JP2010267576A - 基板修正方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複雑な工程を必要とせずに、高精度に基板の欠陥を修復することが可能な基板修正方法を提供する。
【解決手段】欠陥検査手段4によりバンク2の隔壁にある欠陥箇所3を検査した後、バンク2の延在方向と交差する方向に土手としてのドライフィルムレジスト5を貼付し、貼付された土手で挟まれた領域に修復材料6を塗布して、塗布された修復材料6を仮硬化させる。欠陥箇所3のみにバンク2の隔壁を再形成するようなパターンにて修復材料6を感光させ、修復に必要な部分の修復材料6を残して他の部分を除去するように現像した後、修復された部分を硬化させる。
【選択図】図1
【解決手段】欠陥検査手段4によりバンク2の隔壁にある欠陥箇所3を検査した後、バンク2の延在方向と交差する方向に土手としてのドライフィルムレジスト5を貼付し、貼付された土手で挟まれた領域に修復材料6を塗布して、塗布された修復材料6を仮硬化させる。欠陥箇所3のみにバンク2の隔壁を再形成するようなパターンにて修復材料6を感光させ、修復に必要な部分の修復材料6を残して他の部分を除去するように現像した後、修復された部分を硬化させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、基板上に溝状に形成された隔壁の欠陥部分を修正する基板修正方法に係り、特に、印刷型の有機ELディスプレイパネルの基板において、インクの混色を避けるために発光素子間を区切るための隔壁であるバンクの製造工程において発生するバンクの欠け欠陥を修正する修正方法に関するものである。
有機ELディスプレイにおける発光素子の構造は、基本的には陽極と陰極の一対の電極間に少なくとも一層の有機発光層が挟持された構造となっている。ディスプレイとしてカラー化する方法としては、R,G,Bの3色の有機EL材料を画素ごとに配置する方法が知られている。
特に、インクジェット印刷やスクリーン印刷やフレキソ法などの印刷技術を用いてインクを塗り分ける方法を用いる場合には、基板上にバンクと呼ばれる凹凸形状を事前に形成しておくことで、インクが基板上で混じってしまう混色不良を防止することが有効な方法として行われている。
前記凹凸形状であるバンクを形成する方法としては、感光性樹脂材料を均一に塗布し、フォトマスクを用いて選択的に露光した後、現像により所望の形状を得る、いわゆるフォトリソプロセスが用いられる。
前記バンク形成の過程において、樹脂材料の塗布時の気泡混入や露光の際に用いるフォトマスクへのダスト付着などが原因となり、バンクが欠落するという不良現象が発生することがある。ディスプレイの大判化に伴い基板面積が大型化すると、基板全面において欠陥のない良品を高い歩留りで得ることが困難となってきており、不良発生箇所を部分的に修復する修正方法が求められている。
基板上の凹凸パターンの欠陥部を修正するための方法として、特許文献1に開示されたパターン修正方法のように、プラズマディスプレイパネルの隔壁であるリブの欠落部に対して液体を塗布し、余分な部分をレーザーまたは機械加工により除去することにより欠落を修復する方法が知られている。
図5(a)〜(g)を参照して特許文献1に記載されたパターン修正方法について説明する。
図5において、リブ100のリブ欠け欠陥部101に修正ペースト102をはみ出る程度に塗布し、リブ100の上部をスキージ機構103を用いて整形し、IR光源104により塗布した修正ペースト102を乾燥させ、カット用レーザ部105により修正ペースト102のはみ出し部をカットし、スクラッチ機構106を用いてはみ出し部を除去し、バキューム機能により修正かすを吸引除去した後、半導体レーザ107を用いて焼成するようにしている。
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、修正時の修正ペーストの高さを調整するために複雑な工程を必要とするという課題がある。
本発明は、前記従来技術の課題に鑑み、複雑な工程を必要とせずに、高精度に基板の欠陥を修復することが可能な基板修正方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決し目的を達成するために、請求項1記載の本発明は、基板上に溝状に形成された隔壁の欠陥部分を修正する基板修正方法であって、前記隔壁の欠陥部分を特定する検査工程と、前記隔壁の延在方向と交差する方向に除去可能な土手を形成する工程と、除去可能な土手に挟まれた領域に感光性の修復材料を塗布する塗布工程と、塗布された前記修復材料を仮硬化させるプリベーク工程と、欠陥部分のみに隔壁を再形成するようなパターンで前記修復材料を感光させる露光工程と、前記修復材料の必要な部分を残して不要な部分を溶かす現像工程と、修復された部分を硬化させるベーク工程とを含むことを特徴とする。
この方法によると、土手部分と隔壁とにより修正材料の濡れ広がりを規制し、膜厚を決定するので、従来のようなレーザーや機械加工などを用いて障壁高さを計測しつつ調整するような複雑な工程を要せず、修復箇所の隔壁高さを所望の高さに調整することができる。また、土手部分と修復材料を構成する材料を現像液で溶ける材質とすることにより、不要な部分を除去するための特別な工程を追加する必要をなくすことができる。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の基板修正方法において、土手を形成する工程において、現像工程にて使用する現像液に対して可溶なドライフィルムレジストを貼り付けることを特徴とする。
この方法によると、ドライフィルムレジストの貼り付け後に乾燥させる必要がなく、直ぐに次の感光性の修復材料を塗布する塗布工程に移ることが可能であるため、修復に要する時間が短くなる。土手自体の高さが、事前に膜厚を一定に形成されたフィルムなどによって決まるため、高さのバラツキが少なくなり、結果として塗布工程における膜厚バラツキも少なくなる。
請求項3に記載の本発明は、請求項1に記載の基板修正方法において、土手を形成する工程において、塗布工程にて使用する修復材料よりも粘度が高く、かつ現像工程にて使用する現像液に対して可溶なペーストまたは液体材料を塗布することを特徴とする。
この方法によると、土手を形成する工程と修復材料を塗布する工程に必要な装置構成が同様なものでよくなるため、例えば、ディスペンサーヘッドを2つ有する程度の簡単な構成を採用することができる。
請求項4に記載の本発明は、請求項1に記載の基板修正方法において、修復された隔壁部分の両端が、本来設定されている隔壁部分に乗り上げて形成されることを特徴とする。
本発明によれば、バンクなどの隔壁と、該隔壁の延在方向と交差する方向に形成された土手とにより修正材料の濡れ広がりを規制し、膜厚を決定するので、従来のようなレーザーや機械加工などを用いて障壁高さを計測しつつ調整するような複雑な工程を要せず、修復箇所の隔壁高さを所望の高さに調整することができる。また、土手部分と修復材料を構成する材料を現像液で溶ける材質とすることにより、不要な部分を除去するための特別な工程を追加する必要をなくすことができるなど、複雑な工程を必要とせずに高精度に、基板のバンクなどの隔壁部分の欠陥を修復することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1である基板の欠陥修正方法のフローを模式的に示した説明図である。
図1は本発明の実施形態1である基板の欠陥修正方法のフローを模式的に示した説明図である。
図1(a)はバンクなどの隔壁の欠陥部分を特定する検査工程を表したものであり、図1(a)において、1は基板、2は基板1上に凹凸からなる溝状に形成されたバンク、3は本来形成されているべきバンク2が欠落している欠陥箇所、4は、基板1の欠陥箇所3を特定する検査手段であって、具体的にはCCDカメラなどを用いた画像検査による方法やレーザー変位計などの高さ検出センサーが適用可能である。
前記欠落は、例えば、ネガティブレジストを用いたバンク材料を用いてフォトリソプロセスで作成する場合に、露光時のマスク上のダストを原因とする未露光などが原因して発生する。
図1(b)は検出された欠陥部3を囲うようにバンク2の延在方向と交差する方向に後工程で除去可能な土手を形成する土手形成工程を表したものであり、本実施形態では、土手としてテープ状に形成されたドライフィルムレジスト5を貼り付ける方法を示している。
ドライフィルムレジスト5としては、後工程の現像工程で使用する現像液に対して可溶な材料を用いることにより、後工程でフィルムを剥がす工程を省略することが可能である。
この種のフィルムレジスト材料としては、プリント配線板の配線パターンを作る工程において使用されているフィルムレジスト材料の技術が応用可能であり、レジスト部の膜厚が2μm〜50μm程度のものが入手可能である。
一般にプリント配線板の配線パターンを形成する際は、基板全体にフィルムレジストを密着性よく貼り付けるために加熱しながら基板全体をロールで圧着するロールラミネータ装置、あるいは、気泡が入ることを防ぐために真空ラミネータ装置などを利用してフィルムレジストを基板に貼り合せることが一般的に採用される。
しかし、ここでは貼り付ける面積が大きくても数mm程度までの小面積であることや、本実施形態では、貼り付けるドライフィルムレジスト5の材料が現像の際、全て洗い流されるため、幅数mm程度のテープを加熱かつ加圧しながら貼り付けする程度の簡便な装置で十分貼り付け可能である。
また、図では理解しやすくするためバンク2の凹凸を強調して記載しているが、実際の有機ELパネルではバンクの凹凸高さは0.1μm〜5μm程度であり、凹部となる画素の幅は20μm〜200μm程度であるため、ドライフィルムレジスト5は凹凸の角部の微小な領域を除けば、基板1に密着して良好に貼り付けることが可能である。
図1(c)は修復材料の塗布工程を表したものであり、図1(c)において、6は感光性を有する修復材料を示しており、前工程で貼り付けることで形成された土手としてのドライフィルムレジスト5とバンク2に挟まれた領域に塗布を行う。また、7は塗布手段であって、インクジェット装置やディスペンサー装置などの既存の装置が利用できる。修復材料6としては凹凸の障壁を構成する際に用いる感光性材料と同じ材料を用いることが可能である。
塗布された修復材料6は、欠陥箇所3とその周辺のバンク2の溝部に濡れ拡がる。仮に図1(b)の土手形成工程を有しない基板1の欠陥箇所3に修正材料を塗布した場合と、図1(b)の工程を経た基板1の欠陥箇所3に修復材料6を塗布した場合との状態の差を図3にて説明する。
図3(a)と図3(b)は土手形成工程を持たない基板1に修復材料6を塗布した場合を示している。この場合、塗布された修復材料6は、欠陥箇所3を含むバンク2の溝部分に濡れ拡がって行くが、バンク2の溝部底に対する修復材料6の濡れ性の微妙な差や基板の傾斜などにより、その濡れ拡がる面積は一定とならない。
図3(a)は濡れ拡がりが小さい場合であり、この場合、同一量の修復材料6を塗布しても膜厚が厚めにばらつくことになる。図3(b)は濡れ広がりが大きい場合であり、この場合、同一量の修復材料6を塗布しても膜厚が薄めにばらつくことになる。
図3(c)は本実施形態の土手形成工程を経た基板1に修復材料6を塗布したものである。この場合、図1(b)の土手形成工程で貼り付けられたドライフィルムレジスト5による土手の部分で濡れ広がりの面積が制限されるため、修復材料6の吐出量により形成される膜厚を正確に制御することができる。これにより機械的な研磨手段などを設けずに最終の修正されたバンク高さを調整することができる。
修復材料6として用いる感光性レジスト材料としては、特定の波長の可視光や紫外光の照射により重合が進み光を照射した部分が残るネガレジスト材料、あるいは特定の波長の可視光や紫外光を照射した部分の現像液に対する可溶性が増し、遮光した部分が残されるポジレジスト材料があるが、そのどちらも使用することができる。
図1では図示を省略したが、プリベーク工程として、塗布した修復材料6中の溶剤成分を、基板1を加熱するなどの手段を用いて気化させ固化させる工程を経る。
図1(d)は露光工程を表している。本例では修復材料6として、ネガティブレジストとしての特性を有するものを使用している場合について示している。
修復材料6の塗布後、プリベークにより固化された修復材料6におけるバンク2の欠落箇所3に相当する部分のみを、選択的に露光ビーム8により露光することにより、塗布,プリベークされた修復材料6を現像液に対して溶けにくくする。
ポジティブレジストの特性を有する修復材料6の場合は、露光するパターンをネガティブレジストの場合と逆にし、欠落箇所3以外の修復材料6の塗布部分に対して露光することにより、欠落箇所3以外の部分を現像液に対して溶けやすくする。
露光に使用する光源としては、使用する修復材料6の露光に適切なものを用いればよい。具体的にはg線(436nm),h線(405nm),i線(365nm)、あるいは、それに近い波長のレーザー光源でもよい。また、選択的に露光する手段としては、事前に複数のパターンの修正用のマスクパターンを準備しておき、それらの中から適切なものを切り替えて使用する方法、可動式のスリットパターンを用いる方法、微小な光スポットを光学的にスキャンさせる方法などが用いられる。
図1(e)は現像工程を表している。図1(e)において、9は現像液、10は現像液の吐出手段を示しており、現像液としては、一般的なアルカリ現像液であるTMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド)などが使用可能であるが、修復材料6の不要部分と、土手であるドライフィルムレジスト5を溶かす特性を有するものであれば、その他の組成であってもよい。
現像工程において、修復材料6が不要な部分とドライフィルムレジスト5とが溶解し、必要な欠陥箇所3のみに修復材料6が残される。図示は省略したが、この後、基板1を純水などで洗浄して現像液を洗い落とし、乾燥させて現像工程を終了する。
図1(f)はベーク工程を表しており、修復箇所に残された修復材料6を高温にすることにより、重合をより完全なものとして完全硬化させる。
実施形態1の方法によれば、土手としてのテープ,フィルムなどと、隔壁としてのバンクとにより、液体である修復材料の濡れ広がりを規制し、膜厚を決定するので、レーザーや機械加工などを用いて障壁高さを計測しつつ調整するような複雑な工程を要せず、高精度に基板の欠陥を修復することができる。
また、本方法に用いたドライフィルムレジストは、貼り付け後に乾燥する必要がないため、直ぐに修復材料の塗布工程に移ることが可能であって、リペアに必要な時間を短くすることができるという利点がある。
また、形成される土手は、その高さが事前に膜厚を一定に形成されたテープあるいはフィルムなどによって決まるため、土手の高さ(厚さ)が安定することによって修復材料6の塗布による膜厚バラツキも少なくなり、結果として修復されるバンクの高さのバラツキを抑えることができるという利点がある。
本実施形態によれば、バンクの欠落箇所に対してバンクを修復することが可能である。しかしながら、そのようにして修復箇所のバンク高さを、本来のバンクと同様に調整した場合においても、修正済み基板にインクジェット印刷技術などを用いて、バンク溝部にインクを塗布した際に、修復したバンク箇所上や元のバンクと、修復したバンク箇所の境目付近からインクが溢れ混色を発生することが起こり得る。
この原因としては、修復した箇所のインクに対する撥液性が、本来のバンク箇所に対し劣っていた場合や、欠落箇所周辺のバンク高さが、基板上方からの画像による検査手段では判別できない程度に低くなっている場合などである。
このような場合の対応について図4にて説明する。図4(a)は修復されたバンク部分を示す斜視図、図4(b)は図4(a)におけるA−A断面図である。
図4に示すように、修復されたバンク部分13の両端が、本来のバンク2に乗り上げる構造となるように、修復材料6を塗布する際の吐出量を設定して、バンク高さが低くならないようにする。
これにより修復箇所周辺に発生する混色を避けることが可能となる。調整する高さとして、元もとの本来のバンク2の高さに対して、5〜20%修正部の高さが高くなるように設定することで、修正部周辺からの混色を防止することが可能になる。
(実施形態2)
図2は本発明の実施形態2である基板の欠陥修正方法のフローを模式的に示した説明図である。なお、以下の説明において、図1の実施形態1にて説明した部材と同じ部材には同一符号を付して説明する。
図2は本発明の実施形態2である基板の欠陥修正方法のフローを模式的に示した説明図である。なお、以下の説明において、図1の実施形態1にて説明した部材と同じ部材には同一符号を付して説明する。
図2(a)はバンクなどの隔壁の欠陥部分を特定する検査工程を表したものである。本工程における構成および作用は、実施形態1の検査工程と同じであるため説明を省略する。
図2(b)は検出された欠陥箇所3を囲うようにバンク2の溝の方向と交差する方向に後工程で除去可能な土手を形成する土手形成工程を表したものであり、本実施形態では、塗布工程で使用する修復材料よりも粘度が高く、かつ現像工程で使用する現像液に対して可融なペーストまたは液体材料を塗布する方法を示している。
図2(b)において、土手形成材料11は、バンク2の溝方向と交差するように吐出手段12により塗布される。土手形成材料11は、後述する修復材料6よりも塗布した際に基板1に対する濡れ拡がりが少ないことが必要であり、土手形成材料11の粘度を上げることによって、固化するまでの濡れ拡がりを抑制している。
土手形成材料11の粘度は、少なくとも50mPa・s以上、望ましくは100mPa・s以上あることが望ましく、吐出手段12から安定して吐出するために10000mPa・s以下の粘度であることが望ましい。
図示を省略したが、土手形成材料11を塗布した後、加熱するなどの方法で乾燥させ、塗布形状を固定化する。吐出手段12としては、高粘度液を吐出可能なインクジェット装置で吐出液が繋がるように連続的に吐出させる方法であってもよいし、ディスペンサーで連続的に液を塗布する方法でもよい。
図2(c)は修復材料の塗布工程を表す図である。図2(c)において、6は感光性を有する修復材料であり、前工程で土手形成材料11を塗布することにより形成された土手と、バンク2に挟まれた領域に修復材料6の塗布を行う。7は塗布手段であり、インクジェット装置やディスペンサー装置などの既存の装置が利用できる。修復材料6としては凹凸の隔壁を構成する際に用いる感光性材料と同じ材料を用いることが可能である。
塗布された修復材料6は欠陥箇所3とその周辺の溝部に濡れ拡がるが、図2(b)の土手形成工程で形成された土手の部分で濡れ広がりの面積が制限されるため、修復材料6の吐出量により形成される膜厚を正確に制御することができる。
図2では図示を省略したが、プリベーク工程として、塗布した修復材料を基板を加熱するなどの手段を用いて、修復材料6中の溶剤成分を気化させて固化させる工程を経る。
図2(d)は露光工程を表している。本例では修復材料6として、ネガティブレジストとしての特性を使用している場合について示している。
修復材料6の塗布後、プリベークにより固化された修復材料6におけるバンク2の欠落箇所3に相当する部分のみを、選択的に露光ビーム8により露光することにより、塗布,プリベークされた修復材料6を現像液に対して溶けにくくする。
ポジティブレジストの特性を有する修復材料6の場合は、露光するパターンをネガティブレジストの場合と逆にし、欠落箇所3以外の修復材料6の塗布部分に対して露光することにより、欠落箇所3以外の部分を現像液に対して溶けやすくする。
露光に使用する光源としては、使用する修復材料6の露光に適切なものを用いればよい。具体的にはg線(436nm),h線(405nm),i線(365nm)、あるいは、それに近い波長のレーザー光源でもよい。選択的に露光する手段としては、事前に複数のパターンの修正用のマスクパターンを準備しておき、それらの中から適切なものを切り替える方法、可動式のスリットパターンを用いる方法、微小な光スポットを光学的にスキャンさせる方法などが用いられる。
図2(e)は現像工程を表している。図2(e)において、9は現像液、10は現像液の吐出手段である。現像液としては、一般的なアルカリ現像液であるTMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド)などが使用可能であるが、修復材料6の不要部分と土手部分を溶かす特性を持つものであれば、その他の組成であってもよい。
これにより修復材料6の不要な部分と土手部分とが溶解し、修復材料6の必要な欠陥箇所3のみに修復材料6が残される。図示は省略したが、この後、基板1を純水などで洗浄し、現像液を洗い落とし、乾燥させて現像工程を終了する。
図2(f)はベーク工程を表しており、修復箇所に残された修復材料6を高温にすることにより、重合をより完全なものとして完全硬化させる。
実施形態2の方法によれば、塗布により形成された土手およびバンクにより液体である修正材料の濡れ広がりを規制し、膜厚を決定するので、レーザーや機械加工などを用いて障壁高さを計測しつつ調整するような複雑な工程を要せず、高精度に基板の欠陥を修復する方法を提供することができる。
また、土手を形成する工土手形成程と修復材料を塗布する工程とに必要な装置構成がほぼ同様なものとなる。例えば、ディスペンサーヘッドを2つ有する程度の簡単な構成とすることが可能であるというメリットがある。
本実施形態によれば、バンクの欠落箇所に対してバンクを修復することが可能である。しかしながら、そのようにして修復箇所のバンク高さを、本来のバンクと同様に調整した場合においても、修正済み基板にインクジェット印刷技術などでバンク溝部にインクを塗布した際に、修復したバンク箇所上あるいは元のバンクと、修復したバンク箇所との境目付近からインクが溢れ混色を発生することが起こり得る。
この原因としては、修復した箇所のインクに対する撥液性が、本来のバンク箇所に対し劣っていた場合や、欠落箇所周辺のバンク高さが、基板上方からの画像による検査手段では判別できない程度に低くなっている場合などである。
このような場合には、図4に示すように、修復されたバンク部分13の両端が本来のバンク2に乗り上げる構造となるように、修復材料6を塗布する際の吐出量を設定する。これより修復箇所周辺に発生する混色を避けることが可能となる。調整する高さとして、元もとの本来のバンク2の高さに対して、5〜20%修正部の高さが高くなるように設定することで、修正部周辺からの混色を防止することが可能である。
本発明は、隔壁を使って塗布するデバイスの基板修正方法として、有機半導体や有機ELディスプレイなどの欠陥修正方法として適用できる。
1 基板
2 バンク
3 欠陥箇所
4 欠陥検査手段
5 ドライフィルムレジスト
6 修復材料
7 塗布手段
8 露光ビーム
9 現像液
10 現像液の吐出手段
11 土手形成材料
12 吐出手段
13 修復した欠陥箇所
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13 修復した欠陥箇所
Claims (4)
- 基板上に溝状に形成された隔壁の欠陥部分を修正する基板修正方法であって、前記隔壁の欠陥部分を特定する検査工程と、前記隔壁の延在方向と交差する方向に除去可能な土手を形成する工程と、除去可能な土手に挟まれた領域に感光性の修復材料を塗布する塗布工程と、塗布された前記修復材料を仮硬化させるプリベーク工程と、欠陥部分のみに隔壁を再形成するようなパターンで前記修復材料を感光させる露光工程と、前記修復材料の必要な部分を残して不要な部分を溶かす現像工程と、修復された部分を硬化させるベーク工程とを含むことを特徴とする基板修正方法。
- 前記土手を形成する工程において、前記現像工程にて使用する現像液に対して可溶なドライフィルムレジストを貼り付けることを特徴とする請求項1に記載の基板修正方法。
- 前記土手を形成する工程において、前記塗布工程にて使用する修復材料よりも粘度が高く、かつ前記現像工程にて使用する現像液に対して可溶なペーストまたは液体材料を塗布することを特徴とする請求項1に記載の基板修正方法。
- 修復された隔壁部分の両端が、本来設定されている隔壁部分に乗り上げて形成されることを特徴とする請求項1に記載の基板修正方法。
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