JP4968576B2 - 導電性組成物とその成形体 - Google Patents

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本発明は電圧安定性および環境安定性に優れた導電性組成物とその成形体に関する。一般に、複写機、ファクシミリ、プリンタなどの電子写真方式の画像形成装置や静電記録装置に用いられる各種の部品、例えば、帯電、現像、転写、定着、除電、クリーニング、給紙、搬送用などのブレード、ローラ、ベルト、ブラシなどには導電性樹脂組成物、導電性エラストマー組成物、および導電性塗料などが用いられている。本発明はこれらの材料として好適であり、特に半導電領域(103〜1012Ω・cm、中抵抗領域とも云う)において安定な導電性を有し、中電圧下(100V〜1000V)での電圧安定性、および環境安定性に優れた導電性組成物とその成形体に関するものである。
複写機、ファクシミリ、プリンタなどの電子写真方式に基づく画像形成装置や静電記録装置等には導電性樹脂組成物や導電性エラストマー組成物、および導電性塗料などの導電性組成物が多く用いられている。従来の導電性組成物は、例えば、シリコーンやポリウレタン、エピクロルヒドリン,NBR,EPDMなどの絶縁性エラストマー、ポリカーボネート(PC)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF),ポリイミド(PI),ポリアミドイミド(PAI),エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等の絶縁性樹脂をベースにして、これにイオン導電材料、導電性ポリマー、カーボンブラック、金属酸化物等の導電物質を添加したものが用いられている。
従来の導電性組成物は導電物質の添加量を調整することによって機能上必要な導電性を付与しているものが多いが、近年、これらのOA機器の高性能化に伴い、導電性についてより厳密な制御が要求されている。しかし、カーボンや金属酸化物等の粉末状の導電物質はその僅かな添加量のズレや、材料温度、成型温度、成型時間等の条件の僅かな変化、更には成型方法の違いによって導電パスの形態が変化しやすいために導電性が大きく変動すると云う問題がある。特に半導電領域において、成型物の形状や成型条件などを注意して管理しても成型物全体に亘って安定な導電性を付与させることが難しい場合が頻繁にある。
また、従来の導電性組成物は、半導電領域において、印加電圧に依存して電気抵抗値が変化する、いわゆる電圧依存性の高いものが多い。例えば、球状カーボンブラックを単独で用いることによって電圧依存性を緩和した導電性組成物が知られているが(特許文献1、2)、この導電性組成物でも体積固有抵抗が105Ω・cm以上のものは、カーボン量が±0.5質量%程度相違し、かつ成形条件(成形速度、温度、湿度)が相違するなどによって、体積抵抗値が10Ω・cm以上ずれる場合がある。
一方、イオン伝導性の導電材料を用いたものは、電圧や電流による抵抗値の変化(ie.電圧依存性)が抑制される傾向が見られるものの、温度や湿度による抵抗値の変化(ie.環境依存性)が増加する傾向がある。さらに通電によって抵抗が変化しやすく、またイオンがブリードして汚染源になりやすいなどの問題を抱えている。
この他に、特許文献3には、白色導電粉末と中空マイクロファイバーを含む導電性ポリマーが記載されている。これは、双方を混合することによって黒色化を抑え、白色の導電性組成物を得ることができ、さらに任意の色に着色できるようにしたものであり、本発明のように、中抵抗域〜高抵抗域での電気抵抗の安定性については全く認識されていない。
特開平11−106657号公報 特開平11−190328号公報 特開H09−111135号公報
本発明は、従来の導電性組成物における上記課題を解決したものであり、特に中抵抗領域(103〜1012Ω・cm)において安定な導電性を有し、かつ中電圧下(100V〜1000V)での電圧安定性および環境安定性に優れた導電性組成物とその成形体を提供する。
本発明は以下の構成によって上記課題を解決した導電性組成物とその成形体に関する。
〔1〕マトリックス材料中にカーボンナノファイバーと導電粉末を含有し、
該カーボンナノファイバーは100kg/cm2下での体積抵抗値が1Ω・cm以下であり、該導電粉末は100kg/cm2下での圧粉体積抵抗値が5×105〜108Ω・cmであり、
マトリックス材料100重量部に対してカーボンナノファイバー含有量が0.1〜5重量部未満、導電粉末の含有量が10〜150重量部であり、
印加電圧100V下の体積抵抗が10 3 〜10 12 Ω・cmであって、
印加電圧100V下の体積抵抗R100と印加電圧1000V下の体積抵抗値R1000とが次式(1)の関係にあることを特徴とする導電性組成物。
Log 10 R100−log 10 R1000≦1.0 …(1)
〔式中、R100は印加電圧100V下の体積抵抗率(Ω・cm)、R1000は印加電圧1000V下の体積抵抗率(Ω・cm)〕
〔2〕粒子径0.1μm以下、アスペクト比5以上のカーボンナノファイバーと、100kg/cm2下の圧粉体抵抗値が5×105Ω・cmの酸化スズ粉末を含有する上記[1]に記載する導電性組成物。
〔3〕低温低湿環境下の体積抵抗率RLLと、高温高湿環境下の体積抵抗率RHHとが次式(2)に示す範囲内である上記[1]または上記[2]に記載する導電性組成物。
Log 10 RLL−log 10 RHH≦1.5 …(2)
〔式中、RLLは低温低湿環境下(10℃、相対湿度20%)の体積抵抗率(Ω・cm)、RHHは高温高湿環境下(40℃、相対湿度80%)の体積抵抗率(Ω・cm)〕
〔4〕上記[1]〜上記[3]の何れかに記載する導電性組成物によって形成された転写シート、導電シート、導電ブレード、導電ギア、導電ローラー、導電性ブラシ、導電糸、導電チューブ、または導電ロール。
本発明の導電性組成物は、マトリックス中にカーボンナノファイバーと導電粉末とを含有することによって良好な導電パスが形成されるようにしたので、電圧依存性が低く、電圧変化に対する安定性が良い。具体的には、本発明の導電性組成物は、印加電圧100V下の体積抵抗R100と印加電圧1000V下の体積抵抗値R1000との差が、log10R100−log10R1000≦1.0 〔式中、R100は印加電圧100V下の体積抵抗率(Ω・cm)、R1000は印加電圧1000V下の体積抵抗率(Ω・cm)〕の範囲内であり、電圧変化に対する安定性が良い。
本発明によれば、例えば、粒子径0.1μm以下、アスペクト比5以上であって粉体抵抗1.0Ω・cm以下のカーボンナノファイバーと、100kg/cm2の圧力下の圧粉体抵抗値が1Ω・cm以上の導電粉末とを用い、これらのカーボンナノファイバーと導電粉末の合計量が組成物の体積抵抗が103〜1012Ω・cmとなる量を含有させることによって、半導電領域において安定な導電性を有し、中電圧下での電圧安定性および環境安定性に優れた導電性組成物を得ることができる。
本発明の導電性組成物は、電圧依存性が低く、かつ環境依存性も低いので、この導電性組成物を用いれば、帯電・現像・転写・定着の画像形成過程において電気的に非常に安定的に保持されるため、その電気的不安定さを克服するための機械的な制御を容易にすることができる。さらに、転写電圧をコントロールしやすく、画像形成装置の機構を簡素化できる。その結果、画像形成装置において高速化、高画質化およびコストダウンを図ることができる。また、印加電圧あるいは印加電流を、印字条件、紙の種類、環境条件に対応して制御するにあたり、精度の高い制御が可能になり、結果的に印字品位を高めることが出来るとともに小型化、低コスト化を図るうえで有利である。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
本発明の導電性組成物は、マトリックス材料中にカーボンナノファイバーと導電粉末を含有し、該カーボンナノファイバーは100kg/cm2下での体積抵抗値が1Ω・cm以下であり、該導電粉末は100kg/cm2下での圧粉体積抵抗値が5×105〜108Ω・cmであり、マトリックス材料100重量部に対してカーボンナノファイバー含有量が0.1〜5重量部未満、導電粉末の含有量が10〜150重量部であり、印加電圧100V下の体積抵抗が10 3 〜10 12 Ω・cmであって、印加電圧100V下の体積抵抗R100と印加電圧1000V下の体積抵抗値R1000とが次式(1)の関係にあることを特徴とする導電性組成物である。
Log 10 R100−log 10 R1000≦1.0 …(1)
〔式中、R100は印加電圧100V下の体積抵抗率(Ω・cm)、R1000は印加電圧1000V下の体積抵抗率(Ω・cm)〕




本発明の導電性組成物に用いるマトリックス材料として以下の化合物が用いることができる。例えば、マトリックス材料として樹脂組成物を用いることができる。これには熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂などが挙げられる。具体的に用いられる樹脂として、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ナイロン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、塩化ビニリデン樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンスルファイド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、ポリエーテルイミド樹脂、シリコーンイミド樹脂、ウレタンイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、エポキシ樹脂、メラニン樹脂など、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂などが挙げられる。これらのうち、弾性率の高いポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が好適に用いられる。特に比較的安価なポリアミドイミド樹脂が好ましい。
マトリックス材料がエラストマーである場合には、例えば、シリコーン系、アクリロニトリルブタジエン、ウレタン系ゴム、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴム、あるいは熱可塑性エラストマーなどが用いられる。とくに高度、粘度、耐久性などの観点からシリコーン系やウレタン系が好ましい。これらは、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、マトリックス材料の弾性体は発泡体でもよく、この場合には、密度0.05〜0.9g/cm3程度のものが適当である。さらに、マトリックス材料は塗料でも良く、塗料としては、水系フッ素ゴム塗料、ウレタン系塗料、アクリル系塗料、またはシリコーン系塗料などを用いることができる。
導電粉末としては、100kg/cm2の圧力下で圧粉体抵抗値が10 0 〜10 8 Ω・cmのものが好ましい。導電粉末の材料としては、導電性金属酸化物、窒化物、炭化物、酸窒化物、シリコン化合物などが挙げられる。導電性金属酸化物としては、酸化錫(SnO2)、アンチモン錫酸化物(ATO)、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化アンチモン(Sb25)、酸化亜鉛、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、酸化チタン、アンチモンドープ酸化チタン、チタン酸カリウムなどがある。また、導電性酸窒化物としては酸窒化チタンなどがある。
非導電粉末の表面を導電性金属酸化物などで被覆した導電粉末も用いることができる。具体的には、シリカ、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、チタン酸アルカリ金属(チタン酸カリウムなど)、ホウ酸アルミニウム、硫酸バリウム、合成フッ素雲母などの非導電粉末の表面をATO、AZO、ITOなどの透明または白色の導電性金属酸化物で被覆したものを使用することができる。また、酸化チタン、酸化亜鉛などの表面をATO、AZO、ITOなどによって被覆して導電性を高めた粉末を用いても良い。
導電粉末の粒径は、一般に略球形な粉末ではBET比表面積0.5〜50m2/gのものが適当であり、3〜30m2/gのものが好ましい。高アスペクト比粉末ではBET比表面積0.1〜10m2/gのものが適当であり、1〜10m2/gのものが好ましい。
本発明の導電性組成物は、導電粉末と共にカーボンナノファイバーを含有する。カーボンナノファイバーは、アスペクト比が5以上、径が0.1μm以下であって、バルクでの体積抵抗率(圧力100kg/cm2で測定した値)が1Ω・cm以下のものが好ましい。
カーボンナノファイバーは、そのままではマトリックス中に分散することが難しいため、分散性を高める処理を行うと良い。たとえば、オゾンガスなどによる酸化処理などの表面処理をおこなって、マトリックスとの相溶性を向上させ分散することもできる。また、塗料に分散することも難しいため、表面処理を行うほかに、予め塗料を構成する溶媒に分散して、塗料と混合することもできる。この分散液に良好に分散させるため、オゾンガスなどによる酸化処理などの表面処理した粉末を用いたり、各種の添加剤を添加して分散することもできる。
導電粉末を単独で使用した場合、多量に用いることによって導電性を高めることはできるが、電圧依存性が非常に高くなる。一方、カーボンナノファイバーを単独で用いると、ファイバー自体の抵抗値が低いため、102Ω・cm程度の抵抗値を安定して得ることが難しいが、粉末状ではないため、接触抵抗が低減されるので電圧依存性は少ない。
本発明の導電性組成物は、導電粉末と共にカーボンナノファイバーを含有することによって、組成物内部でこれらが均一に混在し、導電パスの形成をカーボンナノファイバーが担い、導電粉末どうしの接触よりも良好な導電パスが形成されるので、電圧依存性が低減され、安定な導電性が得られる。
さらに、本発明の導電性組成物は、カーボンナノファイバーと導電粉末とを併用することによって、導電粉末どうしの接触よりも良好な導電パスが形成されるので、環境変動に対する安定性にも優れる。具体的には、低温低湿環境下の体積抵抗率RLLと、高温高湿環境下の体積抵抗率RHHとを次式(2)に示す範囲内に制御することができる。
Log10RLL−log10RHH≦1.5 …(2)
〔式中、RLLは低温低湿環境下(10℃、相対湿度20%)の体積抵抗率(Ω・cm)、RHHは高温高湿環境下(40℃、相対湿度80%)の体積抵抗率(Ω・cm)〕
導電フィラー(導電粉末およびカーボンナノファイバー)の配合量は、組成物の印加電圧100V下の体積抵抗が103〜1012Ω・cm、好ましくは104〜1010Ω・cmとなる量が適当である。導電粉末と共にカーボンナノファイバーを併用することによって、導電粉末を単独で用いた場合、あるいはカーボンナノファイバーを単独で用いた場合よりも少ない量で良好な導電性が得られる。
導電フィラーの含有量は、具体的には、マトリックス材料100重量部に対して、カーボンナノファイバーは0.1〜5重量部未満添加することが適当であり、0.2〜3.0重量部が好ましく、0.5〜2.0重量部がより好ましい。導電粉末は、10〜150重量部添加することが適当であり、10〜50重量部が好ましく、15〜30重量部がより好ましい。カーボンナノファイバーの含有量が少ないと電圧依存性を低減するのが難しくなり、他方、この量が多いと抵抗値が目的以上に低下する。導電粉末の含有量が少ないと目的の導電性が得られ難く、他方、この量が多いと電圧依存性が高くなる。
導電性を安定化させるためにイオン導電材を添加してもよい。イオン導電材としては、トラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム(ラウリルトリメチルアンモニウム等)、オクタデシルトリメチルアンモニウム(ステアリルトリメチルアンモニウム等)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、アルキル硫酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩などのアンモニウム塩;リチウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸、塩塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、トリフルオロメチル硫酸塩、スルホン酸塩などを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の導電性組成物には、上記導電フィラーの他に、分散剤、レベリング剤、老化防止剤、滑剤、酸化防止剤、可塑剤、着色剤あるいは非補強性シリカ、珪藻土、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、球状粒子シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズなどの充填剤を適宜配合してもよい。それらの種類、量については特に制限されない。
マトリックス材料に導電フィラーを混合分散させる方法は制限されない。既存の方法を利用することができる。例えば、樹脂やエラストマーのうち熱可塑性のものについては、加圧ニーダー、インテンシブミキサー、ヘンシェルミキサー、ミキシングロール、三本ロール、加熱ロールミル、押出混合機、溶融ブレンダー等の混合機を用い、溶融または軟化状態のポリマーに上記導電フィラーを混合して分散させればよい。製造した導電性組成物はペレット、粒状などに成形してもよく、或いはそのまま直接に用途の形状に成形してもよい。
本発明の導電性組成物について、成形法および成形品の形状は制限されない。成形法としては、溶融紡糸、押出成形、射出成形、プレス成形を含む各種の方法を利用することができ、また成形品の形状は樹脂種などに応じて適当に選択すればよい。具体的には例えば、溶融成形法や溶液成形法などを利用することができる。成形品の形状としては、繊維 (フィラメントを含む) 、フィルム、シート、シームレスチューブのほか、棒、管、ロール、立体成形品など必要な部材に仕上げることができる。
熱可塑性樹脂の場合には、予め硬化する前の溶融状態のときに導電粉末とカーボンナノファイバーを混合し、その後、架橋硬化成形することによって目的の形状にすれば良い。導電粉末およびカーボンナノファイバーはそれぞれ粉末の状態で混合しても良いが、予めおのおのを溶媒に分散した状態にし、これを硬化前の樹脂の混合すると良い。
マトリックス材料が塗料の場合にも、上記導電フィラーをおのおのの粉末の状態で塗料に混合し、ディスパーなどで分散させれば良い。なお、導電フィラーをおのおの溶媒に分散した状態にし、これを塗料に混合しても良い。
上記何れの場合にも、マトリックス中に混合された導電フィラーを均一に分散させる。導電フィラーがマトリックス中に均一に分散されないと導電性が偏り、組成物全体について良好な導電性が得られない。
本発明の導電性組成物によれば、電圧依存性が低く、環境安定性に優れた高品質の導電性部品、例えば、転写シート、導電性ブラシ、導電糸、導電チューブ、導電ロールなどを得ることができる。
以下に本発明の実施例を比較例と共に示す。
〔実施例および比較例〕
表1に示す材料を用い、表示する配合量に従い、樹脂に導電フィラーを添加して押出混練機にて混練することによって導電フィラーを均一に分散させた導電性樹脂ペレットを製造した。これを溶融押出して厚さ100μmの樹脂フィルムを成形した。この樹脂フィルムについて体積抵抗率を測定した。この結果を表1に示した。
〔体積抵抗率の測定〕
印加電圧100V、および1000Vにおける体積抵抗率は以下のようにして測定した。試料を幅1cm、長さ12cmに切断し、両端1cmの部分に銅導電性テープを両面に貼り付けて電極とした。この電極間の電気抵抗値を超絶縁計(東亜電波社製SM-8210)を用いて測定し、試料の幅(w)、厚み(t)および電極間距離(l)から次式に基づいて体積抵抗値を求めた。
R(v)[Ωcm] = R[Ω]・(w[cm]・t[cm]/l[cm])
材料には以下のものを用いた。
樹脂:ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック社製H−4000)
塗料:アクリル塗料(関西ペイント性)
カーボンナノファイバー(CNF):直径20nm、アスペクト比100以上、圧粉体積抵抗値5.0×10-2Ωcm
導電性粉末:酸化スズ(SnO2)粉末(三菱マテリアル社製S-1S)圧粉体積抵抗値5.0×105 Ωcm、比表面積BET15m2/g
白色導電粉末W−1(三菱マテリアル社製W−1)圧粉体積抵抗値5Ωcm、比表面積BET5m2/g
Figure 0004968576

Claims (4)

  1. マトリックス材料中にカーボンナノファイバーと導電粉末を含有し、
    該カーボンナノファイバーは100kg/cm2下での体積抵抗値が1Ω・cm以下であり、該導電粉末は100kg/cm2下での圧粉体積抵抗値が5×105〜108Ω・cmであり、
    マトリックス材料100重量部に対してカーボンナノファイバー含有量が0.1〜5重量部未満、導電粉末の含有量が10〜150重量部であり、
    印加電圧100V下の体積抵抗が10 3 〜10 12 Ω・cmであって、
    印加電圧100V下の体積抵抗R100と印加電圧1000V下の体積抵抗値R1000とが次式(1)の関係にあることを特徴とする導電性組成物。
    Log 10 R100−log 10 R1000≦1.0 …(1)
    〔式中、R100は印加電圧100V下の体積抵抗率(Ω・cm)、R1000は印加電圧1000V下の体積抵抗率(Ω・cm)〕
  2. 粒子径0.1μm以下、アスペクト比5以上のカーボンナノファイバーと、100kg/cm2下の圧粉体抵抗値が5×105Ω・cmの酸化スズ粉末を含有する請求項1に記載する導電性組成物。
  3. 低温低湿環境下の体積抵抗率RLLと、高温高湿環境下の体積抵抗率RHHとの差が次式(2)に示す範囲内である請求項1または請求項2に記載する導電性組成物。
    Log 10 RLL−log 10 RHH≦1.5 …(2)
    〔式中、RLLは低温低湿環境下(10℃、相対湿度20%)の体積抵抗率(Ω・cm)、RHHは高温高湿環境下(40℃、相対湿度80%)の体積抵抗率(Ω・cm)〕
  4. 請求項1〜請求項3の何れかに記載する導電性組成物によって形成された転写シート、導電シート、導電ブレード、導電ギア、導電ローラー、導電性ブラシ、導電糸、導電チューブ、または導電ロール。
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