JP4821314B2 - 半導体製造装置用バルブの弁体およびその製造方法 - Google Patents

半導体製造装置用バルブの弁体およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4821314B2
JP4821314B2 JP2005372718A JP2005372718A JP4821314B2 JP 4821314 B2 JP4821314 B2 JP 4821314B2 JP 2005372718 A JP2005372718 A JP 2005372718A JP 2005372718 A JP2005372718 A JP 2005372718A JP 4821314 B2 JP4821314 B2 JP 4821314B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve body
metal
valve
semiconductor manufacturing
manufacturing apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005372718A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007170634A (ja
Inventor
宏幸 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2005372718A priority Critical patent/JP4821314B2/ja
Publication of JP2007170634A publication Critical patent/JP2007170634A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4821314B2 publication Critical patent/JP4821314B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Sliding Valves (AREA)
  • Details Of Valves (AREA)
  • Gasket Seals (AREA)

Description

本発明は、半導体製造装置の真空度を高く保つことができ、表面が非粘着性であり、かつ優れた耐プラズマ性を兼ね備えた半導体製造装置用バルブの弁体およびその製造方法に関する。
含フッ素エラストマーは、自動車工業、半導体工業、化学工業などの分野において、シール材として一般的に使用されている。しかし、これらのシール材は、各種装置に密接に接触させて使用するため、長期間の使用により、シール材が装着された装置等に固着し、シール材の脱着を困難にしたり、動的な箇所においては、装置の動作に悪影響を及ぼす等の問題がある。このようなシール材の固着を防ぐために、シール材の表面に非粘着性を付与することが要求される。非粘着性を付与する方法としては、固体潤滑剤などのフィラーを添加する方法があるが、成形品のスキン層を取り除かなければ、効果が出ないため用途が限定されることや、エラストマー材料の強度、硬度、シール性といった特性に与える影響も大きい。
また、半導体製造工程においては、絶縁膜や金属配線薄膜形成工程に使用されるCVD装置中の、種々の連結部分や可動部分に封止のためにシール材が使用されている(例えば、特許文献1〜6参照)。これらのシール材には、シール性、非固着性だけではなく、プロセスの微細化や基板ウェハーの大型化により、高密度(1012〜1013/cm3)のプラズマ処理条件に耐えられること、および極めて精密な加工が要求される半導体を汚染しないことが要求される。
一方、このような要求に対応できるシール材として、ショアD硬度が75以下であり、かつショアA硬度が40〜100である軟質材料からなる基材の表面全体または一部に、金属、金属酸化物、金属チッ化物、金属炭化物およびそれらの複合物からなる群より選ばれる1種以上の金属または金属化合物からなるコーティング膜を有するシール材が提案されている(例えば、特許文献7参照)。
しかしながら、特許文献7ではシール材が組み込まれた弁体の構成についてまでは記載されていない。
特開平10−50791号公報 特開2000−114179公報 特開2000−114179公報 国際公開第00/002228号パンフレット 国際公開第99/003136号パンフレット 国際公開第99/003132号パンフレット 国際公開第05/050069号パンフレット
本発明は、半導体製造装置の真空度を高く保つことができ、表面が非粘着性であり、かつ優れた耐プラズマ性を兼ね備えた半導体製造装置用バルブの弁体およびその製造方法を提供する。
すなわち本発明は、弁体本体のシール側部分にエラストマーシール材が一体化された半導体製造装置用バルブの弁体であって、前記弁体本体のシール側部分に、金属、金属酸化物、金属チッ化物、金属炭化物およびそれらの複合物からなる群より選ばれる1種以上の金属または金属化合物を含むコーティング膜を有する半導体製造装置用バルブの弁体に関する。
エラストマーシール材が、フッ素ゴムからなるシール材であることが好ましい。
コーティング膜の膜厚が、0.005〜1μmであることが好ましい。
下記条件でO2、CF4、NF3のそれぞれのプラズマを照射した時の重量減少が、全て10mg以下であることが好ましい。

照射条件:
2、CF4プラズマ ガス流量・・・・・・・・16SCCM
圧力・・・・・・・・20mTorr
出力・・・・・・・・800W
照射時間・・・・・・30分
温度・・・・・・・・150℃
NF3プラズマ NF3/Ar・・・・・・1SLM/1SLM
圧力・・・・・・・・3Torr
照射時間・・・・・・2時間
温度・・・・・・・・150℃
また、本発明は、弁体本体のシール側部分にエラストマーシール材を組み込み一体化する工程、およびエラストマーシール材が一体化された前記弁体本体のシール側部分を、金属、金属酸化物、金属チッ化物、金属炭化物およびそれらの複合物からなる群より選ばれる1種以上の金属または金属化合物でコーティングする工程を有する半導体製造装置用バルブの弁体の製造方法に関する。
コーティングする工程が、真空成膜法により行われることが好ましい。
真空成膜法が、イオンプレーティング法であることが好ましい。
本発明の弁体は、弁体本体のシール側部分にエラストマーシール材が一体化された半導体製造装置用バルブの弁体のシール側部分に、金属、金属酸化物、金属チッ化物、金属炭化物およびそれらの複合物からなる群より選ばれる1種以上の金属または金属化合物を含むコーティング膜を有することにより、半導体製造装置の真空度を高く保つことができ、また、表面が非粘着性であり、かつ優れた耐プラズマ性を兼ね備えた半導体製造装置用バルブの弁体を提供することができる。
本発明は、弁体本体のシール側部分にエラストマーシール材が一体化された半導体製造装置用バルブの弁体であって、前記弁体本体のシール側部分に、金属、金属酸化物、金属チッ化物、金属炭化物およびそれらの複合物からなる群より選ばれる1種以上の金属または金属化合物を含むコーティング膜を有する半導体製造装置用バルブの弁体に関する。
本発明で使用されるエラストマーシール材は、通常、半導体製造装置のシール材として用いられるものであればよく、特に限定されるものではない。
エラストマーとしては、フルオロシリコーンゴム、シリコーンゴム、NBR、EPDM、フッ素ゴムなどがあげられるが、これらの中でも、耐薬品性、耐プラズマ性、耐気体透過性、アウトガス性の点から、フッ素ゴムが好ましい。
フッ素ゴムとしては、従来から半導体製造装置のシール材に用いられているものであれば、とくに制限はなく、例えば、フッ素ゴム(a)、熱可塑性フッ素ゴム(b)、およびこれらのフッ素ゴムからなるゴム組成物などがあげられる。
フッ素ゴム(a)としては、非パーフルオロフッ素ゴム(a−1)およびパーフルオロフッ素ゴム(a−2)があげられる。
非パーフルオロフッ素ゴム(a−1)としては、ビニリデンフルオライド(VdF)系フッ素ゴム、テトラフルオロエチレン(TFE)/プロピレン系フッ素ゴム、テトラフルオロエチレン(TFE)/プロピレン/ビニリデンフルオライド(VdF)系フッ素ゴム、エチレン/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)系フッ素ゴム、エチレン/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)/ビニリデンフルオライド(VdF)系フッ素ゴム、エチレン/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)/テトラフルオロエチレン(TFE)系フッ素ゴム、フルオロシリコーン系フッ素ゴム、またはフルオロホスファゼン系フッ素ゴムなどがあげられ、これらをそれぞれ単独で、または本発明の効果を損なわない範囲で任意に組合わせて用いることができる。
ビニリデンフルオライド系フッ素ゴムとは、ビニリデンフルオライド45〜85モル%と、ビニリデンフルオライドと共重合可能な少なくとも1種の他の単量体55〜15モル%とからなる含フッ素エラストマー性共重合体をいう。好ましくは、ビニリデンフルオライド50〜80モル%と、ビニリデンフルオライドと共重合可能な少なくとも1種の他の単量体50〜20モル%とからなる含フッ素共重合体をいう。
ビニリデンフルオライドと共重合可能な少なくとも1種の他の単量体としては、たとえばテトラフルオロエチレン(TFE)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、トリフルオロプロピレン、テトラフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロブテン、テトラフルオロイソブテン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)、フッ化ビニルなどの含フッ素単量体、エチレン、プロピレン、アルキルビニルエーテルなどの非フッ素単量体があげられる。これらをそれぞれ単独で、または、任意に組み合わせて用いることができる。これらのなかでも、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)が好ましい。
具体的なゴムとしては、VdF−HFP系ゴム、VdF−HFP−TFE系ゴム、VdF−CTFE系ゴム、VdF−CTFE−TFE系ゴムなどがある。
テトラフルオロエチレン/プロピレン系フッ素ゴムとは、テトラフルオロエチレン45〜70モル%、プロピレン55〜30モル%からなり、さらにテトラフルオロエチレンとプロピレンの合計量に対して、架橋部位を与える単量体0〜5モル%含有する含フッ素共重合体をいう。
架橋部位を与える単量体としては、たとえば特公平5−63482号公報、特開平7−316234号公報に記載されているようなパーフルオロ(6,6−ジヒドロ−6−ヨード−3−オキサ−1−ヘキセン)やパーフルオロ(5−ヨード−3−オキサ−1−ペンテン)などのヨウ素含有単量体、特開平4−505341号公報に記載されている臭素含有単量体、特開平4−505345号公報、特開平5−500070号公報に記載されているようなシアノ基含有単量体、カルボキシル基含有単量体、アルコキシカルボニル基含有単量体などがあげられる。
パーフルオロフッ素ゴム(a−2)としては、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)/架橋部位を与える単量体からなるものなどがあげられる。テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)の組成は、50〜90/10〜50モル%であることが好ましく、より好ましくは50〜80/20〜50モル%であり、さらに好ましくは55〜70/30〜45モル%である。また、架橋部位を与える単量体は、テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)の合計量に対して、0〜5モル%であることが好ましく、0〜2モル%であることがより好ましい。
この場合のパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)としては、たとえばパーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)などがあげられ、これらをそれぞれ単独で、または任意に組合せて用いることができる。
架橋部位を与える単量体としては、たとえば、一般式(1):
CX1 2=CX1−Rf 1CHR12 (1)
(式中、X1は、水素原子、フッ素原子または−CH3、R1 fは、フルオロアルキレン基、パーフルオロアルキレン基、フルオロポリオキシアルキレン基またはパーフルオロポリオキシアルキレン基、R1は、水素原子または−CH3、X2は、ヨウ素原子または臭素原子)で表されるヨウ素または臭素含有単量体、一般式(2):
CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)m(CF2n−X3 (2)
(式中、mは、0〜5の整数、nは、1〜3の整数、X3は、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、臭素原子)で表される単量体などがあげられ、これらをそれぞれ単独で、または任意に組合わせて用いることができる。
このヨウ素原子、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、臭素原子が、架橋点として機能することができる。
かかるパーフルオロフッ素ゴム(a−2)の具体例としては、国際公開第97/24381号パンフレット、特公昭61−57324号公報、特公平4−81608号公報、特公平5−13961号公報などに記載されているフッ素ゴムなどがあげられる。
以上説明したフッ素ゴム(a)は、常法により製造することができるが、得られる重合体は分子量分布が狭く、分子量の制御が容易である点、末端にヨウ素原子を導入することができる点から、フッ素ゴムの製造法として公知のヨウ素移動重合法が好ましい。たとえば、実質的に無酸素下で、ヨウ素化合物、好ましくはジヨウ素化合物の存在下に、前記単量体を加圧下で撹拌しながらラジカル開始剤の存在下、水媒体中での乳化重合、あるいは溶液重合を行なう方法があげられる。使用するヨウ素化合物の代表例としては、たとえば、一般式(3):
2xBry (3)
(式中、xおよびyはそれぞれ0〜2の整数であり、かつ1≦x+y≦2を満たすものであり、R2は炭素数1〜16の飽和もしくは不飽和のフルオロ炭化水素基またはクロロフルオロ炭化水素基、または炭素数1〜3の炭化水素基であり、酸素原子を含んでいてもよい)で示される化合物などをあげることができる。このようなヨウ素化合物を用いて得られるフッ素ゴム(a)の末端には、ヨウ素原子または臭素原子が導入される。
一般式(3)で表される化合物としては、たとえば1,3−ジヨードパーフルオロプロパン、1,3−ジヨード−2−クロロパーフルオロプロパン、1,4−ジヨードパーフルオロブタン、1,5−ジヨード−2,4−ジクロロパーフルオロペンタン、1,6−ジヨードパーフルオロヘキサン、1,8−ジヨードパーフルオロオクタン、1,12−ジヨードパーフルオロドデカン、1,16−ジヨードパーフルオロヘキサデカン、ジヨードメタン、1,2−ジヨードエタン、1,3−ジヨード−n−プロパン、CF2Br2、BrCF2CF2Br、CF3CFBrCF2Br、CFClBr2、BrCF2CFClBr、CFBrClCFClBr、BrCF2CF2CF2Br、BrCF2CFBrOCF3、1−ブロモ−2−ヨードパーフルオロエタン、1−ブロモ−3−ヨードパーフルオロプロパン、1−ブロモ−4−ヨードパーフルオロブタン、2−ブロモ−3−ヨードパーフルオロブタン、3−ブロモ−4−ヨードパーフルオロブテン−1、2−ブロモ−4−ヨードパーフルオロブテン−1、ベンゼンのモノヨードモノブロモ置換体、ジヨード置換体、ならびに(2−ヨードエチル)および(2−ブロモエチル)置換体などがあげられ、これらの化合物は、単独で使用してもよく、相互に組み合せて使用することもできる。
これらのなかでも、重合反応性、架橋反応性、入手容易性などの点から、1,4−ジヨードパーフルオロブタン、ジヨードメタンなどが好ましい。
本発明で使用するラジカル重合開始剤は、従来からフッ素ゴムの重合に使用されているものであればよく、たとえば、有機および無機の過酸化物ならびにアゾ化合物がある。典型的な開始剤として過硫酸塩類、過酸化カーボネート類、過酸化エステル類などがあり、好ましい開始剤として過硫酸アンモニウム(APS)があげられる。APSは単独で使用してもよく、またサルファイト類、亜硫酸塩類のような還元剤と組み合わせて使用することもできる。
乳化重合に使用される乳化剤としては、広範囲なものが使用可能であるが、重合中におこる乳化剤分子への連鎖移動反応を抑制する観点から、フルオロカーボン鎖、またはフルオロポリエーテル鎖を有するカルボン酸の塩類が望ましい。乳化剤の使用量は、添加された水の約0.05〜2重量%が好ましく、とくに0.2〜1.5重量%が好ましい。
本発明で使用するモノマー混合ガスは、カルブ(G.H.Kalb)ら、アドヴァンシーズ・イン・ケミストリー・シリーズ(Advances in Chemistry Series.),129,13(1973)に記載されるように、爆発性を有するので、重合装置には着火源となるスパークなどが発生しないように工夫する必要がある。
重合圧力は、広い範囲で変化させることができる。一般には、0.5〜7MPaの範囲である。重合圧力は、高い程重合速度が大きくなるため、生産性の向上の観点から、0.8MPa以上であることが好ましい。
前記一般式(3)で表される化合物の添加量としては、フッ素ゴム(a)の分子量を調整するために適宜変化させれば良いが、得られるフッ素ゴムの全重量の0.0001〜15重量%であればよい。
本発明においては、前述のようなフッ素ゴム(a)と熱可塑性フッ素ゴム(b)とからなる組成物を用いることもできる。
本発明で使用される架橋剤としては、採用する架橋系によって適宜選定すればよい。架橋系としてはポリアミン架橋系、ポリオール架橋系、パーオキサイド架橋系、イミダゾール架橋系のいずれも採用できる。また、トリアジン架橋系、オキサゾール架橋系、チアゾール架橋系なども採用できる。
架橋剤としては、ポリオール架橋系では、たとえば、ビスフェノールAF、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ジアミノビスフェノールAFなどのポリヒドロキシ化合物が、パーオキサイド架橋系では、たとえば、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイドなどの有機過酸化物が、ポリアミン架橋系では、たとえばヘキサメチレンジアミンカーバメート、N,N′−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサメチレンジアミンなどのポリアミン化合物があげられる。
トリアジン架橋に用いる架橋剤としては、テトラフェニルスズ、トリフェニルスズなどの有機スズ化合物があげられる。
オキサゾール架橋系、イミダゾール架橋系、チアゾール架橋系に使用する架橋剤としては、たとえば一般式(4):
Figure 0004821314
(式中、R3は−SO2−、−O−、−CO−、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数1〜10のパーフルオロアルキレン基または単結合手であり、R4およびR5は一方が−NH2であり他方が−NHR6、−NH2、−OHまたは−SHであり、R6は水素原子、フッ素原子または一価の有機基であり、好ましくはR4が−NH2でありR5が−NHR6である)で示されるビスジアミノフェニル系架橋剤、ビスアミノフェノール系架橋剤、ビスアミノチオフェノール系架橋剤、一般式(5):
Figure 0004821314
で示されるビスアミドラゾン系架橋剤、一般式(6)または(7):
Figure 0004821314
(式中、Rf 2は炭素数1〜10のパーフルオロアルキレン基)、
Figure 0004821314
(式中、nは1〜10の整数)
で示されるビスアミドキシム系架橋剤などがあげられる。これらのビスアミノフェノール系架橋剤、ビスアミノチオフェノール系架橋剤またはビスジアミノフェニル系架橋剤などは、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基と反応し、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環を形成し、架橋物を与える。
とくに好ましい架橋剤としては、複数個の3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル基、または3−アミノ−4−メルカプトフェニル基を有する化合物、もしくは一般式(8):
Figure 0004821314
(式中、R3、R4、R5は前記と同じ)で示される化合物があげられ、具体的には、たとえば2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(一般名:ビス(アミノフェノール)AF)、2,2−ビス(3−アミノ−4−メルカプトフェニル)ヘキサフルオロプロパン、テトラアミノベンゼン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)メタン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)エーテル、2,2−ビス(3,4−ジアミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−フェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−[3−アミノ−4−(N−メチルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−[3−アミノ−4−(N−エチルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−[3−アミノ−4−(N−プロピルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−[3−アミノ−4−(N−パーフルオロフェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−[3−アミノ−4−(N−ベンジルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンなどである。
架橋剤の添加量は、エラストマー100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5重量部である。架橋剤が、0.01重量部未満であると、架橋度が不足するため、含フッ素成形品の性能が損なわれる傾向があり、10重量部をこえると、架橋密度が高くなりすぎるため架橋時間が長くなる傾向があることに加え、経済的にも好ましくない。
ポリオール架橋系の架橋助剤としては、各種の4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩、環状アミン、1官能性アミン化合物など、通常エラストマーの架橋に使用される有機塩基が使用できる。具体例としては、たとえば、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドなどの4級アンモニウム塩;ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、トリブチルアリルホスホニウムクロリド、トリブチル−2−メトキシプロピルホスホニウムクロリド、ベンジルフェニル(ジメチルアミノ)ホスホニウムクロリドなどの4級ホスホニウム塩;ベンジルメチルアミン、ベンジルエタノールアミンなどの一官能性アミン;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−ウンデク−7−エンなどの環状アミンなどがあげられる。
パーオキサイド架橋系の架橋助剤としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリス(ジアリルアミン−s−トリアジン)、トリアリルホスファイト、N,N−ジアリルアクリルアミド、ヘキサアリルホスホルアミド、N,N,N′,N′−テトラアリルテトラフタラミド、N,N,N′,N′−テトラアリルマロンアミド、トリビニルイソシアヌレート、2,4,6−トリビニルメチルトリシロキサン、トリ(5−ノルボルネン−2−メチレン)シアヌレートなどがあげられる。これらの中でも、架橋性、架橋物の物性の点から、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)が好ましい。
架橋助剤の添加量は、エラストマー100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5重量部である。架橋助剤が、0.01重量部未満であると、架橋時間が実用に耐えないほど長くなる傾向があり、10重量部をこえると、架橋時間が速くなり過ぎることに加え、成形品の圧縮永久歪も低下する傾向がある。
本発明において架橋条件としては、特に限定されるものではなく、通常のエラストマーの架橋条件下で行なうことができる。たとえば、金型に入れ、加圧下において120〜250℃で1〜120分間保持することによって、プレス架橋を行ない、続いて120〜320℃の炉中で0〜48時間保持することによってオーブン架橋を行う方法などをあげることができる。
さらに、強度、硬度、シール性の点から、カーボンブラック、金属酸化物などの無機フィラー、エンジニアリング樹脂粉末などの有機フィラーなどの充填材を添加することが好ましい。具体的には、金属酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなどがあげられ、有機フィラーとしては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドなどのイミド構造を有するイミド系フィラー;ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリオキシベンゾエート、有機顔料としても用いられるイソインドリノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、アンスラキノン系顔料などをあげることができるが、これらの中でも、耐熱性、耐プラズマ性の点から、酸化アルミニウム、ポリイミドを添加することが好ましい。
これらの充填材の添加量は、架橋性エラストマー100重量部に対して、1〜50重量部であることが好ましく、5〜20重量部であることがより好ましい。充填材の添加量が、1重量部未満であると、ほとんど充填材としての効果が期待できない傾向があり、50重量部をこえると、非常に高硬度となり、シール材として適さない傾向にある。
また、加工助剤、顔料、水酸化カルシウムのような金属水酸化物などを本発明の目的を損なわない限り使用してもよい。
本発明の半導体製造装置用バルブの弁体は、弁体本体のシール側部分にエラストマーシール材を組み込み、架橋し、エラストマーシール材が一体化された前記弁体本体のシール側部分を、金属、金属酸化物、金属チッ化物、金属炭化物およびそれらの複合物からなる群より得ばれる1種以上の金属または金属化合物でコーティングすることにより得られるものである。
ここで、一体化とは、弁体本体の所定の位置にエラストマーシール材を組み込み固定されることであり、各種手法により適宜一体化されていればよいが、架橋エラストマーシール材が弁体本体から取り外しできない状態に固定されることが好ましく、例えば、弁体本体の所定の位置に未架橋のエラストマーシール材を取り付けた後、架橋成形することにより一体化すればよい。
リング状のエラストマーシール材を予め金属、金属酸化物、金属チッ化物、金属炭化物およびそれらの複合物からなる群より得ばれる1種以上の金属または金属化合物でコーティングしたものを、弁体に取り付ける方法では、シール材を被着体に装着する作業が困難であり、シール材と被着体との間に隙間や歪みができてしまい、その結果、半導体装置等に用いた場合には、装置内の真空度が低下するという問題がある。この問題は、シール材が劣化した場合に、新しいシール材と取りかえる際にも生じる可能性がある。さらにこの方法では、正常に装着されたにもかかわらず、開閉動作を繰り返すことでシールに捩れが生じやすく、真空度の低下を起こしたり、シールの破損に至る場合がある。
ここで本発明の半導体製造装置用バルブの弁体とは、図1および2に示すような金属製の隔壁(弁体本体1)とエラストマーのシール材3が一体化したものである。ただし、図1および図2は本発明の好ましい実施態様を表すものであり、これらに限定されるものではない。また、弁体本体としては、例えば、図3または4に示すような弁体も用いることができる。本発明の半導体製造装置用バルブに用いられる図1〜4の弁体本体1は、金属からなるものであり、金属としては、アルミニウム、鉄、銅、およびそれらの合金であるジュラルミン、ステンレススチール、真鍮などがあげられる。
また、弁体本体1が溝2を有する場合、溝2の形状は特に限定されるものではないが、例えば、図3(b)に示されるような断面形状が四角形であるものや、また図4(b)に示されるような断面形状が台形であるものを例示することができる。これらの中でも、接着剤等を用いなくてもエラストマーシール材3を弁体本体1に強固に固定できる点から、図4(b)に示されるような断面形状が台形であるものが好ましい。
弁体本体1にエラストマーシール材3を組み込む工程としては、特に限定されるものではなく、例えば、図1に記載されているように、弁体本体1に設けられている溝2に、または図2に記載されているような弁体本体1の側面に未架橋のエラストマーシール材を架橋成形により一体成形するものである。
また、弁体本体1とエラストマーシール材3を一体化する際に、弁体本体1に架橋接着剤を塗布した上で、未架橋のエラストマーシール材を架橋成形することが、弁体本体1とエラストマーシール材3の接着性の点から好ましい。
架橋接着剤としては、シランカップリング剤等の金属有機化合物、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等のほか、一般にゴム用として市販されている物が使用できる。
金属としては、アルミニウム、シリコン、チタン、イットリウムなどがあげられ、それぞれの酸化物、窒化物、炭化物があげられる。これらの中でも、材料価格、取り扱い性、耐プラズマ性の点から、アルミニウム、アルミナ(酸化アルミニウム)が好ましい。
金属または金属化合物からなるコーティング膜の厚さは、0.005〜1μmであることが好ましく、0.005〜0.5μmであることがより好ましい。コーティング膜の厚さが、0.005μm未満であると、非固着性、耐プラズマ性といった特性が充分でない傾向があり、1μmをこえると、シール材の変形に追従できないため、表面に耐プラズマ性を悪化させるような亀裂を生じる傾向がある。
コーティング処理は、弁体の表面全体に行ってもよく、弁体の表面の一部に行ってもよい。コーティング膜は、弁体に組み込んだエラストマーシール材上に形成されていればよいものであるため、弁体の一部に行う場合は、少なくともエラストマーシール材上にはコーティング処理を行う必要がある。
金属または金属化合物からなるコーティング膜の成膜方法としては、真空成膜法が使用される。真空成膜法としては、イオンプレーティング法、スパッタ法、CVD法、蒸着法などがあげられるが、これらの中でも、コーティング膜の密着性の点、低温での加工が可能である点、コーティング用の蒸発材料の入手が容易な点、窒化物・炭化物の加工も可能であるといった点から、イオンプレーティング法が好ましく、その中でも、ホロカソードプラズマガンを使用するイオンプレーティング法がより好ましい。
イオンプレーティング法による成膜条件としては、エラストマーシール材の材料の種類、膜種、および目的の膜厚により適宜設定すればよいが、成膜速度としては、0.1〜5nm/秒が好ましく、0.3〜2nm/秒がより好ましい。成膜速度が、0.1nm/秒未満であると、目的の膜厚を得るのに多大な時間を要する傾向にあり、5nm/秒をこえると、コーティング面が荒れやすく、膜厚の制御が困難となる傾向にある。
また、コーティングする前に、基材表面をプラズマアッシングなどにより表面処理することが、コーティング層の密着性を高める上で好ましい。
さらに、金属または金属化合物からなるコーティング膜を複数層にすることもできる。例えば、第一層として、アルミニウム、第二層として、金の2層からなるコーティング膜などをあげることができる。このように複数層にすることで、直接、弁体に密着させることが困難であった金属または金属化合物によるコーティングや非常に高価であるコーティング材料の使用量を最小限におさえることができる。
本発明の半導体製造装置用バルブの弁体のエラストマーシール材と金属または金属化合物からなるコーティング膜は、下記条件でのマイクロスクラッチ試験にて測定される臨界破壊荷重が25mN以上である密着度で、エラストマーシール材とコーティング膜が密着していることが好ましく、より好ましくは30mN以上であり、さらに好ましくは40mN以上である。臨界破壊荷重が、25mN未満であると、軽い摩擦や基材の変形によってコーティング膜が剥離する傾向がある。

試験装置:超薄膜スクラッチ試験機 MODEL CSR−02((株)レスカ製)
試験条件:
ダイヤモンド圧子針曲率半径・・・・・・5.0μm
弾性アーム・・・・・・146.64g/mm
ステージ角度・・・・・・3.0度
測定速度・・・・・・10.0μm/s
荷重印加速度・・・・・・75.31mN/mm
励振幅・・・・・・79μm
励振周波数・・・・・・30Hz
ここで、マイクロスクラッチ試験とは、基板上に形成された、厚さが1μm以下の金属、金属酸化物または金属窒化物の平坦な薄膜の付着性を評価する試験方法であり、膜の剥離を、摩擦係数の変化などから検知し、その時の圧子針にかかる荷重を臨界破壊荷重とする。この数値が大きいほど、密着性が大きいことがわかるものである。
マイクロスクラッチ試験では、エラストマーシール材とコーティング膜の密着性を測定することができ、コーティング膜が1μm以下では、ゴム硬度に影響されずに密着性を評価することができる。さらに、微小な領域での測定も可能であるため、測定用のテストピースを作製する必要性がなく、本発明の半導体製造装置用バルブの弁体をそのまま測定に用いることができる。
本発明の半導体製造装置用バルブの弁体は、下記条件下で、O2、CF4、NF3プラズマをそれぞれ照射した時の重量減少が、全て10mg以下であることが好ましく、3mg以下であることがより好ましく、1mg以下であることがさらに好ましい。重量減少が、10mgを超えると、コーティング膜によるプラズマの遮蔽効果がほとんど無い傾向がある。

照射条件:
2、CF4プラズマ ガス流量・・・・・・・・16SCCM
圧力・・・・・・・・20mTorr
出力・・・・・・・・800W
照射時間・・・・・・30分
温度・・・・・・・・150℃
NF3プラズマ NF3/Ar・・・・・・1SLM/1SLM
圧力・・・・・・・・3Torr
照射時間・・・・・・2時間
温度・・・・・・・・150℃
また、本発明は、弁体本体のシール側部分にエラストマーシール材を組み込み一体化する工程、およびエラストマーシール材が一体化された前記弁体本体のシール側部分を、金属、金属酸化物、金属チッ化物、金属炭化物およびそれらの複合物からなる群より選ばれる1種以上の金属または金属化合物でコーティングする工程を有する半導体製造装置用バルブの弁体の製造方法に関する。
また、本発明の半導体製造装置用バルブの弁体は、半導体製造装置、液晶パネル製造装置、プラズマパネル製造装置、プラズマアドレス液晶パネル、フィールドエミッションディスプレイパネル、太陽電池基板等の半導体関連分野において広く用いることができる。
つぎに本発明を実施例をあげて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
<表面粗さ(Ra)>
表面粗さ計(機種名:表面形状測定顕微鏡VF−7500、(株)キーエンス製)を用いて測定する。
<密着性−1>
ベンコットM5(旭化成工業(株)製)を用いて、得られた弁体のエラストマーシール材上のコーティング面を20回擦り、表面の剥離の状態を下記基準により評価する。
○:20回擦り後において剥離がなかった。
△:10〜20回の擦りで剥離した。
×:10回未満の擦りで剥離した。
<密着性−2>
得られた弁体を用いて、下記条件にて密着性を測定する。なお、試験方法は、ガラス基板を弁体に置換える以外は、JIS R−3255(ガラスを基板とした薄膜の付着性試験方法)に規定された方法と同様の方法で行なう。
試験装置:超薄膜スクラッチ試験機 MODEL CSR−02((株)レスカ製)
試験条件:ダイヤモンド圧子針曲率半径・・・・・・5.0μm
弾性アーム・・・・・・・146.64g/mm
ステージ角度・・・・・・3.0度
測定速度・・・・・・・・10.0μm/s
荷重印加速度・・・・・・75.31mN/mm
励振幅・・・・・・・・・79μm
励振周波数・・・・・・・30Hz
<耐プラズマ性>
得られた弁体を用いて、以下の条件で耐プラズマ性を測定する。
(O2、CF4プラズマ)
使用プラズマ照射装置:ICP高密度プラズマ装置((株)サムコインターナショナル研究所製、MODEL RIE−101iPH)
照射条件: ガス流量・・・・・・・・16SCCM
圧力・・・・・・・・20mTorr
出力・・・・・・・・800W
照射時間・・・・・・30分
温度・・・・・・・・150℃
(NF3プラズマ)
使用プラズマ照射装置:アストロンフッ素原子ジェネレーターAX7657−2(アステックス(ASTEX)社製)
照射条件: NF3/Ar・・・・・・・1SLM/1SLM
圧力・・・・・・・・3Torr
照射時間・・・・・・2時間
温度・・・・・・・・150℃
照射操作:プラズマ照射装置のチャンバー内の雰囲気を安定させるために、チャンバー前処理として5分間かけて実ガス空放電を行なう。ついで被験サンプルを入れたアルミニウム製の容器をRF電極の中心部に配置し、上記の条件下でプラズマを照射する。
重量測定:ザートリウス(Sertorious)・GMBH製の電子分析天秤2006MPE(商品名)を使用し、0.1mgまで測定し0.1mgの桁を四捨五入する。
表面粗度測定:表面粗さ計(機種名:表面形状測定顕微鏡VF−7500、(株)キーエンス製)を用いて測定する。
参考例1
(フッ素ゴムコンパウンド(A)の作製)
含フッ素エラストマー(ダイエルパーフロGA−105、ダイキン工業(株)製)と、パーヘキサ25B(日本油脂(株)製)とトリアリルイソシアヌレート(TAIC)(日本化成(株)製)と酸化アルミニウムとを重量比100/1/2/15で、オープンロールにて混練して架橋可能なフッ素系エラストマー組成物(A)を得た。
参考例2
(フッ素ゴムコンパウンド(B)の作製)
含フッ素エラストマー(ダイエルパーフロGA−105、ダイキン工業(株)製)と、パーヘキサ25B(日本油脂(株)製)とトリアリルイソシアヌレート(TAIC)(日本化成(株)製)とポリイミド樹脂粉末UIP−S(宇部興産(株)製)とを重量比100/1/2/15で、オープンロールにて混練して架橋可能なフッ素系エラストマー組成物(B)を得た。
比較例1
参考例1で得られた架橋可能なフッ素系エラストマー組成物(A)と、弁体本体(図3)を用いて、160℃で、7分間プレスして架橋成形を行なったのち、さらに、180℃のエアーオーブン中で4時間かけてオーブン架橋し、フッ素系エラストマーと弁体が一体化した半導体製造装置用バルブの弁体(A)を得た。このときあらかじめ弁体のゴムと接着する溝部分は、サンドペーパー(#100)を用いて表面を荒らした後に接着剤としてビニルトリメトキシシラン(KBM−1003、信越化学工業(株)製)を刷毛で塗布し、室温で風乾後、さらに150℃で10分間の焼成を行なった。
比較例2
基材として、参考例2で得られた架橋可能なフッ素系エラストマー組成物(B)を用いた以外は、比較例1と同様にし、フッ素系エラストマーと弁体が一体化した半導体製造装置用バルブの弁体(B)を得た。
実施例1
比較例1で得た半導体製造装置用バルブの弁体(A)を10%水酸化ナトリウム水溶液によるアルカリ超音波洗浄(45℃)1.5分、一般水道水超音波洗浄1.5分、一般水道水バブリング洗浄1.5分、純水超音波洗浄3分、純水バブリング洗浄1.5分、温純水洗浄 数分の順番で洗浄をした。洗浄後、エラストマーシールの接着された面にイオンプレーティング装置(成膜条件:蒸発材料 Al、放電電流 50A、Ar流量 40SCCM、成膜圧力 0.25mTorr)を用いて、厚さ0.2μmのアルミニウムのコーティング膜を施し、半導体製造装置用バルブの弁体(C)を得た。
実施例2
半導体製造装置用バルブの弁体(A)に変えて半導体製造装置用バルブの弁体(B)を用いた以外は、実施例1と同様にし、半導体製造装置用バルブの弁体(D)を得た。
Figure 0004821314
(a)半導体製造装置用バルブの弁体の一態様を示す図である。(b)図1(a)の弁体のAA断面図である。 半導体製造装置用バルブの弁体の一態様を示す図である。 (a)実施例1、2、比較例1、2で用いた弁体本体を示す図である。(b)図3(a)の弁体の側面図である。 (a)弁体本体の一態様を示す図である。(b)図4(a)の弁体の側面図である。
符号の説明
1 弁体本体
2 溝
3 エラストマーシール材

Claims (6)

  1. 弁体本体のシール側部分にエラストマーシール材が一体化された半導体製造装置用バルブの弁体であって、
    前記弁体本体のシール側表面全体に、金属、金属酸化物、金属チッ化物、金属炭化物およびそれらの複合物からなる群より選ばれる1種以上の金属または金属化合物を含むコーティング膜を有する半導体製造装置用バルブの弁体。
  2. エラストマーシール材が、フッ素ゴムからなるシール材である請求項1記載の半導体製造装置用バルブの弁体。
  3. コーティング膜の膜厚が、0.005〜1μmである請求項1または2記載の半導体製造装置用バルブの弁体。
  4. 弁体本体のシール側部分にエラストマーシール材を組み込み一体化する工程、およびエラストマーシール材が一体化された前記弁体本体のシール側表面全体を、金属、金属酸化物、金属チッ化物、金属炭化物およびそれらの複合物からなる群より選ばれる1種以上の金属または金属化合物でコーティングする工程を有する半導体製造装置用バルブの弁体の製造方法。
  5. コーティングする工程が、真空成膜法により行われる請求項記載の半導体製造装置用バルブの弁体の製造方法。
  6. 真空成膜法が、イオンプレーティング法である請求項記載の半導体製造装置用バルブの弁体の製造方法。
JP2005372718A 2005-12-26 2005-12-26 半導体製造装置用バルブの弁体およびその製造方法 Expired - Fee Related JP4821314B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005372718A JP4821314B2 (ja) 2005-12-26 2005-12-26 半導体製造装置用バルブの弁体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005372718A JP4821314B2 (ja) 2005-12-26 2005-12-26 半導体製造装置用バルブの弁体およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007170634A JP2007170634A (ja) 2007-07-05
JP4821314B2 true JP4821314B2 (ja) 2011-11-24

Family

ID=38297438

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005372718A Expired - Fee Related JP4821314B2 (ja) 2005-12-26 2005-12-26 半導体製造装置用バルブの弁体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4821314B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5845640B2 (ja) * 2011-06-03 2016-01-20 いすゞ自動車株式会社 流路切替弁及びそれを備えた内燃機関
JP6104927B2 (ja) 2012-10-09 2017-03-29 日本バルカー工業株式会社 複合シール
JP5697781B1 (ja) * 2014-05-26 2015-04-08 日本バルカー工業株式会社 弁体の製造方法
EP3492500B1 (en) * 2017-12-01 2023-09-20 Daikin Industries, Ltd. Use of a crosslinked product of a fluorine-containing amorphous elastomer
JP2021080889A (ja) * 2019-11-20 2021-05-27 愛三工業株式会社 Egrバルブ装置

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5871906A (ja) * 1981-10-22 1983-04-28 Daikin Ind Ltd 含フツ素弾性状共重合体の製法
JPS6058962U (ja) * 1983-09-29 1985-04-24 富士通株式会社 Oリング
JPS61223007A (ja) * 1985-03-28 1986-10-03 Daikin Ind Ltd フルオロエラストマ−の乳化重合法
US4973634A (en) * 1989-05-19 1990-11-27 E. I. Du Pont De Nemours And Company Preparation of bromo-containing perfluoropolymers having iodine curesites
US4972038A (en) * 1989-05-19 1990-11-20 E. I. Du Pont De Nemours And Company Cyano-containing perfluoropolymers having iodine curesites
JP2945450B2 (ja) * 1990-07-24 1999-09-06 古野電気株式会社 傾斜センサおよび傾斜角測定装置
IT1269514B (it) * 1994-05-18 1997-04-01 Ausimont Spa Fluoroelastomeri vulcanizzabili per via perossidica,particolarmente adatti per la fabbricazione di o-ring
US5579718A (en) * 1995-03-31 1996-12-03 Applied Materials, Inc. Slit valve door
EP0872495B1 (en) * 1995-12-28 2001-11-14 Daikin Industries, Limited Fluorine-containing elastic copolymers, curable composition containing the same and sealant made therefrom
US6045620A (en) * 1997-07-11 2000-04-04 Applied Materials, Inc. Two-piece slit valve insert for vacuum processing system
US6089543A (en) * 1997-07-11 2000-07-18 Applied Materials, Inc. Two-piece slit valve door with molded-in-place seal for a vacuum processing system
JPH11336905A (ja) * 1998-05-28 1999-12-07 Ckd Corp バルブのシール構造
US6192827B1 (en) * 1998-07-03 2001-02-27 Applied Materials, Inc. Double slit-valve doors for plasma processing
JP3210627B2 (ja) * 1998-09-30 2001-09-17 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド 半導体製造装置
JP2002047480A (ja) * 2000-07-31 2002-02-12 Mitsubishi Cable Ind Ltd シール材
JP2002047479A (ja) * 2000-07-31 2002-02-12 Mitsubishi Cable Ind Ltd シール材
JPWO2005050069A1 (ja) * 2003-11-21 2007-06-07 ダイキン工業株式会社 表面コーティングされたシール材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007170634A (ja) 2007-07-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100808349B1 (ko) 밀봉재, 그의 제조방법 및 그를 갖는 액정·반도체 제조 장치
JP5553320B2 (ja) 架橋性含フッ素エラストマー組成物および該組成物から作製された成形品
KR100782663B1 (ko) 불소 함유 엘라스토머 조성물
JP2009030064A (ja) 架橋性エラストマー組成物および該組成物からなる成形品
TWI798274B (zh) 交聯性彈性體組成物及氟橡膠成形品
JP4821314B2 (ja) 半導体製造装置用バルブの弁体およびその製造方法
JP2013082888A (ja) 架橋性フッ素ゴム組成物、フッ素ゴム成形品及びその製造方法
EP2629970A2 (en) Fluoroelastomer bonding compositions suitable for high-temperature applications
JPWO2011002080A1 (ja) 架橋性フッ素ゴム組成物、フッ素ゴム成形品及びその製法
JP6547233B2 (ja) 組成物および成形品
JP4992897B2 (ja) シール材、該シール材を有するプラズマ処理装置用部品および該シール材の製造方法
JP4985881B1 (ja) ボンデッドシールからの金属部材の分離回収方法、およびボンデッドシールの製造方法
WO2004063281A1 (ja) 架橋性エラストマー組成物および該架橋性エラストマー組成物からなる成形品
JP2003165970A (ja) 封止材
JP6789521B2 (ja) デンドリマー、組成物及び成型品
JP2008120900A (ja) 粉体塗料
WO2023149419A1 (ja) 環状積層体、シール材および製造方法
JP2010059311A (ja) 架橋性フッ素ゴム組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080805

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20100517

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20101020

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20101021

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110125

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110325

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110809

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110822

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4821314

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140916

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees