JP4972868B2 - 表面修飾されたセリア・ジルコニア系水和酸化物、その酸化物及びそれらの製造方法並びに用途 - Google Patents

表面修飾されたセリア・ジルコニア系水和酸化物、その酸化物及びそれらの製造方法並びに用途 Download PDF

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Description

本発明は、排ガス浄化用触媒担体等に適した高い比表面積を有するセリア、ジルコニア、またはセリア・ジルコニア酸化物、並びにその製造方法等に関する。
従来、自動車の排ガス中の有害物質である一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)を浄化する方法として三元触媒が用いられている。三元触媒でCO及びHCの酸化と窒素酸化物(NOx)の還元とを同時に行って排ガスを浄化する。このような三元触媒としては、例えばコーディエライトなどからなる耐熱性ハニカム基材にγ−アルミナからなる担体層を形成し、その担体層に白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)などの触媒金属を担持させたものが広く知られている。
ところで、排ガス浄化用触媒に用いられる担体の条件としては、比表面積が大きく耐熱性が高いことが挙げられ、一般にはアルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニアなどが用いられることが多い。
また、三元触媒の性能は排ガスの雰囲気、特に酸素濃度に大きな影響を受けるため、排ガス中の酸素濃度をモニターしながら、空燃比の制御を行っている。さらにはOSC(酸素吸蔵放出能力)を持つセリア(CeO)を助触媒または担体として使用し、排ガスの雰囲気変動を緩和している。このOSC材料の条件としてはOSCが高いことと同時に比表面積が大きく耐熱性が高いことが挙げられる。
ところが従来の排ガス浄化用触媒では、800℃を越えるような高温にさらされると、シンタリングによる担体の比表面積の低下、触媒金属の粒成長が生じ、特にCeOは高温での比表面積の低下が大きいためOSCも低下し、浄化性能が著しく低下するという問題点があった。
また、近年の排ガス規制の強化により、エンジン始動からごく短時間にも排ガスを浄化する必要性がきわめて高くなっている。エンジン始動時は排ガス温度が低く十分に触媒が働かない。そのため触媒をエンジンの近くに配置することで排ガス温度を高くし、触媒が働くようにしている。一方で触媒をエンジンに近づける場合、高速運転時には触媒は800℃、さらには1000℃に達する排ガスにさらされる。このため、担体の高耐熱性への要求はますます高まっている。
セリア、ジルコニア、及びセリア−ジルコニア固溶体等の比表面積を増大させる方法として種々の方法が提案されている。例えば非特許文献1にはセリア粉末をアンモニア中和法によって合成する際、界面活性剤を添加しメソポア組織とすることによって高比表面積化する方法が記載されている。特許文献1にはセリア−ジルコニア混合粉末を加水分解法或いは中和法で合成する際、沈殿物をアルコール系化合物で洗浄する方法が開示されている。特許文献2にはセリア−ジルコニア固溶体を逆ミセル法で合成することにより高比表面積化する方法が記載されている。特許文献3にはセリア−ジルコニア固溶体をアンモニア中和法によって合成する際、界面活性剤ミセルを反応場とする方法が記載されている。さらに、非特許文献2には、セリア、ジルコニア、及びセリア−ジルコニア固溶体をアルミナと混合する方法が記載されている。
特開2001−504428号公報 特開平10−258231号公報 特開平09−221304号公報 Jurnal of Catalysis vol.178(1998)、第299−308頁 マテリアルインテグレーション Vol.16、No.4(2003)、第3−14頁
上記に記載のように、セリア、ジルコニア及びセリア−ジルコニア酸化物の高比表面積化の方法は提案されているが、これらの方法によっても、800℃以上、特に1000℃の高温下での高比表面積の維持は不十分であった。
本発明は、800℃以上、特に1000℃の高温下においても高い比表面積を維持することができるセリア、ジルコニアまたはセリア−ジルコニア酸化物、その前駆体である金属アセチルアセトナート表面修飾セリア・ジルコニア系水和酸化物並びにそれらの製造方法を提供するものである。
本発明は上記課題を解決したものであり、一般式:Ce1−XZr・nHO(x=0〜1、n=0〜2)で表されるセリア・ジルコニア系水和酸化物の表面が、金属M(M:希土類およびアルカリ土類金属からなる群より選ばれる少なくとも1種類)のアセチルアセトナートによって表面修飾された、金属アセチルアセトナート表面修飾セリア・ジルコニア系水和酸化物、この水和酸化物を焼成して得られる酸化物並びにその用途に関する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、一般式:Ce1−XZr・nHO(x、nは前記に同じ)で表されるセリア・ジルコニア系水和酸化物とは、セリウム、ジルコニウムまたはセリウムとジルコニウムと、酸素とOH基を有する化合物であり、水酸化物、酸化物、あるいはその中間組成の化合物である。
また、このセリア・ジルコニア系水和酸化物には、本発明に影響を与えない範囲の量の、Y、La、Pr、Nd等の希土類イオンやMg、Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属イオン、Cu、Fe等の遷移金属イオン、Ti、Zn、Sn、Al、Ga等のイオンを含有していても良い。
本発明の金属アセチルアセトナート表面修飾セリア・ジルコニア系水和酸化物とは、一般式:Ce1−XZr・nHO(x、nは前記に同じ)で表されるセリア・ジルコニア系水和酸化物の表面を、金属アセチルアセトナートによって表面修飾されたものであり、金属種Mとしては、希土類およびアルカリ土類金属からなる群より選ばれる少なくとも1種類である。
金属アセチルアセトナートは、Mn+(acac)(acacは、アセチルアセトナート配位子、nは、金属種Mの価数を表す)で表される。Mn+としては、Ca2+、Sr2+、Ba2+等のアルカリ土類金属、La3+、Nd3+、Sm3+、Pr3+、Eu3+、Gd3+、Y3+等の希土類金属から選ばれたすくなくとも1種類である。
Mが、La、Pr、Nd、Sm、Gd、Yの少なくとも1種類であると、当該金属アセチルアセトナートで表面処理をされたセリア・ジルコニア系水和酸化物を焼成して得られるセリア・ジルコニア系酸化物の比表面積が高くなるため、好ましい。
また、本発明において、「セリア・ジルコニア系水和酸化物の表面が、金属アセチルアセトナートによって表面修飾された」とは、金属アセチルアセトナートが、セリア・ジルコニア系水和酸化物表面に存在するOH基と反応し、水和酸化物表面の酸素と金属Mとの間に化学結合が生じている状態をいう。
金属アセチルアセトナートは、表面OH基とのみ反応するので、理想的には表面を一層分被覆した時点で反応は終了する。この修飾方法では、比表面積の低下を抑制できる元素を均一に導入できること、また、水和酸化物表面がアセチルアセトナート基により疎水化され、乾燥時の強い凝集を緩和できる利点があり、その結果、セリア・ジルコニア酸化物の比表面積を高く維持することが可能となると推察しているが、このような推察は本発明に何ら影響を与えない。
この金属アセチルアセトナートによる表面修飾量は、金属アセチルアセトナート/セリア・ジルコニア系水和酸化物のモル比で0.05〜0.15であることが好ましく、更に好ましくは0.05〜0.1である。この範囲内が比表面積とOSC特性がバランスよく両立し、触媒担体としてもっとも特性が良い。
表面修飾量が0.05未満であると表面被覆が不充分で、焼成処理に際し粒子の焼結が進み、得られる酸化物の比表面積の維持率が低下することがあり、0.15を超えると表面濃度が高くなり、セリア・ジルコニア系酸化物のOSC特性を低下させうることがある。
なお、水和酸化物がCeおよびZrを含んでいる場合には、Ceのモル量とZrのモル量との合計のモル量を分母とする。
本発明の金属アセチルアセトナート表面修飾セリア・ジルコニア系水和酸化物の製造方法としては、例えば、上記セリア・ジルコニア系水和酸化物と金属アセチルアセトナートとを有機溶媒中で反応させた後、有機溶媒を除去し、乾燥させる方法をあげることができる。
ここで、セリア・ジルコニア系水和酸化物の調製方法としては、例えば、セリウム化合物とジルコニウム化合物との溶液に沈殿剤を添加して沈殿物または共沈物として得る方法、あるいは、前記溶液を例えば100℃から250℃で加熱して、熱加水分解により析出させて得る方法を例示することができ、本発明の水和酸化物の製造方法においては、これらのいずれの方法を用いても良い。
上記のセリウム化合物としては、例えば硝酸セリウム、塩化セリウムといった硝酸塩、硫酸塩、塩化物などの水溶性化合物を用いることができる。また、ジルコニウム化合物としては、オキシ硝酸ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウムといった硝酸塩、硫酸塩、塩化物などの水溶性化合物を用いることができる。
また、沈殿剤としては、アンモニア、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、炭酸アンモニウムや炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩、尿素、蓚酸、蓚酸アンモニウムなどの蓚酸塩を用いることができる。この際、沈殿物の分散性や凝集の緩和の目的で、原料中に陽イオン、陰イオン、ノニオン系の界面活性剤を添加してもよい。
沈殿の析出方法には様々な方法がある。例えば、セリア、ジルコニア化合物の水溶液をアンモニア等のアルカリ性の水溶液に添加する方法や、逆にセリア、ジルコニア化合物の水溶液にアンモニア水などを瞬時に添加する方法や過酸化水素などを加えることで酸化物前駆体の沈殿し始めるpHを調節した後、アンモニア水などで沈殿を析出させる方法などを例示することができる。
また、沈殿剤として尿素を使用し、尿素の分解により生じるアンモニアにより徐々に中和する均一沈殿法、pHを段階的に変化させ中和するまたは特定のpHに保つような緩衝溶液を添加する方法などを例示することもできる。
得られた沈殿物や析出物は、金属アセチルアセトナートで表面処理する前に、100〜250℃で水熱処理を行い、沈殿物の結晶性の向上や粒子径調整を行うことや、表面処理する前に仮焼して沈殿物の比表面積を調整することもできる。
セリア・ジルコニア系水和酸化物と金属アセチルアセトナートとの反応に用いる有機溶媒とは、有機物からなる溶媒を指す。水に可溶な有機溶媒の場合、水を含有していても構わない。使用可能な有機溶媒としては、例えば、アルコール、アセトン、トルエン等が挙げられ、中でもセリア・ジルコニア系水和酸化物の分散性からアルコールが好ましい。
アルコールとしてはメタノール、エタノール、プロパノール、iso−プロパノール、ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノールといった、炭素数が1から8の直鎖または分岐鎖を有するアルコールを挙げることができ、特にメタノール、エタノール、プロパノール、iso−プロパノールが好ましい。
金属アセチルアセトナートによる表面修飾量は、金属アセチルアセトナートの添加量、反応温度、反応時間で調整することができ、添加量を増やすこと、反応温度を上げること、反応時間を増やすことにより表面修飾量を増やすことができる。
反応温度は有機溶媒の沸点以下で行い、反応温度が高いほど反応は早く終了する。反応時間は特に限定しないが、24時間以内で十分である。反応後、溶媒をろ過等で除去し、乾燥させることで、金属アセチルアセトナートで表面を修飾したセリア・ジルコニア系水和酸化物を得ることができる。
次に、本発明のセリア・ジルコニア系酸化物とは、上記の金属アセチルアセトナート表面修飾セリア・ジルコニア系水和酸化物を焼成することによって、水及びアセチルアセトナートを除去して得られる酸化物である。
換言すれば、セリア、ジルコニア又はセリア−ジルコニア酸化物のいずれか1種又は2種以上の混合物の表面に、金属アセチルアセトナート由来の金属元素の酸化物を有するものである。金属アセチルアセトナート由来の金属酸化物はセリア・ジルコニア系酸化物の表面で単独酸化物を形成していても良いし、セリア・ジルコニア系酸化物と一部化学反応し、固溶体、複合酸化物を形成していても良い。
本発明において、セリア−ジルコニア酸化物におけるセリウムとジルコニウムの構成比率は、充分なOSCおよび比表面積を確保するために、Ce/Zr原子比が2/8〜8/2となるようにすることが好ましく、3/7〜7/3とすることが特に好ましい。
また、本発明のセリア・ジルコニア系酸化物には、本発明に影響を与えない範囲の量の、Y、La、Pr、Nd等の希土類イオンやMg、Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属イオン、Cu、Fe等の遷移金属イオン、Ti、Zn、Sn、Al、Ga等のイオンを含んでいても良い。 このような本発明のセリア・ジルコニア系酸化物は、例えば、金属アセチルアセトナート表面修飾セリア・ジルコニア系水和酸化物を200℃から1200℃で加熱保持して焼成することにより得ることができ、この酸化物は大きな比表面積を有するものとなる。更に好ましい温度範囲としては、300〜1000℃である。焼成温度が200℃より低いとアセチルアセトナートの除去が不十分であることがあり、また、1200℃より高くなると比表面積の低下が著しくなることがある。
焼成の際、金属アセチルアセトナート表面修飾セリア・ジルコニア系水和酸化物の平均径(1次粒径)は1〜20nmであることが好ましい。この範囲で高い比表面積を有する酸化物が得られる。1nmより小さいと焼成処理に際し、粒子の焼結が進み、得られる酸化物の比表面積が低下することがあり、20nmを超えると得られる酸化物が高い比表面積を有さない場合がある。
また、焼成時の雰囲気としては酸化性、還元性、不活性雰囲気のいずれでもよい。OSC特性を高めるためには還元性、不活性雰囲で焼成する。
本発明のセリア・ジルコニア系酸化物は、1000℃で1時間保持した後も20m/g以上の比表面積を有するものである。特にセリア−ジルコニア酸化物の場合は、1000℃に1時間保持した後も30m/g以上の比表面積を容易に達成できる。
また、セリアおよびジルコニアを含んでなるセリア・ジルコニア系酸化物は、800μmol−O/g−CeO以上の酸素貯蔵能を有する。
このように、本発明のセリア・ジルコニア系酸化物は高比表面積を有し、800℃以上の高温下においても高い比表面積を維持することができるため、排ガス浄化用触媒の担体として有用である。本発明の酸化物を排ガス浄化用触媒担体として使用する場合には、本発明の酸化物のみを担体としてもよいし、アルミナ等の他の酸化物と混合して用いても良く、これらに貴金属を担持させて触媒とすればよい。
貴金属としては、例えば、Pt、Rh、Pd、Ir、Ruなどから一種類又は複数種選択して用いることができ、その担持量は従来の排ガス浄化用触媒と同様で良い。また担持方法も吸着担持法、吸水担持法など従来の担持法を利用することができる。
なお、本発明でいう担体とは、触媒成分を単に担持する機能を有するもの、および触媒反応に対する助触媒の機能を有するものも含む。
上述のようにして得られた排ガス用浄化触媒は、800℃以上、特に1000℃の高温にさらされた後も担体の比表面積が大きいため、排ガス浄化特性が十分に高い。
本発明によれば、800℃以上、特に1000℃の高温にさらされた後も大きな比表面積を維持し得るセリア、ジルコニアまたはセリア−ジルコニア酸化物を提供できる。また、該酸化物を担体に用いると、800℃以上の高温条件でも大きな比表面積を有し排ガス浄化特性の高い排ガス浄化用触媒を提供することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例、比較例で得られた粉末の各種物性値の測定は以下のようにして行った。
(1)組成分析
粉末の組成はICP発光分光分析法にて測定した。
(2)結晶構造
粉末の結晶構造は粉末X線回折装置(マック・サイエンス社製、商品名「MPX3」)により同定した。X線源としてはCu−Kα線を使用した。
(3)比表面積測定
粉末の比表面積は一点式比表面積測定装置(ユアサアイオニクス社製、商品名「MONOSORB」)により測定した。
(4)OSC測定
OSC測定は、自作の昇温還元装置(TPR)を用いて行った。H=20%雰囲気中で室温から900℃まで10℃/minで昇温し、200〜700℃の範囲で消費されるH量をTCD−ガスクロマトグラフィ−で検出し、H量からOSCを算出した。サンプルは予め、大気中、500℃で1時間酸化処理を行った後、測定を実施した。
(実施例1)
Ce(NO溶液(0.5M)とZrO(NO溶液(0.5M)の混合液(Ce/Zrモル比=1/1)にH液(H/Ceモル比=1/1)を添加し攪拌しながら、アンモニア水をpH=9になるまで注ぎ、沈殿を得た。沈殿をろ過・水洗した後、エタノール中に分散させ、溶液を攪拌しながら、溶液温度を40℃とした。
La(acac)/(Ce+Zr)モル比=0.15のLa(acac)をエタノールに溶解させた後、添加し、表面修飾反応を行った。反応後、ろ過、乾燥し本発明のLaアセチルアセトナート表面修飾セリア・ジルコニア系水和酸化物を得た。
こうして得られたLaアセチルアセトナート表面修飾セリア・ジルコニア系水和酸化物を大気中800℃又は1000℃で各1時間焼成して本発明のセリア・ジルコニア系酸化物を得た。
(実施例2)
金属アセチルアセトナートとして、Y(acac)を、Y(acac)/(Ce+Zr)モル比=0.06で使用した以外は実施例1と同様の操作を行い、本発明のYアセチルアセトナート表面修飾セリア・ジルコニア系水和酸化物を得た。また、実施例1と同様にして、大気中800℃又は1000℃で各1時間焼成して本発明のセリア・ジルコニア系酸化物を得た。
(実施例3)
金属アセチルアセトナートとして、Pr(acac)を、Pr(acac)/(Ce+Zr)モル比=0.10で使用した以外は実施例1と同様の操作を行い、本発明のPrアセチルアセトナート表面修飾セリア・ジルコニア系水和酸化物を得た。こうして得られたPrアセチルアセトナート表面修飾セリア・ジルコニア系水和酸化物を、Hを4%含有する窒素ガス中で、800℃又は1000℃で各1時間焼成して本発明のセリア・ジルコニア系酸化物を得た。
(実施例4)
Ce(NO溶液(0.3M)にH液(H/Ceモル比=1/1)を添加し攪拌しながら、アンモニア水をpH=9になるまで注ぎ、沈殿を得た後、実施例1と同様の操作を行い本発明のLaアセチルアセトナート表面修飾セリア系水和酸化物を得た。また、実施例1と同様にして、大気中800℃又は1000℃で各1時間焼成して本発明のセリア・ジルコニア系酸化物を得た。
(実施例5)
ZrOCl溶液(0.3M)を100℃で5日間加熱し、加水分解析出物を生成させた白濁液を得、そこにアンモニア水をpH=9になるまで添加し凝集させ、ろ過分離した。この沈殿物を実施例2と同様の操作を行い本発明のYアセチルアセトナート表面修飾ジルコニア系水和酸化物を得た。また、実施例1と同様にして、大気中800℃又は1000℃で各1時間焼成して本発明のセリア・ジルコニア系酸化物を得た。
(比較例1)
Ce(NO溶液(0.5M)とZrO(NO溶液(0.5M)とLa(NO溶液(0.5M)の混合液(Ce/Zr/Laモル比=1/1/0.2)にH液(H/Ceモル比=1/1)を添加し攪拌しながら、アンモニア水をpH=9になるまで注ぎ、沈殿を得た。得られた沈殿をろ過・水洗後、乾燥したものを試料とした。こうして得られた試料を、大気中800℃又は1000℃で各1時間焼成して酸化物を得た。
(比較例2)
Ce(NO溶液(0.3M)とLa(NO溶液(0.5M)の混合溶液(Ce/Laモル比=1/0.1)にH液(H/Ceモル比=1/1)を添加し攪拌しながら、アンモニア水をpH=9になるまで注ぎ、沈殿を得た。ろ過・水洗した沈殿を80℃で乾燥し、乳鉢で粉砕したものを試料とした。また、比較例1と同様にして、大気中800℃又は1000℃で各1時間焼成して酸化物を得た。
(比較例3)
ZrOCl溶液(0.3M)をY(NO溶液(0.5M)の混合溶液(Zr/Yモル比=1/0.05)を100℃で5日間加熱し、加水分解析出物を生成させた白濁液を得、そこにアンモニア水をpH=9になるまで添加し凝集させ、ろ過分離した。ろ過・水洗した沈殿を80℃で乾燥し、乳鉢で粉砕したものを試料とした。また、比較例1と同様にして、大気中800℃又は1000℃で各1時間焼成して酸化物を得た。
実施例1〜5で得られたセリア・ジルコニア系酸化物及び比較例1〜3で得られた酸化物について、それらの比表面積(800℃又は1000℃で各1時間焼成)をBET法で測定した。また、これらの酸化物の結晶相をXRD測定から同定した。結果を表1に示す。
実施例1〜5で得られたセリア・ジルコニア系酸化物は比較例1〜3で得られた酸化物に比べ、800℃および1000℃焼成後の比表面積が大きいことがわかる。
Figure 0004972868
実施例1〜4で得られたセリア・ジルコニア系酸化物(800℃又は1000℃で各1時間焼成)について、200〜700℃における酸素貯蔵能を試料から放出される酸素によって消費されるHガス量を測定するTPR曲線から求めた。結果を表2に示す。
Figure 0004972868

Claims (5)

  1. 一般式Ce1−XZr・nHO(x=0〜1、n=0〜2)で表されるセリア・ジルコニア系水和酸化物の表面が、金属M(M:希土類およびアルカリ土類金属からなる群より選ばれる少なくとも1種類)のアセチルアセトナートによって表面修飾された、金属アセチルアセトナート表面修飾セリア・ジルコニア系水和酸化物。
  2. 金属MがLa、Pr、Nd、Sm、Gd、Yの少なくとも1種類からなることを特徴とする請求項1に記載の金属アセチルアセトナート表面修飾セリア・ジルコニア系水和酸化物。
  3. 金属アセチルアセトナートの表面修飾量が、金属アセチルアセトナート/セリア・ジルコニア系水和酸化物のモル比で0.05〜0.15であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の金属アセチルアセトナート表面修飾セリア・ジルコニア系水和酸化物。
  4. 一般式Ce1−XZr・nHO(x=0〜1、n=0〜2)で表されるセリア・ジルコニア系水和酸化物と n+ (acac) で表される金属アセチルアセトナート(acacはアセチルアセトナート配位子、nは金属種Mの価数を表し、M n+ はアルカリ土類金属、希土類金属から選ばれたすくなくとも1種類)とを有機溶媒中で反応させることを特徴とする、金属アセチルアセトナート表面修飾セリア・ジルコニア系水和酸化物の製造方法。
  5. 請求項1乃至請求項3に記載の金属アセチルアセトナート表面修飾セリア・ジルコニア系水和酸化物を200℃以上の温度で焼成することを特徴とするセリア・ジルコニア系酸化物の製造方法。
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