JP4314744B2 - エラストマー成形品 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、不純物金属含有量が低減化され、かつ耐プラズマ性または耐金属溶出性に優れ、半導体製造装置の封止に用いるシール材などを提供し得るクリーンな成形品に関する。
背景技術
半導体素子の製造には極めて高いクリーンさが要求されており、クリーンさの要請は半導体の製造工程の管理に止まらず、製造装置自体はもとより、その部品にまで及んでいる。半導体製造装置用の部品は装置に組み込んでから洗浄などでクリーン化できる程度は限られおり、組み込む以前に高度にクリーン化れていることが要求される。半導体の製造において特に問題となる汚染は、パーティクルと呼ばれる微粒子、有機配合物のほか、溶出金属分であり、微細なエッチング処理などに影響を与えている。
本発明が特に好適に適用できる半導体製造装置用のシール材も同様であり、本出願人はシール材自体の高クリーン化を成形後のシール材に特殊な洗浄方法などを施すことにより達成している(WO99/49997パンフレット)。
ところでこの種のシール材はゴムなどの架橋性エラストマー組成物を架橋成形して作製されており、機械的特性を付与するために組成物にカーボンブラックがフィラーとして充填されることがある。
半導体製造工程においてプラズマエッチングなどのドライ工程が施されることがある。そのドライプロセスにおいて、エラストマー製の成形部品からパーティクル(不純物微粒子)が発生することがあり、これも汚染源として排除しなければならない。
また、洗浄などのウェットプロセスで使用するシール材では、より一層の金属溶出が低減化されることが望まれる。
本発明は、不純物金属含有量が低減化されカーボンブラック含有架橋性エラストマー組成物を架橋成形して得られる耐プラズマ性または耐金属溶出性に優れた成形品に関する。
発明の開示
すなわち本発明は、灰化分析法による不純物金属含有量が300ppm以下で平均粒径が700μm以下のカーボンブラックフィラーと架橋性エラストマー成分とを含む架橋性エラストマー組成物を架橋成形して得られる成形品であって、該成形品の灰化分析法による不純物金属含有量が100ppm以下で、かつ(1)酸素プラズマ照射によるパーティクル増加率が500%以下であるか、または(2)50%HFによる不純物金属抽出量が500ppb以下であるエラストマー成形品に関する。
ドライプロセスに使用する場合は、特に黒鉛化カーボンブラックフィラーを使用することが好ましい。かかる黒鉛化カーボンブラックフィラーは、平均粒子径が10〜100μm、好ましくは10〜30μmであるのが、プラズマ照射後のパーティクル発生抑制の点から望ましい。
かかる不純物金属含有量が低減化された黒鉛化カーボンブラックフィラーは、原料カーボンブラックフィラーを高温で熱処理することによりフィラーの不純物金属含有量を低減化して得ることができる。
また不純物金属含有量示極めて少ないカーボンブラックフィラーを用いる場合は耐金属溶出性に特に優れており、ウェットプロセス用の成形品として好適である。この場合、平均粒径が比較的大きくても特に問題にはならない。
本発明によれば、前記特定のカーボンブラックフィラーをフッ素系やシリコーン系のエラストマー成分に配合して得られる架橋性エラストマー組成物は、優れた機械的および化学的特性をもつシール材を提供できる。このシール材を前記したWO99/49997パンフレット記載の特殊な洗浄法、すなわち超純水により洗浄する方法、洗浄温度で液状のクリーンな有機化合物や無機水溶液により洗浄する方法、乾式エッチング洗浄する方法、抽出洗浄する方法にしたがって処理することにより極めて高度にクリーン化され、しかも耐プラズマ性や耐金属溶出性に優れた半導体製造装置用の成形品が得られる。
発明を実施するための最良の形態
本発明に用いるカーボンブラックフィラーは、灰化分析法による不純物金属含有量が300ppm以下で、平均粒径が700μm以下のカーボンブラックフィラーである。
かかるカーボンブラックフィラーとしては、耐プラズマ性が要求されるドライプロセス用に好適な比較的小粒径の黒鉛化カーボンブラックフィラーと、耐金属溶出性が要求されるウェットプロセス用に好適な低不純物金属含有量(100ppm以下)のカーボンブラックフィラーがあげられる。
これらのうち黒鉛化カーボンブラックとしては、たとえば東海カーボン(株)製のトーカブラック#3885、#3855、#3845、#3800などがあげられ、特に加工性の点から比表面積が3m/g以上でDBP吸油量15ml/100g以上のカーボンブラックが好適である。
本発明で用いる黒鉛化カーボンブラックフィラーは、平均粒径が比較的小さいもの、好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは10〜30μmのものである。不純物金属の低減化は原料カーボンブラックを高温熱処理して達成される。ここでカーボンブラックフィラーの平均粒径とは、基板上に分散させたカーボンブラックフィラーを電子顕微鏡により倍率1万〜20万で観察し、無作為に選択した100個のフィラーの粒径を測定し、算術平均を求めた値をいう。
不純物金属としては、たとえばNa、K、Liなどのアルカリ金属;Ca、Mg、Baなどのアルカリ土類金属;Fe、Cu、Cr、Ni、Alなどが特に多く、問題となる。
本発明で用いるクリーンな黒鉛化カーボンブラックフィラーは架橋性のエラストマーに配合され架橋性エラストマー組成物とされる。配合量はエラストマー成分100重量部(以下、「部」という)に対して1〜150部、好ましくは1〜60部である。多量に配合するときは脱落するフィラー量が増え、パーティクルの原因になりやすい。
一方の不純物金属含有量が100ppm以下のカーボンブラックフィラーとしては、500〜700μmという比較的大きな平均粒径のカーボンブラック、たとえば高純度MTカーボンブラック(キャンカーブ社(Cancarb,LTD)製のUltra−Pure N−990)、または通常グレードのカーボンブラック(たとえばキャンカーブ社製のN−990など)に洗浄処理を施して得られる高純度カーボンブラックが使用できる。不純物金属含有量は低い方が好ましいが、好ましくは30ppm以下、さらに好ましくは10ppm以下である。
本発明の前記クリーンなカーボンブラックフィラーは架橋性のエラストマーに配合され架橋性エラストマー組成物とされる。配合量は架橋性エラストマー成分100部に対して1〜150部、好ましくは1〜80部である。多量に配合するときは脱落するフィラー量が増え、パーティクルの原因になりやすい。
架橋性エラストマー成分としては特に限定されないが、半導体製造装置用のシール材の製造原料として使用する場合はフッ素系エラストマーおよびシリコーン系エラストマーが好ましい。
フッ素系エラストマーとしては、過酸化物架橋可能なエラストマーまたは、イミダゾール架橋、オキサゾール架橋、チアゾール架橋もしくはトリアジン架橋可能なフッ素系エラストマーが好ましく使用できる。
過酸化物架橋可能なフッ素系エラストマーとしては、つぎのものがあげられる。
テトラフルオロエチレン40〜90モル%、式(1):
CF=CF−OR
(式中、Rは炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基、または炭素数3〜12でかつ酸素原子を1〜3個含むパーフルオロアルキル(ポリ)エーテル基)で表されるパーフルオロビニルエーテル10〜60モル%、および硬化部位を与える単量体0〜5モル%からなるパーフルオロ系エラストマー。
ビニリデンフルオライド30〜90モル%、ヘキサフルオロプロピレン15〜40モル%、テトラフルオロエチレン0〜30モル%からなるビニリデンフルオライド系エラストマー。
エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントと非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントを有する含フッ素多元セグメント化ポリマーであって、エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントが、テトラフルオロエチレン40〜90モル%、式(1):
CF=CF−OR
(式中、Rは炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基、または炭素数3〜12でかつ酸素原子を1〜3個含むパーフルオロアルキル(ポリ)エーテル基)で表されるパーフルオロビニルエーテル10〜60モル%、および硬化部位を与える単量体0〜5モル%からなり、非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントが、テトラフルオロエチレン85〜100モル%、式(2):
CF=CF−R
(式中、R はCFまたはOR (R は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基))0〜15モル%からなるパーフルオロ系熱可塑性エラストマー。エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントと非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントからなり、エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントがビニリデンフルオライド45〜85モル%とこのビニリデンフルオライドと共重合可能な少なくとも一種の他の単量体とからそれぞれ誘導された繰り返し単位を含む含フッ素多元セグメント化ポリマー。ここで他の単量体としては、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、トリフルオロプロピレン、テトラフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロブテン、テトラフルオロイソブテン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、フッ化ビニル、エチレン、プロピレン、アルキルビニルエーテルなどがあげられる。
ジヨウ素化合物の存在下にラジカル重合により得られる、ヨウ素含有フッ素化ビニルエーテル単位0.005〜1.5モル%、フッ化ビニリデン単位40〜90モル%およびパーフルオロ(メチルビニルエーテル)単位3〜35モル%(場合により25モル%までのヘキサフルオロプロピレン単位および/または40モル%までのテトラフルオロエチレン単位を含んでいてもよい)からなる耐寒性含フッ素エラストマー(特開平8−15753号公報)。テトラフルオロエチレンとプロピレンとの共重合体(米国特許第3,467,635号明細書)など。
この過酸化物架橋系に使用する架橋剤である過酸化物は、従来使用されている過酸化物が使用できるが、金属元素を含まないものがよいことは当然である。具体例としては、たとえば2,2−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンなどがあげられる。また、架橋助剤として、たとえばトリアリルイソシアヌレートなどを使用してもよい。
イミダゾール架橋、オキサゾール架橋またはチアゾール架橋可能なフッ素系エラストマーは、得られる成形品に極めて高い耐熱性を付与することができる。具体例としては、テトラフルオロエチレン単位と前記式(1)で示されるパーフルオロビニルエーテル単位を含み、架橋性反応基としてニトリル基、カルボキシル基および/またはアルコキシカルボニル基を有するフッ素系エラストマーがあげられる。
パーフルオロビニルエーテルとしては、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)などがあげられ、なかでもPMVEが好ましい。
テトラフルオロエチレン単位とパーフルオロビニルエーテル単位の含有比率はモル%で、40〜90/60〜10である。
イミダゾール架橋、オキサゾール架橋またはチアゾール架橋可能なフッ素系エラストマーに架橋反応性を付与する架橋性反応基としては、ニトリル基、カルボキシル基および/またはアルコキシカルボニル基である。アルコキシカルボニル基としては、たとえばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基などがあげられる。架橋性反応基の含有量は、5モル%以下、好ましくは2モル%以下である。
これらの架橋性反応基を導入する方法としては、架橋性反応基または架橋性反応基に変換し得る基を有する単量体を共重合する方法(共重合法)、重合体末端の重合開始剤部分をカルボキシル基などに変換する方法(末端基変換法)などがある。
共重合法に使用する単量体としては、
Figure 0004314744
[XはCN、COOHまたはCOOR(Rは炭素数1〜10のフッ素原子を含んでいてもよいアルキル基)である]
で示されるニトリル基含有単量体、カルボキシル基含有単量体、アルコキシカルボニル基含有単量体などがあげられる。
これらのうち末端基の少なくとも1つがカルボキシル基またはアルコキシカルボニル基である場合は、ニトリル基またはカルボキシル基を含有する単量体を共重合するのが架橋反応性の点で好ましい。
このイミダゾール架橋系、オキサゾール架橋系またはチアゾール架橋系に使用する架橋剤としては、アミノ基を2個以上有する化合物を使用するのが好ましいが、特に耐熱性を高める点から式(I):
Figure 0004314744
(式中、RはOH、NHまたはSHのいずれか1種である)で示される官能基(I)を少なくとも2個有する化合物が好ましい。
具体的な式(I)で示される化合物としては、式(II):
Figure 0004314744
(式中、Rは前記と同じ。Rは−SO−、−O−、−CO−、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数1〜10のパーフルオロアルキレン基、単結合手または式(III):
Figure 0004314744
で示される基である)で示される化合物である。なお、左右の官能基(I)におけるフェニル基に対するNH基とR基との位置関係は左右で同じでも逆でもよい。
の置換されていてもよいアルキレン基の好ましい具体例としては、限定的ではないが、たとえば炭素数1〜6の非置換アルキレン基または炭素数1〜10のパーフルオロアルキレン基などであり、パーフルオロアルキレン基としては
Figure 0004314744
などがあげられる。なお、これらのRは、特公平2−59177号公報、特開平8−120146号公報などでビスジアミノフェニル化合物の例示として知られているものである。
は左右のベンゼン環のいずれの位置に結合していてもよいが、合成が容易で架橋反応が容易に進行することから、NH基またはR基のいずれがパラ位になるように結合していることが好ましい。
具体例としては、限定的ではないが、たとえば2,2−ビス−(3,4−ジアミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス−(3,4−ジアミノフェニル)メタン、ビス−(3,4−ジアミノフェニル)エーテルなどのビスジアミノフェニル化合物(イミダゾール架橋系);
2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(一般名:ビス(アミノフェノール)AF)などのビスアミノフェノール化合物(オキサゾール架橋系);
2,2−ビス(3−アミノ−4−メルカプトフェニル)ヘキサフルオロプロパンなどのビスアミノチオフェノール化合物(チアゾール架橋系)などがあげられる。
これらの架橋剤は、機械的強度、耐熱性、耐薬品性に優れ、特に耐熱性と耐薬品性にバランスよく優れた成形品を与えるものである。
シリコーン系エラストマーとしては、たとえばシリコーンゴム、フルオロシリコーンゴムなどが好ましい。
エラストマー組成物は所望の製品の形状に架橋成形される。架橋方法は前記の過酸化物架橋、イミダゾール架橋、オキサゾール架橋またはチアゾール架橋が好ましいが、その他公知の架橋方法、たとえばトリアジン架橋、ポリオール架橋、ポリアミン架橋などでも、また、放射線架橋、電子線架橋などの方法でもよい。
架橋剤の使用量は、エラストマー成分100部に対して架橋剤を0.05〜10部、好ましくは0.1〜2.0部、また必要に応じて架橋助剤を0.1〜10部、好ましくは0.3〜5.0部配合する。そのほか、本発明の効果を損なわない範囲で加工助剤、内添離型剤などを配合してもよい。
本発明の架橋性エラストマー組成物は半導体製造装置用の成形品、特に高度なクリーンさが要求される半導体製造装置の封止用のシール材の製造に好適に使用できる。シール材としてはO−リング、角−リング、ガスケット、パッキン、オイルシール、ベアリングシール、リップシールなどがあげられる。
そのほか、各種のエラストマー製品、たとえばダイヤフラム、チューブ、ホース、各種ゴムロールなどとしても使用できる。また、コーティング用材料、ライニング用材料としても使用できる。
本発明の成形品は後述するプラズマエッチング装置のようなドライプロセスに使用する半導体製造装置の封止用シール材のほか、金属溶出を低減化できるので洗浄装置などのようなウェットプロセスに使用する半導体製造装置の封止用シール材として好適である。
ドライプロセスに好適な成形品は、灰化分析法による不純物金属含有量が100ppm以下であり、酸素プラズマ照射によるパーティクルの増加率が500%以下、好ましくは200%以下である。また、CFプラズマ照射によるパーティクルの増加量が700%以下、好ましくは500%以下である。なお、酸素プラズマ照射によるパーティクルの増加数は50×10個/cm以下であることが好ましい。
また、酸素プラズマ照射前後の重量変化が0.90重量%以下であり、またCFプラズマ照射前後の重量変化が0.330重量%以下であるのが好ましい。
ウェットプロセスに好適な成形品は、灰化分析法による不純物金属含有量が100ppm以下、好ましくは50ppm以下であり、HSO/H(4/1、重量比)による不純物金属抽出量が100ppb以下、好ましくは70ppb以下であり、50%HFによる不純物金属抽出量が500ppb以下、好ましくは400ppb以下である。
なお、本発明でいう半導体製造装置は、特に半導体を製造するための装置に限られるものではなく、広く、液晶パネルやプラズマパネルを製造するための装置など、高度なクリーン度が要求される半導体分野において用いられる製造装置全般を含むものである。
具体的には、次のような半導体製造装置が例示される。
(1)エッチング装置
ドライエッチング装置[ドライプロセス用の装置]
プラズマエッチング装置[ドライプロセス用の装置]
反応性イオンエッチング装置[ドライプロセス用の装置]
反応性イオンとビームエッチング装置[ドライプロセス用の装置]
スパッタエッチング装置[ドライプロセス用の装置]
イオンビームエッチング装置[ドライプロセス用の装置]
ウェットエッチング装置[ウェットプロセス用の装置]
アッシング装置[ドライプロセス用の装置]
(2)洗浄装置
乾式エッチング洗浄装置[ドライプロセス用の装置]
UV/O洗浄装置[ドライプロセス用の装置]
イオンビーム洗浄装置[ドライプロセス用の装置]
レーザービーム洗浄装置[ドライプロセス用の装置]
プラズマ洗浄装置[ドライプロセス用の装置]
ガスエッチング洗浄装置[ドライプロセス用の装置]
抽出洗浄装置
ソックスレー抽出洗浄装置[ウェットプロセス用の装置]
高温高圧抽出洗浄装置[ウェットプロセス用の装置]
マイクロウェーブ抽出洗浄装置[ウェットプロセス用の装置]
超臨界抽出洗浄装置[ウェットプロセス用の装置]
(3)露光装置
ステッパー[ウェットプロセス用の装置]
コータ・デベロッパー[ウェットプロセス用の装置]
(4)研磨装置
CMP装置[ウェットプロセス用の装置]
(5)成膜装置
CVD装置[ドライプロセス用の装置]
スパッタリング装置[ドライプロセス用の装置]
(6)拡散・イオン注入装置
酸化拡散装置[ドライプロセス用の装置]
イオン注入装置[ドライプロセス用の装置]
(7)フッ酸、塩酸、硫酸、オゾン水などを用いる洗浄装置[ウェットプロセス用の装置]
つぎに実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例で使用したカーボンブラックフィラーの灰化分析法による不純物金属含有量を表1に示す。
(フィラーの不純物金属含有量)
カーボンブラックフィラー0.5〜2.0gを清浄な白金ルツボに入れ600℃で2時間加熱し充分灰化させる。ルツボ内に残った灰に塩酸5mlを加え温浴中で加熱して溶解させた後、超純水で希釈する。この溶液を原子吸光度計((株)日立製作所製のZ8000)により金属成分を原子吸光分析にて定量する。検出対象金属は表1に記載の金属である。各金属のフィラー中の含有量は次式により求める。
Figure 0004314744
実施例1
着火源をもたない内容積6リットルのステンレススチール製オートクレーブに、純水2リットルおよび乳化剤としてC15COONH20g、PH調整剤としてリン酸水素二ナトリウム・12水塩0.18gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換し脱気したのち、600rpmで撹拌しながら、50℃に昇温し、テトラフルオロエチレン(TFE)とパーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)の混合ガス(TFE/PMVE=20/80モル比)を、内圧が1.18MPa・Gになるように仕込んだ。ついで、過硫酸アンモニウム(APS)の186mg/mlの濃度の水溶液2mlを窒素圧で圧入して反応を開始した。
重合の進行により内圧が、1.08MPa・Gまで降下した時点で、ジヨウ素化物I(CFI4.0gを窒素圧にて圧入した。ついでTFEとPMVEの混合ガス(モル比19/23)をプランジャーポンプにて圧入し、1.08〜1.18MPaの間で昇圧、降圧を繰り返した。
TFEおよびPMVEの合計仕込量がそれぞれ430g、511gおよび596gに達した時点でICHCFCFOCF=CFを1.5g圧入するとともに、反応開始後から12時間ごとに35mg/mlのAPS水溶液2mlを窒素圧で圧入して重合反応を継続し、反応開始から35時間後に重合を停止した。
この水性乳濁液をドライアイス/メタノール中で凍結させて凝析を行ない、解凍後、凝析物を水洗、真空乾燥してエラストマー状共重合体を得た。この重合体のムーニー粘度ML1+10(100℃)は63であった。
この共重合体の19F−NMR分析の結果から、この共重合体のモノマー単位組成は、TFE/PMVE=59.2/40.8モル%であり、元素分析から得られたヨウ素含有量は0.03重量%であった。
このテトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体エラストマー100gに黒鉛化カーボンブラックフィラー(トーカブラック#3885、東海カーボン(株)製。比表面積160m/g、DBP吸油量75ml/100g、不純物金属として表1に示すものを含む。平均粒径15μm)10gと2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(日本油脂(株)製のパーヘキサ2.5B)0.5gとトリアリルイソシアヌレート(TAIC)(日本化成(株)製)2.0gを混練して、本発明にかかるエラストマー組成物を調製した。ついで、この組成物を160℃×10分間の圧縮成形によりプレス架橋(一次架橋)し、ついで180℃で4時間のオーブン架橋(二次架橋)してO−リング(AS−568A−214)を作製した。
このO−リングを充分に多量のHSO/H(4/1、重量比)により100℃30分間攪拌下で洗浄し、純水でリンスしたのち、クリーン環境下で乾燥し、試料となるO−リングを得た。
得られたO−リングについて、つぎの方法でパーティクル数を調べた。
(パーティクル数)
試料を25℃で1時間超純水で超音波洗浄し、粒子径が0.2μm以上のパーティクルの数(個)を微粒子測定器法(センサー部に流入させたパーティクルを含む超純水に光を当て、液中パーティクルカウンター((株)リオン製)によりその透過光や散乱光の量を電気的に測定する方法)により測定し、次式で算出する。
Figure 0004314744
つぎに前記洗浄後のO−リングについて、つぎの方法で耐プラズマ性試験を行ない、プラズマ照射後のO−リングについて前記と同様にしてパーティクル数を調べた。その結果をパーティクル増加率とプラズマ照射の前後の重量変化とともに表2に示す。
(耐プラズマ性試験)
(株)サムコインターナショナル研究所製のプラズマドライクリーナ モデルPX−1000を用い、真空圧50mTorr、酸素またはCF流量200cc/分、電力400W、周波数13.56MHzの条件でプラズマを発生させ、このプラズマを試料(O−リング)に対してリアクティブイオンエッチング(RIE)条件で3時間照射する。
さらに作製したO−リングについて、不純物金属抽出量をつぎの方法で調べた。結果を表3(HSO/H(4/1)抽出)および表4(50%HF抽出)に示す。
(金属抽出試験)
(1)予め充分洗浄したテトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(いわゆるPFA)製の容器(フタ付き)に抽出用薬液を所定量入れる。
(2)使用する抽出用薬液はHSO(4/1)混合液および50%HF水溶液であり、いずれも半導体グレードのものを用いる。
(3)充分に多量のHSO/H(4/1、重量比)により100℃30分間攪拌下で洗浄し、純水でリンスしたのち、クリーン環境下で乾燥し、試料となるO−リングを得る。この試料O−リングをそれぞれの薬液中に浸漬(HSO/H(4/1)混合液では25℃14日間、50%HF水溶液では25℃24時間)し、密封の後、所定温度に保持する。その際試料を浸漬せず薬液のみで同様の保管をしたものを対照とする。
(4)前記の期間保管した後、薬液中の含有金属濃度をHSO/H(4/1)混合液についてはICP−MS(セイコー電子(株)製のSPQ9000)で、50%HF水溶液については原子吸光測定装置((株)日立製作所製のZ−8000)で測定する。
(5)次式にしたがってO−リングから抽出された不純物金属量を算出する。
Figure 0004314744
さらに、得られたO−リングを前記の灰化分析法(フィラーの不純物金属含有量の定量方法)で不純物金属含有量を調べた。結果を表5に示す。
比較例1
黒鉛化カーボンブラックフィラーに代えて汎用のカーポンブラックフィラー(MTカーボン(ミディアムサーマルファーネスブラック)、Cancarb.Co.製Termax N−990。比表面積6m/g、DBP吸油量50ml/100g、不純物金属として表1に示すものを含む。平均粒径500μm、pH10.0)を同じ量用いたほかは実施例1と同様にして混練して比較用のエラストマー組成物を調製し、実施例1と同様にO−リングに成形・架橋し、耐プラズマ性試験前後のパーティクル数およびプラズマ照射前後の重量変化を調べた。結果を表2に示す。
また、実施例1と同様にしてO−リングについて不純物金属抽出量を測定した。結果を表3(HSO/H(4/1)抽出)および表4(50%HF抽出)に示す。
さらに、実施例1と同様にして得られたO−リングを前記の灰化分析法で不純物金属含有量を調べた。結果を表5に示す。
実施例2
着火源をもたない内容積3リットルのステンレススチール製オートクレーブに、純水1リットルおよび乳化剤として
Figure 0004314744
10g、pH調整剤としてリン酸水素二ナトリウム・12水塩0.09gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換し脱気したのち、600rpmで撹拌しながら、50℃に昇温し、テトラフルオロエチレン(TFE)とパーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)の混合ガス(TFE/PMVE=25/75モル比)を、内圧が0.78MPa・Gになるように仕込んだ。ついで、過硫酸アンモニウム(APS)の527mg/mlの濃度の水溶液10mlを窒素圧で圧入して反応を開始した。
重合の進行により内圧が、0.69MPa・Gまで降下した時点で、CF=CFOCFCF(CF)OCFCFCOOH(CBVE)1.89gを窒素圧にて圧入した。ついで圧力が0.78MPa・Gになるように、TFEを4.7gおよびPMVE5.3gをそれぞれ自圧にて圧入した。以後、反応の進行にともない同様にTFE、PMVEを圧入し、0.69〜0.78MPa・Gのあいだで、昇圧、降圧を繰り返した。重合反応の開始から4.2時間後、TFEおよびPMVEの合計仕込み量が80gになった時点で、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出して固形分濃度7.5重量%の水性分散体1089gをえた。
この水性分散体のうち1000gを水3000gで希釈し、3.5重量%塩酸水溶液2800g中に、撹拌しながらゆっくりと添加した。添加後5分間撹拌した後、凝析物をろ別し、得られたポリマーをさらに800gのHCFC−141b中にあけ、5分間撹拌し、再びろ別した。この後このHCFC−141bによる洗浄、ろ別の操作をさらに4回繰り返したのち、120℃で72時間真空乾燥させてエラストマー共重合体を得た。
19F−NMR分析の結果、この共重合体のモノマー単位組成は、TFE/PMVE/CBVE=59.6/39.9/0.5モル%であった。
このテトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体エラストマー100gに黒鉛化カーボンブラックフィラー(トーカブラック#3885)10gと2,2−ビス(3,4−ジアミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン2.0gを混練して、本発明のエラストマー組成物を調製した。ついで、この組成物を200℃×30分間の圧縮成形によりプレス架橋(一次架橋)し、ついで204℃で18時間、その後288℃で18時間のオーブン架橋(二次架橋)してO−リング(AS−568A−214)を作製した。
得られたO−リングを実施例1と同様にして耐プラズマ性試験前後のパーティクル数およびプラズマ照射前後の重量変化を調べた。結果を表2に示す。
また、実施例1と同様にしてO−リングについて不純物金属抽出量を測定した。結果を表3(HSO/H(4/1)抽出)および表4(50%HF抽出)に示す。
さらに、実施例1と同様にして得られたO−リングを前記の灰化分析法で不純物金属含有量を調べた。結果を表5に示す。
比較例2
実施例2において、黒鉛化カーボンブラックフィラーに代えて汎用のカーボンブラックフィラー(MTカーボン、Termax N−990)を同じ量用いたほかは実施例1と同様にして混練して比較用のエラストマー組成物を調製し、実施例2と同様にO−リングに成形・架橋し、耐プラズマ性試験前後のパーティクル数およびプラズマ照射前後の重量変化を調べた。結果を表2に示す。
また、実施例1と同様にしてO−リングについて不純物金属抽出量を測定した。結果を表3(HSO/H(4/1)抽出)および表4(50%HF抽出)に示す。
さらに、実施例2と同様にして得られたO−リングを前記の灰化分析法で不純物金属含有量を調べた。結果を表5に示す。
実施例3
カーボンブラックフィラーとして高純度MTカーボンブラック((キャンカーブ社(Cancarb,LTD)製のUltra−Pure N−990。表1に示す不純物金属含有量)を使用したほかは実施例1と同様にして架橋性エラストマー組成物を調製し、架橋成形してO−リング(AS−568A−214)を作製した。このO−リングの耐プラズマ性試験前後のパーティクル数およびプラズマ照射前後の重量変化を調べた。結果を表2に示す。
また、実施例1と同様にしてO−リングについて成形品の不純物金属抽出量を測定した。結果を表3(HSO/H(4/1)抽出)および表4(50%HF抽出)に示す。
さらに、実施例1と同様にして得られたO−リングについて前記の灰化分析法で不純物金属含有量を調べた。結果を表5に示す。
実施例4
カーボンブラックフィラーとして高純度MTカーボンブラック((キャンカーブ社(Cancarb,LTD)製のUltra−Pure N−990。表1に示す不純物金属含有量)を使用したほかは実施例2と同様にして架橋性エラストマー組成物を調製し、架橋成形してO−リング(AS−568A−214)を作製した。このO−リングの耐プラズマ性試験前後のパーティクル数およびプラズマ照射前後の重量変化を調べた。結果を表2に示す。
また、実施例1と同様にしてO−リングについて不純物金属抽出量を測定した。結果を表3(HSO/H(4/1)抽出)および表4(50%HF抽出)に示す。
さらに、実施例2と同様にして得られたO−リングを前記の灰化分析法で不純物金属含有量を調べた。結果を表5に示す。
実施例5
比較例1で使用したカーボンブラック(MTカーボン、Termax N−990)100gを濃度15重量%の硫酸300ml中に分散し室温にて3時間撹拌して酸処理し、ポリテトラフルオロエチレン製フィルターで濾過分離し、超純水2000mlで洗浄したのち、この処理物(pH3.8)を10重量%アンモニア水300ml中に分散させ、撹拌下に室温にて3時間中和処理した。得られた処理物を超純水2000mlで洗浄した後ポリテトラフルオロエチレン製フィルターで濾過して分離し、クリーン乾燥機内で120℃にて10時間予備乾燥した後、さらに250℃にて5時間乾燥して、クリーン化されたカーボンブラックフィラーを得た。このもののpHおよび不純物金属含有量を調べたところ、pHは6.0であり、表1に示すように不純物金属含有量は低減化していた。pHはつぎの方法で調べた。
(pH)
カーボンブラックフィラー3gを超純水30mlに分散させ、室温にてマグネティックスターラーで1時間撹拌し、pHメーターにより超純水のpHを測定する。
このクリーン化されたカーボンブラックフィラーを使用したほかは、実施例1と同様にして架橋性エラストマー組成物を調製し、架橋成形してO−リング(AS−568A−214)を作製した。このO−リングの耐プラズマ性試験前後のパーティクル数およびプラズマ照射前後の重量変化を調べた。結果を表2に示す。
また、実施例1と同様にしてO−リングについて不純物金属抽出量を測定した。結果を表3(HSO/H(4/1)抽出)および表4(50%HF抽出)に示す。
さらに、実施例1と同様にして得られたO−リングを前記の灰化分析法で不純物金属含有量を調べた。結果を表5に示す。
実施例6
カーボンブラックフィラーとして実施例5で調製したMTカーボンブラックの洗浄品を使用したほかは実施例2と同様にして架橋性エラストマー組成物を調製し、架橋成形してO−リング(AS−568A−214)を作製した。このO−リングの耐プラズマ性試験前後のパーティクル数およびプラズマ照射前後の重量変化を調べた。結果を表2に示す。
また、実施例1と同様にしてO−リングについて不純物金属抽出量を測定した。結果を表3(HSO/H(4/1)抽出)および表4(50%HF抽出)に示す。
さらに、実施例2と同様にして得られたO−リングを前記の灰化分析法で不純物金属含有量を調べた。結果を表5に示す。
Figure 0004314744
Figure 0004314744
Figure 0004314744
Figure 0004314744
Figure 0004314744
産業上の利用可能性
本発明にしたがって黒鉛化カーボンブラックフィラーまたは不純物金属含有量が充分に少ないカーボンブラックフィラーを用いて調製した架橋性エラストマー組成物は、単にクリーン化を達成できるだけでなく、耐プラズマ性や耐金属溶出性に優れた半導体製造装置用の成形品を提供できる。
特に黒鉛化カーボンブラックフィラーを配合した組成物を架橋成形して得られる成形品は耐プラズマ性に優れるため、ドライプロセスに使用する半導体製造装置の封止のために用いるシール材に適しており、また、不純物金属含有量が充分に少ないカーボンブラックフィラーを配合した組成物を架橋成形して得られる成形品は耐金属溶出性に優れるため、ウェットプロセスに使用する半導体製造装置の封止のために用いるシール材に適している。

Claims (27)

  1. 灰化分析法による不純物金属含有量が300ppm以下で平均粒径が700μm以下のカーボンブラックフィラーと架橋性エラストマー成分とを含む架橋性エラストマー組成物を架橋成形して得られる成形品であって、該成形品の灰化分析法による不純物金属含有量が100ppm以下で、かつ酸素プラズマ照射によるパーティクル増加率が500%以下であるエラストマー成形品。
  2. カーボンブラックフィラーが黒鉛化カーボンブラックフィラーである請求の範囲第1項記載のエラストマー成形品。
  3. カーボンブラックフィラーの平均粒子径が10〜100μmである請求の範囲第1項または第2項記載のエラストマー成形品。
  4. 架橋性エラストマー成分100重量部に対して、前記カーボンブラックフィラーが1〜150重量部配合されてなる請求の範囲第1項〜第3項のいずれかに記載のエラストマー成形品。
  5. 架橋性エラストマー成分100重量部に対して架橋剤を0.05〜10重量部および前記カーボンブラックフィラーを1〜150重量部含む請求の範囲第1項〜第4項のいずれかに記載のエラストマー成形品。
  6. 架橋性エラストマー成分がフッ素系エラストマーまたはシリコーン系エラストマーである請求の範囲第1項〜第5項のいずれかに記載のエラストマー成形品。
  7. 架橋性エラストマー成分が過酸化物架橋可能なフッ素系エラストマーである請求の範囲第6項記載のエラストマー成形品。
  8. 架橋性エラストマー成分がイミダゾール架橋、オキサゾール架橋、チアゾール架橋またはトリアジン架橋可能なフッ素系エラストマーである請求の範囲第6項記載のエラストマー成形品。
  9. 架橋剤が有機過酸化物である請求の範囲第6項または第7項記載のエラストマー成形品。
  10. 架橋剤が、式(I):
    Figure 0004314744
    (式中、RはOH、NHまたはSHのいずれか1種である)で示される官能基(I)を少なくとも2個有する化合物である請求の範囲第6項または第8項記載のエラストマー成形品。
  11. 半導体製造装置に用いる請求の範囲第1項〜第10項のいずれかに記載のエラストマー成形品。
  12. 半導体製造装置の封止のために用いるシール材である請求の範囲第11項記載のエラストマー成形品。
  13. ドライプロセスに使用する半導体製造装置の封止のために用いるシール材である請求の範囲第12項記載のエラストマー成形品。
  14. 灰化分析法による不純物金属含有量が300ppm以下で平均粒径が700μm以下のカーボンブラックフィラーと架橋性エラストマー成分とを含む架橋性エラストマー組成物を架橋成形して得られる成形品であって、該成形品の灰化分析法による不純物金属含有量が100ppm以下で、かつ50%HFによる不純物金属抽出量が500ppb以下であるエラストマー成形品。
  15. カーボンブラックフィラーの灰化分析法による不純物金属含有量が100ppm以下である請求の範囲第14項記載のエラストマー成形品。
  16. カーボンブラックフィラーの平均粒子径が500〜700μmである請求の範囲第14項または第15項記載のエラストマー成形品。
  17. 架橋性エラストマー成分100重量部に対して、前記カーボンブラックフィラーが1〜150重量部配合されてなる請求の範囲第14項〜第16項のいずれかに記載のエラストマー成形品。
  18. 架橋性エラストマー成分100重量部に対して架橋剤を0.05〜10重量部および前記カーボンブラックフィラーを1〜150重量部含む請求の範囲第14項〜第17項のいずれかに記載のエラストマー成形品。
  19. 架橋性エラストマー成分がフッ素系エラストマーまたはシリコーン系エラストマーである請求の範囲第14項〜第18項のいずれかに記載のエラストマー成形品。
  20. 架橋性エラストマー成分が過酸化物架橋可能なフッ素系エラストマーである請求の範囲第19項記載のエラストマー成形品。
  21. 架橋性エラストマー成分がイミダゾール架橋、オキサゾール架橋、チアゾール架橋またはトリアジン架橋可能なフッ素系エラストマーである請求の範囲第19項記載のエラストマー成形品。
  22. 架橋剤が有機過酸化物である請求の範囲第19項または第20項記載のエラストマー成形品。
  23. 架橋剤が、式(I):
    Figure 0004314744
    (式中、RはOH、NHまたはSHのいずれか1種である)で示される官能基(I)を少なくとも2個有する化合物である請求の範囲第19項または第21項記載のエラストマー成形品。
  24. 半導体製造装置に用いる請求の範囲第14項〜第23項のいずれかに記載のエラストマー成形品。
  25. 半導体製造装置の封止のために用いるシール材である請求の範囲第24項記載のエラストマー成形品。
  26. ウェットプロセスに使用する半導体製造装置の封止のために用いるシール材である請求の範囲第25項記載のエラストマー成形品。
  27. 超純水を用いるウェットプロセスに使用する半導体製造装置の封止のために用いるシール材である請求の範囲第26項記載のエラストマー成形品。
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