JP4992897B2 - シール材、該シール材を有するプラズマ処理装置用部品および該シール材の製造方法 - Google Patents

シール材、該シール材を有するプラズマ処理装置用部品および該シール材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、特定のフルオロエラストマーシール材の表面に、無機系材料から形成されるコーティング膜を有するシール材、該シール材を有するプラズマ処理装置用部品および該シール材の製造方法に関する。
含フッ素エラストマー、特にテトラフルオロエチレン(TFE)単位を中心とするパーフルオロエラストマーは、優れた耐薬品性、耐溶剤性および耐熱性を示すことから、自動車工業、半導体工業、化学工業などの分野において広く用いられている。
その中でも、液晶・半導体製造工程では、プラズマを使用する処理装置が使用されており、該プラズマ処理装置においては、種々の連結部分や可動部分に、封止のためにエラストマー性シール材が使用されている。これらのシール材には、シール性だけではなく、微細化や基板ウェハーの大型化により、高密度(1012〜1013/cm3)という厳しいプラズマ処理条件に耐えられること、および極めて精密な加工が必要とされる半導体を汚染しないことが要求される。たとえば、半導体製造におけるエッチング、アッシング工程においては、高密度のO2プラズマ、CF4プラズマプロセスが実施されている。そのため、シール材には、O2プラズマ処理およびCF4プラズマ処理などのプラズマに耐性があることが要求されている。
このような要求に対応できるシール材としては、プラズマ遮蔽効果のあるフィラーをエラストマーに充填する方法が一般的に知られているが、これらのフィラーが充填されたエラストマー材料においても、プラズマに暴露されることにより、徐々にエラストマーが劣化し、充填されていた耐プラズマ性を付与するフィラーが脱落してしまう。該フィラーが脱落することでパーティクルの発生につながる他、エラストマー材料の耐プラズマ性が低下するため、長期的にみれば、充分なものではない。また、耐(酸素)プラズマ性および非固着性の改良の目的で、架橋可能な含フッ素エラストマーを含む組成物からなる基材の表面の少なくとも一部に、ダイヤモンド状炭素(ダイヤモンドライクカーボン)のコーティング膜を設けてなるシール材が開示されており(たとえば、特開2003−165970号公報参照)、さらに、非固着性の改良、すべり性付与の目的でゴム基材の表面にダイヤモンド状炭素のコーティング膜を設けてなるシール材(たとえば、特開2002−47479号公報、特開2002−47480号公報および特開2002−48240号公報参照)が開示されている。しかし、これらのシール材では、ゴム材料に含まれる成分がコーティング膜に滲み出し、非固着性が低下したり、耐プラズマ性に劣るという問題があった。
ところで、固着強度を低下させたり、シール材との接触面の汚染、腐食および変色を改善するために、特定条件下で測定した未架橋ポリマー成分の含有量が1重量%以下とするパーフルオロエラストマーシール材が知られている(たとえば、国際公開第2005/028547号パンフレット参照)。しかし、さらにシール材の表面をコーティングすることについてまでは、全く検討されていない。
また、200℃で30分間加熱したときの水分発生量が400ppm以下である半導体製造装置用シール材が知られている(たとえば、国際公開第2001/85848号パンフレット参照)。しかし、さらにシール材の表面をコーティングすることについてまでは、全く検討されていない。
本発明は、優れた耐プラズマ性、シール性、非固着性を有するシール材および該シール材を有するプラズマ処理装置用部品を提供する。
すなわち、本発明は、フルオロエラストマーシール材の表面に、無機系材料から形成されるコーティング膜を有し、かつ、パーフルオロトリ−n−ブチルアミンに60℃で70時間浸漬し、取り出し後、90℃で5時間、125℃で5時間および200℃で10時間乾燥させたときのシール材の重量減少率が、0.4重量%以下であるシール材に関する。
また、本発明は、フルオロエラストマーシール材の表面に、無機系材料から形成されるコーティング膜を有し、かつ、加熱による水分発生量が400ppm以下であるシール材に関する。
無機系材料から形成されるコーティング膜が、ダイヤモンド状炭素膜であることが好ましい。
フルオロエラストマーが、パーフルオロエラストマーであることが好ましい。
前記シール材が、プラズマ処理装置用であることが好ましい。
また、本発明は、前記シール材を有するプラズマ処理装置用部品に関する。
また、本発明は、パーフルオロトリ−n−ブチルアミンに60℃で70時間浸漬し、取り出し後、90℃で5時間、125℃で5時間および200℃で10時間乾燥させたときのシール材の重量減少率が、0.4重量%以下であるフルオロエラストマーシール材の表面に、無機系材料から形成されるコーティング膜を設けるシール材の製造方法に関する。
さらに、本発明は、加熱による水分発生量が400ppm以下であるフルオロエラストマーシール材の表面に、無機系材料から形成されるコーティング膜を設けるシール材の製造方法に関する。
なお、以下、「シール材」と記述する場合は無機系材料から形成されるコーティング膜が設けられたシール材を言い、該コーティング膜を形成する側のフルオロエラストマーシール材は「フルオロエラストマーシール材」と言う。
固着強度の測定のための試験片の処理方法の説明図である。 固着強度の測定方法の説明図である。
本発明は、フルオロエラストマーシール材の表面に、無機系材料から形成されるコーティング膜を有し、かつ、パーフルオロトリ−n−ブチルアミンに60℃で70時間浸漬し、取り出し後、90℃で5時間、125℃で5時間および200℃で10時間乾燥させたときのシール材の重量減少率が、0.4重量%以下であるシール材に関する。なお、フルオロエラストマーシール材の表面全体に、コーティング膜を有することが好ましい。
本発明のシール材は、パーフルオロトリ−n−ブチルアミンに、60℃で70時間浸漬し、取り出し後、90℃で5時間、125℃で5時間および200℃で10時間乾燥させたときのシール材の重量減少率が、0.4重量%以下であることがより好ましく、0.3重量%以下であることがさらに好ましく、0.1重量%以下であることが特に好ましい。重量減少率は低ければ低いほどよいものであり、下限値は特に限定されるものではない。重量減少率が、大きくなると、フルオロエラストマーシール材に含まれる成分がフルオロエラストマーシール材からコーティング膜、さらには外部に滲み出し、非固着性が低下したり、耐プラズマ性に劣る傾向がある。シール材の重量減少は、フルオロエラストマーシール材中に存在する未架橋ポリマーおよび低分子量物が、パーフルオロトリ−n−ブチルアミンに溶出することに起因するものである。ここで、未架橋ポリマーとは、フルオロエラストマーシール材成形時に架橋されなかったポリマー、または架橋が切断されたポリマーなどである。低分子量物とは、重合時から残存する物、フルオロエラストマーシール材成形時に充分に架橋されなかったもの、フルオロエラストマーシール材として成形する際の加工時に受ける応力や、二次加硫時における加熱により、高分子量エラストマーの分子鎖が切断されてできる物などである。低分子量物とは、数平均分子量が10000以下のものをいう。
シール材の重量減少率の測定は、
(1)未処理のシール材の重量を測定し(Ag)、
(2)シール材をパーフルオロトリ−n−ブチルアミンに60℃で70時間浸漬し、
取り出し後、90℃で5時間、125℃で5時間および200℃で10時間乾燥し
(3)乾燥後のシール材の重量を測定する(Bg)
ことにより行われる。シール材の重量減少率は、{(A−B)/A}×100(重量%)により計算される。
また、重量減少率測定用の抽出溶剤として、パーフルオロトリ−n−ブチルアミンを使用するのは、パーフルオロトリ−n−ブチルアミンがあらゆるフルオロエラストマーを充分に膨潤させることができるためである。
ここで、シール材の重量減少率が0.4重量%以下とは、シール材そのものの重量減少率を意味するが、無機系材料から形成されるコーティング膜自体は、パーフルオロトリ−n−ブチルアミンにより処理しても重量減少しないので、シール材を構成するフルオロエラストマーシール材の重量減少によるものである。
このため、本発明においてフルオロエラストマーシール材は、パーフルオロトリ−n−ブチルアミンに、60℃で70時間浸漬し、取り出し後、90℃で5時間、125℃で5時間および200℃で10時間乾燥させたときのシール材の重量減少率が、0.4重量%以下であることがさらに好ましく、0.3重量%以下であることが一層好ましく、0.1重量%以下であることが特に好ましい。重量減少率は低ければ低いほどよいものであり、下限値は特に限定されるものではない。
フルオロエラストマーシール材の重量減少率の測定は、
(1)未処理のフルオロエラストマーシール材の重量を測定し(Ag)、
(2)フルオロエラストマーシール材をパーフルオロトリ−n−ブチルアミンに60℃で70時間浸漬し、取り出し後、90℃で5時間、125℃で5時間および200℃で10時間乾燥し
(3)乾燥後のフルオロエラストマーシール材の重量を測定する(Bg)
ことにより行われる。フルオロエラストマーシール材の重量減少率は、{(A−B)/A}×100(重量%)により計算される。
本発明のシール材におけるフルオロエラストマーシール材は、パーフルオロトリ−n−ブチルアミンに60℃で70時間浸漬し、取り出し後、90℃で5時間、125℃で5時間および200℃で10時間乾燥させたときのシール材の重量減少率が、0.4重量%以下であればよく、特にフルオロエラストマーシール材の製造方法は限定されないが、例えば、成形して得られたフルオロエラストマーシール材を、60℃で70時間浸漬したときの前記フルオロエラストマーシール材に対する膨潤率が50%以上である溶剤で処理する工程を含む製造方法で製造することが好ましい。
ここでシール材の「膨潤率」は、
(1)300℃で70時間の熱処理を空気中で行った後、
(2)パーフルオロエラストマーシール材の体積を水中置換法により測定し(C1)、
(3)シール材を対象溶剤(パーフルオロトリ−n−ブチルアミン)に60℃で70時間浸漬し、
(4)取り出し後、膨潤状態でのシール材の体積を測定し(D1)、
(5)(D1−C1)/C1×100(%)により計算する。
処理に使用する溶剤としては、60℃、70時間浸漬したときの膨潤率が50%以上である単独溶剤もしくは2種類以上の混合溶剤であればよく、膨潤率が80%以上であることがより好ましい。膨潤率が、50%未満であると、低分子量物および未架橋ポリマーの抽出に多大な時間を要する傾向にある。
また、処理に使用する溶剤としては、上記作用効果をより享受できる点から、40℃(溶剤の沸点が40℃に満たない場合は沸点温度)、70時間浸漬したときの膨潤率が50%以上である単独溶剤もしくは2種類以上の混合溶剤であることが好ましく、膨潤率が80%以上であることがより好ましい。
前記溶剤としては、水素原子の全てがハロゲン原子で置換されたパーハロ系溶剤が好ましい。特に水素原子の全てがフッ素原子で置換されたパーフルオロ系溶剤、または水素原子の全てがフッ素原子および塩素原子で置換されたパークロロフルオロ系溶剤が好ましい。パーフルオロ系溶剤の具体例としては、パーフルオロアルカン;パーフルオロトリ−n−ブチルアミン、パーフルオロトリエチルアミンなどのパーフルオロ3級アミンなどのほか、パーフルオロ置換テトラヒドロフラン、パーフルオロベンゼン、フロリナートFC−77(住友スリーエム株式会社製、主成分:C816O)、デムナムソルベント(ダイキン工業株式会社製、主成分:C614)、フロリナートFC−43(住友スリーエム株式会社製、主成分:(C493N)などがあげられる。パークロロフルオロ系溶剤としては、たとえばR−318(ダイキン工業株式会社製、主成分:C48Cl2)などがあげられる。これらの中でも、取り扱い性の点から、パーフルオロトリ−n−ブチルアミン、フロリナートFC−77、R−318が好ましい。
また処理に使用する溶剤の他のものとしては、先述の条件を満たすものであればどのようなものでもよいが、例えば上記例示のもの以外の各種フッ素系溶媒が好ましく用いられ、具体例としては、HFC(ハイドロフルオロカーボン)、HFE(ハイドロフルオロエーテル)、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)などがあげられ、具体的には、HFE−7100(住友スリーエム(株)製、主成分:C49OCH3)、HFE−7200(住友スリーエム(株)製、主成分:C49OC25)、バートレルXF(デュポン社製、主成分:C5210)などをあげることができる。
フルオロエラストマーシール材の処理方法としては、前記溶剤に浸漬する方法、前記溶剤の蒸気に曝露する方法、前記溶剤を噴霧する方法、前記溶剤でソックスレー抽出またはそれに類似する手段で抽出する方法、超臨界抽出による方法などがあげられる。超臨界抽出法では前記溶剤をエントレーナーとして用いることで、たとえば炭酸ガスを抽出媒体とした場合でも低分子量物および未架橋ポリマーを効率よく抽出することができる。
フルオロエラストマーシール材を前記溶剤に浸漬する場合の浸漬条件は、使用される溶剤の種類、およびフルオロエラストマーの組成などにより、適宜決めればよいが、好ましい条件としては、室温〜250℃で、1〜100時間浸漬することが好ましい。またより好ましくは室温〜200℃、さらに好ましくは室温〜100℃で、48〜70時間浸漬することが好ましい。さらに、高圧下で処理することが好ましい。
また、浸漬または噴霧等ののちに乾燥させるが、そのときの乾燥条件としては、250℃以下で、5時間以上乾燥させることが好ましく、200℃で、10時間以上乾燥させることがより好ましい。乾燥方法としては、オーブンによる乾燥、真空乾燥など一般的に使用できる方法を用いることができる。
前記溶剤で処理することで、フルオロエラストマーシール材が膨潤し、膨潤することにより発生した隙間より、低分子量物および未架橋ポリマーが溶剤に溶け出すと考えられる。
また、本発明は、フルオロエラストマーシール材の表面に、無機系材料から形成されるコーティング膜を有し、かつ、加熱による水分発生量が400ppm以下であるシール材に関する。なお、フルオロエラストマーシール材の表面全体に、コーティング膜を有することが好ましい。
本発明で使用するシール材は、加熱による水分発生量が400ppm以下であるが、300ppm以下が好ましい。水分発生量が400ppmより多いと、コーティング膜に滲み出し、非固着性が低下したり、耐プラズマ性に劣る。ここで、加熱による水分発生量は、シール材を200℃で30分間加熱したときに発生する水分をカールフィッシャー装置で測定することにより求められる値である。実際の水分発生量は、使用するOリングの重量によって異なってくるので、Oリングそのものを使用して測定した水分量の実測値(μg)を、Oリングの重量で割った値(ppm)を用いる。たとえば、試料重量1.7gのOリング(P24サイズ)を使用した場合には、1μg/gが1ppmであるので、400ppmとは、1.7gのOリングから、680μgの水分が発生したことになる。
また、加熱による有機系ガス発生量が0.03ppm以下であることが好ましく、0.02ppm以下がさらに好ましい。有機系ガス発生量が多い場合、発生ガス成分がコーティング膜に滲み出し、非固着性が低下したり、耐プラズマ性に劣ることがある。ここで、加熱による有機系ガス発生量は、シール材を200℃で15分間加熱したときに発生するガス成分を、パージ・アンド・トラップ式のガスクロマトグラフ装置で分析することにより求められる値である。実際の有機系ガス発生量は、前述した水分発生量と同様に、Oリングを使用して測定した有機系ガス量の実測値(μg)を、試料であるOリングの重量で割った値(ppm)を示している。
ここで、シール材の水分発生量および有機系ガス発生量は、シール材そのものの発生量を意味するが、無機系材料から形成されるコーティング膜から水分や有機系ガスが発生しないので、シール材を構成するフルオロエラストマーシール材からの発生量によるものである。
このため、本発明においてフルオロエラストマーシール材は、加熱による水分発生量が400ppm以下であることが好ましく、より好ましくは、加熱による水分発生量は300ppm以下である。なお、水分発生量については、上述したシール材についての場合と同様にして求められる。
加熱による水分発生量が400ppm以下であるフルオロエラストマーシール材の製造方法は、とくに限定されないが、例えば、プレス架橋した成形物を、チッ素ガスなどの不活性ガス気流下において、150〜230℃で、4〜30時間、加熱処理する方法があげられる。加熱温度が150℃より低いと、加熱処理時間が長くなり、生産性が劣ることとなり、230℃より高いと、フルオロエラストマーシール材の劣化を引き起こす傾向にある。
なお、フルオロエラストマーシール材の表面に付着している油、ゴミ、金属成分を除去し、フルオロエラストマーシール材とコーティング膜との界面接着力を低下させないという点で、加熱処理する前に洗浄することが好ましい。洗浄に用いる洗浄液としては、硫酸/過酸化水素、フッ酸、超純水などがあげられる。これらの洗浄液は、加熱して使用することもできる。
本発明で好適に使用することができるフルオロエラストマーとしては、従来からシール材用、とくに半導体製造装置のシール材に用いられているものであれば、とくに制限はなく、非パーフルオロエラストマーおよびパーフルオロエラストマーがあげられるが、特にプラズマ発生装置等に用いる場合は、耐薬品性、耐熱性、あらゆるプラズマに対しての耐性がある点から、パーフルオロエラストマーが好ましい。ここで、パーフルオロエラストマーとは、構成単位の90モル%以上がパーフルオロオレフィンから構成されているエラストマーをいう。
非パーフルオロエラストマーとしては、ビニリデンフルオライド(以下、VdFとする)系フッ素ゴム、テトラフルオロエチレン(以下、TFEとする)/プロピレン系フッ素ゴム、TFE/プロピレン/VdF系フッ素ゴム、エチレン/ヘキサフルオロプロピレン(以下、HFPとする)系フッ素ゴム、エチレン/HFP/VdF系フッ素ゴム、エチレン/HFP/TFE系フッ素ゴム、フルオロシリコーン系フッ素ゴム、またはフルオロホスファゼン系フッ素ゴムなどがあげられ、これらをそれぞれ単独で、または本発明の効果を損なわない範囲で任意に組合わせて用いることができる。
VdF系フッ素ゴムとは、VdF45〜85モル%と、VdFと共重合可能な少なくとも1種の他の単量体55〜15モル%とからなる含フッ素共重合体をいい、好ましくは、VdF50〜80モル%と、VdFと共重合可能な少なくとも1種の他の単量体50〜20モル%とからなる含フッ素共重合体をいう。
VdFと共重合可能な少なくとも1種の他の単量体としては、たとえばTFE、クロロトリフルオロエチレン(以下、CTFEとする)、トリフルオロエチレン、HFP、トリフルオロプロピレン、テトラフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロブテン、テトラフルオロイソブテン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(以下、PAVEとする)、フッ化ビニルなどの含フッ素単量体、エチレン、プロピレン、アルキルビニルエーテルなどの非フッ素単量体があげられる。これらをそれぞれ単独で、または、任意に組み合わせて用いることができる。これらのなかでも、TFE、HFP、PAVEが好ましい。
具体的なゴムとしては、VdF−HFP系ゴム、VdF−HFP−TFE系ゴム、VdF−CTFE系ゴム、VdF−CTFE−TFE系ゴムなどがある。
TFE/プロピレン系フッ素ゴムとは、TFE45〜70モル%、プロピレン55〜30モル%からなり、さらにTFEとプロピレンの合計量に対して、架橋部位を与える単量体0〜5モル%含有する含フッ素共重合体をいう。
架橋部位を与える単量体としては、たとえば特公平5−63482号公報、特開平7−316234号公報に記載されているようなパーフルオロ(6,6−ジヒドロ−6−ヨード−3−オキサ−1−ヘキセン)やパーフルオロ(5−ヨード−3−オキサ−1−ペンテン)などのヨウ素含有単量体、特開平4−505341号公報に記載されている臭素含有単量体、特開平4−505345号公報、特開平5−500070号公報に記載されているようなシアノ基含有単量体、カルボキシル基含有単量体、アルコキシカルボニル基含有単量体などがあげられる。
これらの非パーフルオロエラストマーは、常法により製造することができる。
パーフルオロエラストマーとしては、TFE/PAVE/架橋部位を与える単量体からなるものなどがあげられる。TFE/PAVEの組成は、50〜90/10〜50モル%であることが好ましく、50〜80/20〜50モル%であることがより好ましく、55〜70/30〜45モル%であることがさらに好ましい。また、架橋部位を与える単量体は、TFEとPAVEの合計量に対して、0〜5モル%であることが好ましく、0〜2モル%であることがより好ましい。これらの組成の範囲を外れると、ゴム弾性体としての性質が失われ、樹脂に近い性質となる傾向がある。
この場合のPAVEとしては、たとえばパーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、パーフルオロ(ブチルビニルエーテル)などがあげられ、これらをそれぞれ単独で、または任意に組合せて用いることができる。
架橋部位を与える単量体としては、たとえば、一般式(1):
CX1 2=CX1−Rf 1CHR12 (1)
(式中、X1は、水素原子、フッ素原子または−CH3、R1は、水素原子または−CH3、X2は、ヨウ素原子または臭素原子、Rf 1は、フルオロアルキレン基、パーフルオロアルキレン基、フルオロポリオキシアルキレン基またはパーフルオロポリオキシアルキレン基であり、エーテル結合性の酸素原子を含んでいてもよい)
で表されるヨウ素または臭素含有単量体、一般式(2):
CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)m−(CF2n−X3 (2)
(式中、mは、0〜5の整数、nは、1〜3の整数、X3は、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、または臭素原子)
で表されるような単量体などがあげられ、これらをそれぞれ単独で、または任意に組合わせて用いることができる。このヨウ素原子、臭素原子、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基が架橋点として機能することができる。
パーフルオロエラストマーは、常法により製造することができる。
パーフルオロエラストマーの具体例としては、国際公開第97/24381号パンフレット、特公昭61−57324号公報、特公平4−81608号公報、特公平5−13961号公報などに記載されているパーフルオロゴムなどがあげられる。
また、本発明においては、前述のようなフルオロエラストマーと熱可塑性フッ素ゴムとからなる組成物を用いることもできる。
本発明に用いるフルオロエラストマーシール材は、前述のようなフルオロエラストマー、架橋剤および架橋助剤を含む組成物を用いて成形することができる。
架橋剤としては、採用する架橋系によって適宜選定すればよい。架橋系としてはポリアミン架橋系、ポリオール架橋系、パーオキサイド架橋系、イミダゾール架橋系のいずれも採用できる。また、トリアジン架橋系、オキサゾール架橋系、チアゾール架橋系なども採用できる。これら架橋剤のなかでも、シール材の耐熱性および固着強度が小さく、しかもシール材との接触面の汚染および変色が改善される点から、イミダゾール架橋系、トリアジン架橋系、オキサゾール架橋系、チアゾール架橋系のものが好ましく、イミダゾール架橋系、オキサゾール架橋系、チアゾール架橋系のものがより好ましい。
架橋剤としては、ポリオール架橋系ではたとえば、ビスフェノールAF、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ジアミノビスフェノールAFなどのポリヒドロキシ化合物が、パーオキサイド架橋系ではたとえばα,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイドなどの有機過酸化物が、ポリアミン架橋系ではたとえばヘキサメチレンジアミンカーバメート、N,N′−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサメチレンジアミンなどのポリアミン化合物があげられる。
また、本発明に用いるフルオロエラストマーシール材を形成する組成物は、フルオロエラストマーがシアノ基を有する場合には、テトラフェニルスズ、トリフェニルスズなどの有機スズ化合物を含有させることにより、シアノ基がトリアジン環を形成することによりトリアジン架橋させることもできる点から、該有機スズ化合物を含んでいてもよい。
オキサゾール架橋系、イミダゾール架橋系、チアゾール架橋系に使用する架橋剤としては、たとえば一般式(3):
Figure 0004992897
(式中、R2は−SO2−、−O−、−CO−、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数1〜10のパーフルオロアルキレン基または単結合手であり、R3およびR4は一方が−NH2であり他方が−NHR5、−NH2、−OHまたは−SHであり、R5は水素原子、フッ素原子または一価の有機基であり、好ましくはR3が−NH2でありR4が−NHR5である)
で示されるビスジアミノフェニル系架橋剤、ビスアミノフェノール系架橋剤、ビスアミノチオフェノール系架橋剤、一般式(4):
Figure 0004992897
で示されるビスアミドラゾン系架橋剤、一般式(5)または(6):
Figure 0004992897
(式中、Rf 2は炭素数1〜10のパーフルオロアルキレン基)、
Figure 0004992897
(式中、nは1〜10の整数)
で示されるビスアミドキシム系架橋剤などがあげられる。これらのビスアミノフェノール系架橋剤、ビスアミノチオフェノール系架橋剤またはビスジアミノフェニル系架橋剤などは、従来シアノ基を架橋点とする架橋系に使用していたものであるが、カルボキシル基およびアルコキシカルボニル基とも反応し、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環を形成し、架橋物を与える。
とくに好ましい架橋剤としては、複数個の3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル基、または3−アミノ−4−メルカプトフェニル基を有する化合物、もしくは一般式(7):
Figure 0004992897
(式中、R2、R3、R4は前記と同じ)
で示される化合物があげられ、具体的には、たとえば2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(一般名:ビス(アミノフェノール)AF)、2,2−ビス(3−アミノ−4−メルカプトフェニル)ヘキサフルオロプロパン、テトラアミノベンゼン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)メタン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)エーテル、2,2−ビス(3,4−ジアミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−フェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンなどである。
架橋剤および/または有機スズ化合物の配合量はフルオロエラストマー100重量部に対して0.01〜10重量部であることが好ましく、0.1〜5重量部であることがより好ましい。架橋剤および/または有機スズ化合物が、0.01重量部未満であると、架橋度が不足するため、成形品の性能が損なわれる傾向があり、10重量部をこえると、架橋密度が高くなりすぎるため架橋時間が長くなることに加え、経済的にも好ましくない傾向がある。
ポリオール架橋系の架橋助剤としては、各種の4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩、環状アミン、1官能性アミン化合物など、通常エラストマーの架橋に使用される有機塩基が使用できる。具体例としては、たとえばテトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドなどの4級アンモニウム塩;ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、トリブチルアリルホスホニウムクロリド、トリブチル−2−メトキシプロピルホスホニウムクロリド、ベンジルフェニル(ジメチルアミノ)ホスホニウムクロリドなどの4級ホスホニウム塩;ベンジルメチルアミン、ベンジルエタノールアミンなどの一官能性アミン;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−ウンデク−7−エンなどの環状アミンなどがあげられる。
パーオキサイド架橋系の架橋助剤としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリス(ジアリルアミン−s−トリアジン)、トリアリルホスファイト、N,N−ジアリルアクリルアミド、ヘキサアリルホスホルアミド、N,N,N′,N′−テトラアリルテトラフタラミド、N,N,N′,N′−テトラアリルマロンアミド、トリビニルイソシアヌレート、2,4,6−トリビニルメチルトリシロキサン、トリ(5−ノルボルネン−2−メチレン)シアヌレートなどがあげられる。これらの中でも、架橋性、架橋物の物性の点から、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)が好ましい。
架橋助剤の配合量はフルオロエラストマー100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましく、0.1〜5.0重量部であることがより好ましい。架橋助剤が、0.01重量部未満であると、架橋時間が実用に耐えないほど長くなる傾向があり、10重量部をこえると、架橋時間が速くなり過ぎることに加え、成形品の圧縮永久歪も低下する傾向がある。
さらに通常の添加剤である充填材(カーボンブラックのような無機充填材、ポリイミド樹脂粉末等の有機フィラー)、加工助剤、顔料、酸化マグネシウムのような金属酸化物、水酸化カルシウムのような金属水酸化物などを本発明の目的を損なわない限り使用してもよい。
さらに、強度、硬度、シール性の点から、カーボンブラック、金属酸化物などの無機フィラー、エンジニアリング樹脂粉末などの有機フィラーなどの充填材を添加することが好ましい。具体的には、金属酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなどがあげられ、有機フィラーとしては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドなどのイミド構造を有するイミド系フィラー;ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリオキシベンゾエートなどをあげることができる。
これらの充填材の添加量は、フルオロエラストマー100重量部に対して、1〜50重量部であることが好ましく、5〜20重量部であることがより好ましい。充填材の添加量が、1重量部未満であると、ほとんど充填材としての効果が期待できない傾向があり、50重量部をこえると、非常に高硬度となり、シール材として適さない傾向にある。
また、加工助剤、顔料、水酸化カルシウムのような金属水酸化物などを本発明の目的を損なわない限り使用してもよい。
また、シール性の点から、コーティング膜の種類、膜厚によって、シール材自身の硬度を最適に選択することが好ましい。
フルオロエラストマーシール材の成形方法としては、一般的な成形方法であれば特に限定されないが、たとえば、圧縮成形、押出し成形、トランスファー成形、射出成形など、従来公知の方法が採用できる。
本発明のシール材は、パーフルオロトリ−n−ブチルアミンに60℃で70時間浸漬し、取り出し後、90℃で5時間、125℃で5時間および200℃で10時間乾燥させたときのシール材の重量減少率が、0.4重量%以下であるフルオロエラストマーシール材、または加熱による水分発生量が400ppm以下であるフルオロエラストマーシール材の表面全体または一部を無機系材料から形成されるコーティング膜でコーティングすることにより得られるものである。
無機系材料としては、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、それらの複合物、ダイヤモンド状炭素からなる群より選ばれる1つ以上の無機材料があげられる。
金属としては、アルミニウム、シリコン、チタン、イットリウムなどがあげられ、それぞれの酸化物、窒化物、炭化物があげられる。これらの中でも、材料価格、取り扱い性、耐プラズマ性の点から、アルミニウム、アルミナが好ましい。
ダイヤモンド状炭素膜とは、ダイヤモンドライクカーボン(以下、DLC)ともいわれ、ダイヤモンド構造を取り炭素間はsp3混成軌道によって結合されている炭素膜をいう。
無機系材料から形成されるコーティング膜は、膜の種類によって適切な膜硬度を選択することができる。例えば、ダイヤモンド状炭素膜の場合、ビッカース硬度が5〜500であることが好ましく、20〜150であることがより好ましい。ビッカース硬度が5未満であると、耐プラズマ性、非固着性に劣る傾向があり、500を超えるとシール性が劣る傾向がある。
無機系材料から形成されるコーティング膜の膜厚は、膜の種類によって適切に選択することができる。例えば、ダイヤモンド状炭素膜の場合、0.05〜10μmであることが好ましく、0.1〜5μmであることがより好ましい。0.05μm未満であると、コーティング膜自体の耐久性が劣り、非固着性、耐プラズマ性といった特性が充分でない傾向があり、10μmをこえると、フルオロエラストマーシール材の変形に追従できないために、シール性に劣るとともに、表面に耐プラズマ性を悪化させるような亀裂が生じる傾向がある。一方、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、それらの複合物から形成されるコーティング膜の場合、0.005〜1μmであることが好ましく、0.01〜0.8μmであることがより好ましい。0.005μm未満であると、コーティング膜自体の耐久性が劣り、非固着性、耐プラズマ性といった特性が充分でない傾向があり、1μmをこえると、フルオロエラストマーシール材の変形に追従できないために、シール性に劣るとともに、表面に耐プラズマ性を悪化させるような亀裂が生じる傾向がある。
無機系材料から形成されるコーティング膜の成膜方法としては、真空成膜法が好適に使用される。真空成膜法としては、イオンプレーティング法、スパッタ法、CVD法、蒸着法などがあげられるが、これらの中でも、プラズマCVD法、イオンプレーティング法が好ましい。特に金属コーティング膜の形成法としては、コーティング膜の密着性の点、低温での成膜が可能である点、コーティング用の蒸発可能な材料の入手が容易な点、窒化物・炭化物の成膜も可能であるといった点から、イオンプレーティング法が好ましく、その中でも、ホローカソードプラズマガンを使用するイオンプレーティング法がより好ましい。
イオンプレーティング法による成膜条件としては、フルオロエラストマーの種類、コーティング膜の種類、および目的の膜厚により適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。
また、コーティングする前に、フルオロエラストマーシール材の表面をプラズマアッシングなどにより表面処理することが、コーティング層の密着性を高める上で好ましい。
また、無機系材料から形成されるコーティング膜がダイヤモンド状炭素膜である場合、その形成方法としては、プラズマCVD法が好ましく、また、例えば、特開平10−53870号公報などに記載の方法なども好適に用いることができる。
さらに、無機系材料から形成されるコーティング膜を複数層にすることもできる。
本発明のシール材は、下記条件下で、O2、CF4、NF3プラズマをそれぞれ照射した時の重量減少率が、いずれも1重量%以下であることが好ましく、いずれも0.1重量%以下であることがより好ましい。重量減少率が、大きくなると、コーティング膜によるプラズマの遮蔽効果がほとんど無くなる傾向がある。

サンプル:厚さ2mm、10mm×35mmのシート
照射条件:
2、CF4プラズマ ガス流量・・・・・・・・16SCCM
圧力・・・・・・・・・・20mTorr
出力・・・・・・・・・・800W
照射時間・・・・・・・・10分間
NF3プラズマ NF3/Ar・・・・・・・1SLM/1SLM
圧力・・・・・・・・・・3Torr
照射時間・・・・・・・・2時間
温度・・・・・・・・・・150℃
本発明のシール材は、半導体製造装置、液晶パネル製造装置、プラズマパネル製造装置、プラズマアドレス液晶パネル、フィールドエミッションディスプレイパネル、太陽電池基板等の半導体関連分野、自動車分野、航空機分野、ロケット分野、船舶分野、プラント等の化学品分野、医薬品等の薬品分野、現像機等の写真分野、印刷機械等の印刷分野、塗装設備等の塗装分野、分析・理化学機分野、食品プラント機器分野、原子力プラント機器分野、鉄板加工設備等の鉄鋼分野、一般工業分野、電気分野、燃料電池分野で、電子部品分野などの分野で好適に用いることができる。
半導体製造装置、液晶パネル製造装置、プラズマパネル製造装置、プラズマアドレス液晶パネル、フィールドエミッションディスプレイパネル、太陽電池基板等の半導体関連分野で用いるシール材の形態としては、O(角)リング、パッキン、チューブ、ロール、コーティング、ライニング、ガスケット、ダイアフラム、ホース等があげられ、これらはCVD装置、ドライエッチング装置、ウェットエッチング装置、酸化拡散装置、スパッタリング装置、アッシング装置、洗浄装置、イオン注入装置、排気装置、薬液配管、ガス配管に用いることができる。具体的には、O(角)リングの形態で、ゲートバルブのOリング、クォーツウィンドウのOリング、チャンバーのOリング、ゲートのOリング、ベルジャーのOリング、カップリングのOリング、ポンプのOリング、半導体用ガス制御装置のOリング(ダイアフラムの形態もとり得る)、レジスト現像液や剥離液用のOリング、ウェハー洗浄液用のホースなどがあげられ、チューブの形態で、ウェハー搬送用のロールなどがあげられる。そのほかライニングまたはコーティングの形態として、レジスト現像液槽や剥離液槽のライニング、ウェハー洗浄液槽のライニング、ウェットエッチング槽のライニングまたはコーティングなどがあげられる。さらに、封止材・シーリング剤、光ファイバーの石英の被覆材、絶縁、防振、防水、防湿を目的とした電子部品、回路基盤のポッティング、コーティング、接着シール、磁気記憶装置用ガスケット、エポキシ等の封止材料の変性材、クリーンルーム・クリーン設備用シーラント等として用いられる。
本発明のシール材は、これらの中でも特に液晶・半導体製造装置、なかでも耐プラズマ性に優れる点から、プラズマ処理装置のシール材に好適に用いることができる。
本発明はさらに、本発明のシール材を有する各種部品、特に液晶・半導体製造装置、なかでも耐プラズマ性に優れる点から、プラズマ処理装置の部品にも関する。部品としては、前記のゲートバルブ、クォーツウィンドウ、チャンバー、ゲート、ベルジャー、カップリング、ポンプなどが例示できる。
つぎに本発明を実施例をあげて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
評価法
<重量減少率の測定>
(1)未処理の(フルオロエラストマー)シール材の重量を測定し(Ag)、
(2)(フルオロエラストマー)シール材をパーフルオロトリ−n−ブチルアミンに60℃で70時間浸漬し、取り出し後、該成形品を90℃に設定したオーブンで5時間かけて乾燥させた後、オーブンの設定温度を125℃にして5時間乾燥させ、さらに設定温度を200℃にして10時間乾燥し、
(3)乾燥後の(フルオロエラストマー)シール材の重量を測定する(Bg)ことにより行った。(フルオロエラストマー)シール材の重量減少率は、{(A−B)/A}×100(重量%)により計算する。
<水分発生量>
実施例および比較例で得られたOリング(P24サイズ、1.7g)を200℃で30分間加熱した時の発生水分量をカール・フィッシャー式水分測定機(平沼(株)製のAQS−720)により測定する。得られた水分量の実測値(μg)を、試料であるOリングの重量1.7gで割った値(ppm)を、水分発生量とする。
<非固着性>
図1に示すように、2枚のSUS316板1の間に、被験サンプル2として実施例および比較例で得られたOリング(P24サイズ)を置き、荷重3を置き、200℃、25%圧縮で168時間放置する。その後、圧縮を加えた状態のまま、室温まで放冷した後、図2に示すように、SUS316板1をせん断方向4に引っ張り、固着強度(180度、せん断剥離)を測定する。
<耐プラズマ性>
実施例および比較例で得られたOリング(P24サイズ)を用いて、以下の条件で耐プラズマ性を測定する。
(O2、CF4プラズマ)
使用プラズマ照射装置:ICP高密度プラズマ装置((株)サムコインターナショナル研究所製、MODEL RIE−101iPH)
照射条件: ガス流量・・・・・・・・16SCCM
圧力・・・・・・・・・・20mTorr
出力・・・・・・・・・・800W
照射時間・・・・・・・・10分間
チャンバー温度・・・・・200℃
照射操作:プラズマ照射装置のチャンバー内の雰囲気を安定させるために、チャンバー前処理として5分間かけて実ガス空放電を行う。ついで被験サンプルを入れたアルミニウム製の容器をRF電極の中心部に配置し、上記の条件下でプラズマを照射する。重量測定:ザートリウス(Sertorious)・GMBH製の電子分析天秤2006MPE(商品名)を使用し、0.01mgまで測定し(0.01mgの桁を四捨五入する)、プラズマ照射前からの重量減少を重量%で示す。
製造例1
着火源をもたない内容積3リットルのステンレススチール製オートクレーブに、純水1リットルおよび乳化剤として
Figure 0004992897
10g、pH調整剤としてリン酸水素二ナトリウム・12水塩0.09gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換し脱気したのち、600rpmで撹拌しながら、50℃に昇温し、テトラフルオロエチレン(TFE)とパーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)の混合ガス(TFE/PMVE=25/75モル比)を、内圧が0.78MPa・Gになるように仕込んだ。ついで、過硫酸アンモニウム(APS)の527mg/mlの濃度の水溶液10mlを窒素圧で圧入して反応を開始した。
重合の進行により内圧が、0.69MPa・Gまで降下した時点で、CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2CN(CNVE)3gを窒素圧にて圧入した。ついで圧力が0.78MPa・Gになるように、TFEを4.7gおよびPMVE5.3gをそれぞれ自圧にて圧入した。以後、反応の進行にともない同様にTFE、PMVEを圧入し、0.69〜0.78MPa・Gのあいだで、昇圧、降圧を繰り返すと共に、TFEとPMVEの合計量が70g、130g、190gおよび250gとなった時点でそれぞれCNVE3gを窒素圧で圧入した。
重合反応の開始から19時間後、TFEおよびPMVEの合計仕込み量が、300gになった時点で、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出して固形分濃度21.2重量%の水性分散体1330gを得た。
この水性分散体のうち1196gを水3588gで希釈し、3.5重量%塩酸水溶液2800g中に、撹拌しながらゆっくりと添加した。添加後5分間撹拌した後、凝析物をろ別し、得られたポリマーをさらに2kgのHCFC−141b中にあけ、5分間撹拌し、再びろ別した。この後このHCFC−141bによる洗浄、ろ別の操作をさらに4回繰り返したのち、60℃で72時間真空乾燥させ、240gのポリマーを得た。
19F−NMR分析の結果、この重合体のモノマー単位組成は、TFE/PMVE/CNVE=56.6/42.3/1.1(モル%)であった。赤外分光分析により測定したところ、カルボキシル基の特性吸収が1774.9cm-1、1808.6cm-1付近に、OH基の特性吸収が、3557.5cm-1および3095.2cm-1付近に認められた。
製造例2
着火源をもたない内容積6リットルのステンレススチール製オートクレーブに、純水2リットルおよび乳化剤としてC715COONH420g、pH調整剤としてリン酸水素二ナトリウム・12水塩0.18gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換し脱気したのち、600rpmで撹拌しながら、80℃に昇温し、テトラフルオロエチレン(TFE)とパーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)の混合ガス(TFE/PMVE=29/71モル比)を、内圧が1.17MPa・Gになるように仕込んだ。ついで、過硫酸アンモニウム(APS)の186mg/mlの濃度の水溶液2mlを窒素圧で圧入して反応を開始した。
重合の進行により内圧が、1.08MPa・Gまで降下した時点で、I(CF24I 4gを圧入した。ついでTFE22.0gおよびPMVE20.0gをそれぞれ自圧にて圧入し、昇圧、降圧を繰り返した。TFEおよびPMVEの合計仕込量が430g、511g、596gおよび697gに達した時点でICH2CF2CF2OCF=CF2をそれぞれ1.5gずつ圧入した。また反応開始後12時間毎に20mg/mlのAPS水溶液2mlを窒素ガスで圧入した。
重合反応の開始から45時間後、TFEおよびPMVEの合計仕込み量が、860gになった時点で、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出して固形分濃度30.0重量%の水性分散体を得た。
この水性分散体をビーカーに入れ、ドライアイス/メタノール中で凍結させ凝析を行い、解凍後、凝析物を水洗、真空乾燥してゴム状重合体850gを得た。この重合体のムーニー粘度ML(1+10)(100℃)は55であった。
19F−NMR分析の結果、この重合体のモノマー単位組成は、TFE/PMVE=64.0/36.0(モル%)であり、元素分析から得られたヨウ素含有量は0.34重量%であった。
製造例3
製造例1で得られた末端にカルボキシル基を有するシアノ基含有含フッ素エラストマーとジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンスのポリマー・ケミストリー編、Vol.20、2381〜2393頁(1982)に記載の方法で合成した架橋剤である2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−フェニルアミノ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン(AFTA−Ph)と充填材であるカーボンブラック(Cancarb社製 Thermax N−990)とを重量比100/2.83/20で混合し、オープンロールにて混練して架橋可能なフッ素ゴム組成物を調製した。
このフッ素ゴム組成物を180℃で30分間プレスして架橋を行ない、さらに290℃で18時間、オーブン架橋を施し、P24サイズおよびAS035サイズのOリング(A)を作製した。なお、同様にして作製した被験サンプル用Oリング(A’)の重量減少率は、0.80重量%であった。
Oリング(A)を、R−318(ダイキン(株)製、主成分:C88Cl12)に、60℃で、70時間浸漬した後、90℃で5時間、125℃で5時間および200℃で10時間乾燥させ、Oリング(B)を作製した。なお、同様にして作製した被験サンプル用Oリング(B’)の重量減少率は、0.06重量%であった。
製造例4
製造例2で得られたフルオロエラストマーと架橋剤であるトリアリルイソシアヌレート(TAIC、日本化成(株)製)と2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(パーヘキサ25B、日本油脂(株)製)と充填材であるカーボンブラック(Cancarb社製 Thermax N−990)とを重量比100/2/1/20で混合し、オープンロールにて混練して架橋可能なフッ素ゴム組成物を調製した。
このフッ素ゴム組成物を160℃で10分間プレスして架橋を行い、さらに180℃で4時間オーブン架橋を施し、P24サイズおよびAS035サイズのOリング(C)を作製した。なお、同様にして作製した被験サンプル用Oリング(C’)の加熱による水分発生量は460ppmであった。
Oリング(C)を、充分に多量の硫酸/過酸化水素(6/4重量比)中において、100℃にて15分間撹拌下に洗浄し、ついで5%フッ酸により25℃にて15分間洗浄し、さらに超純水により100℃にて2時間煮沸洗浄したのちに、チッ素ガス気流下で200℃にて18時間加熱処理し、Oリング(D)を作製した。なお、同様にして作製した被験サンプル用Oリング(D’)の加熱による水分発生量は200ppmであった。
製造例5
Oリング(A)を、フロリナートFC−77(住友スリーエム株式会社製)に、60℃で、70時間浸漬した後、90℃で5時間、125℃で5時間および200℃で10時間乾燥させ、Oリング(E)を作製した。なお、同様にして作製した被験サンプル用Oリング(E’)の重量減少率は、0.12重量%であった。
実施例1
Oリング(B)の表面全体に、プラズマCVD法により、ビッカース硬度50、平均膜厚0.1μmのダイヤモンド状炭素膜を形成して、シール材(1)を作製した。得られたシール材(1)のシール性、耐プラズマ性、非固着性の試験を行った。その結果を表1に示す。また、得られたシール材(1)の重量減少率は、0.06重量%であった。
実施例2
Oリング(B)の表面全体に、プラズマCVD法により、ビッカース硬度150、平均膜厚0.1μmのダイヤモンド状炭素膜を形成して、シール材(2)を作製した。得られたシール材(2)のシール性、耐プラズマ性、非固着性の試験を行った。その結果を表1に示す。また、得られたシール材(2)の重量減少率は、0.06重量%であった。
実施例3
Oリング(D)の表面全体に、イオンプレーティング法(成膜条件:蒸発材料アルミニウム、放電電流50A、アルゴン流量40SCCM、成膜圧力0.25mTorr)により、ビッカース硬度2000、平均膜厚0.2μmのアルミニウム膜を形成して、シール材(3)を作製した。得られたシール材(3)のシール性、耐プラズマ性、非固着性の試験を行った。その結果を表1に示す。また、得られたシール材(3)の加熱による水分発生量は200ppmであった。
実施例4
Oリング(B)をOリング(E)に変更した以外は、実施例1と同様にしてシール材(6)を作製した。得られたシール材(6)の耐プラズマ性、非固着性の試験を行った。その結果を表1に示す。また、得られたシール材(6)の重量減少率は、0.12重量%であった。
比較例1
Oリング(B)をOリング(A)に変更した以外は、実施例1と同様にしてシール材(4)を作製した。得られたシール材(4)のシール性、耐プラズマ性、非固着性の試験を行った。その結果を表1に示す。また、得られたシール材(4)の重量減少率を測定は、0.80重量%であった。
比較例2
Oリング(B)をOリング(C)に変更した以外は、実施例1と同様にしてシール材を作製した。得られたシール材(5)のシール性、耐プラズマ性、非固着性の試験を行った。その結果を表1に示す。また、得られたシール材(5)の加熱による水分発生量は460ppmであった。
比較例3〜6
比較例3ではOリング(A)を、比較例4ではOリング(B)を、比較例5ではOリング(C)を、比較例6ではOリング(D)をコーティング膜を形成せずにそのまま使用して、シール材のシール性、耐プラズマ性、非固着性の試験を行った。その結果を表1に示す。
比較例7
比較例7ではOリング(E)をコーティング膜を形成せずにそのまま使用して、シール材の耐プラズマ性、非固着性の試験を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0004992897
製造例6
製造例2で得られたフルオロエラストマーと架橋剤であるトリアリルイソシアヌレート(TAIC、日本化成(株)製)と2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(パーヘキサ25B、日本油脂(株)製)と充填材である酸化アルミニウム(住友化学工業(株)製 AKP−G015)とを重量比100/2/1/15で混合し、オープンロールにて混練して架橋可能なフッ素ゴム組成物を調製した。
このフッ素ゴム組成物を160℃で10分間プレスして架橋を行い、さらに180℃で4時間オーブン架橋を施し、P24サイズおよびAS035サイズのOリング(F)を作製した。なお、同様にして作製した被験サンプル用Oリング(F’)の加熱による水分発生量は280ppmであった。
製造例7
製造例6において、重量比100/2/1/20で混合した以外は同様にして、架橋可能なフッ素ゴム組成物を調製した。
このフッ素ゴム組成物を160℃で10分間プレスして架橋を行い、さらに180℃で4時間オーブン架橋を施し、P24サイズおよびAS035サイズのOリング(G)を作製した。なお、同様にして作製した被験サンプル用Oリング(G’)の加熱による水分発生量は330ppmであった。
製造例8
製造例6において、重量比100/2/1/22.5で混合で混合した以外は同様にして、架橋可能なフッ素ゴム組成物を調製した。
このフッ素ゴム組成物を160℃で10分間プレスして架橋を行い、さらに180℃で4時間オーブン架橋を施し、P24サイズおよびAS035サイズのOリング(H)を作製した。なお、同様にして作製した被験サンプル用Oリング(H’)の加熱による水分発生量は370ppmであった。
製造例9
製造例6において、重量比100/2/1/25で混合で混合した以外は同様にして、架橋可能なフッ素ゴム組成物を調製した。
このフッ素ゴム組成物を160℃で10分間プレスして架橋を行い、さらに180℃で4時間オーブン架橋を施し、P24サイズおよびAS035サイズのOリング(I)を作製した。なお、同様にして作製した被験サンプル用Oリング(I’)の加熱による水分発生量は420ppmであった。
製造例10
製造例6において、重量比100/2/1/30で混合で混合した以外は同様にして、架橋可能なフッ素ゴム組成物を調製した。
このフッ素ゴム組成物を160℃で10分間プレスして架橋を行い、さらに180℃で4時間オーブン架橋を施し、P24サイズおよびAS035サイズのOリング(J)を作製した。なお、同様にして作製した被験サンプル用Oリング(J’)の加熱による水分発生量は510ppmであった。
実施例5
Oリング(F)の表面全体に、プラズマCVD法により、ビッカース硬度50、平均膜厚0.1μmのダイヤモンド状炭素膜を形成して、シール材(7)を作製した。得られたシール材(7)の耐ピンホール性をつぎの方法により評価した。その結果を表2に示す。また、得られたシール材(7)の加熱による水分発生量は、280ppmであった。
<耐ピンホール性>
実施例5〜7および比較例8〜9で得られたOリング(P24サイズ)を用いて、以下の条件で試料にO2プラズマを照射し、プラズマ照射後の試料の表面をデジタルマイクロスコープ((株)KEYENCE製 VH-6300)で観察し、ピンホール発生の有無を評価した。
評価基準
◎:プラズマ照射20分間後において、試料表面にピンホール発生無し
○:プラズマ照射10分間後において、試料表面にピンホール発生無しであるが、
20分後ではピンホール発生有り
×:プラズマ照射10分間後において、試料表面にピンホール発生有り
(O2プラズマ)
使用プラズマ照射装置:ICP高密度プラズマ装置((株)サムコインターナショナル研究所製、MODEL RIE−101iPH)
照射条件: ガス流量・・・・・・・・16SCCM
圧力・・・・・・・・・・20mTorr
出力・・・・・・・・・・800W
照射時間・・・・・・・・10分間、20分間
チャンバー温度・・・・・200℃
実施例6
Oリング(G)の表面全体に、プラズマCVD法により、ビッカース硬度50、平均膜厚0.1μmのダイヤモンド状炭素膜を形成して、シール材(8)を作製した。得られたシール材(8)の耐ピンホール性を評価した。その結果を表2に示す。また、得られたシール材(8)の加熱による水分発生量は、330ppmであった。
実施例7
Oリング(H)の表面全体に、プラズマCVD法により、ビッカース硬度50、平均膜厚0.1μmのダイヤモンド状炭素膜を形成して、シール材(9)を作製した。得られたシール材(9)の耐ピンホール性を評価した。その結果を表2に示す。また、得られたシール材(9)の加熱による水分発生量は、370ppmであった。
比較例8
Oリング(I)の表面全体に、プラズマCVD法により、ビッカース硬度50、平均膜厚0.1μmのダイヤモンド状炭素膜を形成して、シール材(10)を作製した。得られたシール材(10)の耐ピンホール性を評価した。その結果を表2に示す。また、得られたシール材(10)の加熱による水分発生量は、420ppmであった。
比較例9
Oリング(J)の表面全体に、プラズマCVD法により、ビッカース硬度50、平均膜厚0.1μmのダイヤモンド状炭素膜を形成して、シール材(11)を作製した。得られたシール材(11)の耐ピンホール性を評価した。その結果を表2に示す。また、得られたシール材(11)の加熱による水分発生量は、510ppmであった。
Figure 0004992897
製造例11
製造例3で得られたOリング(A)を、R−318(ダイキン(株)製、主成分:C88Cl12)に、60℃で、10時間浸漬した後、90℃で5時間、125℃で5時間および200℃で10時間乾燥させ、Oリング(K)を作製した。なお、同様にして作製した被験サンプル用Oリング(K’)の重量減少率は、0.48重量%であった。
製造例12
製造例3で得られたOリング(A)を、R−318(ダイキン(株)製、主成分:C88Cl12)に、60℃で、20時間浸漬した後、90℃で5時間、125℃で5時間および200℃で10時間乾燥させ、Oリング(L)を作製した。なお、同様にして作製した被験サンプル用Oリング(L’)の重量減少率は、0.36重量%であった。
製造例13
製造例3で得られたOリング(A)を、R−318(ダイキン(株)製、主成分:C88Cl12)に、60℃で、30時間浸漬した後、90℃で5時間、125℃で5時間および200℃で10時間乾燥させ、Oリング(M)を作製した。なお、同様にして作製した被験サンプル用Oリング(M’)の重量減少率は、0.20重量%であった。
製造例14
製造例3で得られたOリング(A)を、R−318(ダイキン(株)製、主成分:C88Cl12)に、60℃で、50時間浸漬した後、90℃で5時間、125℃で5時間および200℃で10時間乾燥させ、Oリング(N)を作製した。なお、同様にして作製した被験サンプル用Oリング(N’)の重量減少率は、0.10重量%であった。
比較例10
Oリング(K)の表面全体に、プラズマCVD法により、ビッカース硬度50、平均膜厚0.1μmのダイヤモンド状炭素膜を形成して、シール材(12)を作製した。得られたシール材(12)の耐ピンホール性を評価した。その結果を表3に示す。また、得られたシール材(12)の重量減少率は、0.48重量%であった。
実施例8
Oリング(L)の表面全体に、プラズマCVD法により、ビッカース硬度50、平均膜厚0.1μmのダイヤモンド状炭素膜を形成して、シール材(13)を作製した。得られたシール材(13)の耐ピンホール性を評価した。その結果を表3に示す。また、得られたシール材(13)の重量減少率は、0.36重量%であった。
実施例9
Oリング(M)の表面全体に、プラズマCVD法により、ビッカース硬度50、平均膜厚0.1μmのダイヤモンド状炭素膜を形成して、シール材(14)を作製した。得られたシール材(14)の耐ピンホール性を評価した。その結果を表3に示す。また、得られたシール材(14)の重量減少率は、0.20重量%であった。
実施例10
Oリング(N)の表面全体に、プラズマCVD法により、ビッカース硬度50、平均膜厚0.1μmのダイヤモンド状炭素膜を形成して、シール材(15)を作製した。得られたシール材(15)の耐ピンホール性を評価した。その結果を表3に示す。また、得られたシール材(15)の重量減少率は、0.10重量%であった。
Figure 0004992897
本発明のシール材は、特定のフルオロエラストマーシール材の表面に、無機系材料から形成されるコーティング膜を有することで、耐プラズマ性、シール性、非固着性を高めたシール材を提供することが可能となる。

Claims (6)

  1. フルオロエラストマーシール材の表面に、無機系材料から形成されるコーティング膜を有し、前記フルオロエラストマーは、パーフルオロエラストマーであり、前記無機系材料から形成されるコーティング膜は、膜厚が0.05〜10μmのダイヤモンド状炭素膜であり、
    かつ、パーフルオロトリ−n−ブチルアミンに60℃で70時間浸漬し、取り出し後、90℃で5時間、125℃で5時間および200℃で10時間乾燥させたときのシール材の重量減少率が、0.4重量%以下であるシール材。
  2. フルオロエラストマーシール材の表面に、無機系材料から形成されるコーティング膜を有し、前記フルオロエラストマーは、パーフルオロエラストマーであり、前記無機系材料から形成されるコーティング膜は、膜厚が0.05〜10μmのダイヤモンド状炭素膜であり、
    かつ、加熱によるシール材の水分発生量が400ppm以下であるシール材。
  3. プラズマ処理装置用である請求の範囲第1項または第2項記載のシール材。
  4. 請求の範囲第1項または第2項記載のシール材を有するプラズマ処理装置用部品。
  5. パーフルオロトリ−n−ブチルアミンに60℃で70時間浸漬し、取り出し後、90℃で5時間、125℃で5時間および200℃で10時間乾燥させたときのシール材の重量減少率が、0.4重量%以下であるフルオロエラストマーシール材の表面に、無機系材料から形成されるコーティング膜を設けるシール材の製造方法であり、
    前記フルオロエラストマーは、パーフルオロエラストマーであり、
    前記無機系材料から形成されるコーティング膜は、膜厚が0.05〜10μmのダイヤモンド状炭素膜である
    シール材の製造方法。
  6. 加熱による水分発生量が400ppm以下であるフルオロエラストマーシール材の表面に、無機系材料から形成されるコーティング膜を設けるシール材の製造方法であり、
    前記フルオロエラストマーは、パーフルオロエラストマーであり、
    前記無機系材料から形成されるコーティング膜は、膜厚が0.05〜10μmのダイヤモンド状炭素膜である
    シール材の製造方法。
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