JP2002047480A - シール材 - Google Patents

シール材

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JP2002047480A
JP2002047480A JP2000231091A JP2000231091A JP2002047480A JP 2002047480 A JP2002047480 A JP 2002047480A JP 2000231091 A JP2000231091 A JP 2000231091A JP 2000231091 A JP2000231091 A JP 2000231091A JP 2002047480 A JP2002047480 A JP 2002047480A
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rubber
sealing material
carbon film
diamond
hardness
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JP2000231091A
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English (en)
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Masaki Kawahigashi
正記 川東
Nobuo Keijo
伸雄 慶上
Kazuhiko Kobiki
一彦 木挽
Seigo Kawashima
誠五 川島
Yasufumi Fukushima
康文 福島
Junichi Tsujimoto
順一 辻本
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Cable Industries Ltd
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  • Gasket Seals (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
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  • Sealing Material Composition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 相手部材への膠着を防止するとともに優れた
シール性を有するシール材を提供する。 【解決手段】 ショアーA硬度が40〜100であるゴ
ム基材の表面にダイヤモンド状炭素膜を形成してなるシ
ール材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシール材に関し、特
にゴム基材(ゴム成形体)の表面にダイヤモンド状炭素
膜を設けてなるシール材に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴム成形体からなるシール材(以下、単
にゴムシール材ともいう)は、産業機械、自動車、航空
機、半導体製造装置などの各種機械(装置)における要
素(部品)間のジョイント部などのシール性が要求され
る箇所に装着して使用されている。
【0003】ゴムシール材はゴムが有する柔軟性と弾性
とによって細かい空間を閉止し得るものであるが、一般
にその適用箇所が可動部材であるか固定部材であるかに
よって、パッキン、ガスケットと呼ばれたり、またその
形状からOリング、Dリング、Uパッキン、Vパッキン
などと呼ばれる。
【0004】ところで水道のゴムパッキンなどは回転す
るシャフトに接触した状態で使用されるものであり、こ
のような可動部材に装着して使用されるゴムシール材で
は、相手部材に対するゴムの滑り摩擦係数が大きい程シ
ール性は概ね良好であるが、ゴムの磨耗が大きいために
その寿命が低下し、また目的の動作性(可動部材の動作
性)も低下する。また、Oリングはねじやフランジに密
接に接触させて目的のシール性が得られるものである
が、長期の使用によって、ねじやフランジに膠着してし
まい、ゴムの劣化によるシール性の低下を見込んでOリ
ングを取り替えようとしても、容易に取り替えられなく
なってしまう。このような問題に対して、特開平10−
53870号公報では、ゴムシール材の表面にダイヤモ
ンド状炭素膜(DLC膜:Diamond−Like
Carbon Films)を設けることにより、ダイ
ヤモンド状炭素膜が有する潤滑性によってゴムシール材
の表面摩擦係数が減少して、上記の不具合を解消できる
と記載されている。
【0005】ダイヤモンド状炭素膜とは、ダイヤモンド
のように硬い炭素膜と言う意味でつけられた言葉であ
り、アモルファス構造を有し、結晶粒界をもたない炭素
膜であって、潤滑性を有する高硬度(ビッカース硬さ
(Hv)で概ね2000〜4000程度)の膜である。
従来、ダイヤモンド状炭素膜は金属面や半導体面に設け
て使用されてきた。上記公報は、ゴムや樹脂の表面にも
ダイヤモンド状炭素膜を形成できるようにしたダイヤモ
ンド状炭素膜の製造方法を提案したもので、ダイヤモン
ド状炭素膜を表面に設けたゴム材料の一具体例として、
前述のダイヤモンド状炭素膜を表面に設けたゴムシール
材を開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記公報
に提案された方法によってゴム基材(ゴム成形体)の表
面にダイヤモンド状炭素膜を設けたシール材を作成し、
これのシール性を詳細に検討した。その結果、ゴム基材
単体では良好なシール性を示しても、その表面にダイヤ
モンド状炭素膜を設けた場合には、相手部材に対しての
膠着性は改善され得るが、シール性が低下してしまう問
題があることがわかった。本発明の目的は、相手部材へ
の膠着を防止するとともに優れたシール性を有するシー
ル材を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を行った結果、特定の数値範囲
内のショアーA硬度を有するゴム基材の表面にダイヤモ
ンド状炭素膜を形成することによって、相手部材への膠
着を防止するとともに優れたシール性を有するシール材
が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は以下のとおりである。 (1)ショアーA硬度が40〜100であるゴム基材の
表面にダイヤモンド状炭素膜を形成してなることを特徴
とするシール材。 (2)ダイヤモンド状炭素膜の平均厚みが0.001μ
m〜10μmであることを特徴とする上記(1)に記載
のシール材。 (3)ゴムが、フッ素ゴムであることを特徴とする上記
(1)または(2)に記載のシール材。 (4)ゴムが、少なくとも四フッ化エチレンをモノマー
として共重合されたフッ素ゴムであることを特徴とする
上記(3)に記載のシール材。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のシール材は、基本的には、ゴム基材の表面にダ
イヤモンド状炭素膜を形成してなるものである。該ダイ
ヤモンド状炭素膜は、ゴム基材の表面の少なくとも一
部、すなわちシール材として用いるときに相手部材に接
触する部分に形成されていればよい。また該炭素膜はゴ
ム基材の表面の全面にわたって形成されていてもよい。
【0010】本発明のシール材は、たとえばショアーA
硬度計などの装置を用い、JISK 6253に規定さ
れる測定方法によって測定されたゴム基材のショアーA
硬度が40〜100、より好ましくは50〜90であ
る。
【0011】該ショアーA硬度が40未満であればシー
ル材が潰れてしまい、これによって変形してシール圧が
不充分な部分がでてきてシール性に劣る不具合がある。
また該ショアーA硬度が100より大きいと、充分な弾
力が得られずシール性の面で問題が生じる。本発明のシ
ール材は、ショアーA硬度が上記の範囲内のゴムをゴム
基材として用いているので、シール材の変形性に優れ、
ダイヤモンド状炭素膜の相手側部材への密着性が向上し
た優れたシール性を有する。ゴム基材の上記硬度はゴム
の分子量や架橋度、ゴムに配合する充填剤の種類や量な
どによって調整される。
【0012】本発明におけるゴム基材のショアーA硬度
は、ダイヤモンド状炭素膜によって被覆されるゴム基材
表面の割合およびダイヤモンド状炭素膜の平均厚みに応
じて適宜選択される。すなわち該炭素膜が同じ平均厚み
であれば、該炭素膜のゴム基材表面を覆う割合が多けれ
ば多いほど上記範囲内でショアーA硬度のより低いゴム
がゴム基材として好適に用いられる。また該炭素膜のゴ
ム基材表面を覆う割合が同じであれば、該炭素膜の平均
厚みが大きければ大きいほど上記範囲内でショアーA硬
度のより低いゴムがゴム基材として好適に用いられる。
【0013】また本発明のシール材は、潤滑性を有する
ダイヤモンド状炭素膜がシールすべき相手部材に必ず接
触するように装着される。このように装着されることに
よって、長期間装着されていたとしても、シール材の相
手部材への膠着を防止できる。すなわちシール材は一度
装着してそのまま恒久的にシール機能を発揮し続けると
いうようなものではなく、ゴムの劣化などによって寿命
を有するものであり、したがって一定期間の経過後、新
規なものに取り替えることを想定して使用される。本発
明のシール材では、従来から広く用いられていたシール
材と比較して、この取り替えの際にシール材が相手部材
に膠着しにくいため、より容易にかつより短時間で相手
部材から取り外すことができる。またこの取り外しの際
にシール材の一部が相手部材に残存してしまうようなこ
とがなく、したがって従来のように残存したシール材の
一部が異物となって新規なシール材を装着したときにシ
ール性が低下したり、このシール性の低下によって他機
器が汚染してしまうような不具合を解消することができ
る。また従来上記のような不具合を防ぐためにシール交
換のたびに相手部材に残存したシール材を取り除くとい
った手間のかかる作業が必要であったが、本発明のシー
ル材は取り外しの際に相手部材に残存しないので、より
簡便に交換を行うことができる。このように本発明で
は、相手部材への膠着を防止するとともに優れたシール
性を有するシール材を実現することができる。
【0014】また本発明のシール材は、上記のように潤
滑性を有するダイヤモンド状炭素膜がシールすべき相手
部材に必ず接触するように装着されるので、相手部材が
可動部材である場合には、シール材の磨耗を抑制する。
【0015】また本発明においてダイヤモンド状炭素膜
は、その平均厚みが好ましくは0.001μm〜10μ
m、より好ましくは0.005μm〜1μmである。該
平均厚みは、たとえば電子顕微鏡を用いて断面を観察す
ることで測定される。該炭素膜の平均厚みが0.001
μm未満であると、難膠着性の改善効果が期待できない
ため好ましくない。また該平均厚みが10μmを超える
と、シール材全体の弾力性が損なわれシール性が低下す
るため好ましくない。
【0016】ゴム基材としては、HNBR(水素化ニト
リルゴム)、NBR(ニトリルゴム)、EPDM(エチ
レン−プロピレン−ジエンゴム)、EPM(エチレン−
プロピレンゴム)、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フル
オロシリコーンゴム、アクリルゴムなどの従来からゴム
シール材に使用されているゴムを所望のシール材の形状
に成形したものが使用される。これらのゴムは1種また
は2種以上を組み合わせて用いることができる。ゴムは
架橋(加硫)ゴム、未架橋ゴムのいずれでもよく、ま
た、ゴムには必要に応じて後述の充填剤などの添加剤が
配合される。
【0017】従来から耐熱酸化性が要求されるゴムシー
ル材には、フッ素ゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム
などの耐熱性のゴムが使用されている。上記中でも特に
フッ素ゴムは耐熱酸化性以外に後述のように耐薬品性に
も優れるものであるが、フッ素ゴムからなるシール材で
は金属と膠着しやすく、たとえばこの膠着を防止すべく
予め潤滑剤を混合したものも従来用いられていたが、充
分ではなかった。本発明のシール材においては、ダイヤ
モンド状炭素膜を形成しているので、シール材の耐熱酸
化性をより向上させ得るフッ素ゴムをゴム基材として好
適に使用しても、上記の膠着を防止することができる。
また本発明においても、ゴム基材としてフルオロシリコ
ーンゴム、シリコーンゴムおよびアクリルゴムなどの耐
熱酸化性のゴムを成形したものも好適に用いることがで
きる。これらの耐熱酸化性のゴムは1種または2種以上
を組み合わせて用いることができ、フッ素ゴムを少なく
とも用いるのが好ましい。
【0018】フッ素ゴムとしては、フッ化ビニリデン−
六フッ化プロピレン−四フッ化エチレン共重合体、フッ
化ビニリデン−パーフルオロビニルエーテル−四フッ化
エチレン共重合体、四フッ化エチレン−パーフルオロビ
ニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン−プロピレン
−四フッ化エチレン共重合体、パーフルオロビニルエー
テル−エチレン−四フッ化エチレン共重合体、四フッ化
エチレン−プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−六
フッ化プロピレン共重合体などが挙げられ、これらは1
種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
シール材の耐熱酸化性をより向上させる観点からは、少
なくともフッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合
体、四フッ化エチレン−パーフルオロビニルエーテル共
重合体などの二元系(二元共重合)フッ素ゴムを用いる
のが好ましく、特に好ましくは二元系フッ素ゴムをビス
フェノールなどのポリオールで架橋した架橋ゴムを用い
るのがよい。
【0019】また、フッ素ゴムは耐熱酸化性だけでなく
耐薬品性にも優れたゴムであるが、有機過酸化物で架橋
したフッ素ゴムは耐薬品性が特に良好である。よって、
シール材が薬品に曝される環境下で使用されるものであ
る場合には、有機過酸化物で架橋したフッ素ゴムを用い
るのが好ましい。有機過酸化物としては、ベンゾイルパ
ーオキサイド、ビス(3,5,5−トリメチルヘキサノ
イル)パーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t
−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ
−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイ
ソブチレート、ジクミルパーオキサイド、1,3−ビス
(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−
ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキサン、ジt−ブチルパーオキサイ
ドなどが挙げられる。
【0020】また本発明のゴム基材に用いるゴムは、少
なくとも四フッ化エチレンをモノマーとして共重合され
たフッ素ゴムであることがさらに好ましい。このような
フッ素ゴムとしては、上述したものが挙げられ、中でも
フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン−四フッ化エチ
レン共重合体、四フッ化エチレン−プロピレン共重合体
あるいはフッ化ビニリデン−パーフルオロビニルエーテ
ル−四フッ化エチレン共重合体の四フッ化エチレンホモ
ポリマー相をハードセグメントとして有し、フッ素ゴム
相をソフトセグメントとして有するフッ素ゴムが好まし
い。
【0021】本発明では、上述のように必要に応じてゴ
ム基材の硬度の調整を主たる目的にゴムに充填剤を配合
するが、ゴムに充填剤を多量に配合することは、ゴム基
材とダイヤモンド状炭素膜との密着力(接合強度)を低
下させる。上記の少なくとも四フッ化エチレンをモノマ
ーとして共重合されたフッ素ゴムは、充填剤を配合しな
くとも良好な硬度を保有しており、したがってこれをゴ
ム基材として用いたシール材は、耐久性に優れる利点が
ある。
【0022】シリコーンゴムとしては、フルオロシリコ
ーンゴム、ポリジメチルシリコーンゴム、メチルビニル
シリコーンゴム、メチルフェニルシリコーンゴムなどが
挙げられ、これらは1種または2種以上を組み合わせて
用いることができる。フルオロシリコーンゴムとして
は、メチルトリフルオロプロピルビニルシリコーンゴム
などが挙げられ、これらは1種または2種以上を組み合
わせて用いることができる。
【0023】アクリルゴムは、アクリル酸アルキルエス
テルを主成分とし、架橋性ビニルモノマーを共重合させ
た重合体である。アクリル酸アルキルエステルとして
は、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エ
チルヘキシルアクリレートなどが挙げられ、これらは1
種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
架橋性ビニルモノマーとしては、2−クロロエチルビニ
ルエーテル、ビニルクロロアセテートなどのハロゲン基
含有化合物、アリルグリシジルエーテル、グリシジルエ
ーテルなどのエポキシ化合物、エチリデンノリボルネン
などのジエン化合物などが挙げられ、これらは1種また
は2種以上を組み合わせて用いることができる。通常、
架橋性ビニルモノマーにハロゲン基含有化合物を用いる
場合は金属石鹸(たとえばステアリン酸ナトリウム、ス
テアリン酸カリウムなど)を架橋剤に用いて架橋し、架
橋性ビニルモノマーにエポキシ化合物を用いる場合はア
ミン化合物(たとえばヘキサメチレンジアミンなど)を
架橋剤に用いて架橋し、架橋性ビニルモノマーにジエン
化合物を用いる場合は硫黄、有機過酸化物(たとえばジ
クミルパーオキサイドなど)を架橋剤に用いて架橋す
る。
【0024】ゴム基材に架橋ゴムを使用する場合、ゴ
ム、架橋剤の種類によっても異なるが、未架橋のゴム1
00重量部当たり、架橋剤を通常1.0重量部〜5.0
重量部程度、好ましくは2.0重量部〜4.0重量部程
度使用する。
【0025】ゴムシール材には上記のようにゴム硬度の
調整などを目的に充填剤を配合することが多いが、本発
明のシール材においても、必要に応じて、ゴム基材(ゴ
ム)の硬度の調整を目的に充填剤を配合することができ
る。充填剤としては、無機系充填剤、有機系充填剤のい
ずれも使用可能である。無機系充填剤としては、シリ
カ、酸化チタン、酸化鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウ
ム、珪藻土、アルミナ、酸化カルシウム、酸化鉄、酸化
スズ、酸化アンチモン、フェライト類などの酸化物;水
酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシ
ウム、塩基性炭酸マグネシウムなどの水酸物;炭酸カル
シウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、
ドーソナイト、ハイドロタルサイトなどの炭酸塩;硫酸
バリウム、硫酸カルシウムなどの硫酸塩;ケイ酸アルミ
ニウム(クレー、カリオナイト、パイロフィライト)、
ケイ酸マグネシウム(タルク)、ケイ酸カルシウム(ウ
オラストナイト、ゾノトライト)、クレー、モンモリロ
ナイト、ベントナイト、活性白土およびマイカなどのケ
イ酸塩;窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素な
どの窒化物が挙げられる。これらの無機化合物は1種ま
たは2種以上を組み合わせて用いることができる。有機
系充填剤としては、カーボンブラック、カーボングラフ
ァイトなどが挙げられる。
【0026】充填剤の配合量は、ゴム基材とダイヤモン
ド状炭素膜との密着性を考慮して、ゴム100重量部当
たり通常1重量部〜60重量部程度、好ましくは10重
量部〜30重量部程度である。
【0027】ゴム基材には、充填剤以外の添加剤を必要
に応じて配合してもよく、かかる添加剤としては、滑
剤、可塑剤などが挙げられる。滑剤としては、ステアリ
ン酸などが挙げられ、可塑剤としては、ジオクチルフタ
レート、ジオクチルセバケートなどが挙げられる。これ
らの添加剤はシール材の用途、または、その要求特性に
応じて種類と量を選択することができる。また、ゴムを
架橋ゴムとする場合、架橋剤以外に架橋助剤を配合する
こともできる。
【0028】ゴム基材は、ゴム(未架橋ゴム)と、架橋
剤や架橋剤以外の他の添加剤などを、たとえば、ニーダ
ー、バンバリーミキサーなどの混練機を用いて混練した
後、射出成形機、圧縮成形機、押出成形機などを用いて
所望のシール材の形状に成形して得ることができる。ゴ
ム基材には加硫を施すのが好ましく、該加硫は、たとえ
ば165℃で20分間の一次加硫を行った後、250℃
で24時間の二次加硫を行うというような条件が好まし
い。
【0029】また本発明のシール材は、良好なシール性
を得る観点から、ゴム基材の表面の少なくともダイヤモ
ンド状炭素膜が形成される部分の表面粗さが、0.00
1μmRa〜10μmRaに選ばれるのが好ましく、
0.01μmRa〜5μmRaに選ばれるのがより好ま
しい。該表面粗さは、たとえば表面形状測定顕微鏡(V
K−8500、キーエンス社製)を用いて、赤外レーザ
光をゴム基材表面に照射し、反射した赤外光を分析する
ことで測定できる。上記範囲内の表面粗さのゴム基材
は、成形時の金型表面の粗さを適宜調整することで作製
できる。
【0030】上述のように本発明のダイヤモンド状炭素
膜は、その平均厚みが好ましくは0.001μm〜10
μmに選ばれるので、ゴム基材の表面粗さに追随した形
で、同程度の表面粗さに実現される。ゴム基材の表面粗
さを上記範囲に選ぶことで、ゴム基材表面とダイヤモン
ド状炭素膜との間の密着性に優れ、かつ良好なシール性
を有するシール材を得ることができる。上記表面粗さが
10μmRaを超えると、ゴム基材表面とダイヤモンド
状炭素膜との間の密着性が悪くなるとともに、シール材
のシール性も低下してしまうため好ましくない。また上
記表面粗さが0.001μmRa未満のものは、作製が
困難である。
【0031】本発明のシール材のダイヤモンド状炭素膜
は、プラズマCVD法、スパッタリング法、イオンプレ
ーティング法などの従来公知の薄膜形成法にて好適に形
成することができる。中でも特に、上述の特開平10−
53870号公報に記載の方法にて行うのが好ましい。
【0032】本発明のシール材は、ゴム基材を各種形状
に成形することで、各種用途のシール材に使用できる。
すなわち、Oリング、Dリング、Xリング、Uパッキ
ン、Vパッキンなどの運動用シール(パッキン)、ゴム
ガスケット等の固定用シールとして使用することがで
き、中でも特にOリングで実現されるのが好ましい。
【0033】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではな
い。 実施例1 フッ素ゴム(フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン−
四フッ化エチレン共重合体、ショアーA硬度:50(シ
ョアーA硬度計にて測定))100重量部およびカーボ
ン5重量部にビスフェノールを2phr入れ、165℃
で20分間一次加硫した後、250℃で24時間二次加
硫し、幅:3.53mm、内径:24.99mmのOリ
ング状に成形し、ゴム基材を作製した。次に、上記ゴム
基材の表面全域に、プラズマCVD法で平均厚みが0.
005μmのダイヤモンド状炭素膜を形成して、Oリン
グの試作品を作成した。
【0034】実施例2 四フッ化エチレンをモノマーとして共重合された(四フ
ッ化エチレンホモポリマー相とフッ素ゴム相とを有す
る)フッ素ゴム(ダイエル T−530、ショアーA硬
度:66、ダイキン社製)をゴム基材の材料として用
い、ダイヤモンド状炭素膜の平均厚みを1μmとした以
外は実施例1と同様にしてOリングの試作品を作成し
た。
【0035】実施例3 フッ素ゴム(フッ化ビニリデン−パーフルオロビニルエ
ーテル−四フッ化エチレン共重合体、ショアーA硬度:
50)をゴム基材の材料として用い、ダイヤモンド状炭
素膜の平均厚みを0.01μmとした以外は実施例1と
同様にしてOリングの試作品を作成した。
【0036】実施例4 四フッ化エチレンをモノマーとして共重合されたフッ素
ゴム(ダイエル T−630、ショアーA硬度:60、
ダイキン社製)をゴム基材の材料として用い、ダイヤモ
ンド状炭素膜の平均厚みを1μmとした以外は実施例1
と同様にしてOリングの試作品を作成した。
【0037】実施例5 フッ素ゴム(フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共
重合体、ショアーA硬度:50)をゴム基材の材料とし
て用い、ダイヤモンド状炭素膜の平均厚みを0.05μ
mとした以外は実施例1と同様にしてOリングの試作品
を作成した。
【0038】実施例6 EPDM(ショアーA硬度:70)をゴム基材の材料と
して用い、ダイヤモンド状炭素膜の平均厚みを1μmと
した以外は実施例1と同様にしてOリングの試作品を作
成した。
【0039】比較例1 フッ素ゴム(フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン−
四フッ化エチレン共重合体、ショアーA硬度:30)を
ゴム基材の材料として用い、ダイヤモンド状炭素膜の平
均厚みを1μmとした以外は実施例1と同様にしてOリ
ングの試作品を作成した。
【0040】比較例2 フッ素ゴム(フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン−
四フッ化エチレン共重合体、ショアーA硬度:110)
をゴム基材の材料として用い、ダイヤモンド状炭素膜の
平均厚みを20μmとした以外は実施例1と同様にして
Oリングの試作品を作成した。
【0041】<膠着防止の評価>図1は、上記の各Oリ
ングの試作品の膠着防止の評価試験に用いる治具を簡略
化して示す図である。該試験は、Oリングの試作品1を
#1000サンドペーパーで表面を磨いたSUS304
製の治具2に装着することで行った。治具2は、互いに
嵌め込み可能な第一部材3と第二部材4とを備える。図
1に示すように、第一部材3は、軸線方向一方Z1側に
おいて中心部分に開口7を有する略円板状の底壁部5
と、該底壁部5の周方向に沿って軸線方向他方Z2側に
突出する周壁部6とを有する。底壁部5の軸線方向他方
Z2側には、開口7を外囲する略円状の溝10が形成さ
れている。第二部材4は、該第一部材3よりも小さな径
を有する円板状部8と、該円板状部8の中心部分から軸
線方向一方Z1側に突出する棒状部9とを有する。第二
部材4の棒状部9は、第一部材3の軸線方向他方Z2側
から第二部材4が嵌め込まれた状態で、第一部材3の開
口7に挿入され得るように形成される。第二部材4の円
板状部8上にOリングの試作品1を載置し、第一部材3
と第二部材4とを上記のように嵌め込むと、試作品1は
溝10内に嵌り込んで治具2に装着される。図1に示す
ように第一部材3と第二部材4との間に試作品1を装着
した状態で、第一部材3と第二部材4とを試作品1を挟
んで互いに密着する方向に押圧し、25%の圧縮率(潰
し率)で試作品1を圧縮した。この状態で試作品1を1
20℃で24時間放置した後、室温(25℃)で24時
間放置してから、第二部材4の棒状部9を第一部材3と
第二部材4とが互いに離反する方向(軸線方向他方Z2
側)に押圧し、第一部材3と第二部材4とが外れるとき
の強度を測定した。該強度は、テンシロン試験機を用い
て行った。強度が50N以下の試作品を○、強度が50
Nを超えた試作品を×とした。
【0042】<シール性の評価>図2は、上記の各Oリ
ングの試作品のシール性の評価試験に用いる治具を簡略
化して示す図である。該試験は、Oリングの試作品11
をSUS304製の二枚の板状体13,14である治具
12で挟んで互いに密着する方向に押圧し、25%の圧
縮率(潰し率)で試作品11を圧縮した。この状態の試
作品11を水中に入れ、24時間放置した。上記放置
後、試作品11および板状体13,14によって規定さ
れる空間15に水の浸入がなかったものを○、水の浸入
があったものを×とした。結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、相手部材への膠着を防止するとともに優れたシ
ール性を有するシール材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各Oリングの試作品1の膠着防止の評価試験に
用いる治具を簡略化して示す図である。
【図2】各Oリングの試作品11のシール性の評価試験
に用いる治具を簡略化して示す図である。
【符号の説明】
1,11 Oリングの試作品 2,12 治具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 7/06 CEW C08J 7/06 CEWZ F16J 15/10 F16J 15/10 Y G // C08L 27:12 C08L 27:12 (72)発明者 木挽 一彦 和歌山県有田市箕島663番地 三菱電線工 業株式会社箕島製作所内 (72)発明者 川島 誠五 和歌山県有田市箕島663番地 三菱電線工 業株式会社箕島製作所内 (72)発明者 福島 康文 和歌山県有田市箕島663番地 三菱電線工 業株式会社箕島製作所内 (72)発明者 辻本 順一 大阪府大阪市北区天満橋1丁目8番30号 OAPタワー 三菱電線工業株式会社関西 支社内 Fターム(参考) 3J040 EA16 EA25 EA46 FA05 FA07 HA15 HA30 4F006 AA18 AB72 BA09 DA01 4F100 AA37B AH02 AK12A AN02A BA02 EH66 EJ06 EJ61 GB51 JK12A JL11 JM02B YY00A YY00B 4H017 AA03 AA29 AB12 AC16 AD03 AE02 AE05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ショアーA硬度が40〜100であるゴ
    ム基材の表面にダイヤモンド状炭素膜を形成してなるこ
    とを特徴とするシール材。
  2. 【請求項2】 ダイヤモンド状炭素膜の平均厚みが0.
    001μm〜10μmであることを特徴とする請求項1
    に記載のシール材。
  3. 【請求項3】 ゴムが、フッ素ゴムであることを特徴と
    する請求項1または2に記載のシール材。
  4. 【請求項4】 ゴムが、少なくとも四フッ化エチレンを
    モノマーとして共重合されたフッ素ゴムであることを特
    徴とする請求項3に記載のシール材。
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