JP4992371B2 - 粉末状カチオン系水溶性高分子化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は凝集剤、製紙用添加剤等として有用であるカチオン系水溶性高分子化合物粉末の工業的製造方法に関する。
廃水処理等に用いられる高分子凝集剤、製紙用の填料歩留まり向上剤、濾水性向上剤等にアクリルアミド系の高分子凝集剤が広く使われている。その製品形態としては水溶液、エマルジョン、粉末等があるが、輸送貯蔵のコストが低廉であること、保存安定性がよいことなどの点で粉末は優れており、幅広く用いられている。
粉末状高分子化合物の製造方法としては各種の方法が公知であるが、最も一般的な方法は単量体水溶液に重合開始剤の存在下、熱、酸化還元反応、光等でラジカルを発生させ重合を行う、水溶液重合と言われる方法である。この方法で得られる重合体は通常水性ゲル状の固まりであるので、これを粉砕・乾燥し、粉末化して取り出すことが行われる。
この粉末状高分子化合物の主たる用途は高分子凝集剤や製紙用添加剤等であり、通常希薄な水溶液にして使用される。ところが粉末の場合、溶解時に不溶分が発生することがあり、不溶分が多いと例えば所定の性能が出ないことや濾過金網の閉塞、製紙薬剤に関しては紙切れ、製紙工程の汚れの原因などのトラブルを引き起こすことになる。そこで、この溶解性を改善するために、不溶化防止剤を添加する方法も提案されているが(特許文献1〜3参照)、工業的生産に際しては、添加剤のコスト等の問題があり、一方で含水ゲル状重合体の乾燥温度を低温に設定することで対処することもできるが、この場合、乾燥時間が長くなり生産性の低下などの問題点があった。
特開昭53−136090号公報 特開平5−230141号公報 特開平5−247136号公報
本発明においては、特に不溶性のゲル残分が少ない良質な水溶性高分子重合体粉末を工業的に効率よく製造する方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、重合体の乾燥温度制御を単量体水溶液のpHに応じて制御することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明の要旨は、アクリルアミド及び下記構造式(1)で表される単量体からなる単量体混合物を予めpHを1.5以上、6以下の範囲の値に調整して水溶液重合した後、生成重合体は粗砕工程を経てから乾燥し、粉末状のカチオン系水溶性高分子化合物を製造する方法において、粗砕工程においては、固定刃と回転刃から構成されスクリーンを備え付けた裁断機または押し出し細粒化手段であって、その孔径の最も狭い部分の幅の平均が1mm以上のものを使用し、最大経が50mm以下の粗砕物を得、乾燥を下記式で表される温度(T℃)で行うことを特徴とする粉末状のカチオン系水溶性高分子化合物の製造方法に存する。
(上記構造式(1)において、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基又はベンジル基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表し、XはCl、Br又は1/2SO 2−を表す。)
[数1] 10A+45≦T≦10A+70
(上記式中、Tは乾燥温度(℃)を表し、Aは単量体混合物のpHの値を表す。)
本発明の製造方法は、溶解性の良好な重合体を工業的に効率よく得ることができるものである。
以下に、本発明に関し、更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの記載に限定されるものではない。
本発明の製造方法は、アクリルアミド及び下記構造式(1)で表される単量体を含有する単量体混合物を水溶液重合した後に生成重合体を乾燥し、粉末状のカチオン系水溶性高分子化合物を製造する方法に関するものである。
(上記構造式(1)において、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基又はベンジル基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表し、XはCl、Br又は1/2SO 2−を示す。)
構造式(1)の(メタ)アクリロイルオキシエチルアンモニウム塩において、R、R及びRが全てメチル基、或いはR、Rがメチル基、Rが水素原子であるのが好ましく、特に全てメチル基であるのが好ましい。また、XはCl又は1/2SO 2−が好ましく、Rは水素原子とメチル基のいずれでもよい。
上記構造式(1)の単量体は、具体的には(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩、若しくは(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルアンモニウム塩が挙げられる。
構造式(1)の(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩は、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートを4級化剤、例えば塩化メチル等のハロゲン化アルキル等と反応させることにより得られる。また、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルアンモニウム塩は、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートを酸、例えば塩酸、臭素酸、硫酸、硝酸、酢酸等と反応させることにより得られ、酸の代表例は塩酸、硫酸である。
単量体混合物中の全単量体中における構造式(1)で表される単量体の含有割合は、特に限定されないが、(1)で表される単量体由来の構成単位はカチオン系水溶性高分子化合物として必須成分であり、その含有割合は、全単量体量の通常3モル%以上、好ましくは10モル%以上、更に好ましくは20モル%以上であり、通常、99モル%以下、好ましくは90モル%以下である。また、(1)で表される単量体は、単独でも2種以上の混合でも用いることができる。
上記単量体混合物は、上記(1)で表される単量体の含有量が、上記範囲内であれば、アクリルアミド単量体以外にも、少量の他の単量体単位、例えばアクリルアミドのアルキル誘導体などを含有していてもよい。その場合、他の単量体は、全単量体中の10モル%以下とする。
上記単量体混合物における全単量体濃度は、重合方法により異なるが、通常、生産性の観点から、断熱重合では15重量%以上、好ましくは20%重量以上、光重合においては、30重量%以上、好ましくは40重量%以上で行われ、一方、副反応の低下・ゲル化の防止の観点から、断熱重合では通常35重量%以下、好ましくは30重量%以下、光重合では通常80重量%以下、好ましくは75重量%以下の範囲に設定される。
上記単量体混合物は、上述の単量体と後述する公知の重合触媒を含む水溶液であるが、これらの他に必要に応じて、pH調節剤、亜リン酸(塩)や次亜リン酸(塩)等の連鎖移動剤、界面活性剤等の任意の添加剤を含んでも良い。該連鎖移動剤は、通常、単量体に対し5〜2000重量ppm程度添加される。
このような単量体混合物は、単量体組成によっては、そのまま重合を行っても良いが、本発明方法では、単量体混合物のpH値に応じて生成重合体の乾燥温度が制御される、即ち単量体混合物のpH値は乾燥温度を規定する一要因であるので、乾燥時の温度をより好適な温度とするためには、単量体混合物にpH調整剤を添加し、該混合物のpH値を所望pHになるよう調節するのが好ましい。
この場合pH値としては、重合時の副反応の抑制等の観点から、通常、6以下、好ましくは5以下であり、一方、重合装置の腐食といった設備的な観点から通常、1.5以上、好ましくは2.5以上、更に好ましくは3.5以上である。
pH値の調節は、酸、またはアルカリを添加して行う。酸としては硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸の他、ギ酸、酢酸、スルファミン酸等が例示されるが硫酸が安価で調節がし易く、不揮発性であることなどから好ましい。アルカリとしては、水酸化ナトリウム(水溶液)、水酸化カリウム(水溶液)、水酸化マグネシウム(水溶液)、アンモニア水、アミン系化合物等が例示されるが、価格等の問題で、水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。
単量体混合物の水溶液重合方法としては、公知の一般的な方法を任意に用いることができる。例えば、レドックス、アゾ系開始剤等の熱で重合開始する開始剤を用い、水溶液断熱重合を行う方法及び光開始剤を用い薄膜状にし、可視光あるいは紫外光を照射して重合を行う水溶液光重合方法の2方法が一般的であり、重合が終了するとゲル状の重合体(=カチオン系水溶性高分子化合物の含水物)が得られる。
具体的には、水溶液断熱重合の場合は、テフロン等の樹脂でコートされた断熱性の容器に通常は0〜25℃の範囲に温度調節した単量体混合物の水溶液を入れ、窒素ガスにより、溶存酸素を置換し、過硫酸塩、過硫酸塩やt−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の有機過酸化物と亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、亜二チオン酸塩、チオ硫酸塩、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、硫酸第一鉄、アミン類等との組み合わせによるレドックス開始剤、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロライド等のアゾ系開始剤等を単独または組み合わせて使用して行う。重合開始剤の添加量は、全単量体に対して概ね1〜1000重量ppm程度である。
また、水溶液光重合方法の場合は、単量体混合液を通常は0〜30℃の範囲に温度調節し、窒素置換を行なう前または後に、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ベンゾフェノン等の光重合開始剤と混合し、5〜50mmのシート状に展開し、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト、青色蛍光灯、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等を用いて0.1〜1000W/m強度で照射し、重合させる。単量体混合液の展開は、バッチ式でも可動担持体を用いた連続ベルト方式でもよく、窒素雰囲気中もしくは酸素透過性の少ないフィルムで単量体混合液を覆って重合させる。シート状に展開させる器体の下面及び/またはフィルム上面より液体または気体で冷却することにより重合熱を除去することもできる。
以上の方法で得られるカチオン系水溶性高分子化合物としては、4重量%塩水中における、該高分子化合物の0.5重量%溶液の粘度が5mPa・s〜250mPa・sのものが製造可能であるが、好ましくは25mPa・s以上、より好ましくは60mPa・sのものであり、また、好ましくは200mPa・s以下、より好ましくは150mPa・s以下のものである。
本明細書中、高分子化合物の粘度は、高分子化合物の4重量%塩水(NaCl水溶液)中における0.5重量%溶液を調製し、B型粘度計(ローターNo.1又は2を使用、回転数60rpm)を使用し、25℃で測定した値を意味する。
本発明の製造方法においては、このカチオン系水溶性高分子化合物を含むゲルから水分を除去し、粉末にして取り出す際に、その乾燥温度を下式で規定される特定の温度範囲となるよう制御することが必要である。
[数2] 10A+45≦T≦10A+70
(上記式中、Tは乾燥温度(℃)を表し、Aは単量体混合物のpHの値を表す。)
その温度範囲の上限としては、得られる粉体の不溶化防止のため、10A+70以下であり、好ましくは10A+65以下、より好ましくは10A+60以下である。一方、下限としては、乾燥時間の長時間化による生産性の低下と粉体の性状維持とのバランスから、通常10A+45以上である。
上記Aは、単量体混合物のpH値であり、通常6以下、好ましくは5以下であり、通常、1.5以上、好ましくは2.5以上、より好ましくは3.5以上である。
本発明の製造方法においては、不溶ゲル残分を増すことなく単量体混合物のpH値を一要因とする乾燥温度で乾燥することができ、その詳しいメカニズムは不明であるが、不溶化の原因が重合条件により発生しており、それが発現するのは乾燥加温時であると考えられる。従って目的の乾燥温度での乾燥が、予め重合条件、即ち単量体混合物のpH値を調整することで実施できるという本発明方法は、生産性の向上の点で非常に有用なものであると考えられる。
乾燥時間としては、その乾燥するカチオン系高分子化合物の量にもよるが、通常、12時間以内、好ましくは10時間以内であり、より好ましくは8時間以内、更に好ましくは5時間以内であり、通常、1時間以上、好ましくは2時間以上である。
上記乾燥方法としては、通風乾燥機、振動流動乾燥機等公知の乾燥機を用いて乾燥を行えばよく、上述の乾燥温度とは上記乾燥機内の温度、具体的には乾燥用気体の乾燥室の出口温度を言う。
乾燥工程においては、1台の乾燥機単独で使用してもよいし、複数の乾燥機を直列又は並列にして乾燥を行っても良い。
また、複数の乾燥機を用いた場合、それぞれの乾燥温度は同じであっても異なっていても良い。
上記乾燥に際して、乾燥温度を制御するとは、上記重合体を乾燥機内で乾燥させている間の温度が実質的にその温度範囲内となっていることをいい、通常、上記温度範囲内となるように予め乾燥機を加温しておき、そこに該高分子化合物を投入するという態様がとられる。
また、乾燥中の温度変動により又は上述のような複数の乾燥機を用い、各乾燥機の乾燥温度がそれぞれ変えてある場合などにより、部分的に温度がこの範囲を外れる場合を有する態様があったとしても、それが一時的であり、実質的な乾燥温度がこの範囲内である場合も本発明の範囲に含まれる。ここで、一次的とは、例えば、乾燥時間全体の20%以内の長さの時間、好ましくは10%以内の長さの時間、より好ましくは5%以内の長さの時間である場合、より具体的な時間としては1時間以内、好ましくは30分以内が挙げられる。
更にまた、乾燥効率向上のため、乾燥途中に重合体を攪拌混合、再粉砕等の手段を講じてもよい。
本発明の製造方法においては、水溶液重合後の生成重合体は、その乾燥効率を上げるため、乾燥する前に予め粗砕工程を経た方が好ましい。
上記粗砕工程としては、裁断機による切断、ミートチョッパーなどによる押し出し細粒化等、公知の各種の方法で任意に細粒化、粉砕が行われる。
例えば、裁断機としては、固定刃と回転刃から構成され、孔径約1〜50mmのスクリーンを備え付けられたものが使われる。この裁断機に重合物を投入する前にローラー型カッターなどで100mm程度に裁断しておくこともできる。また、裁断機は2機以上を連結し、順次小さく裁断していく方法を用いることもできる。ミートチョッパーは通常、孔径2〜10mmの大きさを備えたものを使用する。
本発明の製造方法においては、従来行われている乾燥温度よりもより高温での乾燥が可能となったため、粗砕物の粒径を従来より大きめに設定することも可能であり、その観点からも工業生産における設備の簡素化及びコストの観点から好ましい。
例えば、本発明の製造方法では、粗砕物の最も狭い部分の幅の平均が通常1mm以上、好ましくは2mm以上、最も好ましくは3mm以上である。
ゲル状のカチオン性水溶性重合体は、通常最大径50mm以下。好ましくは10mm以下、より好ましくは7mm以下に細かくされる。
上記乾燥後のカチオン系水溶性高分子化合物は、通常、通常ロール式粉砕機やミル型粉砕機等の通常の粉砕機により、最大径2.0mm以下となるような更なる粉砕工程を経て粉末状のカチオン系水溶性高分子化合物を得る。
本発明の製造方法により得られる粉末状のカチオン性水溶性高分子化合物は、その0.5重量%水溶液500mlを目開き180μm金網でろ過洗浄することにより確認される不溶ゲル残分が15g以下、好ましくは10g以下、より好ましくは8g以下、更に好ましくは5g以下という優れた品質を有するものである。
本発明の製造方法で得られたカチオン系水溶性高分子化合物は、水へ溶解させる前に酸性物質と混合することもできる。このような酸性物質としてはスルファミン酸、硫酸水素ナトリウム、アジピン酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタミン酸等の固体酸が挙げられる。また、水へ予めこれらの酸性物質を溶解しておき、その水溶液にカチオン系水溶性高分子化合物を溶解することもできる。このような場合は、前記の固体酸に加え、硫酸、塩酸、硝酸、酢酸等の液体の酸性物質も使用できる。
本発明のカチオン系水溶性高分子化合物は、単独でも、2種以上混合して水に溶解することもできる。さらに、他の水溶性高分子化合物と混合して水に溶解することもできる。このような水溶性高分子化合物としては、両性水溶性高分子化合物、カチオン性水溶性高分子化合物、ノニオン性水溶性高分子化合物、アニオン性水溶性高分子化合物等が挙げることができる。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限りこれら実施例に限定されるものではない。
1、カチオン系水溶性高分子化合物の合成
(合成例1)
1リットル三角フラスコにアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド20モル%、アクリルアミド80モル%、全単量体濃度55質量%、亜リン酸300ppm(以下、ppm表示は全液量に対する質量割合を示す。)を含有した単量体水溶液957gを調整した。
この単量体水溶液を、中性リン酸塩pH標準液(pH6.86)とフタル酸塩pH標準液(pH4.01)で調整されたpHメーターを用い、30重量%の硫酸水溶液を加えpH2.5に調整した。
遮光下で2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン75ppmをこの単量体水溶液に加え、三角フラスコを10℃の恒温水槽に入れ、そのまま30分間窒素ガスで水溶液中の溶存酸素を置換した。
厚さ1mmのステンレス板の周縁に、該ステンレス板の内底面が200×200mmの正方形になるように断面の一辺が24mmのゴム棒を貼り付けてある容器を用意した。この容器の内側に厚さ16μmの光透過性フィルム(厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートおよび厚さ4μmのポリ塩化ビニリデンからなる積層フィルム)を敷き、このフィルム上に単量体水溶液を供給した。水溶液の上面を、単量体水溶液と接するように上記と同種の光透過性フィルムで覆った。単量体水溶液からなる層の厚さは22.5mmであった。また、ステンレス板の裏側を、単量体水溶液を供給する前から10℃の水を吹き付け冷却し、ステンレス板の温度を10℃に調節した。さらに、重合終了まで10℃の水を吹き付けることを継続した。
単量体水溶液の供給された容器の上方に、20W型蛍光ケミカルランプを設置した。あらかじめ水溶液表面で照射強度が5W/m2 となるように調整した蛍光ケミカルランプを3分間点灯した。次に、水溶液表面で照射強度が0.5W/m2となるように調整した蛍光ケミカルランプを25分間点灯した。さらに、水溶液表面で照射強度が45W/m2 となるように調整した蛍光ケミカルランプを15分間点灯し、重合を完結させ、ゲル状水溶性重合体シートを得た。
得られたゲル状水溶性重合体シートをはさみで10×5×1.5mmの大きさに細断した。
(合成例2〜5)
単量体水溶液のpHを表1に示す値に調整した以外は合成例1と同様の操作を行い、ゲル状水溶性重合体を得た。なお、pH調整には、30重量%の硫酸水溶液または30重量%の水酸化ナトリウム水溶液を用いた。
[実施例1]
合成例1で得た水溶性重合体を85℃に設定した熱風乾燥機で4時間乾燥した。得られた重合体をウイレー式粉砕機で粉砕し、重合体粉末を得た。乾燥後の水分率は5%であった。
<溶解性の評価>
得られた重合体粉末の0.5質量%水溶液500mlを目開き180μmの金網を用いて濾過した際、その金網上に残る不溶ゲル残分は8gであった。
[実施例2]
乾燥温度を70℃に設定し、乾燥時間を10時間とした以外は実施例1と同様に実施して重合体粉末を得、その溶解性を評価した。乾燥時間は乾燥後の水分率が5%となるように調節した。不溶ゲル残分は1gであった。
[実施例3〜8、比較例1〜5]
表1に示した合成例1〜5の単量体水溶液から得た水溶性重合体を、表2に示した乾燥温度、乾燥時間に設定した以外は実施例1と同様に実施して重合体粉末を得、その溶解性を評価した。評価結果も表2に併せて示した。なお、乾燥時間は乾燥後の水分率が5%となるように設定した。
上記実施例の結果から明らかなように、乾燥温度を単量体水溶液のpHに基づき制御する本発明の製造方法によって得られるカチオン系水溶性高分子化合物の不溶ゲル残分は非常に少なく、高品質なカチオン系水溶性重合体の生産性良く製造することが可能となる。

Claims (5)

  1. アクリルアミド及び下記構造式(1)で表される単量体からなる単量体混合物を予めpHを1.5以上、6以下の範囲の値に調整して水溶液重合した後、生成重合体は粗砕工程を経てから乾燥し、粉末状のカチオン系水溶性高分子化合物を製造する方法において、粗砕工程においては、固定刃と回転刃から構成されスクリーンを備え付けた裁断機または押し出し細粒化手段であって、その孔径の最も狭い部分の幅の平均が1mm以上のものを使用し、最大経が50mm以下の粗砕物を得、乾燥を下記式で表される温度(T℃)で行うことを特徴とする粉末状のカチオン系水溶性高分子化合物の製造方法。
    (上記構造式(1)において、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基又はベンジル基を表し、R4は水素原子又はメチル基を表し、XはCl Br又は1/2SO 2−を表す。)
    [数1]
    10A+45≦T≦10A+70
    (上記式中、Tは乾燥温度(℃)を表し、Aは単量体混合物のpHの値を表す。)
  2. 単量体混合物のpHを3.5以上、6以下の範囲の値に調整することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. カチオン系水溶性高分子化合物において、該高分子化合物の全構成単位に対する上記構造式(1)で表される単量体由来の構成単位の割合が3〜99モル%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. カチオン系水溶性高分子化合物において、該高分子化合物の全構成単位に対する上記構造式(1)で表される単量体由来の構成単位の割合が10〜90モル%であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
  5. 粉末状のカチオン系水溶性高分子化合物は、その0.5重量%水溶液500mlを目開き180μm金網でろ過洗浄することにより確認される不溶ゲル残分が10g以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
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