JP3704660B2 - ポリビニルアミンの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビニルアミン単位を含有する重合体(以下、単にポリビニルアミンと略称する場合がある)の製造方法に関する。詳しくは、水処理分野、特に廃水処理での凝集剤、製紙工業での抄紙薬剤などとして有用な高分子量のポリビニルアミンを、工業的に効率よく、かつ高い品質で得るための製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリビニルアミンは、凝集剤、製紙用薬剤、繊維処理剤、塗料添加剤などとして広く利用されている有用な物質である。特に廃水処理での凝集剤、製紙工業での抄紙薬剤などとして用いる場合には、高分子量のポリビニルアミンが有効であるとされている。
一般にポリビニルアミンは、N−ビニルカルボン酸アミドの重合体や共重合体[以下、両者をまとめて(共)重合体と表記する)を、酸またはアルカリの存在下に、全部または一部を加水分解することによって得られている。従って、高分子量のポリビニルアミンを得る場合は、その前駆体であるN−ビニルカルボン酸アミドの(共)重合体も高分子量のものであることが必要である。高分子量のN−ビニルカルボン酸アミド(共)重合体を得るためには、N−ビニルカルボン酸アミドのモノマー濃度をなるべく高くし、かつなるべく低温で重合を行うことが必要である。このため、従来、次のような方法が提案されている。
【0003】
特開昭61−141712号公報及び特開平2−222404号公報には、炭化水素溶媒中に、モノマー水溶液を分散あるいは乳化させ、アゾ系開始剤を用いて重合を行う方法が示されている。これらの方法では重合系の攪拌が比較的容易であり、重合時の温度制御が可能である。しかし有機溶媒や乳化剤が大量に必要であり、臭気や引火性といった安全面での問題や、製品の環境負荷が高いといった問題がある。
また、特開昭59−33312号公報には、アゾ系開始剤を用いて高濃度のモノマー水溶液を重合する方法が示されている。この方法では、重合の進行に伴って重合反応系が固化し、除熱が困難となるが、アゾ系開始剤の活性化温度は通常40℃以上と高く、もし除熱しなければ重合熱によって系の温度が上昇し、モノマー濃度如何によっては水の沸点を超えてしまう。このため、小スケールでは実施可能であっても、工業的スケールで温度を制御しながら実施することは困難である。
【0004】
更に、高濃度水溶液の重合における除熱の問題を回避するため、特開平6−122712には、モノマー水溶液をニーダー型反応器中で攪拌しながら重合を行い、粒状の水性ゲルを得る方法が示されている。この方法では除熱が可能であるため、アゾ開始剤を用いても高濃度で重合することが可能であるが、装置の構造上、大きな動力が必要であり、また容積の小さいバッチ操作であることから生産性が非常に悪いという問題点がある。
一方、アクリルアミド重合において広く工業的に用いられているところの除熱を行わず断熱系で水溶液重合を行う方法も提案されている。この方法では、一般的には、低温でも活性のあるレドックス開始剤を用いて静置重合がなされ、重合の進行とともに温度が上昇し、最終的に塊状の水性ゲルが得られる。この方法の一例として、WO00/58378公報にレドックス開始剤とアゾ開始剤を組み合わせて使用した断熱重合によるポリビニルアミンの製造法が示されている。しかしN−ビニルカルボン酸アミドは、保存中に一部加水分解し、アルデヒド等の不純物が混入しやすい。このようなモノマーを重合に用いた場合、不純物によってレドックス開始剤の活性が大きく影響され、工業的に安定した生産を行うことが難しい。
このようにN−ビニルカルボン酸アミドを高濃度で、かつなるべく低温で重合して高分子量のポリマーを得ることは工業的にはきわめて困難であった。
【0005】
更に、N−ビニルカルボン酸アミドの(共)重合体を加水分解する工程にも問題があった。すなわち、N−ビニルカルボン酸アミドの(共)重合体を有機溶媒中に分散、あるいは乳化した反応系では、加水分解のために酸、あるいはアルカリを添加すると、分散が不安定になりやすいという欠点がある。
また前述したような重合体を水性ゲルで得る方法では、加水分解する際ゲルに直接、酸あるいはアルカリを作用させているが、ゲルのような拡散の遅い物質では、表面と内部で加水分解に分布を生じやすく、均一な品質の製品が得られにくいという欠点がある。
さらに、N−ビニルカルボン酸アミドをアゾ開始剤あるいはレドックス開始剤を用いて重合した場合には、N−ビニルカルボン酸アミドの重合が完結しにくくモノマーが残存し易いことに加え、副生アルデヒド等も付随することが多い。そのため、加水分解工程では残存モノマー並びにその加水分解物であるアルデヒド等によって、ポリビニルアミンが架橋不溶化してしまうという問題がある。アルデヒドを封鎖するために、例えば特開平5−86127や特開5−125109等に提案されているような、アルデヒドとの反応性の高い物質を添加する方法があるが、ゲルのような拡散の遅い物質では、アルデヒドの封鎖が不完全になりやすいという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように高分子量のN−ビニルカルボン酸アミドの(共)重合体を製造し、次いでこの(共)重合体を加水分解してポリビニルアミンを製造するための効率的に優れた工業的な実施方法は従来知られていなかった。これは、高分子量のN−ビニルカルボン酸アミドからなる水溶性ポリマーを水媒体中で得る場合には、常に取扱性の悪い水性ゲルとなること、並びにポリビニルアミンを製造するには、重合後の該ポリマーを酸またはアルカリと接触させて加水分解する後工程が必要であること、更には、加水分解に先だって、架橋性の不純物をなるべく少なくする工程が必要であるためである。これらの各工程を工業的に効率よく実施するには高度に工夫された単位操作が必要であり、工業的製造方法として満足できる方法は見出されていなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記のような問題点に鑑み鋭意検討した結果、従来とは全く異なる方法で高分子量のポリビニルアミンを工業的に効率よく製造する方法を見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は、N−ビニルホルムアミドを主モノマー単位とする重合体を加水分解し、ビニルアミン単位を含有する重合体を製造する方法において、該N−ビニルホルムアミドを主モノマー単位とする重合体は、N−ビニルホルムアミドを主モノマーとして含有するモノマー水溶液を薄層に展開し、薄層の片面および/または両面から除熱しながら、薄層の片面および/または両面から光照射することにより行われる光重合により得られたものであることを特徴とするビニルアミン単位含有重合体の製造方法に存する。
【0008】
本発明の好適な態様として、該モノマー水溶液は、ラジカル系光重合開始剤を含有し、該モノマー水溶液中N−ビニルホルムアミドを含むモノマーの濃度は10〜90重量%であること;薄層の厚さは1〜50mmであること;N−ビニルホルムアミドは、モノマー中、少なくとも50モル%であること:光重合により得たN−ビニルホルムアミドを主モノマー単位とする重合体を固体粉末化した後、該粉末を水に溶解し、酸またはアルカリの共存下に加水分解することを挙げることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
[原料調整工程]
本発明において用いられる主モノマーは、ポリビニルアミンへの誘導のし易さからN−ビニルホルムアミドである。
【0010】
N−ビニルホルムアミドは、必要に応じエチレン性不飽和結合を有する任意のモノマーと共重合させることが可能である。共重合させ得るモノマーとしては、具体的には(メタ)アクリル酸およびその塩、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリルアミドおよびその塩あるいは4級化物、ジアルキルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドおよびその塩あるいは4級化物、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、酢酸ビニル等が例示される。
本発明のモノマー組成物におけるN−ビニルホルムアミドの含有割合は、目的とする(共)重合体にもよるが、通常、N−ビニルホルムアミドは、少なくとも50モル%であり、好ましくは70モル%以上、更に好ましくは90〜100モル%である。
【0011】
上記モノマー組成物は単位重量当たりの発熱量を制御するため適当な溶媒で希釈されることが望ましい。溶媒としては基本的に水が使用されるが、有機溶媒を併用することも可能である。具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコール(ジ)メチルエーテル、ジエチレングリコール(ジ)メチルエーテル、アセトン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド等が例示される。これらの有機溶媒は、通常水に対し50重量%以下で使用される。
上記の共重合モノマー成分や有機溶媒の添加量は任意に定めうるが、重合工程で光の透過性を確保するため、モノマー水溶液組成物が均一透明であること、および生成する水性ゲルが均一透明であるような範囲で選ぶことが好適である。
【0012】
モノマー組成物溶液中のモノマー濃度は、高分子量のポリマーを得るためには極力高い方が好ましいが、あまりに高すぎるモノマー濃度を選択した場合、除熱が追いつかずに沸騰し、気泡が発生して光透過度が低下するため好ましくない。従って最適なモノマー濃度は重合時の発熱量と装置の除熱効率との兼ね合いで設定すべきであるが、通常は10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%、さらに好ましくは30〜70重量%である。
【0013】
本発明では、ポリビニルアミンを製造するためのN−ビニルホルムアミド(共)重合体を光重合によって得ることが必須である。光重合開始剤は低温でも活性があり、アゾ系開始剤のような熱潜在性開始剤と比べより低温で重合を行うことができる。そのため、光重合によればモノマー濃度を高くすることが可能となり、より高分子量のポリマーを生成することができる。また高濃度重合は重合工程の生産性及び乾燥工程の生産性が高い。さらに光強度によって自在に活性を制御できるため、重合の最終工程でより強い光を照射することによって、残存モノマーを低減することができる。
【0014】
ラジカル系光開始剤は、重合時モノマー組成物溶液中に共存させれば良い。光開始剤としては公知の化合物の一種類またはそれらの混合物を適宜選定し、使用することができる。具体的にはベンゾフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾインアルキルエーテル系、ベンジルジメチルケタール系、α−ヒドロキシケトン系、ビスアシルフォスフィンオキサイド系光開始剤等が挙げられる。さらに具体的にはベンゾフェノン、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−1−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ジフェニルフォスフィンオキサイド等が例示される。
光開始剤の添加量はモノマーに対して10〜10,000ppm、好ましくは20〜5,000ppm、さらに好ましくは50〜2,000ppmである。
【0015】
光開始剤は適当な増感剤と併用することができる。増感剤としてはアミン類、ハロゲン化物、ヨードニウム塩、チオキサントン類が挙げられ、具体的にはメチルジエタノールアミン、ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン等が例示される。
更に、場合によっては開始剤としてアゾ系開始剤を併用してもよい。具体的には2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]あるいはその2塩酸塩あるいはその2酢酸塩、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビスイソブチル酸ジメチルエステル、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリン酸)あるいはその2ナトリウム塩あるいはその2カリウム塩等が例示される。これらアゾ系化合物は単独または混合物として使用されうる。アゾ系化合物の添加量はモノマーに対して10,000ppm以下、好ましくは5,000ppm以下、さらに好ましくは2,000ppm以下である。
本発明において、主たる重合を光重合によって行うと、重合後期に重合熱によってゲル温度が上昇するので、アゾ系開始剤を併用することで重合を促進することができる。重合時間が短縮されるので生産性が高く、また残存モノマーを低減できるので変性工程でのゲル化を抑制することができる。さらに光開始剤の使用量が少なくてよいので、製品の黄変等の問題が起こりにくい。
【0016】
また、モノマー組成物溶液中には重合後の水性ゲルの装置等への付着を緩和するためのゲル質改善剤を共存させ得る。具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンカルボン酸エステル、アルキレングリコールアルキルエーテル等のノニオン界面活性剤、テトラアルキル4級アンモニウム塩、トリアルキルベンジル4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩等のカチオン界面活性剤、シリコーンオイルあるいはシリコーンエマルション等のシリコーン類等が例示される。これらゲル質改善剤は単独または混合物として使用され得る。ゲル質改善剤の添加量はモノマーに対して10重量%以下、好ましくは1重量%以下である。
モノマー組成物溶液はまた、公知のゲル化防止剤を含んでいてもよく、例えば特開平5−86127に示された塩化アンモニウム等が挙げられる。
【0017】
モノマー組成物溶液は重合に先立って酸素を除くことが好ましい。酸素の除去は工業的には窒素、ヘリウム等の不活性ガスを通気することにより実施される。
またモノマー組成物溶液は重合に先立って適切な開始温度に調整される。開始温度は通常−20〜70℃の範囲であり、−10〜50℃が好ましく、さらに好ましくは0〜30℃である。
【0018】
[重合工程]
モノマー組成物溶液は光開始剤の活性化に適した光を照射することによって重合される。照射光としては250〜500μmの範囲に主波長を持つ光源が好ましい。具体的には、高圧水銀ランプ、蛍光ケミカルランプ、青色蛍光ランプ等が使用され得る。照射強度は光開始剤量、重合温度等によって任意に変化させうるが、照射面において、0.1〜100W/m2の範囲で行うことが好ましい。照射強度が弱すぎると重合が遅く、また強すぎるとポリマーの不溶化等の副反応を招く可能性がある。
光の照射時間は原料モノマーの組成、重合温度、光強度等によって最適な時間を定めるが、N−ビニルホルムアミドの転化率が90%以上、好ましくは95%以上、さらに好ましくは99%以上となるように選ばれる必要がある。転化率が低い場合、残存したN−ビニルホルムアミドから後の加水分解工程でホルムアルデヒドが発生し、ポリビニルアミンと反応して架橋源となる可能性があり好ましくない。
【0019】
本発明方法においては、光重合を実施するに際し、薄層に展開したモノマー溶液、例えば水溶液を除熱しながら光照射する方法が挙げられる。この方法ではモノマー水溶液を薄層に展開することによって、層の透過光強度が深度方向に関して均一に保たれ、均一な品質のポリマーが得られる。さらに、表面積を広げることで、重合熱が効率的に除熱できるようになり、系の温度上昇を抑制してより低温で重合することができる。
重合の進行に伴って系の粘度が上昇すると、除熱効率が低下して系の温度が上昇してくる。温度の上昇幅はモノマー濃度、開始剤量、光強度等によって変化し、また層の深度方向に対して温度分布があるため厚みにも依存するが、系が沸騰しないように最高温度で100℃以下に制御するのが望ましい。より望ましくは、95℃以下であり、さらに望ましくは90℃以下である。系の温度が上昇し過ぎると、重合過程でモノマーが加水分解して不純物が増加したり、副反応によってポリマーが不溶化する場合がある。
薄層の厚みとしては1〜50mmが好ましく、より好ましくは5〜30mmである。厚すぎると層の上下で光強度に差が生じ、品質が不均一になること、ならびに除熱効率が低下することから好ましくない。薄すぎる場合は生産性が悪い、あるいは非常に広い装置面積が必要となり過大な設備が必要となるため好ましくない。
【0020】
モノマー組成物溶液の薄層への展開方法としては種々の方法が考え得る。具体的にはトレー状の容器を用いる方法や、モノマー組成物溶液をポリエチレン袋のような可撓性の容器に入れた後に平らに整える方法等を取り得る。工業的には連続操業とすることが生産性の面から好ましい。連続的に重合を行う装置としては例えば特公平6−804に示されているような、両端に堰を有するようなエンドレスベルト上に連続的に展開する方法が好ましい。
重合中には薄層の片面および/または両面から冷却することにより、重合熱を除熱することが好ましい。冷却法としては様々な方法が取られうるが、冷却面に水を散布する水冷法や、空気流と接触させる空冷法が簡便である。
【0021】
薄層は重合発熱の除熱効率を高めるため、片面を金属に接触させることが好ましい。金属接触面からの水性ゲルを剥離し易くさせるため、金属面には界面活性剤のような剥離成分を塗布したり、ライニングを施したり、樹脂シート、樹脂フィルムを敷いてもよい。ライニング、樹脂シート、樹脂フィルムの素材としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、テフロン、アフロン等が挙げられる。
薄層の少なくとも片方の面から、光を照射する必要があるが、解放系では酸素によって重合が阻害される。このため、気相部を不活性ガスでシールするか、あるいは酸素透過性の低い透明な素材で蓋をすることが好ましい。蓋の素材としてはガラス、透明樹脂が挙げられるが、樹脂を使用する場合は特に酸素透過性の低い素材が好ましい。そのような素材としてはポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等のフィルム、シートであって、特にポリビニリデンクロライド(PVDC)コート、シリカ蒸着、アルミ蒸着等の酸素透過性を低くするような処理が施されているものが好ましい。
【0022】
[粉砕乾燥工程]
本発明においては、上記の如く光重合によって得られたN−ビニルホルムアミド(共)重合体を加水分解してポリビニルアミンを製造するが、該(共)重合体を固体粉末とし、ついで、該粉末を水に溶解し、酸またはアルカリの共存下に加水分解するのが好ましい。
加水分解は、重合後のポリマーの水性ゲルあるいは水性ゲルの粉砕物を、乾燥することなく酸またはアルカリに接触させて行うこともできる。しかしこのような操作はきわめて付着性の強い水性ゲルを取り扱う必要があり、工業的に行うには単位操作が困難である。一方、水性ゲルを水で希釈し、水溶液とした後に加水分解を行う方法も考えられるが、そのような方法では、比表面積が小さいゲルの溶解にきわめて長時間を要し効率的ではない。
【0023】
本発明においては、重合工程で光重合を採用することにより、硬く取扱性のよい水性ゲルが得られるため、粉砕、乾燥が容易である。さらに一旦粉末化することで、比表面積が大きくなり、加水分解工程での溶解時間を短くすることができるという利点がある。
まず光重合によって得られた水性ゲルを機械的に粉砕する。粉砕方法としては種々の方法がとられうるが、水性ゲルに過大な機械的せん断がかかった場合にはポリマーの分子量低下が起こり好ましくない。このため、いわゆるミートチョッパと呼ばれる、有孔板の内表面に接触して作動する切断刃を備えたスクリュー式押出式粉砕機や、特公平6−74287に示されているような回転刃式粉砕機を用いることが好ましい。
粉砕、乾燥工程で、水性ゲルの機器への付着を抑制するため、ゲル質改善剤を用いることができる。ゲル質改善剤は、モノマー組成物溶液に添加するのと同様な物質を用いることができる。ゲル質改善剤の使用方法としては、粉砕前の水性ゲル表面に塗布する方法、粉砕器中に水性ゲルと同時に添加する方法、粉砕後の粒状ゲルと混合する方法等が取られ得る。
【0024】
次いで、粉砕された水性ゲルを乾燥する。乾燥機としては公知の種々の装置を使用しうる。具体的にはバンド乾燥機、振動流動乾燥機、ディスク乾燥機、コニカル乾燥機等が使用されうる。乾燥条件は適宜選択することができるが、温度が低すぎると乾燥効率が悪く、温度が高すぎるとポリマー劣化の原因となるため、50℃〜140℃、好ましくは60℃〜130℃、さらに好ましくは70℃〜120℃で実施される。最終的には揮発分量20重量%以下、好ましくは10重量%以下まで乾燥することが好ましい。揮発分量が多すぎると次工程での粉末の再粉砕が行い難い。
【0025】
乾燥効率を上げる、あるいは粒径を調整する目的で、乾燥の途中あるいは乾燥後に粉末を再粉砕してもよい。最終的な粉末の粒度は任意に定めうるが、大きすぎると溶解に時間がかかり、小さすぎると溶解時にいわゆるママコの発生や微粉による作業環境の悪化の原因となるので好ましくない。4メッシュパス〜500メッシュオンであることが好ましく、さらに好ましくは10メッシュパス〜100メッシュオンの範囲に80%以上、より好ましくは90%以上入っていることがよい。このようにして、N−ビニルアミド(共)重合体の粉末が得られる。
加水分解に付されるN−ビニルアミド(共)重合体は高分子量であることが望ましい。該重合体の分子量は、1規定の食塩水中、25℃における0.1g/dl水溶液の還元粘度(以下ηsp/Cと記載する)の値を指標とした場合、ηsp/Cは3以上が望ましく、好ましくは5以上、さらに好ましくは7以上が望ましい。
【0026】
[加水分解工程]
ついでN−ビニルアミド(共)重合体の一部または全部を加水分解し、ビニルアミン(共)重合体に転換する。この工程では、均一な加水分解を行うため、水溶液として反応を行う必要がある。また生産性、輸送性を高めるために、なるべくポリマー濃度の高い条件で反応を行うことが望ましい。ポリマー濃度は溶解装置の能力と経済性との兼ね合いで決められるが、通常は0.1〜30重量%、好ましくは1〜20重量%、さらに好ましくは2〜10重量%である。
まずN−ビニルアミド(共)重合体粉末を水に溶解する。溶解に際してはポリマー粉末の合着、いわゆるママコが生成すると多大な溶解時間が必要となり好ましくない。このため、攪拌下にポリマー粉末を媒体中に均一に分散させ、そのまま攪拌を継続して溶解を行うことが好ましい。ポリマー粉末同士の合着を防止するため、表面にポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、シリコン、パラフィン、界面活性剤等をまぶしておいてもよい。溶解操作を高温で行うと溶解と変性が同時に進行し、変性が不均一になりやすいため、通常50℃以下、好ましくは30℃以下で行われる。
【0027】
加水分解反応は酸またはアルカリの存在下で行う。酸及びアルカリの種類はN−ビニルアミド(共)重合体を加水分解し得るものであれば制限はないが、酸として具体的には塩酸、硝酸、硫酸、燐酸等の無機酸が例示され、アルカリとして具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物が例示される。これらの酸またはアルカリは単独でも混合物として用いてもよい。酸またはアルカリの量は、N−ビニルアミド(共)重合体の所望の加水分解率によって異なるが、目的とするビニルアミン(共)重合体のビニルアミンユニットに対して200〜100モル当量であり、好ましくは150〜100モル当量、さらに好ましくは120〜100モル当量である。加水分解反応系中にN−ビニルアミド基よりも加水分解されやすい物質が共存する場合には、当然それを相殺する量を過剰に用いる必要がある。
これらの酸またはアルカリは、N−ビニルアミド(共)重合体粉末の溶解後に添加してもよいが、重合体溶液は高粘度であるため混合がしばしば困難となる。そのような場合は酸またはアルカリを、重合体粉末を溶解させる水に予め溶かしておくことが好ましい。
【0028】
本発明では、N−ビニルアミド(共)重合体が光重合により製造されたものであるので、重合時のモノマーの転化率が高く、ポリマー中の残存モノマーやモノマー分解物が少ない。このため他の重合方法で得られたポリマーに比べて加水分解工程でのモノマー分解物に由来するゲル化は起こりにくい。しかし加水分解に際して、公知のゲル化防止法を併用することは差し支えない。公知のゲル化防止法は加水分解に先立ち、あるいは加水分解と平行してアルデヒドを封鎖する物質を添加するものである。このような物質としては、特開平5−86127や特開5−125109に示されているようなヒドロキシルアミンまたはその塩酸塩若しくは硫酸塩、過酸化水素、水素化硼素ナトリウム、アスコルビン酸、硫酸水素ナトリウム、二酸化硫黄、亜二チオン酸ナトリウム、アミノグアニジン、フェニルヒドラジン、尿素、エチレン尿素、プロピレン尿素、アンモニア、塩化アンモニウム、或いは硫酸アンモニウム等が挙げられる。特にヒドロキシルアミン、ヒドロキシルアミン塩酸塩、ヒドロキシルアミン硫酸塩、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム等が好適である。これらゲル化防止剤は、重合体粉末の溶解後に添加してもよく、重合体粉末を溶解させる水に予め添加しておいてもよい。また水性ゲルや重合体粉末に対して添加してもよい。
【0029】
上記のようにして得たN−ビニルアミド(共)重合体溶液はそのままでもゆっくりと加水分解が進行するが、加熱することによって加水分解を促進することができる。温度は30〜180℃が望ましく、好ましくは40℃〜140℃、さらに好ましくは50℃〜100℃である。加熱時間は所望の加水分解率に応じて定めればよいが、高温で長時間加熱すると劣化を促進するおそれがあるので48時間以内が望ましく、好ましくは24時間以内、さらに好ましくは12時間以内である。
加水分解の条件によっては加水分解に用いた酸またはアルカリが残存している場合がある。これらの残存酸または残存アルカリは必要に応じて中和してもよい。
特に廃水処理での凝集剤、製紙工業での抄紙薬剤などとして用いる場合には、高分子量のポリビニルアミンが有効であるとされている。ポリビニルアミンの分子量は、1規定の食塩水中、25℃における0.1g/dl水溶液(塩酸塩として)の還元粘度(以下ηsp/Cと記載する)の値を指標とした場合、ηsp/Cは3以上が望ましく、好ましくは4以上、さらに好ましくは5以上が望ましい。
【0030】
本発明によれば、光重合により製造した高分子量のN−ビニルホルムアミドの(共)重合体を加水分解して、高分子量のビニルアミン(共)重合体を工業的に効率よく製造することができる。また、N−ビニルホルムアミドの(共)重合体は、高分子量であるのは勿論、残存モノマーやモノマー分解物が非常に少ないので、架橋反応等による不溶化も生起せず高品質のポリビニルアミンに導くことが出来、しかも重合後のゲルは硬く、粉砕が容易であり取扱性に優れている。このようにして得られた高分子量のポリビニルアミンは、水処理分野、特に廃水処理での凝集剤、製紙工業での抄紙薬剤などとして有用である。
また本発明方法により得られた高分子量のN−ビニルホルムアミドの(共)重合体は、非イオン性水溶性ポリマーとしての用途、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アルキルセルロース等の代替として利用可能である。すなわちバインダーとして紙表面加工、糊剤、接着剤、織物加工、蛍光体焼付、建材、フェライト、セラミック、陶磁器、顔料、塗料、セメント混和、金属表面親水化等に、また造膜性を利用してフィルム、成型品、化粧料、整髪料、洗髪料、錠剤コーティング、土壌改良等に、さらに界面活性能・保護コロイド性を利用して懸濁・乳化重合助剤、油脂溶剤乳化剤、クレー・セラミック等の無機粉体分散剤等といった、幅広い分野に利用することができる。
【0031】
【実施例】
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において重合体の物性は、以下の方法により測定した。
(還元粘度の測定)
重合体サンプルを1規定の食塩水中に、純分0.1g/dlの濃度に溶解し、25℃において、オストワルド粘度計を用いて流下時間を測定した。同様に、1規定食塩水の流下時間を測定し、次式によって還元粘度を求めた。
【数1】
還元粘度 ηsp/C = (t−t0)/t0/0.1 [dl/g]
t:サンプル溶液の流下時間(秒)
t0:1規定食塩水の流下時間(秒)
【0032】
(カチオン当量の測定)
重合体サンプルを脱塩水に溶解し、pH=2.5において、トルイジンブルーを指示薬として、1/400規定のPVSK溶液により滴定した。
【0033】
(実施例1)
褐色瓶中で、N−ビニルホルムアミド276g(純度99%)を脱塩水276gに溶解し、ここに光重合開始剤としてダロキュア1173(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製;α−ヒドロキシケトン系)0.138gを加え、均一に溶解した。窒素ガスを通気して溶存酸素を除去し、30℃に調整した。
底面がステンレス製のトレー状容器(底面235mm×235mm)の底面にポリエチレンテレフタレートフィルム(ベースフィルム12μm厚、PVDCコート4μm厚)を敷き、ここに前記N−ビニルホルムアミド水溶液を入れ、上部をポリエチレンテレフタレートフィルムでカバーした。上方より蛍光ケミカルランプを照射面で6.5W/m2の強度になるように照射した。照射期間中は、容器のステンレス面に30℃の水を噴霧して重合熱を除熱した。温度は97分後に最高57℃に達した。照射開始から110分後、照射強度を60W/m2に上げ、水噴霧を止めてさらに20分間重合を継続した。N−ビニルホルムアミド重合体である無色透明なゲルが得られた。得られたゲルを液体クロマトグラフィーで分析したところ、N−ビニルホルムアミドの転化率は99.7%であり、N−ビニルホルムアミドの分解物は認められなかった。
【0034】
ゲルは硬く取扱が容易であり、これをミートチョッパで粉砕し、約4〜5mmの粒子とした後、90℃の通風乾燥機で1時間乾燥した。その後、1mmφのスクリーンを有する回転式粉砕器で粉砕しN−ビニルホルムアミド重合体の粉末を得た。このものは純度91.1%(揮発分8.9%)、還元粘度は9.9dl/gであった。
攪拌翼と還流冷却器を備えたガラス製セパラブルフラスコに、脱塩水148.55gを入れ、塩化アンモニウム0.4g、水酸化ナトリウム2.25gを溶解した。ここにN−ビニルホルムアミド重合体の粉末8.8g(純分8.0g)を室温で加え均一に分散させ、さらに1.5時間攪拌して均一に溶解した。内容物を加温し、70℃で6時間保持した。内容物を室温まで冷却し取り出した。無色透明で粘稠な液体が得られた。
この液体を塩酸でpH3以下に調整し、塩酸塩としてアセトンから再沈乾燥して得たものを用いて、還元粘度およびカチオン当量を測定した。得られたポリマーの還元粘度は6.5dl/gであり、カチオン当量は5.8meq/gであった。
【0035】
(比較例1)
1リットルのセパラブルフラスコにN−ビニルホルムアミド202g(純度99%)と脱塩水796gを入れ、窒素ガスを通気して溶存酸素を除いた。内容物を加温し40℃とした後、アゾビスアミジノプロパン2塩酸塩の10%水溶液2gを攪拌下に加えて重合を開始した。5時間後、内容物の粘度上昇が認められたため、内容物を窒素下にデュワー瓶に移送し、静置して重合を継続した。重合開始から9時間後に、温度は最高90℃に達した。やや着色したゲルが得られた。
ゲル生成物を液体クロマトグラフィーで分析したところ、N−ビニルホルムアミドが仕込量に対し1.4%残存し、N−ビニルホルムアミドの水付加体が仕込量に対し0.7%モル増加し、ホルムアミドがN−ビニルホルムアミドの仕込量に対し6.3モル%増加した。これらから、N−ビニルホルムアミドの転化率は91.6%と見積もられた。ゲル生成物をアセトンから再沈乾燥したものを用いて還元粘度を測定した。重合体の還元粘度は6.9dl/gであった。
得られたゲルは柔らかくミートチョッパでの粉砕は不可能であった。
【0036】
(比較例2)
1リットルのセパラブルフラスコにN−ビニルホルムアミド252.5gと脱塩水744.1gを入れ、緩衝剤として燐酸2水素ナトリウム2水和物1.51gを入れた後pHを6.5に調整した。窒素ガスを通気して溶存酸素を除いた後、内容物を20℃に冷却した。攪拌下に10%アゾビスアミジノプロパン2塩酸塩水溶液1.25gと、還元剤として硫酸第一鉄7水和物0.10gを加えた。酸化剤として10%t−ブチルハイドロパーオキサイド水溶液0.5gを加えて重合を開始した。5分後、内容物を窒素下にデュワー瓶に移送し静置して重合を継続した。重合開始から7時間半後に、温度は最高84℃に達した。やや着色したゲルが得られた。
ゲル生成物を液体クロマトグラフィーで分析したところ、N−ビニルホルムアミドが仕込量に対し1.1%残存し、N−ビニルホルムアミドの水付加体が仕込量に対し0.6%モル増加し、ホルムアミドがN−ビニルホルムアミドの仕込量に対し4.8モル%増加した。これらから、N−ビニルホルムアミドの転化率は93.5%と見積もられた。ゲル生成物をアセトンから再沈乾燥したものを用いて還元粘度を測定した。重合体の還元粘度は7.1dl/gであった。
ゲルは柔らかくミートチョッパでの粉砕は不可能であった。
【0037】
上記の実施例から明らかなように、光重合法においては高モノマー濃度においても高温にならずに操作が可能であり、短時間にきわめて高い分子量のポリマーが得られる。重合工程において残存モノマーが少なく、またモノマーの分解もきわめて少ない。このようなポリマーを加水分解することで容易に高分子量のポリビニルアミンが得られる
一方比較例1、2から明らかなように、断熱重合法においてはアゾ系触媒、あるいはアゾ系とレドックス触媒の併用のいずれにおいても、N−ビニルホルムアミドの転化率が低かった。またモノマー濃度が低いにも拘わらず重合系が高温に達するため、N−ビニルホルムアミドの分解物の生成が認められた。このような重合体を用いて引き続き加水分解を行うと、分解物から生成するアルデヒド類によってポリビニルアミンの架橋が起こるため好ましくないことは明白である。さらに重合時間が長いこと、モノマー濃度が低いことから生産性が悪く、またゲル性状が柔らかく粉砕が困難である。従って、この方法を工業的に実施するのは困難である。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、高分子量のN−ビニルホルムアミドの(共)重合体を製造し、さらに該重合体を加水分解して、高分子量のビニルアミン(共)重合体を工業的に効率よく製造することができる。このような高分子量のポリビニルアミンは、水処理分野、特に廃水処理での凝集剤、製紙工業での抄紙薬剤などその他各種分野で広く応用することができるので有用である。
Claims (6)
- N−ビニルホルムアミドを主モノマー単位とする重合体を加水分解し、ビニルアミン単位を含有する重合体を製造する方法において、該N−ビニルホルムアミドを主モノマー単位とする重合体は、N−ビニルホルムアミドを主モノマーとして含有するモノマー水溶液を薄層に展開し、薄層の片面および/または両面から除熱しながら、薄層の片面および/または両面から光照射することにより行われる光重合により得られたものであることを特徴とするビニルアミン単位含有重合体の製造方法。
- モノマー水溶液は、ラジカル系光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 薄層は、厚さ1〜50mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
- モノマー水溶液中、N−ビニルホルムアミドを含むモノマーの濃度は10〜90重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
- N−ビニルホルムアミドは、モノマー中、少なくとも50モル%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
- 光重合により得たN−ビニルホルムアミドを主モノマー単位とする重合体を固体粉末化した後、該粉末を水に溶解し、酸またはアルカリの共存下に加水分解することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
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