、前記付勢部材の前記付勢力に抵抗する解除力を前記係止部材に印加するロック解除機構と;を備えてもよい。
(6)前記給電コネクタにおいて、前記係止部材の前記第1端に、係止爪を有し;前記ロック解除機構は、前記係止部材の第2端に設けられ、前記筒状ケースの中心軸線方向に沿って伸びた延長部と、前記延長部に設けられ、前記コネクタ本体の外周面側に突出した第1突出部と、前記コネクタ本体の外周面に設けられ、前記第1突出部側に突出した第2突起部とを備えてもよい。
(7)前記給電コネクタは、前記筒状ケースの内部に設けられて、前記筒状ケースの中心軸線方向における前記コネクタ本体の移動を規制する規制部材をさらに備えてもよい。
(8)前記規制部材は、前記筒状ケースに設けられたボールプランジャと、前記ボールプランジャに前記筒状ケースから前記コネクタ本体への付勢力を印加する弾性体と、前記コネクタ本体の外周面に形成され、前記ボールプランジャの一部を支える凹部とを備えてもよい。
(9)前記給電コネクタは、前記筒状ケースに固定されたグリップ部をさらに備え;前記グリップ部と前記操作レバーとは、前記筒状ケースに対して互いに逆向きに突出してもよい。
図1は、第1実施形態に係る給電コネクタを示す断面図である。図1に示すように、本実施形態の給電コネクタAは、電気自動車に電力を供給する充電スタンド等の充電装置に用いられる。前記給電コネクタAは、充電時に電気自動車に設けられる受電コネクタB(図2参照)に接続される。
前記給電コネクタAは、筒状に形成された筒状ケース1と、前記筒状ケース1内に収容されるコネクタ本体2と、前記コネクタ本体2の移動を操作する操作機構3とを備えている。
前記コネクタ本体2は、前記筒状ケース1の中心軸線L1方向に沿って、前記筒状ケース1に対して摺動することが可能である。前記操作機構3は、前記筒状ケース1に対する前記コネクタ本体2の移動を操作する。
また、筒状ケース1の後端部(図1において右側の端部)には、筒状ケース1の下側に延伸したグリップ12が設けられている。前記グリップ12は、筒状ケース1の外周面からその径方向に沿って外側に突出している。前記グリップ部12は、前記筒状ケース1に一体に固定されている。前記グリップ部12は筒状に形成され、グリップ部12の内部空間と筒状ケース1の内部空間とが連通している。さらに、筒状ケース1の後端部の端面には、LED等の表示ランプ13が設けられている。この表示ランプ13は、充電時に点灯し、充電完了時に消灯する。
しかしながら、本実施形態は上記の構成のみに限定されない。例えば、前記グリップ部12と前記筒状ケース1とを一体化する代わりに、例えば、ねじ山などにより、前記グリップ部12と前記筒状ケース1とを連結する構成を採用しても良い。
さらに、操作員が見やすくなるように、本実施形態では表示ランプ13を筒状ケース1の後端部の端面に設けられたが、表示ランプ13を筒状ケース1の後端部の側面に設けることも可能である。
なお、ここでいう筒状ケース1の後端部(第2端部)とは、給電コネクタを操作する端部(操作端)であり、図1において、−Y方向に向いている筒状ケース1の端部である。
前記給電側端子21には、電気自動車に電力を供給するための給電用端子が含まれている。さらに、前記給電側端子21には、例えば充電装置と電気自動車との間で充電制御に要する情報を通信するための通信用端子などがさらに含まれている。また、前記端子収納部22は、前記給電側端子21の先端を前記筒状ケース1の前端開口部1aから外方に臨ませるように形成されている。
これら給電側端子21の具体的な数及び配置、端子収納部22の具体的な形状、及び前記筒状ケース1の挿入部11の形状等は任意に設定することが可能である。例えば「日本電動車両規格:JEVS G 105」に定められているものが挙げられる。
前記凹部53は、中心軸線L1方向に互いに間隔をあけて配列された第1凹部53Aと第2凹部53Bとを備えている。前記第1凹部53Aと第2凹部53Bの内面は、前記ボールプランジャ52の球面に対応する円弧状に形成されている。前記ボールプランジャ52の一部は、前記第1凹部53Aと第2凹部53Bに入り込むことができる。
前記ボールプランジャ52は球状体に形成されているが、これのみに限定されず、前記凹部53に対応する球面を有する限り、球状体の一部をカットした半球状体であっても良い。なお、前記第1凹部53Aと第2凹部53BのX方向における深さは、特に限定されず、前記ボールプランジャ52の半径以下であっても良い。
前記コネクタ本体2は、前記収容位置から前記突出位置まで、又は前記突出位置から前記収容位置まで移動することができる。従って、前記コネクタ本体2の中心軸線L1方向における最大移動距離は、前記収容位置から前記突出位置までの距離である。
すなわち、前記コネクタ本体2が前記収容位置に配されている状態では、前記筒状ケース1の前端側に位置する第1凹部53Aにボールプランジャ52が入り込むことで、前記コネクタ本体2の移動が規制される。また、前記コネクタ本体2が突出位置に配されている状態では、前記筒状ケース1の後端側に位置する第2凹部53Bに前記ボールプランジャ52が入り込むことで、前記コネクタ本体2の移動が規制される。
前記ラック34は、前記筒状ケース1内において、前記ケーブル収納部23に固定されている。前記ラック34には、前記平歯車32に噛み合う歯が、中心軸線L1方向に配列されている。また、前記ラック34の歯の形成面は、前記グリップ部12の突出方向と同じ側(図1においては下側)に向いている。すなわち、前記ラック34の歯は、給電コネクタAの下側方向に向いて形成されている。図1において、前記ラック34は、前記ケーブル収納部23の後端から延出するケーブル4と干渉しないように、前記ケーブル収納部23の外周面に固定されている。
さらに、図1におけるY−Z平面(使用状態における水平面)において、レバー軸35の軸線方向は、中心軸線L1方向に直交している。これによって、操作レバー31は、図1におけるX−Y平面(使用状態における垂直面)において、回動することができる。すなわち、操作レバー31は、中心軸線L1方向に延びる仮想平面内において回動することができる。なお、仮想平面(X−Y平面)とは、中心軸線L1を含む平面、及び、中心軸線L1に沿う(中心軸線L1を含まないが中心軸線L1に平行する)平面の両方を意味している。
平歯車32は、筒状ケース1内において、ラック34に噛み合うようにラック34の歯の形成面の下方に配され、レバー軸35によって操作レバー31と一体に筒状ケース1に軸支されている。
各ロックアーム6は、中心軸線L1方向に延びる略棒状に形成されている。ロックアーム6の前端(第1端)には、筒状ケース1の径方向に沿って外側に突出する係止爪61が形成されている。ロックアーム6の後端(第2端)は、ピン62によって筒状ケース1に軸支されている。すなわち、各ロックアーム6は、筒状ケース1に対して揺動可能に取り付けられている。
また、前記ピン62には、トーションバネ63が固定されている。このトーションバネ63の付勢力によって、ロックアーム6は、その前端側が筒状ケース1の径方向に沿って外側に移動するように揺動する方向に付勢されている。すなわち、このトーションバネ63の付勢力によって、ロックアーム6の前端側は筒状ケース1の径方向に付勢される。この付勢状態では、係止爪61が筒状ケース1の挿通孔11aから外部に突出することになる。
延長部71は、ケーブル収納部23の外周面に対向配置されている。第1突起部72は、ケーブル収納部23の外周面に向けて突出している。なお、第1突起部72の突出高さは、ケーブル収納部23の外周面に接触しないように設定されている。
すなわち、このロック解除機構7は、操作レバー31の操作に連動して、第1ロックアーム6Aの係止爪61を、筒状ケース1内に退避させた退避位置(図1に示す位置)と、挿通孔11aから筒状ケース1の径方向に沿って外部に突出する突出位置(図3に示す位置)との間で移動させることができる。
前記コネクタ本体2が収容位置に配されている状態で、ロック部92の係合孔92aがプランジャ94に対してずれて位置(本来の位置)し、仮にプランジャ94が突出しても係合孔92aに挿通することは無い。すなわち、コネクタ本体2が収容位置に配されている状態(図1に示す状態)におけるプランジャ94と係合孔92aとの間の距離は、コネクタ本体2の収容位置から突出位置までの距離に対応している。
さらに、前記コネクタ本体2が突出位置に配された状態で、前記ロック部92は、電磁石93から突出したプランジャ94が係合孔92aに挿通可能となる位置(挿通位置)に配される。すなわち、コネクタ本体2が突出位置に配されている状態で、ロック部92の係合孔92aは挿通位置に配され、電磁石93に電流が流れると、プランジャ94は、電磁石93から突出し、係合孔92aに挿通することになる。
従って、コネクタ本体2が収容位置から突出位置へと移動するに伴って、コネクタ本体2に設けられたロック部92も、本来の位置から挿通位置に移動する。この挿通位置に位置された時、充電が開始されると、電磁石93に電流が流れ込んで、プランジャ94がロック部92の係合孔92aに挿入される。これによって、充電する際に、電磁ロック機構9は、コネクタ本体2の移動を規制し、充電する途中に給電コネクタAの給電側端子21と受電コネクタBの受電側端子とが離間することを確実に防ぐことができる。
なお、充電が完了した際には、電磁石93への電力供給が停止され、これに伴ってプランジャ94がロック部92の係合孔92aから抜け出る。すなわち、コネクタ本体2が移動可能な状態となる。
従来、充電時のコネクタ本体の移動を防止するために、給電コネクタに係止部材を設けた。充電が終わった後、給電コネクタの外部に設けられている解除部材などを手作業で操作することによって、係止部材による係止を解除した。しかしながら、解除部材が給電コネクタの外部に設けられているので、誤操作により充電中に係止部材による係止を解除する可能性が高い。本実施形態による電磁ロック機構9によれば、充電動作と連動して、自動的にコネクタ本体の係止と解除を行うことができる。従って、外部に解除部材を設ける必要が無く、誤操作の発生を確実に防止することができる。
さらに、従来の場合、係止部材による係止を解除するために、解除部材の操作が必要になり、充電に手間がかかる問題があった。しかしながら、本実施形態に係る電磁ロック機構9によれば、解除の手作業が不要になり、より簡単に且つ効率よく充電作業を行うことができる。
さらに、従来、充電のために給電コネクタを受電コネクタに接続する際にも、コネクタ本体の移動を規制するように、手作業で係止部材を操作する必要があるが、本実施形態によれば、別途の作業なしに、充電の開始に伴って、自動的にコネクタ本体を係止することができる。従って、本実施形態によれば、より簡単に且つ効率よく充電作業を行うことができる。
受電側端子は、給電コネクタAの給電側端子21に接触あるいは当接することで、給電コネクタAと受電コネクタBとを電気接続するものであり、給電側端子21と同様の役割を果たしている。すなわち、受電側端子の数や配置は、給電コネクタAの給電側端子21に対応している。
次いで、コネクタ本体2が突出位置に配されるように、操作機構3によりコネクタ本体2を筒状ケース1の前端側に移動させる。より詳細に説明すれば、作業者が操作レバー31の第1端31aを把持して、筒状ケース1の前端側に移動するように操作レバー31を回動させることで、コネクタ本体2が筒状ケース1の前端側に移動して突出位置に配されることになる。
なお、操作レバー31を回動させた際には、第1ロックアーム6Aの係合爪61が受電コネクタBの係止凹部103に係合した後に、給電コネクタAと受電コネクタBとが電気接続される。
なお、充電が完了した際には、電磁石93への電力供給が停止され、これに伴ってプランジャ94がロック部92の係合孔92aから抜け出る。すなわち、コネクタ本体2が移動可能な状態となる。
この状態においては、前記操作レバー31の操作によって、ロック解除機構7の第2突起部73がコネクタ本体2と共に移動して第1突起部72に当接する。これにより、第2突起部73がトーションバネ63の付勢力に抗って延長部71を筒状ケース1の径方向に沿って外側に押し付け、第1ロックアーム6Aの係止爪61が筒状ケース1内に退避することになる。すなわち、給電コネクタAが受電コネクタBに仮嵌合した状態に戻る。
なお、仮嵌合状態では、第2ロックアーム6Bの係止爪61が受電コネクタBに係合しているものの、第1ロックアーム6Aの係止爪61と受電コネクタBとの係合が解除されていることで、給電コネクタAと受電コネクタBとの係合力が弱められているため、給電コネクタAを容易に引き抜くことができる。
さらに、操作レバー31の第2端31b及び平歯車32をラック34の歯の形成面側に配し、かつ、操作レバー31の第1端31aをラック34の歯の形成面の反対側に配することで、操作レバー31の第1端31a及びコネクタ本体2の移動方向を一致させるために要する平歯車32の数を一つに抑えることが可能となる。すなわち、操作機構3の構成部品点数を最小限に抑えて、給電コネクタAの製造コストを削減することもできる。
詳細に説明すれば、従来のようにリンク機構によって操作レバー31の回動運動をコネクタ本体2の直線運動に変換する場合、操作レバー31の回動によってコネクタ本体2には中心軸線L1に直交する方向の力も作用するため、コネクタ本体2の軸がずれる可能性がある。これに対して、本実施形態の給電コネクタAでは、操作レバー31の回動運動がギヤ機構のみによってコネクタ本体2の直線運動に変換されるため、ラック34及びコネクタ本体2には中心軸線L1方向の力のみが作用する。すなわち、コネクタ本体2には中心軸線L1に直交する方向の力が作用せず、その結果として、コネクタ本体2の軸ズレを防止できる。
また、本実施形態の給電コネクタAによれば、操作レバー31の操作に連動して給電コネクタAと受電コネクタBとを仮嵌合の状態と完全嵌合の状態とに切り替えることができるため、給電コネクタAの操作性をさらに向上することができる。
また、ラック34や平歯車32が筒状ケース1の後端部に配されないことで、ケーブル収納部から延出するケーブルの取り回しや表示ランプ13の配置を容易に設定することができる。すなわち、給電コネクタAの設計が容易となる。
例えば、操作レバー31の第1端31a及びコネクタ本体2の移動方向を一致させる操作機構3の構成は、上記実施形態のようにギヤ機構によるものに限らず、操作レバー31の力点(第1端31a)と操作レバー31の支点(第2端31b)との間に、操作レバー31の回動力をコネクタ本体2に作用させる作用点が位置する操作機構を採用することができる。
この構成では、操作レバー31の中途部とコネクタ本体2との連結部分が、操作レバー31の回動力をコネクタ本体2に作用させる作用点となるため、上記実施形態の構成と同様に、操作レバー31の第1端31a及びコネクタ本体2の移動方向を一致させることができる。すなわち、上記実施形態と同様の効果を奏する。
このような構成としては、例えば、第1端31aを筒状ケース1の外側に突出させると共に第2端31bを筒状ケース1に軸支させた操作レバー31に対して所定角度ずらすように、操作レバー31の第2端31bから離れる方向に延びる作用片を操作レバー31に一体に設け、連結軸により作用片の先端部とコネクタ本体2とを回転自在に連結した構成が挙げられる。すなわち、この構成では、作用片の先端部が作用点として機能する。
この構成であっても、操作レバー31の第1端31a及びコネクタ本体2の移動方向を一致させることは可能である。特に、操作レバー31の支点から力点に向かう方向と支点から作用片の作用点に向かう方向とがなす角度が90度以下とし、作用片の長手寸法を操作レバーよりも小さく設定することで、作用点が実質的に支点と力点との間に位置するため、操作レバー31の第1端31a及びコネクタ本体2の移動方向を確実に一致させることができる。
そして、上記実施形態においては、電気自動車用の充電装置に備える給電コネクタAについて説明したが、本発明の給電コネクタは、電力によって駆動する各種電動機械用の充電装置に適用することが可能である。
したがって、前記給電コネクタによれば、操作レバーの第1端及びコネクタ本体の移動方向が一致するため、作業者が操作レバーを直感的に操作することができる。また、給電コネクタと受電コネクタとの接続作業及び取り外し作業が、いずれも操作レバーの操作によって実現できるため、充電作業を円滑に行うことが可能となる。
さらに、この給電コネクタによれば、操作レバーの第1端及びコネクタ本体の移動方向を一致させるために要する平歯車の数を一つに抑えることが可能となる。すなわち、操作機構の構成部品点数を最小限に抑えて、給電コネクタの製造コストを削減することもできる。
以下、本発明の第2実施形態に係る給電コネクタCについて説明する。ここでは、第1実施形態との相違点のみについて説明し、給電コネクタAの構成要素と同一の部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
図4に示したように、本実施形態において、操作機構3は、筒状ケース1の後端部側に設けられている。操作機構3は、筒状ケース1に対して回動可能に軸支された操作レバー31と、操作レバー31の回動に伴って回転する第1平歯車32と、第1平歯車32に噛み合う第2平歯車33と、コネクタ本体2に固定されて、第1及び第2平歯車32,33の回転に伴って、中心軸線L1方向に移動するラック34とを備えている。これら第1及び第2平歯車32,33、及びラック34によって、前記操作レバー31の回動力を、前記筒状ケースの中心軸線方向のみの力に変換する変換機構を構成する。
ラック34は、筒状ケース1内に配されて、ケーブル収納部23の後端に固定されている。ラック34には、後述する第2平歯車33に噛み合う歯が中心軸線L1方向に配列されている。また、ラック34の歯の形成面は、グリップ部12の突出方向とは反対側に向いている。すなわち、ラック34の歯は、給電コネクタの上側(+X方向)に向いて形成されている。なお、図4において、ケーブル収納部23の後端からケーブル4が延びているため、ケーブル収納部23に対するラック34の固定位置は、ケーブル4と干渉しない位置に設定することが好ましい。具体的には、例えばケーブル4及びラック34を筒状ケース1の幅方向(図1において紙面に直交する方向;すなわちZ方向)に配列すればよい。
さらに、Y−Z平面において、レバー軸35の軸線方向は中心軸線L1方向に直交している。これによって、操作レバー31が、中心軸線L1方向に延びる仮想平面内(X−Y平面)において回動可能とされている。
また、レバー軸35及び操作レバー31の第2端31bは、前記ラック34の歯の形成面の上方に位置している。前記操作レバー31の第1端31aは、レバー軸35よりもさらにラック34の歯の形成面の上方に位置している。言い換えれば、操作レバー31の第1端31aがラック34の歯の形成面側に配されている。
そして、この操作レバー31は、筒状ケース1に対して中心軸線L1から離れるように前記グリップ部12の突出方向と逆向きに突出している。
以上のように構成された操作機構3において、操作レバー31とラック34との間に第1及び第2平歯車32,33が介在しており、且つ、操作レバー31の第1端31aがラック34の歯の形成面側に配されているため、操作レバー31の第1端31aの移動方向と操作レバー31の回動に伴うコネクタ本体2の移動方向とが一致することになる。
さらに、操作レバー31全体が第1及び第2平歯車32,33と共にラック34の歯の形成面側に配されることで、操作機構3をコンパクトに構成することができ、筒状ケース1の小型化を図ることができる。
また、操作レバー31及びグリップ部12が、筒状ケース1に対して前記中心軸線L1から離れるように互いに逆向きに突出しているため、作業者の左右いずれか一方の手でグリップ部12を把持した状態で、他方の手で操作レバー31を操作することが可能となる。すなわち、作業者の利き手が左右いずれであっても給電コネクタCを容易に取り扱うことができる。
次に、本発明の第3実施形態に係る給電コネクタについて、図6及び図7を参照して説明する。ここでは、第1及び第2実施形態との相違点のみについて説明し、給電コネクタA及びCの構成要素と同一の部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
図6及び図7は、第3実施形態に係る給電コネクタDを示す横断面図である。図6は前記コネクタ本体2が収容位置に配されている状態を示している。図7は前記コネクタ本体2が前端開口部1aから突出した突出位置に配されている状態を示している。
図6に示すように、この実施形態に係る給電コネクタDは、上記の実施形態と同様に、図2に示す受電コネクタBに接続するものである。そして、給電コネクタDを構成する操作機構8は、第2実施形態と同様のラック34と、筒状ケース1に対して回動可能に軸支された操作レバー81と、中心軸線L1方向に摺動する補助ラック82と、筒状ケース1に軸支された平歯車83とを備えている。
また、レバー軸85は、前記ラック34の歯の形成面の上方(+X方向側)に位置し、操作レバー81の第1端81aは、レバー軸85よりもさらにラック34の歯の形成面の上方に位置している。言い換えれば、操作レバー81の第1端81aがラック34の歯の形成面側に配されている。
また、補助ラック82の側部には軸部86が突出して形成され、操作レバー81の第2端に形成された長孔87に挿入されている。なお、この長孔87は操作レバー81の長手方向に延びるように形成されており、補助ラック82の軸部86は長孔87内においてその長手方向に沿って移動自在とされている。この構造よって、操作レバー81の回動運動を補助ラック82の直線運動に変換することができる。言い換えれば、補助ラック82は操作レバー81の回動に伴って中心軸線L1方向に摺動することになる。また、操作レバー81の第1端81aの移動方向と補助ラック82の摺動方向とは互いに逆向きとなる。
以上のように構成された操作機構8においては、ラック34と補助ラック82とが互いに逆向きに移動するため、操作レバー81の第1端81aの移動方向と操作レバー81の回動に伴うコネクタ本体2の移動方向とが一致することになる。これらラック34、補助ラック82、平歯車83によって、前記操作レバー81の回動力を、前記筒状ケースの中心軸線方向のみの力に変換する変換機構を構成する。
また、給電コネクタDを受電コネクタBから取り外す場合にも、第2実施形態の場合と同様に、作業者が操作レバー81の第1端81aを把持して筒状ケース1の後端側に移動するように操作レバー81を回動させ、コネクタ本体2を突出位置から収容位置に移動させればよい。
したがって、本実施形態の給電コネクタDによれば、第1及び第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
例えば、第2実施形態の操作機構3において、操作レバー31とラック34との間に二つの第1及び第2平歯車32,33が介在するとした。しかしながら、これのみに限定されず、少なくとも偶数個の平歯車が介在していればよく、これにより、操作レバー31の第1端31aの移動方向と操作レバー31の回動に伴うコネクタ本体2の移動方向とを一致させることができる。
そして、前記実施形態においては、電気自動車用の充電装置に備える給電コネクタA,C,Dについて説明したが、本発明の給電コネクタは、電力によって駆動する各種電動機械用の充電装置に適用することが可能である。
以下、本発明の第4実施形態に係る給電コネクタを、図8及び図9に基づいて説明する。ここでは、第1〜第3実施形態との相違点について説明し、給電コネクタA、C、及びDの構成要素と同一の部分については同一符号を付し、その説明を簡略し又は省略する。
各ロックアーム6は、中心軸線L1方向に延びる略棒状に形成されている。ロックアーム6の前端(一端)には筒状ケース1の径方向外側に突出する係止爪61が形成され、ロックアーム6の後端(他端)はピン62によって筒状ケース1に軸支されている。すなわち、各ロックアーム6は、筒状ケース1に対して揺動可能に取り付けられている。
また、前記ピン62にはトーションバネ(付勢部材)63が固定されており、このトーションバネ63の付勢力によって、ロックアーム6は、その前端側が筒状ケース1の径方向外側に移動するように揺動する方向(一方の揺動方向)に付勢されている。この付勢状態では、係止爪61が筒状ケース1の挿通孔11aから外部に突出することになる。
延長部71はケーブル収納部23の外周面に対向配置され、第一突起部72はケーブル収納部23の外周面に向けて突出している。なお、第一突起部72の突出高さはケーブル収納部23の外周面に接触しないように設定されている。
すなわち、このロック解除機構7及び前述したトーションバネ63は、操作レバー31の操作によるコネクタ本体2の収容位置と突出位置との間の移動に連動して第一のロックアーム6Aの係止爪61を、筒状ケース1内の退避位置(図8に示す位置)と、挿通孔11aから外部に突出して受電コネクタBに係止する係止位置(図9に示す位置)との間で移動させる連動移動機構10を構成している。
ロック部92は、コネクタ本体2が突出位置に配された状態で電磁石93から突出したプランジャ94が係合孔92aに挿通可能となる位置に配される。なお、コネクタ本体2が収容位置に配されている状態では、ロック部92の係合孔92aがプランジャ94に対してずれて位置し、仮にプランジャ94が突出しても係合孔92aに挿通することは無い。
受電端子は給電コネクタAの給電側端子21に接触あるいは当接することで、給電コネクタEと受電コネクタBとを電気接続するものであり、給電側端子21と同様の役割を果たしている。すなわち、受電側端子の数や配置は、給電コネクタEの給電側端子21に対応している。
次いで、コネクタ本体2が突出位置に配されるように、操作機構3によりコネクタ本体2を筒状ケース1の前端側に移動させる。より詳細に説明すれば、作業者が操作レバー31の第1端31aを把持して筒状ケース1の前端側に移動するように操作レバー31を回動させることで、コネクタ本体2が筒状ケース1の前端側に移動して突出位置に配されることになる。
なお、操作レバー31を回動させた際には、第一のロックアーム6Aの係止爪61が受電コネクタBの係止凹部103に係合した後に、給電コネクタEと受電コネクタBとが電気接続される。
なお、充電が完了した際には、電磁石93への電力供給が停止され、これに伴ってプランジャ94がロック部92の係合孔92aから抜け出る。すなわち、コネクタ本体2が移動可能な状態となる。
この状態においては、上述した操作レバー31の操作によってロック解除機構7の第二突起部73がコネクタ本体2と共に移動して第一突起部72に当接する。これにより、第二突起部73がトーションバネ63の付勢力に抗って延長部71を筒状ケース1の径方向外側に押し付け、第一のロックアーム6Aの係止爪61が筒状ケース1内に退避することになる。すなわち、第一のロックアーム6Aによる筒状ケース1とシェル101との係止状態が解除され、給電コネクタEが受電コネクタBに仮嵌合した状態に戻る。
なお、仮嵌合状態では、第二のロックアーム6Bの係止爪61が受電コネクタBに係合しているものの、第一のロックアーム6Aの係止爪61と受電コネクタBとの係合が解除されていることで、給電コネクタEと受電コネクタBとの係合力が弱められているため、給電コネクタEを容易に引き抜くことができる。
また、コネクタ本体2及び第一のロックアーム6Aの移動が操作機構3及び連動移動機構10のみによって構成されるため、給電コネクタEの内部構造を簡素化することができ、その小型化や製造コスト削減を図ることができる。
また、連動移動機構10のうち第一のロックアーム6Aを退避位置に配するロック解除機構7が、第一のロックアーム6Aに形成される延長部71、第一突起部72、及び、コネクタ本体2に形成される第二突起部73のみによって構成されるため、筒状ケース1内に組み込む連動移動機構10の実質的な構成部品点数が増加しない。したがって、給電コネクタEの内部構造の簡素化をさらに図ることができる。
例えば、延長部71及び第二突起部73を備えるロック解除機構7は、少なくともコネクタ本体2が収容位置に配された状態で第二突起部73が延長部71に当接して係止爪61を退避位置に配し、かつ、コネクタ本体2が突出位置に配された状態で第二突起部73が延長部71から離間して、係止爪61がトーションバネ63の付勢力によって係止位置に配されるように構成されていればよい。したがって、延長部71には、上記実施形態のように第一突起部72を形成しなくてもよい。
さらに、係止爪61を係止位置に配するように付勢する付勢部材は、ロックアーム6をその一方の揺動方向に付勢するトーションバネ63に限らず、例えばロックアーム6の前端側を筒状ケース1の径方向外側に付勢したり、第一のロックアーム6Aに一体に形成された延長部71を筒状ケース1の径方向内側に付勢するコイルスプリングであってもよい。
さらに、上記実施形態においては、筒状ケース1と受電コネクタBとを係止する係止部材が、筒状ケース1に軸支されるロックアーム6としたが、少なくとも係止部材の係止爪61が係止位置と退避位置との間で移動可能となるように筒状ケース1に設けられていればよく、例えば係止部材全体が筒状ケース1の径方向に平行移動するように筒状ケース1に設けられてもよい。
さらに、上記実施形態においては、コネクタ本体2の移動範囲を規制する規制部材5が、筒状ケース1側に設けられたボールプランジャ52及びコネクタ本体2に形成された凹部53によって構成されるとしたが、これに限ることは無く、例えばコネクタ本体2の摺動用ピン24を収容する筒状ケース1の摺動用溝14によって構成されてもよいし、例えば操作レバー31の回動角度範囲を規制するように構成されてもよい。
また、この際には、操作機構によるコネクタ本体の移動に連動して、係止部材が退避位置から係止位置まで移動するため、筒状ケースが受電コネクタに係止することになる。
また、この際には、操作機構によるコネクタ本体の移動に連動して、係止部材が係止位置から退避位置まで移動するため、筒状ケースと受電コネクタとの係止状態が解除されることになる。
また、コネクタ本体及び係止部材の移動が操作機構及び連動移動機構のみによって構成されるため、給電コネクタの内部構造を簡素化することができ、小型化や製造コスト削減を図ることができる。
Claims (9)
- 前端開口部を有する筒状ケースと;
前記筒状ケース内に収容され、前記筒状ケースの中心軸線方向に沿って摺動自在に設けられたコネクタ本体と;
前記コネクタ本体の前記中心軸線方向に沿う摺動を操作する操作機構と;を備える給電コネクタにおいて、
前記操作機構は、少なくとも第1端が前記筒状ケースの外側に突出され、且つ前記筒状ケースに回動可能に軸支された操作レバーと、前記第1端の移動によって生じる前記操作レバーの回動力を、前記筒状ケースの中心軸線方向のみの力に変換する変換機構と、を備え;
前記操作レバーの前記第1端の移動方向と、前記操作レバーの回動に伴う前記コネクタ本体の移動方向とが一致し、
前記操作レバーの前記第1端と前記筒状ケースに軸支される前記操作レバーの第2端との間に、前記操作レバーの回動力を前記コネクタ本体に作用させる作用点が一つのみ位置し、
前記操作レバーの回動位置に関わらず、前記第2端から前記作用点までの距離が一定であり、
前記筒状ケースに設けられたソレノイドと、前記コネクタ本体に設けられたロック部とを有する電磁ロック機構をさらに備えることを特徴とする給電コネクタ。 - 前記操作機構が、前記操作レバーに一体に設けられて、前記第2端から離れる方向に延びる作用片を備え、
前記第2端から前記作用片が延びる方向が、前記第2端から前記第1端に向かう方向に対して、0度よりも大きく、かつ180度よりも小さい角度でずれており、
前記作用片の先端部が、連結軸によって前記コネクタ本体に対して回転自在に連結されて、前記作用点として機能することを特徴とする請求項1に記載の給電コネクタ。 - 前記ソレノイドは、前記筒状ケースに固定された筒状電磁石と、前記筒状電磁石に挿通されるプランジャとを備え;
前記ロック部は、前記プランジャが挿通できる係合孔を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の給電コネクタ。 - 少なくとも第1端が揺動可能に前記筒状ケースに軸支えされた係止部材と;
前記筒状ケースの中心軸線方向における前記コネクタ本体の移動に連動して、前記係止部材の前記第1端を揺動させる連動移動機構と;
をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の給電コネクタ。 - 前記連動移動機構は、
前記係止部材に付勢力を印加する付勢部材と;
前記筒状ケースの中心軸線方向における前記コネクタ本体の移動に連動して、前記付勢部材の前記付勢力に抵抗する解除力を前記係止部材に印加するロック解除機構と;
を備えることを特徴とする請求項4に記載の給電コネクタ。 - 前記係止部材の前記第1端に、係止爪を有し;
前記ロック解除機構は、前記係止部材の第2端に設けられ、前記筒状ケースの中心軸線方向に沿って伸びた延長部と、前記延長部に設けられ、前記コネクタ本体の外周面側に突出した第1突出部と、前記コネクタ本体の外周面に設けられ、前記第1突出部側に突出した第2突起部とを備えることを特徴とする請求項5に記載の給電コネクタ。 - 前記筒状ケースの内部に設けられて、前記筒状ケースの中心軸線方向における前記コネクタ本体の移動を規制する規制部材をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の給電コネクタ。
- 前記規制部材は、前記筒状ケースに設けられたボールプランジャと、前記ボールプランジャに前記筒状ケースから前記コネクタ本体への付勢力を印加する弾性体と、前記コネクタ本体の外周面に形成され、前記ボールプランジャの一部を支える凹部とを備えることを特徴とする請求項7に記載の給電コネクタ。
- 前記筒状ケースに固定されたグリップ部をさらに備え;
前記グリップ部と前記操作レバーとは、前記筒状ケースに対して互いに逆向きに突出していることを特徴とする請求項1から8に記載の給電コネクタ。
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