JP4983790B2 - 光半導体装置とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光半導体装置とその製造方法に関する。
近年、光ファイバを用いた光通信網は拡大の一途を辿っており、その光通信に用いられる光源として、低コスト且つ高温特性に優れた半導体レーザが望まれている。
従来、波長1.3μm帯や1.55μm帯の半導体レーザの活性層としては、InGaAsP系の多重量子井戸構造、すなわちバリア層としてInGaAsP層を形成した多重量子井戸構造が用いられていた。
これに対し、近年では、InGaAsP系の多重量子井戸構造よりも伝導帯のバンドオフセットΔEcが深く、且つ価電子帯のバンドオフセットΔEvが浅いAlGaInAs系の多重量子井戸構造、すなわちバリア層としてAlGaInAs層を形成した多重量子井戸構造が注目されつつある。
このようなAlGaInAs系の多重量子井戸構造を活性層として採用した半導体レーザについては特許文献1に開示されている。
図1は、その特許文献1に開示される光半導体装置のエネルギバンド図である。
この光半導体装置では、n型InP基板の上に、n型InPよりなる下部クラッド層2、InGaAsPよりなる下部光ガイド層3、AlGaInAs系の多重量子井戸構造の活性層4、InGaAsPよりなる上部光ガイド層5、及びp型InPよりなる上部クラッド層6が形成される。
このうち、活性層4は、InGaAsPよりなる量子井戸層4aとAlGaInAsよりなるバリア層4bとを交互に積層してなる。
図1に示されるように、AlGaInAs系の多重量子井戸構造では、既述のように価電子帯のバンドオフセットΔEcが深く、且つ伝導帯のバンドオフセットΔEvが浅い。
このように価電子帯のバンドオフセットΔEcが深いため、n側(下部クラッド層2側)から活性層4に注入された電子Eが量子井戸層4aに効率よく閉じ込められる。その結果、高温の環境下でも電子Eが量子井戸層4からオーバーフローするのが抑制される。また、伝導帯のバンドオフセットΔEvが浅いので、p側(上部クラッド層6側)から活性層4に注入されたホールHが全ての量子井戸層4aに均一に行き渡るようになり、活性層4の全ての部分における発光効率を高めることができる。、これにより、ペルチェ素子のような冷却素子を用いなくても高温においてレーザの発振効率が低下するのを防止することができ、不要となった冷却素子の分だけコストダウンを図ることができる。
上記のようなAlGaInAs系の多重量子井戸構造を活性層として用いた半導体レーザについては、特許文献2にもその一例が開示されている。
特許文献2の光半導体装置では、図1で示した特許文献1の構造において、下部光ガイド層3と上部光ガイド層5とを共にAlGaInAsで構成している。
図2は、特許文献2の光半導体装置のエネルギバンド図である。特許文献2においては、光ガイド層3、5に組成波長が1.25μmで厚さが70nmのAlGaInAs層を形成し、活性層4の井戸層4aに0.6%圧縮歪で厚さが4.5nmのInGaAs層、バリア層4bには無歪の組成波長1.25μm、厚さ13nmのAlGaInAs層を用いている。
図2に示されるように、このように上部光ガイド層5としてAlGaInAs層を形成すると、上部InPクラッド層6と上部光ガイド層5の価電子帯のポテンシャル障壁ΔEが大きくなる。例えば、上部光ガイド層5の組成波長を1.25μmとした場合、そのポテンシャル障壁ΔEは280meV程度の大きな値となる。このようにポテンシャル障壁ΔEが大きいと、順方向電圧を印加した際に、点線で示されるような深いポテンシャルスパイクVが発生し、このポテンシャルスパイクによって上部クラッド層6から活性層4へのホールHの注入が妨げられ、発光効率が低下するという問題がある。
その他に、本発明に関連する技術が特許文献3にも開示されている。
特開平8−125263号公報 特表平11−506273号公報 特開平8−172241号公報
本発明の目的は、従来よりも発光効率が高められた光半導体装置とその製造方法を提供することにある。
本発明の一観点によれば、互いに接した第1領域と第2領域とを有するInP基板と、前記基板と、前記基板上に形成された下部クラッド層と、前記下部クラッド層上に該下部クラッド層に接して形成されたAlGaInAsよりなる下部光ガイド層と、前記下部光ガイド層上に形成され、井戸層とAlGaInAsよりなるバリア層とが交互に積層された多重量子井戸構造を有する活性層と、前記活性層上に形成されたInGaAsPよりなる上部光ガイド層と、前記上部光ガイド層上に該上部光ガイド層に接して形成されたInPよりなる上部クラッド層とを備え、前記下部光ガイド層、前記活性層、前記上部光ガイド層、及び前記上部クラッド層が前記第1領域に選択的に形成された第1光半導体素子と、前記第2領域における前記下部クラッド層上に、前記第1光半導体素子に接して形成された前記第2光半導体素子とを有することを特徴とする光半導体装置が提供される。
本発明によれば、上部光ガイド層をInGaAsPで構成したので、上部光ガイド層をAlGaInAsで構成する場合と比較して、上部光ガイド層と上部クラッド層との価電子帯におけるポテンシャル障壁が小さくなる。そのため、上部光ガイド層をAlGaInAsで構成する場合に見られるような価電子帯のポテンシャルスパイクを解消することができ、ポテンシャルスパイクに邪魔されること無く上部クラッド層から活性層にキャリアを効率良く注入することが可能となり、活性層における発光効率を高めることができるようになる。
また、本発明の別の観点によれば、互いに接した第1領域と第2領域とを有するInP基板上に、InPよりなる下部クラッド層、AlGaInAsよりなる下部光ガイド層、井戸層とAlGaInAsよりなるバリア層とが交互に積層された多重量子井戸構造を有する活性層、InGaAsPよりなる上部光ガイド層、及びInPよりなる上部クラッド層を順に形成する工程と、前記第1領域における前記上部クラッド層上に、マスク層を選択的に形成する工程と、前記マスク層で覆われていない第2領域の少なくとも前記上部クラッド層を選択的にエッチングする工程と、ウエットエッチングにより、前記マスク層で覆われていない第2領域の少なくとも前記活性層、及び前記下部光ガイド層を選択的に除去して、前記第1領域に、少なくとも前記基板、前記下部クラッド層、前記下部光ガイド層、前記活性層、前記上部光ガイド層、及び前記上部クラッド層で構成される第1光半導体素子を残す工程と、前記ウエットエッチングの後に、前記第2領域における前記下部クラッド層上に、前記第1光半導体素子と接する第2光半導体素子を形成する工程と、前記マスク層を除去する工程と、を有することを特徴とする光半導体装置の製造方法が提供される。
本発明によれば、下部光ガイド層と、多重量子井戸構造の活性層を構成するバリア層とを共にAlGaInAsで構成する。従って、ウエットエッチングにより第2領域の活性層と下部光ガイド層を選択的に除去する工程において、活性層と下部光ガイド層とが実質的に同じエッチング速度でエッチングされることになる。そのため、このエッチングを終了した後でも、活性層の側面が下部光ガイド層の側面よりも大きく後退するのが避けられる。その結果、第1光半導体素子と接する第2光半導体素子を第2領域に形成する工程において、後退した活性層の側面に起因したボイドが第2光半導体素子を構成する層に形成されず、第1光半導体素子の各層と良好に接するように第2光半導体素子を形成することが可能となり、第1、第2光半導体素子間の光信号の授受にロスが発生するのを防止できる。
図1は、特許文献1に開示される光半導体装置のエネルギバンド図である。 図2は、特許文献2に開示される光半導体装置のエネルギバンド図である。 図3は、本願発明者が行った実験について説明するための工程断面図(その1)である。 図4は、本願発明者が行った実験について説明するための工程断面図(その2)である。 図5は、本願発明者が行った実験について説明するための工程断面図(その3)である。 図6は、本発明の第1実施形態に係る光半導体装置の製造途中の断面図(その1)である。 図7は、本発明の第1実施形態に係る光半導体装置の製造途中の断面図(その2)である。 図8は、本発明の第1実施形態に係る光半導体装置の製造途中の断面図(その3)である。である。 図9は、本発明の第1実施形態に係る光半導体装置の製造途中の断面図(その4)である。 図10は、本発明の第1実施形態に係る光半導体装置の製造途中の断面図(その5)である。 図11は、本発明の第1実施形態に係る光半導体装置の製造途中の断面図(その6)である。 図12は、本発明の第1実施形態に係る光半導体装置の製造途中の断面図(その7)である。 図13は、本発明の第1実施形態に係る光半導体装置の製造途中の断面図(その8)である。 図14は、本発明の第1実施形態に係る光半導体装置の製造途中の断面図(その9)である。 図15は、本発明の第1実施形態に係る光半導体装置が備える第1光半導体素子のエネルギバンド図である。 図16は、上部光ガイド層としてp型InGaAsP層を形成したレーザ素子Aと、上部光ガイド層としてp型AlGaInAs層を形成したレーザ素子Bのそれぞれの電流−光出力特性を示すグラフである。 図17は、本発明の第2実施形態に係る光半導体装置のエネルギバンド図である。 図18は、本発明の第3実施形態に係る光半導体装置の断面図である。 図19は、本発明の第4実施形態に係る光半導体装置の断面図である。 図20は、本発明の第5実施形態に係る光半導体装置の断面図である。
(1)実験結果についての説明
本発明の実施の形態の前に、本願発明者が行った実験について説明する。
光半導体装置では、異種の光半導体素子同士、例えばレーザと半導体光変調器とを共通基板上に形成する場合がある。このような光半導体装置は、一方の光半導体素子を他方の光半導体素子にバットジョイント成長して形成することが、それぞれの素子を個別に最適化するためには望ましい。
本願発明者は、特許文献1に開示されるような、AlGaInAs系多重量子井戸構造の活性層とInGaAsPよりなる光ガイド層との積層構造を有する半導体レーザに、別の光半導体素子をバットジョイント成長するとどのような不都合が発生するのかを実験した。
図3〜図5は、この実験について説明するための工程断面図である。
この実験においては、上記したバットジョイント成長により、基板の第1領域Iに半導体レーザを形成すると共に、この半導体レーザとは異種の光半導体装置を第2領域IIに形成しようと試みた。
なお、図3〜図5において、第1断面は、第1領域Iに形成される半導体レーザの共振器方向に垂直な断面であり、第2断面は共振器方向の断面である。
最初に、図3に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、n型InP基板10上に、n型InPよりなる下部クラッド層11、InGaAsPよりなる下部光ガイド層12、AlGaInAs系の多重量子井戸構造を有する活性層13、InGaAsPよりなる上部光ガイド層14、及びp型InPよりなる上部クラッド層15をこの順にMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法により形成する。
次に、図4に示すように、上部クラッド層15の全面に、例えば熱CVD法等により酸化シリコン層を形成した後、フォトリソグラフィ等によりその酸化シリコン層をパターニングして第1領域Iのみにマスク層16として残す。
ここで、上記した各層11〜15は、第1領域Iに形成される半導体レーザを構成するものであり、第2領域IIに形成される他の光半導体素子、例えば光変調器には不要の層である。
そこで、次の工程では、図5に示すように、マスク層16をマスクにして、第2領域IIにおける上部クラッド層15から下部クラッド層12までをウエットエッチングする。
そのウエットエッチングは、次のような2ステップのエッチングにより行われる。
第1ステップのエッチングでは、エッチング液として塩酸を用い、p型InPよりなる上部クラッド層15をエッチングする。InGaAsPよりなる上部光ガイド層14は、塩酸に対するエッチング速度が上部クラッド層15よりも遅いので、第1ステップのエッチングでは実質的に上部クラッド層15のみがエッチングされ、上部光ガイド層14はそのエッチングのストッパとなる。
次の第2ステップのエッチングでは、硫酸、過酸化水素水、及び水の混合液をエッチング液として、上部光ガイド層15から下部光ガイド層12までをエッチングする。
なお、エッチングされた各層の側面は、点線円内に示されるように、垂直方向から傾斜した面となる。
ここで、AlGaInAs系の活性層13は、その下のInGaAsPよりなる下部光ガイド層12と比較して、硫酸、過酸化水素水、及び水の混合液に対するエッチング速度が速い。そのため、第2領域IIら下部光ガイド層12がエッチングされて除去される前に、図示のように、活性層13の側面が大きく後退した。
しかしながら、その後退量dが大きいと、活性層13が後退したことによって発生したスペースSに起因して、第2領域IIに後で再成長される層にボイドが発生し、第1領域Iと第2領域IIの各素子が光学的に結合されなくなってしまう。
このような不都合を回避するために、第2領域IIの下部光ガイド層12を無理にエッチングせず、活性層13のエッチングが終了した時点でエッチングを停止して、活性層13の側面が後退するのを抑制することも考えられる。
しかし、このようにすると、第2領域IIでは、エッチングされずに残った下部光ガイド層12の表面から活性層多重量子井戸構造を直接再成長させることになるが、これでは活性層の結晶性が劣化し、非発光再結合の増大により発振特性が悪化するという別の問題が発生する。
そのため、この種の光半導体装置では、活性層13の後退量dをなるべく小さく抑えながら、第2領域IIにおける下部光ガイド層12をエッチングして除去し、下部InPクラッド層の上から再成長を始め、下側光ガイド層の成長に続いて活性層多重量子井戸構造を積層する。これによって、多重量子井戸構造の結晶性をなるべく悪化させないことが望ましい。
上記した点に鑑み、本願発明者は、以下のような本発明の実施の形態に想到した。
(2)第1実施形態
図6〜図14は、本発明の第1実施形態に係る光半導体装置の製造途中の断面図である。
最初に、図6に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、互いに接する第1、第2領域I、IIを有するn型InP(半導体)基板20の第1領域Iのみに電子ビーム直描法により回折格子20aを形成する。本実施形態においては回折格子20aの深さを25nmとする。また、第1領域Iの中央の回折格子20aにλ/4シフト20bを形成する。
次に、組成波長が1.15μmのn型InGaAsPよりなる回折格子埋め込み層19、n型InPよりなる下部クラッド層21、組成波長が1.2μmのAlGaInAsよりなる下部光ガイド層22、AlGaInAs系の多重量子井戸構造を有する活性層23、組成波長が1.05μmのInGaAsPよりなる上部光ガイド層24、及びp型InPよりなる上部クラッド層25をこの順にMOCVD法により形成する。
MOCVD法による成長においては、III族であるGa、In、Alの原料ガスとしてそれぞれTEG(Triethyl Gallium)、TMI(Trimethyl Indium)、TMA(Trimethyl Aluminum)を用い、V族であるAs、Pの原料ガスとしてそれぞれAsH3、PH3を用いる。
これらの層の厚さは設計により様々な設定が可能であるが、例えば、回折格子埋め込み層は70nm、下部クラッド層21は60nm、下部光ガイド層22と上部光ガイド層24は50nm、上部クラッド層25は150nmの厚さにそれぞれ形成する。
これらのうち、光ガイド層22、24は、クラッド層21、25よりもバンドギャップが狭いためこれらのクラッド層21、25よりも屈折率が高い。これにより、活性層23の上下に屈折率が高い領域が増え、それにより各層22〜24にレーザ光を閉じ込め易くなる。このような機能を有する光ガイド層22、24は、SCH(Separate Confinement Heterostructure)層とも呼ばれる。
また、本実施形態では、組成波長1.55μm付近に利得ピークを持つAlGaInAs系の多重量子井戸構造を有する活性層23として、厚さが5nmで圧縮歪1.5%のAlGaInAsよりなる井戸層23aと、厚さが10nmで引っ張り歪0.3%、組成波長が1.2μmのAlGaInAsよりなるバリア層23bとを交互に複数積層したものを採用する。その積層数は特に限定されないが、井戸層23aは6層、バリア層23bは7層形成する。
また、第1、第2領域I、IIの長さは特に限定されないが、例えば第1領域Iは300μm、第2領域IIは250μmとするのが好ましい。
そして、本実施形態に係る光半導体装置は、下部光ガイド層22をAlGaInAsで構成する点において、InGaAsPにより下部光ガイド層12を構成する図3の例と相違する。
次いで、図7に示すように、上部クラッド層25の全面に、熱CVD法等により酸化シリコン層を形成した後、フォトリソグラフィー等によりその酸化シリコン層をパターニングして第1領域Iのみに第1マスク層26として残す。
次に、図8に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、第1のエッチング液として塩酸を用い、第1マスク層26で覆われていない第2領域IIの上部クラッド層25を選択的にウエットエッチングして除去する。
ここで、InGaAsPよりなる上部光ガイド層24は、InPよりなる上部クラッド層25と比較して塩酸に対するエッチング速度が遅い。従って、このエッチングでは、上部クラッド層25のみが実質的にエッチングされ、その下の上部光ガイド層24はエッチングのストッパとして機能する。
次に、第2のエッチング液として硫酸、過酸化水素水、及び水の混合液を用い、第1マスク層26で覆われていない第2領域IIの上部光ガイド層24、活性層23、下部光ガイド層22をウエットエッチングして除去する。
なお、このようにしてエッチングされた各層の側面は、点線円内のように、垂直方向から傾斜した面となる。
既述のように、本実施形態では、下部光ガイド層22と活性層23の両方を共にAlGaInAsで構成した。従って、このエッチングでは、下部光ガイド層22と活性層23とのエッチング速度の差が実質的に発生しない。そのため、下部光ガイド層22のエッチングが終了した後でも、活性層23の側面が大きく後退しておらず、活性層23と下部光ガイド層22のそれぞれの側面は実質的に同一面を成す。
ここまでの工程により、第1領域Iには、InP基板20、回折格子埋め込み層19、下部クラッド層21、下部光ガイド層22、活性層23、上部光ガイド層24、及び上部クラッド層25で構成されるDFB(Distributed Feedback)レーザ素子が第1光半導体素子51として形成されたことになる。
次いで、図9に示すように、組成波長が1.15μmのInGaAsPよりなる変調器用下部光ガイド層32、InGaAs系の多重量子井戸構造を有する変調器用活性層33、組成波長が1.15μmから1.00μmまで連続的に変化するInGaAsPグレーデット層よりなる変調器用上部光ガイド層34、及びp型InPよりなる変調器用上部クラッド層35を、第2領域IIにおける下部クラッド層21上にMOCVD法により順に形成する。
なお、そのMOCVD法では、酸化シリコンよりなる第1マスク層26の上に層は成長せず、第2領域IIに露出している下部クラッド層21にのみ上記した各層32〜35がエピタキシャル成長する
また、これらの層32〜35の膜厚は特に限定されないが、本実施形態では、変調器用下部光ガイド層32を50nm、変調器用上部光ガイド層34を50nm、変調器用上部クラッド層35を150nmの厚さに形成する。また、変調器用活性層33としては、例えば、厚さが5nmで引っ張り歪0.3%、組成波長が1.3μmのInGaAsPよりなるバリア層33bと、厚さが9nmで圧縮歪0.5%のInGaAsPよりなる井戸層33aとを積層した構造を採用し得る。その積層数は限定されないが、例えば、バリア層33bを8層、井戸層33aを7層形成する。変調器のバンドギャップ波長は特に限定されないが、第一領域Iに第1光半導体素子51として形成したレーザ素子の発振波長が1.55μm程度である場合、変調器のPL波長は1.49〜1.50μm程度に設定すればよい。
このようにして第2領域IIに形成された各層32〜35は第2光半導体素子52を構成する。本実施形態では、その第2光半導体素子52は、第1光半導体素子51から発振されたレーザ光を変調する電界吸収型半導体光変調器として機能する。
既述のように、本実施形態では、図8のエッチング工程において活性層23の後退量が図5の場合と比較して大きく低減されている。従って、活性層23の後退に伴うボイドが変調器用活性層33等に発生するのを抑えることが可能となり、第1半導体素子51の側面に良好に接するように上記した各層32〜35を形成することができる。その結果、第1光半導体素子51と第2光半導体素子との間で光信号のロス等が発生せず、各素子51、52を光学的に良好に結合することができる。
しかも、図8のエッチング工程において第2領域IIの下部光ガイド層22をエッチングして除去し、本工程において下部クラッド層21の表面から変調器用下部光ガイド層32を成長させるようにした。これにより、変調器用下部光ガイド層32が、下部クラッド層21の表面に存在する格子欠陥を上層に伝えないバッファ層としても機能するようになり、変調器用下部光ガイド層32上に形成される変調器用活性層33に格子欠陥が入るのを抑制することができる。
この工程を終了後、緩衝フッ酸溶液をエッチング液とするウエットエッチングにより、酸化シリコンよりなる第1マスク層26を除去する。
続いて、図10に示すように、上部クラッド層25と変調器用上部クラッド層35のそれぞれの上に、厚さ約1.5μmのp型InP層をMOCVD法により成長させ、そのInP層を上部クラッドの上側層36とする。
更に、この上側層36の上に、コンタクト層37としてp型InGaAsP層をMOCVD法により厚さ約300nmに形成する。
次いで、図11に示すように、熱CVD法等によりコンタクト層37上に酸化シリコン層を形成した後、フォトリソグラフィーによりその酸化シリコン層をパターニングして、レーザ及び変調器の共振器方向に長いストライプ状の第2マスク層40を形成する。
続いて、図12に示すように、上記の第2マスク層40をマスクにしながら、第1、第2領域I、IIにおけるコンタクト層37から基板20の途中部分までをエッチングし、共振器方向に延在するメサストライプ47を形成する。そのエッチングは、例えばICP-RIE(Inductively Coupled Plasma Reactive Ion Etching)により行われ、塩素系ガスがエッチングガスとして使用される。
次いで、図13に示すように、MOCVD法により、Feがドープされて半絶縁性となったInP層をメサストライプ47の両脇に埋め込み層42として形成する。なお、その埋め込み層42は、メサストライプ47の側面上にのみ成長し、酸化シリコンよりなる第2マスク層40上には成長しない。
そして、埋め込み層42を形成した後に、第2マスク層40は除去される。
次に、図14に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、コンタクト層37と埋め込み層42のそれぞれの上面に、例えば熱CVD法により保護層44として酸化シリコン層を形成する。
そして、フォトリソグラフィーにより保護層44をパターニングして、メサストライプ47の上方の保護層44に電極窓44aを形成する。
更に、電極窓44aから露出するコンタクト層37上に、第1、第2p側電極45a、45bとして下から順にTi層、Pt層、及びAu層を蒸着する。なお、本実施形態においては、第1領域Iと第2領域IIとの電気的な分離を図るために、50μmの間隔をおいて各電極45a、45bを形成している。
その後に、InP基板20の裏面にn側電極46としてAuGe/Auを蒸着する。最後に、アレイにへき開して、両端面に無反射膜をコーティングする。
以上により、本実施形態に係る光半導体装置の基本構造が完成したことになる。
その光半導体装置は、第1、第2p側電極45a、45bのそれぞれに独立して所定の電流や電圧を印加することにより、第1光半導体素子51の活性層23から発振されたレーザ光が、第2光半導体素子52の変調器用活性層33において変調される。
上記した本実施形態によれば、下部光ガイド層22と活性層23の両方を共にAlGaInAsで構成したので、図8のエッチング工程において、これらの層22、23のエッチング速度に違いが発生せず、下部光ガイド層22のエッチングを終了した後でも活性層23の側面が大きく後退しない。そのため、図9の工程において、第2領域IIに変調器用活性層33等を成長させるときに、活性層23の後退に起因するボイドが変調器用活性層33に発生するのを防止できる。これにより、第1光半導体素子51と第2光半導体素子52とを光学的に良好に結合することができ、一つの基板50上に異種の素子51、52を集積形成してなる光半導体装置の品質を高めることが可能となる。
図15は、第1光半導体素子51のエネルギバンド図である。
本実施形態では、上部光ガイド層24をInGaAsPで構成したので、上部光ガイド層24と上部クラッド層25との価電子帯側のポテンシャル障壁ΔEが、上部光ガイド層をAlGaInAsで構成する特許文献2(図2参照)と比較して小さくなる。そのため、図2に示したような価電子帯のポテンシャルスパイクVを解消することができ、ポテンシャルスパイクに邪魔されること無く上部クラッド層25から活性層23にホールを効率良く注入することが可能となり、活性層22における発光効率を高めることができるようになる。
図16は、本実施形態のように上部光ガイド層としてInGaAsP層を形成したレーザ素子Aと、特許文献2のように上部光ガイド層としてAlGaInAs層を形成した比較例に係るレーザ素子Bのそれぞれの電流−光出力特性を示すグラフである。なお、この電流−光出力特性は、25℃の温度での特性である。
レーザ素子Aは上部光ガイド層として厚さ30nm、組成波長1.1μmのInGaAsP層と厚さ70nm、組成波長1.0μmのInGaAsP層を2段に積層させた構造の1.55μm帯AlGaInAs系レーザである。
一方、レーザ素子Bでは、AlGaInAs上部光ガイド層の厚さを50nm、組成波長を1.1μmにした。なお、活性層の多重量子井戸構造は、レーザ素子Aもレーザ素子Bも同じである。更に、両レーザ素子とも、共振器長が300μmで回折格子層は形成されていない両端面へき開型のファブリ・ペロー型レーザである。
図16に示されるように、上部光ガイド層としてInGaAsP層を形成したレーザ素子Aでは、閾値電流が9.2mAである。一方、上部光ガイド層としてAlGaInAs層を形成したレーザ素子Bでは、閾値電流が10.8mAである。よって、本実施形態と同様の構造を有するレーザ素子Aでは、レーザ素子Bと比較して閾値電流が約15%低減することができる。
また、光出力に関しては、例えば100mAにおいて、レーザ素子Aの光出力が24.8mW、レーザ素子Bの光出力が20.1mWであるから、レーザ素子Aの光出力はレーザ素子Bと比べて約23%増大している。
このように、レーザ素子Aにおいて、閾値電流が低減したり光出力が増大したりするのは、上部光ガイド層としてInGaAsP層を形成したことにより、既述のポテンシャルスパイクが解消されたためである。
なお、本発明は上記した構造に限定されない。
本実施形態では、第2領域IIにバットジョイント成長する変調器として、活性層の多重量子井戸構造がInGaAsP系の材料からなるものを適用したが、変調器用活性層33がAlGaInAs系の多重量子井戸からなっていてもよい。
この場合、例えば、変調器用下部光ガイド層32に組成波長1.05μmのInGaAsP層、変調器用活性層33に厚さ9nmで圧縮歪0.5%のAlGaInAsよりなる井戸層33aと、厚さ5nmで引っ張り歪0.3%、組成波長1.34μmのAlGaInAsよりなるバリア層33b、変調器用上部光ガイド層34に組成波長が1.32μmから1.00μmまで連続的に変化するInGaAsPグレーデット層、変調器用上部クラッド層35に厚さ150nmのp型InP層を形成すればよい。
また、この場合の変調器のPL波長は特に限定されないが、第1領域Iに第1光半導体素子51として形成したレーザ素子の発振波長が1.55μm程度である場合、変調器のPL波長は1.49〜1.50μm程度に設定すればよい。
(2)第2実施形態
上記した第1実施形態では、第1領域に形成する半導体レーザ側の上部光ガイド層24を構成するInGaAsPの組成を一定にした。
これに対し、本実施形態では、そのInGaAsPの組成を連続的に変化させることにより、いわゆるグレーテッド層を上部光ガイド層24として採用する。これ以外の構成については第1実施形態と同じであり、本実施形態に係る光半導体装置の断面構造も図14と同じである。
図17は、本実施形態に係る光半導体装置のエネルギバンド図である。
図17に示されるように、上部光ガイド層24は、上部クラッド層25から活性層23に向かってバンドギャップが狭くなるように、InGaAsPの組成が連続的に変化させられる。
このようなグレーテッド層は、例えば、MOCVD法により上部クラッド層25を形成する際に、InGaAsP用の反応ガスの流量を連続的に変化させることにより形成され得る。
上部クラッド層25として上記のようなグレーテッド層を採用することにより、既述の価電子帯のポテンシャルバリアをより一層解消させ易くなり、第1実施形態と比較して活性層23における発光効率をより高めることが可能となる。
(3)第3実施形態
図18は、本実施形態に係る光半導体装置の断面図である。
既述の第1、第2実施形態では、図14に示したように、第2光半導体素子52として電界吸収型半導体光変調器を形成した。
これに対し、本実施形態では、その第2光半導体素子52として半導体光増幅器を構成する。
図18に示されるように、光半導体増幅器として機能する第2光半導体素子52は、下部クラッド層21の上に、増幅器用下部光ガイド層72、増幅器用活性層73、増幅器用上部光ガイド層74、及び増幅器用上部クラッド層75をMOCVD法により順に形成してなる。これ以外の構成については第1実施形態と同じである。
なお、これらの層72〜75は、第1実施形態で説明した層32〜35に代えて形成されるものであり、各層32〜35の形成方法を援用して形成され得るので、本実施形態に係る半導体装置の製造方法については以下では省略する。
上記した層72〜75の膜厚や材料は特に限定されないが、本実施形態では、組成波長が1.15μmで厚さが50nmのInGaAsP層を下部光ガイド層72として形成する。また、増幅器用活性層73としては、組成波長が1.3μmで厚さが10nm、無歪のInGaAsPよりなるバリア層73bと、厚さが5nmで圧縮歪0.8%のInGaAsPよりなる井戸層73aとを積層した1.55μm帯に利得を持つ多重量子井戸構造を採用する。バリア層73bと井戸層73aの積層数は、例えば、バリア層73bが7層、井戸層73aが6層である。
更に、上部光ガイド層74としては組成波長が1.15μmで厚さが50nmのInGaAsP層を形成し、増幅器用上部クラッド層75として厚さが150nmのp型InP層を形成する。
この半導体光増幅器の長さは特に限定されないが、例えば第2領域IIの長さを650μmとし、第2電極45bの長さを600μmとするのが好ましい。
このようにして構成される第2光半導体素子52は、第2p側電極45bとn側電極46との間に所定の電流を流すことにより、第1光半導体素子51から発振されたレーザ光を増幅するように機能する。
第1実施形態で説明したように、第2領域IIにおける活性層23と下部光ガイド層22とをウエットエッチングして除去する工程において活性層23の側面が大きく後退しないので、第2領域IIに増幅器用活性層73等を成長するときに、該増幅器用活性層73にボイドが発生しない。よって、第1光半導体素子51の側面と良好に接するように第2光半導体素子52を形成することができ、第1光半導体素子51から発振されたレーザ光を無駄なく第2光半導体素子52で増幅することが可能となる。
(4)第4実施形態
図19は、本実施形態に係る光半導体装置の断面図である。
本実施形態では、第2光半導体素子52として光導波路を形成する。これ以外の構成は第1実施形態と同じである。
図19に示されるように、光導波路として機能する第2光半導体素子52は、下部クラッド層21の上に、コア層80と光導波路用上部クラッド層84とをMOCVD法によりこの順に形成してなる。
各層80、84の材料は特に限定されない。本実施形態では、コア層80として、組成波長が1.33μmで厚さが200nmのInGaAsP層を形成する。また、光導波路用上部クラッド層84として、厚さが150nmのp型InP層を形成する。コア層80とクラッド層84の材料や厚さはこれに限定されず、光導波路の等価屈折率が第1領域Iのレーザ素子における導波路の等価屈折率に合うように組成や厚さを調整すればよい。
また、この光導波路の長さは特に限定されないが、例えば、250μmとすればよい。
なお、これらの層80、84は、第1実施形態で説明した層32〜35に代えて形成されるものであり、各層32〜35の形成方法を援用して形成され得るので、本実施形態に係る半導体装置の製造方法については以下では省略する。
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、活性層23の側面の後退量が低減されるので、第2領域IIにコア層80を成長するときに、該コア層80にボイドが形成され難くなり、活性層23に接するようにコア層80を形成することができる。これにより、光導波路として機能する第2光半導体素子を通じて、第1光半導体素子51で発振したレーザ光を後段に効率良く導くことが可能となる。
(5)第5実施形態
図20は本実施形態に係る半導体装置の断面図である。
第1〜4実施形態においては、第1領域Iに回折格子を有するDFBレーザ素子を形成したのち、第2領域IIに半導体光変調器や半導体光増幅器、あるいは光導波路をバットジョイント成長により集積した。本発明はこれに限らず、第2領域Iに、下部クラッド層、下部AlGaInAs光ガイド層、AlGaInAs系多重量子井戸構造、上部InGaAsP光ガイド層、上部InPクラッド層を有する半導体光変調器や半導体光増幅器を形成し、この後、第2領域IIに回折格子を有するDFBレーザをバットジョイント成長により集積してもよい。図20にはこの例として、第1領域Iに半導体光変調器を形成し、第2領域IIにDFBレーザを形成した例を示す。
第1領域Iに形成する半導体光変調器における各層の組成や厚さとしては、例えば、n型InP基板20上の回折格子埋め込み層19に組成波長が1.15μmで厚さが70nmのn型InGaAsP層、下部クラッド層21に厚さが50nmのn型InP層、変調器用下側光ガイド層32として組成波長が1.2μmで厚さが50nmのAlGaInAs層、多重量子井戸構造の井戸層33aに厚さが9nmで圧縮歪0.5%のAlGaInAs層、バリア層33bに厚さが5nmで引っ張り歪0.3%、組成波長1.34μmのAlGaInAs層、変調器用上部光ガイド層34に組成波長が1.32μmから1.00μmまで連続的に変化するInGaAsPグレーデット層、変調器用上部クラッド層35に厚さ150nmのp型InP層を形成すればよい。
(6)その他の実施形態
上記した第1〜第5実施形態では、図6を参照して説明したように、多重量子井戸構造の活性層23を構成する井戸層23aとバリア層23bとして、いずれもAlGaInAs層を形成した。
本発明はこれに限定されず、バリア層23bのみをAlGaInAs層で形成し、井戸層23aをInGaAsまたはInGaAsP層で形成してもよい。このようにしても、図8のエッチング工程において活性層23の側面が大きく後退することは無く、その活性層23aの横の変調器用活性層33(図9参照)等にボイドが発生するのを抑制することができる。
更に、第1〜第5実施形態では、半導体であるn型InP基板20を使用したが、これに代えて半絶縁性のInP基板を採用してもよい。
また、上記では、電流狭窄構造として埋め込み層42による埋め込み構造を採用したが、pnpn構造による埋め込み構造や、リッジ構造を電流狭窄構造として採用してもよい。
更に、回折格子20aとしては、λ/4シフト20bが中央に形成されている構造を採用したが、本発明はこれに限らず、例えばλ/4シフト20bが中央からずれた位置に形成されても良い。また、λ/4シフト20bのない均一回折格子としてもよい。

Claims (7)

  1. 互いに接した第1領域と第2領域とを有するInP基板と、
    前記基板と、前記基板上に形成されたInPよりなる下部クラッド層と、前記下部クラッド層上に該下部クラッド層に接して形成されたAlGaInAsよりなる下部光ガイド層と、前記下部光ガイド層上に形成され、井戸層とAlGaInAsよりなるバリア層とが交互に積層された多重量子井戸構造を有する活性層と、前記活性層上に形成されたInGaAsPよりなる上部光ガイド層と、前記上部光ガイド層上に該上部光ガイド層に接して形成されたInPよりなる上部クラッド層とを備え、前記下部光ガイド層、前記活性層、前記上部光ガイド層、及び前記上部クラッド層が前記第1領域に選択的に形成された第1光半導体素子と、
    前記第2領域における前記下部クラッド層上に、前記第1光半導体素子に接して形成された前記第2光半導体素子とを有することを特徴とする光半導体装置。
  2. 前記第2光半導体素子は、電界吸収型半導体光変調器であることを特徴とする請求項1に記載の光半導体装置。
  3. 前記第2光半導体素子は、半導体光増幅器であることを特徴とする請求項1に記載の光半導体装置。
  4. 前記第2光半導体素子は、光導波路であることを特徴とする請求項1に記載の光半導体装置。
  5. 互いに接した第1領域と第2領域とを有するInP基板上に、InPよりなる下部クラッド層、AlGaInAsよりなる下部光ガイド層、井戸層とAlGaInAsよりなるバリア層とが交互に積層された多重量子井戸構造を有する活性層、InGaAsPよりなる上部光ガイド層、及びInPよりなる上部クラッド層を順に形成する工程と、
    前記第1領域における前記上部クラッド層上に、マスク層を選択的に形成する工程と、
    前記マスク層で覆われていない第2領域の少なくとも前記上部クラッド層を選択的にエッチングする工程と、
    ウエットエッチングにより、前記マスク層で覆われていない第2領域の少なくとも前記活性層、及び前記下部光ガイド層を選択的に除去して、前記第1領域に、少なくとも前記基板、前記下部クラッド層、前記下部光ガイド層、前記活性層、前記上部光ガイド層、及び前記上部クラッド層で構成される第1光半導体素子を残す工程と、
    前記ウエットエッチングの後に、前記第2領域における前記下部クラッド層上に、前記第1光半導体素子と接する第2光半導体素子を形成する工程と、
    前記マスク層を除去する工程と、
    を有することを特徴とする光半導体装置の製造方法。
  6. 前記第2光半導体素子として電界吸収型半導体光変調器を形成することを特徴とする請求項5に記載の光半導体装置の製造方法。
  7. 前記第2光半導体素子として半導体光増幅器を形成することを特徴とする請求項5に記載の光半導体装置の製造方法
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