JP4977971B2 - カラーフィルタ用感光性樹脂組成物およびカラーフィルタの製造方法 - Google Patents
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Description
また、ダイヘッドのリップ部先端と基材表面との間の塗布ギャップを通常より大きく保つことができるため、上記基材とダイヘッドとが接触する危険性を低くすることが可能となる。
さらに、塗布開始時および塗布中に上記リップ部上に形成させる液滴の量を通常より少なくすることができるため、上記基材上の塗布開始部における上記感光性樹脂組成物の液溜まりの発生を抑えることが可能となり、かつ上記感光性樹脂組成物の膜厚を制御することが容易となる。
まず、本発明のカラーフィルタ用感光性樹脂組成物について説明する。本発明のカラーフィルタ用感光性樹脂組成物は、ダイコーターにより基材上に塗布されるカラーフィルタ用感光性樹脂組成物であって、上記基材に対する上記カラーフィルタ用感光性樹脂組成物の接触角が、ダイヘッドのリップ部に使用されている材料と同一の材料からなり、かつ上記ダイヘッドのリップ部表面における表面粗さと同一の表面粗さを有する金属板に対する上記カラーフィルタ用感光性樹脂組成物の接触角より大きいことを特徴とするものである。
次に、図2を用いて塗布方法をさらに詳しく説明する。図2は、ダイヘッド1を用いて基材上に感光性樹脂組成物を塗布している状態を示すものである。ダイヘッド1を用いた塗布方法は、あらかじめダイヘッド1のスリット3から感光性樹脂組成物4を吐出させてダイヘッド1の先端に位置するリップ部5に形成した感光性樹脂組成物4の液滴を、図2に示すように、基材2上に接触させながら、ダイヘッド1を基材2に対して平行に移動させて感光性樹脂組成物4を基材2上に塗布するものである。ここで、本発明に用いられる金属板は、図2に示すダイヘッド1のリップ部5に使用されている材料と同じ材料からなり、かつ上記ダイヘッド1のリップ部5表面における表面粗さと同一の表面粗さを有するものである。
以下、本発明の感光性樹脂組成物に関する各部材について、分けて説明する。
まず、本発明の感光性樹脂組成物の材料について説明する。本発明の感光性樹脂組成物の材料は、一般的なカラーフィルタ用感光性樹脂組成物に用いられる材料からなるものであり、例えば、ポリマー成分、モノマー成分、光重合開始剤、溶剤、および顔料、分散剤、添加剤等からなるものである。
次に、本発明に用いられる金属板について説明する。本発明に用いられる金属板は、一般的なダイコーターに備えられたダイヘッドのリップ部に使用されている材料と同一の材料からなり、かつ上記ダイヘッドのリップ部表面における表面粗さと同一の表面粗さを有するものであれば、特に限定されるものではない。
次に、本発明に用いられる基材について説明する。本発明に用いられる基材としては、可視光に対して透明な基材であれば特に限定されるものではなく、一般的なカラーフィルタに用いられる透明基板と同様のものとすることができる。具体的には、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジッド材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材等が挙げられ、中でも石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラスが好適に用いられる。
次に、本発明のカラーフィルタの製造方法について説明する。本発明のカラーフィルタの製造方法は、ダイコーターにより、カラーフィルタ用感光性樹脂組成物を基材上に塗布することにより、カラーフィルタを得るカラーフィルタの製造方法であって、用いる基材に対するカラーフィルタ用感光性樹脂組成物の接触角が、用いるダイヘッドのリップ部に使用されている材料と同一の材料からなり、かつ上記ダイヘッドのリップ部表面における表面粗さと同一の表面粗さを有する金属板に対する上記カラーフィルタ用感光性樹脂組成物の接触角より大きいカラーフィルタ用感光性樹脂組成物を選択して用いることを特徴とするものである。
下記に示す組成の感光性樹脂組成物に、フッ素系界面活性剤0.2重量部を添加したものを用意した。
カラーフィルタ用ガラス基板(コーニング社製1737ガラス)、金属板(SUS420)を定法に従って洗浄した後、これらに対する上記感光性樹脂組成物の接触角の測定を行った。接触角の測定は、接触角測定器(協和界面科学(株)製、CA−V型)を使用し、液滴法にて行った。値は、θ/2法にて算出した。この結果を表1に示す。
次に、カラーフィルタ用ガラス基板(コーニング社製1737ガラス)を準備し、定法に従って洗浄した後、ダイコーターにて、上記感光性樹脂組成物をガラス基板上に1.5μmの膜厚となるように塗布した。Naランプ下にて、上記感光性樹脂組成物の塗布ムラおよびスジを確認した。この結果を表1に示す。
・バインダー樹脂:アクリル系共重合体 3.5重量部
・モノマー:ジペンタエリスリトール多官能アクリレート 2.8重量部
・顔料:赤顔料P.R.254 3.5重量部
黄顔料P.Y.138 0.9重量部
・分散剤:カプロラクトン共重合体 2重量部
・光重合開始剤:チバガイギー社製イルガキュア369 0.7重量部
ジエチルチオキサントン 0.2重量部
ビイミダゾール 0.4重量部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 86重量部
上記組成の感光性樹脂組成物に添加するフッ素系界面活性剤の添加量を0.1重量部、0.05重量部としたこと以外は、実施例1と同様に接触角の測定および塗布ムラやスジの確認を行った。その結果を表1に示す。
上記組成の感光性樹脂組成物にシリコーン系界面活性剤0.2重量部を添加したこと以外は、実施例1と同様に接触角の測定および塗布ムラやスジの確認を行った。その結果を表1に示す。
上記組成の感光性樹脂組成物にアクリル系界面活性剤0.2重量部を添加したこと以外は、実施例1と同様に接触角の測定および塗布ムラやスジの確認を行った。その結果を表1に示す。
上記組成の感光性樹脂組成物に界面活性剤を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に接触角の測定および塗布ムラやスジの確認を行った。その結果を表1に示す。
2…基材
4…感光性樹脂組成物
5…リップ部
Claims (3)
- ダイコーターにより基材上に塗布されるカラーフィルタ用感光性樹脂組成物であって、
前記基材に対する前記カラーフィルタ用感光性樹脂組成物の接触角が、ダイヘッドのリップ表面部に対する前記カラーフィルタ用感光性樹脂組成物の接触角よりも4°以上大きいことを特徴とするカラーフィルタ用感光性樹脂組成物。 - 前記基材に対する前記カラーフィルタ用感光性樹脂組成物の接触角が7°以上であり、かつ前記ダイヘッドのリップ表面部に対する前記カラーフィルタ用感光性樹脂組成物の接触角が7°以下であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ用感光性樹脂組成物。
- ダイコーターにより、カラーフィルタ用感光性樹脂組成物を基材上に塗布することにより、カラーフィルタを得るカラーフィルタの製造方法であって、
用いる基材に対するカラーフィルタ用感光性樹脂組成物の接触角が、用いるダイヘッドのリップ表面部に対する前記カラーフィルタ用感光性樹脂組成物の接触角よりも4°以上大きいカラーフィルタ用感光性樹脂組成物を用いることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
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