JP2010059311A - 架橋性フッ素ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】長期間充分な低摩擦性や非粘着性を確保でき、かつ、シール性に優れた成形品を提供する。
【解決手段】(A)フッ素ゴム、(B)式:CH2=CX−COO−(CH2)a−Y−(CH2)b−Rf(式中、Xは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、CFX1X2基、シアノ基、炭素数2〜21のフルオロアルキル基、ベンジル基、またはフェニル基;Yは、脂肪族炭化水素基、芳香族基、芳香族エーテル基、環状脂肪族基、環状脂肪族エーテル基、硫黄原子、SO基、SO2基、または−N(R)−SO2−基(Rは水素原子またはアルキル基);aは0〜4の整数、bは0〜4の整数);Rfは、フルオロアルキル基またはフルオロアルケニル基)で示される含フッ素アクリレート化合物由来の構成単位を含む含フッ素重合体、および(C)架橋剤を含む架橋性フッ素ゴム組成物。
【選択図】なし
【解決手段】(A)フッ素ゴム、(B)式:CH2=CX−COO−(CH2)a−Y−(CH2)b−Rf(式中、Xは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、CFX1X2基、シアノ基、炭素数2〜21のフルオロアルキル基、ベンジル基、またはフェニル基;Yは、脂肪族炭化水素基、芳香族基、芳香族エーテル基、環状脂肪族基、環状脂肪族エーテル基、硫黄原子、SO基、SO2基、または−N(R)−SO2−基(Rは水素原子またはアルキル基);aは0〜4の整数、bは0〜4の整数);Rfは、フルオロアルキル基またはフルオロアルケニル基)で示される含フッ素アクリレート化合物由来の構成単位を含む含フッ素重合体、および(C)架橋剤を含む架橋性フッ素ゴム組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、低摩擦で非粘着性に優れた架橋性フッ素ゴム組成物、およびそれから得られるシール材などの各種成形品に関する。
従来、オイルシールなどのシール材には、動摩擦係数が低いことが要求されてきた。
その要求に応えるために、層状無機充填材や、高硬度の無機充填材を配合することが試みられてきた(特許文献1)。
有機系の材料を用いた試みとしては、特許文献2では、シール材本体であるゴム基体表面にフッ素樹脂繊維層を積層した複合材が提案されている。また、特許文献3では、パーフルオロゴム層とフッ素樹脂層を架橋接着することによって得られる積層体が提案されている。
このようにフッ素ゴムからなるシール材の表面に摺動性(低摩擦性)や非粘着性を付与する手段としては、フッ素ゴムからなるシール材の表面にフッ素系の樹脂や繊維を積層することが提案されている。これは、摺動使用される成形品では、たとえばシリコーンオイルやフッ素樹脂粒子などの潤滑剤を内添することでは表面潤滑性を長期間維持することが困難であることによる。
本発明者らは、積層型ではなく、内添型の架橋性フッ素ゴム組成物であるが、長期間充分な低摩擦性や非粘着性を確保でき、かつ、シール性に優れた成形品を提供することを目的とする。また本発明においては、ゴム表面の撥水撥油性を向上させることも可能である。
本発明は、(A)フッ素ゴム、
(B)式(1):
CH2=CX−COO−(CH2)a−Y−(CH2)b−Rf (1)
(式中、Xは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、CFX1X2基(X1およびX2は同じかまたは異なり、いずれも水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である)、シアノ基、炭素数2〜21の直鎖状もしくは分岐状のフルオロアルキル基、置換もしくは非置換のベンジル基、または置換もしくは非置換のフェニル基;Yは、炭素数1〜10の2価の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜10の2価の芳香族基、炭素数6〜10の2価の芳香族エーテル基、炭素数6〜10の2価の環状脂肪族基、炭素数6〜10の2価の環状脂肪族エーテル基、硫黄原子、SO基、SO2基、または−N(R)−SO2−基(Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基);aは0〜4の整数、bは0〜4の整数);Rfは、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のフルオロアルキル基またはフルオロアルケニル基)で示される含フッ素アクリレート化合物由来の構成単位を含む含フッ素重合体、および
(C)架橋剤
を含む架橋性フッ素ゴム組成物に関する。
(B)式(1):
CH2=CX−COO−(CH2)a−Y−(CH2)b−Rf (1)
(式中、Xは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、CFX1X2基(X1およびX2は同じかまたは異なり、いずれも水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である)、シアノ基、炭素数2〜21の直鎖状もしくは分岐状のフルオロアルキル基、置換もしくは非置換のベンジル基、または置換もしくは非置換のフェニル基;Yは、炭素数1〜10の2価の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜10の2価の芳香族基、炭素数6〜10の2価の芳香族エーテル基、炭素数6〜10の2価の環状脂肪族基、炭素数6〜10の2価の環状脂肪族エーテル基、硫黄原子、SO基、SO2基、または−N(R)−SO2−基(Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基);aは0〜4の整数、bは0〜4の整数);Rfは、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のフルオロアルキル基またはフルオロアルケニル基)で示される含フッ素アクリレート化合物由来の構成単位を含む含フッ素重合体、および
(C)架橋剤
を含む架橋性フッ素ゴム組成物に関する。
また本発明は、本発明の架橋性フッ素ゴム組成物を架橋して得られるフッ素ゴム成形品にも関する。
本発明の架橋性フッ素ゴム組成物によれば、長期間充分な低摩擦性や非粘着性を確保でき、かつ、シール性に優れた成形品を提供することができる。
本発明の架橋性フッ素ゴム組成物は、フッ素ゴム(A)、式(1)で示される特定の含フッ素アクリレート化合物由来の構成単位を含む含フッ素重合体(B)、および架橋剤(C)を含む。
以下、各成分について説明する。
(A)フッ素ゴム
フッ素ゴムとしては、パーフルオロゴムでも非パーフルオロゴムでもよいが、シール材としての性能が良好な点、また製造環境や、価格の点で有利であることから、非パーフルオロゴムが好ましい。さらに、シール材として必要な圧縮永久歪み性能が良好な点から、フッ化ビニリデン(VdF)単位を含む非パーフルオロゴムが好ましいが、シール材以外の用途の場合、これに限られるものではない。
フッ素ゴムとしては、パーフルオロゴムでも非パーフルオロゴムでもよいが、シール材としての性能が良好な点、また製造環境や、価格の点で有利であることから、非パーフルオロゴムが好ましい。さらに、シール材として必要な圧縮永久歪み性能が良好な点から、フッ化ビニリデン(VdF)単位を含む非パーフルオロゴムが好ましいが、シール材以外の用途の場合、これに限られるものではない。
VdF系フッ素ゴムとしては、式(4)で表されるものが好ましい。
−(M1)−(M2)−(N1)− (4)
(式中、構造単位M1はVdF由来の構造単位であり、構造単位M2は含フッ素エチレン性単量体(m2)由来の構造単位であり、構造単位N1は単量体(m1)および単量体(m2)と共重合可能な単量体(n1)由来の繰り返し単位である)
−(M1)−(M2)−(N1)− (4)
(式中、構造単位M1はVdF由来の構造単位であり、構造単位M2は含フッ素エチレン性単量体(m2)由来の構造単位であり、構造単位N1は単量体(m1)および単量体(m2)と共重合可能な単量体(n1)由来の繰り返し単位である)
式(4)で示されるVdF系フッ素ゴムの中でも、構造単位M1を30〜85モル%、構造単位M2を70〜15モル%含むものが好ましく、より好ましくは構造単位M1を30〜80モル%、構造単位M2を70〜20モル%である。構造単位N1は、構造単位M1と構造単位M2の合計量に対して、0〜10モル%であることが好ましい。
含フッ素エチレン性単量体(m2)としては、たとえばTFE、CTFE、トリフルオロエチレン、HFP、トリフルオロプロピレン、テトラフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロブテン、テトラフルオロイソブテン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(以下、PAVEともいう)、フッ化ビニルなどの含フッ素単量体があげられるが、これらのなかでも、TFE、HFP、PAVEが好ましい。
単量体(n1)としては、単量体(m1)および単量体(m2)と共重合可能なものであれば、いかなるものでもよいが、たとえばエチレン、プロピレン、アルキルビニルエーテルなどがあげられる。
また、単量体(n1)としては、架橋部位を与える単量体を用いてもよい。このような架橋部位を与える単量体としては、たとえば、式(5):
CZ1 2=CZ1−Rf2CHR1X4 (5)
(式中、Z1は同じかまたは異なり、いずれも水素原子、フッ素原子またはCH3;Rf2は炭素数1〜6のフルオロアルキレン基、パーフルオロアルキレン基、フルオロポリオキシアルキレン基またはパーフルオロポリオキシアルキレン基;R1は水素原子またはCH3;X4はヨウ素原子または臭素原子)で表されるヨウ素または臭素含有単量体、式(6):
CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)m(CF2)n−X5 (6)
(式中、mは0〜5の整数;nは1〜3の整数;X5はシアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、臭素原子またはヨウ素原子)で表される単量体などがあげられ、これらをそれぞれ単独で、または任意に組み合わせて用いることができる。このヨウ素原子、臭素原子、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基が架橋点として機能する。
CZ1 2=CZ1−Rf2CHR1X4 (5)
(式中、Z1は同じかまたは異なり、いずれも水素原子、フッ素原子またはCH3;Rf2は炭素数1〜6のフルオロアルキレン基、パーフルオロアルキレン基、フルオロポリオキシアルキレン基またはパーフルオロポリオキシアルキレン基;R1は水素原子またはCH3;X4はヨウ素原子または臭素原子)で表されるヨウ素または臭素含有単量体、式(6):
CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)m(CF2)n−X5 (6)
(式中、mは0〜5の整数;nは1〜3の整数;X5はシアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、臭素原子またはヨウ素原子)で表される単量体などがあげられ、これらをそれぞれ単独で、または任意に組み合わせて用いることができる。このヨウ素原子、臭素原子、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基が架橋点として機能する。
なかでも、圧縮永久歪み性能がよい点から、ポリオール架橋可能なVdF単位を含むフッ素ゴムを用いることがより好ましい。なお、パーオキサイド架橋系とすることも可能である。
このようなVdF系フッ素ゴムとして、具体的には、VdF/HFP系ゴム、VdF/HFP/TFE系ゴム、VdF/CTFE系ゴム、VdF/CTFE/TFE系ゴム、VdF/PAVE系ゴム、VdF/TFE/PAVE系ゴム、VdF/HFP/PAVE系ゴム、VdF/HFP/TFE/PAVE系ゴムなどの1種または2種以上が好ましくあげられる。
これらのVdF系フッ素ゴムのなかでも、耐熱性、圧縮永久ひずみ、加工性、コストの点から、VdF−HFP系ゴム、VdF−HFP−TFE系ゴムがとくに好ましい。
また、フッ素ゴムは数平均分子量20,000〜1,200,000のものが好ましく、30,000〜300,000のものがさらに好ましく、50,000〜200,000のものがさらに好ましく用いられる。
また、本発明に使用されるフッ素ゴムは、フッ素含有率65質量%以上のフッ素ゴムであることが好ましく、フッ素含有率66質量%以上のフッ素ゴムであることがより好ましい。フッ素含有率の上限値は特に限定されないが、74質量%以下であることが好ましい。フッ素含有率が、65質量%未満であると耐薬品性、耐燃料油性、燃料低透過性が劣る傾向がある。
以上説明したフッ素ゴムは公知のフッ素ゴムであり、常法により製造することができる。
(B)式(1):
CH2=CX−COO−(CH2)a−Y−(CH2)b−Rf (1)
で示される含フッ素アクリレート化合物由来の構成単位を含む含フッ素重合体(式中、X、Y、a、bおよびRfは前記と同じ)
この含フッ素重合体(B)は、特開2006−37085号公報に記載されているものを含み、優れた撥水撥油性を付与する化合物である。本発明においても、特開2006−37085号公報に記載された説明および具体例が採用できる。
CH2=CX−COO−(CH2)a−Y−(CH2)b−Rf (1)
で示される含フッ素アクリレート化合物由来の構成単位を含む含フッ素重合体(式中、X、Y、a、bおよびRfは前記と同じ)
この含フッ素重合体(B)は、特開2006−37085号公報に記載されているものを含み、優れた撥水撥油性を付与する化合物である。本発明においても、特開2006−37085号公報に記載された説明および具体例が採用できる。
ただ、特開2006−37085号公報に記載された発明は、熱可塑性樹脂との組成物であり、ゴム(エラストマー)についても、もちろん架橋剤についても教示されていない。
式(1)において、Rf基が、パーフルオロアルキル基またはパーフルオロアルケニル基であることが好ましい。フルオロアルキル基またはフルオロアルケニル基の炭素数は、たとえば1〜6、好ましくは1〜4である。フルオロアルキル基の例は、−CF3、−CF2CF3、−CF2CF2CF3、−CF(CF3)2、−CF2CF2CF2CF3、−CF2CF(CF3)2、−C(CF3)3、−(CF2)4CF3、−(CF2)2CF(CF3)2、−CF2C(CF3)3、−CF(CF3)CF2CF2CF3、−(CF2)5CF3、−(CF2)3CF(CF3)2などである。
フルオロアルケニル基の例は、−CF=CF2、−CF2CF=CF2、−(CF2)2CF=CF2、−CF2C(CF3)=CF2、−CF(CF3)CF=CF2、−(CF2)3CF=CF2、−C(CF3)2CF=CF2、−(CF2)2C(CF3)=CF2、−(CF2)4CF=CF2、−(CF2)4CF=CF2、−(CF2)3C(CF3)=CF2などである。
式(1)で示される含フッ素アクリレート化合物としては、
(式中、X6は水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子またはメチル基;
X7およびX8は同じかまたは異なり、いずれも水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子;
R5は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基;
Rfは炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のパーフルオロアルキル基もしくはパーフルオロアルケニル基;
Arは置換基を有することもある炭素数6〜10のアリール基;
Cyは置換基を有することもある炭素数6〜10の環状脂肪族基;
pは1〜30の整数、qは1〜4の整数、rは1〜4の整数、tは0〜4の整数
を表わす)
で示される含フッ素アクリレートエステルをあげることができる。
X7およびX8は同じかまたは異なり、いずれも水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子;
R5は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基;
Rfは炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のパーフルオロアルキル基もしくはパーフルオロアルケニル基;
Arは置換基を有することもある炭素数6〜10のアリール基;
Cyは置換基を有することもある炭素数6〜10の環状脂肪族基;
pは1〜30の整数、qは1〜4の整数、rは1〜4の整数、tは0〜4の整数
を表わす)
で示される含フッ素アクリレートエステルをあげることができる。
含フッ素アクリレート化合物の具体例としては、
CH2=CHCOO(CH2)2(CF2)3CF3(9FA)、
CH2=C(CH3)COO(CH2)2(CF2)3CF3(9FMA)、
CH2=CHCOO(CH2)2CF(CF3)CF2CF3、
CH2=C(CH3)COO(CH2)2CF(CF3)CF2CF3、
CH2=CHCOO(CH2)3(CF2)3CF3、
CH2=C(CH3)COO(CH2)3(CF2)3CF3、
CH2=CHCOO(CH2)4(CF2)3CF3、
CH2=C(CH3)COO(CH2)4(CF2)3CF3、
CH2=CClCOO(CH2)2(CF2)3CF3(9FClA)、
CH2=CClCOO(CH2)3(CF2)3CF3、
CH2=CClCOO(CH2)4(CF2)3CF3、
CH2=CHCOO(CH2)2(CF2)5CF3(13FA)、
CH2=C(CH3)COO(CH2)2(CF2)5CF3(13FMA)、
CH2=CHCOO(CH2)2CF(CF3)(CF2)3CF3、
CH2=CHCOO(CH2)2(CF2)2CF(CF3)CF2CF3、
CH2=C(CH3)COO(CH2)2CF(CF3)(CF2)3CF3、
CH2=C(CH3)COO(CH2)2(CF2)2CF(CF3)CF2CF3、
CH2=CHCOO(CH2)3(CF2)5CF3、
CH2=C(CH3)COO(CH2)3(CF2)5CF3、
CH2=CHCOO(CH2)4(CF2)5CF3、
CH2=C(CH3)COO(CH2)4(CF2)5CF3、
CH2=CClCOO(CH2)2(CF2)5CF3(13FClA)、
CH2=CClCOO(CH2)3(CF2)5CF3、
CH2=CClCOO(CH2)4(CF2)5CF3、
CH2=CHCOO(CH2)2N(H)SO2(CF2)3CF3、
CH2=C(CH3)COO(CH2)2N(H)SO2(CF2)3CF3
CH2=CHCOO(CH2)3N(H)SO2(CF2)3CF3、
CH2=C(CH3)COO(CH2)3N(H)SO2(CF2)3CF3、
CH2=CHCOO(CH2)2N(CH3)SO2(CF2)3CF3、
CH2=CHCOO(CH2)30N(CH3)SO2(CF2)3CF3、
CH2=C(CH3)COO(CH2)2N(CH3)SO2(CF2)3CF3、
CH2=C(CH3)COO(CH2)30N(CH3)SO2(CF2)3CF3、
CH2=CHCOOCH2SO2(CH2)3(CF2)3CF3、
CH2=CHCOOCH2SO2(CH2)3(CF2)5CF3、
CH2=C(CH3)COOCH2SO2(CH2)3(CF2)3CF3、
CH2=C(CH3)COOCH2SO2(CH2)3(CF2)5CF3、
CH2=CHCOO(CH2)2SO2(CH2)2(CF2)3CF3、
CH2=C(CH3)COO(CH2)2SO2(CH2)3(CF2)3CF3、
CH2=CHCOO(CH2)2SO2(CH2)3(CF2)5CF3、
CH2=CHCOO(CH2)2SO2(CH2)4(CF2)5CF3、
CH2=CHCOO(CH2)3SO2(CF2)3CF3(9FSA)、
CH2=C(CH3)COO(CH2)3SO2(CF2)3CF3(9FSMA)、
CH2=CHCOO(CH2)3SO2CF(CF3)CF2CF3、
CH2=C(CH3)COO(CH2)3SO2CF(CF3)CF2CF3、
CH2=CHCOO(CH2)3SO2(CF2)5CF3、
CH2=C(CH3)COO(CH2)3SO2(CF2)5CF3、
を例示することができる。
CH2=CHCOO(CH2)2(CF2)3CF3(9FA)、
CH2=C(CH3)COO(CH2)2(CF2)3CF3(9FMA)、
CH2=CHCOO(CH2)2CF(CF3)CF2CF3、
CH2=C(CH3)COO(CH2)2CF(CF3)CF2CF3、
CH2=CHCOO(CH2)3(CF2)3CF3、
CH2=C(CH3)COO(CH2)3(CF2)3CF3、
CH2=CHCOO(CH2)4(CF2)3CF3、
CH2=C(CH3)COO(CH2)4(CF2)3CF3、
CH2=CClCOO(CH2)2(CF2)3CF3(9FClA)、
CH2=CClCOO(CH2)3(CF2)3CF3、
CH2=CClCOO(CH2)4(CF2)3CF3、
CH2=CHCOO(CH2)2(CF2)5CF3(13FA)、
CH2=C(CH3)COO(CH2)2(CF2)5CF3(13FMA)、
CH2=CHCOO(CH2)2CF(CF3)(CF2)3CF3、
CH2=CHCOO(CH2)2(CF2)2CF(CF3)CF2CF3、
CH2=C(CH3)COO(CH2)2CF(CF3)(CF2)3CF3、
CH2=C(CH3)COO(CH2)2(CF2)2CF(CF3)CF2CF3、
CH2=CHCOO(CH2)3(CF2)5CF3、
CH2=C(CH3)COO(CH2)3(CF2)5CF3、
CH2=CHCOO(CH2)4(CF2)5CF3、
CH2=C(CH3)COO(CH2)4(CF2)5CF3、
CH2=CClCOO(CH2)2(CF2)5CF3(13FClA)、
CH2=CClCOO(CH2)3(CF2)5CF3、
CH2=CClCOO(CH2)4(CF2)5CF3、
CH2=CHCOO(CH2)2N(H)SO2(CF2)3CF3、
CH2=C(CH3)COO(CH2)2N(H)SO2(CF2)3CF3
CH2=CHCOO(CH2)3N(H)SO2(CF2)3CF3、
CH2=C(CH3)COO(CH2)3N(H)SO2(CF2)3CF3、
CH2=CHCOO(CH2)2N(CH3)SO2(CF2)3CF3、
CH2=CHCOO(CH2)30N(CH3)SO2(CF2)3CF3、
CH2=C(CH3)COO(CH2)2N(CH3)SO2(CF2)3CF3、
CH2=C(CH3)COO(CH2)30N(CH3)SO2(CF2)3CF3、
CH2=CHCOOCH2SO2(CH2)3(CF2)3CF3、
CH2=CHCOOCH2SO2(CH2)3(CF2)5CF3、
CH2=C(CH3)COOCH2SO2(CH2)3(CF2)3CF3、
CH2=C(CH3)COOCH2SO2(CH2)3(CF2)5CF3、
CH2=CHCOO(CH2)2SO2(CH2)2(CF2)3CF3、
CH2=C(CH3)COO(CH2)2SO2(CH2)3(CF2)3CF3、
CH2=CHCOO(CH2)2SO2(CH2)3(CF2)5CF3、
CH2=CHCOO(CH2)2SO2(CH2)4(CF2)5CF3、
CH2=CHCOO(CH2)3SO2(CF2)3CF3(9FSA)、
CH2=C(CH3)COO(CH2)3SO2(CF2)3CF3(9FSMA)、
CH2=CHCOO(CH2)3SO2CF(CF3)CF2CF3、
CH2=C(CH3)COO(CH2)3SO2CF(CF3)CF2CF3、
CH2=CHCOO(CH2)3SO2(CF2)5CF3、
CH2=C(CH3)COO(CH2)3SO2(CF2)5CF3、
を例示することができる。
芳香族エーテル基、または環状脂肪族エーテル基とは、芳香族または環状脂肪族基とRf基との間に酸素原子を有するものであり、酸素原子とRf基との間に炭素数1〜4の2価の脂肪族炭化水素基を有していてもよく、また有していなくてもよい。
これらのなかでも、撥水撥油性が良好な点から、特に以下のものが好ましい。
CH2=CHCOOCH2CH2(CF2)3CF3(9FA)、
CH2=C(CH3)COOCH2CH2(CF2)3CF3(9FMA)、
CH2=CHCOOCH2CH2(CF2)5CF3(13FA)、
CH2=C(CH3)COOCH2CH2(CF2)5CF3(13FMA)、
CH2=CHCOO(CH2)3SO2(CF2)3CF3(9FSA)、
CH2=C(CH3)COO(CH2)3SO2(CF2)3CF3(9FSMA)
CH2=CHCOOCH2CH2(CF2)3CF3(9FA)、
CH2=C(CH3)COOCH2CH2(CF2)3CF3(9FMA)、
CH2=CHCOOCH2CH2(CF2)5CF3(13FA)、
CH2=C(CH3)COOCH2CH2(CF2)5CF3(13FMA)、
CH2=CHCOO(CH2)3SO2(CF2)3CF3(9FSA)、
CH2=C(CH3)COO(CH2)3SO2(CF2)3CF3(9FSMA)
本発明で使用する含フッ素重合体(B)は、式(1)で示される含フッ素アクリレート化合物の単独重合体であってもよいし、他の共重合可能な単量体との共重合体であってもよい。
他の共重合可能な単量体としては、式(1)の含フッ素アクリレート化合物と共重合可能であり、しかも含フッ素重合体(B)として摺動性や非粘着性、シール性を付与する性能を大幅に低下させない化合物であれば特に限定されないが、たとえば特開2006−37085号公報に記載されている含塩素重合性化合物や(1)〜(8)に記載された非フッ素単量体などがあげられ、なかでも式(1)の含フッ素アクリレート化合物との共重合性が良好な点から、非フッ素系アクリレート化合物、特に式(3):
CH2=CR3−COO−R4 (3)
(式中、R3は水素原子またはメチル基;R4は炭素数1〜30、なかでも炭素数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキル基)で示される非フッ素アルキル(メタ)アクリレートが好ましい。
CH2=CR3−COO−R4 (3)
(式中、R3は水素原子またはメチル基;R4は炭素数1〜30、なかでも炭素数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキル基)で示される非フッ素アルキル(メタ)アクリレートが好ましい。
式(3)で示される非フッ素アルキル(メタ)アクリレートとしては、種々のものがある。
たとえば
(1)アクリル酸およびメタクリル酸、およびこれらのメチル、エチル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、プロピル、2−エチルヘキシル、ヘキシル、デシル、ラウリル、ステアリル、ベベニル、イソボルニル、β−ヒドロキシエチル、グリシジル、フェニル、ベンジル、4−シアノフェニルなどのエステル類、
(2)酢酸、プロピオン酸、カプリル酸、ラウリル酸、ステアリン酸等の脂肪酸のビニルエステル類、
(3)スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等のスチレン系化合物、
(4)フッ化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニリデン等の(塩化物を除く)ハロゲン化ビニルまたはビニリデン化合物類、
(5)ヘプタン酸アリル、カプリル酸アリル、カプロン酸アリル等の脂肪族のアリルエステル類、
(6)ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン等のビニルアルキルケトン類、
(7)N−メチルアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等のアクリルアミド類および
(8)2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、イソプレン等のジエン類
などを例示できる。
(1)アクリル酸およびメタクリル酸、およびこれらのメチル、エチル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、プロピル、2−エチルヘキシル、ヘキシル、デシル、ラウリル、ステアリル、ベベニル、イソボルニル、β−ヒドロキシエチル、グリシジル、フェニル、ベンジル、4−シアノフェニルなどのエステル類、
(2)酢酸、プロピオン酸、カプリル酸、ラウリル酸、ステアリン酸等の脂肪酸のビニルエステル類、
(3)スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等のスチレン系化合物、
(4)フッ化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニリデン等の(塩化物を除く)ハロゲン化ビニルまたはビニリデン化合物類、
(5)ヘプタン酸アリル、カプリル酸アリル、カプロン酸アリル等の脂肪族のアリルエステル類、
(6)ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン等のビニルアルキルケトン類、
(7)N−メチルアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等のアクリルアミド類および
(8)2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、イソプレン等のジエン類
などを例示できる。
他の共重合可能な単量体の共重合割合は、含フッ素重合体(B)中の80モル%以下、さらには30〜70モル%が好ましい。
好ましい含フッ素重合体(B)の具体例としては、9FA/ステアリルアクリレート(StA)共重合体、9FA/ステアリルメタクリレート(StMA)共重合体、9FMA/ステアリルアクリレート(StA)共重合体、9FMA/ステアリルメタクリレート(StMA)共重合体、9FClA/ステアリルアクリレート(StA)共重合体、9FClA/ステアリルメタクリレート(StMA)共重合体、13FA/ステアリルアクリレート(StA)共重合体、13FA/ステアリルメタクリレート(StMA)共重合体、13FMA/ステアリルアクリレート(StA)共重合体、13FMA/ステアリルメタクリレート(StMA)共重合体、13FA/メチルメタクリレート(MMA)共重合体、13FMA/メチルメタクリレート(MMA)共重合体、13FA/イソボルニルメタクリレート(IBMA)共重合体、13FMA/イソボルニルメタクリレート(IBMA)共重合体、9FSA/ステアリルメタクリレート(StMA)共重合体、9FSA/ステアリルアクリレート(StA)共重合体、9FSMA/ステアリルメタクリレート(StMA)共重合体、9FSMA/ステアリルアクリレート(StA)共重合体などがあげられるが、これらに限定されるものではない。
含フッ素重合体(B)の分子量は、数平均分子量で1,000〜1,000,000、特に3,000〜50,000が、フッ素ゴム(A)との混合性と低摩擦性、非粘着性、撥水撥油性等の性能の両立という点が良好なことから好ましい。
含フッ素重合体(B)の配合割合は、フッ素ゴム(A)100質量部に対して、1〜10質量部が好ましく、さらに好ましくは1〜5質量部である。1質量部よりも少ないと含フッ素重合体(B)の配合効果(摺動性、非粘着性、低摩擦性の向上効果)が得られず、一方、10質量部を超えると混練時の加工が難しくなる傾向、または含フッ素重合体(B)がブリードしてくる傾向がある。好ましい下限は、摩擦係数低減効果が良好な点から1質量部、さらには2質量部である。また、好ましい上限は、ロール加工性、非ブリード性の点から10質量部、さらには5質量部である。
(C)架橋剤
架橋剤としては、ポリオール系架橋剤、パーオキサイド系架橋剤、ポリアミン系架橋剤、イミダゾール架橋系架橋剤、トリアジン架橋系架橋剤、オキサゾール架橋系架橋剤、およびチアゾール架橋系架橋剤のいずれも採用でき、単独で使用または併用してもよい。
架橋剤としては、ポリオール系架橋剤、パーオキサイド系架橋剤、ポリアミン系架橋剤、イミダゾール架橋系架橋剤、トリアジン架橋系架橋剤、オキサゾール架橋系架橋剤、およびチアゾール架橋系架橋剤のいずれも採用でき、単独で使用または併用してもよい。
なかでもポリオール系架橋剤またはパーオキサイド系架橋剤が好ましい。
ポリオール系架橋剤としては、従来、フッ素ゴムの架橋剤として知られている化合物を用いることができ、たとえば架橋フッ素ゴムの圧縮永久歪みが小さく、成形性に優れているという点から、ポリヒドロキシ化合物が好ましく、耐熱性が優れることからポリヒドロキシ芳香族化合物がより好ましい。
ポリヒドロキシ芳香族化合物としては、特に限定されず、たとえば、ビスフェノールA、ビスフェノールAF、レゾルシン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシスチルベン、2,6−ジヒドロキシアントラセン、ヒドロキノン、カテコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)吉草酸、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)テトラフルオロジクロロプロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、トリ(4−ヒドロキシフェニル)メタン、3,3’,5,5’−テトラクロロビスフェノールA、3,3’,5,5’−テトラブロモビスフェノールAなどがあげられる。なかでも、ビスフェノールAFが特に好ましい。これらのポリヒドロキシ芳香族化合物は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などであってもよいが、酸を用いて共重合体を凝析した場合は、金属塩は用いないことが好ましい。
ポリオール系架橋剤の配合量としては、フッ素ゴム100質量部に対して、0.2〜10質量部が好ましく、0.5〜6質量部がより好ましく、1〜3質量部がさらに好ましい。架橋剤が、0.2質量部未満であると、架橋密度が低くなり圧縮永久歪みが大きくなる傾向があり、10質量部をこえると、架橋密度が高くなりすぎるため、圧縮時に割れやすくなる傾向がある。
また、ポリオール系架橋剤と併用して、架橋促進剤を用いることが好ましい。架橋促進剤を用いると、フッ素ゴム主鎖の脱フッ酸反応における分子内二重結合の形成を促進することにより架橋反応を促進することができる。
ポリオール系架橋促進剤としては、特に限定されないが、オニウム塩を用いることができる。なかでも第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩が好ましく、8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロリド(DBU―B)および/またはベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド(BTPPC)を単独または併用、さらに他のオニウム塩と併用して用いることが適度な架橋速度、成形品の常態物性および圧縮永久歪みが良好である点からさらに好ましい。
パーオキサイド系架橋剤としては、有機過酸化物があげられ、一般には熱や酸化還元系の存在下で容易にパーオキシラジカルを発生する化合物が用いられる。たとえば1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロキシパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなどを例示することができる。そのなかでも好ましいものはジアルキル化合物である。一般に活性−O=O−の量、分解温度などから種類ならびに使用量が選ばれる。使用量は通常、フッ素ゴム100質量部に対して0.1〜15質量部であるが、好ましくは0.3〜5質量部である。
有機過酸化物を使用する場合は、架橋助剤や共架橋剤を併用してもよい。この架橋助剤または共架橋剤は、パーオキシラジカルおよびポリマーラジカルに対して反応活性を有する化合物であればよく、たとえば、CH2=CH−、CH2=CHCH2−、CF2=CF−などの官能基を有する多官能性化合物があげられる。具体的には、たとえばトリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリメタアリルイソシアヌレート、TAICプレポリマー、トリアクリルホルマール、トリアリルトリメリテート、N,N’−n−フェニレンビスマレイミド、ジプロパルギルテレフタレート、ジアリルフタレート、テトラアリルテレフタレートアミド、トリアリルホスフェート、ビスマレイミド、1,3,5−トリス(2,3,3−トリフルオロ−2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオン、トリス(ジアリルアミン)−S−トリアジン、亜リン酸トリアリル、N,N−ジアリルアクリルアミド、1,6−ジビニルドデカフルオロヘキサン、ヘキサアリルホスホルアミド、N,N,N’,N’−テトラアリルテトラフタラミド、N,N,N’,N’−テトラアリルマロンアミド、トリビニルイソシアヌレート、2,4,6−トリビニルメチルトリシロキサン、トリ(5−ノルボルネン−2−メチレン)シアヌレート、トリアリルホスファイトなどがあげられる。これらの中でも、架橋性、架橋物の物性の点からTAICが好ましい。
パーオキサイド系架橋助剤や共架橋剤の配合量としては、フッ素ゴム100質量部に対して、0.2〜10質量部が好ましく、0.5〜6質量部がより好ましく、1〜5質量部がさらに好ましい。配合量が、0.2質量部未満であると、架橋密度が低くなり圧縮永久歪みが大きくなる傾向があり、10質量部をこえると、架橋密度が高くなりすぎるため、圧縮時に割れやすくなる傾向がある。
パーオキサイド系架橋剤により架橋してなる架橋フッ素ゴムは、耐薬品性および耐スチーム性に優れているという特徴がある。
また本発明の架橋性フッ素ゴム組成物においては、必要に応じてフッ素ゴム中に配合される通常の添加物、たとえば充填剤、加工助剤、可塑剤、着色剤、安定剤、接着助剤、受酸剤、離型剤、導電性付与剤、熱伝導性付与剤、表面非粘着剤、柔軟性付与剤、耐熱性改善剤、難燃剤などの各種添加剤を配合することができ、前記のものとは異なる常用の架橋剤や架橋促進剤を1種またはそれ以上配合してもよい。
充填剤としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドなどのイミド構造を有するイミド系フィラー;ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリオキシベンゾエートなどのエンジニアリングプラスチック製の有機物フィラー;イソインドリノン系、キナクリドン系、ジケトピロロピロール系、アンスラキノン系などの有機顔料フィラー;酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化イットリウムなどの金属酸化物フィラー、炭化ケイ素、炭化アルミニウムなどの金属炭化物;窒化ケイ素、窒化アルミニウムなどの金属窒化物フィラー;ダイヤモンド、フラーレン、グラファイトなどの炭素化合物フィラー;フッ化アルミニウム、フッ化カーボンなどの無機物フィラーがあげられる。これらの中でも、各種プラズマの遮蔽効果の点から、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化ケイ素、ポリイミド、フッ化カーボン、ダイヤモンドが好ましい。
本発明の架橋性フッ素ゴム組成物は、フッ素ゴム(A)、含フッ素重合体(B)および架橋剤(C)、さらに要すれば架橋助剤、共架橋剤、架橋促進剤、充填材などのその他の配合剤を、通常のエラストマー用加工機械、たとえばオープンロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどを用いて混練することにより調製することができる。この他、密閉式混合機を用いる方法によっても調製することができる。
本発明は、本発明の架橋性フッ素ゴム組成物を架橋して得られるフッ素ゴム成形品にも関する。
架橋条件は、それぞれの架橋系で公知の条件を採用できる。たとえば、ポリオール架橋系では150〜180℃にて2〜60分間加熱加圧(プレス架橋)し、要すればさらに160〜300℃にて1〜48時間2次架橋(オーブン架橋)する方法が一般的に採用できる。パーオキサイド架橋系では150〜180℃にて2〜60分加熱加圧(プレス架橋)し、要すればさらに160〜300℃にて1〜24時間2次架橋(オーブン架橋)する方法が一般的に採用できるが、これに限られない。
本発明の成形品は、その低摩擦性、非粘着性、撥水撥油性(高接触角)を利用して、シール材、摺動部材、非粘着性部材などとして有用である。
具体的には、つぎの成形品が例示できるが、これらに限定されるものではない。
シール材:
半導体製造装置、液晶パネル製造装置、プラズマパネル製造装置、プラズマアドレス液晶パネル、フィールドエミッションディスプレイパネル、太陽電池基板等の半導体関連分野では、O(角)−リング、パッキン、ガスケット、ダイアフラム、その他の各種シール材等があげられ、これらはCVD装置、ドライエッチング装置、ウェットエッチング装置、酸化拡散装置、スパッタリング装置、アッシング装置、洗浄装置、イオン注入装置、排気装置に用いることができる。具体的には、ゲートバルブのO−リング、シール材として、クォーツウィンドウのO−リング、その他の各種シール材として、チャンバーのO−リング、その他の各種シール材として、ゲートのO−リング、その他の各種シール材として、ベルジャーのO−リング、その他の各種シール材として、カップリングのO−リング、その他の各種シール材として、ポンプのO−リング、ダイアフラム、その他の各種シール材として、半導体用ガス制御装置のO−リング、その他の各種シール材として、レジスト現像液、剥離液用のO−リング、その他の各種シール材として用いることができる。
半導体製造装置、液晶パネル製造装置、プラズマパネル製造装置、プラズマアドレス液晶パネル、フィールドエミッションディスプレイパネル、太陽電池基板等の半導体関連分野では、O(角)−リング、パッキン、ガスケット、ダイアフラム、その他の各種シール材等があげられ、これらはCVD装置、ドライエッチング装置、ウェットエッチング装置、酸化拡散装置、スパッタリング装置、アッシング装置、洗浄装置、イオン注入装置、排気装置に用いることができる。具体的には、ゲートバルブのO−リング、シール材として、クォーツウィンドウのO−リング、その他の各種シール材として、チャンバーのO−リング、その他の各種シール材として、ゲートのO−リング、その他の各種シール材として、ベルジャーのO−リング、その他の各種シール材として、カップリングのO−リング、その他の各種シール材として、ポンプのO−リング、ダイアフラム、その他の各種シール材として、半導体用ガス制御装置のO−リング、その他の各種シール材として、レジスト現像液、剥離液用のO−リング、その他の各種シール材として用いることができる。
自動車分野では、エンジンならびに周辺装置に用いるガスケット、シャフトシール、バルブステムシール、各種シール材や、AT装置の各種シール材に用いることができる。燃料系統ならびに周辺装置に用いるシール材としては、O(角)−リング、パッキン、ダイアフラムなどがあげられる。具体的には、エンジンヘッドガスケット、メタルガスケット、オイルパンガスケット、クランクシャフトシール、カムシャフトシール、バルブステムシール、マニホールドパッキン、酸素センサー用シール、インジェクターO−リング、インジェクターパッキン、燃料ポンプO−リング、ダイアフラム、クランクシャフトシール、ギアボックスシール、パワーピストンパッキン、シリンダーライナーのシール、バルブステムのシール、自動変速機のフロントポンプシール、リアーアクスルピニオンシール、ユニバーサルジョイントのガスケット、スピードメーターのピニオンシール、フートブレーキのピストンカップ、トルク伝達のO−リング、オイルシール、排ガス再燃焼装置のシール、ベアリングシール、キャブレターのセンサー用ダイアフラム等として用いることができる。
航空機分野、ロケット分野および船舶分野では、ダイアフラム、O(角)−リング、バルブ、パッキン、各種シール材等があげられ、これらは燃料系統に用いることができる。具体的には、航空機分野では、ジェットエンジンバルブステムシール、ガスケットおよびO−リング、ローテーティングシャフトシール、油圧機器のガスケット、防火壁シール等に用いられ、船舶分野では、スクリューのプロペラシャフト船尾シール、ディーゼルエンジンの吸排気用バルブステムシール、バタフライバルブのバルブシール、バタフライ弁の軸シール等に用いられる。
化学プラント分野では、バルブ、パッキン、ダイアフラム、O(角)−リング、各種シール材等があげられ、これらは医薬、農薬、塗料、樹脂等化学品製造工程に用いることができる。具体的には、化学薬品用ポンプ、流動計、配管のシール、熱交換器のシール、硫酸製造装置のガラス冷却器パッキング、農薬散布機、農薬移送ポンプのシール、ガス配管のシール、メッキ液用シール、高温真空乾燥機のパッキン、製紙用ベルトのコロシール、燃料電池のシール、風洞のジョイントシール、ガスクロマトグラフィー、pHメーターのチューブ結合部のパッキン、分析機器、理化学機器のシール、ダイアフラム、弁部品等として用いることができる。
現像機等の写真分野、印刷機械等の印刷分野および塗装設備等の塗装分野では、乾式複写機のシール、弁部品等として用いることができる。
食品プラント機器分野では、バルブ、パッキン、ダイアフラム、O(角)−リング、各種シール材等があげられ、食品製造工程に用いることができる。具体的には、プレート式熱交換器のシール、自動販売機の電磁弁シール等として用いることができる。
原子力プラント機器分野では、パッキン、O−リング、ダイアフラム、バルブ、各種シール材等があげられる。
一般工業分野では、パッキング、O−リング、ダイアフラム、バルブ、各種シール材等があげられる。具体的には、油圧、潤滑機械のシール、ベアリングシール、ドライクリーニング機器の窓、その他のシール、六フッ化ウランの濃縮装置のシール、サイクロトロンのシール(真空)バルブ、自動包装機のシール、空気中の亜硫酸ガス、塩素ガス分析用ポンプのダイアフラム(公害測定器)等に用いられる。
電気分野では、具体的には、新幹線の絶縁油キャップ、液封型トランスのベンチングシール等として用いられる。
燃料電池分野では、具体的には、電極、セパレーター間のシール材や水素・酸素・生成水配管のシール等として用いられる。
電子部品分野では、具体的には、放熱材原料、電磁波シールド材原料、コンピュータのハードディスクドライブのガスケット等に用いられる。
現場施工型の成形に用いることが可能なものとしては特に限定されず、例えばエンジンのオイルパンのガスケット、磁気記録装置用のガスケット、クリーンルーム用フィルターユニットのシーリング剤等があげられる。
また、磁気記録装置(ハードディスクドライブ)用のガスケット、半導体製造装置やウェハー等のデバイス保管庫等のシールリング材等のクリーン設備用シール材に特に好適に用いられる。
さらに、燃料電池セル電極間やその周辺配管等に用いられるパッキン等の燃料電池用のシール材等にも特に好適に用いられる。
摺動部材:
自動車関連分野では、ピストンリング、シャフトシール、バルブステムシール、クランクシャフトシール、カムシャフトシール、オイルシールなどがあげられる。
自動車関連分野では、ピストンリング、シャフトシール、バルブステムシール、クランクシャフトシール、カムシャフトシール、オイルシールなどがあげられる。
一般に、他材と接触して摺動を行う部位に用いられるフッ素ゴム製品があげられる。
非粘着性部材:
コンピュータ分野での、ハードディスククラッシュストッパーなどがあげられる。
コンピュータ分野での、ハードディスククラッシュストッパーなどがあげられる。
撥水撥油性を利用する分野:
自動車のワイパーブレード、屋外テントの引き布などがあげられる。
自動車のワイパーブレード、屋外テントの引き布などがあげられる。
つぎに実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
なお、本明細書において、測定した各物性は、以下の方法で行ったものである。
(1)接触角
協和界面科学社製DropMaster700にて、水、IPA/水=70/30(重量比)およびn−ヘキサデカンを測定液として使用し、測定液2μlを成形後のゴムシート表面に着滴させて接触角を測定した。
協和界面科学社製DropMaster700にて、水、IPA/水=70/30(重量比)およびn−ヘキサデカンを測定液として使用し、測定液2μlを成形後のゴムシート表面に着滴させて接触角を測定した。
(2)摩擦係数(静摩擦係数、動摩擦係数)
レスカ社製フリクションプレーヤーFPR2000で、加重20g、回転モード、回転数60rpm、回転半径10mmで測定を行い、回転直後、回転2分後、回転5分後の摩擦係数を読み取る。摩擦係数が安定したときの数値を動摩擦係数とする。
レスカ社製フリクションプレーヤーFPR2000で、加重20g、回転モード、回転数60rpm、回転半径10mmで測定を行い、回転直後、回転2分後、回転5分後の摩擦係数を読み取る。摩擦係数が安定したときの数値を動摩擦係数とする。
(3)ロール加工性
8インチオープンロールで、ゴム練りを行い、主としてロール粘着性をつぎの4段階で評価する。
◎:良好。
○:良。
△:少しバギングが起こる。
×:バギングが起こり、練りづらい。
8インチオープンロールで、ゴム練りを行い、主としてロール粘着性をつぎの4段階で評価する。
◎:良好。
○:良。
△:少しバギングが起こる。
×:バギングが起こり、練りづらい。
(4)架橋(加硫)特性
キュラストメーターII型(JSR(株)製)にて最低トルク(ML)、最高トルク(MH)、誘導時間(T10)および最適加硫時間(T90)を測定する。
キュラストメーターII型(JSR(株)製)にて最低トルク(ML)、最高トルク(MH)、誘導時間(T10)および最適加硫時間(T90)を測定する。
(5)機械特性
JIS−K6251に準じて100%モジュラス(M100)、引張破断強度(Tb)および引張破断伸び(Eb)を測定する。
JIS−K6251に準じて100%モジュラス(M100)、引張破断強度(Tb)および引張破断伸び(Eb)を測定する。
(6)硬度(Hs)
JIS−K6253に準じてショアA硬度を測定する。
JIS−K6253に準じてショアA硬度を測定する。
(7)非粘着性
成形後のゴムを10cm四方の大きさに整え、市販のポリエチレン袋に入れ、200gの分銅をのせ室温にて12時間放置した後、ゴムシートをポリエチレン袋から取り出す際の状況を観察することにより、粘着性をつぎの4段階で評価する。
◎:すぐに取り出せる(粘着性なし)。
○:ポリエチレンとゴムがわずかにくっついているが、すぐに取り出せる(粘着性なし)。
△:ポリエチレンをゴムから剥がす作業が必要だが、取り出せる(やや粘着性あり)。
×:ポリエチレンとゴムが密着しており、かなり引き剥がす力を要し取り出しにくい(粘着性強い)。
成形後のゴムを10cm四方の大きさに整え、市販のポリエチレン袋に入れ、200gの分銅をのせ室温にて12時間放置した後、ゴムシートをポリエチレン袋から取り出す際の状況を観察することにより、粘着性をつぎの4段階で評価する。
◎:すぐに取り出せる(粘着性なし)。
○:ポリエチレンとゴムがわずかにくっついているが、すぐに取り出せる(粘着性なし)。
△:ポリエチレンをゴムから剥がす作業が必要だが、取り出せる(やや粘着性あり)。
×:ポリエチレンとゴムが密着しており、かなり引き剥がす力を要し取り出しにくい(粘着性強い)。
実施例1
フッ素ゴム(A)としてVdF系ゴム(VdF/HFP共重合体)100質量部に対し、架橋剤(C)としてビスフェノールAFを2.2質量部、架橋促進剤としてベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド(BTPPC)を0.4質量部配合して混練して得られたプレコンパウンドに、含フッ素重合体(B)として13FMA/StA共重合体(13FMA/StA=65/35モル%。数平均分子量5000。以下、「含フッ素重合体−1」という)を1質量部(対フッ素ゴム100質量部。以下同様)、ウォラストナイトを40質量部、水酸化カルシウムを6質量部、酸化マグネシウムを3質量部、カーボンブラックを1.5質量部および弁柄を1.5質量部混合し、8インチロール2本を備えたオープンロールを用いて、30〜80℃で20分間混練りして本発明の架橋性フッ素ゴム組成物を調製した。
フッ素ゴム(A)としてVdF系ゴム(VdF/HFP共重合体)100質量部に対し、架橋剤(C)としてビスフェノールAFを2.2質量部、架橋促進剤としてベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド(BTPPC)を0.4質量部配合して混練して得られたプレコンパウンドに、含フッ素重合体(B)として13FMA/StA共重合体(13FMA/StA=65/35モル%。数平均分子量5000。以下、「含フッ素重合体−1」という)を1質量部(対フッ素ゴム100質量部。以下同様)、ウォラストナイトを40質量部、水酸化カルシウムを6質量部、酸化マグネシウムを3質量部、カーボンブラックを1.5質量部および弁柄を1.5質量部混合し、8インチロール2本を備えたオープンロールを用いて、30〜80℃で20分間混練りして本発明の架橋性フッ素ゴム組成物を調製した。
得られた架橋性フッ素ゴム組成物を室温に約24時間置いた後に再度同じオープンロールで混練りし、最終的に3mmの厚さの未架橋フッ素ゴムシートに成形した。
ついで、この未架橋シートを金型で170℃にて10分間プレス架橋(1次架橋)し、ついで230℃にて24時間オーブン架橋(2次架橋)して、厚さ2mmの架橋フッ素ゴムシートを得た。
この架橋フッ素ゴムシートについて、接触角(対水、対n−へキサデカン、対IPA/水混合液)、静摩擦係数および動摩擦係数、ならびに機械特性、硬度および非粘着性を調べた。さらに、摺動時における動摩擦係数の初期変化を調べた。結果を表1に示す。
実施例2〜5
含フッ素重合体(B)の配合量を表1に示す量に変更したほかは実施例1と同様にして架橋性フッ素ゴム組成物、未架橋ゴムシートおよび架橋ゴムシートを作製し、接触角(対水、対n−へキサデカン、対IPA/水混合液)、静摩擦係数および動摩擦係数、ならびに機械特性、硬度および非粘着性、さらに、摺動時における動摩擦係数の初期変化を調べた。結果を表1に示す。
含フッ素重合体(B)の配合量を表1に示す量に変更したほかは実施例1と同様にして架橋性フッ素ゴム組成物、未架橋ゴムシートおよび架橋ゴムシートを作製し、接触角(対水、対n−へキサデカン、対IPA/水混合液)、静摩擦係数および動摩擦係数、ならびに機械特性、硬度および非粘着性、さらに、摺動時における動摩擦係数の初期変化を調べた。結果を表1に示す。
実施例6
含フッ素重合体(B)として13FA/StMA共重合体(13FA/StMA=40/60モル%。数平均分子量6000。以下、「含フッ素重合体−2」という)を3質量部に変更したほかは実施例1と同様にして架橋性フッ素ゴム組成物、未架橋ゴムシートおよび架橋ゴムシートを作製し、接触角(対水、対n−へキサデカン、対IPA/水混合液)、静摩擦係数および動摩擦係数、ならびに機械特性、硬度および非粘着性、さらに、摺動時における動摩擦係数の初期変化を調べた。結果を表1に示す。
含フッ素重合体(B)として13FA/StMA共重合体(13FA/StMA=40/60モル%。数平均分子量6000。以下、「含フッ素重合体−2」という)を3質量部に変更したほかは実施例1と同様にして架橋性フッ素ゴム組成物、未架橋ゴムシートおよび架橋ゴムシートを作製し、接触角(対水、対n−へキサデカン、対IPA/水混合液)、静摩擦係数および動摩擦係数、ならびに機械特性、硬度および非粘着性、さらに、摺動時における動摩擦係数の初期変化を調べた。結果を表1に示す。
実施例7
含フッ素重合体(B)として9FMA/StA共重合体(9FMA/StA=50/50モル%。数平均分子量4000。以下、「含フッ素重合体−3」という)を3質量部に変更したほかは実施例1と同様にして架橋性フッ素ゴム組成物、未架橋ゴムシートおよび架橋ゴムシートを作製し、接触角(対水、対n−へキサデカン、対IPA/水混合液)、静摩擦係数および動摩擦係数、ならびに機械特性、硬度および非粘着性、さらに、摺動時における動摩擦係数の初期変化を調べた。結果を表1に示す。
含フッ素重合体(B)として9FMA/StA共重合体(9FMA/StA=50/50モル%。数平均分子量4000。以下、「含フッ素重合体−3」という)を3質量部に変更したほかは実施例1と同様にして架橋性フッ素ゴム組成物、未架橋ゴムシートおよび架橋ゴムシートを作製し、接触角(対水、対n−へキサデカン、対IPA/水混合液)、静摩擦係数および動摩擦係数、ならびに機械特性、硬度および非粘着性、さらに、摺動時における動摩擦係数の初期変化を調べた。結果を表1に示す。
実施例8
含フッ素重合体(B)として9FA/StA共重合体(9FA/StA=70/30モル%。数平均分子量7000。以下、「含フッ素重合体−4」という)を3質量部に変更したほかは実施例1と同様にして架橋性フッ素ゴム組成物、未架橋ゴムシートおよび架橋ゴムシートを作製し、接触角(対水、対n−へキサデカン、対IPA/水混合液)、静摩擦係数および動摩擦係数、ならびに機械特性、硬度および非粘着性、さらに、摺動時における動摩擦係数の初期変化を調べた。結果を表1に示す。
含フッ素重合体(B)として9FA/StA共重合体(9FA/StA=70/30モル%。数平均分子量7000。以下、「含フッ素重合体−4」という)を3質量部に変更したほかは実施例1と同様にして架橋性フッ素ゴム組成物、未架橋ゴムシートおよび架橋ゴムシートを作製し、接触角(対水、対n−へキサデカン、対IPA/水混合液)、静摩擦係数および動摩擦係数、ならびに機械特性、硬度および非粘着性、さらに、摺動時における動摩擦係数の初期変化を調べた。結果を表1に示す。
実施例9
含フッ素重合体(B)として9FSA/StMA共重合体(9FSA/StMA=50/50モル%。数平均分子量7000。以下、「含フッ素重合体−5」という)を3質量部に変更したほかは実施例1と同様にして架橋性フッ素ゴム組成物、未架橋ゴムシートおよび架橋ゴムシートを作製し、接触角(対水、対n−へキサデカン、対IPA/水混合液)、静摩擦係数および動摩擦係数、ならびに機械特性、硬度および非粘着性、さらに、摺動時における動摩擦係数の初期変化を調べた。結果を表1に示す。
含フッ素重合体(B)として9FSA/StMA共重合体(9FSA/StMA=50/50モル%。数平均分子量7000。以下、「含フッ素重合体−5」という)を3質量部に変更したほかは実施例1と同様にして架橋性フッ素ゴム組成物、未架橋ゴムシートおよび架橋ゴムシートを作製し、接触角(対水、対n−へキサデカン、対IPA/水混合液)、静摩擦係数および動摩擦係数、ならびに機械特性、硬度および非粘着性、さらに、摺動時における動摩擦係数の初期変化を調べた。結果を表1に示す。
比較例1
13FMA/StA共重合体を配合しなかったほかは実施例1と同様にして架橋性フッ素ゴム組成物、未架橋ゴムシートおよび架橋ゴムシートを作製し、接触角(対水、対n−へキサデカン、対IPA/水混合液)、静摩擦係数および動摩擦係数、ならびに機械特性、硬度および非粘着性、さらに、摺動時における動摩擦係数の初期変化を調べた。結果を表1に示す。
13FMA/StA共重合体を配合しなかったほかは実施例1と同様にして架橋性フッ素ゴム組成物、未架橋ゴムシートおよび架橋ゴムシートを作製し、接触角(対水、対n−へキサデカン、対IPA/水混合液)、静摩擦係数および動摩擦係数、ならびに機械特性、硬度および非粘着性、さらに、摺動時における動摩擦係数の初期変化を調べた。結果を表1に示す。
表1の結果から、含フッ素アクリレート化合物由来の構成単位を含む含フッ素重合体(B)を1〜5質量部配合することにより、低摩擦係数を有し、高接触角を有する架橋フッ素ゴム組成物を得ることができることがわかる。
Claims (12)
- (A)フッ素ゴム、
(B)式(1):
CH2=CX−COO−(CH2)a−Y−(CH2)b−Rf (1)
(式中、Xは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、CFX1X2基(X1およびX2は同じかまたは異なり、いずれも水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である)、シアノ基、炭素数2〜21の直鎖状もしくは分岐状のフルオロアルキル基、置換もしくは非置換のベンジル基、または置換もしくは非置換のフェニル基;Yは、炭素数1〜10の2価の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜10の2価の芳香族基、炭素数6〜10の2価の芳香族エーテル基、炭素数6〜10の2価の環状脂肪族基、炭素数6〜10の2価の環状脂肪族エーテル基、硫黄原子、SO基、SO2基、または−N(R)−SO2−基(Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基);aは0〜4の整数、bは0〜4の整数);Rfは、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のフルオロアルキル基またはフルオロアルケニル基)で示される含フッ素アクリレート化合物由来の構成単位を含む含フッ素重合体、および
(C)架橋剤
を含む架橋性フッ素ゴム組成物。 - 含フッ素重合体(B)が、含フッ素アクリレート化合物と非フッ素系アクリレート化合物との共重合体である請求項1記載の架橋性フッ素ゴム組成物。
- 含フッ素アクリレート化合物が、式(2):
CH2=CX3−COO−Y1−Rf1 (2)
(式中、X3は、水素原子、塩素原子またはメチル基;Y1は、炭素数1〜4のアルキレン基;Rf1は、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のフルオロアルキル基またはフルオロアルケニル基)で示される含フッ素アクリレート化合物である請求項1または2記載の架橋性フッ素ゴム組成物。 - フッ素ゴム(A)が、非パーフルオロゴムである請求項1記載の架橋性フッ素ゴム組成物。
- フッ素ゴム(A)が、フッ化ビニリデン系ゴムである請求項4記載の架橋性フッ素ゴム組成物。
- 架橋剤(C)が、ポリオール系架橋剤またはパーオキサイド系架橋剤である請求項1〜5のいずれかに記載の架橋性フッ素ゴム組成物。
- フッ素ゴム(A)100質量部に対して、含フッ素重合体(B)が1〜10質量部、および架橋剤(C)が0.2〜10質量部含まれている請求項1〜6のいずれかに記載の架橋性フッ素ゴム組成物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の架橋性フッ素ゴム組成物を架橋して得られるフッ素ゴム成形品。
- シール材である請求項8記載のフッ素ゴム成形品。
- 摺動部材である請求項8記載のフッ素ゴム成形品。
- 非粘着性部材である請求項8記載のフッ素ゴム成形品。
- 表面に撥水撥油性を有する請求項8記載のフッ素ゴム成形品。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008226439A JP2010059311A (ja) | 2008-09-03 | 2008-09-03 | 架橋性フッ素ゴム組成物 |
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JP (1) | JP2010059311A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2011099534A1 (ja) * | 2010-02-15 | 2011-08-18 | 旭硝子株式会社 | 剥離剤組成物 |
US10329404B2 (en) | 2013-05-02 | 2019-06-25 | 3M Innovative Properties Company | Partially fluorinated elastomers and methods of making and using thereof |
-
2008
- 2008-09-03 JP JP2008226439A patent/JP2010059311A/ja active Pending
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