JP2003246805A - 水溶性ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents
水溶性ビニル系重合体の製造方法Info
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Abstract
凝集剤や抄紙用粘剤に適した水溶性ビニル系重合体を生
産性良く製造する。 【解決手段】 基体上に敷かれたフィルムの上に存在す
る光重合開始剤を含むビニル系単量体水溶液に活性エネ
ルギー線を照射して光重合させる工程を含む水溶性ビニ
ル系重合体の製造方法において、前記光重合させる工程
において前記基体と前記基体上に敷かれたフィルムの間
に液体媒体を存在させておくことを特徴とする水溶性ビ
ニル系重合体の製造方法。
Description
剤、製紙用歩留まり向上剤、石油回収剤等に好適な水溶
性ビニル系重合体の製造方法に関する。より詳しくは、
基体上に敷かれたフィルムの上に存在する光重合開始剤
を含むビニル系単量体水溶液に、活性エネルギー線を照
射して光重合する工程を含む水溶性ビニル系重合体の製
造方法に関する。
的な規模で生産され、各種用水の浄化のための凝集剤、
抄紙用粘剤、製紙用歩留まり向上剤、紙力増強剤、繊維
分散剤、土質安定剤、石油回収剤等として広く利用され
ている。
法として、例えば、特公平5−32410号公報および
特公平6−804号公報には、移動する基体上に光開始
剤を含むビニル系単量体水溶液を層状となるように供給
し、この層状とされたビニル系単量体水溶液に光を照射
して重合し、水溶性ビニル系重合体を連続的に製造する
方法が開示されている。この製造方法においては、例え
ば、可動式の連続ベルト上の一端から単量体水溶液を供
給し、光を照射して重合させ、得られた水性ゲルを他端
から連続的に取り出す。
ルを基体から容易に剥離する目的で、基体上に非粘着性
のフィルムを敷いて、その上にビニル系単量体またはそ
の水溶液を層状に供給して重合する方法が知られてい
る。このような非粘着性フィルムとして、例えば、特許
第2598017号公報には、ポリテトラフルオロエチ
レンフィルム等が記載され、特公平8−5926号公報
および特開平11−228609号公報には、ポリエチ
レンテレフタレートフィルム、ナイロンフィルム、ポリ
プロピレンフィルム等が記載されている。
の分子量が高いほど使用量が少なくなり、また凝集沈殿
時間が短くなるので、凝集性能が優れると言われてい
る。また、抄紙用粘剤も同様に、その分子量が高いほど
好ましいと言われている。しかし、その一方で、分子量
が高いほど重合体の水への溶解性が低下してしまうこと
も知られている。
影響を与える物性として、特開昭52−3758号公報
には、特定組成のアクリルアミド系共重合体の曳糸性を
制御することにより、凝集性能に優れた重合体が得られ
ることが記載されている。また、抄紙用粘剤でも、一般
に、曳糸性が長い方が性能的に優れているとされてい
る。
ニル系重合体を製造する方法は、レドックス開始剤とア
ゾ開始剤を含む水溶性ビニル系単量体水溶液を断熱的に
重合する方法と比較して、得られる重合体の平均分子量
が同じ場合、一般に、前者の方が曳糸性が短い傾向にあ
ると言われている。
る方法として、例えば、特開昭61−213203号公
報には、活性エネルギー線の照射強度を重合途中に変更
する方法が記載されている。しかし、この制御方法は、
重合生産性がはなはだ低いという問題がある。
決すべくなされたものである。すなわち、本発明の目的
は、分子量が高く、曳糸性が長く、かつ水溶解性に優れ
た水溶性ビニル系重合体を、生産性良く製造できる方法
を提供することにある。
れたフィルムの上に存在する光重合開始剤を含むビニル
系単量体水溶液に活性エネルギー線を照射して光重合さ
せる工程を含む水溶性ビニル系重合体の製造方法におい
て、前記光重合させる工程において、前記基体と前記基
体上に敷かれたフィルムの間に液体媒体を存在させてお
くことを特徴とする水溶性ビニル系重合体の製造方法で
ある。
水溶液は特に限定されず、光重合により水溶性ビニル系
重合体を生成し得るビニル系単量体と、光重合開始剤と
を含む水溶液であればよい。特に、(メタ)アクリルア
ミドおよび/またはその誘導体を主成分とする単量体水
溶液が好ましい。なお、本発明において「(メタ)アク
リル」は、アクリルとメタクリルの総称である。
(メタ)アクリルアミドおよびその部分加水分解物、
(メタ)アクリル酸、ならびにそれら酸のアルカリ塩、
アンモニウム塩;2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸等のアクリルアミドアルカンスルホン酸
およびそのアルカリ塩、アンモニウム塩;N,N'−ジア
ルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドおよびそ
の塩、N,N'−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アク
リレートおよびその塩、ならびに、それらの4級アンモ
ニウム塩;等が挙げられる。これらは1種を単独で用い
ても良いし、2種以上を併用しても良い。また、生成重
合体の水溶性を損なわない範囲で、(メタ)アクリルア
ミドのN置換誘導体、N,N'−メチレンビスアクリルア
ミド等の2官能基以上のビニル系単量体を併用してもよ
い。
アクリルアミド系重合体の製造に好適である。ここで、
ノニオン性またはアニオン性アクリルアミド系重合体と
は、少なくともアクリルアミドを含む単量体水溶液を光
重合して得られる重合体である。ノニオン性アクリルア
ミド系重合体を製造する場合、アクリルアミドと共重合
させるビニル系単量体としては、例えば、メタアクリル
アミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムア
ミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−ビニ
ル−N−メチルホルムアミド、N−メチル(メタ)アク
リルアミド、メチル(メタ)アクリレート、酢酸ビニ
ル、アリルアルコール、N−ビニルピロリドン、N−イ
ソプロピルアクリルアミド等のN−置換アルキルアクリ
ルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、アクリロニト
リル等のノニオン性単量体が挙げられる。また、アニオ
ン性アクリルアミド系重合体を製造する場合、アクリル
アミドと共重合させるビニル系単量体としては、上記ノ
ニオン性単量体の他に、例えば、(メタ)アクリル酸お
よびそのアルカリ塩、アンモニウム塩;2−アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のアクリルアミ
ドアルカンスルホン酸およびそのアルカリ塩、アンモニ
ウム塩;スチレンスルホン酸およびそのアルカリ塩、ア
ンモニウム塩;等のアニオン性単量体が挙げられる。
はアニオン性単量体とを共重合させる場合、アクリルア
ミドの使用量は、全単量体中25質量%以上が好まし
い。
ド系重合体の具体例としては、アクリルアミド重合体、
アクリルアミドと(メタ)アクリル酸(またはそのアル
カリ塩、アンモニウム塩)との共重合体、アクリルアミ
ドと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸等のアクリルアミドアルカンスルホン酸(またはその
アルカリ塩、アンモニウム塩)との共重合体、アクリル
アミドと(メタ)アクリル酸(またはそのアルカリ塩、
アンモニウム塩)と2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸等のアクリルアミドアルカンスルホン
酸(またはそのアルカリ塩、アンモニウム塩)との共重
合体、等が挙げられる。また、上記各重合体のアミド基
の部分加水分解により、アニオン性アクリルアミド系重
合体が得られることもある。
量体の含有比率)は、好ましくは20〜80質量%、よ
り好ましくは25〜50質量%、特に好ましくは30〜
40質量%である。この濃度が高いほど重合時間が短く
なり、重合体を乾燥させる際の負荷が少なくなり、生産
性が向上する。一方、濃度が低いほど、重合熱の除去が
容易になる。
始剤は、活性エネルギー線によって分解し重合開始ラジ
カルを発生する化合物であればよい。その具体例として
は、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジ
ル、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アンスラキノ
ン、アシルホスフィンオキサイド化合物、アゾ系化合物
等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても良い
し、2種以上を併用しても良い。特に、水溶解性の高い
重合体が得られる点から、アシルホスフィンオキサイド
化合物が好ましい。
体の分子量と重合時間の兼ね合いから適宜決定すればよ
い。通常は、ビニル系単量体水溶液に対して1〜100
0ppm程度である。
ニル系単量体水溶液を、基体上に敷かれたフィルムの上
に供給する。この基体は、ビニル系単量体水溶液をに定
状(層状等)に保持できるものであれば特に限定されな
い。特に、ビニル系単量体水溶液の液層の厚さが、でき
るだけ均一になるものが好ましい。基体の具体例として
は、バット様の容器、平らな平板上の四方に堰を設けた
もの、連続ベルトの両側に堰を設けたもの等が挙げられ
る。基体は、その表面が照射波長の光を反射する材質か
らなるものが好ましい。そのような基体の具体例として
は、ステンレス、鉄、アルミニウム等の金属から成る基
体;表面に金属を蒸着したゴムまたはプラスチック等の
合成樹脂から成る基体;などが挙げられる。
状で、適度な耐熱性と強度を有する合成樹脂フィルムを
通常使用する。特に、非粘着性のフィルムが好ましい。
非粘着性フィルムの具体例としては、ポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、
ポリプロピレン等のプラスチックフィルムが挙げられ
る。なかでも、良好な光透過性を有し、かつ比較的酸素
透過率の低いポリエチレンテレフタレートフィルムが好
ましい。フィルムの厚さは、好ましくは5〜100μ
m、より好ましくは10〜50μmである。耐熱性およ
び強度の観点からは厚い方が好ましく、経済性の観点か
らは薄い方が好ましい。
基体と基体上に敷かれたフィルムの間に液体媒体を存在
させておくことが重要である。これにより、高分子量で
曳糸性の長い水溶性ビニル系重合体が得られる。特に、
液体媒体を存在させることにより、曳糸性と相関すると
いわれているワイセンベルク効果の高さ(ポリマー水溶
液を攪拌した状態での攪拌棒に絡みついたポリマー水溶
液の上位置と液面との距離)が、相対的に大きくなる。
これは、液体媒体の存在により重合挙動が変化し、得ら
れたポリマーの分子量分布が変化しているからであると
推定される。
水溶液、アルコール類や液体状炭化水素等の有機溶媒な
どが挙げられる。特に、取り扱い性、安全性の観点か
ら、水が好ましい。また、液体媒体の供給方法は特に限
定されない。例えば、基体上に塗布、噴霧、滴下等によ
り液体媒体を供給し、その後、液体媒体の上にフィルム
を設ければよい。
ように均一に存在させることが好ましく、液体媒体の供
給方法や供給量もこのような観点から選定することが望
ましい。また、基体とフィルムの間の間隙の平均厚さ、
すなわちその間隙に存在する液体媒体の液層の平均厚さ
は、1〜1000μm程度が好ましい。特に、その厚さ
の下限については10μm以上がより好ましく、上限に
ついては100μm以下がより好ましい。
体/フィルム)のフィルムの上(液体媒体とは逆の面)
に存在するビニル系単量体水溶液を重合させる方法であ
る。フィルムの上にビニル系単量体水溶液を存在させる
方法は、特に限定されない。例えば、その構成(基体/
液体媒体/フィルム)を設けてから、フィルム上にビニ
ル系単量体水溶液を供給する(流し込む等)方法が挙げ
られる。
については、好ましくは11mm以上、より好ましくは
13mm以上、特に好ましくは16mm以上である。ま
た、その上限については、好ましくは50mm以下、よ
り好ましくは30mm以下、特に好ましくは25mm以
下である。ビニル系単量体水溶液の液層の厚さは、厚い
ほど生産性が高くなり、薄いほど重合熱の除去が容易に
なる。
溶液の表面を、さらに光透過性フィルムで覆うことも可
能である。この光透過性フィルムとしては、ポリエチレ
ンテレフタレートやポリ塩化ビニリデン等の比較的酸素
透過性が低く、耐熱性のあるフィルムが好ましい。この
ような光透過性フィルムで表面を覆えば、ビニル系単量
体水溶液と外部空気(特に重合を阻害する酸素)との接
触をさけることができるので、効率的な重合が可能とな
る。
ニル系単量体水溶液(特にアクリルアミド系水溶液)の
溶存酸素濃度は、好ましくは1ppm以下、より好まし
くは0.5ppm以下である。溶存酸素濃度が低いほど
重合開始の遅延が少なくなり、かつ水不溶物の発生が少
なくなる。溶存酸素濃度の低減は、窒素置換法等により
行うことができる。
ルギー線の照射により行なう。活性エネルギー線の具体
例としては、紫外線、可視光線等が挙げられる。活性エ
ネルギー線の波長は、使用する光重合開始剤により適宜
選定すればよい。特に、単量体自身による吸収および光
量子のエネルギーの観点から、200〜650nmの領
域の波長の活性エネルギー線が好ましい。200〜65
0nmの活性エネルギー線を与える光源としては各種の
ものが知られている。その代表例としては、高圧水銀ラ
ンプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、蛍光ケ
ミカルランプ、蛍光青色ランプ等が挙げられる。
ある必要はなく、重合の進行に伴って変化させても良
い。照射強度を変化させる方法としては、活性エネルギ
ー線の強度や光源を段階的に変える方法が簡便である。
を保持する基体を移動させながら活性エネルギー線を照
射することにより、水溶性ビニル系重合体を連続的に製
造することもできる。この場合、基体としては、可動式
のエンドレスベルト(連続ベルト)等を用いることがで
きる。このようなエンドレスベルトを用いた重合装置
は、例えば、先に述べた特公平6−804号公報にも記
載されている。具体的には、例えば、連続ベルトの両長
辺部分にゴム棒により堰を設け、この堰の内側に液体媒
体を介してフィルムを敷き、ビニル系単量体水溶液が漏
れ出ないようにした装置等を用いることができる。
るエンドレスベルトの一端(上流側)のフィルムの上
に、ビニル系単量体水溶液を層状になるよう供給し、光
源の下をベルトと共に通過させることによって光重合さ
せる。また、ビニル系単量体水溶液が重合反応の進行に
より流動しなくなった時点以降は、これをローラコンベ
アー上に連続的に移動させ、光照射を続けることも可能
である。また、ローラコンベアーに移動した後は、上方
と下方の両方から光照射を行うこともできる。また、こ
のような重合装置では、例えば、移動するエンドレスベ
ルトの上にフィルムを敷く前に(すなわち上流側で)、
エンドレスベルト上に液体媒体を供給する。
合熱によりビニル系単量体水溶液が沸騰することがあ
る。したがって、例えば、基体の下面(液体媒体とは逆
側の面)から冷水等の冷却媒を噴霧する方法、ビニル系
単量体水溶液の表面(フィルムとは逆側の面)を気体に
より冷却する方法等により、重合熱を極力除去して沸騰
を防ぐことが好ましい。
合体は、曳糸性が長く、高分子量で、溶解性も良いの
で、従来より水溶性重合体の用途として知られている各
種の用途において、非常に有用な重合体である。なかで
も、ノニオン性またはアニオン性アクリルアミド系重合
体は、特に、紙・パルプ工業または金属工業の産業廃水
処理用の凝集剤として好適である。また、その使用に際
して効率よく凝集沈殿を生じさせるためには、必要に応
じ、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム等の無機凝集剤
を適宜併用できる。さらに、ノニオン性またはアニオン
性アクリルアミド系重合体は、抄紙用粘剤、製紙用歩留
まり向上剤としても好適である。
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。ま
た、以下の記載において「部」は質量部を示す。
%アクリルアミド水溶液(AAmaq)、アクリル酸
(AA)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸(TBAS)、亜リン酸水素二ナトリウムを純
水に溶解し、水酸化ナトリウム水溶液でpHを6.5に
調整し、純水を加えた。この水溶液のpHが6.5であ
ることを確認した後、遮光下で、2,4,6−トリメチル
ベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドの2質量%
メタノール溶液0.05部、2−ヒドロキシ−2−メチ
ル−1−フェニルプロパン−1−オンの2質量%メタノ
ール溶液1部を添加し、さらに純水を加えて、ビニル系
単量体水溶液100部を得た。次いで、この水溶液の溶
存酸素濃度が0.2ppm以下になるように窒素ガスで
溶存酸素を置換しつつ、液温を10℃に調整した。
上に、台形のゴム棒で、底面が225mm×225mm
の堰を作った。この台形のゴム棒としては、その断面の
上辺が24mm、下辺が40mm、高さが24mmのも
のを用いた。次いで、実施例1〜8では、その堰内に所
定量の純水を添加し、その上に厚さ26μmのPET
(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを敷いた。ス
テンレス板とPETフィルムの間の純水の液層の厚さを
表1に示す。一方、比較例1〜5では、純水を添加せず
に、ステンレス板上に直接、厚さ26μmのPETフィ
ルムを敷いた。次いで、各実施例および各比較例の双方
において、PETフィルム上に、先に調製したビニル系
単量体水溶液を所定量供給した。さらに、このビニル系
単量体水溶液の液面に接するようにして、厚さ16μm
の光透過性フィルム[PETフィルム12μm+ポリ塩
化ビニリデン4μm]で覆った。ビニル系単量体水溶液
の液層の厚さは、16mmであった。また、その上方
に、20W型蛍光青色ランプ(東芝社製FL−20S−
B)を備えた光源を設置し、重合装置を完成した。
光透過性フィルムを通した光強度が13W/m2[事前
にステンレス板上に受光器(トプコン社製UVR−4
0)を置いて光強度を測定し、ランプの位置を設定]と
なるように照射したところ、直ちに温度上昇が見られ、
ビニル系単量体水溶液中での重合反応の開始が確認され
た。その後、光照射強度を段階的に変化させた。具体的
には、重合開始1分後に光強度を2.5W/m2とし、さ
らに重合開始24.5分後に光源を20W型蛍光ケミカ
ルランプ(東芝社製FL−20S−BL)に代えて、光
透過性フィルムを通した光強度が52W/m2[事前に
ステンレス板上に受光器(トプコン社製UVR−36)
を置いて光強度を測定し、ランプの位置を設定]になる
ようにして照射し、10.5分間重合を行った。また、
その重合反応中は、重合装置の下面に10℃の冷水を噴
霧し、かつ上面の光透過性フィルムには室温の空気を風
速約5m/sで吹き付けた。この重合反応により、ゲル
状の含水重合体が得られた。次いで、このゲル状の含水
重合体を数mm角に解砕し、60℃で16時間乾燥し、
ウイレー粉砕機で粉砕し、乾燥重合体粉末を得た。
ロパンスルホン酸。
比較例1〜5の各重合体に対して、以下の物性測定およ
び性能試験を実施した。
較例1〜5の何れかの乾燥重合体粉末を純水500gに
溶解し、0.1質量%濃度の水溶液を調製した。この水
溶液を80メッシュの金網で濾過し、溶解状態および水
不溶物を観察した。いずれの溶液においても、水不溶物
は全く含まれていなかった。
量%、実施例1〜8および比較例1〜5の何れかの乾燥
重合体粉末を0.2質量%含む水溶液を調製し、そのブ
ルックフィールド粘度(mPa・s)を測定した。この
粘度測定は、B型回転粘度計(ローターNo.1)を用
い、60rpm、25℃の条件で実施した。結果を表2
〜表4に示す。
%、実施例1〜8および比較例1〜5の何れかの乾燥重
合体粉末を1質量%含む水溶液を調製し、そのブルック
フィールド粘度(mPa・s)を測定した。この粘度測
定は、B型回転粘度計(ローターNo.2)を用い、6
rpm、25℃の条件で実施した。結果を表2〜表4に
示す。
8および比較例1〜5の何れかの乾燥重合体粉末を純水
に溶解し、1.04質量%濃度の水溶液を調製した。内
径約8.6cmのガラス製500mlビーカー内の上記
水溶液500gを、2段の2枚平羽根(塩化ビニル製、
幅5cm、高さ2cm、間隔2cm、液面から上段の平
羽根までの距離1.5cm)を用いて240rpmで4
時間攪拌し、この撹拌時のワイセンベルク効果の高さ
(攪拌時に攪拌棒に絡みついた水溶液の上位置と液面と
の距離)を測定した。なお本発明では、1.04%W値
/1.0%塩粘度[102mm(mPa・s)]の値を、
曳糸性の指標とした。結果を表2〜表4に示す。
較例1〜4の何れかの乾燥重合体粉末を、純水に溶解
し、0.1質量%濃度の重合体水溶液を調製した。一
方、懸濁物濃度約350ppmの紙パルプ廃水500m
Lを500mLビーカーに入れ、表2および表3に示す
pHに調整し、ジャーテスターに据え付け、表2および
表3に示す量の硫酸バンドを添加し、2分間攪拌した。
その後、先に調製した0.1質量%濃度の重合体水溶液
を廃水質量に対し0.5ppmになるように加え、回転
数100rpmで3分間攪拌混合し、その後、攪拌を止
めた。この攪拌混合の際にはフロックが形成されるの
で、その際のフロックの沈降時間を測定した。結果を表
2および表3に示す。
較例5の何れかの乾燥重合体粉末を用いたこと以外は、
凝集性能試験Aと同様にして重合体水溶液を調製した。
さらに、廃水として懸濁物濃度670ppmの銅を含む
金属廃水を用い、かつ硫酸バンドを添加しなかったこと
以外は、凝集性能試験Aと同様にして上記重合体水溶液
の凝集性能試験を実施した。結果を表4示す。
に、実施例1〜8においては、基体とPETフィルムの
間に液体媒体(純水)を存在させてた状態で重合を行な
ったので、曳糸性の指標である1.04%W値/1%塩
粘度の値が大きく、沈降時間が短く、凝集性能に優れた
水溶性ビニル系重合体が得られた。
において、実施例1〜4の重合体を用いて凝集させたフ
ロックは、フロック径も明らかに大きく、かつ攪拌に対
しても耐久性が高く、フロック沈降後の上澄液の非沈降
物の量はほぼ皆無であった。また、凝集性能試験B(金
属排水)において、実施例5〜8の重合体を用いた場合
も同様の傾向が認められ、水溶解性、凝集性能共に優れ
たものであった。
て、実施例6と実施例8は同一の乾燥重合体粉末を用い
た例であり、両者の相違点は重合体の添加量だけである
(0.5ppmと0.35ppm)。実施例6よりも添加
量を70%低減した実施例8であってもほぼ良好な結果
が得られることから、本発明によれば添加量を低減して
も、優れた凝集性能が得られることが分かる。
曳糸性が長く、高分子量で、溶解性のよい水溶性ビニル
系重合体を、生産性良く製造できる。この水溶性ビニル
系重合体を凝集剤等として使用すれば、大幅に速い沈降
速度が得られ、効率的な凝集操作ができ、重合体の使用
量を少なくすることができる。特に、本発明により製造
したノニオン性またはアニオン性の水溶性アクリルアミ
ド系重合体は、浄化のための凝集剤、抄紙用粘剤、製紙
用歩留まり向上剤、石油回収剤等の広い用途に、好適に
使用できる。
Claims (3)
- 【請求項1】 基体上に敷かれたフィルムの上に存在す
る光重合開始剤を含むビニル系単量体水溶液に活性エネ
ルギー線を照射して光重合させる工程を含む水溶性ビニ
ル系重合体の製造方法において、 前記光重合させる工程において、前記基体と前記基体上
に敷かれたフィルムの間に液体媒体を存在させておくこ
とを特徴とする水溶性ビニル系重合体の製造方法。 - 【請求項2】 光重合開始剤を含むビニル系単量体水溶
液を、基体と共に移動する該基体上に敷かれたフィルム
の上に層状になるよう供給し、その供給されたビニル系
単量体水溶液を光重合させる請求項1記載の水溶性ビニ
ル系重合体の製造方法。 - 【請求項3】 水溶性ビニル系重合体が、ノニオン性ま
たはアニオン性のアクリルアミド系重合体である請求項
1または2記載の水溶性ビニル系重合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002047824A JP3820164B2 (ja) | 2002-02-25 | 2002-02-25 | 水溶性ビニル系重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002047824A JP3820164B2 (ja) | 2002-02-25 | 2002-02-25 | 水溶性ビニル系重合体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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